JPH0657242B2 - 皮膚防護材 - Google Patents

皮膚防護材

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JPH0657242B2
JPH0657242B2 JP59131714A JP13171484A JPH0657242B2 JP H0657242 B2 JPH0657242 B2 JP H0657242B2 JP 59131714 A JP59131714 A JP 59131714A JP 13171484 A JP13171484 A JP 13171484A JP H0657242 B2 JPH0657242 B2 JP H0657242B2
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ethylene
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【発明の詳細な説明】 A.本発明の技術分野 本発明はエポキシ樹脂組成物による皮膚炎から皮膚を防
護するために用いられて極めて好適な皮膚防護材に関す
る。詳しくは耐有機薬品透過性に優れるエチルン−酢酸
ビニル共重合体けん化物(以下EVOHと略記することがあ
る。)の薄膜を中間層とし該中間層の両側に直鎖状低密
度ポリエチレン層からなる表面層を有し、かつ該各層が
接着性樹脂を介して配されてなる積層体からなることを
特徴とし、以前は、エポキシ樹脂を取扱つたために生じ
た「エポキシ皮膚炎」と考えられたが、実際には、エポ
キシ樹脂を硬化するための脂肪族ポリアミンが最も活性
な成分として作用したものとみられる「エポキシ樹脂組
成物による皮膚炎」から効果的に防護することができる
皮膚防護材を提供するものである。
B.従来技術 エポキシ樹脂およびその硬化剤が刺激を起こしアレルギ
ー体質にする性質を持つているためにそれを使用する作
業者を保護するための防護技術が必要であることは、従
来から熟知されており、就中代表的防護技術はノータッ
チ技術であり、保護衣服、手袋、エプロン、付け袖、安
全眼鏡、防毒マスク等の保護具、保護クリームなどの使
用が行われている。特に最もエポキシ樹脂およびその硬
化剤等(以下エポキシ樹脂組成物という。)と接触し、
かつ保護具と皮膚が密接に接している、防護用手段に
は、ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどが好適な
材質であるとされて、該材質からなる手袋が該防護用に
用いられている。しかしながら、該材質からなる防護手
袋の使用については、該材質の前記脂肪族ポイアミン等
の「エポキシ樹脂組成物皮膚炎」活性物質の透過性が大
きいため、その許容使用時間が短かく、比較的長時間の
該取扱い作業時には、短時間毎に防護用手袋を取り替え
なければならないという欠点があるのみならず、時に
は、作業者の体質の如何によつては標準の許容使用時間
を設定している場合においても該皮膚炎を生じたりする
ために、該皮膚炎発生を皆無にするための、許容使用時
間は、極めて短時間となつて、非経済的、非能率的で不
満足なものであつた。また、該皮膚炎防護用のクリーム
の使用も試みられているが、クリームによつてつくられ
た保護膜は極めて薄く、壊れ易いために安全な保護効果
を期待することはできず、手袋よりも効果は遥かに小さ
く、さらに防護用手袋との併用によつても前記の如く該
保護膜が薄く、壊れ易いという欠点のため、該手袋との
摩擦で該保護膜が破壊されるために、併用効果は顕著な
ものとはなり得ない。前記状況から「エポキシ樹脂組成
物皮膚炎」活性物質の透過性が極めて小さく該皮膚炎の
発生を防止することのできる皮膚防護材、就中、該防護
用手袋の出現が強く望まれているのが実情である。他方
EVOEは耐有機溶剤性、及び耐有機溶剤透過性に優れる
が、耐該皮膚炎活性物質透過性に優れるか否かについて
は、従来全く知られていない。またEVOHは、その機械的
強度は、一般に低く特に該防護用手袋に要求されるはげ
しい屈曲疲労に耐え得るものではない。またEVOHのヒー
トシール性も良好とはいえない。従つて該手袋を構成す
る一素材として用いる場合には機械的強度の優れた基材
層とヒートシール可能な素材の間に積層されて用いられ
るが、従来のEVOHを中間層とし、両表面層を有する熱可
塑性樹脂積層体は、はげしい屈曲疲労に遭遇するとき、
該積層体にピンホールを生じて、前記有機溶剤、薬品等
の遮断性を保持することができない。
C.本発明の目的、構成および作用効果 本発明者らは、EVOHフィルムは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、熱可塑性ポリエステルなどの熱可
塑性樹脂のフィルムに比べ、態屈曲疲労性に著しく劣る
という大きな欠点を有するのみならず、前記屈曲疲労に
強い樹脂層と積層し、中間層としてEVOH樹脂層を用いた
複層フレキシブル積層体において予想外にも、EVOHの剛
性等の物理的特性とも関連があるものとみられるが、該
積層体の耐屈曲疲労性は、前記屈曲疲労に強い熱可塑性
樹脂が単体で示す耐屈曲疲労性より顕著に低下し、より
少い屈曲疲労で積層材にピンホールを生ずるようになる
こと、EVOHフィルムが「エポキシ樹脂組成物皮膚炎」活
性物質遮断性に極めて優れているという新たな事実、さ
らに驚くべきことに該ピンホールの発生に至るまでは、
該EVOH層が単独で耐え得る屈曲疲労をこえても、なお屈
曲疲労によるクラツク、ピンホール等が該EVOH層に発生
しないことに起因するとみられるが該遮断性の低下が認
められないことを見出し、これら諸観点からEVOH層を中
間層とする耐屈曲疲労に優れ該皮膚炎防護用として好適
に用いることのできる皮膚防護材、就中、防護用手袋に
関し鋭意検討を進めて本発明を完成するに至つた。
すなわち本発明はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物の薄膜を中間層とし、該中間層の両側に直鎖状低密度
ポリエチレン層からなる表面層を有し、かつ該各層が接
着性樹脂を介して配されてなる積層体からなることを特
徴とする皮膚防護材を提供せんとするものである。
耐屈曲疲労性は所謂ゲルボフレツクステスターを用いて
行なう評価テストにより判断される。すなわち該評価テ
ストにおける該遮断性低抗下の屈曲回数依存性、ピンホ
ール発生に至るまでの屈曲回数等のデータから種々の素
材、または種々の素材からなる積層体の耐屈曲疲労性の
優劣を判断することができる。本発明者らは各種可塑性
樹脂の単体フイルム及び各種樹脂からなる多層構成のラ
ミネートフイルムについてゲルボフレツクステスターを
用い、屈曲回数とピンホール発生数との関係、ピンホー
ル発生に至る屈曲回数、さらに多層構成のラミネート物
についてはピンホール発生に至るまでの過程における屈
曲回数と該遮断性との関係を多岐に亘つて測定した結
果、いくつかの事実を見出した。すなわち(1)EVOH樹脂
フイルムはいずれも耐屈曲疲労性は極めて不良であり、
実用に耐える手袋を構成する素材となり得ないこと、
(2)従来一般的に使用されている高圧法低密度ポリエチ
レン、低圧法高密度ポリエチレン、ナイロン、ポリプロ
ピレン、熱可塑性ポリエステルなどの各樹脂のフイルム
は該EVOH樹脂フイルムに比し、耐屈曲疲労性は顕著に優
れているけれども、該樹脂フイルムをEVOHを中間層とし
て積層したラミネートフイルムの耐屈曲疲労性は詳細は
明らかでないが、EVOH層が存在することに起因するとみ
られる顕著な低下、つまり該樹脂単体フイルムの優れた
耐屈曲疲労性に比し顕著な低下がみられること、(3)更
に驚くべきことにEVOH層を中間層とした該積層体にピン
ホール発生を見るに至るまでは、該皮膚炎活性物質遮断
性の低下の殆んどないこと、(4)就中、両表面層に直鎖
状低密度ポリエチレン層を用いた該積層体は体屈曲疲労
性の改善が著しいことを認めた。
直鎖状低密度ポリエチレンを表面層のいずれにも用いた
ときにのみ耐屈曲疲労性の改善が、EVOHを中間層とする
構成を採つた積層体において顕著である。また該現象に
ついての詳細は未だ明かでないが、該改善の効果は該直
鎖状低密度ポリエチレンの共重合成分であるα−オレフ
インの炭素数、示差走査型熱量計の熱分析による融解熱
およびヤング率に深く深くかかわつており、これらが選
定された特定の領域にある直鎖状低密度ポリエチレンを
採用したときに特に顕著である。
D 本発明のより詳細な説明 本発明に使用される直鎖状低密度ポリエチレンとは実質
的に長鎖分岐を持たない直鎖状の低密度ポリエチレンで
ある。一般には長鎖分岐数の定量的な尺度G=〔η〕
/〔η〕(〔η〕は分岐ポリエチレンの極限粘度、
〔η〕は分岐ポリエチレンと同じ分子量を持つ直鎖状
ポリエチレンの極限粘度)がほぼ1(一般的には0.9 〜
1の範囲にあり1に近い場合が多い)であり、密度が0.
910 〜0.945 のものである。(なお従来の通常の高圧法
低密度ポリエチレンのG値は 0.1〜0.6 である。)直鎖
状低密度ポリエチレンの製造法は特に制限されない。代
表的な製造方法を例示すれば、7〜45kg/cm2の圧力
(高圧法低密度ポリエチレンの場合は通常2000〜3000kg
/cm2)、75〜100℃の温度(高圧法低密度ポリエチレ
ンの場合は120〜250℃)で、クロム系触媒またはチーグ
ラー触媒を用いて炭素数3以上、好ましくは4以上、さ
らに好ましくは5〜10のα−オレフイン、たとえばプ
ロピレン、ブテン−1、メチルベンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1等のα−オレフインを共重合成分と
して、エチレンの共重合を行う方法がある。重合方法と
しては溶液法液相法、スラリー法液相法、流動床気相
法、各般床気相法等が用いられる。
本発明の効果と該α−オレフインの炭素数と該直鎖状低
密度ポリエチレンの示差走査型熱量計の熱分析による融
解熱、さらにヤング率とに深くかかわつていることは前
述の通りであるが、より具体的に述べれば次の通りであ
る。直鎖状低密度ポリエチレンは本発明に好適に用いら
れるが、該溶解熱が25cal/g以下、好ましくは25〜
5cal/gであるか、または20℃におけるヤング率が2
2kg/mm2以下、好ましくは22〜3kg/mm2、さらに好ま
しくは22〜5kg/mm2である該ポリエチレンについて本
発明の効果がより顕著であり、特に両者が前記領域にあ
る場合に最も顕著である。該溶融熱、ヤング率が前記領
域にあるものは重合法、重合条件によつて多少異なる
が、概していえば共重合成分である該α−オレフインの
含有量が約2モル%以上、好ましくは約2〜7モル%の
領域で得られる場合が多い。共重合成分がブテン−1で
ある直鎖状低密度ポリエチレンについては該融解熱が1
5cal/g以下であるか、または20℃におけるヤング率
が12kg/mm2以下である場合に本発明の効果はより顕著
であり、特に該両者が前記領域にある場合に最も顕著に
該効果を享受することができる。該融解熱、ヤング率が
前記領域にある該低密度ポリエチレンは、概していえば
ブテン−1の含有量が約4モル%以上の領域で得られる
場合が多い。該含有量が多くなり過ぎると、該ポリエチ
レンのもつ他の物理的特性が不満足なものとなり、好ま
しくなく、該含有量は高々数モル%、たとえば7モル%
であることが望ましい。また本発明の効果は前述の如く
該融解熱または/およびヤング率が前記特定の領域にあ
る直鎖状低密度ポリエチレンについて享受し得るが、特
に炭素数5以上、たとえば5〜10のα−オレフインを
共重合成分とする該ポリエチレンについてより顕著に該
効果を享受することができる。この場合、前述と同様の
理由から、該α−オレフインの含有量は2〜7モル%、
より具体的には2〜6モル%が好ましく、また該融解熱
は前記の如く該α−オレフイン含有量等と関連している
が、就中該融解熱は25〜5cal/gであることが好まし
く、またヤング率は22kg/mm2以下、好ましくは22〜
3kg/mm2、さらに好ましくは22〜5kg/mm2である。該
オレフインの中でも本発明の効果がより顕著であり、工
業的にも容易に得られる4−メチル−1−ベンテンを共
重合成分とする直鎖状低密度ポリエチレンは最も好適な
ものの一つである。従来の高圧法低密度ポリエチレンの
場合は示差走査型熱量計の熱分析による融解熱または/
およびヤング率が前記領域にあつても本発明の効果を享
受することはできない。
EVOH単体フイルムの耐ピンホール性が極めて不良である
にも拘らず、本発明の該直鎖状低密度ポリエチレンをい
ずれの表面層にも用い、EVOH層を中間層とした積層フイ
ルムの耐ピンホール性が著しく向上した時点において、
つまりEVOH単体フイルムの特性に鑑みて判断すれば、当
然に中間層にクラツクないしはピンホールが発生し該積
層体のバリヤー性が低下することが予想される段階にお
いて、該積層体の該バイヤー性の低下が認められない点
は極めて特異的である。
該直鎖状低密度ポリエチレンの溶解粘性については、特
に共押出法により該積層体を得る場合にはEVOH樹脂等と
の溶融粘性整合性の見地から比較的類似の溶融粘性を有
するものを選定し用いるのがより好ましい。
本発明の該積層体にあつては、該直鎖状低密度ポリエチ
レンからなる表面層があまり薄すぎると、たとえば5μ
以下に至ると他の物理的特性が低下するので、5μ以上
であることが好ましく、10μ以上であることがより好
適である。またあまり厚さが増加しすぎると該手袋とし
ての機能性が低下するので該表面層の各層は40μ以下
好ましくは30μ以下で用いられるのが通常である。
本発明に用いられるEVOH樹脂はエチレン含有量25〜6
0モル%、けん化度95%以上のものが好適に用いられ
る。エチレン含有量が25モル%以下では成形性が低下
するのみならず、該EVOHの剛性が増加することと関連が
あるとみられるが、本発明の効果が減殺され、またエチ
レン含有量が60モル%を越えると剛性は減少するもの
の該樹脂の最も特徴とする該皮膚炎活性物質の遮断性が
低下して不満足なものとなる。該EVOH樹脂は25〜60
モル%の領域内のエチレン含有量をもつ2種またはそれ
以上のエチレン含有量の異なる該樹脂のブレンド物であ
つても相溶性を示す範囲内のものであれば本発明の効果
を享受することができる。該樹脂のけん化度は95%以
上が好適であり、95%未満では該活性物質遮断性が低
下するので好ましくない。さらにホウ酸などのホウ素化
合物で処理したEVOH、ケイ素含有オレフイン性不飽和単
量体など第3成分をエチレン及び酢酸ビニルとともに共
重合し、けん化して得られる変性EVOHについても溶融成
形が可能で該遮断性を害しない範囲の変性度のものであ
れば本発明の効果を享受することができる。
前述の如くEVOH単層の場合、耐屈曲疲労性は、極めて不
良でありただ厚みの減少に伴つて若干の改善傾向を示す
が、これは実用的に要求される耐屈曲疲労性の程度に遥
かに及ばない領域における現象に過ぎない。しかるに本
発明の積層包装材の構成においては屈曲疲労によりピン
ホールを発生するに至るゲルボフレツクステスターの屈
曲回数への、中間層として依存するEVOHの層厚依存性が
極めて顕著に発現するという特異性が認められる。該EV
OH層の厚さが20μを越えると耐屈曲疲労性が低下し、
本発明の効果が減殺されるので好ましくない。本発明の
効果を充分に享受するためにはEVOH層の厚さは20μ以
下が好適であり、15μ以下がより好ましい。耐屈曲疲
労性の観点からは、特に10μ以下が最も好適である。
より好ましくは10μ以下に選定して、該バイヤー性に
ついての高度の要求の程度に応じて該EVOH層を2または
それ以上の複数設ける構成がある。耐屈曲疲労性の観点
からはEVOH層の厚さは出来る限り、小さい方が好ましい
が、成形加工の技術の面からの困難性は、それだけ増加
する。実用的には2μ以上が好ましく、5μ以上が該観
点から比較的困難性も少くより好適である。2μ以下で
は、該積層体を得るに際し、しばしばピンホールの発生
がEVOH層に生じ、該遮断性が不満足な場合が生じ好まし
くない。
本発明の皮膚防護材は各層が接着性樹脂層を介して配さ
れて成るものであることが必要であり、該ゲルボフレツ
クステスターによる耐屈曲疲労性テスト時にデラミネー
シヨンを起すものであつてはならない。該デラミネーシ
ヨンを起す場合には中間層に位置するEVOH層の耐屈曲疲
労性の該積層による向上効果は認められず、EVOH層の損
傷に起因する該活性物質遮断性の低下現象が該積層フイ
ルムにピンホールの発生が認められない段階で既に認め
られるので、本発明の効果を享受することができない。
本発明に用いる接着性樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレ
ン層、EVOH層との接着性とも層俟つて、ポリエチレンの
カルボキシル基含有変性物、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のカレボキシル基含有変性物およびエチレン−アク
リル酸エステル共重合体のカルボキシル基含有変性物が
好ましい。該カルボキシル基含有変性物が無水マレイン
酸変性物であることが特に好適である。就中、接着性樹
脂として、より好適なものとしては次のものがある。そ
の一つは、本発明により好適に表面層として用いられる
前記特定のLLDPE に無水マレイン酸を0.01〜15重量
%、より好ましくは0.05〜10重量%化学的に結合させ
て得られる変性LLDPE または該変性LLDPE と未変性LLDP
E のブレンド物であつて、ブレンド物中に含まれる化学
的に結合された無水マレイン酸含量が0.01〜10重量
%、より好ましくは0.05〜10重量%のものである。他
の一つは、特定のエチレン−酢酸ビニル共重合体系の接
着性樹脂であり、これには下記のものがある。すなわ
ち、(1)酢酸ビニル含量35〜55重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体に、無水マレイン酸を0.01〜15重
量%化学的に結合させて得られる変性マレイン−酢酸ビ
ニル共重合体、(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体に無
水マレイン酸を0.01〜15重量%化学的に結合させて、
得られる変性エチレン−酢酸ビニル共重合体からなり、
しかも(A)酢酸ビニル含量20〜45重量%の少なくと
も1種の該変性共重合体と(B)該含量35〜55重量%
の少くとも1種の該変性共重合体のブレンド物であり、
かつ隣接する(A)の酢酸ビニル含量と(B)の該含量の差が
少くとも10重量%以上であつて、さらにブレンド比
(重量)A:Bが60:40〜5:95である該変性共
重合体樹脂組成物、(3)(C)酢酸ビニル含量20〜55重
量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体に無水マレイン酸
(X)を15重量%以下化学的に結合させて得られる少く
とも1種の変性エチレン−酢酸ビニル共重合体と(D)酢
酸ビニル含量20〜55重量%の少くとも1種のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体とのブレンド物からなり、しか
も該ブレンド物は、酢酸ビニル含量35重量%以上の
(C)および/または(D)を40重量%以上含み、かつ化学
的に結合したXの含有量が0.01重量%以上である樹脂組
成物がより好適に用いられる。さらに他の一つは特定の
エチレン−アクリル酸エステル共重合体系の接着性樹脂
であり、これには下記のものがある。すなわち、(E)ア
クリル酸エステル含量20〜35重量%のエチレン−ア
クリル酸エステル共重合体に無水マレイン酸(X)を、X
成分によるカルボキシル基含有率が0.03〜2meq/g とな
るように化学的に結合させて得られる少くとも1種の変
性エチレン−アクリル酸エステル共重合体と(F)アクリ
ル酸エステル含量20〜35重量%の少くとも1種のエ
チレン−アクリル酸エステル共重合体とのブレンド物か
らなり、しかも下記式(I)及び(II)を満足する樹脂であ
る。就中、アクリル酸エステルがアクリル酸エチルエス
テルであることが最も好適である。
但し i;1〜nの整数 j;1〜mの整数 n,m;正の整数 CEi;共重合(Ei)に含有される化学的に結合さ
れたX成分によるカルボキシル基含有率(meq/g) Ei;共重合体(Ei)のブレンド率(重量分率) Fj;共重合体(Fj)のブレンド率(重量分率) 本発明に係る積層体はそれ自体公知の方法で得られる。
就中共押出法によつてより好適に得られるが本発明は積
層方法を限定するものではない。本発明の防護用手袋
は、該積層体の表面層がヒートシール性の良好な該LLDP
E であるのでたとえば該積層体を2枚重ね合せ、該手袋
形状にヒートシールした後、またはヒートシールと同時
に、該形状に切断することによつて得られる。
また、本発明においては、EVOHを中間層としこの両側に
LLDPE層を設けた積層材に、さらに他の樹脂層を設ける
ことは本発明の目的が阻害されない限り自由である。
本発明に拘る皮膚防護材は特に耐屈曲疲労性が要求され
る防護用手袋のみならず該皮膚炎の防護のための保護衣
服、エプロン、付け袖等の材料としても好適に用いるこ
とができる。該防護材を構成材とする防護手段、保護衣
服等は、それ自体が皮膚と接する使用態様で用いること
もできるし、また、他の材料から構成される手袋衣服等
と重ね合せて用いることもできる。本発明に係る皮膚防
護材を作業時の物理的損傷及び吸湿性の確保等から従来
の材料を構成材としてつくられた手段、衣服等と重ね合
せて用いることが適当である。
以下実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
実施例1 エチルン含有量30モル%、けん化度99.4%のEVOH樹脂
からなる厚さ12μの中間層と、該中間層の両側に厚さ
各15μの4−メチル−1−ベンテンを共重合成分と
し、該共重合成分を3.2 モル%含み、 190℃、2160g荷
重の条件下にASTM D−1238−65Tに準じて測定したメ
ルトインデツクス(以下MI値と記す)2.1 示差走査型
熱量計による融解熱が19cal/gの直鎖状低密度ボリエ
チレン(以下 LLDPEと記す)からなる表面層を有し、各
層間に厚さ5μの酢酸ビニル含有量40重量%、無水マ
レイン酸変性度1.5 重量%の変性エチレン−酢酸ビニル
共重合体からなる接着性樹脂層を介して配された積層フ
イルムを3基の押出機、3種5層用多層ダイヘツドを用
いて共押出法により得た。得られた積層フイルムについ
て屈曲疲労テストを該積層フイルムにピンホールの発生
を認めるまで行つた。
屈曲疲労テストは、ゲルボフレツクステスター(理学工
業(株)製)を用い、12 in×8 in の試料片を直径 の円筒状となし、両端を把持し、初期把持間隔7 in、
最大屈曲率の把持間隔1 in、ストロークの最初の で、440゜の角度のひねりを加え、その後の は直鎖水平動である動作のくり返し往復動を40回/分
の速さで、20℃、相対温度65%の条件下に行うもの
である。ピンホール発生は該屈曲疲労テスト5000往復を
経過するまで認められなかつた。また各層間のデラミネ
ーシヨンは、全くみられなかつた。なお該 LLDPEのフイ
ルムを別に得て20℃においてヤング率を側寧した結果
13kg/mm2であつた。
該積層フイルムから該防護用手袋を得て、これを使用し
ジエチレントリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂を取
扱う作業を、20人について行わしめたところ、該皮膚
炎を生じた者は全くいなかつた。作業時間は延べ8時間
であつた。また前記屈曲疲労テスト3000往復経過後の該
積層体で該手袋を得て、上記と同様に行つたが、該皮膚
炎を生じたものは、全くいなかつた。作業時間に延べ6
時間であつた。
なお上記作業に当つては最内側に薄いゴム手袋最外層に
所謂軍手を使用し、本発明の、防護用手袋をひつかき等
の外部要因による欠陥部の発生から保護して行つた。
実施例2 エチレン含有量45モル%、けん化度99.2%のEVOH樹脂
を中間層とした以外は実施例1と同様に行つた。該屈曲
疲労テスト5500往復経過するまでピンホールは認められ
ず、5600往復経過後ピンホール1ケ発生しているのを認
めた。
該積層フィルムから該防護用手袋を得て、これを使用し
トリエチレントリアミンを硬化剤とするエポキシ樹脂を
取扱う作業を行わしめた以外は実施例1と同様に行つ
た。皮膚炎を生じた者はいなかつた。
実施例3 D/Ad/E/Ad/F/Ad/Gなる構成の積層フイルムを
3種7層用多層ダイヘツドを有する共押出設備を用いて
得た。各層はそれぞれ次に示す各樹脂及び層厚さからな
る。
Ad :酢酸ビニル含有量25重量%、無水マレイン酸変
性度1.0 重量%の変性エチレン−酢酸ビニル共重合体4
0重量部と酢酸ビニル40重量%のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体60重量部からなるブレンド物の厚さ5μの
接着性樹脂層 D、G :4−メチル−1−ベンテン4.1 モル%を共重合成
分として含有するメルトインデツクス2.3 示差走査型熱
量計による融解熱15cal/gの厚さ15μのLLDPE 層 E、F :エチレン含有量38モル%、けん化度99.4%、厚
さ6μのEVOH樹脂層 実施例1に準じて屈曲疲労テストを行つた。該屈曲疲労
をテスト6000往復経過後もピンホールの発生を認めなか
った。各層間のデラミネーシヨンは認められなかつた。
なお該LLDPE のフイルムを別に得て20℃で測定したヤ
ング率は7.5 kg/mm2であつた。
該積層フイルムから該防護用手袋を得て、これを使用し
た以外は実施例1と同様に行つて、該皮膚炎の発生防止
効果を確認するためのテストを行つた。実施例1におけ
ると同様該皮膚炎を発生した者は1人も認められなかつ
た。
実施例4 実施例2において、接着性樹脂として、酢酸ビニル含量
26重量%、無水マレイン酸変性度0.75重量%の変性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体42重量部と酢酸ビニル含
量45重量%無水マレイン酸変性度1.1 重量%の変性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体58重量部からなるブレン
ド樹脂を用いた以外は、実施例2と同様に行つた。該屈
曲疲労テスト5500往復経過後もピンホールの発生を認め
ず、またエポキシ樹脂取扱い作業時における該皮膚炎を
発生した者も認めなかつた。
実施例5 実施例1において表面層に用いたLLDPE と同じLLDPE の
無水マレイン酸変性度( LLDPEに対する無水マレイン酸
の化学的結合量)0.7 重量%の変性物を接着性樹脂とし
て用いた以外は、実施例1と同様に行つた。該屈曲疲労
テスト5000往復経過後もピンホールの発生を認めず、ま
たエポキシ樹脂取扱い作業時における該皮膚炎発生者も
一人も認めなかつた。
実施例6 実施例1において両表面層に共重合成分を1−ヘプテン
とし、該含量が2.9 モル%、示差走査熱量計による融解
熱が21cal/gのフイルムを別に得て、20℃で測定し
たヤング率が15kg/mm2の LLDPEを用い、また接着性樹
脂としては次のようにして得たエチレン−アクリル酸エ
チル系樹脂を用いた以外は実施例1と同様に行つた。
接着性樹脂は下記の如くして得た。すなわち、アクリル
酸エチル成分の含量が25重量%、MI( 190℃、216
0g荷重)が6g/10分のエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体100 重量部及び無水マレイン酸20重量部を
精製したキシレン1000重量部に溶解し 140℃に保つた。
この溶液にベンゾイルパーオキサイド0.8 重量部をキシ
レン100 重量部に溶解した溶液を撹拌下に 140℃、3時
間に亘つて滴下し続いて20分間撹拌を続けた。冷却後
大量の精製アセトン中に反応液を投入しポリマーを析出
させた。得られたポリマーを精製したキシレンを溶剤と
し精製したアセトンを非溶剤として再沈精製を行つた。
得られたポリマーは、アクリル酸エチル成分を24.5重量
%カルボキシル基を0.57 meq/g含有していた。MIは3.
2g/10分であつた。該ポリマー(A)とアクリル酸エチル
成分を25重量%含有しMIが6g/10分であるエチ
レン−アクリル酸エチル共重合体(B)とをA/B=53/4
7(重量比)に配合して接着性樹脂として用いた。
該屈曲疲労テスト5000往復経過後もピンホールの発生を
認めず、またエポキシ樹脂取扱い作業時における該皮膚
炎を発生した者も認めなかった。
実施例7 実施例1においてブテン−1を共重合成分とし、該成分
含量 5.1モル%、示差走査型熱量計による融解熱が12
cal/gのフイルムを別に得て20℃で測定したヤング率
が8kg/mm2の LLDPEで両表面層を構成した以外は実施例
1と同様に行つた。
該屈曲疲労テスト5000往復経過後もピンホールの発生を
認めずまたエポキシ樹脂取扱い作業時における該皮膚炎
を発生した者も認めなかつた。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物の
    薄膜を中間層とし該中間層の両側に直鎖状低密度ポリエ
    チレン層からなる表面層を有し、かつ該各層が接着性樹
    脂層を介して配されてなる積層体からなることを特徴と
    する皮膚防護材。
  2. 【請求項2】直鎖状低密度ポリエチレンが炭素数4以上
    のα−オレフインを共重合成分とするものである特許請
    求の範囲第1項記載の皮膚防護材。
  3. 【請求項3】直鎖状低密度ポリエチレンの示差走査型熱
    量計の熱分析に基づく融解熱が25cal/g以下である特
    許請求の範囲第1項または第2項記載の皮膚防護材。
  4. 【請求項4】直鎖状低密度ポリエチレンがブテン−1を
    共重合成分とし、示差走査型熱量計の熱分析による融解
    熱が15cal/g以下である特許請求の範囲第1項記載の
    皮膚防護材。
  5. 【請求項5】直鎖状低密度ポリエチレンの20℃におけ
    るヤング率が22kg/mm2以下である特許請求の範囲第1
    項ないし第3項のいずれかに記載の皮膚防護材。
  6. 【請求項6】直鎖状低密度ポリエチレンがブテン−1を
    共重合成分とし、20℃におけるヤング率が12kg/mm2
    以下である特許請求の範囲第1項または第4項記載の皮
    膚防護材。
  7. 【請求項7】直鎖状低密度ポリエチレンが炭素数5以上
    のα−オレフインを共重合成分とするものである特許請
    求の範囲第1項、第3項または第5項記載の皮膚防護
    材。
  8. 【請求項8】直鎖状低密度ポリエチレンが4−メチル−
    1−ベンテンを共重合成分とするものである特許請求の
    範囲第1記載の皮膚防護材。
  9. 【請求項9】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物が
    エチレン含有量25〜60モル%、けん化度95%以上
    である特許請求の範囲第1項ないし第8項のいずれかに
    記載の皮膚防護材。
  10. 【請求項10】中間層の厚さが20μ以下である特許請
    求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載の皮膚防
    護材。
  11. 【請求項11】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    からなる中間層が少くとも2層からなる特許請求の範囲
    第1項ないし第10項のいずれかに記載の皮膚防護材。
  12. 【請求項12】エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
    からなる中間層が各層の厚さが10μ以下である少くと
    も2層からなる特許請求の範囲第1項ないし第11項、
    いずれかに記載の皮膚防護材。
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