JPH065441B2 - クリ−ニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は電子写真複写機など、静電転写プロセスを利
用する画像形成装置、とくにそのクリーニング装置に関
するものである。

（従来技術と解決すべき課題） 走行する像坦持体表面に可転写のトナー像を形成した
後、これを転写材に転写し、このとき像坦持体表面にの
こる残留トナーその他の異物を除去する工程をくりかえ
す周知の画像形成装置においては、残留トナーその他の
異物をその都度充分に除去することが、安定した画像を
得るために必須の要件である。

この種のクリーニング手段としては、ウレタンゴム等の
弾性材からなるクリーニングブレードが、その構成が簡
単でトナー除去機能もすぐれているために従来からひろ
く実用されている。

しかしながら、像坦持体表面から除去すべき物質は残留
トナーばかりではなく、たとえば、画像形成装置内の高
圧部材の存在によつて生成されるコロナ生成物、転写材
として主として用いられる紙から析出するロジン，タル
クなどなど析出物など種々なものがあり、これらの異物
が像坦持体に付着すると高湿的に吸湿して当該部分が低
抵抗となり、これが画像形成装置に悪影響を及ぼすおそ
れがあつた。

しかも上記のような異物は、前述のようなクリーニング
ブレードによつては充分に除去することが困難であつ
た。

このため、クリーニング手段として前述のようなクリー
ニングブレードとともに、シリコンゴムウレタンなど弾
性材からなるローラをクリーニングブレード近傍に配し
て該ローラで像坦持体表面を圧接摺擦するように構成し
たものがすでに提案されている。

上記のような弾性摺擦ローラとしては、たとえばシリコ
ンスポンジの表面をソリツドのシリコンゴムで被覆し、
その硬度が２０〜４０（ASKER C定荷重500g_r）として、
たとえば回転円筒状の像坦持体に圧接する場合、圧接時
のニツプ巾を１〜４mmにとり、両者当接部位において摺
擦ローラの周速を像坦持体のそれの５０〜300％とした
ときに、前述のような異物の除去に良好な結果が得られ
ることが判明している。

このようにクリーニングブレードと弾性摺擦ローラとを
用いることによつて像坦持体表面の残留トナー，その他
の異物を除去する機能は向上するが、クリーニング装置
の当該部分の構成が、それだけ複雑となるために、ブレ
ードおよび摺擦ローラによつて像坦持体から除去された
トナーなどの処理に不都合が生ずるおそれがあつた。

このことを第３Ａ図，第３Ｂ図について説明すると、こ
れらの図はクリーニングブレードと弾性摺擦ローラが像
坦持体に当接している部分を像坦持体側から見た一部の
正面図であつて、紙面はほぼ平行に矢印Ａ方向に走行す
る像坦持体（不図示）に弾性摺擦ローラ１０が適宜のニ
ツプ巾10cをもつて摺擦し、その下流側に配されたクリ
ーニングブレード９のひとつのエツジ９ａが像坦持体表
面に圧接しているものとする。

クリーニングブレード９，摺擦ローラ１０の側方には除
去されたトナー等の飛散を阻止するためのシール材１３
が両側に（図にはその一方のみが示してある）配設して
ある。

このように構成されたものにおいて、第３Ａ図に示すよ
うに、摺擦ローラ１０の巾（左右方向にみた長さ、以下
同じ）がクリーニングブレードのそれよりも大、あるい
は両者が近接していると、像坦持体から除去されたトナ
ーが、ブレード９側端とシール材１３との間隙部１５に
侵入し、さらにクリーニング装置外に逸散して画像形成
装置内各部を汚染するおそれがある。

また第３Ｂ図に例示するように、クリーニングブレード
９の巾を摺擦ローラ１０のそれよりも大きくすると、ブ
レード両端近傍部分１６の部位にトナーが充分におくり
込まれず、この部分のブレードエツジの像坦持体との摩
擦が極端に大きくなつてブレードにめくれが生じ、クリ
ーニング不良をおこすことがあつた。

本発明はこのような欠点にかんがみて完成されたもので
あつて、クリーニングブレード巾，摺擦ローラ巾など除
去したトナー等の処理に関連する部材の巾を適当に定め
ることによつて上述のような欠点を有効に回避し得るク
リーニング装置を提供することを目的とするものであ
る。

(2) 発明の構成 （問題点を解決する技術手段，作用） 上記の目的を達成するために、本発明においては、クリ
ーニングブレードと、像坦持体の走行方向にみて該ブレ
ードより上流側に配した少なくとも１個の弾性摺擦ロー
ラと、該ローラに付着したトナー等を除去するスクレー
パとをそなえたクリーニング装置において、スクレーパ
巾を摺擦ローラのそれより短かく、摺擦ローラの巾をク
リーニングブレードのそれよりも短かく構成したことを
特長とするものである。

このように構成することによつて、像坦持体表面から除
去されたトナー等が適量クリーニングブレード両端部に
誘導される状態となり、トナーがクリーニング装置外に
逸散したり、クリーニングブレード両端において不足し
たりすることを阻止して安定したクリーニング作用が得
られる。

（実施例の説明） 以下本発明を、回転円筒状の感光体をそなえた複写機に
適用した場合について添付の図面によつて説明する。

第１図は本発明を適用した複写機の要部の概略側面図で
あつて、矢印Ａ方向に回転する円筒状の感光体１の表面
光導電層が帯電器２によつて帯電されたのち、原稿の光
像３が照射されて静電潜像が形成される。ついで該潜像
に現像器４からトナーが供給されて可転写トナー像とな
り、別途搬送路５から搬送される転写材に、前記トナー
像が、転写帯電器６をそなえた転写部位において転写さ
れる。

転写材は、ついで分離帯電器７ａ，分離コロ7bの作用で
感光体１から分離され、搬送路７ｃを経て定着部位（不
図示）に至るものとする。

一方、転写部位において転写に寄与せず感光体表面にの
こつたトナーは、前述のような各種異物とともにクリー
ニング装置８に至る。

クリーニング装置８にはクリーニングブレード９が配さ
れていて前記残留トナーをかき落すものとし、さらに図
示の実施例においては、その上流側の前述のような弾性
摺擦ローラ１０が感光体１に圧接摺擦している。該摺擦
ローラはシリコンスポンジからなる内層10bと、ソリツ
ドなシリコンゴムからなる外層10aとからなつており、
その他おおむね前述のような構成，作用を具備している
ものとする。

これら摺擦ローラ１０，クリーニングブレード９によつ
て感光体表面から除去されたトナーその他の異物は摺擦
ローラ表面に付着、堆積してその回動とともに搬送さ
れ、スクレーパ１１によつてかき落されてクリーニング
装置内貯溜部にたまり、さらに必要に応じてスクリユー
コンベア１２によつて外部に***される。

このような複写機において、この実施例にあつては、ク
リーニングブレード９，摺擦ローラ１０およびスクレー
パ１１の巾を以下のように設定する。

第２図は上記３者の関係配置を、第１図矢印Ｂ方向から
みたところを示すものであつて、クリーニングブレード
９の巾を摺擦ローラ１０の巾よりも両端において３〜１
５mm長くし、スクレーパ11の巾を摺擦ローラのそれより
も両端において１〜５mm短かくしてある。

このように構成することによつて、スクレーパが摺擦ロ
ーラに当接している範囲内においては該ローラ上のトナ
ーの厚みが30μ以下であるに対して両端のスクレーパ非
当接部分においては20μ程度大となり、この余剰トナー
は感光体に搬送されてクリーニングブレードの位置に至
り、そのエツジの作用で若干両側外方の空所１７に拡散
してゆく。この場合、クリーニングブレード９，スクレ
ーパ１１のトナーかき落し機能，摺擦ローラ１０のトナ
ー摺擦除去作用、トナーの特性などにより、前述のこれ
ら各部材の巾関係を適当な数値に定めることによつて、
前述のブレードエツジで拡散したトナーが当該部分で除
去されてしまい、ブレードとシール部材１３との間隙部
１５にまで達することのないようにすることは実験的に
きわめて容易に遂行できる。

以上のようにクリーニングブレード９，摺擦ローラ１０
およびスクレーパ１１の寸法関係を決定することによ
り、適量のトナーを摺擦ローラ部位で除去せずにクリー
ニングブレード部位に供給して、クリーニングブレード
両端部においてトナー不足によるめくれなどの不都合を
惹起することなく、しかも間隙部分から外部にトナーが
逸散することをも有効に阻止することができるものであ
る。

つぎにクリーニングブレード巾，摺擦ローラ巾と、感光
体表面の現像域巾，画像域巾との関係について説明す
る。

よく知られているように、現像器３によつて供給される
トナー付着域、即ち現像域巾は転写材の巾、即ち画像域
巾よりも大きくとつて転写モレのないようにしてあるの
で、画像域の両側外側には、若干のトナーが付着したま
ま感光体が走行する非画像域が形成される。

一方、摺擦ローラについていうと、いつぱんにシリコン
ゴムが好適とされていることに前述のとおりであるが、
ゴム中の未反応成分が多いと、これがローラ表面に浸出
して感光体に付着し、静電潜像の乱れ、転写材の汚染な
どによる画像の劣化をまねくことがあることが知られて
いる。このような不都合を回避するためにはウレタンゴ
ムを使用するのがよいが、ウレタン材を使用すると、ク
リーニング装置内のブレード等における前述のような寸
法関係だけではブレードエツジによるトナーの横方向へ
の拡散が不充分となるおそれがある。

このような場合には、前述の各部材の寸法関係に加え
て、摺擦ローラ巾を最大現像巾と最大画像巾の中間にな
るように定めておき、非画像域の少なくとも一部にある
トナーを直接クリーニングブレードエツジに到達させる
ことによつてブレード両端におけるトナー不足状態を回
避するように構成するとよい。

(3) 発明の効果 本発明は画像形成装置に用いるクリーニング装置におい
て、残留トナー，その他の異物を除去するクリーニング
ブレード，弾性摺擦ローラならびに該ローラからトナー
等を除去するスクレーパの、夫々の巾を適当な関係に定
めることによつて、クリーニングブレード全巾に亘つて
トナーを供給して、トナー不足によるブレードのめく
れ、これによるクリーニング不良などの事態を回避する
とともに、過量のトナーがブレード両側に供給されてク
リーニング装置外に逸散することをも阻止できるので長
期に亘つて安定したクリーニング機能を維持でき、良質
の画像を得るに資するところが大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した複写機の要部の概略側面図、
第２図はクリーニングブレード，摺擦ローラ，スクレー
パの関係配置を示す要部正面図、第３Ａ図，第３Ｂ図は
公知の、クリーニングブレードと摺擦ローラの関係配置
を示す一部正面図である。 １…感光体、３…現像器、８…クリーニング装置、９…
クリーニングブレード、１０…摺擦ローラ、１１…スク
レーパ、１３…シール部材、１５…間隙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 敬士 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉田 宣俊 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像坦持体表面に圧接するクリーニングブレ
   ードと、該表面に摺擦する弾性摺擦ローラと、該摺擦ロ
   ーラに当接するスクレーパとをそなえており、 前記摺擦ローラの軸線方向の長さよりも、前記クリーニ
   ングブレードの同方向にみた長さを長く、前記スクレー
   パの同方向にみた長さを短くしてなるクリーニング装
   置。
2. 【請求項２】摺擦ローラの軸線方向長さを、最大現像域
   巾よりも小さく、最大画像域巾よりも大きくした特許請
   求の範囲第１項記載のクリーニング装置。