JPH0664472A - 車両用端部位置表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転者の眼の位置等の個人差に対応して、光
束の角度を容易に調整することができ、運転者の両眼像
の高低差を解消できる車両用端部位置表示装置を提供す
る。 【構成】 表示器１から放射した端部マーク表示体の像
を、円筒凸面鏡に反射させた後、車両のフロントガラス
１０に反射させ、車両の端部位置近傍にその像を結像さ
せる車両用端部位置表示装置である。円筒凸面鏡３はフ
ロントガラス１０の曲率と略同じ曲率に形成され、円筒
凸面鏡３にはその取付け角度を調整する角度調整機構２
０が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、端部マーク表示体を光
学的表示手段によって車両の端部近傍に結像させ、運転
者が車内から車両の端部位置を容易に視認することがで
きる車両用端部位置表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ヘッドアップディスプレイ装置を
利用して、車両の先端位置を運転者が視認できるように
した車両用先端位置表示装置が、特開昭６２−３４８２
４号公報により提案されている。

【０００３】この装置は、車内に設置された先端マーク
表示体を、光学的表示手段によってフロントガラスに反
射させながら、車両の先端位置近傍に結像させ、この先
端マーク表示体の像を運転者が視認することにより、実
際には視認しにくい車両先端位置、特に壁等障害物との
相対位置を認識させるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の先端
位置表示装置は、図６に示すように、先端マーク表示体
３０からの光を、反射鏡３１、凹面鏡３２等を介して、
斜めからフロントガラス１０に入射させ、そこで反射し
た光を運転者の目に入射させて、その車両の先端位置近
傍に結像した虚像を視認させるが、通常、フロントガラ
ス１０は左右方向の曲面を有しているため、運転者が見
る両眼の像に上下方向の高低差を生じ、目の調整が非常
に困難となって、眼精疲労を生じさせる問題があった。

【０００５】一方、従来、ヘッドアップディスプレイ装
置において、光学系にプリズムを使用することにより、
フロントガラスから眼に向う光束の角度を、左右の眼を
含む水平面内を通過させる角度に修正し、上下方向の像
の高低差を解消する技術が提案されている（特開昭６２
−１７３３３６号公報）。

【０００６】しかし、このヘッドアップディスプレイ装
置では、プリズムを使用して像の高低差を解消するた
め、各種の曲率のフロントガラスを持つ各種の自動車に
対し、このプリズムを使用した先端位置表示装置を適用
するためには、各種の自動車に対応した角度を持つ多数
種のプリズムを製造する必要があり、また、プリズム自
体の取付け角度を固定した場合、運転者の眼の高さや両
眼の幅が個人差によって変化するため、適正に像の高低
差を解消することができなくなる課題があった。

【０００７】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、運転者の眼の位置等の個人差に対応して、光束の角
度を容易に調整することができ、運転者が見る両眼の像
の上下の高低差を解消できる車両用端部位置表示装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の車両用端部位置表示装置は、光学的表示手
段によって端部マーク表示体の像を車両の曲面ガラスに
反射させ、車両の端部位置近傍に結像させて表示する車
両用端部位置表示装置において、光学的表示手段の一部
に使用され、曲面ガラスの曲率と略同じ曲率を有する円
筒凸面鏡と、円筒凸面鏡の取付け角度を調整する角度調
整機構と、を備えたことを特徴とする。

【０００９】

【作用・効果】このように構成された車両用端部位置表
示装置では、光学的表示手段によって端部マーク表示体
の像が車両の曲面ガラスに反射して、車両の端部位置近
傍に結像させて表示されるが、光学的表示手段におい
て、角度を適正に調整され曲面ガラスと略同じ曲率を有
する円筒凸面鏡が反射した像を曲面ガラスに当てて結像
する。このため、曲面ガラスから眼に向う光束の角度
が、左右の眼を含む水平面内を通過させる角度に修正さ
れ、曲面ガラス上の曲面反射に起因した両眼像の上下方
向の高低差を解消することができる。

【００１０】また、円筒凸面鏡に角度調整機構が設けら
れるため、運転者の眼の高さ位置や両眼の間隔に応じ
て、その角度調整機構により円筒凸面鏡の取付け角度を
調整することができ、運転者の眼の高さや両眼の幅に個
人差があっても、適正に両眼像の高低差を解消すること
ができる。さらに、円筒凸面鏡は、プリズムに比べ、各
種の曲率のものを合成樹脂等により低コストで簡単に製
造することができ、各種の車両の各種の曲面ガラスに対
応した端部位置表示装置を低コストで製造することがで
きる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１２】図１は自動車のダッシュボード部に配設さ
れた車両用端部位置表示装置の構成を示している。この
装置は、表示器１内に光源１４と端部マーク表示体１３
が設けられ、表示器１から照射された表示体の像を凹面
鏡２と円筒凸面鏡３を介してフロントガラス１０上の点
Ｄで反射させ、運転者の眼Ｇに入射させるように構成さ
れる。

【００１３】表示器１は、図２に示すように、箱型のケ
ース１１内に、例えば、リフレクタ付きハロゲンランプ
の前面にスリガラス等の光拡散板を設けた光源１４が配
設され、その前方に設けられたガラス等の透明板上に、
周縁部を遮光し中央に色フィルタ付の透光部を設けた端
部マーク表示体１３が取付けられて形成される。

【００１４】円筒凸面鏡３は、合成樹脂等の基板上に銀
或はアルミニウム等の反射層を蒸着等により形成してな
り、その鏡面は、フロントガラス１０上の反射点Ｄにお
ける水平方向の曲率と略同じ曲率を縦方向に有するよう
に形成される。

【００１５】また、円筒凸面鏡３は、図３、図４に示す
ように、角度調整機構２０を介して図１に示すような位
置に、その取付け角度を調整可能に取付けられる。

【００１６】角度調整機構２０は、固定板２２に対しベ
ース板２３を自在継手２４を介して角度変化可能に取付
け、ベース板２３の前面に歯車２１付きの取付板２６
を、軸２５を介して回転可能に取付け、固定板２２上の
ねじ孔に対し、おねじの上下角度調整ねじ２７と左右角
度調整ねじ２８を螺合させ、取付板２６上の歯車２１に
回動軸２９の先端のピニオン１９を噛合させて構成され
る。上下角度調整ねじ２７と左右角度調整ねじ２８の先
端は、ベース板２３上の上部と右側に回転を許容して連
結される。そして、取付板２６の前面に円筒凸面鏡３が
固定され、固定板２２が車体に対し固定される。

【００１７】したがって、上下角度調整ねじ２７を回転
すると、円筒凸面鏡３が上下の傾斜角度（あおり角度）
を変え、左右角度調整ねじ２８を回転すると、円筒凸面
鏡３が左右の傾斜角度（あおり角度）を変える。また、
回動軸２９を回すことにより、円筒凸面鏡３が軸２５を
中心に回転し、円筒凸面鏡３の平面内での傾斜角度を調
整することができる。

【００１８】表示器１、凹面鏡２、円筒凸面鏡３は、図
１のように、表示器１から照射された表示体の像を凹面
鏡２と円筒凸面鏡３を介してフロントガラス１０上の点
Ｄで反射させ、運転者の眼Ｇに入射させて、その虚像４
を車体の端部位置に結像させるように、配置される。

【００１９】この場合、、表示器１から凹面鏡２までの
距離をａ、凹面鏡２から虚像４までの距離をｂとし、凹
面鏡２の焦点距離をｆ、その拡大率をｍとすると、１／
ａ−１／ｂ＝１／ｆ、及び ｍ＝ｂ／ａ の式が成立す
る。距離ａが最小の値で、且つ凹面鏡２の倍率が例えば
２〜３倍になるように、それらの距離や焦点距離が決定
される。

【００２０】なお、図示されていないが、上記表示器
１、凹面鏡２、円筒凸面鏡３は、内面を黒色無光沢塗装
した箱内にセットされ、箱の一部には端部マーク表示体
１３の像をフロントガラス１０の点Ｄに向けて放射する
開口部が設けられる。

【００２１】このように構成された車両用端部位置表示
装置では、例えば、自動車を駐車場等に駐車させる場
合、運転者は表示器１の光源１４を点灯する。すると、
表示器１から放射された端部マーク表示体１３の像が、
反射鏡２から円筒凸面鏡３を経て、車両のフロントガラ
ス１０の点Ｄで反射され、運転者の眼Ｇに達する。

【００２２】このとき、端部マーク表示体１３の虚像４
は、車両の端部位置近傍に結像して表示されるが、図５
に示すように、角度を適正に調整されフロントガラス１
０と略同じ曲率を有する円筒凸面鏡３が像を反射して、
フロントガラス１０に当てて結像させるため、フロント
ガラス１０から眼に向う光束の角度が、左右の眼を含む
水平面内を通過させる角度に修正される。このため、フ
ロントガラス１０の曲面に起因した両眼像の上下方向の
高低差を解消することができる。

【００２３】したがって、運転者は、高低差がなく１つ
に融合した像４を、車両の端部位置近傍の空間に鮮明に
見ることができ、その像４と障害物との相対位置関係か
ら、障害物に対する車両の端部位置を容易に認識するこ
とができる。

【００２４】また、円筒凸面鏡３に角度調整機構２０が
設けられるため、運転者の眼の高さ位置や両眼の間隔に
応じて、円筒凸面鏡３の取付け角度を角度調整機構２０
によって調整することができ、運転者の眼の高さや両眼
の幅に個人差があっても、適正に像の高低差を解消する
ことができる。

【００２５】また、円筒凸面鏡３は、合成樹脂等によっ
て各種の曲率を持つものを低コストで製造することがで
き、異なった車種の異なったフロントガラスの曲率に対
応した端部位置表示装置を安価に製造することができ
る。

【００２６】なお、上記実施例では、表示器１から放射
された像を凹面鏡２から円筒凸面鏡３に反射したが、円
筒凸面鏡３と凹面鏡２の位置を逆にして、円筒凸面鏡３
から凹面鏡２に反射させても、上記と同様な作用・効果
が得られる。また、フロントガラスの他にリヤガラス等
に反射させ、車両の後端部付近に像を結像させることも
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す車両用端部位置表示装
置の構成図である。

【図２】表示器１の斜視図である。

【図３】円筒凸面鏡の角度調整機構の斜視図である。

【図４】その左側面図である。

【図５】上記装置の表示光路を示す説明図である。

【図６】従来の表示装置の表示光路を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１−表示器、２−凹面鏡、３−円筒凸面鏡、４−像、１
０−フロントガラス、２０−角度調整機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的表示手段によって端部マーク表示
   体の像を車両の曲面ガラスに反射させ、車両の端部位置
   近傍に結像させて表示する車両用端部位置表示装置にお
   いて、 該光学的表示手段の一部に使用され、該曲面ガラスの曲
   率と略同じ曲率を有する円筒凸面鏡と、 該円筒凸面鏡の取付け角度を調整する角度調整機構と、 を備えたことを特徴とする車両用端部位置表示装置。