JPH0650366A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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Publication number
JPH0650366A
JPH0650366A JP20497692A JP20497692A JPH0650366A JP H0650366 A JPH0650366 A JP H0650366A JP 20497692 A JP20497692 A JP 20497692A JP 20497692 A JP20497692 A JP 20497692A JP H0650366 A JPH0650366 A JP H0650366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake pad
brake
torque
disc
rotor
Prior art date
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Pending
Application number
JP20497692A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Abe
健司 阿部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH0650366A publication Critical patent/JPH0650366A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスクブレーキを構成するブレーキパッドの
戻りを容易にして引摺りに起因するロータの偏摩耗の発
生、偏摩耗に起因するブレーキの振動の発生、制動力の
低下等を防止する。 【構成】マウンティングブラケット12のトルク受面1
2aおよびブレーキパッド14のトルク伝達面14bの
少なくとも一方の面に、摩擦低減作用を有する溶射層を
設けて、これら両者12,14間の摩擦抵抗を低減する
ことによって、ブレーキパッド14の戻りを容易にして
ロータ11に対する離間を容易にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスクブレーキに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキの一形式として実開昭
64−21826号公報に示されているように、車輪側
に配設されて同車輪と一体的に回転するディスクロータ
と、同ディスクロータの一側面に対向して進退可能に位
置し同側面に摺接可能なブレーキパッドと、車体側に配
設されて回転方向に設けた一対のトルク受面間にて前記
ブレーキパッドを支持する支持部材を備え、前記ディス
クロータに対する前記ブレーキパッドの摺接時同ブレー
キパッドの回転方向の端部であるトルク伝達面の前記支
持部材のトルク受面への当接により制動トルクを同支持
部材に伝達するように構成されたディクブレーキがあ
る。
【0003】当該ディスクブレーキにおいては、同ブレ
ーキの他の構成部材であるブレーキキャリパのシリンダ
の内周と押圧ピストンの外周間にゴム等弾性変形可能な
材料からなるリトラクションシールが介在されていて、
ピストンを前進させてブレーキパッドをディスクロータ
に押圧させる際にリトラクションシールを弾性変形さ
せ、押圧解除時にはリトラクションシールの弾性変形の
復帰作用によりピストンを復帰させてブレーキパッドを
ディスクロータから離間(ブレーキパッドの戻り)して
同ロータに対する摺接を解除させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該ディス
ブレーキにおいては、リトランションシールが経時的に
劣化して弾性力を減少させ、弾性力が所定量減少した場
合にはピストンが十分に復帰し難くてブレーキパッドの
引摺り現象が発生するとともに、同パッドのトルク伝達
面と支持部材のトルク受面との摩擦抵抗に起因してブレ
ーキパッドの戻りが十分でなくなる。この結果、ブーレ
キパッドのデイスクロータへの片当りにより、ディスク
ロータに偏摩耗が発生してブレーキ振動の原因となる。
【0005】この問題に対処する手段としては、ピスト
ン作動時におけるリトラクションシールの弾性変形量を
大きくして非作動時のブレーキパッドの戻り量を大きく
する手段が考えられるが、かかる手段においてもリトラ
クションシールの経時的劣化により大きな弾性変形量を
長期間維持することは困難で、ブレーキパッドの確実な
復帰の根本的な解決手段とはならない。また、特開昭6
2−88829号公報および特開昭62−88830号
公報にはディスクロータの摺動面に耐摩耗性、耐熱性の
特性を有する溶射層を形成する手段が提案されている
が、かかる手段によってはディスクロータの摺動面の摩
耗を低減させるのみで、ブレーキパッドの確実な復帰の
解決手段とはならない。
【0006】従って、本発明の目的は、ブレーキパッド
のトルク伝達面と支持部材のトルク受面間での摩擦抵抗
を低減することによって、ブレーキパッドのディスクロ
ータに対する離間方向の移動を容易にしてブレーキパッ
ドの戻りを円滑にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、上記した形式のデイスクブレーキにおい
て、前記支持部材のトルク受面および前記ブレーキパッ
ドのトルク伝達面の少なくとも一方の面を、摩擦低減作
用を有する溶射層にて形成したことを特徴とするもので
ある。本発明において溶射層は好ましくは、Fe:35wt%
以上、Cr:5wt%以上、C:30wt%以下、Mo:2wt%以上の混
合粉末をプラズマ溶射し、溶射表面を機械加工して所定
の表面粗度に仕上げて形成される。
【0008】
【発明の作用・効果】このように構成したディクブレー
キにおいては、支持部材のトルク受面とブレーキパッド
のトルク伝達面間の摩擦抵抗が低減されることから、ブ
レーキパッドは支持部材に対して離間し易い。このた
め、たとえリトランションシールが劣化して弾性変形が
低下したとしてもディスクロータとの振れによるブレー
キパツドの戻りが良好であって、ディスクロータの偏摩
耗が少なくテブレーキ振動が発生し難くなる。
【0009】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明するに、図
1および図2には本発明に係るディスクブレーキの要部
が示されている。当該ディスクブレーキは車輪側に配設
されて車輪と一体的に回転するディスクロータ11と、
ディスクロータ11の近傍にて車体側に配設されてブレ
ーキキャリパを車体側に取付けるマウンティングブラケ
ツト12と、同マウンティングブラケット12における
ディスクロータ11の回転方向に設けた一対のトルク受
面12a間に配設され、ブレーキキャリパのシリンダ内
に配設されたピストン13の押圧作用によりディスクロ
ータ11に摺接されるブレーキパッド14を備えてい
る。当該ディスクブレーキにおいては、マウンティング
ブラケット12が本発明の支持部材に該当する。
【0010】当該ディスクブレーキにおいては、ブレー
キパッド14がアンチラトルスプリング15を介してマ
ウンティングブラケット12におけるディスクロータ1
1の回転方向に設けた一対のトルク受面12a間に位置
し、ブレーキパッド14を構成する裏金14aにおける
ディスクロータ11の回転方向の一対のトルク伝達面1
4bがマウンティングブラケット12のトルク受面12
aに対向しており、ディスクロータ11に対するブレー
キパッド14の摺接時ブレーキパッド14の回転方向の
端部であるトルク伝達面14bのマウンティングブラケ
ット12のトルク受面12aへの当接により、制動力を
マウンティングブラケット12に伝達する。しかして、
マウンティングブラケット12のトルク受面12aおよ
びブレーキパッド14のトルク伝達面14bは所定の厚
みの溶射層にて形成されている。
【0011】マウンティングブラケット12は球状の黒
鉛鋳鉄を素材として鋳造され、かつブレーキパツド14
の裏金14aは熱間圧延鋼板を打ち抜いて形成されてい
る。トルク受面12aおよびトルク伝達面14bの形成
に際しては、これらを形成すべき面に予め焼成アルミナ
でショットブラストして表面粗さを50μmRZとし、これ
ら各表面にNi(4.5wt%)−Alの混合粉末をプラズマ溶射
して厚み50μmのアンダコートを形成するとともに、
Fe:35wt%、Cr:50wt%、C:5wt%、Mo:10wt%の混合粉末
をプラズマ溶射して溶射層を形成し、その後溶射面を機
械加工して表面粗度0.2μmRZ、厚み200μmに仕上げて
トルク受面12aおよびトルク伝達面14bを形成して
いる。
【0012】これにより、各溶射層のマウンティングブ
ラケット12および裏金14aに対する密着性が向上す
るとともに、トルク受面12aおよびトルク伝達面14
b間の摩擦抵抗が著しく低減し、ブレーキパッド14は
マウンティングブラケット12に対して離間し易い。こ
のため、たとえリトランションシールが劣化して弾性変
形が低下したとしても、ブレーキパツド14の戻りが良
好であり、ディスクロータ11の偏摩耗が少なくて、ブ
レーキ振動が発生いにくくなる。
【0013】ところで、従来のこの種形式のディスクブ
レーキにおいては、例えば塩害等によって、マウティン
グブラケットのトルク受面とブレーキキャリパのトルク
伝達面との間の錆が発生し、ブレーキパッドがマウンテ
ィングブラケットに固着してしまうことがあった。錆の
発生によってブレーキパッドがマウンティングブラケッ
トに固着してしまうと、ブレーキパツドの移動が困難と
なって、所期の制動力を得るのに多大の力を要するとい
う問題がある。しかしながら、本実施例における溶射層
は防錆効果をも兼備しているので、錆の発生によるブレ
ーキパッドの固着に起因する制動に要する力の増大化を
防止することができる。
【0014】(実験) 1.摩擦試験 マウンティングブラケット12と同一の材質、および裏
金14aと同一材質からなる1インチ角および4インチ角
のピースの全面に上記組成の溶射層を形成してなる平坦
面の試料A1,B1、および溶射層を形成していない平坦
面の試料a1,b1を用意し、下記の条件で両試料の摩擦
力試験を行った。
【0015】(1)4インチ角の試料に1インチ角の試
料を乗せる (2)重合した試料の上に10kgの錘を乗せる (3)1インチ角の上部の試料に錘を乗せた状態でプッ
シュプルケージにて力を加え、同試料が動き出す瞬間の
力を測定する。得られた結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から明かなように各試料の組合せのう
ち、共に溶射層を備えている試料A1と試料B1との組合
せにおいては動き出す瞬間の力は1kgであって最も小さ
く、これとは逆に共に溶射層を備えていない試料a1と
試料b1との組合せにおいては動き出す瞬間の力は3kgで
あって最も大きい。また、各試料のうちいずれかに溶射
層を備えている試料との組合せ(試料A1とb1,試料a
1とB1)においても動き出す瞬間の力が著しく低減して
いる。以上の結果から、溶射層は摩擦力を低減する機能
を有しており、本実施例に係るマウンティングブラケッ
ト12と裏金14a間での摩擦力の低減によりブレーキ
パッド14のディスクロータ11からの離間が容易にな
って、ブレーキパッド14の引摺り現象の発生が防止さ
れてデスクィロータ11の偏摩耗、これに起因するブレ
ーキ振動の発生が防止される。なお、表2には実際のデ
ィスクブーキにおけるディスクロータの偏摩耗量の一例
の結果を示している。
【0018】
【表2】
【0019】2.固着力試験 マウンティングブラケット12と同一の材質、および裏
金14aと同一材質からなる1インチ角のピースの全面
に上記組成の溶射層を形成してなる平坦面の試料A2,
B2、および溶射層を形成していない平坦面の試料a2,
b2を用意し、下記の条件で両試料の錆固着試験を行っ
た。
【0020】(1)各試料を5wt%濃度食塩水に1分間
浸せきする (2)塩水処理した2個の試料を互いに重合してその上
に10kgの錘を乗せ、温度50℃、湿度96%の恒温恒湿槽に
20時間放置する (3)錘を乗せた状態で100℃で2時間乾燥する (4)錘を乗せた状態で室内で2時間乾燥する (5)以上の(1)〜(4)のステップを1サイクルと
してこれを10サイクル実施して各一対の試料の剪断に要
する力を測定する。得られた結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】表3から明かなように各試料の組合せのう
ち、共に溶射層を備えている試料A2と試料B2との組合
せにおいては剪断に要する力は1kgであって最も小さ
く、これとは逆に共に溶射層を備えていない試料a2と
試料b2との組合せにおいては剪断に要する力は100kgで
あって最も大きい。また、各試料のうちいずれかに溶射
層を備えている試料との組合せ(試料A2とb2,試料a
2とB2)においても剪断に要する力が著しく低減してい
る。以上の結果から、溶射層は錆の発生を防止して試料
の固着を著しく抑制する機能を有しており、本実施例に
係るマウンティングブラケット12と裏金14a間での
錆の発生が防止されて、これら両者12,14a間での
錆に起因する固着が防止されることが明かである。
【0023】3.溶射層の表面粗度、成分に関する知見 以上の試験の結果および基礎検討の結果から、トルク受
面、トルク伝達面の溶射層の表面粗度、および溶射層の
成分について次の知見を得ている。 (1)トルク受面、トルク伝達面の表面粗度は40μmRZ
以下の場合には溶射層との密着強さが大きく低下するた
め、40μmRZ以上であることが好ましい。 (2)溶射層の成分においてCrの量が少ない場合には防
錆性が低下するとともに、耐摩耗性が低下する。Cr量は
5wt%以上であることが好ましい。 (3)C量が少ない場合には耐摩耗性が低下するととも
に多い場合には摩擦力低減性が低下するため、C量は1wt
%〜30wt%とすることが好ましい。 (4)Mo量が少ない場合には耐摩耗性が低下するため、
Mo量は2wt%以上であることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るディスクブレーキの要
部を示す正面図である。
【図2】同要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
11…ディスクロータ、12…マウンティングブラケッ
ト、12a…トルク受面、13…ピストン、14…ブレ
ーキパツド、14a…裏金、14b…トルク伝達面、1
5…アンチラトルスプリング。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪側に配設されて同車輪と一体的に回転
    するディスクロータと、同ディスクロータの一側面に対
    向して進退可能に位置し同側面に摺接可能なブレーキパ
    ッドと、車体側に配設されて回転方向に設けた一対のト
    ルク受面間にて前記ブレーキパッドを支持する支持部材
    を備え、前記ディスクロータに対する前記ブレーキパッ
    ドの摺接時同ブレーキパッドの回転方向の端部であるト
    ルク伝達面の前記支持部材のトルク受面への当接により
    制動トルクを同支持部材に伝達するディスクブレーキに
    おいて、前記支持部材のトルク受面および前記ブレーキ
    パッドのトルク伝達面の少なくとも一方の面を、摩擦低
    減作用を有する溶射層にて形成したことを特徴とするデ
    ィスクロータ。
JP20497692A 1992-07-31 1992-07-31 ディスクブレーキ Pending JPH0650366A (ja)

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JP20497692A JPH0650366A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 ディスクブレーキ

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JP (1) JPH0650366A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006177443A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Toyota Motor Corp ディスクブレーキ装置
DE19602037B4 (de) * 1996-01-20 2012-05-31 Continental Teves Ag & Co. Ohg Bremsklotz für eine Teilbelagscheibenbremse

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19602037B4 (de) * 1996-01-20 2012-05-31 Continental Teves Ag & Co. Ohg Bremsklotz für eine Teilbelagscheibenbremse
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