JPH06640Y2 - 軸流ファンの取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はフランジ付きのケーシングを持つ軸流ファン
の取付装置に関するものである。

［従来の技術］ 軸方向端に取付用のフランジを持つ筒形のケーシングを
備えた軸流ファンの筐体等への取付けは、例えば実開昭
６１−１５３４６６号公報に開示されているように、ね
じとナットとでフランジと筐体等の一部とを共締めにす
るやりかたが広く採用されている。この取付構造は構成
が比較的簡素で、ねじの締結力も十分に強いので安定し
た取付状態を維持できる利点がある。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記した従来の軸流ファンの取付構造においては、ねじ
の相手であるナットをフランジの裏側においてねじと共
回りしないように押さえ付けていないとねじ締めも、ね
じを外すことも出来ず、取付け及び取外し操作が面倒で
あるといった問題点があった。

この考案はかかる従来の問題点を解消するためになされ
たもので、取付用ねじの締め込みだけの操作で取付けが
完了し、取付用ねじの緩め操作だけで取外しが完了す
る、面倒さの伴わない軸流ファンの取付装置をうること
を目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る軸流ファンの取付装置は、開口した両端
に半径方向に突き出すフランジを有する筒形のケーシン
グのフランジの外周部に取付用の数個の貫通孔を中心線
方向に形成するとともに、上記ケーシングのフランジ間
には、ウェブ部の両端にフランジ部を有し、その片方又
は両方のフランジ部には上記貫通孔に整合させうるねじ
孔を設けたほぼコの字状のねじ締め部材を圧入状態に嵌
装したものである。

［作用］ この考案においては、ナットに該当するねじ締め部材が
ケーシングのフランジ間に圧入状態に嵌装され、自らに
ねじ締め時に共回りしない保持力があるので、取付用ね
じの上記フランジの外側からのねじ孔へのねじ込みだけ
で筐体等にケーシングを共締めすることができるし、取
付用ねじの緩め操作のみで離脱させることができ、いず
れの場合もねじ締め部材の保持を要しないで済む。

［実施例］ 第１図〜第６図はいずれも本考案の一実施例としての軸
流ファンの取付装置を示したものである。軸流ファンの
ケーシング１は、開口した両端に半径方向に突き出すフ
ランジ２を有する筒形に形成され、胴部３内に羽根４が
回転可能に組込まれている。ケーシング１の各フランジ
２の外周部には取付用の数個の貫通孔５が中心線方向に
形成されている。またケーシング１の胴部３の上記貫通
孔５に対応する外周位置には、中心線方向にリブ６が一
体形成され外方に突出している。上記ケーシング１のフ
ランジ２間には、ウェブ部７の両端に上記貫通孔５に整
合させうるねじ孔８を設けたフランジ部９をそれぞれ持
つほぼコの字状のねじ締め金具１０が貫通孔５に対応し
て圧入状態に嵌装されている。このねじ締め金具１０の
フランジ部９はナットに相当する機能を果たし、ウェブ
部７はフランジ部９を保持し拘束する機能を果たす。即
ち、ウェブ部７はくの字状に曲げられ、その背面部には
縦に上記リブ６に係合する切り欠き１１がスリット状に
形成されている。各ねじ締め金具１０は、ケーシング１
のフランジ２間にそれぞれウェブ部７の背面部の切り欠
き１１にリブ６を咬み込ませて押し込み装着される。勿
論、各ねじ孔８はフランジ２の貫通孔５におのおの対応
させられる（第２図参照）。

しかして、取付ける筐体等の取付面にケーシング１のフ
ランジ２を当接させ、取付面側からフランジ２の各貫通
孔５に取付用ねじ１２を通しそれらの背面にあるねじ締
め金具１０のねじ孔８にねじ込んでいけばケーシング１
と取付面とは取付用ねじ１２により共締めされることに
なる。このとき、ねじ締め金具１０は自体に保持力があ
り、ねじ締めによっても共回りしないので、ネットの場
合のように保持している必要は全くない。ケーシング１
と取付面との離脱に際しても、ねじ締め金具１０は離脱
するものではないので取付用ねじ１２の緩め操作だけで
済む。なお、第５図と第６図は、ねじ締め金具１０につ
いての異なる実施例を示すものである。このねじ締め金
具１０は各フランジ部９が拡開するよう角度θが付けら
れ、ケーシング１のフランジ２間の弾性変形させてくさ
び状に嵌装させ、フランジ部９との弾性復元力をねじ締
めに対抗する保持力として構成したもので、前述の実施
例と同様の作用効果を奏するうえ、リブ６の有無に関係
なく適用できる利点がある。

［考案の効果］ 以上、実施例による説明からも明らかなように本考案の
軸流ファンの取付装置は、開口した両端に半径方向に突
き出すフランジを有する筒形のケーシングのフランジの
外周部に取付用の数個の貫通孔を中心線方向に形成する
とともに、上記ケーシングのフランジ間には、ウェブ部
の両端にフランジ部を有し、その片方又は両方のフラン
ジ部には上記貫通孔に整合させうるねじ孔を設けたほぼ
コの字状のねじ締め部材を圧入状態に嵌装したもので、
ナットに該当するねじ締め部材がケーシングのフランジ
間に圧入状態に嵌装され、自らにねじ締め時に共回りし
ない保持力があるので、取付用ねじの上記フランジの外
側からのねじ孔へのねじ込みだけで筐体等にケーシング
を共締めすることができるし、取付用ねじの緩め操作の
みで離脱させることができ、いずれの場合もねじ締め部
材の保持を要せず簡単な操作ですむといった利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としての軸流ファンの構成を
示す正面図、第２図は同じくそのケーシングの要部のみ
を示した斜視図、第３図は同じくその取付状態を示す部
分側面図、第４図イ、ロ、ハはそれぞれねじ締め金具の
平面図、側面図、背面図、第５図はねじ締め金具の他の
実施例を第３図に準じて示す部分側面図、第６図は第５
図のねじ締め金具を単独に示す側面図である。図におい
て、１はケーシング、２はフランジ、３は胴部、５は貫
通孔、６はリブ、７はウェブ部、８はねじ孔、９はフラ
ンジ部、１０はねじ締め金具、１１は切り欠き、１２は
取付用ねじである。なお、図中同一符号は同一又は相当
部分を示す。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口した両端に半径方向に突き出すフラン
   ジを有する筒形のケーシングを持つ軸流ファンにおい
   て、上記ケーシングのフランジの外周部には取付用の数
   個の貫通孔を中心線方向に形成するとともに、上記ケー
   シングのフランジ間には、ウェブ部の両端にフランジ部
   を有し、その片方又は両方のフランジ部には上記貫通孔
   に整合させうるねじ孔を設けたほぼコの字状のねじ締め
   部材を圧入状態に嵌装し、取付用ねじの上記フランジの
   外側からの上記貫通孔を通じての上記ねじ孔へのねじ込
   みによってねじ固定できるようにしたことを特徴とする
   軸流ファンの取付装置。
2. 【請求項２】ねじ締め部材が、そのウェブ部にケーシン
   グの胴部外周に形成されたリブに係合する切り欠きを持
   つ構成である実用新案登録請求の範囲第１項記載の軸流
   ファンの取付装置。
3. 【請求項３】ねじ締め部材が、そのフランジ部の拡開方
   向の弾性力でケーシングのフランジ間に嵌装されている
   構成の実用新案登録請求の範囲第１項記載の軸流ファン
   の取付装置。