JPH0651084A - 貫通管溶接部の予防保全方法及び装置 - Google Patents

貫通管溶接部の予防保全方法及び装置

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JPH0651084A
JPH0651084A JP4076676A JP7667692A JPH0651084A JP H0651084 A JPH0651084 A JP H0651084A JP 4076676 A JP4076676 A JP 4076676A JP 7667692 A JP7667692 A JP 7667692A JP H0651084 A JPH0651084 A JP H0651084A
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control rod
rod guide
pipe
guide tube
welded portion
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Application number
JP4076676A
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English (en)
Inventor
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Masahiro Otaka
正廣 大高
Masato Mochizuki
正人 望月
Shinji Sakata
信二 坂田
Koichi Kurosawa
孝一 黒澤
Hideyo Saito
英世 斉藤
Makoto Hayashi
眞琴 林
Akihiko Hirano
明彦 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御棒案内管のスタブチューブへの取付け溶
接部の引張り残留応力を圧縮応力に転換可能とする。 【構成】 制御棒案内管4の内部に設けた加熱・冷却子
5と、外面側に取り付けた冷却子7sと、取付け溶接部
3の外周を大気条件とする水封具13と、温度計測機能
付きの内部監視カメラ14及び外部監視カメラ16を備
えた排水筒11と、統合制御装置23と、排水筒11を
昇降させるマスト19と、冷却子7および加熱・冷却子
5へ水を送るポンプ24と、排水ノズル17へ空気また
は不活性ガスを送る給気ボンベ26と、加熱・冷却子5
を昇降させるロッド28を備えた昇降器29とよりな
る。 【効果】 制御棒案内管の取付け溶接部の耐応力腐食割
れ性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の圧力容器の下
鏡板に設けられたスタブチューブと制御棒案内管の取付
け溶接部近傍の内外表面に存在する引っ張り残留応力を
圧縮残留応力に転換する改善技術に係り、特に炉水環境
下で、局部的に炉水排除した状態で溶接部とその近傍を
熱処理するか、熱と水ジェット噴射(水ジェットピーニ
ング)の複合処理のいずれかによって、制御棒案内管の
取付け溶接部近傍の内外表面に圧縮残留応力を生成させ
るのに好適な制御棒案内管の予防保全方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の圧力容器の下鏡板に設けられた
スタブチューブと制御棒案内管の取付け溶接部近傍の内
外表面には、一般的に、高い引っ張り残留応力が存在す
る。一方、スタブチューブ及び制御棒案内管に使用され
ているステンレス鋼やインコネル鋼は、溶接熱や熱処理
によって、過大な熱が加えられると、結晶粒界にCr炭
化物が析出するために、結晶粒界のごく近傍にCr欠乏
層が形成され、Cr欠乏層の腐食に対する感受性が高く
なる(鋭敏化という)。材料が鋭敏化した状態で高引張
り応力を受けて、厳しい腐食環境で使用されると、応力
腐食割れを起こす。すなわち、材料の鋭敏化、高引張り
応力及び腐食環境の三因子が重畳すると、応力腐食割れ
の危険性が高まる。
【0003】制御棒案内管の取付け溶接部と類似の構造
で、応力腐食割れを起こした機器としてICMハウジン
グの取り付け溶接部の例がある。応力腐食割れが懸念さ
れるICMハウジングの予防保全方法として、Cr欠乏
層が形成されて鋭敏化した表面層に、レーザでCrを添
加溶融してCr富加した合金層を形成させる、特開平2-
133191号公報(容器貫通管溶接部の応力腐食割れ防止方
法)記載の技術がある。この技術は応力腐食割れ三因子
のうちから、材料の鋭敏化因子を除くことによって、I
CMハウジングの耐応力腐食割れ性を、改善しようとす
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術は、制
御棒案内管の取付け溶接部のように対象部位の面積が広
くなると、施工に長時間を必要とし、運転開始後の機器
に適用する場合は、作業員の被爆線量増大に繋がり、健
康上も、また、コストの面でも不利になる問題点があっ
た。
【0005】本発明は、応力腐食割れ三因子のから、応
力因子を改善して、制御棒案内管の取付け溶接部の耐応
力腐食割れ性を向上しようとするものである。すなわ
ち、制御棒案内管のスタブチューブへの取付け溶接部の
高引張り残留応力を圧縮応力に転換する熱的及び機械的
な効率の良い貫通管溶接部の予防保全方法及び装置の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る貫通管溶接部の予防保全方法は、原子
炉の圧力容器の下鏡板に穿設された貫通丸穴と同心で下
鏡板の内側に取り付けられたスタブチューブの上端部
に、下鏡板の下方から挿通されスタブチューブの上方と
下鏡板の下方とにそれぞれ突出して位置決めされかつ溶
接で取付けられる制御棒案内管の貫通管溶接部の予防保
全方法において、制御棒案内管の取付け溶接部および取
付け溶接部の制御棒案内管側とスタブチューブ側との熱
影響部を含む溶接部近傍を制御棒案内管の内部より加熱
し、溶接部近傍が降伏点を超える応力を発生させる高温
に達すると同時に溶接部近傍の内表面と外表面とを炉水
で急速冷却する構成とする。
【0007】そして原子炉の圧力容器の上蓋、炉内の蒸
気乾燥器、気水分離器、燃料集合体および制御棒を順次
取外し、制御棒案内管の上端面で炉水を遮断し、制御棒
案内管の取付け溶接部の外周の炉水を排除して気体雰囲
気とした後、制御棒案内管の制御棒駆動機構を下方に抜
去し、制御棒案内管の内部を気体雰囲気とした後、制御
棒案内管の取付け溶接部および取付け溶接部の制御棒案
内管側とスタブチューブ側との熱影響部を含む溶接部近
傍を制御棒案内管の内部より加熱し、溶接部近傍が降伏
点を超える応力を発生させる高温に達すると同時に溶接
部近傍の内表面と外表面とを炉水で急速冷却する構成で
もよい。
【0008】また原子炉の圧力容器の下鏡板に穿設され
た貫通丸穴と同心で下鏡板の内側に取り付けられた円筒
状のスタブチューブの上端部に、下鏡板の下方から挿通
されスタブチューブの上方と下鏡板の下方とにそれぞれ
突出して位置決めされかつ溶接で取付けられる制御棒案
内管の貫通管溶接部の予防保全方法において、圧力容器
の上蓋、炉内の蒸気乾燥器、気水分離器、燃料集合体お
よび制御棒を順次取外し、制御棒案内管の上端面で炉水
を遮断し、制御棒案内管の制御棒駆動機構を下方に抜去
し、制御棒案内管の内部を気体雰囲気とした後、制御棒
案内管の取付け溶接部をその外周の炉水に制御棒案内管
周りの上昇旋回流を起こさせて冷却し、管取付け溶接部
および取付け溶接部の制御棒案内管側とスタブチューブ
側との熱影響部を含む溶接部近傍を制御棒案内管の内部
より高温で急速加熱し、制御棒案内管の内部を炉水で満
たした後、溶接部近傍の内表面に高圧の炉水を噴射し、
内表面にキャビテーション気泡を衝突させる構成でもよ
い。
【0009】さらに高温は、固溶化温度である構成でも
よい。
【0010】そして気体雰囲気は、不活性ガス雰囲気で
ある構成でもよい。
【0011】また貫通管溶接部の予防保全装置において
は、制御棒案内管の上端面に嵌合する円錐状の水封具
と、制御棒案内管の取付け溶接部および取付け溶接部の
制御棒案内管側とスタブチューブ側との熱影響部を含む
溶接部近傍の外周を取り囲み制御棒案内管の内表面の冷
却と同期してほぼ中心に向けて水を噴射する冷却子と、
スタブチューブ側の熱影響部の下方へ炉水を排除して気
体雰囲気を形成させる排水筒と、下端に排水筒を昇降自
在に備えたマストを搭載しかつ圧力容器のフランジ面に
設けられてマストを圧力容器の周方向と半径方向とに移
動させる3次元位置決め装置と、制御棒案内管の下方よ
り挿入されて制御棒案内管の溶接部近傍を加熱しかつ溶
接部近傍の外表面の冷却と同期して放射状に炉水を噴射
する加熱・冷却子と、加熱・冷却子を上下方向に昇降さ
せて位置決めする昇降装置と、加熱・冷却子に誘導電流
と冷却用の炉水を供給する加熱・冷却装置と、それぞれ
の装置を制御する統合制御装置とよりなる構成とする。
【0012】さらに制御棒案内管の上端面に嵌合する円
錐状の水封具と、制御棒案内管の取付け溶接部外周の炉
水に制御棒案内管周りの上昇旋回流を起こさせるノズル
を有する外面冷却子と、下端に外面冷却子を昇降自在に
備えたマストを搭載しかつ圧力容器のフランジ面に設け
られてマストを圧力容器の周方向と半径方向とに移動さ
せる3次元位置決め装置と、制御棒案内管の下方より挿
入されて制御棒案内管の溶接部近傍を内面側より急速に
加熱する加熱子と制御棒案内管の内部を炉水で満たした
後に溶接部近傍の内表面に向けて放射状に炉水を噴射し
てキャビテーション気泡を衝突させる水ジェットノズル
とを上部に備え上下方向に昇降自在な昇降装置と、加熱
子に誘導電流を供給する加熱装置と、水ジェットノズル
より水ジェットを噴射させるジェット装置と、それぞれ
の装置を制御する統合制御装置とよりなる構成でもよ
い。
【0013】そして貫通管溶接部の予防保全装置におけ
る気体雰囲気は、不活性ガス雰囲気である構成でもよ
い。
【0014】
【作用】本発明によれば、制御棒案内管のスタブチュー
ブへの取付け溶接部とその近傍とを、鋭敏化が促進され
ない温度範囲で、短時間内に高温に加熱することによ
り、材料の降伏応力が低下するため、溶接で生じた引張
り残留応力が緩和する。さらに、高温に達すると同時
に、内外両表面に炉水を噴射して急速に冷却することに
より、内外両表面に圧縮残留応力が、板厚の内部に引張
り残留応力が、それぞれ生成される。腐食環境に接する
制御棒案内管とスタブチューブへの取付け溶接部の内外
両表面は、圧縮残留応力に改善される。
【0015】取付け溶接部とその近傍の外表面を冷却し
ながらを内表面を急速に高温加熱してから冷却すると、
外表面に圧縮残留応力が、内表面に引張り残留応力が生
成される。その後、引張り残留応力が生成された内表面
に水を充満後、高速の水ジェットを噴射してピーニング
することによって、内表面にも圧縮残留応力が生成され
る。
【0016】いずれの方法によっても内表面外表面とも
に圧縮残留応力となるため、耐応力腐食割れ性の改善効
果が高まる。
【0017】これを実施するための装置には、監視カメ
ラを搭載したため、位置決めや施工状況が容易に確認さ
れる、また、非接触温度測定センサを搭載したため、高
精度温度計測がなされ、これによって、残留応力改善効
果と施工の信頼性が高くなる。
【0018】また、熱処理の冷却水と水ジェットによる
ピーニングの作動水には、炉水を用いているため、使用
した水は、再び、原子炉水として用いられ、廃水処理が
不要となる。
【0019】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1を参照しながら
説明する。図1に示すように、原子炉の圧力容器の下鏡
板1の内側に取り付けられた円筒状のスタブチューブ2
の上端に、下鏡板1の下方からスタブチューブ2内に挿
通されスタブチューブ2の上方と下鏡板1の下方とにそ
れぞれ突き出すように位置決めされかつスタブチューブ
2の上端部に取り付け溶接3で溶接された制御棒案内管
4と、制御棒案内管4の内部に誘導加熱用の加熱・冷却
子5とを備え、制御棒案内管4の熱影響部6cと、スタ
ブチューブ2の熱影響部6sとを含む溶接近傍を、制御
棒案内管の内部から局部的に高温に加熱する。ただし、
この場合の最高加熱温度と加熱時間は、鋭敏化が促進し
ない条件で実施する。例えば最高加熱温度が600℃の
場合は、1min.程度以内とする。高温に達すると同
時に、図2に示すように、内面側の加熱・冷却子5の冷
却コイル5aと、外面側の冷却子7sとから炉水を用い
た冷却水8c、8sを噴射して、内外面を同時に急速冷
却する。
【0020】図1において、取り付け溶接部3の近傍が
高温に加熱されるため、材料の降伏点低下と初期残留応
力の再配分により残留応力の平均化が起って、残留応力
が低下する。その後の図2の内外面の同時急速冷却の途
中過程で、板厚の中心部で圧縮、内外表面で引張り応力
が発生して降伏する。内外表面の引張り降伏のために完
全冷却後は、反対に圧縮応力が残留する。すなわち、残
留応力改善が達成される。本実施例は、圧力容器内に炉
水を満たしていない、運転開始前のプラントに適用する
のに好適である。
【0021】本実施例の応用として、最高加熱温度とし
て固溶化温度、例えば、1050℃まで短時間に昇温
し、固溶化温度に達すると同時に、図2と同様に内外面
を同時に急速冷却する。これにって、前記と同様に残留
応力改善効果が得られ、さらに、熱影響部6c、6sの
鋭敏化も改善できる。
【0022】図3は溶接部近傍が高温に達すると同時に
その内外面を急速冷却することのできる加熱・冷却子の
構造を示す。加熱・冷却子5は2重コイル構造であっ
て、ロッド28の上端に加熱コイル5aと冷却コイル5
bとが交互に配設してあり、高温に達すると同時に加熱
・冷却子5を上方に移動させることなく冷却水8を噴射
することができる。また、高温に達した後、加熱を継続
した状態で冷却水8を噴射し、噴射開始してから加熱を
停止することもできる。この加熱・冷却子によれば、加
熱を停止してから冷却水を噴射するまでの時間をゼロに
することができ、板内外表面と板厚中心との温度差を大
きくするのに有効である。図4に均一加熱時、冷却中お
よび完全冷却時の板厚内の温度分布の一例を示す。
【0023】運転開始後のプラントは、炉水が満たさ
れ、全ての炉内機器が取り付けられているため、図5に
示す装置を発明したものである。
【0024】図5に、第2の実施例を示す。図5は、原
子炉の圧力容器9の上蓋、炉内の蒸気乾燥器、気水分離
器、燃料集合体及び制御棒を順次を取外してから、実施
しようとする制御棒案内管4aの上端面で水を遮断し、
取付け溶接部3の外周の炉水10を局部的に排除して気
体雰囲気とするための排水筒11をセットした後、制御
棒案内管4aの制御棒駆動機構12を下方に抜去し、制
御棒案内管4aの内部を空にして気体雰囲気とし、制御
棒案内管4aの下端面に、高周波熱処理装置30、加熱
・冷却子5を昇降させる昇降機29を取り付けた状態を
示す。図6は、排水筒11をセットした制御棒案内管4
aの部分的な断面を示す。排水筒11は、釣鐘状であ
り、水封具13、冷却子7s、取付け溶接部3の内表面
温度監視、加熱・冷却子5のセット状況監視、及び冷却
水噴射状況監視のために温度計測機能付きの内部監視カ
メラ14を備え、また、取付け溶接部3の外表面温度監
視、外面の冷却子7sのセット状況監視及び冷却水15
sの噴射状況監視のために温度計測機能付きの外部監視
カメラ16を備えている。
【0025】図6に示すように装置をセットし、水封具
13により制御棒案内管4aの上端面で水を遮断後、排
水ノズル17から空気または不活性ガスを圧入して、排
水筒11の内部の炉水を排除する。排水の確認は、排水
筒11の下面からの気泡40の上昇により行うことがで
きる。この状態で、取付け溶接部3の内面に正しく加熱
・冷却子5がセットされていることを内部監視カメラ1
4で確認し、取付け溶接部3の外面に正しく冷却子7s
がセットされていることを外部監視カメラ16で確認
し、内外面ともに冷却水噴射なしの状態で、取付け溶接
部3とその熱影響部近傍を、内部の加熱・冷却子5で第
1の実施例と同様に加熱する。高温に達すると同時に、
内部の加熱・冷却子5の冷却子と外部の冷却子7sとか
ら冷却水を同時に噴射して第1の実施例と同様に急速冷
却する。
【0026】第1の実施例の応用例と同じように、この
場合も、再固溶化温度まで加熱して、内外面を同時に急
冷すると、鋭敏化と残留応力の改善が同時に達成され
る。この場合に、排水ノズル17から空気に変えて不活
性ガスを圧入し、制御棒案内管4aの内部も不活性ガス
雰囲気として、加熱することによって、表面の酸化を防
止することができる。
【0027】装置についてさらに詳しく説明する。制御
棒案内管4の上端面に嵌合する水封具13の内部には図
7に示すように、制御棒案内管4と自動調心して嵌合す
るための円錐コーン18が設けられ、円錐コーン18の
先端に内部監視カメラ14が回転自在に取り付けられて
いる。排水筒11セットに際しては、内部監視カメラ1
4で下方を見ながら対象とする制御棒案内管4の真上に
位置を決めて、排水筒11を下降することによって、円
錐コーン18がガイドとなり正確にセットされる。制御
棒案内管4と水封具13との間にパッキン36が挿入さ
れる。水封具13は、排水筒11に対して昇降自在にに
取り付けられている。そのため、図8に示すように、制
御棒案内管4の上端面と取付け溶接部3との間の距離の
長い圧力容器の中心部の制御棒案内管4aにセットする
場合は、図7のように水封具13の長さを短く調節し、
圧力容器の外周部の制御棒案内管4fにセットする場合
は図9に示すように、制御棒案内管4fの上端面と取付
け溶接部3との間の距離が短いため、水封具13の長さ
を長く調節する。冷却子7sも水封具13と同様に、排
水筒11に対して、昇降自在に取り付けられている。こ
の排水筒11によれば、炉心部から外周部に至る全ての
制御棒案内管4に対して対応できる。水封具13、冷却
子7s、内部監視カメラ14、外部監視カメラ16及び
冷却水8の噴水等の制御は、図5に示す統合制御装置2
3により制御され、カメラの画像は受像機32に映され
る。
【0028】排水筒11は、昇降自在のマスト19の下
端に接続継手20を介して取り付けられ、マスト19
は、圧力容器9のフランジ面21上に設けられて、マス
ト19を圧力容器9の周方向と半径方向に移動自在でか
つ昇降自在な移動台車22に取り付けられている。移動
台車22のフランジ面上の平面内の移動とマストの昇降
は、統合制御装置23により制御される。冷却子7s及
び加熱・冷却子5には、ポンプ24から給水管25を通
して冷却水が送られる。排水ノズル17には、給気ボン
ベ26から、給気管27を通して、空気または不活性ガ
スが送られる。
【0029】制御棒案内管4の下部には、加熱・冷却子
5に誘導加熱用の給電と冷却水供給とが可能で、かつ、
加熱・冷却子5を昇降させるロッド28を備えた昇降器
29が取り付けられている。加熱・冷却子5は内部監視
カメラ14でモニタされながらロッド28で最適位置に
セットされる。昇降器29には誘導加熱装置30が繋が
れており、誘導加熱装置30は、統合制御装置23から
の制御に基づき機能する。また、昇降器29には、ポン
プ24からの冷却水用の給水管25が繋がれている。さ
らに、加熱・冷却子5から制御棒案内管4の内表面に噴
射された冷却水を回収する回収管31が繋がれている。
回収した水は、炉水として使用される。
【0030】本装置によれば、原子炉の中心部の制御棒
案内管、外周部の制御棒案内管を問わずに部品交換せず
に施工でき、また、すべての機器が統一的に制御できる
ため、施工の信頼性が高く、装置の組立て、解体以外は
遠隔で操作でき、作業員の被爆低減に有効である。
【0031】図10は、本発明の第3の実施例を示す図
であって、図6の実施例と構成を異にするところは、図
6から排水筒11と排水ノズル17とを取外したこと、
加熱・冷却子5の下方に水ジェットノズル33、高圧ポ
ンプ34および高圧給水管35を設けたことである。す
なわち、初めに、図6の実施例と同様にして、制御棒案
内管5の上端面で炉水を遮断した後、水ジェットノズル
33を備えた加熱子45を制御棒案内管2の内部にをセ
ットし、冷却子7sから斜め上方に旋回流が生ずるよう
に冷却水を噴射して、取付け溶接部3の外表面を強制冷
却しつつ、制御棒案内管2の内部の加熱子45と誘導加
熱装置30とによつて、内表面を急速に加熱する。加熱
は、内表面温度を、400℃から600℃程度に昇温さ
せて停止し、外面の強制冷却のみを継続する。完全冷却
後、水ジェットノズル33が、図10に示す取付け溶接
部3の位置となるように位置決めする。水ジェットノズ
ル33の位置を決めてから、水封具13を上方に移行さ
て、制御棒案内管2の上端部を開放する。上端部の開放
によって、制御棒案内管2の内部は炉水で満水となる。
このようにしてから、高圧ポンプ34からの炉水の高圧
水を小口径の水ジェットノズル33から取付け溶接部3
の内表面に噴射する。噴射条件としては、キャビティが
生成する、例えば、ノズル径1mm、吐出圧約50Mp
a以上とする。噴射水は、制御棒案内管2の上端部が開
放されているため、圧力容器内に還流する。
【0032】噴射終了後は、再び、制御棒案内管2の上
端部を水封具13によって炉水を遮断してから、取付け
と、逆の順序で、本装置を解体し、制御棒駆動機を組み
立てて、施工が完了する。
【0033】取付け溶接部3の外表面の強制冷却と内表
面の急速加熱によって、外表面に引張り応力が生じて降
伏し、内表面に圧縮応力が発生する。加熱停止し、完全
に冷却すると、外表面に圧縮応力が残留し、内表面に引
張り応力が残留する。引き続いて、高圧水ジェット噴射
によって、内表面で噴射乱流に起因するキャビティが消
滅する時、極めて高い面圧が発生する。この圧力の表面
ピーニング作用によつて、内表面の引張り残留応力が圧
縮残留応力に反転する。すなわち、内外表面共に圧縮残
留応力に改善することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、溶接によって引張り応
力が残留する制御棒案内管とスタブチュウブとの取付け
溶接部の内・外表面に圧縮残留応力を生成することがで
きるため、溶接部の耐応力腐食割れ性が向上し、取付け
溶接部からの炉水漏れに対する予防保全効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である制御棒案内管とス
タブチュウブとの取付け溶接部の内部への加熱・冷却子
のセット状態を示す部分断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例である制御棒案内管とス
タブチュウブとの取付け溶接部の外周部にセットした冷
却子及び内部の加熱・冷却子より水を噴射している状態
を示す部分断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例である装置の構成を示す
部分断面図である。
【図4】本発明の加熱・冷却子を示す部分断面図であ
る。
【図5】加熱および冷却による温度分布の一例を示す図
である。
【図6】図3の排水筒の内部構造を示す部分断面図であ
る。
【図7】図6の水封具の取付け状態と構造を示す部分断
面図である。
【図8】制御棒案内管とスタブチュウブの取付け状況を
示す下鏡板の部分断面図である。
【図9】図6の水封具の他の取付け状態を示す部分断面
図である。
【図10】本発明の第3の実施例である取付け溶接部の
外面冷却と内面加熱状態と装置構成を示す部分断面図で
ある。
【図11】本発明の第3の実施例である取付け溶接部の
内面に高圧水を噴射している状態と装置構成を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1 下鏡板 2 スタブチューブ 3
取り付け溶接部 4 制御棒案内管 5 加熱・冷却子 6
熱影響部 7 冷却子 8 冷却水 9
圧力容器 10 炉水 11 排水筒 1
2 制御棒駆動機 13 水封具 14 内部監視カメラ 1
6 外部監視カメラ 17 排水ノズル 18 円錐コーン 1
9 マスト 20 カプラ 21 フランジ 2
2 移動台車 23 統合制御装置 24 ポンプ 2
5 給水管 26 給気ボンベ 27 給気管 2
8 ロッド 29 昇降機 30 誘導加熱装置 3
1 回収管 32 受像機 33 水ジェットノズル 3
4 高圧ポンプ 35 高圧給水管 36 パッキン 4
5 加熱子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 信二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 黒澤 孝一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 斉藤 英世 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 平野 明彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の圧力容器の下鏡板に穿設された
    貫通丸穴と同心で該下鏡板の内側に取り付けられたスタ
    ブチューブの上端部に、前記下鏡板の下方から挿通され
    前記スタブチューブの上方と該下鏡板の下方とにそれぞ
    れ突出して位置決めされかつ溶接で取付けられる制御棒
    案内管の貫通管溶接部の予防保全方法において、該制御
    棒案内管の取付け溶接部および該取付け溶接部の制御棒
    案内管側とスタブチューブ側との熱影響部を含む溶接部
    近傍を前記制御棒案内管の内部より加熱し、前記溶接部
    近傍が降伏点を超える応力を発生させる高温に達すると
    同時に該溶接部近傍の内表面と外表面とを炉水で急速冷
    却することを特徴とする貫通管溶接部の予防保全方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の貫通管溶接部の予防保全
    方法において、原子炉の圧力容器の上蓋、炉内の蒸気乾
    燥器、気水分離器、燃料集合体および制御棒を順次取外
    し、制御棒案内管の上端面で炉水を遮断し、該制御棒案
    内管の取付け溶接部の外周の炉水を排除して気体雰囲気
    とした後、前記制御棒案内管の制御棒駆動機構を下方に
    抜去し、該制御棒案内管の内部を気体雰囲気とした後、
    該制御棒案内管の取付け溶接部および該取付け溶接部の
    制御棒案内管側とスタブチューブ側との熱影響部を含む
    溶接部近傍を前記制御棒案内管の内部より加熱し、前記
    溶接部近傍が降伏点を超える応力を発生させる高温に達
    すると同時に該溶接部近傍の内表面と外表面とを炉水で
    急速冷却することを特徴とする貫通管溶接部の予防保全
    方法。
  3. 【請求項3】 原子炉の圧力容器の下鏡板に穿設された
    貫通丸穴と同心で該下鏡板の内側に取り付けられた円筒
    状のスタブチューブの上端部に、前記下鏡板の下方から
    挿通され前記スタブチューブの上方と該下鏡板の下方と
    にそれぞれ突出して位置決めされかつ溶接で取付けられ
    る制御棒案内管の貫通管溶接部の予防保全方法におい
    て、前記圧力容器の上蓋、炉内の蒸気乾燥器、気水分離
    器、燃料集合体および制御棒を順次取外し、制御棒案内
    管の上端面で炉水を遮断し、該制御棒案内管の制御棒駆
    動機構を下方に抜去し、該制御棒案内管の内部を気体雰
    囲気とした後、前記制御棒案内管の取付け溶接部をその
    外周の炉水に制御棒案内管周りの上昇旋回流を起こさせ
    て冷却し、前記管取付け溶接部および該取付け溶接部の
    制御棒案内管側とスタブチューブ側との熱影響部を含む
    溶接部近傍を前記制御棒案内管の内部より高温で急速加
    熱し、該制御棒案内管の内部を炉水で満たした後、前記
    溶接部近傍の内表面に高圧の炉水を噴射し、該内表面に
    キャビテーション気泡を衝突させることを特徴とする貫
    通管溶接部の予防保全方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3のいずれか1項記載
    の貫通管溶接部の予防保全方法において、高温は、固溶
    化温度であることを特徴とする貫通管溶接部の予防保全
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3のいずれか1項記載の貫
    通管溶接部の予防保全方法において、気体雰囲気は、不
    活性ガス雰囲気であることを特徴とする貫通管溶接部の
    予防保全方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の貫通
    管溶接部の予防保全方法に用いる貫通管溶接部の予防保
    全装置において、制御棒案内管の上端面に嵌合する円錐
    状の水封具と、前記制御棒案内管の取付け溶接部および
    該取付け溶接部の制御棒案内管側とスタブチューブ側と
    の熱影響部を含む溶接部近傍の外周を取り囲み前記制御
    棒案内管の内表面の冷却と同期してほぼ中心に向けて水
    を噴射する冷却子と、前記スタブチューブ側の熱影響部
    の下方へ炉水を排除して気体雰囲気を形成させる排水筒
    と、下端に該排水筒を昇降自在に備えたマストを搭載し
    かつ圧力容器のフランジ面に設けられて前記マストを前
    記圧力容器の周方向と半径方向とに移動させる3次元位
    置決め装置と、前記制御棒案内管の下方より挿入されて
    該制御棒案内管の前記溶接部近傍を加熱しかつ該溶接部
    近傍の外表面の冷却と同期して放射状に炉水を噴射する
    加熱・冷却子と、該加熱・冷却子を上下方向に昇降させ
    て位置決めする昇降装置と、前記加熱・冷却子に誘導電
    流と冷却用の炉水を供給する加熱・冷却装置と、それぞ
    れの装置を制御する統合制御装置とよりなることを特徴
    とする貫通管溶接部の予防保全装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載の貫通
    管溶接部の予防保全方法に用いる貫通管溶接部の予防保
    全装置において、制御棒案内管の上端面に嵌合する円錐
    状の水封具と、前記制御棒案内管の取付け溶接部外周の
    炉水に該制御棒案内管周りの上昇旋回流を起こさせるノ
    ズルを有する外面冷却子と、下端に該外面冷却子を昇降
    自在に備えたマストを搭載しかつ圧力容器のフランジ面
    に設けられて前記マストを前記圧力容器の周方向と半径
    方向とに移動させる3次元位置決め装置と、前記制御棒
    案内管の下方より挿入されて該制御棒案内管の前記溶接
    部近傍を内面側より急速に加熱する加熱子と前記制御棒
    案内管の内部を炉水で満たした後に前記溶接部近傍の内
    表面に向けて放射状に炉水を噴射してキャビテーション
    気泡を衝突させる水ジェットノズルとを上部に備え上下
    方向に昇降自在な昇降装置と、前記加熱子に誘導電流を
    供給する加熱装置と、前記水ジェットノズルより水ジェ
    ットを噴射させるジェット装置と、それぞれの装置を制
    御する統合制御装置とよりなることを特徴とする貫通管
    溶接部の予防保全装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の貫通管溶接部の予防保全
    方法に用いる貫通管溶接部の予防保全装置において、気
    体雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする
    貫通管溶接部の予防保全装置。
JP4076676A 1992-03-31 1992-03-31 貫通管溶接部の予防保全方法及び装置 Pending JPH0651084A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8514998B2 (en) * 2005-01-31 2013-08-20 Hitachi-Ge Nuclear Energy, Ltd. Induction heating stress improvement

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