JPH066055Y2 - 圧出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は圧出容器に関し、特にシャンプー、リンスある
いは化粧クリーム等比較的粘土の高い液体の内容物を注
出するのに好適な圧出容器に関する。

＜従来技術及びその課題＞ 従来、シャンプー、リンスあるいは化粧クリーム等比較
的粘土の高い液体の内容物を収容し、適宜その内容物を
注出することのできる圧出容器には、容器本体の上部に
注出口が形成され、この注出口を密封閉鎖するために、
ねじ込み式あるいは係合式（ワンタッチ式）のキャップ
が設けられている。そして、このような圧出容器を保管
する場合は、上記注出口を上にして載置しておき、圧出
容器を逆さまにして注出口から内容物を注出するように
している。しかし、上記のような容器の場合、使用時に
キャップをはずす手間が必要であり、内容物の残量が少
なくなると容器の底部に溜まった内容物を注出口へ移動
させる必要があるため内容物を必要なときにすぐ注出す
ることができず、内容物の残量がさらに少なくなると、
容器の内壁に内容物が付着してしまい、注出口まで到達
しなくなり、まだ内容物が残っているにもかかわらず容
器を廃棄してしまい無駄が多かった。このことは容器を
逆さまにして保管しておくことによりある程度は改善で
きるが、キャップをはずす際に注出口部分を上に向ける
必要があるために、内容物の無駄を完全になくすことは
できなかった。また、注出口が容器の下部に形成され、
内容物を無駄なく使用することのできる容器も一部考案
されているが、容器が倒れた場合に液漏れが発生した
り、あるいは内容液を使用するために容器を開栓する場
合、両手で操作しなければならず使いづらいといった密
封性及び操作性の点での問題があった。

本考案は上記問題点を解決するためになされたもので、
つまり、粘土の比較的高い内容物でも無駄なく使用で
き、万一容器が倒れた場合でも密封性があり、かつ操作
性にも優れた圧出容器を提供することを目的とするもの
である。

＜課題を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、本考案による圧出容器は、内
容物を収容し底部に注出口を有する容器本体と、従来注
出口下端に嵌合される容器外側に向かって設けられた円
筒状の突出部を有する中栓と、上記中栓の突出部に嵌合
され、内容液を注出させるノズルを備えた作動部材と、
上記注出口、中栓及び作動部材を覆い、中栓に嵌合され
るキャップとを備え、上記中栓の円筒部は下端が開口
し、かつ頂面にスリットを備え、円筒内部中央には上記
作動部材のノズルに嵌合する弁柱を設け、また、上記キ
ャップは底面中央部にノズル突出口を備えてなり、前記
作動部材とキャップの間に圧縮バネを収容した構造とし
た。

＜作用＞ 上記容器において、キャップを下にして倒立された状態
では、作動部材は中栓とキャップにより固定され、中栓
の弁柱により作動部材のノズルが閉鎖されるため内容物
は注出されない。上記容器を持ち上げるとキャップは圧
縮バネの力及び、キャップの自重により下方に摺動し、
作動部材は可動状態となるが、圧縮バネの作用により作
動部材は動かず、ノズルは閉鎖している。上記容器を持
ち上げ且つスクイズすると、容器内の内容液の圧力が作
動部材にかかり、作動部材を下方へ摺動させ弁柱がノズ
ルを開口し内容物が排出される。そして、スクイズを止
めると、圧縮バネの作用により作動部材は押し上げられ
弁柱がノズルを閉鎖する。

＜実施例＞ 次にこの考案の圧出容器を図面に基づいて説明するが、
第１図は本考案の一実施例を示したもので、容器本体
(1)の底部側には、底面中央部にノズル突出口(2)を有す
るキャップ(3)が取りつけられており、前記ノズル突出
口(2)を通して内容物を注出させるノズル(4)がキャップ
(3)の外側に突き出している。第２図は容器がキャップ
を下にして倒立された状態を示したものであり、テーパ
ー状の肩部(5)を介して上記容器本体(1)の径より小さい
径を有する注出口(6)が形成されている。該注出口(6)の
外周面には、わずかに突出形成してなる係合部(7)が周
設されている。上記注出口(6)外側には中栓(8)が嵌合う
されており、該中栓(8)周縁部内周面にはわずかに内方
に突出形成してなる係合部(9)が周設され、外周面にも
またわずかに外方に突出形成してなる係合部(10)が周設
されている。また、該中栓(8)の容器外側に突出した円
筒部(11)の頂面にはスリット(12)が設けられており、該
円筒部(11)の円筒内部中央には上記ノズル(4)を開閉す
る弁柱(13)が設けられている。上記ノズル(4)を有する
作動部材(14)は、上側円筒部(15)の内周面に、わずかに
内側に突出した突出部(16)が形成され、上記中栓(8)の
円筒部(11)と嵌合されている。また、上記ノズル(4)の
外側には下方が開口した円筒部(17)が設けられている。
さらに、上記注出口(6)、中栓(8)、および作動部材(14)
を覆うように中栓(8)にキャップ(3)が嵌合されており、
キャップ(3)周縁部には倒立可能なように周壁(18)が周
設されており、該周壁(18)の内周面にはわずかに内方に
突出形成してなる突出部(19)が周設されている。また、
上記キャップ(3)の底面内部には上記ノズル突出口(2)を
囲むように起立された円筒部(20)が設けられており、該
円筒部(20)と上記作動部材(14)の円筒部(17)との内側で
かつ、ノズル(4)の外側に圧縮バネ(21)が収容されてい
る。

本実施例において圧出容器がキャップ(3)を下方にして
載置された状態では、第２図に示すように作動部材(14)
は、容器本体(1)、内容液、及び中栓(8)にかかる重力の
働きと圧縮バネ(21)の働きによって中栓(8)に押し付け
られ、弁柱(13)が、ノズル(4)を閉鎖しているため内容
液は完全に密封されている。容器を使用する場合には、
第３図に示すように、容器を持ち上げ、容器本体(1)を
スクイズすることにより内容液を排出させることができ
る。つまり、容器を持ち上げると、圧縮バネ(21)の働き
によりキャップ(3)は下方へ摺動し、作動部材(14)が可
動状態になる。その状態で容器本体(1)をスクイズする
と、容器の内圧が上昇し、加圧された内容液が作動部材
(14)を矢印で示した様に下方へ摺動させることによって
弁柱(13)がノズル(4)を開口し、内容液はノズル(4)から
排出される。また、容器本体(1)をスクイズすることを
止めると、作動部材(14)にかかる圧力が減少し、圧縮バ
ネ(21)の働きにより作動部材(14)が上方へ摺動し、弁柱
(13)がノズル(4)を閉鎖し内容液の排出が止まる。

したがって、本実施例において、容器本体(1)を注出口
(6)が下方に位置するように保管するので内容物が常に
上記注出口(6)部分に溜り、しかもキャップ(3)を取る必
要がないので、内容物を無駄なく使用することができ、
また、万一倒れるようなことがあっても、圧縮バネ(21)
の働きによりノズル(4)が閉鎖されているため、液漏れ
を起こすことなく、密封性に優れている。また、容器を
使用する場合は容器本体(1)を持ち上げ、スクイズする
だけなので片手でも簡単に操作でき、操作性にも優れて
いる。

上記容器本体、キャップ、中栓、作動部材の材料として
は、塩化ビニル樹脂、高密度あるいは低密度ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂が適している。

＜考案の効果＞ 本考案による圧出容器は、上記のように構成したもので
あるが、比較的粘土の高い内容物でも最後まで無駄なく
使用でき、万一倒れた場合でも密封性に優れているため
液漏れせず、さらに、操作性にも優れ、片手でも簡単に
操作できる。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は斜
視図、第２図は倒立された状態を示す一部の縦断面図、
第３図は持ち上げられた状態を示す一部の縦断面図であ
る。 (1)……容器本体、(2)……ノズル突出口 (3)……キャップ、(4)……ノズル (5)……肩部、(6)……注出口 (7)……係合部、(8)……中栓 (9)……係合部、(10)……係合部 (11)……円筒部、(12)……スリット (13)……弁柱、(14)……作動部材 (15)……円筒部、(16)……突出部 (17)……円筒部、(18)……周壁 (19)……突出部、(20)……円筒部 (21)……圧縮バネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内容物を収容し底部に注出口を有する容器
   本体と、上記注出口下端に嵌合される容器外側に向かっ
   て設けられた円筒状の突出部を有する中栓と、上記中栓
   の突出部に嵌合され、内容液を注出させるノズルを備え
   た作動部材と、上記注出口、中栓及び作動部材を覆い、
   中栓に嵌合されるキャップとを備え、上記中栓の円筒部
   は下端が開口し、かつ頂面にスリットを備え、円筒内部
   中央には上記作動部材のノズルを閉鎖する弁柱を設け、
   また、上記キャップは底面中央部にノズル突出口を備え
   てなり、前記作動部材とキャップの間に圧縮バネを収容
   したことを特徴とする圧出容器。