JPH0650863Y2 - ディスクカートリッジの着脱機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はディスクカートリッジの着脱機構に関し、詳し
くは記録再生装置にディスクカートリッジを自動で装着
および排出を行う、所謂オートローディング機構に関す
る。

［従来技術］ 例えば電子スチルカメラ用２インチ磁気ディスク装置で
は、磁気記録媒体を回転可能に収容しているディスクカ
ートリッジを装置に対して着脱させる機構として、ハウ
ジング内にディスクカートリッジを磁気ヘッドあるいは
スピンドルハブに接触しないように適当なクリアランス
をもたせて挿入し、その後、ディスクカートリッジがハ
ウジング内に完全に挿入された状態でハウジングを装置
本体側へと降下させて装着を行う機構が知られている。

従来から、カセットテープ、VTRなどでは、自動的にそ
の記録媒体を着脱する機構、所謂オートローディング機
構が採用されていて、使用者にとっては操作性がよく、
したがって近年では磁気ディスク記録再生装置でもオー
トローディング機構が採用されるようになって来てい
る。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、磁気ディスク記録再生装置にこのような
機構を採用しようとすると、ディスクカートリッジをハ
ウジング内に引き込む機構とそのハウジングを装置本体
に対して降下させてディスクカートリッジを装着させる
機構が必要であり、さらに装着と排出を別の機構を用い
て行わなければならず、機構全体が複雑になり装置が大
型化してしまうという問題があった。

本考案は上述の問題点に鑑みて、簡易な機構で装置が大
型化することなく、ディスクカートリッジのオートロー
ディングを行うことのできる着脱機構を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的は、記録媒体を回転自在に収容してなるディス
クカートリッジを挿排出方向に沿って案内可能に保持す
るハウジングと、前記ディスクカートリッジの挿排出可
能位置と装填位置との間で前記ハウジングを移動可能に
支持するガイド部材と、前記挿排出方向に沿って移動す
ることによって、前記ハウジングを前記挿排出可能位置
と前記装填位置との間で移動せしめるスライド部材とを
備えるディスクカートリッジの着脱機構において、前記
ディスクカートリッジが前記ハウジング内の所定位置ま
で挿入されたことを検知する検知部材と、前記ディスク
カートリッジの前記ハウジング内の前記所定位置から完
全に挿入された位置までのストロークに対応する外周長
の第１のカム面を有するとともに、該第１のカム面が前
記所定位置まで挿入されたディスクカートリッジに当接
しながら回転することにより前記ストローク相当分ディ
スクカートリッジを移動せしめる第１のローラと、前記
ハウジングの前記挿排出可能位置から前記装填位置まで
の前記スライド部材のストロークに対応した外周長の第
２のカム面を有するとともに、前記第１のローラが前記
ディスクカートリッジを完全に挿入された位置まで移動
せしめた後に前記第２のカム面が前記挿排出可能位置に
ある前記スライド部材に当接しながら回転することによ
り前記ストローク相当分スライド部材を移動せしめる第
２のローラと、前記第１のローラ及び前記第２のローラ
を同期回転せしめるモータとを具備することによって達
成される。

［作用］ 使用者がディスクカートリッジをハウジング内の所定の
位置まで挿入したことを検知部材が検知するとモータが
作動し、第１のローラ及び第２のローラが回転を始め
る。まず第１のローラのカム面がディスクカートリッジ
に当接してこれを完全に挿入された位置まで移動せしめ
る。その後に第２のローラのカム面がスライド部材を移
動させ、ハウジングがディスクカートリッジの挿排出可
能な位置から装填された位置まで移動しディスクカート
リッジの装填が完了する。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本考案の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は本考案のディスクカートリッジの着脱機構を示
す斜視図、第２図は同じく平面図である。

１はディスクカートリッジで、内部に不図示の磁気ディ
スクを回転自在に保持している。

２はハウジングで、ディスクカートリッジ１が挿入され
る開口部2aが形成されるように、両側に保持部2b,2bが
折曲げられて構成されていて、ディスクカートリッジ１
の装着時にはその先端1aが折曲部2cに当接するまで挿入
されて両側の保持部2b,2bによって保持され、その上面
には後述するセンサー13がディスクカートリッジ１の位
置を検知することを可能とさせる孔2dが設けられてい
る。この保持部2b,2bには側方に向かって突出するピン
3,3が設けられている。

4,4はガイド板で、Ｕ字溝4a,4aの開口部が略垂直方向に
向くようにベース５に固着されていて、ハウジング２は
ピン3,3がこのＵ字溝4a,4a内に移動することにより、ベ
ース５に接離可能に支持される。

６はスライド板で、ベース５とピン７によってピン・ス
ロットの関係でスライド可能に支持され、側板には前記
ピン3,3が挿通される長溝6a,6aが形成されていて、この
スライド板６が水平方向に移動することによって、ピン
3,3が長溝6a,6aに沿って上下動するように傾斜が形成さ
れていると共に、下面にはスピンドルモータ16が突出す
る孔6bおよび後述する第１のローラーが突出可能な孔6
c,6cが設けられている。

８は回転軸で、ギヤ９によってステッピングモータ10に
連結されていて、図示せぬ制御回路からの駆動電源によ
ってスッテピングモータ10が回転することによって回転
する。そして回転軸８には、断面が略半円形状であって
前記スライド板６の下面に当接可能な第２のローラ11、
および断面が略扇形状であって前記スライド板６の孔6c
から上方に抜け出てディスクカートリッジ１の下面に当
接可能な第１のローラ12がそれぞれ２個づつ一体に回転
するように設けられている。

13は反射型のフォトセンサーで、ハウジング２の上方で
装置本体に設けられていて、ディスクカートリッジ１が
前記ハウジング内の所定の位置まで挿入されることによ
って制御回路に位置信号を得ることが可能とされてい
る。

第３図は上記構成からなる本実施例の動作説明図であ
り、これに基づいて動作を説明する。

使用者によってディスクカートリッジ１が開口部2aから
ハウジング２内に挿入されると、その先端1aがセンサー
13によって検知される位置（第３図（ａ））まで挿入さ
れることにより、制御回路からステッピングモータ10へ
と駆動電源が供給され回転軸８が左旋をはじめる。尚、
このセンサー13による検知位置は、ディスクカートリッ
ジ１の先端1aがハウジング２内に突出している第１のロ
ーラー12の一端12aに当接する位置とする。そして、回
転軸８が左旋することにより第１のローラ12が左旋し
て、ローラー12の周面をディスクカートリッジ１の下面
の摩擦でディスクカートリッジ１を、ハウジング２内の
奥方向（図面左方向）へとさらに移動させていく（第３
図（ｂ））。そして、ディスクカートリッジ１の先端1a
が折曲部2cに当接する位置まで挿入されると、第１のロ
ーラー12の終端12bがディスクカートリッジ１の下面か
ら離れて、ディスクカートリッジ１のハウジング２内へ
の引き込みが完了する（第３図（ｃ））。そして、この
引き込みの完了と同時に、第２のローラー11の先端11a
がスライド板６の下面に当接して、このスライド板６を
押動し図面左方向へと移動させていく（第３図
（ｃ））。よって、ピン3,3が長溝6a,6aの傾斜に沿って
下方へ押され、ガイド板のＵ字溝4a内をピン3,3が移動
して、ディスクカートリッジ１内の磁気ディスクがスピ
ンドル16にチャッキングされて、装着が完了する（第３
図（ｅ））。

この第３図（ｅ）の装着状態から排出を行う際には、不
図示のイジェクトボタンを押すことにより、制御回路が
ステッピングモータ10を装着時と反対方向の回転すなわ
ち左旋させて、上記した動作と全く逆の順序をたどり、
ディスクカートリッジ１を排出させていく。そして、デ
ィスクカートリッジ１の先端1aがセンサーによって検知
される位置まで排出させるとステッピングモータ10が停
止され、排出が完了する。

尚、本実施例において第２のローラー11とスライド板６
の下面とをラック＆ピニオンの関係で係合するようにロ
ーラーおよびスライド板下面にギヤを形成することによ
って、スライド板７の移動をより確実のものとすること
ができる。

［他の実施例］ 本考案の他の実施例を第４図および第５図に基づいて説
明する。尚、上記第１の実施例と同一の部材については
同じ番号を付して説明を省略する。

この実施例では、スライド板６′の長溝6a′,6a′の傾
斜が逆向きに形成されていて、すなわち第１の実施例と
違いスライド板６′がディスクカートリッジ１の挿入方
向と反対方向（図面右方向）に移動することによって、
ピン3,3がＵ字溝4a内を下方に移動してハウジング２が
下方に移動する機構となっている。

そして、ステッピングモータ10の回転力によって回転す
る第２の回転軸15に第２のローラー11′がベース５に回
転自在に支持されている。この第２の回転軸15にギヤ1
6,17を介して第２の回転軸18が第２の回転軸と反対方向
に回転するようにベース５に支持されていると共に第１
のローラー12′が固着されている。

よって、この実施例においてはステッピングモータ10に
よって第２の回転軸が右旋し、これに連動して第１のロ
ーラ12′が左旋することによって、ディスクカートリッ
ジ１を押動して挿入し、その後第２のローラ11′がスラ
イド板６′を右方向に押動させることによってハウジン
グ２が下方に移動して装着が完了する。

［効果］ 以上説明したように本考案に係るディスクカートリッジ
の着脱機構によれば、ディスクカートリッジ引き込み用
の第１のローラとスライド部材移動用の第２のローラと
を単一の駆動源を用い一体的に回転駆動することによ
り、機構を複雑にすることなくオートローディングを行
うことができるので装置の低価格化、小型化が可能であ
り、さらに単一の駆動源の回転によってディスクカート
リッジの引き込みとスライド部材の移動を順次行うこと
ができるので制御も複雑となることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した斜視図で、第２図は
第１図の実施例の平面図、 第３図は第１図の実施例の動作説明図、 第４図は本考案の他の実施例を示した平面図で、 第５図は第４図の実施例の動作説明図である。 １……ディスクカートリッジ ２……ハウジング ４……ガイド板 ５……ベース 6,6′……スライド板 ８……回転軸 10,10′……ステッピングモータ 11,11′……第２のローラー 12,12′……第１のローラー 13……フォトセンサー 15……第２の回転軸 18……第１の回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】記録媒体を回転自在に収容してなるディス
   クカートリッジを挿排出方向に沿って案内可能に保持す
   るハウジングと、 前記ディスクカートリッジの挿排出可能位置と装填位置
   との間で前記ハウジングを移動可能に支持するガイド部
   材と、 前記挿排出方向に沿って移動することによって、前記ハ
   ウジングを前記挿排出可能位置と前記装填位置との間で
   移動せしめるスライド部材と を備えるディスクカートリッジの着脱機構において、 前記ディスクカートリッジが前記ハウジング内の所定位
   置まで挿入されたことを検知する検知部材と、 前記ディスクカートリッジの前記ハウジング内の前記所
   定位置から完全に挿入された位置までのストロークに対
   応する外周長の第１のカム面を有するとともに、該第１
   のカム面が前記所定位置まで挿入されたディスクカート
   リッジに当接しながら回転することにより前記ストロー
   ク相当分ディスクカートリッジを移動せしめる第１のロ
   ーラと、 前記ハウジングの前記挿排出可能位置から前記装填位置
   までの前記スライド部材の移動ストロークに対応した外
   周長の第２のカム面を有するとともに、前記第１のロー
   ラが前記ディスクカートリッジを完全に挿入された位置
   まで移動せしめた後に前記第２のカム面が前記挿排出可
   能位置にある前記スライド部材に当接しながら回転する
   ことにより前記ストローク相当分スライド部材を移動せ
   しめる第２のローラと、 前記第１のローラ及び前記第２のローラを同期回転せし
   めるモータと を具備する ことを特徴とするディスクカートリッジの着脱機構。