JPH0658940A - 複合体化したカテプシンGとα−1−抗キモトリプシンの検出方法 - Google Patents

複合体化したカテプシンGとα−1−抗キモトリプシンの検出方法

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JPH0658940A
JPH0658940A JP5140489A JP14048993A JPH0658940A JP H0658940 A JPH0658940 A JP H0658940A JP 5140489 A JP5140489 A JP 5140489A JP 14048993 A JP14048993 A JP 14048993A JP H0658940 A JPH0658940 A JP H0658940A
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antichymotrypsin
cathepsin
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chymotrypsin
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Klaus Havemann
クラウス・ハーフエマン
Hans-Heinrich Heidtmann
ハンス−ハインリヒ・ハイトマン
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    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、ヒト血漿中のα−1−抗キモトリ
プシンとカテプシンGの複合体の検出方法に関する。本
発明はまた、サンプル中の、α−1−抗キモトリプシン
とカテプシンGの複合体の定量的および定性的検出のた
めの診断用キットに関する。 【効果】 体液および細胞培養液のような任意のサンプ
ル中のカテプシンGとα−1−抗キモトリプシンの複合
体の検出を可能にし、その濃度が上昇する疾患の診断を
可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、体液中のカテプシンGとα−1
−抗キモトリプシンの複合体の検出方法に関する。さら
に本発明は、この方法を実施するための診断用キットに
関する。
【0002】α−1−抗キモトリプシンは68−kDa
の糖蛋白質で、血漿中プロテアーゼインヒビターの「セ
ルピン」ファミリー(セリンプロテアーゼインヒビタ
ー)に属す(Journal of Medicine 16; 101-128, 1985;
Annual Review of Biochemistry 52; 655-709, 198
3)。それは主として肝臓で合成されるが、各種組織で
も産生することができる。血漿中の急性相反応物である
α−1−抗キモトリプシンの濃度は、傷害後数時間内に
劇的に増大する。それは、キモトリプシン様特異性をも
つセリンプロテアーゼを阻害する。好中球からのカテプ
シンGは、α−1−抗キモトリプシンによって標的とさ
れる一次酵素である。キモトリプシンに対する会合速度
は遅く、生物学的重要性は考え難い(Journal of Biolo
gical Chemistry 155: 3931-3934, 1980)。
【0003】α−1−抗キモトリプシンとカテプシンG
の相互関係については十分確立されているが、この系の
生理的役割については不明である。カテプシンGの機能
については、結合組織の代謝回転(Biochemical Journa
l 167; 629-237, 1977)、微生物の除去(Infection an
d Immunity 14; 1276-1283, 1976)、アンギオテンシン
IIの生成(Journal of Biological Chemistry 257: 861
9-8622, 1982)、血液凝固の代謝回転(Thrombocyte Re
search 6: 315-326, 1975)および補体因子のように、
いくつかの提案がなされている。
【0004】α−1−抗キモトリプシンと類縁の一部の
他のセリンプロテアーゼインヒビターの欠損の検出が、
それらの生物学的機能の説明に役立ってきた。しかしな
がら、α−1−抗キモトリプシンの免疫学的測定では、
広範囲のスクリーニングにもかかわらず、患者でのα−
1−抗キモトリプシンの完全な欠損は検出できていな
い。α−1−抗キモトリプシン濃度が正常の≦50%の
患者では、常染色体優性トレードの異型接合体または肝
疾患による後天性のものいずれでも、肺および肝疾患に
罹患しやすいようであるが、明確な因果関係についての
結論は現在のところ引出されていない。α−1−抗キモ
トリプシンの機能的損傷は、複雑な生物学的液体たとえ
ば血漿中では、α−1−抗キモトリプシンともっぱら反
応するプロテアーゼは知られていないことから、評価で
きなかった。しかしながら、これは、活性α−1−抗キ
モトリプシンを血漿中で特異的に測定し得たイムノアッ
セイによって達成された(Clinical Chemistry 36: 207
7-2081, 1990)。
【0005】しかし、いくつかの適用では、カテプシン
Gまたはα−1−抗キモトリプシンの代謝回転が増大し
ている疾患状態を認識するために、カテプシンGとα−
1−抗キモトリプシンの複合体をナノモル濃度で測定す
ることが望ましい。ヒト白血球エラスターゼとその一次
血漿インヒビターの類似の系については高感度のサンド
イッチELISA(固相酵素免疫測定法)が報告されて
いる(Journal of Clinical Biochemistry 22: 693-69
7, 1984、 EP-0 038 935)が、カテプシンGとα−1−
抗キモトリプシンの複合体には、カテプシンGの固体表
面に対する強く結合活性がこのような基本的なサンドイ
ッチELISAにおけるカテプシンの適用を阻止するの
で、このようなアッセイは利用できない。
【0006】本発明の課題は、したがって、体液中のカ
テプシンGとα−1−抗キモトリプシンの複合体の特異
的同定のためのアッセイを提供することにある。この課
題は、(a) 蛋白質吸着剤の表面をコート剤でコート
し、(b) 上記複合体を含むサンプルをコートした表
面に適用し、(c) α−1−抗キモトリプシンを検出
剤で検出することにより吸着された複合体を検出する各
工程からなる、サンプル中のα−1−抗キモトリプシン
とカテプシンGの複合体の検出方法によって解決され
る。
【0007】この方法は、体液および細胞培養液上清の
ような任意のサンプル中のカテプシンGとα−1−抗キ
モトリプシンの複合体の検出を可能にする。本発明によ
れば、サンプルは、血液、血漿、血清、尿、関節液また
は脳脊髄液から採取できる。エム・ベック患者の気管支
洗浄液サンプル中に、この複合体の濃度の上昇が見出さ
れている。このアッセイは、蛋白質吸着剤のコート表面
に対するカテプシンGの高い結合活性を利用している。
このような表面は、ポリスチレン、金、シリカ、ポリア
クリルアミドまたはガラスのような、本技術分野の熟練
者に知られている材料から選択できる。表面は、ミクロ
タイタープレート、ELISA管、ラテックスビーズ、
ミンロビーズまたはフリースとして形成できる。
【0008】表面に飽和させるコート剤は好ましくは蛋
白質またはゼラチンであり、さらに好ましくは、ウシ血
清アルブミンまたはオバルブミンが使用される。
【0009】複合体はそれらのカテプシンG残基によっ
て直接吸着され、ついで検出剤によって定量できる。検
出剤は、標識または非標識のいずれでもよいα−1−抗
キモトリプシンに特異的な抗体であることが好ましい。
抗体が標識される場合には、放射性同位元素たとえばI
125、P32もしくはC14で標識されるのが好まし
く、またビオチン化もしくは酵素への連結を行うことも
できる。抗体がビオチン化された場合は、ついでよく知
られたアビジン−ビオチン系によって検出される。抗体
が酵素に連結された場合は、吸着活性はついで適当な基
質の変換によって追跡される。好ましい酵素としては、
基質o−フェニレンジアミンもしくはテトラメチルジア
ミノビフェニル二塩酸塩と組合せた西洋ワサビペルオキ
シダーゼまたは基質4−ニトロフェニルホスフェートと
組合せたアルカリホスファターゼが用いられる。抗体は
また、化学発光剤または蛍光剤とのカップリングにより
標識することもできる。
【0010】本発明の好ましい実施態様においては、検
出剤は2種の抗体から構成され、この場合、抗α−1−
抗キモトリプシンに特異的な第一の抗体がついで第二の
抗体によって検出される。検出剤として2種の抗体を使
用すると、アッセイの感度が高まる。第二の抗体を使用
する場合は、第一の抗体は標識する必要がない。どの標
識操作も抗体の部分不活性化を招くことが知られてい
る。この欠点は回避される。第二の抗体は、放射性同位
元素たとえばI125、P32もしくはC14、または
適当な酵素で標識され、あるいはビオチン化される。後
者の場合、検出工程はついでよく知られたアビジン−ビ
オチン系によって実施される。抗体はアルカリホスファ
ターゼに連結することが好ましく、この場合、適当な基
質は4−ニトロフェニルホスフェートである。抗体はま
た、化学発光剤または蛍光剤とのカップリングにより標
識することもできる。
【0011】蛋白質コートビーズは濁り測定または比ろ
う法による比濁分析に適用できる。この場合、粒子の一
部は抗−α−1−抗キモトリプシン抗体でコートされ
る。
【0012】本発明の方法は、カテプシンGとα−1−
抗キモトリプシンの複合体に極めて特異的であるという
利点がある。特異性の証明には、カテプシンGをキモト
リプシンおよびヒト白血球エラスターゼに置換した。い
ずれの場合も、相当する正常血漿の吸光度値を越える値
は得られなかった。
【0013】キモトリプシンがα−1−抗キモトリプシ
ンと複合体を形成することは知られているが、その速度
はカテプシンGに比べてはるかに遅い。したがって、そ
れは、α−1−抗キモトリプシンの一次生理的標的プロ
テアーゼとは考えられない。キモトリプシンのpIは8
である。それは与えられた条件ではミクロタイターウエ
ルに付着せず、したがってα−1−抗キモトリプシンは
保持されなかった。
【0014】ヒト白血球エラスターゼはカテプシンGと
同じ顆粒中に含有される。それはα−1−抗キモトリプ
シンとは複合体を形成しない。それも同じくpIが10
の塩基性蛋白質であるから、α−1−抗キモトリプシン
との非特異的相互作用の排除を考慮した。干渉は検知さ
れなかった。カテプシンGは、ジイソプロピルフルオロ
ホスフェート(DFP)で不活性化した場合も、吸光度の
読みの上昇を生じることはできなかった。これは、本発
明の方法においてα−1−抗キモトリプシンが保持され
るのは、反応部位を介するインヒビターへの特異的結合
によるもので、酵素へのインヒビターの非特異的付着に
よるものではないことを示している。
【0015】本発明の方法は、ヒトプロテアーゼに複合
体化するプロテアーゼインヒビターの検出のための既知
のサンドイッチELISAとは異なる。カテプシンGの
固体表面に対する強い結合活性が、このような非特異的
結合による基本的サンドイッチELISAへのカテプシ
ンGの適用を妨げていたのである。この結合を克服する
ための1Mol/リットル NaClの添加のような試み
は、抗体の結合に強力に干渉した。これらの重大な問題
が、今日まで、α−1−抗キモトリプシンとカテプシン
Gの複合体の検出方法が開示されていない理由である。
【0016】本発明の方法は既知のサンドイッチELI
SAに比し優れている。カテプシンGの強力な結合は、
本技術分野で既知のELISA系における第一の抗体を
省略することによって活用された。カテプシンGとα−
1−抗キモトリプシンの複合体は、ミクロタイタープレ
ート表面に、それらがアルブミンおよびツイーン20で
コートされていても付着するのに対し、一方これらの条
件下では、遊離のα−1−抗キモトリプシンは結合しな
かった。結合した複合体は、ついで、α−1−抗キモト
リプシンに対する特異的抗体で免疫学的に検出された。
【0017】カテプシンGの強力な結合は高いアルギニ
ン含量に伴うその10という塩基性pIによるもので
(Biochim. Biophys, Acta 364: 103-112, 1974)、一
方、pIが5のα−1−抗体キモトリプシンはコートさ
れた表面には付着しない。
【0018】この方法における検量線の作成は14nMol
/リットルまでの複合体濃度について設計された。この
範囲は、重篤な患者からの数例の血漿標本の予備的な測
定で得られた値を包含することで選択された。複合体を
全く含まない正常血漿(真のサンプルブランク)は手に
入らなかったので、検量標本は50名の健康ドナーから
プールした血漿に予め作製した複合体の既知量を添加し
て調製した。したがって、検量曲線からの結果は、正常
血漿中に含まれる量にプラスされた複合体の濃度を表す
にすぎない。正常血漿中の複合体の実際の濃度は、試薬
ブランクに対する検量曲線の外挿によって評価しなけれ
ばならなかった。個々の正常血漿標本の値は常に低値
で、標準偏差は小さく、病的に上昇した値の同定は比較
的容易であった。正常血漿の試薬ブランクを越える吸収
が定常状態の複合体濃度によるものか、あるいはバック
グランドノイズによるものかは、確定できない。しかし
ながら、それはアッセイの総範囲の10%未満の上昇で
あったから、実用上は、無視できるものである。これ
は、プロテナーゼ複合α−1−抗キモトリプシンが循環
から急速に消失するとの所見(Biochemistry 30(6): 172
3-1730, 1991)とよく一致する。
【0019】以下に本発明の方法をさらに詳細に記述す
る。複合したα−1−抗キモトリプシンのアッセイの基
本的原理は図1に示す。ミクロタイタープレートは、血
漿蛋白質の非特異的結合を防止するために、アルブミン
およびツイーン20でコートした。カテプシンGと複合
体を形成したα−1−抗キモトリプシンは、カテプシン
G残基を介してこの表面に結合した。固定化されたα−
1−抗キモトリプシンをついで、α−1−抗キモトリプ
シンに対する抗血清で検出した。
【0020】以下の試薬が使用された。すなわち、凍結
乾燥された純粋なα−1−抗キモトリプシン(ARTS, At
hens, GA, USA)は水で再構築し、150mmol/リット
ル NaCl含有50mmol/リットル トリス緩衝液pH
8.0中1g/リットル濃度とした。α−1−抗キモト
リプシンの活性は、カテプシンGの量を増量していっ
て、複合体の形成を8%SDS−ポリアクリルゲル電気
泳動で評価することにより測定した。この製品は、カテ
プシンGとの複合体形成の評価から判断して、完全な活
性を示した。11に50mmol酢酸および500mmol N
aClを含有する緩衝液pH5.5中3.3g/リットルの
カテプシンG(EC2.3.21.20)および同一緩衝
液中3.0g/リットルのヒト白血球エラスターゼ(E
C3.4.21.11)を用いた。ヒトα−1−抗キモト
リプシンに対するウサギ抗血清は、DAKO,Copenhagen, D
enmarkから、アルカリホスファターゼ(EC3.1.3.
1)にカップリングした、ウサギ免疫グロブリンに対す
るヤギ抗血清はJackson Immunoresearch Laboratories,
Westgrove, PAから、ウシ血清アルブミン(RIA
用)、ツイーン20およびウシキモトリプシン(EC
3.4.21.1)はSigma Chemical,St. Louls, MO, USA
から、4−ニトロフェニルホスフェート(二ナトリウム
六水和物)およびDMSOはMerck, Darmstadt, FRGか
ら、スクシニル−アラニル−アラニル−プロリル−フェ
ニルアラニル−パラニトロアニリドはSERVA, Heidelber
g, FRGから、ヘパリンナトリウム(LiqueminR)はHoffm
ann-La Roche, Grenzach-Wyhlen, FRGから入手した。
【0021】CookeR 96穴ミクロタイタープレートはG
reiner, Nuertingen, FRGから入手した。ミクロタイタ
ープレートの吸収の測定にはTitertek Multiscanフォト
メーター(Flow, Helsinki, Finland)を使用した。血液
サンプルについては、抗凝固剤として106mmol/リッ
トル クエン酸ナリトウム溶液0.5mlを含有するシリン
ジ(MonovetteR“Coagulation 5 ml", Sarstedt, Nuemb
recht, FRG)を使用した。
【0022】カテプシンGの活性は、上述のように、発
色性基質、スクシニル−アラニル−アラニル−プロリル
−フェニルアラニル−パラニトロアニリドによってモニ
タリングした。ジイソプロピルフルオロホスフェート
(DFP)によるカテプシンGの不活性化には、この酵素
を0.2M/リットル トリスおよび0.5mmol/リット
ル NaCl含有緩衝液pH8.0中0.33g/リットル
濃度で、10mmol/リットルのDFP存在下にインキュ
ベートした。15分後には、活性の残存は検出できなか
った。カテプシンGとα−1−抗キモトリプシンの複合
体の調製には、プロテナーゼを0.2mol/リットル ト
リスおよび0.5mol/リットル NaCl含有緩衝液pH
8.0中、0.033g/リットル濃度で、2倍モル過剰
の活性α−1−抗キモトリプシンとともに室温で10分
間インキュベートした。この後には、プロテナーゼの残
存活性は検出できなかった。
【0023】標本実験:静脈または動脈血を、感染の可
能性の防止に注意しながら、加クエン酸シリンジに採取
した。血漿は2000gで10分間遠心分離して得、直
ちに凍結した。標本は小分けして−20℃で1カ月まで
保存したが、明らかな変化は認められなかった。解凍を
4回まで反復したが、結果に影響はみられなかった。4
℃で24時間以上保存すると、シグナル強度の40%の
喪失を生じた。遠心分離は、最終値に何らの変化も生じ
ることなく、2時間まで遅延させることが可能であっ
た。同一の患者から同時に採取した動脈血および静脈血
標本は、同一の結果を与えた。
【0024】実用範囲および検量:プールした正常血漿
に予め作製した複合体14nMol/リットルまでを添加し
た希釈系列を調製した。予備試験後にこの範囲が選択さ
れた。集中治療病練における重篤な患者からの無作為に
抽出した患者サンプルの値の大部分が包含されたからで
ある(表1)。検量用の希釈系列の値を越える吸収値を
示したサンプルは、プールした正常血漿で希釈した。真
のサンプルブランクは手に入らなかったので、検量用希
釈系列の最低値、すなわちプールした正常血漿の値を対
照とした。したがって、検量曲線から誘導される濃度
は、実際には、プールされた正常血漿中に含まれる複合
体濃度がプラスされた濃度を意味する。プールされた正
常血漿の吸収が検量希釈系列に10%以上の増加を生じ
ることはなかった(図2)。
【0025】時間依存性および実用性:インキュベーシ
ョン時間を各工程あたり30分に短縮しても、吸収の読
みの絶対値は低下するが、アッセイは可能である。その
場合、サンプルの提示から読み取りまでの最低時間は約
3.5時間になる。しかしながら、至適アッセイ条件の
説明において特定したように60分間インキュベーショ
ンを用いた場合でも、各工程での1つのプレートの処理
に10分かかるとして、1回のアッセイでは、最大量6
ミクロタイタープレートのサンプルしか測定できない。
比較可能な、吸収の読みの絶対値を得るためには、常に
完全なインキュベーション時間を採用することが薦めら
れる。
【0026】本発明の方法は、カテプシンGの遊離とα
−1−抗キモトリプシンの代謝回転の増大が疑われる疾
患状態に対して使用できる。例えば急性反応相において
は、反応がまだ誘発させているか、または複合体を形成
したα−1−抗キモトリプシンがインターロイキン−6
を介して急性反応相における陽性フィードバックシグナ
ルを調節して循環から急速に消失して既に解決している
か、その過程の重篤度についての手がかりを与える。さ
らに、このアッセイは、この顕著なプロティナーゼ阻害
系の生理的機能の本質をさらに明瞭にするのに有用であ
る。
【0027】
【表1】
【0028】例1 本発明の方法の実施例 工程1. アルブミンによるコーティング ウシ血清アルブミン(BSA)を、0.05%ツイーン
20と0.02% NaN3を含有するリン酸緩衝食塩溶
液(PBS−Tween)に1%の濃度に溶解した。2
00μlを各ウエルに添加し、37℃で60分間インキ
ュベートした。このアッセイにおいてインキュベーショ
ンといった場合にはすべて、ミクロタイタープレートの
湿潤大気中での保持を意味する。インキュベーション
後、ウエルを傾瀉して液体を除き、250μlのPBS
−Tweenで4回洗浄した。各洗浄サイクルは30秒
間続けた。この洗浄操作は以下のすべての工程で採用さ
れ、以下単に「洗浄」という。
【0029】工程2. サンプルの適用 10μlの血漿サンプルを、100U/リットルのヘパ
リン(LiqueminR)を含有するPBS−Tween 50
0μlに添加し、6秒間回転振盪した。ついで直ちに、
各100μlの4つのサンプルを、ミクロタイタープレ
ートの4つのウエルに適用した。検量希釈系列の場合に
は、予め形成させた複合体14nMol/リットルを添加し
た健常ドナープールからの血漿を、元の血漿で希釈して
下は1.4nMol/リットルから等間隔で濃度が上昇する
10個の検量標本系列を調製した。ブランクはPBS−
Tweenのみとした。1.4nMol/リットル、7.0nM
ol/リットルおよび14nMol/リットルの検量サンプル
を各試行毎に、それぞれの付加ミクロタイタープレート
に二重に適用した。希釈標本の適用に要する時間を最短
に維持するため、それらは、多チャンネルピペットでの
迅速な添加が可能なように、ミクロタイタープレートに
おける所望の順序に対応したエッペンドルフカップのパ
ネルに配置させた。インキュベーションは37℃で60
分間とし、ついで洗浄操作を行った。
【0030】工程4. 第一の抗体の反応 ウサギ−抗−ヒト−α−1−抗キモトリプシン抗血清
を、1%BSAを含むPBS−Tweenに1:100
0に希釈した。100μlを各ウエルに適用した。イン
キュベーションは37℃で60分間とし、ついで洗浄操
作を行った。
【0031】工程5. 第二の抗体の反応 アルカリホスファターゼにカップリングしたヤギ−抗−
ウサギ−IgG抗血清を、1%BSAを含むPBS−T
weenに1:1000に希釈した。100μlを各ウ
エルに適用した。インキュベーションは37℃で60分
間とし、ついで洗浄操作を行った。
【0032】工程6. 発色 アルカリホスファターゼは、0.01mol/リットル M
gCl2含有0.1mol/リットル グリシンpH10.5中
4g/リットルの4−ニトロフェニルホスフェート10
0μl/ウエルとともに、37℃で30分間インキュベ
ーションして検出した。吸収は405nmで測定した。
【0033】工程7. 計算 標本の吸収を直線の検量曲線と比較し、それから正常レ
ベルを越える複合体濃度を直接決定することができた。
【0034】例2 方法の精度:アッセイの精度は、複合化したα−1−抗
キモトリプシンの低濃度(1.9nmol/リットル)、中
程度の濃度(9.8nmol/リットル)、および高濃度
(14.0nmol/リットル)の3つの標本の測定によっ
て評価した。6回の同一測定を実施した。試行内の変動
係数(CV)はそれぞれ3.9%、7.5%および2.6
%、試行間のCVはそれぞれ5%、4%および3%であ
った。
【0035】例3 正確度:予め形成させた複合体を正常プール血漿に添加
すると、アッセイの範囲内において、吸収の直線的な増
加が認められた(図2)。α−1−抗キモトリプシンに
暴露する前に、カテプシンGをDFPで不活性化する
と、アッセイにおける付加的な吸収は完全に消失した。
また、DFP不活性化カテプシンGを直接血漿に添加し
ても、検出可能な吸収シグナルは生じなかった。3回の
回収実験において、異なる標本に予め形成させた複合体
5nmol/リットルを添加した。期待された吸収と実際の
吸収(回収)の間の差は10%未満であった。
【0036】例4 方法の特異性:2倍モル過剰のα−1−抗キモトリプシ
ンを、カテプシンGに代えて、14nmol/リットルのウ
シα−キモトリプシンまたはヒト白血球エラスターゼに
暴露した場合には、吸収の読みの上昇は生じなかった。
標本に極端に高濃度のヘパリン(250U/mlおよびそ
れ以上)を添加すると30%までの吸収の低下を生じ、
一方、低濃度(20U/mlおよびそれ以下)では吸収の
わずかな変化を生じたのみであった(5%未満)。しか
しながら、多くの重篤な患者は治療用量のヘパリンを投
与されているので、ヘパリンを血漿濃度5000U/リ
ットルに相当する100U/リットル、分析能の有意な
劣化を招くことなく患者サンプル中に存在するヘパリン
を無関係にしてしまうのに十分な濃度を標本緩衝液に添
加することにした。遠心分離前に標本に肉眼でわかるよ
うな機械的溶血があると、吸収シグナルは100%まで
上昇する。したがって、溶血の徴候があるサンプルはこ
のアッセイには包含させるべきでない。
【0037】例5 検出可能域および基準範囲:50名の健常個体(女性2
2名、男性28名、21才から55才まで)のプール血
漿を基準として使用した。正常血漿中に一般に認められ
る複合体の濃度の評価には、検量曲線を用いて、プール
した正常血漿から試薬ブランクへ外挿した。これらの血
漿の個々の測定では、1.73nmol/リットルに相当す
る平均値が得られ、標準偏差は0.58nmol/リットル
であった。平均値プラス2×標準偏差(2.89nmol/
リットル)を越える値は上昇があるとみなした。Intern
ational Federation of Clinical Chemistryによって定
義された検出限界、ブランクの平均値プラス2.6×標
準偏差は0.84nmol/リットルであった。
【0038】以上、本発明を詳細に説明したが、本発明
はさらに次の実施態様によってこれを要約して示すこと
ができる。 1) サンプル中のα−1−抗キモトリプシンとカテプ
シンGの複合体の検出方法において、(a) 蛋白質吸
着剤の表面をコート剤でコートし、(b) 上記複合体
を含むサンプルをコートした表面に適用し、(c) α
−1−抗キモトリプシンを検出剤で検出することにより
吸着された複合体を検出する各工程からなる方法。
【0039】2) サンプルは、血液、血漿、血清、
尿、唾液、関節液、脳脊髄液、気管支洗浄液または細胞
培養液の上清から選択されることを特徴とする前項1記
載の方法。 3) 蛋白質吸着剤は、ポリスチレン、金、シリカ、ポ
リアクリルアミドまたはガラスから選択されることを特
徴とする前項1または2記載の方法。 4) コート剤は、蛋白質またはゼラチンであることを
特徴とする前項1〜3いずれか一項記載の方法。 5) コート剤は好ましくは、ウシ血清アルブミンまた
はオバルブミンであることを特徴とする前項4記載の方
法。 6) 検出剤は、α−1−抗キモトリプシンに特異的な
標識ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であるこ
とを特徴とする前項1〜5いずれか一項記載の方法。
【0040】7) 抗体は、放射性同位元素、酵素、ビ
オチンまたは化学発光剤もしくは蛍光剤で標識されるこ
とを特徴とする前項6記載の方法。 8) 検出剤は、ポリクローナルまたはモノクローナル
抗体であり、それはα−1−抗キモトリプシン抗体に特
異的な第二の標識抗体によって同定されることを特徴と
する前項1〜5いずれか一項記載の方法。 9) 第二の抗体は、放射性同位元素、ビオチン、化学
発光剤もしくは蛍光剤で標識されるかまたは酵素に連結
されたポリクローナルまたはモノクローナル抗体である
ことを特徴とする前項8記載の方法。 10) 第二の抗体が連結される酵素はアルカリホスファ
ターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼであることを
特徴とする前項9記載の方法。 11) 体液および細胞培養上清のサンプル中のα−1−
抗キモトリプシンとカテプシンGの複合体の定性的およ
び定量的検出のための診断キット。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合体を形成したα−1−抗キモトリプシンを
検出する本発明の方法の基本的原理を示す図である。
【図2】プールした正常血漿に14nMol/リットルまで
のあらかじめ形成させた複合体を添加した正常血清の検
量系列を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル中のα−1−抗キモトリプシン
    とカテプシンGの複合体の検出方法において、 (a) 蛋白質吸着剤の表面をコート剤でコートし、 (b) 上記複合体を含むサンプルをコートした表面に
    適用し、 (c) α−1−抗キモトリプシンを検出剤で検出する
    ことにより吸着された複合体を検出する各工程からなる
    方法。
  2. 【請求項2】 検出剤は、非標識ポリクローナルまたは
    モノクローナル抗体であり、それはα−1−抗キモトリ
    プシン抗体に特異的な第二の標識抗体によって同定され
    ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 体液および細胞培養上清のサンプル中の
    α−1−抗キモトリプシンとカテプシンGの複合体の定
    性的および定量的検出のための診断キット。
JP5140489A 1992-06-13 1993-06-11 複合体化したカテプシンGとα−1−抗キモトリプシンの検出方法 Pending JPH0658940A (ja)

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EP92109994A EP0574599A1 (en) 1992-06-13 1992-06-13 Process for the detection of complexed cathepsin G and alpha-1-antichymotrypsin
DE92109994:1 1992-06-13

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AU667370B2 (en) 1996-03-21
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