JPS62233531A - 摩擦式ブレ−キ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、摩擦式ブレーキに関し、より詳しくは、デ
ィスクブレーキ、内拡式ブレーキ等、回転が規制された
制動側の摩擦部材と、回転軸と一体回転する被制動側の
摩擦部材とを圧接させて、回転軸を制動させる摩擦式ブ
レーキに関する。

〈従来の技術〉 従来より、航空別、鉄道、自動車、各種産業機械等にお
いては、回転が規制された制動側の摩擦部材と、回転軸
と一体回転する被制動側の摩擦部材とを圧接させ、圧接
による摩擦力にて、回転軸を制動させる摩擦式ブレーキ
が使用されている。

上記摩擦式ブレーキとして、摩擦部材の少なくとも摩擦
面を、炭素材料により構成したものが実用化されている
。この炭素材料を用いた摩擦式ブレーキは、炭素材料同
士の摩擦接触であるから、非常に速いすべり速度におい
ても、安定的かつ高い摩擦抵抗を発揮することができる
。また、温度による摩擦抵抗の変動も少ないという利点
がある。

さらに、炭素材料自体、耐熱性、熱伝導性に優れている
ので、摩擦熱を多く発生する条件下にＪ３いても使用す
ることができる。したがって、摩擦面を金属材料により
構成しているブレーキよりも、高いブレーキ性能を発揮
させることができる。しかも、ブレーキ本体の軽量化も
達成することができる。このため、例えば航空機用のブ
レーキ等、従来の金属材料によるものでは使用が困難な
高速用ブレーキ、高負荷用ブレーキとして好適に使用す
ることができる。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、摩擦面が炭素材料からなるブレーキは、摩擦面
同士を低速にて長時間ＩＭ動させると、摩擦面に生じる
潤滑膜により、摩擦係数が極端に低下するという欠点が
ある。このにうな欠点を改良するために、摩擦面を構成
する炭素材料中に、炭素短繊維または連続炭素繊維を添
加覆ることが行なわれているが、上記欠点を解決するま
でには至っていない。このため、炭素材料により摩擦面
を構成したブレーキを、車両等に装着し、低速にて制動
を繰り返した後、中、高速にて制動を行なうと、はとん
ど制動力を得ることができない事態が生じる。

したがって、炭素材料により摩擦面を構成したブレーキ
については、低速から高速まで広範囲のブレーキ性能が
要求される用途には不向きであり、用途が極めて限定さ
れることになる。

上記の問題点に鑑み、低速での制動不足、つまり摩擦係
数の低下を改善するためにいくつかの摩擦実験を行なっ
た。その結果を表１〜表３に示す。

ここに、表１は、炭素材料同士を摩擦させて、各すべり
速度における摩擦係数を測定した結果を示すものであり
、同表Ｊ：り明らかなように、すべり速度の遅い領域に
おいて、摩擦係数が小さくなっている。なお、ブレーキ
にお【プる摩擦面の摩擦係数としては、０．３〜０．４
程度であることが好ましい。

表　　１ 次に、表２は、炭素材料と各種材料とを摩擦させて、各
すべり速度における摩擦係数を測定した結果を示すちの
であり、同表より、炭素材料と、炭素鋼、ねずみ鋳鉄等
の鉄系月利との摩擦においては、摩擦係数が高いが、他
の月利との摩擦においては、摩擦係数が低いことが明ら
かである。また、各材料の摩擦後の摩擦面を観察したと
ころ、鉄系材料ついては、摩擦面が大きく荒れており、
すべり方向に摩擦条痕が多数形成されていた。さらに、
鉄系材料と炭素材料との組合せにおいては、いずれの摩
擦面についてもｉ１′！Ｉ滑膜の形成が認められなかっ
たが、炭素材料と鉄系以外の材料との組合せにおいては
、すべての摩擦面について潤滑膜の形成が認められた。

以上の諸点より、炭素ｔ；料と鉄系材料との摩擦におい
ては、鉄系材料に多数の条痕が生じ、潤滑膜が形成され
難いことから、低いすべり速度においても高い摩擦係数
を得ることができると考えられる。

表　　２ さらに、表３は、炭素材料と鉄系材料（ねずみ鋳鉄）と
を摩擦させて、各すべり速度における摩擦係数を測定し
た結果を示すものであり、同表より、低速においては、
高い摩擦係数を示すが、高速においては、摩擦係数が低
下することが明らかである。

（以下余白） 表　　３ く目的〉 この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり
、炭素材料と鉄系材料とを組合せ、それぞれの長所を利
用することによって、上記問題点を解決しようとするも
のであり、低速から高速まで幅広い範囲で安定したブレ
ーキ性能を発揮することかできる摩擦式ブレーキを提供
することを目的とする。

〈問題点を解決するだめの手段〉 上記目的を達成するだめのこの発明の摩擦式ブレーキど
しては、制動側および被制動側のそれぞれの摩擦部材に
、炭素材料からなる摩擦面を形成しているとともに、上
記摩擦部材の少なくとも一方に、他方側摩擦部材の炭素
材料からなる摩擦面と圧接可能な、鉄系材料からなる摩
擦面を形成している。

く作用〉 上記の構成の摩擦式ブレーキによれば、炭素材料からな
る摩擦面同士の摩擦、および炭素材料からなる摩擦面と
、鉄系材料からなる摩擦面との摩擦を行なわせて、回転
軸を制動させることができる。

〈実施例〉 以下実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。

第１図は、この発明の摩擦式ブレーキをディスクブレー
キに適用した場合を示す要部断面図であり、上記ブレー
キには、制動側の摩擦部材としての一対のフリクション
プレート（１１［１１間に、被制動側の摩擦部材として
のブレーキディスク（２）が介在されている。上記一対
のフリクションプレー１−　ｆｌ、］（１）のうちの、
一方のフリクションプレート（１）は、回転方向の移動
が規制された状態で、ブレーキ本体（３）に対して固定
されている。また、他方のフリクションプレ−１（１）
は、ブレーキ本体（３）に固定された油圧シリンダ（４
）のピストン（４１）に固定されており、回転方向の移
動が規制された状態で、軸方向への移動が可能になって
いる。さらに、ブレーキディスク（２）は、回転軸（図
示せず）と一体回転可能に設けられているとともに、回
転軸と例えばスプライン結合させることにより、軸方向
への移動が可能になっている。

各フリクションプレートｆｌ）ｔｉ）は、保持プレート
（１０）と、その片面に形成された摩擦バット（１１）
とにより構成されており、摩擦パラ１−（１１）のブレ
ーキディスク（２）と対向する側が、摩擦面（１２）と
して構成されている。上記摩擦バット（１１）は、全体
が炭素材料により形成されているものである。一方ブレ
ーキディスク（２）は、主体部（２１）が炭素材料にて
一体形成されているものであり、その両側面の摩擦面（
２２）の内周寄りには、炭′ｌＡ鋼、ねずみ鋳鉄−〇　
− 等の鉄系材料からなる環状部材（２３）が埋め込まれて
いる（第２図参照）。上記環状部材（２３）は、主体部
（２１）を挟み込んだ状態で、リベット止め等にて固定
されており、その側面（よ、主体部（２１）の側面と面
一となっている（第３図参照）。即ち、ブレーキディス
ク（２）の摩擦面（２２）は、炭素月利からなる摩擦面
（２２ａ）と、鉄系Ｉ別からなる摩擦面（２２ｂ）とで
構成されている。なお、上記ブレーキディスク（２）の
主体部（２１）の内周には、回転軸に対する嵌合用の、
スプライン溝（２４）が形成されている。

以上の構成であれば、油圧シリンダ（４）を作動させて
、ピストン（４１）に固定されたフリクションプレート
（１）をブレーキディスク（２）側に進出させることに
より、一対のフリクションプレートｆｌ）　ｆｉｌにて
、回転中のブレーキディスク（２）を挟み込むことがで
き、フリクションプレー１−　（１１ｆｉｌの摩擦バッ
ト（１１）（１１）とブレーキディスク（２）の摩擦面
（２２）との圧接による摩擦抵抗により、ブレーキディ
スク（２）を制動させることができる。この際、炭素材
料からな−１〇　− る摩擦バット（１１）の摩擦面（１２）に対して、ブレ
ーキディスク（２）側の炭素材料からなる摩擦面（２２
ａ）ど鉄系材料からなる摩擦面（２２ｂ）とを、同時に
圧接させることができるので、前述した摩擦試験結果を
考慮すると、高速から低速に至る広範囲のすべり速度に
わたって、高い摩擦抵抗を得ることができる。

即ち、前述の摩擦試験結果により、炭素材料と鉄系材料
との摩擦においては、低速において高い摩擦係数が待ら
れ（表２参照）、炭素材料同士の摩擦においては、高速
で高い摩擦係数が得られる（表１参照）ことが明らかに
されているが、上記ディスクブレーキは、炭素材料と鉄
系材料との摩擦、および炭素材料同士の摩擦を同時に行
なわせるものであるから、その両方の利点を具有するも
のとなり、そのため、広範囲のすべり速度にわたって、
安定的な摩擦係数を得ることができる。

なお、上記実施例においては、ブレーキディスク（２）
の鉄系材料からなる摩擦面（２２１））を、内周側に形
成しているが、環状部材（２３）を適宜位置に哩め込む
ことにより、外周側（第４図参照）、中央部等、種々の
位置に設けて実施することができる。

第５図は、ブレーキディスク（２）の他の実施例を示す
斜視図であり、主体部（２１）を鉄系材料にて形成し、
この主体部（２１）の両側面に、炭素材料セギュメント
（２５）を所定間隔毎に埋め込んでいるものであり、上
記セギュメント（２５）は、主体部（２１）を挟み込ん
だ状態で、リベット止め等にて取付けられており（第６
図参照）、主体部（２１）の外周側の側面を露出させる
ことにより、鉄系材料からなる摩擦面（２２ｂ）を構成
している。そして、この実施例においても、上記実施例
と同様な効果を得ることができる。

第７図は、前記フリクションプレートｆｌ）　［１１の
摩擦バット（１１）の一部を、鉄系材料で形成すること
により、摩擦面（１２）を、炭素材料からなる摩擦面（
１２ａ）と、鉄系材料からなる摩擦面（１２ｂ）とで構
成しているものであり、これら炭素材料からなる摩擦面
（１２ａ）と、鉄系４４利からなる摩１察而（１２ｂ）
は、上下２列に配列されている。上記の梅造の摩擦パッ
１−（１１）と摩擦するブレーキディスク（２）として
は、炭素材料からなる摩擦面（１２ａ）のみで構成され
るもののほか、炭素材料からなる摩擦面（１２ａ）と、
鉄系材料からなる摩擦面（１２ｂ）の双方で構成される
ものであってもよく、後者の場合には、摩擦バット（１
１）側と、ブレーキディスク（２）側のそれぞれの鉄系
摩擦面（１２ｂ）　（２２ｂ）同士が摩擦しないように
配置される。

さらに、第８図に示すように、炭素材料からなる摩擦面
（１２ａ）と鉄系材料からなる摩擦面（１２ｂ）とを、
ブレーキディスク（２）の円周方向に隣り合せて配列し
てもよく、この場合、ブレーキディスク（２）として、
炭素材料からなる摩擦面（２２ａ）のみが構成されたも
のを用いることにより所望の効果を得ることができる。

なお、上記第７図および第８図に示づ一実施例において
は、保持プレーｈ（１０）を、炭素材料または鉄系材料
のいずれかで形成し、摩擦バット（１１）のうらの保持
プレー１−　（１０）と同種の材料からなる部分を、保
持プレート（１０）と一体に成形しており、これらと別
形成された摩擦パット部分は、リベット止め等にて、保
持プレート（１０）に固着している。

第９図は、フリクションプレート（１）のさらに他の実
施例を示す斜視図であり、炭素材料からなる摩擦バット
（１）の主体部に、鉄系材料からなる摩擦材（１３）を
埋め込んで、鉄系材料からなる摩擦面（１２ｂ）を部分
的に形成したものである。

この発明の摩擦式ブレーキは、上記実施例に限定される
ものではなく、フリクションプレート（１）（１）とブ
レーキディスク（２）のそれぞれの摩擦面（１２）（２
２）は、要するに、炭素材料からなる摩擦面同士の摩擦
、および炭素材料からなる摩擦面と鉄系材料からなる摩
擦面との摩擦の双方の摩擦が得られるものであればよい
。

また、この発明の摩擦式ブレーキは、上記したディスク
ブレーキだけでなく、内拡式ブレーキ等の他の摩擦式ブ
レーキについても、もちろん適用することができ、この
ほか、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変
更を施すことができる。

く比較例〉 第１図から第３図に示すディスクブレーキについて、ブ
レーキディスクを所定速度で回転させた状態で、摩擦バ
ットを摩擦円板に押し付ｃノ、そのときに発生ずるトル
クにより、両者の摩擦面における各速度毎の摩擦係数を
測定した。その結果を表４に示す。また、比較のために
、炭素材料のみからなるブレーキディスクおよび摩擦パ
ッドを用いたディスクブレーキについて、同様な摩擦試
験を行なったが、その結果は前記した表１に示す通りで
ある。

上記摩擦試験により、この発明の摩擦式ブレーキは、低
速から高速に至る広範囲のすべり速度において、ブレー
キとして好適な摩擦係数である０、３〜０．４の値を示
すことが明らかにされた。

〈以下余白） 表　　４ 〈発明の効果〉 以上のように、この発明のＩ埴擦式ブレーキによれば、
炭素材料同士の摩擦、および炭素材料と鉄系材料との摩
擦を組合せたものであり、低速から高速に至る広い範囲
にわたって安定した摩擦係数が得られ、高速鉄道、高性
能性能自動車等の制動用ブレーキ、パーキング用ブレー
キとして、幅広い用途に使用することができるという特
有の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例を示すディスクブレーキ
の要部断面図、 第２図は、ブレーキディスクの斜視図、第３図は、前図
■−■線におりる断面図、第４図および第５図は、ブレ
ーキディスクの他の実施例を示す斜示図、 第６図は、前回ＶＩ−Ｖｌ線における断面図、第７図か
ら第９図は、フリクションプレートの他の実施例を示す
斜視図。 （１）・・・制動側摩擦部材としてのフリクションプレ
ート （２）・・・被制動側摩擦部材としてのブレーキディス
ク （１２ａＨ２２ａ）・・・炭素材料からなる摩擦面（１
２ｂ）（２２１１）・・・鉄系材料からなルｕ　縁面特
許出願人　　住友電気工業株式会社 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、回転が規制された制動側の摩擦部材と、回転軸と一
   体回転する被制動側の摩擦部 材とを圧接させて、回転軸を制動させる 摩擦式ブレーキにおいて、制動側および 被制動側のそれぞれの摩擦部材に、炭素 材料からなる摩擦面を形成しているとと もに、上記摩擦部材の少なくとも一方に、 他方側摩擦部材の炭素材料からなる摩擦 面と圧接可能な、鉄系材料からなる摩擦 面を形成していることを特徴とする摩擦 式ブレーキ。