JPH0662976U - 掃除機用ローラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】表面にウレタン系感圧粘着ゴム層が形成された
掃除機用ローラーでつるつるした平滑な床面を掃除する
ときに、そのローラーが転がり難くなったり、ローラー
の方向転換が困難になるという不具合を解消すると共
に、そのローラーで絨毯の毛脚に付着したゴミや埃、髪
の毛なども確実に取り去ることができるようにする。 【構成】ウレタン系感圧粘着ゴム層３の表面に、ローラ
ー１の軸方向に延びる複数の凹溝７がローラー１の周方
向に沿って所定ピッチで形成されると共に、その凹溝７
の深さが、ローラー１を平滑面に押し当てて転がすとき
にその平滑面に溝底１０が接触する程度の深さに選定さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、柄の先端などに回転自在に取り付けて床の表面や絨毯、カーペット の表面に押し当てて転がしながらその表面に付着したゴミや埃をローラー表面に 接着させて捕集する掃除機用ローラに係り、特に、ローラー表面にウレタン系感 圧粘着ゴム層が形成された掃除機用ローラーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の掃除機用ローラーは、図３に示すように、ローラー１本体が金属パイ プなどで成る円筒形のコア材２の表面に厚さ３mm程度のウレタン系感圧粘着ゴム 層３を形成した構造になっており、コア材２には、掃除機の柄４の先端に設けら れたローラーフレーム５に対してローラー１を回転自在に取り付ける軸受部材６ が嵌着されている。 前記ゴム層３を成すウレタン系感圧粘着ゴムは、表面に接着したゴミや埃など の汚れを水で簡単に洗い落とせると同時に、表面に付着した水分が蒸発すると元 どおりに接着力が回復するという優れた特性を有しているため、そのゴム層３を 形成したローラー１は長期間繰り返して使用できるという利点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、毛脚の長い絨毯を掃除するときは、掃除機の柄４を持ってロー ラー１を絨毯の表面に押し当てながら転がしただけではその絨毯に付着したゴミ や埃を確実に取り去ることができず、特に毛脚に絡まった髪の毛を取り去るのは 非常に難しいという問題があった。 また、ビルの室内や廊下などの床面は鏡の表面のように非常につるつるとした 平滑面になっているので、その表面にゴム層３が強く接着してローラー１が転が り難くなると同時に、ローラー１の方向転換も容易でなくなって、掃除がしづら いという問題があった。

【０００４】 このような問題に鑑み、本考案は、絨毯に付着したゴミや埃、髪の毛などを確 実に取り去ることができると同時に、平滑な床面も掃除しやすい掃除機用ローラ ーを提供することを技術的課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案は、ローラー表面にウレタン系感圧粘着 ゴム層が形成された掃除機用ローラーにおいて、前記ゴム層の表面に、ローラー の軸方向に沿って延びる複数の凹溝がローラーの周方向に沿って所定のピッチで 形成されると共に、その凹溝が、ローラーを平滑面に押し当てて転がすときに生 ずる前記ゴム層の圧縮変形によって溝底が平滑面と接触し得る程度の深さに選定 されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、ウレタン系感圧粘着ゴム層の表面に前記凹溝が形成されるこ とによって、その表面にはローラーの軸方向に沿って延びる複数の凸条がローラ ーの周方向に沿って所定のピッチで形成されるので、例えばローラーを絨毯の表 面に押し当てながら転がしたときに、前記各凸条が絨毯の毛脚に付着したゴミや 髪の毛などを掻き出すと同時に、その掻き出されたゴミや髪の毛が凹凸変化に富 み且つ表面積の大きいウレタン系感圧粘着ゴム層に確実に接着される。

【０００７】 また、ウレタン系感圧粘着ゴム層の表面に凹凸があるので、平滑な床の表面を 掃除するときもその表面に押し当てたローラーを滑らかに転がすことができると 同時に、ローラーの方向転換も容易に行うことができ、ビルなどの床面の掃除が しやすくなる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面によって具体的に説明する。 図１は本考案の第一実施例を示す斜視図、図２は本考案の第二実施例を示す斜 視図である。なお、前述した図３の構成と共通する部分には同一符号を付し、そ の部分の詳細説明は省略する。

【０００９】 図１においては、ウレタン系感圧粘着ゴム層３の表面に、ローラー１の軸方向 に沿って平行に延びる複数の凹溝７，７・・・がローラー１の周方向に沿って所 定のピッチで形成され、また、それら凹溝７を形成することによって、隣接する 二つの凹溝７及び７間に必然的に介在する歯形の凸条８が形成されている。 各凹溝７は、ローラー１を床などの平滑面９に押し当てて転がすときに生ずる ゴム層３の圧縮変形によってその溝底１０が平滑面９と接触し得る程度の深さに 選定されている。

【００１０】 その具体例として、直径５０mmのコア材２の表面に厚さ３mmのウレタン系感圧 粘着ゴムシートでゴム層３を形成する場合に、各凹溝７の溝幅が例えば２mmで、 隣接する凸条８及び８間の円周ピッチが５mmのときは、各凹溝７の深さを 0.5mm 程度に選定すれば、ローラー１を平滑面９に押し当てて転がすときに各凹溝７の 溝底１０を平滑面９と接触させてその溝底１０にもゴミなどを接着させることが できる。 なお、凹溝７の溝幅を２mm以上に拡げる場合は、それに比例して溝の深さも深 くするが、溝幅が４mm以上になると、溝を深くしても面積の拡がった溝底１０が 平滑面１０に密着してローラー１の円滑な転がりが妨げられる。 一方、凹溝７の溝幅を１mm未満に狭めると、その溝底１０が平滑面９に接触し なくなるのでゴミの取り残しを生ずる。

【００１１】 また、歯形に形成された凸条８の厚み（歯厚）が４mm以上になると、それ自体 の平滑面９に対する接地面積が大きくなってローラー１の円滑な転がりが妨げら れる。 一方、凸条８の厚みが１mm未満になると、その機械的な強度が弱くなって耐久 性が損なわれ、直ぐに千切れたり摩耗してしまうだけでなく、絨毯などに付着し たゴミを掻き出す力も著しく弱まってしまう。 このような結果から、凸条８，８間の円周ピッチは約２〜７mm、各凸条８の厚 みは１〜３mm、各凹溝７の溝幅も１〜３mmに選定するのが最も好ましい。

【００１２】 なお、上記凹溝７に代えて、ローラー１の周方向に沿って円環状を成す凹溝を ローラー１の軸方向に沿って所定のピッチで形成した場合は、平滑面に対するロ ーラー１表面の接地面積が小さくなって本考案と同様にローラー１を円滑に転が すことはできるが、本考案と違って凹溝間に形成される凸条で絨毯の毛脚に付着 したゴミや埃などを掻き出すことはできない。 また、ローラー１の接地面積を小さくするだけなら、ゴム層３の表面に分散す る多数のイボ状突起などを形成してもよいが、この場合はゴム層３に接着した髪 の毛や糸くずなどが突起に絡み付いて、水をかけるだけではゴム層３の表面から 取り除くことはできない。

【００１３】 これに対し、本考案に係る凹溝７は、ローラー１の軸方向に沿って延びるよう に形成されているから、その凹溝７及び７間に形成される凸条８によって絨毯の 毛脚に付着したゴミなどを確実に掻き出してゴム層３に接着させることができ、 また、凹溝７と凸条８とで成る凹凸部分には髪の毛や糸くずなどが絡み付く余地 が全くないので、ゴム層３に接着したゴミはすべて水をかけるだけで簡単に洗い 落とすことができる。

【００１４】 なお、図１の第一実施例では凹溝７がローラー１の軸方向に沿って平行に延び ているが、本考案はこれに限らず、図２の第二実施例に示すように凹溝７がロー ラー１の軸方向に沿って一定の角度で斜め向きに延びていてもよく、この場合も 前述の効果と同じ効果が得られる。 また、この第二実施例のように凹溝７が斜め向きに形成されて、その凹溝７及 び７間に形成される各凸条８がはすば歯車のようなスパイラル形状になっていれ ば、ローラー１が床面を転がる際の接地面積は確実に小さくなるので、凸条８の 厚みを第一実施例の場合より著しく大きくしてもローラー１を円滑に転がすこと ができ、凸条８の摩耗によるローラー１の耐久性低下も最小限に抑えることがで きる。 また、本考案のローラー１は、掃除棒のような手持ち式掃除機の柄４に取り付 けるものに限らず、例えばローラー型の車輪で床面を自走する掃除機のローラー を成すものであってもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、本考案の掃除機用ローラーは、絨毯の表面に押し当てながら転 がすだけで、その絨毯の毛脚に付着しているゴミや髪の毛などを掻き出して確実 に取り去ることができると同時に、平滑な床の表面に押し当ててもその表面を滑 らかに転がり、方向転換も非常に容易であるから、特にビルの清掃作業がしやす くなるという大変優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例を示す斜視図。

【図２】本考案の第二実施例を示す斜視図。

【図３】従来の掃除機用ローラーとそのローラーを取り
付けた掃除機を示す斜視図。

【符号の説明】

１・・・ローラー ３・・・ウレタン系感圧粘着ゴム ７・・・凹溝 ９・・・平滑面 １０・・・溝底

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ローラー表面にウレタン系感圧粘着ゴム
   層（３）が形成された掃除機用ローラーにおいて、前記
   ゴム層（３）の表面に、ローラー（１）の軸方向に沿っ
   て延びる複数の凹溝（７）がローラー（１）の周方向に
   沿って所定のピッチで形成されると共に、その凹溝
   （７）が、ローラー（１）を平滑面に押し当てて転がす
   ときに生ずる前記ゴム層（３）の圧縮変形によって溝底
   （10）が平滑面と接触し得る程度の深さに選定されてい
   ることを特徴とする掃除機用ローラー。
2. 【請求項２】 前記各凹溝（７）が、ローラー（１）の
   軸方向に沿って一定の角度で斜め向きに延びている請求
   項１記載の掃除機用ローラー。