JPH0649147Y2 - コンバインの穀稈掻込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は穀稈を刈取る刈刃と、この刈取られた穀稈を掻
込む掻込ドラムとを刈取ヘッダーに備えてなる汎用型コ
ンバインの穀稈掻込装置に関する。

「従来の技術」 従来、実開昭57−197821号公報、または実開昭62−1875
27号公報に示す如く、無端ベルトコンベアを刈刃と掻込
ドラムの間に設け、刈刃の穀稈をベルトコンベアによっ
て掻込ドラムに送給させる技術があった。

「考案が解決しようとする課題」 前記従来技術は、刈刃全幅と同長幅のベルトコンベアを
設ける場合、ベルトを張設させる輪体の径を強度維持に
より容易に小さくし得ず、そのため刈刃と掻込ドラムの
間隔を長くする必要があり、刈取ヘッダー前後幅が大き
くなり易い等の構造上及びコスト上の問題があった。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、未刈り穀稈掻込み用リールと、穀稈
を刈取る刈刃と、この刈取られた穀稈を掻込む掻込ドラ
ムとを刈取ヘッダーに備えるコンバインの穀稈掻込装置
において、前記刈刃と掻込ドラムの間に前記リール及び
掻込ドラムによって形成される側面視三角形状の穀稈搬
送力非作用空間の底部に、刈刃左右幅と略同長の搬送ロ
ーラを刈刃と略平行に設け、搬送ローラからの穀稈を掻
込ドラムに案内する後方下降傾斜形のスクレーパを搬送
ローラ後側に設けると共に、前記搬送ローラ及びスクレ
ーパとの組合せによって側面視三角形を形成する前方下
降傾斜形のガイド体を搬送ローラ前側に設けたことを特
徴とする。

「作用」 従って、三角形を形成する搬送ローラ及びガイド体及び
スクレーパをリールと掻込ドラム間の三角形空間底部に
配設させるから、リールとガイド体の間、搬送ローラ上
面、掻込ドラムとスクレーパの間を介し、刈刃の穀稈を
掻込ドラムにスムーズに送給し得、またガイド体及びス
クレーパによって刈取ヘッダー底部が補強され、強度を
容易に向上し得ると共に、刈刃と掻込ドラムの間隔を従
来よりも容易に短縮し得、刈取ヘッダー前後幅のコンパ
クト化並びに製造コスト低減などを容易に図り得るもの
である。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は搬送ローラ部の拡大側面図、第２図は全体の側
面図、第３図は同平面図であり、図中（１）は走行クロ
ーラ（２）をトラックフレーム（３）に装備する機台、
（４）は軸流式のスクリュ形扱胴（５）及び選別機構
（６）を備えていて前記機台（１）に搭載する脱穀部、
（７）は揚穀筒（８）を介して取出す脱穀部（４）の穀
粒を溜める穀物タンク、（９）は前記脱穀部（４）の下
部前方に油圧シリンダ（10）を介して昇降可能に装設す
る刈取部、（11）は運転席（12）及び運転操作部（13）
を備えていて前記穀物タンク（７）の前方に固設させる
運転台、（14）は前記穀物タンク（７）の後方に備えて
いてエンジン（15）を内設するエンジン室、（16）は前
記穀物タンク（７）内の穀粒を取出す穀粒搬出オーガで
ある。

そして前記刈取部（９）は、未刈り穀稈を取入れる穀物
刈取ヘッダー（17）と、該ヘッダー（17）の後部略中央
に連結させて刈取り穀稈を脱穀部（４）に送給するフィ
ーダハウスである供給室（18）によって構成すると共
に、未刈り穀稈掻込み用リール（19）と、往復駆動型刈
刃（20）と、穀稈掻込ドラム（21）と、穀稈補助刈取装
置である穀稈強制搬送ローラ（22）及び穀稈強制引起装
置（23）とを前記穀物ヘッダー（17）に備え、前記ヘッ
ダー（17）に取込まれる刈取穀稈を供給室（18）に内設
する供給チェンコンベア（24）を介し脱穀部（４）に送
り込んで脱穀処理するように構成している。

また前記脱穀部（４）の左外側には二番還元筒（25）を
突出状に配備させていて、二番処理物を選別機構（６）
上方に戻し再脱穀及び再選別するように設けている。

第４図にも示す如く、前記刈刃（20）と掻込ドラム（2
1）との間の穀稈掻込経路（26）上の穀稈非掻込作用域
に前記搬送ローラ（22）を配設するもので、前記刈刃
（20）の全幅に亘って搬送ローラ（22）を設けると共
に、前記掻込ドラム（21）の回転方向に対し逆回転させ
るように設け、前記刈刃（20）後方に稈案内ガイド（2
7）を介し前記搬送ローラ（22）を連設している。前記
稈案内ガイド（27）は刈取フレーム（28）と刈刃取付フ
レーム（29）に固設して前低後高状の傾斜立上り案内面
（30a）を刈刃（20）と搬送ローラ（22）間に介設する
前ガイド体（30）と、左右刈取フレーム（28）間に横架
して前高後低状の傾斜立上り案内面（31a）を搬送ロー
ラ（22）後方に臨ませる後ガイド体（31）と、これら前
後ガイド体（30）（31）間を相互に連結する断面凹形状
の底板（32）とを備え、前記刈刃（20）によって刈取ら
れた穀稈をこれら案内面（30a）．搬送ローラ（22）．
案内面（31a）を介し掻込ドラム（21）に送り込むよう
に構成している。

また、前記搬送ローラ（22）の外周面に先端を臨ませる
板状のスクレーパ（33）を前記案内面（31a）上に調節
ボルト（34）を介し突出長さ調節自在に設け、搬送ロー
ラ（22）の外周面に付着して持回りされる穀稈及び穀粒
など持回り物の除去を前記スクレーパ（33）により行う
一方、搬送ローラ（22）の下方になお持回りされる持回
り物を前記前後ガイド体（30）（31）間に形成される間
隙である持回り物排除孔（35）より下方外側に落下させ
るように構成している。

上記から明らかなように、未刈り穀稈掻込み用リール
（19）と、穀稈を刈取る刈刃（20）と、この刈取られた
穀稈を掻込む掻込ドラム（21）とを刈取ヘッダー（17）
に備えるコンバインの穀稈掻込装置において、前記刈刃
（20）と掻込ドラム（21）の間に前記リール（19）及び
掻込ドラム（21）によって形成される側面視三角形状の
穀稈搬送力非作用空間の底部に、刈刃（20）左右幅と略
同長の搬送ローラ（22）を刈刃（20）と略平行に設け、
搬送ローラ（22）からの穀稈を掻込ドラム（21）に案内
する後方下降傾斜形のスクレーパ（33）を搬送ローラ
（22）後側に設けると共に、前記搬送ローラ（22）及び
スクレーパ（33）との組合せによって側面視三角形を形
成する前方下降傾斜形のガイド体（30）を搬送ローラ
（22）前側に設け、リール（19）と掻込ドラム（21）間
に形成される側面視三角形状の穀稈搬送力非作用空間の
底部に、側面視三角形を形成する搬送ローラ（22）、ガ
イド体（30）、スクレーパ（33）を配設させ、穀稈非搬
送部をなくすように構成している。

ところで第５図乃至第６図に示す如く、前記エンジン
（15）にベルト伝動機構（36）を介し連動連結する刈取
入力軸（37）に、前記チェンコンベア（24）の駆動スプ
ロケット（38）を連動連結すると共に、前記入力軸（3
7）にカウンタ軸（39）をスプロケット（40）（41）及
びチェン（42）を介し連動連結し、前記掻込ドラム（2
1）のオーガ軸（21a）をスプロケット（43）（44）及び
チェン（45）を介し前記カウンタ軸（39）に連動連結し
ている。また前記刈刃（20）の駆動入力軸（46）をプー
リ（47）（48）及びベルト（49）を介し前記カウンタ軸
（39）に連動連結すると共に、前記掻込み用リール（1
9）のリール駆動軸（19a）をベルト変速伝動機構（50）
及びチェン伝動機構（51）及び噛合せ式リールクラッチ
（52）を介し前記カウンタ軸（39）に連動連結し、前記
入力軸（37）の回転駆動力でもってリール（19）．刈刃
（20）．ドラム（21）並びにチェンコンベア（22）をそ
れぞれ駆動するように構成している。そして前記搬送ロ
ーラ（22）及び引起装置（23）とを前記オーガ軸（21
a）に連動連結させるもので、補助刈取軸（53）をギヤ
（54）（55）及び補助刈取クラッチ（56）を介し前記オ
ーガ軸（21a）に連動連結すると共に、ローラ伝達軸（5
7）にスプロケット（58）（59）及びチェン（60）を介
し前記刈取軸（53）を連動連結させ、前記搬送ローラ
（22）のローラ軸（22a）にスプロケット（61）（62）
及びチェン（63）を介し前記伝達軸（57）を連動連結さ
せる一方、前記引起装置（23）の引起駆動軸（64）をス
プロケット（65）（66）及びチェン（67）を介し前記刈
取軸（53）に連動連結させて、前記オーガ軸（21a）の
回転でもって搬送ローラ（22）及び引起装置（23）を回
転比一定状態でそれぞれ駆動すると共に、前記刈取クラ
ッチ（56）の切操作時においては搬送ローラ（22）及び
引起装置（23）の駆動を停止させるように構成してい
る。なお前記刈取軸（53）の軸ケース（68）及び前記引
起装置（23）の引起ケース（69）は前記ヘッダー（17）
の左側壁（17a）に固定支持させたものである。

本実施例は上記の如く構成しており、前記刈取ヘッダー
（17）にリール（19）を介して未刈り穀稈を取入れ、そ
の未刈り穀稈の株元を刈刃（20）によって切断すると共
に、前記ヘッダー（17）略中央部から供給室（18）に穀
稈掻込ドラム（21）を介して刈取り穀稈を送込み、その
刈取り穀稈を刈取り穀稈供給チェンコンベア（24）によ
って脱穀部（４）に供給し、スクリュ形扱胴（５）によ
って順次脱粒し、その脱粒した穀粒を選別機構（６）を
落下させる間に選別し、整粒のみ穀物タンク（７）に取
出すものである。

而して前記ヘッダー（17）左側の穀稈未刈り側に引起装
置（23）を設けることによって左右方向に倒伏する穀稈
が機体の進行に伴って徐々に引起しされて良好に切断且
つ掻込みされるもので、また刈刃（20）による刈取時に
あっては刈刃（20）に対し穀稈が前後倒伏状態で送り込
まれても、前記案内面（30a）により穂先側が上方に引
起される状態となって穀稈の立上り姿勢を大とさせて上
下の刈刃（20）間に穀稈を挾まらせることなく確実な切
断を行わしめるものである。さらに前記案内面（30a）
を急傾斜な立上り面と形成することによって刈高さの低
い例えば大豆刈取作業などにあって、上の一部をも同時
に取込むような場合その上の侵入が前記案内面（30a）
で阻止され内部への同時掻込みが防止されるものであ
る。

またさらに前記刈刃（20）から掻込ドラム（21）に至る
穀稈掻込経路（26）上の穀稈非掻込作用域に前記搬送ロ
ーラ（22）を設けることによってこの非掻込作用域に穀
稈が滞留停留し稈詰まり事故など発生する不都合が解消
され、常に正確にしてスムーズな掻込ドラム（21）側へ
の穀稈の送り込みが行われるものである。また前記ロー
ラ（22）の外周面に穀稈が付着しこの非作用側に持回り
される状態となるとき前記スクレーパ（33）がこの持回
り物を掻落す状態に除去してその持回りを防止するもの
で、前記ローラ（22）の表面に穀稈などが巻付く不都合
などが防止され常に良好な穀稈送り込みが助長される。
そして前記スクレーパ（33）によって充分に除去されな
い持回り物が搬送ローラ（22）の下方位置に至る状態の
ときこの下方に開設する排除孔（35）より機外に排出さ
れてその持回り物の除去効果を一層向上させることがで
きるものである。

なお前記搬送ローラ（22）の表面は滑面、溝付面、網付
面などいずれでも良い。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、未刈り穀稈掻
込み用リール（19）と、穀稈を刈取る刈刃（20）と、こ
の刈取られた穀稈を掻込む掻込ドラム（21）とを刈取ヘ
ッダー（17）に備えるコンバインの穀稈掻込装置におい
て、前記刈刃（20）と掻込ドラム（21）の間に前記リー
ル（19）及び掻込ドラム（21）によって形成される側面
視三角形状の穀稈搬送力非作用空間の底部に、刈刃（2
0）左右幅と略同長の搬送ローラ（22）を刈刃（20）と
略平行に設け、搬送ローラ（22）からの穀稈を掻込ドラ
ム（21）に案内する後方下降傾斜形のスクレーパ（33）
を搬送ローラ（22）後側に設けると共に、前記搬送ロー
ラ（22）及びスクレーパ（33）との組合せによって側面
視三角形を形成する前方下降傾斜形のガイド体（30）を
搬送ローラ（22）前側に設けたもので、三角形を形成す
る搬送ローラ（22）及びガイド体（30）及びスクレーパ
（33）をリール（19）と掻込ドラム（21）間の三角形空
間底部に配設させるから、リール（19）とガイド体（3
0）の間、搬送ローラ（22）上面、掻込ドラム（21）と
スクレーパ（33）の間を介し、刈刃（20）の穀稈を掻込
ドラム（21）にスムーズに送給でき、またガイド体（3
0）及びスクレーパ（33）によって刈取ヘッダー（17）
底部が補強され、強度を容易に向上できると共に、刈刃
（20）と掻込ドラム（21）の間隔を従来よりも容易に短
縮でき、刈取ヘッダー（17）前後幅のコンパクト化並び
に製造コスト低減などを容易に図ることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は搬送ローラ部の拡大側面図、第２図は全体側面
図、第３図は同平面図、第４図は搬送ローラ部の平面説
明図、第５図は刈取部の部分平面図、第６図は同駆動系
統説明図である。 （17）…刈取ヘッダー （19）…リール （20）…刈刃 （21）…掻込ドラム （22）…搬送ローラ （26）…掻込経路 （30）…ガイド体 （33）…スクレーパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】未刈り穀稈掻込み用リール（19）と、穀稈
   を刈取る刈刃（20）と、この刈取られた穀稈を掻込む掻
   込ドラム（21）とを刈取ヘッダー（17）に備えるコンバ
   インの穀稈掻込装置において、前記刈刃（20）と掻込ド
   ラム（21）の間に前記リール（19）及び掻込ドラム（2
   1）によって形成される側面視三角形状の穀稈搬送力非
   作用空間の底部に、刈刃（20）左右幅と略同長の搬送ロ
   ーラ（22）を刈刃（20）と略平行に設け、搬送ローラ
   （22）からの穀稈を掻込ドラム（21）に案内する後方下
   降傾斜形のスクレーパ（33）を搬送ローラ（22）後側に
   設けると共に、前記搬送ローラ（22）及びスクレーパ
   （33）との組合せによって側面視三角形を形成する前方
   下降傾斜形のガイド体（30）を搬送ローラ（22）前側に
   設けたことを特徴とするコンバインの穀稈掻込装置。