JPH0650035U - マトリックス型液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント配線基板４のグランド配線と金属カ
バー６との電気的導通を容易且つ安定に形成できる液晶
表示装置を提供する。 【構成】 導電性ゴムからなる結合栓５の大断面部５ａ
の両端面から突出する突起５ｂ、５ｃを設け、プリント
配線基板４にはそのグランド配線上に位置し前記突起５
ｂを嵌入させる孔４ａを、また金属カバー６には前記孔
４ａに対向して前記突起５ｃを嵌入させる孔６ａを設け
て、前記結合線４の前記各突起５ｂ、５ｃをそれぞれ前
記孔４ａ、６ａに嵌入させて、前記プリント配線基板４
および金属カバー６を結合すると共に、金属カバー６と
プリント配線基板４のグランド配線とを電気的に導通さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液晶表示装置、特にマトリックス型液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、マトリックス型液晶表示装置においては電磁波ノイズ規格、安全規格に 関する規制が厳しくなっている。上記の規制に対する対策として、液晶表示装置 の金属フレームとプリント配線基板のグランド配線との電気的導通を取り、金属 フレームの電位をグランドレベルに固定するとともに、プリント配線基板のグラ ンド配線のインピーダンスの低下を図ることが実施されている。

【０００３】 図３は従来の金属フレームとプリント配線基板のグランド配線との電気的導通 手段を示す断面図である。 この図において、１はカラーフィルター基板、２は前記カラーフィルター基板 と重ねられたアレイ基板、３は前記アレイ基板２を支持するプラスチックフレー ム、４は前記プラスチックフレーム３に支持され液晶パネルを駆動するためのプ リント配線基板、６は前記プラスチックフレーム３に対して各構成部材を押圧定 位する金属フレーム、７はＴＡＢ−ＩＣ、８は前記金属フレーム６と前記ＴＡＢ −ＩＣ７との間に介在されたシリコンゴム、９は前記金属フレーム６を前記プラ スチックフレーム３に固定するねじ、１０は前記金属フレーム６と前記ＴＡＢ− ＩＣ７との間に介在されたスペーサゴムをそれぞれ示している。

【０００４】 上記構成の従来のマトリックス型液晶表示装置においては、金属フレーム６と プリント配線基板４のグランド配線との電気的導通は次のようにして取られてい る。すなわち、図３に示したようにスペーサゴム１０をプリント配線基板４に貼 付け固定したものとし、ねじ９によって金属フレーム６に共締め固定するか、図 ４に示すように前記ねじ９による共締めに代え、金属フレーム６とプリント配線 基板４とを半田付して電気的導通を取るようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の構造にあっては、次のような問題を生じる。すなわち、図３に示す ように、ねじ９による共締めによる導通では、ねじ９の締め不足による電気的抵 抗の増大を生じやすい。このような締め不足があると、金属フレーム６の電位が 不定になったり、電磁放射ノイズの増加を来すこととなる。また、図４に示す半 田付による導通形成では、金属フレーム６側の半田付不良が生じやすく、電気的 接続抵抗の増加が見られるだけでなく、半田付そのものの作業性が悪く製造上好 ましくない。

【０００６】 本考案は上記の事情に基きなされたもので、金属フレームとプリント配線基板 のグランド配線との電気的導通を確実に取ることができるマトリックス型液晶表 示装置を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案のマトリックス型液晶表示装置は、マトリックス型液晶パネル、この液 晶パネルを駆動するのに必要なプリント配線基板、前記液晶パネルおよび前記プ リント配線基板を保護する金属フレームを備え、前記金属フレームおよび前記プ リント配線基板のグランド配線間を電気的に導通させた液晶表示装置において、 前記プリント配線基板のグランド配線部を貫通する孔および前記金属フレームに 設けた孔にそれぞれ嵌入する突起を両端面に具え、導電性ゴムからなる結合栓に より前記電気的導通を形成させたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

上記構成の本考案のマトリックス型液晶表示装置においては、プリント配線基 板グランド配線と金属カバーとの電気的導通の形成を、導電ゴム製の結合栓両端 面に設けた突起のプリント配線基板および金属カバーへの嵌入によって得ている ため、ねじの締付不足に基づく電気的抵抗の増大や、これによる種々の問題を生 じることはない。

【０００９】

【実施例】

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図３、図４と同一部分には 同一符号を付した図１は、本考案の一実施例の要部を示す断面図である。この図 において、プリント配線基板４は従来の液晶表示装置と同様に、プラスチック基 板３上に配置されている。そして、プリント配線基板４のグランド配線の一部を 貫通して、導電性ゴムからなる結合栓５を嵌合させる孔４ａが設けられ、金属フ レーム６の前記孔４ａに対向する位置にも同様の目的の孔６ａが設けられている 。結合栓５は図３、図４に示した従来の液晶表示装置におけるスペーサゴム１０ と同様に、前記金属フレーム６と前記ＴＡＢ−ＩＣ７との間の間隔を保持する作 用を有する長方形の大断面部５ａと、その一方の端面に突出され前記孔４ａに嵌 入する形状の突起５ｂと、他方の端面から突出され前記孔６ａに嵌入する形状の 突起５ｃとを有する。前記突起５ｂ、５ｃはそれぞれ金属フレーム６、プリント 配線基板４間の相対位置を定める作用を有する。

【００１０】 図２（ａ）は前記結合栓の詳細を示す斜視図である。この図において、結合線 ５の前記大断面部５ａ、各突起５ｂ、５ｃは導電性ゴムにより構成され、大断面 部５ａの外周には絶縁性シリコンゴムの被覆１１が設けられている。

【００１１】 上記の結合栓５は、突起５ｂをプリント配線基板４の孔４ａに嵌入させ、突起 ５ｃに孔６ａを係合させて金属カバー６をプリント配線基板４に被せる。前記金 属カバー６の孔６ａの周囲にはかしめ部（図示しない）が設けられており、この かしめ部をかしめることにより、結合線５と金属フレーム６とが電気的接触を形 成し、金属カバー６とプリント配線基板４のグランド配線との電気的導通が取ら れる。

【００１２】 上記構成の本考案の液晶表示装置においては、プリント配線基板グランド配線 と金属カバーとの電気的導通の形成を、結合用のねじによる共締めによって得て いるものではなく、導電ゴム製の結合栓両端面に設けた突起のプリント配線基板 および金属カバーへの嵌入によって得ているため、ねじの締付不足に基づく電気 的抵抗の増大や、これによる金属フレームの電位の不定、電磁放射ノイズの増加 を生じることはない。

【００１３】 図２（ｂ）は前記要部の変形例の斜視図である。この変形例においては、結合 栓５の導電性ゴムの部分は、絶縁性シリコンゴム材５ｄ内に、表面に金鍍金処理 を施した多数の金属細線５ｅをその方向を揃えて、それ等の両端部をそれぞれ前 記結合栓５の両端面に露出させて埋設してなる。この構成の結合栓５によっても 図１に示した実施例と同様の作用、効果が得られる。

【００１４】

【考案の効果】

上記から明らかなように本考案の液晶表示装置においては、金属フレームとプ リント配線基板のグランド配線との電気的導通を、ねじによる共締めによること なく、導電性ゴムからなる結合栓突起の前記両者への嵌入により得ているので、 前記電気的導通の形成は容易に行うことができる。また、前記突起は金属フレー ムとプリント配線基板との間の相対的位置を定めるだけでなく、結合栓自体のず れを防ぐことができる。また、本考案における結合栓は従来の液晶表示装置にお けるスペーサゴムをも兼ねるものであるから、部品点数の削減、装置構造の簡略 化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の要部を示す断面図。

【図２】（ａ）は前記実施例要部の拡大斜視図、（ｂ）
は前記要部の変形例の拡大斜視図。

【図３】従来の金属フレームとプリント配線基板のグラ
ンド配線との電気的導通手段を示す断面図。

【図４】前記電気的導通手段の変形例を示す断面図。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マトリックス型液晶パネル、この液晶パ
   ネルを駆動するのに必要なプリント配線基板、前記液晶
   パネルおよび前記プリント配線基板を保護する金属フレ
   ームを具え、前記金属フレームおよび前記プリント配線
   基板のグランド配線間を電気的に導通させた液晶表示装
   置において、前記プリント配線基板のグランド配線部を
   貫通する孔および前記金属フレームに設けた孔にそれぞ
   れ嵌入する突起を両端面に備え、導電性ゴムからなる結
   合栓により前記電気的導通を形成させたことを特徴とす
   るマトリックス型液晶表示装置。
2. 【請求項２】絶縁性シリコンゴム内に表面に金鍍金を施
   した多数の細線を方向を揃え、且つそれ等の両端が前記
   絶縁性シリコンゴムの両端面に露出されるようにして埋
   設してなる導電性ゴムを使用して、前記結合栓を形成し
   たことを特徴とする請求項１記載のマトリックス型液晶
   表示装置。