JPH0654682A - ポリペプチドの製法 - Google Patents

ポリペプチドの製法

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JPH0654682A
JPH0654682A JP4210435A JP21043592A JPH0654682A JP H0654682 A JPH0654682 A JP H0654682A JP 4210435 A JP4210435 A JP 4210435A JP 21043592 A JP21043592 A JP 21043592A JP H0654682 A JPH0654682 A JP H0654682A
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JP
Japan
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sod
human
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dna
porcine
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JP4210435A
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English (en)
Inventor
Junzo Mizoguchi
順三 溝口
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スーパーオキサイドディスムターゼ(以下
「SOD」と略す)遺伝子において、ヒトSODの10
7位から113位までのアミノ酸配列に相当するDNA
配列を、ブタSOD遺伝子における、ブタSODの10
6位から112位までのアミノ酸配列に相当するDNA
配列で置換して得られるDNAと複製可能なベクターと
の組換えDNAを含有する細胞を、培地中で培養し、産
生されたSOD活性を有するポリペプチドを採取するこ
とを特徴とするSOD活性を有するポリペプチドの製
法。 【効果】 ヒトSOD遺伝子において、111位のアミ
ノ酸CysをコードするTGCを合成オリゴヌクレオチ
ドを使用した部位特異的変異法によってSerをコード
するTCC変換する方法に代わって、天然に存在するブ
タSOD遺伝子からの制限酵素による消化産物である2
本鎖DNAを使用して、簡便に前記の変換が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下記一般式(1)
【0002】
【化2】
【0003】で表される少なくとも153個のアミノ酸
配列を有するスーパーオキサイドディスムターゼ(以下
「SOD」と略す)を構成するポリペプチド(N末端
は、水素原子、或いはアセチル基またはアミノ酸残基が
付加してもよい)の製法に関し、さらには次の式
(2)、
【0004】
【化3】
【0005】(式中、ポリペプチド(1)は、上記式
(1)で表されるポリペプチドを示し、Y1 およびY2
はそれぞれ0〜4の整数を示し、Y1 +Y2 は2または
4である)で表される銅および/または亜鉛の配位した
その二量体であるSODの製法に関する。
【0006】
【従来の技術】SODは、キサンチンオキシダーゼの研
究において、その中間生成物のスーパーオキサイドを分
解する酵素として、最初に見いだされた化合物である
(McCrod,J.& Fridovich,I.J.Biol.Chem.244,6049-605
5,(1969))。 このSODは、生体の酸素毒性防御機構と
いう観点から注目され、現在は、抗炎症剤として、慢性
関節リュウマチ変形性関節炎、放射線照射による副作
用、ある種の泌尿噐疾患などの治療に用いられており、
特に、ウシ肝臓からのSODが臨床的に利用されてい
る。
【0007】これまでに、SODを構成するポリペプチ
ドのアミノ酸配列構造については、ヒトを含む、ブタ、
ウシ、ウマ、ラット、マウスなど多くの種について報告
されている(勝部幸輝・谷口直之 SODの新知見 メ
ディカルトリビューン社発行1990年)。また、ブタ
についての遺伝子DNA配列については知られていない
が、ヒトの遺伝子DNA配列(Sherman 、L., et al. P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 80,5465-5469,(1983)), ウシの
遺伝子DNA配列(Hallewell,R.A., et al Biochem.Bio
phys.Res.Commun.181,474-480(1991))、ラットの遺伝子
DNA配列(Ho,Y.S.and Crapo,J.D. Nucleic Acids Re
s. 15,6746 (1987)) 、マウスの遺伝子DNA配列(Bewl
ey,G.C.,Nucleic Acids Res.16 2728 (1988))につい
て、それぞれ報告されている。
【0008】アミノ酸配列の構造上の特徴を見てみる
と、ウシ、ウマ、ラット、マウスの動物種では、6、5
7、146位にCys残基があり、このうち57と14
6位のCys残基はS−S結合を形成し、サブユット内
部での構造的な安定性を高めると言われている(同前
出)。しかし、ヒトでは、これら以外に111位にCy
s残基が存在し、他の動物種ではすべてこの111位に
相当するアミノ酸はSer残基である。そして、ヒトS
ODにおいては、この111位のCys残基を合成オリ
ゴヌクレオチドを使用した部位特異的変異法によって種
々のアミノ酸に改変したムテインが報告されている(特
開昭62−130684)。
【0009】さらに、もっと一般的には、Cys残基を
合成オリゴヌクレオチドを使用した部位特異的変異法に
よって種々のアミノ酸に改変する方法や、Cys残基を
種々のアミノ酸に改変するように特定的に設計されたD
NA配列を持つ合成構造遺伝子を使用する方法が開示さ
れている(特開昭59−93093)。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】ヒトSODのアミノ
酸配列の111位のCys残基を含むペプチドをコード
するDNA配列を、Ser残基を含むペプチドをコード
するDNA配列に改変するにあたり、合成オリゴヌクレ
オチドを使用した部位特異的変異法や、特定的に設計さ
れたDNA配列を持つ合成構造遺伝子でムテインを作製
する方法に代わって、SODのアミノ酸配列や遺伝子に
ついては、ヒトを含む、多くの種について報告されてい
る状況の中で、他のDNA組換え技術を使用したより簡
便で、かつ、天然のSODタンパク質の構造に関する知
見に基づいた方法を作出することが望まれていた。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトSO
Dから由来するペプチドフラグメントと他の動物種であ
るウシ、ラット、マウス等のSODから由来するペプチ
ドフラグメントとを結合させハイブリッドタンパク質を
作製する研究を行い、このハイブリッドタンパク質がS
OD活性を有することを確認し、本発明を完成するに至
った。すなわち、ヒトSODの111位のCys残基を
含むペプチドをコードするDNA配列とヒトSODの1
11位に相当するSer残基を含むペプチドをコードす
るDNA配列が、ヒトSOD遺伝子配列とウシ、ラッ
ト、マウスの遺伝子配列の両者に共通にある2っの制限
酵素DdeIとCfrIで切断され、さらに、ライゲー
ション反応により再結合でき、ヒトSODの諸部分と他
の動物種のSODから由来するヒトSODの111位に
相当するSer残基を含むペプチドより構成されるハイ
ブリッドSODをコードする遺伝子を得て、この遺伝子
の遺伝情報を発現させる新たな方法である。
【0012】特に、好ましい例として、本発明者らは、
ヒトSODとブタSODのアミノ酸配列に注目し、ヒト
SODの106−116位のアミノ酸配列とブタSOD
の105−115位のアミノ酸配列が、ヒトSODの1
11位のCys残基とブタSODの110位のSer残
基を異にする以外すべて一致していることに基づいて、
ヒトSODのN末端側ペプチド1−106、ブタSOD
の中間ペプチド106−112及びヒトSODのC末端
側ペプチド114−153から構成されるSOD類似ポ
リペプチドを作製する方法を鋭意研究し、ブタSOD遺
伝子については新たにそのDNA配列を決定し、ヒトS
ODの111位に相当するSer残基を含むペプチドを
コードするDNA配列が、2っの制限酵素DdeIとC
frI切断され、さらに、ライゲーション反応により再
結合でき、ヒトSODの諸部分ブタのSODから由来す
るヒトSODの111位に相当するSer残基を含むペ
プチドより構成されるヒト−ブタハイブリッドSODを
コードする遺伝子が得られた。これにより、この遺伝子
DNAと複製可能なベクターとの組換えDNAを含有す
る細胞を培地中で培養し、(1)式に示すヒト−ブタハ
イブリッドSODポリペプチドの製法を見いだした。
【0013】このヒト及びブタ遺伝子からなるDNA配
列によってコードされるヒト−ブタハイブリッドSOD
ポリペプチドは、ヒトSODのN末端側ペプチド1−1
06、ブタSODの中間ペプチド106−112及びヒ
トSODのC末端側ペプチド114−153から構成さ
れ、ヒトSODの106−116位のアミノ酸配列とブ
タSODの105−115位のアミノ酸配列が、ヒトS
ODの111位のCys残基とブタSODの110位の
Ser残基を異にする以外すべて一致しており、公知で
あるヒトSODの111位のCys残基を合成オリゴヌ
クレオチドを使用した部位特異的変異法によってSer
残基にに改変したムテインと同一である(特開昭62−
130684)。さらに、同前特許で開示されている技
術によれば、大腸菌などの宿主によって生産されたSO
D類似ポリペプチドは、天然型SODと同等な活性を有
し、安定性がより高いなど優れた性状を有していた。そ
れゆえ、本発明で得られたヒト及びブタ遺伝子からなる
DNA配列は、ヒトSODの諸部分と他の動物種のSO
Dから由来するヒトSODの111位に相当するSer
残基を含むペプチドより構成されるヒト−ブタハイブリ
ッドSODポリペプチドをコードする遺伝子を制限酵素
などを利用したDNA組換え手法で作製する技術の中
で、特に好ましい。
【0014】これにより、合成オリゴヌクレオチドを使
用した部位特異的変異法によってムテインを作製する方
法の代わりに、天然に存在するアミノ酸配列をコードす
るDNA配列を使用することで、簡便に種々のハイブリ
ッドSODポリペプチドを作製する方法が得られた。材
料となるヒト、ウシ、ラット、マウスSOD遺伝子は、
市販のcDNAライブラリーを公知の遺伝子配列から知
られる合成オリゴヌクレオチドを使用して、スクリーニ
ングして得ても、また、市販の肝臓mRNAを用いて逆
転写酵素によりcDNAとなし、さらにそのcDNAを
用いたPCR反応で得ても良い。ブタSOD遺伝子は、
遺伝子配列が知られていないので、公知のアミノ酸配列
から推定される混合合成オリゴヌクレオチドを使用し
て、スクリーニングして得ても、また、市販のブタ肝臓
mRNAから前述と同様に逆転写酵素による反応および
PCR反応で得ても良い。
【0015】例えば、ヒトSOD遺伝子に関しては、市
販のヒト肝臓mRNA、dNTPs(dATP,dGT
P,dCTP,dTTTの等量混合物)、オリゴ(d
T)および逆転写酵素とを用いてcDNAを合成し、次
いで公知のヒトSODのN末端側ペプチド例えば、Me
t−Ala−Thr−Lys−Alaに対応する15塩
基程度の合成オリゴヌクレオチドATGGCGACGA
AGGCCをプローブにして、コロニーハイブリダイゼ
ーションによってクローンを選択する。選択されたクロ
ーンからヒトSOD遺伝子を含む挿入断片を電気泳動に
より回収し、続いて、この挿入断片を、例えばpUC1
18などのベクターでサブクローニングして、通常のD
NA塩基配列決定により挿入断片のDNA塩基配列を決
定する。
【0016】さらに、この挿入断片は、大腸菌での発現
に高効率となるように、開始コードンATGの上流にあ
る塩基配列を適宜な塩基配列に変換するとよい。好まし
くは、塩基配列CTAGAGGGTATTAATAに変
換する。この変換は、簡便には前記の塩基配列のオリゴ
ヌクレオチドを予め合成し、このオリゴヌクレオチドを
プライマーとして用いたPCR反応により実施すればよ
い。また、この変換は、後述するヒトーブタハイブリッ
ド遺伝子を作製したのちに行ってもよい。
【0017】また、ブタSOD遺伝子に関しては、例え
ば、市販のブタ肝臓mRNA、dNTPs(dATP,
dGTP,dCTP,dTTTの等量混合物)、オリゴ
(dT)および逆転写酵素とを用いてcDNAを合成
し、次いで公知のブタSODのN末端側ペプチド例え
ば、Ala−Thr−Lys−Ala−Val−Leu
−Lysに対応する21塩基を含む混合32塩基の合成
オリゴヌクレオチドCGCGCGAATTCATGGC
NACNAAA/G GCNGTNTGC/T (但し、斜線の
前後の塩基は、表記された位置において表記された塩基
をそれぞれ有するオリゴヌクレオチドを示しており、こ
れらのオリゴヌクレオチドの混合物であることを示す。
またNはA,T,G,Cを表す)と公知のブタSODの
C末端側ペプチド例えば、Arg−Leu−Ala−C
ys−GlyーVal−Ileのアンチセンスに対応す
る21塩基を含む混合32塩基の合成オリゴヌクレオチ
ドGCGCGAATTCG/T/A ATNACNCCG/A C
ANGCT/C AANCGをプラーマーにして、TaqD
NAポリメラーゼでPCR反応を行う。PCR反応産物
を制限酵素EcoRIで消化し、約0.45Kbpのブ
タSOD遺伝子を含む挿入断片となし、この断片を電気
泳動により回収すればよい。ついでこの挿入断片を、例
えばpUC118などのベクターのEcoRIサイトに
サブクローニングして、通常のDNA塩基配列決定によ
り挿入断片のDNA塩基配列を決定する。
【0018】次に、これら得られたヒトSOD遺伝子と
ブタ、ウシ、ラット、マウスSOD遺伝子とから、ハイ
ブリッドSODポリペプチドをコードする遺伝子を作製
する方法について、ヒト−ブタハイブリッド遺伝子を1
例にとって詳しく説明すると、ヒトSOD遺伝子におい
て、ヒトSODの107位から113位までのアミノ酸
配列に相当するDNA配列を、ブタSOD遺伝子におけ
る、ブタSODの106位から112位までのアミノ酸
配列に相当するDNA配列で置換すればよく、簡便に
は、それぞれの遺伝子配列中に共通にある制限酵素サイ
トを利用して行えばよく、約0.7KbpのヒトSOD
遺伝子断片と約0.45KbpのブタSOD遺伝子断片
に共通にある制限酵素サイトDdeIとCfrIをもっ
て連結せしめればよい。すなわち、約0.7Kbpのヒ
トSOD遺伝子を含む挿入断片を制限酵素DdeIで消
化し、約0.35KbpのDNA断片を電気泳動により
回収する。同様に、約0.7KbpのヒトSOD遺伝子
を含む挿入断片を制限酵素CfrIで消化し、電気泳動
により約0.3kbのDNA断片を回収する。一方、約
0.45KbpのブタSOD遺伝子断片を同様に制限酵
素DdeIとCfrIで消化し、約20bpのDNA断
片を電気泳動により回収する。これら3っの、すなわ
ち、約0.35Kbp,約0.3kbpと約20bpの
DNA断片をライゲーション反応によって連結した後、
例えばpUC118などのベクターのXbaIとBam
HIサイトにサブクローニングして、プラスミッドpU
C118−HBSODを得る。そして、通常のDNA塩
基配列決定により挿入断片のDNA塩基配列を決定す
る。これの全DNA塩基配列は図4に示す通りである。
この連結操作によって、ヒトSODのN末端側ペプチド
1−106、ブタSODの中間ペプチド106−114
及びヒトSODのC末端側ペプチド115−153から
構成されるヒト−ブタハイブリッドSODポリペプチド
をコードする約0.7Kbpの遺伝子を作製できる。
【0019】次いで、このヒト−ブタハイブリッドSO
Dポリペプチドをコードする遺伝子を挿入したプラスミ
ッドpUC118−HBSODが、目的とするSOD活
性を発現することの確認のために、適宜有効な発現ベク
ターを構築すればよい。このような発現ベクターを構築
するにあたり、宿主微生物としてエシェリヒア(Escher
ichia)属に属するエシェリヒア・コリ(Escherichia co
li:大腸菌)、例えばエシェリヒア・コリDH1,同H
B101,同MV1184,同MV1304,同W31
10,同C600株等に適する発現プラスミッド、例え
ば、pINI,pIN 、pKN19等を使用してもよ
く、また、バチルス・ズブチルスを宿主微生物とする場
合には、例えばプラスミッドpTUB218,pTUB
285等の発現プラスミッドが使用でき、またサッカロ
マセス・セレビシア等の酵母を宿主とする場合には、例
えばプラスミッドpAM82等の発現用ベクターを使用
してもよく、さらにSV40ウィルスの後期プロモター
で外来遺伝子を発現させるウィルスベクター、例えばプ
ラスミッドpSVL(ファルマシア社製)やプラスミッ
ドpSV2−dhfr(BRL社製)を使用してなる動
物細胞、例えばサル腎(COS)細胞やチャイニーズハ
ムスターオバリー(CHO)細胞、さらにまたCHOd
hfr−(葉酸還元酵素欠損)株細胞等を宿主として構
築し、このようにして調製したベクターを宿主細胞に移
入する方法としては、例えばリン酸カルシウム法によっ
てCOS細胞やCHO細胞等に直接上記のようにして得
られたプラスミッドベクターの移入を行うか、その他公
知の宿主生物に移入する方法であるコンピテント法、ポ
リエチレンングリコール法を用いて形質転換体を得れば
よい。またこのようなベクターを用いる場合、前記と同
様にベクターを制限酵素で切断し、挿入すべきヒト−ブ
タハイブリッド遺伝子を含むDNA断片のサイトとライ
ゲーションできるように、適宜いづれかのサイトを付加
または削除するかして常法により調製し、組換え使用す
ればよい。
【0020】例えば、このようにして得られた形質転換
体である微生物は、目的とするヒト−ブタハイブリッド
SODポリペプチドを発現せしめるために培養するが、
培養の形態は液体培養で行えばよく、工業的には深部通
気攪拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源として
は、微生物の培養に通常使用されているものが広く使用
でき、微生物の同化可能な炭素源、例えばグルコース、
シュクロース、糖蜜、グリセリン、スターチ加水分解物
などが使用され、窒素源としては利用可能な窒素化合物
であればよく、例えばコーン・スチープ・リカー、大豆
粉、カゼイン加水分解物、ペプトン、種々の肉エキス、
酵母エキス、硫安、塩化アンモニウムなどが使用され、
その他、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、鉄、マンガン、亜鉛、銅などとのリン酸塩、塩化
塩、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩などとの水溶性塩を添加す
る。培養温度は、微生物が生育し、ヒト−ブタハイブリ
ッドSODを生産する範囲で適宜変更できるが、エシェ
リヒア属に属する微生物の場合、好ましくは20〜42
℃程度である。培養時間は、条件によって多少異なる
が、ヒト−ブタハイブリッドSODポリペプチドが最高
収量に達する時間を見計らって適当な時期に培養を終了
すればよく、通常は12〜72時間程度である。次い
で、培養後、ヒト−ブタハイブリッドSODは、菌体を
含む培養液そのままを採取して分離、精製すればよい。
ヒト−ブタハイブリッドSODが菌体内に存在する場合
には、得られた培養物を濾過または遠心分離などの手段
にて菌体を回収し、次いでこの菌体をボールミルや超音
波による機械的破砕方法やリゾチームなどの酵素的破砕
方法で破砕し、必要に応じてキレート剤や界面活性化剤
を添加してヒト−ブタハイブリッドSODを可溶化して
分離採取し、前述の分離、精製手段を適宜組み合わせて
分離、精製すればよい。
【0021】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:667塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:mRNAに対するcDNA 起源:ヒト及びブタ肝由来のものに基づく合成 配列の名称:ヒトーブタハイブリッド遺伝子 配列 CTAGAGGGTA TTAATAATG GCG ACG AAG GCC GTG TGC GTG CTG AAG GGC 49 Ala Thr Lys Ala Val Cys Val Leu Lys Gly 1 5 10 GAC GGC CCA GTG CAG GGC ATC ATC AAT TTC GAG CAG AAG GAA AGT AAT 97 Asp Gly Pro Val Gln Gly Ile Ile Asn Phe Glu Gln Lys Glu Ser Asn 15 20 25 GGA CCA GTG AAG GTG TGG GGA AGC ATT AAA GGA CTG ACT GAA GGC CTG 145 Gly Pro Val Lys Val Trp Gly Ser Ile Lys Gly Leu Thr Glu Gly Leu 30 35 40 CAT GGA TTC CAT GTT CAT GAG TTT GGA GAT AAT ACA GCA GGC TGT ACC 193 His Gly Phe His Val His Glu Phe Gly Asp Asn Thr Ala Gly Cys Thr 45 50 55 AGT GCA GGT CCT CAC TTT AAT CCT CTA TCC AGA AAA CAC GGT GGG CCA 241 Ser Ala Gly Pro His Phe Asn Pro Leu Ser Arg Lys His Gly Gly Pro 60 65 70 AAG GAT GAA GAG AGG CAT GTT GGA GAC TTG GGC AAT GTG ACT GCT GAC 289 Lys Asp Glu Glu Arg His Val Gly Asp Leu Gly Asn Val Thr Ala Asp 75 80 85 AAA GAT GGT GTG GCC GAT GTG TCT ATT GAA GAT TCT GTG ATC TCA CTC 337 Lys Asp Gly Val Ala Asp Val Ser Ile Glu Asp Ser Val Ile Ser Leu 90 95 100 TCA GGA GAC CAT TCC ATC ATT GGC CGC ACA CTG GTG GTC CAT GAA AAA 385 Ser Gly Asp His Ser Ile Ile Gly Arg Thr Leu Val Val His Glu Lys 105 110 115 GCA GAT GAC TTG GGC AAA GGT GGA AAT GAA GAA AGT ACA AAG ACA GGA 433 Ala Asp Asp Leu Gly Lys Gly Gly Asn Glu Glu Ser Thr Lys Thr Gly 120 125 130 135 AAC GCT GGA AGT CGT TTG GCT TGT GGT GTA ATT GGG ATC GCC CAA TAAA 482 Asn Ala Gly Ser Arg Leu Ala Cys Gly Val Ile Gly Ile Ala Gln 140 145 150 CATTCCCTTG GATGTAGTCT GAGGCCCCTT AACTCATCTG TTATCCTGCT AGCTGTAGAA 542 ATGTATCCTG ATAAACATTA AACACTGTAA TCTTAAAAGT GAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 602 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAGTACCTT CTGAGGCGGA AAGAACCAGC 662 GGATC 667
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものでない。
【0023】
【実施例1】 ヒトSOD遺伝子のクローニング (1)市販のヒトポリ(A)RNA(クローンテック
ラボラトリー インコーポレーション,Cat# CL6684)
2.5μgを含む水溶液5μlを、65℃で5分間加熱
し、急冷したのち、これに20μlの50mMトリス−
塩酸(pH8.3)、8mMMgCl2 、30mMKC
l,0.3mMジチオスレイトール、2mMのdNTP
s(dATP,dGTP,dCTP,dTTPの等量混
合物)、pCV1−オリゴdTプライマー(ファルマシ
ア社製)1.4μgと1.5単位の逆転写酵素(宝酒造
社製)を加え、37℃30分間反応させた。反応液に等
量のフェノールを加え、遠心後の水層を等量のフェノー
ル・クロロホルムで処理し、再度遠心後の水層をクロロ
ホルムで処理し、水層に等量の4M酢酸アンモニウムと
2.5倍容のエタノールを加え−70℃に15分間放置
した。15,000rpm、15分の遠心にて回収した
沈澱物を75%エタノールで2回洗浄し、減圧乾燥し
た。これを15μlの140mMカコジル酸ソーダ、3
0mMトリス−塩酸(pH6.8)、1mMCOCl2
、0.1mMジチオスレイトール,0.2mMのdC
TPと18単位のターミナルトランスフェラーゼ(ファ
ルマシア社製)を加え、37℃20分間反応させ、同様
に、フェノール・クロロホルム処理、エタノール沈殿
し、減圧乾燥した。これを10μlの50mMNaC
l、10mMトリス−塩酸(pH7.4)、10mMM
gCl2 、1mMジチオスレイトールで溶解し、25単
位のHindIII(宝酒造社製)を加え、37℃1時
間反応させた。フェノール・クロロホルム処理、エタノ
ール沈殿し、減圧乾燥したのち、沈殿を10μlのTE
(10mMトリス−塩酸(pH8.0)−1mMEDT
Aの混液)に溶した。この溶液1μlに7ngのpL1
オリゴdGリンカー(ファルマシア社製)を10μlの
TE、0.1M NaClに溶解したものを加え、65
℃で5分間加熱し、室温に30分間置いた。次に20m
Mトリス−塩酸(pH7.5)、4mMMgCl2 、1
00mMKCl、10mM硫安、0.1mM βーNA
D、50μg/ml BSAと0.6μgのE.col
iDNAリガーゼ(ファルマシア社製)を加え、全量を
100μlとし、12℃で一晩置いた。これに1μlの
4mMのdNTPs、1μlの15mM βーNAD、
1μlのE.coliDNAリガーゼ(0.4μg:フ
ァルマシア社製)、1μlのDNAポリメラーゼ(0.
3μg:ファルマシア社製)、1μlのE.coli
RNaseH(1単位:ファルマシア社製)を加え、1
2℃で1時間、ついで25℃で1時間保温した。
【0024】(2)次に、プラスミドDNAの大腸菌へ
の導入は大腸菌をコンピタント細胞として導入する方法
をとった。大腸菌はDH1株(BRL製)を用いた。コ
ンピタント細胞の作製は、井上らの方法を用いた(Inou
e,H. et al. Gene, 96, 23-28(1990) )。(1)で調製
した溶液20μlと作製したコンピタント細胞200μ
lとを混合し、4℃で30分間インキュベートした。そ
れを42℃、30秒間加熱後,SOC培地(2%トリプ
トン,0.5%イーストエキス,10mM NaCl,
2.5mM KCl,10mM MgCl2 ,10mM
MgSO4 ,20mM glucose)を1ml加
えて37℃、1時間保温した。これを、アンピシリン5
0μg/mlを含むLB寒天培地(トリプトン10g,
イーストエキス5g,NaCl 10g、寒天15g/
1LのH2 O)上に広げ、一晩培養し形質転換体を得
た。以後、この方法を用いて、大腸菌へのプラスミドD
NAの導入を行った。
【0025】(3)一晩培養して得られた形質転換体に
ついてコロニーハイブリダイゼーション法を用いてヒト
SOD遺伝子のクローンの選択を行った。LB寒天培地
上に生育したコロニーをナイロン膜上に移し、この膜を
0.5MNaOH−1.5NaCl溶液で1分間、3M
酢酸ソーダ(pH5.5)で1分間処理した後、80℃
2時間乾燥した。次にこの膜を、50mlの3倍SSC
(20倍:NaCl175.3g、クエン酸ソーダ8
8.2g、水1L)、0.1%SDSで60℃1時間処
理、洗浄した。この膜を、10mlの6倍SSC、60
μg/mlのサケDNA、10倍デンハルト溶液(フィ
コール50g、ポリビニルピロリドン50g、BSA5
0g、水500ml)からなる溶液に入れ、43℃2時
間置き、次いで、5’端を32Pでラベルした合成オリゴ
ヌクレオチド(107 cpm/μg)5’ATGGCG
ACGAAGGCC3’(この合成オリゴヌクレオチド
はヒトSODのN末アミノ酸、Met−Ala−Thr
−Lys−Alaをコードする塩基配列である。また、
DNA合成機8750型、ミリポア社製を使用して合成
した)を加え、43℃一晩置いた。その後、4倍SS
C,10倍デンハルト液,0.1%SDSで43℃15
分間処理、洗浄し、オートラジオグラフィーを取った。
このようにしてコロニーを検索した結果、ヒトSOD遺
伝子を有するクローンを得た。
【0026】(4)この形質転換体から、Maniatisらの
方法(Maniatisら、Molecular Cloning,104,Cold Sprin
g Harbor(1982))でプラスミッドDNAを調製し、ph
SOD1とした。このプラスミッドDNA10μgをH
緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、各々の20ユニ
ットの制限酵素PstIとPvuIIを加え全量を25
μlとし、37℃2時間保温切断した後、低融点アガロ
ース(BRL社製)ゲル電気泳動を行い、約0.7kb
pのヒトSOD遺伝子断片を切り出し、65℃、10分
間保温し、ゲルを融解した。水飽和フェノールを等量加
え、混和後氷中に5分間放置した。15,000rpm 、5分間
遠心し、上清(水層)を分取し、その水層を等量のフェ
ノール/クロロホルムで2回処理し、水層を回収後、1/
10容の3M酢酸ナトリウムと2.5容量のエタノールを
加え、−70℃に15分間放置した。15,000rp
m、15分の遠心にて回収した沈澱物を75%エタノー
ルで2回洗浄し、減圧乾燥した。
【0027】また、ベクターpUC118(宝酒造社
製)1μgをH緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、
各々の5ユニットの制限酵素PstIとPvuIIを加
え全量を10μlとし、37℃2時間保温切断した後、
50mM トリス−塩酸(pH8.0)中にバクテリアア
ルカリホスファターゼ(東洋紡績社製)を0.5単位加
え、65℃で1時間反応させた(以下BAP処理とい
う)。反応液をフェノール・クロロホルム液で2回処理
した後、水層に10分の1容の3M 酢酸ナトリウムおよ
び2.5倍容のエタノールを加え、遠心してベクターを
回収した。このベクターと前に調製した0.7Kbpの
DNA断片を、ライゲーションキット(宝酒造社製)を
用いて連結させた。予め、大腸菌MV1184株(宝酒
造社製)を前述の方法に従ってコンピテント細胞とし、
このコンピテント細胞に反応液を加え、形質転換体を得
た。得られた形質転換体からシークエンス反応の鋳型と
なる1本鎖DNAを調製した。プラスミドDNAを保持
した形質転換体を2xYT培地(1.6%トリプトン,
1%イーストエキス,0.5%NaCl,50μg/m
lアンピシリン)5ml中で37℃、2時間振とう培養
した。ヘルパーファージM13K07(1.0x1011pfu/m
l,宝酒造社製)50μlを加え、37℃でさらに一晩
振とう培養した。培養液を6,000rpm 10min遠心し、上清
を集め、その上清にPEG溶液(20%ポリエチレング
リコール6000,2M NaCl,50mM Tri
s・HCl(pH7.5),0.01% gelati
n,0.2%MgSO4 ・7H2 O)を1/5容加え、
よく混ぜて室温に15分間放置した。14,000rpm 10min
遠心し、沈澱物を得た。この沈澱物を1mlのSM溶液
(50mM Tris・HCl(pH7.5),0.2
% MgSO4 ・7H2 O,0.01% gelati
n,0.1M NaCl)に懸濁し、さらに0.2ml
のPEG溶液を加え、懸濁し室温に15分間放置した。
14,000rpm 10min 遠心し、沈澱物を得た。これにTE溶
液を加えてよく懸濁した。この懸濁液に等量のフェノー
ルを加え、遠心後の水層を等量のフェノール・クロロホ
ルムで処理し、再度遠心後の水層をクロロホルムで処理
し、水層に10分の1容の3M 酢酸ナトリウムと2.5
倍容のエタノールを加え−70℃に15分間放置した。
15,000rpm、15分の遠心にて回収した沈澱物
を75%エタノールで2回洗浄し、減圧乾燥した。得ら
れた1本鎖DNAは10μlの滅菌水に溶解した。この
ように調製した1本鎖DNAを鋳型にして、Taq Dye Pr
imer Cycle Sequencing Kit,-21M13(ABI社製)を用
いてシークエンス反応を行い、ABI社のDNAシーク
エンサー(モデル373A)を用いて泳動し、データの
解析を行ってDNAシークエンスを決定した。このDN
Aシークエンスにより、ヒトSOD遺伝子とベクター由
来のDNA断片を含む688塩基対の図1に示す塩基配
列が決定した。
【0028】(5)この遺伝子配列を、大腸菌での発現
実験のために次の手順で改変した。上で得られた塩基配
列に基づき、2っのオリゴヌクレオチドCGCGCTC
TAGAGGGTATTAATAATGGCGACGA
AGGCCGTGTGCとGCGCGGATCCGCT
GGTTCTTTCCGCCTCAGを合成し、80μ
lのH2 O、10μlの10XTaqポリメラーゼ緩衝
液(プロメガ社製)、1μgの各々オリゴヌクレオチ
ド、1ngの0.7KbpD断片、0.1mMのdNT
Ps及び10単位のTaqポリメラーゼ緩衝液(プロメ
ガ社製)を加えて、PCR反応をした。反応液に等量の
フェノールを加え、遠心後の水層を等量のフェノール・
クロロホルムで処理し、再度遠心後の水層をクロロホル
ムで処理し、水層に10分の1容の3M 酢酸ナトリウム
と2.5倍容のエタノールを加え−70℃に15分間放
置した。15,000rpm、15分の遠心にて回収し
た沈澱物を75%エタノールで2回洗浄し、減圧乾燥し
た。これを、20μlのH2Oに溶かし、H緩衝液(Man
iatisら、前出)中において制限酵素XbaIとBam
HI(東洋紡績社製)で完全消化して挿入断片を調べる
と、約0.7kbp長だった。低融点アガロース電気泳
動を行い、約0.7kbpのヒトSOD遺伝子断片を得
て、水に溶解した。
【0029】また、ベクターpUC118(宝酒造社
製)1μgをH緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、
各々の5ユニットの制限酵素XbaIとBamHIを加
え全量を10μlとし、37℃2時間保温切断した後、
BAP処理した。反応液をフェノール・クロロホルム液
で2回処理した後、水層に10分の1容の3M 酢酸ナト
リウムおよび2.5倍容のエタノールを加え、遠心して
ベクターを回収した。このベクターと前に調製した0.
7KbpのDNA断片を、ライゲーションキット(宝酒
造社製)を用いて連結させた。次に、反応液をコンピタ
ント大腸菌MV1184株(宝酒造社製)に加え、形質
転換体を得て、プラスミッドDNAを調製し、pUC1
18−hSODとした。同様にして、DNAシークエン
スを決定し、667塩基対の図2に示す塩基配列が決定
した。
【0030】
【実施例2】 ブタSOD遺伝子のクローニング 市販のブタポリ(A)RNA(クローンテック ラボラ
トリー インコーポレーション,Cat# CL6684)2.5μ
gを含む水溶液5μlを、65℃で5分間加熱し、急冷
したのち、これに20μlの50mMトリス−塩酸(p
H8.3)、10mMMgCl2 、140mMKCl,
10mMジチオスレイトール及びの2mMのdNTPs
(dATP,dGTP,dCTP,dTTPの等量混合
物)、1μgのオリゴdT(ファルマシア社製)と1.
5単位の逆転写酵素(宝酒造社製)を加え、42℃1時
間反応させた。その反応液の一部1μlに、80μlの
H2 O、10μlの10XTaqポリメラーゼ緩衝液
(プロメガ社製)、1μgの各々の混合合成オリゴヌク
レオチドCGCGCGAATCATGGCNACNAA
A/G GCNGTNTGCC/T (但し、NはA、T、G、
Cを表す)とGCGCGAATTCG/T/A ATNACN
CCG/A CANGCT/C AANCG、0.1mMのdN
TPs及び10単位のTaqポリメラーゼ緩衝液(プロ
メガ社製)を加えて、PCR反応をした。反応液に等量
のフェノールを加え、遠心後の水層を等量のフェノール
・クロロホルムで処理し、再度遠心後の水層をクロロホ
ルムで処理し、水層に10分の1容の3M 酢酸ナトリウ
ムと2.5倍容のエタノールを加え−70℃に15分間
放置した。15,000rpm、15分の遠心にて回収
した沈澱物を75%エタノールで2回洗浄し、減圧乾燥
した。これを、20μlのH2 Oに溶かし、H緩衝液
(Maniatisら、前出)中においてEcoRI(東洋紡績
社製)で完全消化した後、この約0.45kbpの挿入
断片を参考例1と同様な操作によって、pUC−118
にサブクローニングして、得られたプラスミドをpUC
118ーpSODと命名した。また、同様にして、塩基
配列を決定したところ、457塩基対の図3に示すブタ
SOD遺伝子の一部の塩基配列が決定した。
【0031】これら実施例1及び実施例2の方法による
ヒトSOD遺伝子とブタSOD遺伝子のクローニングの
フローを、図5に示す。
【0032】
【実施例3】 ヒトSOD遺伝子とブタSOD遺伝子の
ハイブリッド遺伝子の作製実施例1で作製したpUC1
18ーhSODプラスミド20μgをH緩衝液(Maniat
isら、前出)を用いて、各々の30ユニットの制限酵素
XbaIとBamHIを加え全量を25μlとし、37
℃2時間保温切断した後、低融点アガロース電気泳動を
行い、約0.7kbpのヒトSOD遺伝子断片を得た。
引き続き、この断片2μgをM緩衝液(Maniatisら、前
出)を用いて、5ユニットの制限酵素DdeI(東洋紡
績社製)を加え全量を25μlとし、37℃2時間保温
切断した後、低融点アガロース電気泳動を行い、約0.
35kbpのヒトSOD遺伝子由来断片を得た。また、
前述の約0.7kbpのヒトSOD遺伝子断片2μgを
M緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、5ユニットの
制限酵素CfrI(宝酒造社製)を加え全量を20μl
とし、37℃2時間保温切断した後、低融点アガロース
電気泳動を行い、約0.3kbp断片を得た。
【0033】一方、実施例2で作製したpUC118ー
pSODプラスミド5μgをM緩衝液(Maniatisら、前
出)を用いて、10ユニットの制限酵素EcoRIを加
え全量を25μlとし、37℃2時間保温切断した後、
低融点アガロース電気泳動を行い、約0.45kbpの
ブタSOD遺伝子断片を得た。引き続き、この断片1μ
gをM緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、5ユニッ
トの制限酵素DdeI(東洋紡績社製)と5ユニットの
制限酵素CfrI(宝酒造社製)を加え全量を25μl
とし、37℃2時間保温切断した後、低融点アガロース
電気泳動を行い、約20bpブタSOD遺伝子由来断片
を得た。
【0034】このようにして得られた約0.35kbp
と約0.3kbpのヒトSOD遺伝子由来断片と約20
bpブタSOD遺伝子由来断片各々の100ngをライ
ゲーションキット(宝酒造社製)を用いて16℃、30
分間反応させ連結させた。次に、この操作で得られた約
0.7kbpのDNA断片20ngと制限酵素XbaI
とBamHIで切断し、BAP処理したベクターpUC
118と混合し、ライゲーションキット(宝酒造社製)
を用いて16℃、30分間反応させ連結させた。これ
を、大腸菌MV1184株のコンピタント細胞に導入
し、形質転換体を得た。サブクローニングして、得られ
たプラスミドをpUC118ーHSODと命名した。ま
た、同様にして、塩基配列を決定したところ、667塩
基対の図4に示すヒトSOD遺伝子とブタSOD遺伝子
のキメラ融合遺伝子の塩基配列が決定した。
【0035】この実施例3の方法によるヒトーブタハイ
ブリッド遺伝子の構築フローを図6に示す。
【0036】
【実施例4】 発現ベクターの構築 E.coli W3110 pOX13(FERM B
P−1565)株から調製したプラスミッドDNA10
μgをM緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、10ユ
ニットの制限酵素DraIを加え全量を25μlとし、
37℃2時間保温切断した後、低融点アガロース電気泳
動を行い、約0.2kbpのDNA断片を得た。一方、
pUC13プラスミッドDNA(宝酒造社製)1μgを
M緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、5ユニットの
制限酵素SalIを加え全量を10μlとし、37℃2
時間保温切断した後,フェノール抽出処理及びエタノー
ル沈殿処理して沈殿物を得た。この沈殿物を、67mM
KPO4 、6.7mM MgCl2 、1mM 2−メル
カプトエタノール及び33μMの4NTPsを含む反応
液に溶解し、クレノウ断片酵素(宝酒造社製)20ユニ
ットを加え、22℃1時間反応した。これを、BAP処
理した。これに、まえの操作で得られた約0.2kbp
のDNA断片20ngを混合し、ライゲーションキット
(宝酒造社製)を用いて16℃、30分間反応させ連結
させた。これを、大腸菌MV1184株のコンピタント
細胞に導入し、形質転換体を得た。この形質転換体か
ら、プラスミッドDNAを調製し、pKN19とした。
このpKN19プラスミッドDNA1μgをH緩衝液
(Maniatisら、前出)を用いて、各々の5ユニットの制
限酵素XbaIとBamHIを加え全量を10μlと
し、37℃2時間保温切断した後、BAP処理した。一
方、実施例3で得られたpUC118ーHSOD、10
μgをH緩衝液(Maniatisら、前出)を用いて、各々の
20ユニットの制限酵素XbaIとBamHIを加え全
量を50μlとし、37℃2時間保温切断した後、低融
点アガロース電気泳動を行い、約0.7kbpの断片を
得た。この断片と先にBAP処理したベクターpKN1
9と混合し、ライゲーションキット(宝酒造社製)を用
いて16℃、30分間反応させ連結させた。これを、大
腸菌W3110株のコンピタント細胞に導入し、形質転
換体を得た。サブクローニングして、得られたプラスミ
ドをpKN19ーHSODと命名した。
【0037】この実施例4の方法によるヒトーブタハイ
ブリッド遺伝子発現ベクターの構築フローを図7に示
す。
【0038】
【実施例5】 SODの大腸菌内での発現 (1) 上で得られたプラッミドpKN19ーHSOD
を保持する形質転換体を、アンピシリン50μg/ml
を含有するBHI培地1mlにおいて、37℃で18時
間振とう培養した後、3、000rpm、10分間遠心
分離して、菌体ペレットを得た。この菌体ペレットに1
mMCuSO4 、1mMZnSO4 ,50mMシュクロ
ースを含む50mMトリス−塩酸(pH7.6)バツフ
ァー1mlを加えた。氷冷下にて、菌体を1分間超音波
破砕した。ヒトSODに対する抗体を用いたEIAによ
る測定の結果、pKN19ーHSODを保持した大腸菌
W3110は80μg/mlを産生した。
【0039】(2)pKN19ーHSODを発現させ
た、大腸菌体200gを1mMCuSO4 、1mMZn
SO4 ,50mMシュクロースを含む50mMトリス−
塩酸(pH7.6)緩衝液600mlに懸濁した後、1
分間超音波破砕した。破砕液に600mlのクロロホル
ムーエタノール混液(3:5)を加え、4℃、15分間
攪拌し、遠心分離にて、沈殿物を除いた。上澄液に30
0gのK2 HPO4 を溶かし、生じたエタノール層を
(500ml)を−20℃、30分間冷却し、析出した
沈殿物を遠心分離にて除き、上澄液をエバポレーターに
て減圧濃縮した。得られた濃縮液300mlは50mM
シュクロース、25mMリン酸緩衝液pH7.8で平衡
化したセファデックスG−25ゲル(ファルマシア社
製)カラム(4.5×60cm)を用いたゲル濾過によ
り同緩衝液に置換した。これにDE52(ワットマン社
製)10gを加え、4℃、30分間攪拌し、不純物を吸
着させ、ガラスフィルターで濾別した。濾液は50mM
シュクロースを含む2.5mMリン酸緩衝液(pH6.
5)に対して透析を行った後、同緩衝液で平衡化したD
EAE−セファローズCL−6B(ファルマシア社製)
カラム(1.6×20cm)を通過させ、SODを吸着
させた。カラムを同緩衝液で洗浄した後、リン酸バツフ
ァー除濃度を2.5mMから50mMまで直線的に上昇
させてSODを溶出させた。SOD活性はほぼ1つのピ
ークとして溶出されたため、このピークを集め、凍結乾
燥した。得られた凍結乾燥粉末を、10mlの蒸留水に
溶解し、50mMシュクロースを含む10mMトリス−
塩酸(pH7.0)緩衝液で平衡化したセファデックス
G−100(ファルマシア社製)カラム(4.5×80
cm)に流入させ、ゲル濾過精製を行った。以上の手法
によって得られたSODは重量としては約2.5gで、
SOD1mgあたり3000〜3500ユニットで、電
気泳動的に単一バンドを示し、前記したペプチド配列で
あることを確認した。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によると、ヒトSOD遺伝子
において、111位のアミノ酸CysをコードするTG
Cを合成オリゴヌクレオチドを使用した部位特異的変異
法によってSerをコードするTCC変換する方法に代
わって、天然に存在するブタSOD遺伝子からの制限酵
素による消化産物である2本鎖DNAを使用して、簡便
に前記の変換が出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はヒトSOD遺伝子の塩基配列である。
【図2】図2はヒトSOD遺伝子の5’及び3’側配列
の一部を改変した塩基配列である。
【図3】図3はブタSOD遺伝子の塩基配列である。
【図4】図4は発現に用いたヒトーブタハイブリッド遺
伝子の塩基配列である。
【図5】図5はヒトSOD遺伝子及びブタ遺伝子のクロ
ーニングのフローを示す図である。
【図6】図6はヒトーブタハイブリッド遺伝子の構築の
フローを示す図である。
【図7】図7はヒトーブタハイブリッド遺伝子の発現ベ
クターの構築フローを示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スーパーオキサイドディスムターゼ(以下
    「SOD」と略す)遺伝子において、ヒトSODの10
    7位から113位までのアミノ酸配列に相当するDNA
    配列を、ブタSOD遺伝子における、ブタSODの10
    6位から112位までのアミノ酸配列に相当するDNA
    配列で置換して得られる下記一般式(1) 【化1】 のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むDNAと複
    製可能なベクターとの組換えDNAを含有する細胞を培
    地中で培養し、産生されたSOD活性を有するポリペプ
    チドを採取することを特徴とするSOD活性を有するポ
    リペプチドの製法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115896048A (zh) * 2022-12-22 2023-04-04 河北纳科生物科技有限公司 一种酶活高、稳定性好的重组人Cu、Zn-SOD及其制备方法和用途

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