JP2581605B2 - 中性子束モニタハウジングの熱処理装置 - Google Patents

中性子束モニタハウジングの熱処理装置

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JP2581605B2
JP2581605B2 JP2134803A JP13480390A JP2581605B2 JP 2581605 B2 JP2581605 B2 JP 2581605B2 JP 2134803 A JP2134803 A JP 2134803A JP 13480390 A JP13480390 A JP 13480390A JP 2581605 B2 JP2581605 B2 JP 2581605B2
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孝一 黒沢
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉のおける中性子束モニタハウジング
を圧力容器下部の鏡板に接合した溶接部及びその熱影響
部に存在する過大な引張残留応力を緩和して、熱影響部
の鋭敏化域に発生する応力腐食割れを防止するに好適な
中性子束モニタハウジングの熱処理装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の中性子束モニタハウジング(以下単にハウジン
グという)と原子炉との接合は、第16図に示すように圧
力容器下部の内面肉盛された鏡板1を貫通する穴に円筒
状でSUS304ステンレス鋼製のハウジング3を挿入し、ハ
ウジング3円周を鏡板1の内面肉盛部1aと円周溶接する
ことによりなされていた。しかし、場合によってはこの
円周状に形成された円周溶接部2近傍のハウジング3の
部分に溶接熱により耐食性が低下する鋭敏化域8aがハウ
ジング内面から外面にまで連続して形成されることがあ
った。
一般に溶接部近傍には材料の降伏点に達する引張り残
留応力が存在する。またハウジング3内には原子炉内と
同じ高温高圧の炉水が存在するので、溶接部およびその
近傍には腐食環境、引張り応力及び耐食性の低下という
3つの因子が重畳して存在することがある。この3因子
の重畳は溶接部近傍の応力腐食割れを起こし易くするも
のであり、その他腐食疲労などの環境強度を低下させ、
SUS304ステンレス鋼製のハウジングの安全性を著しく損
なうものである。
第17図は、上記3因子の重畳する部分の性質を改善す
るために、耐食性の低下したハウジング内面に表面改質
処理を施したハウジングの例を示すものである。すなわ
ちハウジング内面に表面改質部9を設けることによっ
て、第16図に示す鋭敏化域8aがハウジング内の炉水と直
接接触しないようにしたものである。表面改質処理とし
ては、ハウジング内面にまでに達した鋭敏化域8aの内面
を、TIG溶接用電極のような非消耗電極により溶加棒な
しで単に溶融させ、鋭敏化域8aに高密度エネルギーを与
えて、鋭敏化組織を改善する方法があり、その他に鋭敏
化域8aの内面に高耐食性金属を肉盛溶接して改善する方
法などが考案されている。上記のような溶融する方法、
または肉盛溶接の方法により改質しても、なお、この改
質部の各端部10a,10bには、軽微であるとはいえども、
鋭敏化域が形成され、引張り残留応力は発生する。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように従来技術においては、原子炉圧力容器に
溶接された中性子束モニタハウジングの内面に残留する
引張応力の対処について十分な配慮がなされていなかっ
た。
本発明の目的は、原子炉圧力容器の鏡板を貫通して鏡
板を内面に溶接された中性子束モニタハウジング応力腐
食割れを防止するために、中性子束モニタハウジングの
溶接部およびその熱影響部に対応する溶接部域内面を、
熱処理する、または改質処理後に熱処理することによ
り、溶接部域内面に残留している溶接による引張残留応
力を除去し、代わって圧縮能力を残留させる中性子ハウ
ジングの熱処理装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の中性子束モニタ
ハウジングの熱処理装置は、既設の原子炉圧力容器の下
鏡を貫通して挿入され下鏡の内面に外周を円周溶接部に
より固定された円筒状の中性子束モニタハウジングの頂
部に水シールキャップと、その中性子束モニタハウジン
グ内部から滞留水及び中性子束モニタ機構を抜き出して
空洞の溶接部域内面を加熱する誘導加熱コイルと、誘導
加熱コイルの下部に連結した噴水孔付きの冷却コイル
と、その冷却コイルに連結され誘導加熱コイルと冷却コ
イルを同時に昇降する昇降装置と、中性子モニタハウジ
ングの外部に設置し誘導加熱コイル、冷却コイル及び昇
降装置を制御する制御装置とを備えたことを特徴として
いる。
この中性子束モニタハウジング熱処理装置において、
誘導加熱コイルを上下二段の誘導加熱コイルにより構成
し、上段の誘導加熱コイルは溶接部域内面のうちの鏡板
より上に突き出した内面上部に適用し、下段の誘導加熱
コイルは内面上部より下方の内面下部に適用し、上段の
誘導加熱コイルは下段の誘導加熱コイルより大きい熱量
を供給するようにそれぞれの誘導加熱コイルを独立に制
御してもよい。
また、本発明の別の中性子束モニタハウジングの熱処
理装置は、製作時の中性子束モニタハウジング用の装置
であって、原子炉圧力容器の下鏡を貫通して挿入され下
鏡の内面に外周を円周溶接部により固定された円筒状の
中性子束モニタハウジング内部で溶接部域内面を加熱す
る誘導加熱コイルと、その誘導加熱コイルの下部に連結
した噴水孔付きの冷却コイルと、その冷却コイルに連結
され誘導加熱コイルおよび冷却コイルを同時に昇降する
昇降装置とを備えたことを特徴としている。
さらに、本発明の中性子束モニタハウジング熱処理装
置または本発明の別の中性子束モニタハウジング熱処理
装置を構成する誘導加熱コイルおよび噴水付き冷却コイ
ルは、互いに絶縁された二条ねじ状の螺旋コイルの一方
を誘導加熱コイルとし、二条ねじ状の螺旋コイルの他方
を噴水付き冷却コイルとして構成してもよい。また、誘
導加熱コイルおよび冷却コイルはそれぞれの断面を中空
円筒または中空角筒にするとよい。
〔作用〕
本発明の各中性子束モニタハウジングの熱処理装置
は、中性子束モニタハウジングの溶接部域の内面を急速
に加熱、冷却して内面に圧縮応力を残留させ、内面の応
力腐食割れに対する抵抗力を増加させるために、用い
る。
本発明の中性子束モニタハウジングの熱処理装置にお
いては、水シールキャップは既設の原子炉圧力容器の下
鏡に円周溶接された中性子束モニタハウジングの頂部に
かぶせられて、中性子束モニタハウジングの内部に炉水
が漏ることを防き、誘導加熱コイルは中性子束モニタハ
ウジング内部から滞留水及び中性子束モニタ機構を抜き
出して形成された空洞で溶接部域内面を加熱し、所定時
間加熱後に昇降装置は誘導加熱コイルと冷却コイルを同
時に上昇させ、冷却コイルが加熱された内面を急冷す
る。
この中性子束モニタハウジング熱処理装置において誘
導加熱コイルを上下二段の誘導加熱コイルにより構成し
た場合、上段の誘導加熱コイルは溶接部域内面のうちの
内面上部に適用し、かつ下段の誘導加熱コイルは内面下
部に適用し、上段の誘導加熱コイルは下段の誘導加熱コ
イルより大きい熱量を供給するようにそれぞれの誘導加
熱コイルを制御する。これは、ハウジングの外面に接す
る炉水の影響を受けるために熱容量の大きい内面上部
に、炉水の影響のほとんど受けない熱容量の小さい内面
下部より、その熱容量の差に応じてより多量の熱量を与
えて、熱バランスをとって熱処理するためである。
また、本発明の別の中性子束モニタハウジングの熱処
理装置は、製作時の中性子束モニタハウジング用の装置
であって、誘導加熱コイルは中性子束モニタハウジング
内部で溶接部域内面を加熱し、所定時間加熱後に昇降装
置は誘導加熱コイルと冷却コイルを同時に上昇させ、冷
却コイルが加熱された内面を急冷する。
さらに、本発明の中性子束モニタハウジング熱処理装
置または本発明の別の中性子束モニタハウジング熱処理
装置に、互いに絶縁された二条ねじ状の螺旋コイルの一
方を誘導加熱コイルとし、二条ねじ状の螺旋コイルの他
方を噴水付き冷却コイルとして構成する一体型コイルを
用いると、誘導加熱コイルにより加熱後に、昇降装置を
動作させることなく、その位置で冷却コイルから噴水を
出して内面を冷却する。したがって昇降装置は一体型コ
イルの位置決めのために用いる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。第1図は本発明の実施例の中性子束モニタハウジン
グの熱処理装置の構成図で、保全を目的とする熱処理を
行うために熱処理装置を中性子束モニタハウジング内に
設置した状況を示している。
第1図において、円筒状でSUS304製の中性子束モニタ
ハウジング3(以後単にハウジング3という)は原子炉
圧力容器1の鏡板1を貫通する穴に挿入され、鏡板1の
上下に突き出した形で、鏡板3の上面すなわち内面と円
周溶接部2により固定されている。
ハウジング3の頂部にはハウジング3を水封するため
のキャップ4が取り付けられ、内部には加熱コイル11と
冷却管12が連結具15を介して上下に連結して設置されて
いる。冷却管12は中空円筒状の二重管で構成され、ハウ
ジング3に沿って下方に延び、ハウジング3の下端のフ
ランジにボルト18で取り付けられた下蓋17を貫通してい
る。冷却管12の心部の中空円筒部にはフレキシブルで耐
水性のケーブル14が通っており、一端は加熱コイル11に
接続し、他端はハウジング3外部に設置されたトランス
13に接続している。また加熱コイル11と冷却管12それぞ
れの外周にはハウジング3内面との距離を一定に維持
し、かつ着脱時のガイドの役目をするローラ付き隙間保
持具16が設けられている。
冷却管12の下端には下板12aが設けられ、この下板12a
の縁から昇降ロッド19が立ち上がっている。この昇降ロ
ッド19は、その上方のハウジング3のフランジに設置さ
れた昇降シリンダ20に吊り下がるように係合している。
そして昇降シリンダ20はシリンダ制御装置21に接続され
ている。
冷却管12の二重管の外側部を形成する外周には多数の
ノズル孔12bが設けられ、このノズル孔22から、外部に
設置されたポンプ22から二重管外側部を通じて供給され
た冷却水23が噴射される。噴射された冷却水23はハウジ
ング3内面に衝突した後、下方の下蓋17まで降下し、下
蓋17に配管接続されたタンク24に回収されるタンク24は
ポンプ22と配管接続されている。
トランス13には誘導加熱用の電源制御装置25が接続さ
れており、さらに電源制御装置25はシリンダ制御装置21
及びポンプ制御装置26と信号線27で接続されている。
加熱コイル11の軸方向長さは、ハウジング3の円周溶
接部2とその熱影響部6a,6bに対応する位置のハウジン
グ3内面すなわち溶接部域内面が十分に加熱されるに必
要な長さを有しており、加熱コイル11の長手方向中心が
円周溶接部2に位置するように昇降シリンダ20で位置決
めされる。
加熱コイル11の位置決め後、交流電流が電源制御装置
25により制御されて、トランス13から加熱コイル11に供
給される。加熱コイル11に対向しているハウジング3の
内表面層、すなわち円周溶接部2および熱影響部6a,6b
に対応する内面層には交流電流により誘導電流が誘起さ
れる。かくして誘導電流により内面層が加熱される。
ハウジング3外側にある円周溶接部2およびその上の
熱影響部6aは原子炉容器内の炉水5により直接触れて冷
却されるので、熱影響部6aにあたる内外面の温度上昇の
差は、第2図に示すように大きく、加熱段階において最
大温度差(△Ta)maxが生じる。一方円周溶接部2の下
側の熱影響部6bは、鏡板1の穴の中に位置するために炉
水5の冷却効果がなく、第3図に示すように熱影響部6b
の内面と外面は同じような挙動で昇温する。
第3図中、外面の温度上昇曲線が屈曲しているのは、
ハウジング3が鏡板1に熱膨張で完全に接触して温度上
昇が一時下がったためである。
加熱停止後、第4図に示すように昇降ロッド19により
冷却管12を円周溶接部2及び熱影響部6a,6bの位置にま
で素速く上昇させる。このとき、ノズル孔12bから冷却
水23を噴出させながら上昇させるか、または、上昇前ま
ではバルブ28aを閉じておき、所定の位置で28aを開いて
冷却水23を噴出させてもよい。後者によれば加熱部全域
を同時に急冷することができる。
冷却過程において、熱影響部6aの外表面温度は第2図
に示すように緩やかに降温するが、熱影響部6aの内表面
は噴水冷却のために非常に速く急冷される。そのため、
熱影響部6aの表面から少し板厚内部に入った内表面直下
のところの温度との間に温度差を生じ、冷却後、ある時
間経過したところで(t2秒)で最大温度差(△Ta)′
maxを生じる。また、他方の熱影響部6bの温度も内面水
冷後でも緩やかな温度低下であるが、この位置の内面温
度は急冷によってt3秒後に外面との間に最大温度差(△
Tb)maxが生じせしめられる。
すなわち、この一連の熱処理によって熱影響部6aの位
置のところでは、加熱停止時に{△Ta}maxによって引
張応力が生じ、熱影響部6aの内表面では冷却時に{△T
a}′maxによって引張応力が生じる。また、熱影響部6b
の内表面では冷却時に{△Tb}maxによって引張応力が
生じる。
上記の{△Ta}max,{△Ta}′max及び{△Tb}max
2σy/αE以上とすることによって熱影響部6aの内表面
及び熱影響部6bの内表面は引張降伏を生ずるので熱処理
完了後にはそれぞれ圧縮応力が発生することになる。こ
こでαはハウジング3の軸方向の降伏応力、αは熱膨
張係数、Eはヤング率である。溶接のままの状態ではこ
の部位は引張応力が残留しているが、この熱処理の圧縮
応力によって溶接残留応力を緩和することができる。熱
処理された熱影響部の内外表面における残留応力分布を
第5図に示す。図中、黒丸印で示す内表面の残留応力は
圧縮応力となっている。
次に、第6図は上下二段の加熱コイルを有する中性子
ハウジングの熱処理装置を示す。この二段の加熱コイル
は第1図に示す加熱コイルを上下に分離して、それぞれ
独立の加熱コイル11a,11bを設けて、それらの間に絶縁
体29を介在させて構成されており、そして加熱コイル11
a,11bはそれぞれケーブル14a,14bによりトランス13a,13
bに接続され、独立して制御される。その他の構成は、
第1図に示す装置と同様であるので説明を省略する。
この熱処理装置によれば加熱コイル11a,11bを流す電
流、周波数、加熱開始及び終了時期を独立に制御でき
る。ハウジング3の炉水5に接している熱影響部6a側は
熱容量が大きく、炉水3に接していない熱影響部6b側は
熱容量が小さい。そのため、第1図に示すような単一コ
イルだと炉水に接している熱影響部6a側の温度が上昇し
にくくなる。しかし二段の加熱コイルを用いると、加熱
コイル11aに加熱コイル11bよりも早期に電流を流すとい
う時間差加熱ができるので、熱影響部6aの内表面の温度
を容易に上昇させることができる。また、同時加熱でも
加熱コイル11aの電流を加熱コイル11bの電流よりも大電
流とすることによって両熱影響部6a,6bの内表面を同時
に所定温度に上昇させることができる。
第7図は、円周溶接部2の熱影響部6a,6bの内表面の
表面層を溶加棒を使わないノンフィラー電極で溶融処理
を行うか、または、溶加棒を使うフィラー電極で溶加棒
を溶着させる処理を行なうかのいずれかによって内面改
質層30を形成させた後に、この改質層30とその熱影響部
31a及び31bがカバーされるように加熱コイル11を設置し
て第1図で説明したのと同様にして熱処理する場合の状
況を示す。
この方法によれば内表面改質層30の部分のみならず、
改質処理熱影響部31a及び31bの部分の引張残留応力も緩
和することができる。円盤溶接部2及びその熱影響部6
a,6bの内面は表面改質層30を設けられたことだけで応力
腐食割れや腐食疲労などのに対する抵抗力すなわち腐食
環境強度が高まっているが、この引張残留応力緩和によ
って腐食環境強度をさらに高めることができる。また、
改質層熱影響部31a及び31bの引張残留応力緩和によって
この部分の腐食環境強度を向上することができる。
第8図の実施例は第7図の実施例において、加熱コイ
ルを11a,11bに絶縁体29介在させて分けた応用例を示
す。その効果は第6図の例と類似である。
第9図はさらに第8図の変形例を示す。この例は絶縁
体29を高くして内表面改質層30の熱影響部31a及び31bの
近傍部のみを誘導加熱処理するようにしたものである。
さらに、この例では内表面改質層30の軸方向長を長くし
てある。そのために、改質処理よる熱影響部31a及び31b
が円周溶接部2から遠いところに位置することになる。
すなわち、改質処理による熱影響部31a及び31bが円周溶
接部2が位置する構造上の不連続部から離れるという利
点がある。
次に、誘導加熱に用いる加熱コイルの具体例について
第10図に示す。この加熱コイル11aはその断面を第11図
に示すように中空の矩形断面を有し、螺旋状をなしてい
る。中空の孔部分に加熱コイルを冷却するための冷却水
23を通している。この矩形断面螺旋コイルは第12図のよ
うな矩形ねじ32を加工しておき、ねじ部分が残るように
点線部分で切断することによってU溝を有するねじ状の
ものができ、これに第13図のように蓋33を接合すること
によって製作できる。この製作方法によると径の小さい
コイルでも精度よく作ることができる。
第14図は二重螺線状の複合コイル34を示す。これは二
条ねじを加工して上述と同様にして作ることができる。
このコイル34のうち加熱コイル34aは中心にコイル自身
を冷却するための冷却水が通っており、ハウジング3を
冷却する冷却コイル34bと絶縁されている。
複合コイル34を用いて熱処理する場合は、加熱時後冷
却する時でコイルを上昇させることが不要となる。すな
わち、加熱したその場合で加熱停止と同時に冷却するこ
とができる。また、冷却を開始してから加熱を停止する
こともできる。
このコイル34を用いると、冷却過程におけるハウジン
グ3の円周溶接部2の6a部分の内表面とその直下の温度
差の最大値{△Ta}′maxを大きくすることができる。
そのために6aの内表面の応力緩和効果を大きくすること
ができる利点がある。
本発明の装置は、中性子束モニタハウジングのみなら
ず制御棒駆動機構ハウジングノズル貫通部等その他の同
様構造のものも適用することができ、また上述の既設原
子炉圧力容器に溶接された中性子モニタハウジングばか
りでなく、製作時のものにも適用することができる。但
し製作時には炉水がないので、当然ながら水封用のキャ
ップは必要としない。
〔発明の効果〕
本発明の中性子束モニタハウジングの熱処理装置によ
れば、中性子束モニタハウジングの頂部への水シールキ
ャップの着脱や、内部から滞留水及びモニタ機構の抜き
出し後に行なう誘導加熱コイル、冷却コイル、昇降装置
等の設置/解体の作業を除いて、熱処理作業は中性子束
モニタハウジングの外部に設置した制御装置により遠隔
操作で行うことができ、作業員の被曝を抑制することが
できる。
また本発明の別の中性子束モニタハウジング熱処理装
置によれば、製作時の中性子束モニタハウジングの熱処
理を誘導加熱コイルを用いて行なうので、加熱コイルに
印加する電流、電圧、印加時間を定量的に制御でき、信
頼性の高い熱処理を行なうことができる。
また、上記熱処理装置において、誘導加熱コイル及び
冷却コイルを二条ねじ状の螺線コイルで構成し、一方の
コイルを誘導加熱コイル、他方のコイルを冷却コイルと
すれば、加熱及び冷却工程で両コイルを移動させなくと
もよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1の中性子束モニタハウジング
(以下ハウジングという)の熱処理装置の構造図、第2
図および第3図は本発明の保全方法による熱処理におけ
るハウジングの温度挙動を示す図、第4図はハウジング
を噴水冷却する状況を示す図、第5図は本発明のハウジ
ングの保全方法で熱処理したハウジングの残留応力分布
を示す図、第6図は本発明の2分割加熱コイルを用いて
ハウジングを加熱する状況を示す図、第7図はハウジン
グ溶接部の内面に形成した表面改質部に本発明の実施例
の熱処理装置を用いる状況を示す図、第8図はハウジン
グ内面に形成した表面改質部に第1図と同様に熱処理を
施す状況を示す図、第9図はハウジング内面に形成され
た表面改質部を2分割型加熱コイルで加熱する状況を示
す図、第10図は加熱コイルと冷却管を示す構造図、第11
図は第10図に示す加熱コイルの断面図、第12図は加熱コ
イルの製造過程を説明する図、第13図は第11図に示す加
熱コイルの断面図、第14図は加熱コイルと冷却コイルを
交互に配置した複合コイルを示す図、第15図は第14図に
示す複合コイルの断面図、第16図はハウジング溶接部及
びその熱影響部の鋭敏化域を示す図、第17図はハウジン
グ内面に形成した表面改質部を示す図である。 1:鏡板、2:円周溶接部、3:ハウジング、4:キャップ、5:
炉水、6:熱影響部、7:表面改質部、8:鋭敏化域、9:表面
改質部熱影響部、11:加熱コイル、12:冷却管、16:隙間
保持具、17:下蓋、19:昇降ロッド、20:昇降シリンダ、2
9:絶縁体、30:複合コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 坂田 信二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 斉藤 英世 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 斉藤 隆 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 唐津 義憲 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 伊藤 元哉 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 平2−105097(JP,A) 特開 平2−102494(JP,A) 特開 平2−98695(JP,A) 特開 昭54−60694(JP,A) 実開 昭59−54470(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設の原子炉圧力容器の下鏡を貫通して挿
    入され、該下鏡の内面に外周を円周溶接部により固定さ
    れた円筒状の中性子束モニタハウジングの熱処理装置に
    おいて、前記中性子束モニタハウジングの頂部にかぶせ
    る水シールキャップと、該中性子束モニタハウジング内
    部から滞留水及び中性子束モニタ機構を抜き出して形成
    した空洞の前記円周溶接部及びその熱影響部と対応する
    溶接部域内面を加熱する誘導加熱コイルと、該誘導加熱
    コイルの下部に連結した噴水孔付きの冷却コイルと、該
    冷却コイルに連結され前記誘導加熱コイルおよび冷却コ
    イルを同時に昇降する昇降装置と前記中性子束モニタハ
    ウジングの外部に設置し前記誘導加熱コイル、冷却コイ
    ル及び昇降装置を制御する制御装置とを備えたことを特
    徴とする中性子束モニタハウジングの熱処理装置。
  2. 【請求項2】前記誘導加熱コイルは上下二段の誘導加熱
    コイルにより構成され、それぞれ独立して制御されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の中性子束モニタハウジン
    グの熱処理装置。
  3. 【請求項3】前記上段の誘導加熱コイルは溶接部域内面
    のうちの前記鏡板より突き出した内面上部に適用し、か
    つ前記下段の誘導加熱コイルは前記内面上部より下方の
    内面下部に適用し、前記上段の誘導加熱コイルは前記下
    段の誘導加熱コイルより供給熱量が大きいことを特徴と
    する請求項2記載の中性子束モニタハウジングの熱処理
    装置。
  4. 【請求項4】製作時の原子炉圧力容器の下鏡を貫通して
    挿入され、該下鏡の内面に外周を円周溶接部により固定
    された円筒状の中性子束モニタハウジング内部で前記円
    周溶接部及びその熱影響部と対応する溶接部域内面を加
    熱する誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの下部に連
    結した噴水孔付きの冷却コイルと、該冷却コイルに連結
    され前記誘導加熱コイルおよび冷却コイルを同時昇降す
    る昇降装置とを備えたことを特徴とする中性子束モニタ
    ハウジングの熱処理装置。
  5. 【請求項5】前記誘導加熱コイルは互いに絶縁された二
    条ねじ状の螺旋コイルの一方で構成し前記冷却コイルは
    前記二条ねじ状の螺旋コイルの他方で構成したことを特
    徴とする請求項1〜4いずれかに記載の中性子束モニタ
    ハウジングの熱処理装置。
  6. 【請求項6】前記誘導加熱コイルおよび前記冷却コイル
    はそれぞれ断面が中空円筒なることを特徴とする請求項
    5記載の中性子束モニタハウジングの熱処理装置。
  7. 【請求項7】前記誘導加熱コイルおよび前記冷却コイル
    はそれぞれ断面が中空角筒なることを特徴とする請求項
    5記載の中性子束モニタハウジングの熱処理装置。
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