JPH0664455A

JPH0664455A - 燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置

Info

Publication number: JPH0664455A
Application number: JP24556992A
Authority: JP
Inventors: Morio Minesawa; 盛男峯澤; Kazuyuki Iguchi; 和之井口
Original assignee: Horie Kinzoku Kogyo KK
Current assignee: Horie Kinzoku Kogyo KK
Priority date: 1992-08-20
Filing date: 1992-08-20
Publication date: 1994-03-08

Abstract

(57)【要約】【目的】燃料タンクに対する燃料注入時に、燃料蒸気
排出抑止装置への燃料蒸気流路を確実に閉塞し得る燃料
蒸気流路開閉制御装置を提供する。【構成】開口部２ａにキャップを装着する燃料注入管
２を備えた燃料タンクから、燃料タンク内の燃料蒸気を
吸収する燃料蒸気排出抑止装置に至る燃料蒸気流路６に
常開の開閉弁１０を介装する。そして、燃料注入管２か
らのキャップの取外し作動に応じて開閉弁１０を閉弁位
置に保持する閉弁手段（レバー１８及び移動部材２０）
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクの燃料蒸気
流路開閉制御装置に係り、特に燃料タンクに対する燃料
注入時に、燃料タンクから燃料蒸気排出抑止装置への燃
料蒸気流路を閉塞する燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制
御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の燃料が例えば揮発性の高いガソ
リンである場合には、燃料タンク内で燃料蒸気が発生す
る。この燃料蒸気によって燃料タンク内の圧力が上昇す
るのを防止すると共に、燃料蒸気の大気への放出を防止
するため、燃料蒸気排出抑止装置が装着されている。こ
の一般的な構成としては、燃料蒸気をチャコールキャニ
スタに導き、一旦チャコール即ち活性炭に吸着させ、エ
ンジン運転時に吸気負圧によってキャニスタに空気を導
入し、活性炭に吸着した燃料成分を吸気系に送り活性炭
の吸着能力を回復させるようにする装置があり、例えば
米国特許３８８４２０４号公報に記載されている。

【０００３】また、燃料注入口から燃料タンク内に燃料
を注入する際、燃料タンク内の燃料蒸気が外気に流出す
ることを防止するため、実開昭６３−１３０３２４号公
報においては、燃料給油ノズル挿入時に開弁する常時閉
鎖型開閉弁を燃料注入管内に回動可能に配置し、燃料注
入管の外壁に弁ハウジングを取り付けると共に燃料タン
クから燃料蒸気浄化装置に向かう燃料蒸気流を制御する
常時閉鎖型制御弁を弁ハウジング内に回動可能に配置
し、開閉弁が開弁したときに制御弁を開弁せしめること
により燃料タンク内の燃料蒸気を燃料蒸気浄化装置に送
り込むようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近時は燃料
タンク内の圧力の上昇を抑え低圧化を図るべく、燃料蒸
気排出抑止装置としてのキャニスタに設けられていたチ
ェックバルブを廃し、常時燃料タンク内を燃料蒸気流路
を介してキャニスタと連通状態にしておく技術が注目さ
れている。これに伴い、燃料タンクに燃料を注入する際
の燃料注入管から外気への燃料蒸気の放出を防止するた
め、例えば燃料注入用の給油ノズルに燃料蒸気を回収す
る手段を付設することが検討され利用されつつある。こ
のような燃料蒸気回収手段が設けられる場合には、燃料
注入時に発生する多量の燃料蒸気は回収手段に回収され
るので、キャニスタに供給される燃料蒸気の量は少な
く、従ってキャニスタの容量を特に大きくする必要はな
い。

【０００５】然し乍ら、燃料を注入する際、過剰の燃料
が供給されると、燃料蒸気流路に燃料が侵入するおそれ
があるので、燃料注入時に燃料蒸気流路を閉塞する手段
が必要となる。このため、たとえば前掲の公報に記載の
燃料注入管内に配置する常時閉鎖型の開閉弁を利用し、
給油ノズルの挿入時に当該開閉弁を開放させ、その開放
作動に連動して制御弁を駆動し燃料蒸気流路を閉塞する
ように構成することが考えられる。然し乍ら、このよう
な開閉弁及び制御弁を利用する場合には、開閉弁がある
程度開放しないと制御弁によって燃料蒸気流路を閉塞す
ることが出来ない。即ち、特に問題となる燃料注入完了
間際の、給油ノズルの頭部のみが燃料注入管にあるよう
な場合には、開閉弁の開度が十分でなく、従って制御弁
が駆動されず燃料蒸気流路が閉塞されない状態となる。

【０００６】そこで、本発明は、特に燃料タンクに対す
る燃料注入時には、燃料蒸気排出抑止装置への燃料蒸気
流路を確実に閉塞し得る燃料タンクの燃料蒸気流路開閉
制御装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、開口部にキャップを装着する燃料注入管
を備えた燃料タンクから、該燃料タンク内の燃料蒸気を
吸収する燃料蒸気排出抑止装置に至る燃料蒸気流路を開
閉制御する燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置にお
いて、前記燃料蒸気流路に介装する常開の開閉弁と、前
記燃料注入管からの前記キャップの取外し作動に応じて
前記開閉弁を閉弁位置に保持する閉弁手段を備えること
としたものである。

【０００８】また、本発明は、開口部にキャップを装着
する燃料注入管を備えた燃料タンクから、該燃料タンク
内の燃料蒸気を吸収する燃料蒸気排出抑止装置に至る燃
料蒸気流路を開閉制御する燃料タンクの燃料蒸気流路開
閉制御装置において、前記燃料注入管の開口部近傍に配
置し前記燃料蒸気流路を開閉する開閉弁であって、開弁
方向に付勢された開閉弁と、該開閉弁に対し常時は当該
開閉弁の付勢力に抗して前記燃料蒸気流路を閉塞する方
向に付勢する付勢部材と、該付勢部材に係合し得ると共
に前記燃料注入管の開口部近傍で前記燃料注入管内を軸
方向に移動可能に支持する移動部材とを備え、前記燃料
注入管に対する前記キャップの装着作動に伴い前記移動
部材を介して前記付勢部材を駆動し、前記付勢部材によ
る前記開閉弁に対する付勢を解除し、前記燃料注入管か
ら前記キャップを取り外したときには、前記付勢部材が
前記開閉弁を付勢する方向に復帰するように構成するこ
とができる。

【０００９】

【作用】上記の構成になる燃料タンクの燃料蒸気流路開
閉制御装置において、燃料注入管にキャップが装着され
ている場合には、開閉弁は開弁状態にあり、燃料タンク
は燃料蒸気流路を介して燃料蒸気排出抑止装置と連通
し、これに燃料蒸気が吸収される。そして、燃料タンク
に燃料を注入する際には、燃料注入管からキャップを取
り外すと、閉弁手段によって開閉弁が閉弁位置に保持さ
れ、燃料蒸気流路が開閉弁によって確実に閉塞される。
従って、燃料タンクと燃料蒸気排出抑止装置との連通が
遮断される。このとき燃料注入管を介して流出する燃料
蒸気に対しては、所定の回収手段によって回収されるよ
うに構成すれば、燃料蒸気の大気への放出を最小限に抑
えることができる。

【００１０】また、付勢部材と移動部材を備えたものに
あっては、これらによって閉弁手段が構成され、燃料注
入管にキャップが装着されている場合には、キャップの
装着により移動部材を介して、付勢部材による開閉弁に
対する付勢が解除されているので、開閉弁は開弁位置に
ある。そして、燃料タンクに燃料を注入する際には、燃
料注入管からキャップを取り外すと、付勢部材が開閉弁
を閉弁位置に付勢する方向に復帰し、燃料蒸気流路が開
閉弁によって確実に閉塞される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１乃至図５は本発明の一実施例に係る燃料蒸気
流路開閉制御装置を示し、図６にこれを含む燃料タンク
の全体構成を示している。先ず図６において、燃料タン
ク１に設けられた燃料注入管２の開口部２ａから燃料が
注入されるように構成されており、燃料注入管２にキャ
ップ３が装着されると開口部２ａが密封される。また、
燃料注入管２の開口部２ａ近傍と燃料タンク１の上部空
間を連通接続するブリーザチューブ４が設けられてお
り、その燃料タンク１内の開口端によって燃料液面が規
制される。

【００１２】また、燃料タンク１の上部空間はカットオ
フバルブ５及びベーパチューブ６，７を介してチャコー
ルキャニスタ８（以下、単にキャニスタ８という）に連
通接続されている。このキャニスタ８は本発明にいう燃
料蒸気排出抑止装置を構成するもので、周知のように内
部に燃料蒸気吸着剤のチャコール（活性炭）を収容し、
その上部空間がベーパチューブ６，７を介して燃料タン
ク１の上部空間と連通すると共に、チューブ９を介して
エンジンの吸気管（図示せず）に連通するように構成さ
れている。そして、燃料注入管２の開口部２ａ近傍に開
閉弁１０が設けられており、燃料蒸気流路を構成するベ
ーパチューブ６，７はこの開閉弁１０によって連通又は
遮断されるように構成されている。尚、カットオフバル
ブ５はベーパチューブ６の燃料タンク１内の開口端に設
けられ、ベーパチューブ６内への液体燃料の流入を阻止
するものでフロートバルブによって構成されている。

【００１３】図１及び図２に示すように燃料注入管２の
側壁には開口２ｂが形成されており、これを覆うように
ハウジング１１が設けられている。ハウジング１１は側
壁に開口部１１ａを有し、この開口部１１ａに分岐ベー
ス１２が接合されている。分岐ベース１２は、その中央
にベーパチューブ６に接続される分岐流路１６が形成さ
れると共に、その側方に、ベーパチューブ７に接続され
る分岐流路１７が形成されており、燃料蒸気流路の一部
を構成している。

【００１４】分岐流路１６の端部１６ａ内にはスプリン
グ１３が収容されている。また、端部１６ａの開口端面
に当接して燃料蒸気流路を閉塞する弁体１４が配設され
ており、この弁体１４はスプリング１３によって開弁方
向に付勢されている。弁体１４はダイヤフラム状の支持
部１４ａの中央に支持され、支持部１４ａの周縁部は分
岐ベース１２とハウジング１１の接合部間に挾持されて
いる。而して、開閉弁１０が構成され、弁体１４及び支
持部１４ａと分岐ベース１２の内壁面との間に、分岐流
路１６，１７と連通する弁室が郭成されている。

【００１５】一方、ハウジング１１の内壁面には、燃料
注入管２の開口２ｂ方向に延出する一対のステー１５，
１５が固着されており、これらのステー１５，１５の先
端部間に架設された軸１５ａに、略く字状に屈曲形成さ
れたレバー１８が回動自在に支持されている。レバー１
８は、一方の端部１８ａが弁体１４に当接し得るように
配設されると共に、他方の端部１８ｂが開口２ｂを介し
て燃料注入管２内に延出するように配設され、略中央部
で軸１５ａに支持されている。また、図５に明らかなよ
うに軸１５ａにはスプリング１９が支持されており、レ
バー１８は、その端部１８ａが弁体１４を押接するよう
に付勢されている。このスプリング１９の付勢力による
レバー１８の押接力は、弁体１４を開弁方向に付勢する
スプリング１３の付勢力より大に設定されており、従っ
て弁体１４はレバー１８に押接されているときには閉弁
位置にあって分岐流路１６が閉塞されている。而して、
レバー１８とスプリング１９によって本発明にいう付勢
部材が構成されている。

【００１６】一方、燃料注入管２の開口部２ａには、筒
状のインレットリテーナ３０が嵌着されている。インレ
ットリテーナ３０は、一方の開口部３０ａにキャップ３
が螺合するように螺子溝が形成され、燃料注入管２内の
開口部３０ｂは小径に形成されている。また、インレッ
トリテーナ３０の開口部３０ｂ近傍の側壁には、案内孔
３１，３２が対向するように穿設されており、これらの
案内孔３１，３２に移動部材２０の脚部２１，２２が挿
通し、燃料注入管２の軸方向に摺動自在に支持されてい
る。

【００１７】移動部材２０は略円環状の本体部２０ａの
側方から脚部２１，２２が一体的に延出形成されたもの
で、本体部２０ａの孔２０ｂは、図１に二点鎖線で示す
給油ノズル４０が挿入し得るに十分な径を有する。ま
た、図３に示すようにキャップ３０がインレットリテー
ナ３０に螺合されると、移動部材２０の本体部２０ａに
キャップ３０の先端が当接するように配設されており、
キャップ３０の螺合に伴い脚部２１の先端がレバー１８
の端部１８ｂを押動し、軸１５ａを中心にレバー１８を
反時計方向に回転駆動するように構成されている。

【００１８】而して、キャップ３がインレットリテーナ
３０に螺合され燃料注入管２が密閉された図３及び図４
に示す状態においては、移動部材２０がキャップ３０に
押圧され、脚部２１によってレバー１８が軸１５ａを中
心に反時計方向に回動した状態で保持されている。この
場合においては、レバー１８の端部１８ａが弁体１４か
ら離隔し、弁体１４はスプリング１３の付勢力によって
分岐流路１６の端部１６ａの端面から離座し、ハウジン
グ１１の開口部１１ａの壁面に当接するように押圧され
ている。而して、分岐流路１６，１７が連通しており、
図６に示す燃料タンク１内の燃料蒸気はカットオフバル
ブ５、ベーパチューブ６、分岐流路１６及び１７（図
２）、そしてベーパチューブ７を介してキャニスタ８に
吸着される。

【００１９】燃料タンク１に燃料を注入するためキャッ
プ３が取り外されると、移動部材２０の係止が解かれる
ので、スプリング１９の付勢力によってレバー１８が時
計方向に回転駆動され、移動部材２０がインレットリテ
ーナ３０の開口部３０ａ方向に駆動されると共に、弁体
１４が分岐流路１６の端部１６ａの開口端面に着座する
ように駆動される。これにより、ベーパチューブ６，７
間が遮断され、燃料蒸気流路が強制的に閉塞されること
となる。そして、図１に二点鎖線で示すように給油ノズ
ル４０がインレットリテーナ３０から燃料注入管２に挿
入され、燃料注入管２を介して燃料タンク１内に燃料が
注入される。このとき、燃料タンク１内の燃料蒸気はキ
ャニスタ８側に送られることなく、燃料注入管２及びこ
れを囲繞するブーツ（図示せず）を介し、給油ノズル４
０に接続された所定の回収手段（図示せず）によって回
収される。

【００２０】尚、燃料蒸気排出抑止装置としてはキャニ
スタ８に限るものではなく、例えば燃料蒸気流路をエン
ジンの吸気管（図示せず）に直接接続することとしても
よい。また、本実施例においては、閉弁手段として、筒
状の移動部材２０が設けられると共にレバー１８及びス
プリング１９から成る付勢部材が設けられているが、例
えば開閉弁１０を常開の電磁弁で構成し、キャップ３０
の取外し作動を電気的に検出して検出結果に応じて電磁
弁を閉弁位置に保持するように構成することとしてもよ
い。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の燃料タン
クの燃料蒸気流路開閉制御装置においては、燃料注入管
からキャップを取り外すと開閉弁によって燃料蒸気流路
が閉塞され、燃料注入時には燃料蒸気排出抑止装置と燃
料タンクとの連通が確実に遮断されるので、燃料蒸気排
出抑止装置の機能を損なうことなく適切な燃料蒸気制御
を行なうことができる。また、付勢部材と移動部材を備
えたものにあっては、簡単な構成で機械的に開閉弁を駆
動制御することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例において、キャップを取り外
したときの燃料蒸気流路開閉制御装置の状態を示す横断
面図である。

【図２】本発明の一実施例において、キャップを取り外
したときの燃料蒸気流路開閉制御装置の状態を示す平断
面図である。

【図３】本発明の一実施例において、キャップを装着し
たときの燃料蒸気流路開閉制御装置の状態を示す横断面
図である。

【図４】本発明の一実施例において、キャップを装着し
たときの燃料蒸気流路開閉制御装置の状態を示す平断面
図である。

【図５】本発明の一実施例における燃料蒸気流路開閉制
御装置の側断面図である。

【図６】本発明の一実施例に係る燃料蒸気流路開閉制御
装置を含む燃料供給系を示す断面図である。

【符号の説明】

１燃料タンク２燃料注入管３キャップ４ブリーザチューブ６，７ベーパチューブ（燃料蒸気流路）８チャコールキャニスタ（燃料蒸気排出抑止装置）１０開閉弁１８レバー（付勢部材）１９スプリング（付勢部材）２０移動部材２１，２２脚部３０インレットリテーナ４０給油ノズル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】開口部にキャップを装着する燃料注入管
を備えた燃料タンクから、該燃料タンク内の燃料蒸気を
吸収する燃料蒸気排出抑止装置に至る燃料蒸気流路を開
閉制御する燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置にお
いて、前記燃料蒸気流路に介装する常開の開閉弁と、前
記燃料注入管からの前記キャップの取外し作動に応じて
前記開閉弁を閉弁位置に保持する閉弁手段を備えたこと
を特徴とする燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置。
【請求項２】開口部にキャップを装着する燃料注入管
を備えた燃料タンクから、該燃料タンク内の燃料蒸気を
吸収する燃料蒸気排出抑止装置に至る燃料蒸気流路を開
閉制御する燃料タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置にお
いて、前記燃料注入管の開口部近傍に配置し前記燃料蒸
気流路を開閉する開閉弁であって、開弁方向に付勢され
た開閉弁と、該開閉弁に対し常時は当該開閉弁の付勢力
に抗して前記燃料蒸気流路を閉塞する方向に付勢する付
勢部材と、該付勢部材に係合し得ると共に前記燃料注入
管の開口部近傍で前記燃料注入管内を軸方向に移動可能
に支持する移動部材とを備え、前記燃料注入管に対する
前記キャップの装着作動に伴い前記移動部材を介して前
記付勢部材を駆動し、前記付勢部材による前記開閉弁に
対する付勢を解除し、前記燃料注入管から前記キャップ
を取り外したときには、前記付勢部材が前記開閉弁を付
勢する方向に復帰するようにしたことを特徴とする燃料
タンクの燃料蒸気流路開閉制御装置。