JPH0648950A - 抗潰瘍剤 - Google Patents

抗潰瘍剤

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JPH0648950A
JPH0648950A JP20407992A JP20407992A JPH0648950A JP H0648950 A JPH0648950 A JP H0648950A JP 20407992 A JP20407992 A JP 20407992A JP 20407992 A JP20407992 A JP 20407992A JP H0648950 A JPH0648950 A JP H0648950A
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zinc
ulcer
carrageenan
acidic
acid
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JP20407992A
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Nobuharu Moretome
信晴 漏留
Kazuhiro Morikawa
和浩 森川
Masayuki Yoshikawa
雅之 吉川
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Taito Co Ltd
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Taito Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、抗潰瘍剤、特に胃潰瘍、十二指腸
潰瘍等の消化器に発生する潰瘍に対しての有効な治療及
び予防用の薬剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、海藻由来の寒天のアガロペクチ
ン、カラギーナン、アルギン酸等、ムコ多糖のヒアルロ
ン酸、中性多糖に酸性基を付与した化合物、及び植物に
含まれるペクチン酸等から選ばれた酸性多糖の亜鉛塩の
少なくとも一種を有効成分とすることを特徴とする抗潰
瘍剤を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗潰瘍剤、特に胃潰
瘍、十二指腸潰瘍等の消化器に発生する潰瘍に対しての
有効な治療及び予防用の薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、循環器系疾患とともに消化器系疾
患は極めて一般的な疾病である。中でも胃、十二指腸に
発生する消化性潰瘍は罹病率も高い成人病であり、飲酒
やストレス等に起因するといわれている。このような潰
瘍は疼痛を伴うばかりか、慢性化することによって完治
しにくくなり、時には出血、腹膜炎、癌化等の重大な事
態に至る。そこで、消化性潰瘍に対する治療薬として、
数多くの薬剤が研究されてきており、それらの中で、糖
由来の薬剤についても報告されている。例えば、カラギ
ーナンについての「消化管潰瘍の経口治療剤」(特開昭
57−38722号公報)、村上等による、アガロペク
チン部分加水分解物の抗潰瘍性(C.A.77.;52
304)、三崎旭等などによるカラギーナンの抗ペプシ
ン作用の報告(武田研究所年報第24号、1965年)
などがあるが、治療薬とするには薬効が不十分であっ
た。なお、蔗糖に硫酸基を導入してそれをアルミニウム
塩とした、スクラルファートは広く使用されている抗潰
瘍薬である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸性多糖を
原料として高い効果を有する抗消化性潰瘍治療剤を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗潰瘍効果の
認められるものの治療用薬剤とするには充分な効果を有
しているとは云えない酸性多糖と、免疫系に対する作用
が注目されている亜鉛を結合することによって優れた抗
潰瘍薬剤が得られるとの知見に基づいてなされたのであ
る。すなわち、本発明は、酸性多糖の亜鉛塩の少なくと
も一種を有効成分とすることを特徴とする抗潰瘍剤を提
供する。本発明の抗潰瘍剤の原料の酸性多糖は海藻由来
の寒天のアガロペクチン、カラギーナン、アルギン酸、
フノラン等、また、ムコ多糖のヒアルロン酸、ヘパリ
ン、コンドロイチン硫酸等や、デキストラン硫酸やラミ
ナラン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
メチルデンプンのごとき中性多糖に酸性基を付与した化
合物、及び、植物に含まれるペクチン酸等があげられ
る。しかし、本発明の薬剤の原料とするには、海藻由来
の酸性多糖を利用することが安価で入手し易く、且つ、
酸性基含量が高くて望ましい。原料の海藻としては、例
えば紅藻植物のうしけのり目、うみぞうめん目、てんぐ
さ目、くりぶとねみあ目、すぎのり目、だるす目、いぎ
す目があり、褐藻植物では、しおみどろ目、むちも目、
あみじぐさ目、ながまつも目、うるしぐさ目、はばもど
き目、こんぶ目、ひばまた目の海藻から抽出した硫酸
基、ピルビン酸基、カルボキシル基を有する多糖の単
独、若しくは複数が使用可能である。好ましくは、アル
ギン酸やλ−カラギーナンの様な酸性基を多く含む多糖
の含量が高い原藻を使用するのがよい。これらの多糖の
抽出は冷水、温水によるほか、寒天やカラギーナンの製
造時に行われるアルカリ処理、酸性処理を施した後に抽
出操作を行ってもよい。また、セルラーゼ等の加水分解
酵素処理を行った後に抽出を行う方法も選択できる。好
ましくは酸性基を多く残存させるために過度のアルカリ
処理は避けた方がよい。海藻より抽出した酸性多糖は、
そのまま原料とするばかりでなく塩酸、硫酸、リン酸等
の無機酸やクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸を加
えて加熱することによって加水分解して低分子化して用
いることも可能である。また、抽出した酸性多糖をアガ
ラーゼ、セルラーゼ、アルギン酸リアーゼ等の加水分解
酵素によって低分子化することも可能であるが、低分子
化の手段についてはこれらに制約されるものではない。
【0005】本発明で用いる酸性多糖としては、分子量
数千以上、好ましくは数万以上のものがよい。また、酸
性多糖に含まれる酸性基としては、硫酸基、カルボキシ
ル基、ピルビン酸、亜硫酸基などがあげられる。酸性多
糖に含まれる酸性基の含量は、硫酸基を有する多糖であ
れば硫黄含量が2〜25重量%が好ましく、より好まし
くは5重量%以上である。また、ウロン酸やピルビン酸
などの酸性基は構成糖9分子に少なくとも1個以上、好
ましくは構成糖4分子に1個以上含まれるのがよい。該
酸性多糖およびその低分子化物、またはそれらの混合物
は、酸性多糖に含まれる酸性基の少なくとも一部が亜鉛
により塩を形成している。例えば、硫酸亜鉛、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、弗化亜鉛、よう化亜鉛等の水溶性無機亜
鉛化合物や酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、乳酸亜鉛等の有機酸の
亜鉛塩と、酸性多糖を共存せしめることにより容易にこ
れらの酸性多糖の亜鉛塩とすることができる。より好ま
しくは、カチオン交換樹脂、例えば、アンバーライトI
R−120B、ダイヤイオンSK−1B等に通液して酸
性多糖の酸性基に結合するカチオンを除去してから亜鉛
化合物と共存させればよい。更に金属亜鉛を酸性下で、
これらの酸性多糖と共存させることによっても得ること
が可能である。しかし、酸性多糖の亜鉛塩の調製法はこ
れらに制約されるものではない。
【0006】本発明による酸性多糖の亜鉛塩は、亜鉛含
有量が30重量%以下、好ましくは5〜20重量%であ
る。つまり、多糖の酸性基に結合するカチオンを全て亜
鉛に置換した時には、最大含量となり酸性多糖に添加す
る亜鉛量を減らすことによって、また、亜鉛塩としてい
ない酸性多糖、若しくはその他の糖質やタンパク類を添
加することによって亜鉛含量は調整可能である。酸性多
糖の酸性基と結合していない過剰の亜鉛イオンは、分画
分子量1万ダルトン程度の限外濾過によって、また、ア
セトン、エチルアルコール、メチルアルコール等の親水
性有機溶媒を30〜80%V/V加えることによって該
酸性多糖及びその亜鉛結合物を沈殿させて分離すること
ができる。また、これらの方法を組合わせたり繰返すこ
とによって遊離の塩類、亜鉛イオン、低分子の有機物質
を除去して精製することができる。これらの処理を施す
時は、亜鉛が水酸化物として不溶解性にならないpHで実
施すること以外には特に制約を受けない。本発明による
酸性多糖由来の亜鉛塩は、単独で、又は不活性担体及び
/又は希釈剤などと混合して散剤、錠剤として、また他
の食品等と混合することにより、胃、十二指腸潰瘍を有
する患者に対し亜鉛量として1日に20〜500mg経口
投与するのがよい。また、該亜鉛塩は、水に溶解しなく
とも散剤、錠剤としてや、食品に混合して投与すること
ができる。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、酸性多糖の亜鉛塩はそ
れぞれの酸性多糖や亜鉛剤を単独で使用するよりも、著
しく高い抗潰瘍性が得られ、消化器粘膜を保護する防御
型効果のみならず、消化液の分泌を抑制する攻撃型効果
をも有する治療薬や予防薬として利用可能である。次に
本発明を実施例により説明する。
【0008】
【実施例】
実施例 1 タイトー海藻(株)のλ−カラギーナン(商品略号:M
L−300)80gに0.04N HCl800mlを加え
て、よく攪拌しながら70℃に加熱した。B型粘度計で
粘度を測定しながら加水分解を続け経時的に3回にわた
って100gづつを抜き取りNaOH水溶液で中和した。採
取したそれぞれのλ−カラギーナンに1リットルの純水
と5gの塩化亜鉛を加え,東ソー(株)の試験用限外濾
過装置(ポンプLP−3000、膜モジュールUF−L
MS II)に限外濾過膜UF−2CS−10PS(分画
分子量10000dalton)を2枚(計400cm2 )装着
し純水を補充しつつ限外濾過を続けた。濾液をアルカリ
性にしても白濁しなくなれば濃縮し、凍結乾燥した。こ
れらの試料の収量はそれぞれ7.9g、7.8g、6.6gで
あった。また、加水分解前のゾル100gから調製した
亜鉛塩は、8.2gの収量であった。この様にして調製し
たλ−カラギーナンの亜鉛塩の分析値を第1表に示す。
【0009】
【表1】 第1表 λ−カラギーナンを原料にした各
試料の分析値 試料 M.W.* 灰分量** Na K Ca Mg Fe Zn 備考 ppm ppm ppm ppm ppm ppm λ-1 >85×104 18.8 % 4020 2370 157 1660 107 107000 加水分解 無処理 λ-2 10.3×104 21.9 % 6610 2780 180 1670 133 119000 λ-3 7.4×104 21.8 % 5320 2580 120 1490 278 106000 λ-4 1.4×104 20.0 % 6080 3330 190 1900 135 91900 * プルランの分子量標準品による校正曲線より算出 ** 硫酸灰分 また、これらの試料をラットを用いた胃潰瘍のモデル系
によって抗潰瘍効果の評価を行った結果を第2表、第3
表に示す。評価法は、ラットに対し水溶液としたλ−カ
ラギーナンの亜鉛塩を所定用量、経口投与し、1時間後
に、150mM HClを含む60%エタノール1.5mlを
経口投与した。その1時間後にラットを屠殺し、胃に発
生した潰瘍の長さを計測し全潰瘍の合計値を総潰瘍値と
した。また、対照薬としては市販のセトラキサートを用
いた。第2、3表に示した結果から本発明による薬剤は
胃粘膜の保護作用に基づく極めて高い抗潰瘍効果を有す
ることは明らかである。どの試料に於ても市販薬のセト
ラキサートの効果を上廻っている。
【0010】
【表2】 第2表 HCl−エタノール投与ラットに対する抗潰瘍性評価
(I) 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 6 110.1 ±10.8 ** − λ−1 200 5 0.0 ± 0.0 ** 100.0 λ−2 200 6 3.2 ± 2.3 ** 97.1 λ−3 200 6 0.9 ± 0.5 ** 99.2 λ−4 200 6 0.0 ± 0.0 ** 100.0 セトラキサート 300 6 4.0 ± 2.6 ** 96.4 ** p<0.01 コントロールは精製水のみ投与
【0011】
【表3】 第3表 HCl−エタノール投与ラットに対する抗潰瘍性評価
(II) 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 7 108.0 ± 8.5 − λ−1 100 6 1.7 ± 1.1 ** 98.4 50 6 15.3 ± 4.8 ** 85.8 λ−2 100 5 0.4 ± 0.2 ** 99.6 50 5 15.2 ± 6.0 ** 85.9 λ−3 100 5 0.3 ± 0.3 ** 99.7 50 5 12.6 ± 3.6 ** 88.3 λ−4 100 6 1.8 ± 1.4 ** 98.3 50 6 21.3 ± 7.0 ** 80.3 セトラキサート 300 5 16.7 ± 6.6 ** 84.5 ** p<0.01 コントロールは精製水のみ投与。
【0012】実施例 2 実施例1に於て用いた試料と同じ酸性多糖の亜鉛塩を使
用して消化液の分泌抑制効果、即ち本発明による薬剤の
攻撃因子に対する抑制効果を調べた。試験方法は、ラッ
トを開腹し胃内容物を除去した後、幽門を結索し、十二
指腸の内部に該試料の水溶液を投与した。幽門の結索の
4時間後に屠殺し胃液量、胃液pH、胃液酸度を測定し
た。対照薬として市販薬のシメチジンを使用した。試験
結果を第4表に示したが胃液の分泌抑制、及び胃液の酸
度を抑制していることは明白である。
【表4】 第4表 胃液に対する効果 試料 投与量 N Volume pH Acidity Acid output (mg/kg) (ml) (m Eq/1) (μEq/4hr.) Control ── 5 5.1±1.1 1.4±0.0 86.0± 8.2 467.6±139.0 λ−1 100 5 1.8±0.2 * 1.7±0.1 * 82.0± 8.6 147.3± 31.4 50 5 3.1±0.7 1.4±0.0 100.4± 4.4 319.4± 84.8 λ−2 100 4 2.2±0.4 2.0±0.1** 116.5±13.0 252.6± 66.2 50 4 4.7±1.3 1.8±0.1** 105.0±10.0 507.8±161.7 λ−3 100 5 2.0±0.5 * 2.1±0.1** 95.2±15.4 207.5± 77.2 50 5 3.6±0.5 1.8±0.1 * 114.4± 3.7* 406.6± 50.7 λ−4 100 5 3.2±0.8 2.0±0.1** 115.2± 7.4* 373.8±106.7 50 5 4.8±1.6 1.8±0.1** 109.6±10.0 593.3±225.0 シメチジン150 5 2.1±0.5 * 2.4±0.0** 46.8± 5.3** 106.7± 32.6 * p<0.05 ** p<0.01 Control は精製水のみ投与
【0013】実施例 3 アルギン酸、寒天、ι−カラギーナン、κ−カラギーナ
ンの亜鉛塩の抗潰瘍性を調べた。アルギン酸は、紀文フ
ードケミファ(株)のアシッド5gを加水分解せずに5
00mlの水に懸濁して塩化亜鉛5gを加え、次いでNaOH
水溶液で約pH5にした後、濾過し、純水で濾滓をよく洗
浄してから乾燥し約4.6gのアルギン酸亜鉛塩を得た。
寒天は乾燥したチリ産オゴノリ原藻100gを1夜水浸
した後4リットルの水で煮熟抽出し、珪藻土濾過して得
た寒天溶液にアセトンを加えて沈殿させて回収し、乾燥
して約8gの寒天を得た。この寒天5.8gを熱水100
mlで膨潤させ、HClを加えてpH2にして65℃、40
分間加水分解した。これに塩化亜鉛2.5gを加えてNaOH
水溶液でpH4.8にし、実施例1で用いた限外濾過装置を
使用して純水を追加しながら濾過をして脱塩、精製し
た。収量は4.2gであった。ι−カラギーナン、及びκ
−カラギーナン(タイト−海藻(株)商品略号:ML−
320,CHP)はおのおの10gに対して熱水100
ml加えて膨潤させHClでpH1.8にしてから70℃、2
時間攪拌して加水分解した。この低分子化カラギーナン
にそれぞれ5gの塩化亜鉛を加え、NaOH水溶液でpH4.5
に調整し、実施例1で用いた限外濾過装置を使用して純
水を追加しながら濾過をして脱塩、精製した。調製した
試料の分析値を第5表に示し、実施例1に示した方法に
よる抗潰瘍性試験の結果を第6表に示す。亜鉛含量の低
かった寒天を除いては高い抗潰瘍性が認められる。特に
アルギン酸はλ−カラギーナンと同様にその亜鉛塩には
極めて高い抗潰瘍性がある。即ち酸性多糖の酸性基と結
合した亜鉛の多い試料ほど高い抗潰瘍性が得られた。ア
ルギン酸の亜鉛塩は市販薬であるセトラキサートの1/
3量の用量でも同じ効果が得られた。
【表5】 第5表 海藻多糖を原料にした各試料
の分析値 試料 M.W.* Na ppm K ppm Zn ppm アルギン酸 3.1×104 4000 85 144000 寒 天 14.0×104 463 66 27000 κ−カラギーナン 6.4×104 4230 6340 55100 ι−カラギーナン 14.0×104 2740 2620 72500 * プルランの分子量標準品による校正曲線より算出
【0014】
【表6】 第6表 HCl−エタノール投与ラットに対する抗潰瘍性評価(III ) 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 6 69.6 ± 7.7 − アルギン酸 100 6 2.3 ± 2.0 ** 96.7 200 6 0.2 ± 0.2 ** 99.7 寒 天 200 6 41.4 ±14.9 40.5 κ−カラギーナン 100 6 15.3 ± 8.6 ** 78.0 200 6 11.8 ± 5.9 ** 83.0 ι−カラギーナン 100 5 27.4 ± 8.2 ** 60.6 200 5 1.0 ± 0.5 ** 98.6 セトラキサート 300 6 1.8 ± 0.8 ** 97.4 ** p<0.01 コントロールは精製水のみ投与。
【0015】実施例 4 和光純薬工業(株)のデキストラン硫酸ナトリウム(生
化学用、500,000dalton)5g、塩化亜鉛5gを3
00mlの純水に溶解し、10,000 rpmで10分間遠心
分離を行い不溶物を除去した。次いでこれを約150ml
に減圧濃縮してエタノール350mlを添加し、多糖を沈
殿させた後濾過し50%エタノールで洗浄後、乾燥して
デキストラン硫酸の亜鉛塩を4.43g得た。この試料の
亜鉛含量は4.58重量%であり、プルランを標準分子量
として測定した分子量は17.0×104 daltonであっ
た。これを実施例1に準じてラットを用いたHCl−エ
タノールによる胃潰瘍のモデル系によって抗潰瘍効果を
評価した。評価結果は、第7表に示したが効果は明らか
である。
【表7】 第7表 HCl−エタノール投与ラットに対するデキストラン硫酸亜鉛塩の 抗潰瘍性評価(IV) 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 6 73.1 ±16.3 − デキストラン硫酸 100 6 21.3 ± 5.0 * 70.9 セトラキサート 300 6 9.3 ± 3.9 * 87.2 * p<0.05
【0016】実施例 5 ナカライテクス(株)のコンドロイチン硫酸ナトリウム
C 2g、塩化亜鉛5gを100mlの純水に溶解し、1
5,000 rpmで15分間遠心分離を行い不溶物を除去し
た。次に東ソー(株)の試験用限外濾過装置(ポンプL
P−3000、膜モジールUF−LMS)に限外濾過膜
UF−10PS(分画分子量10000ダルトン)を装
着し、純水を補充しつつ限外濾過を続けた。濾液をアル
カリ性にしても白濁しなくなったとき、減圧濃縮し凍結
乾燥した。収量は1.84gであった。また、この亜鉛塩
のナトリウム含量は2700ppm 、亜鉛塩含量は11.2
重量%、硫酸基含量は17.8重量%であった。これを実
施例1に準じてラットを用いたHCl−エタノールによ
る胃潰瘍のモデル系によって抗潰瘍効果を評価した。評
価結果は、第8表に示したが50mg/kg の投与によって
も極めて高い効果が得られている。
【表8】 第8表 HCl−エタノール投与ラットに対するコンドロイチン硫酸亜鉛塩 の抗潰瘍性評価(V) 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 5 86.2 ±15.6 − コンドロンチン 50 6 5.8 ± 1.4 ** 93.3 硫酸亜鉛塩 100 6 2.6 ± 1.7 ** 97.0 200 6 0.7 ± .4 ** 99.2 セトラキサート 300 6 13.4 ± 4.9 ** 84.5 ** p<0.01
【0017】比較例 1 種々の多糖類のHCl−エタノール投与による潰瘍に対
する効果を調べた。多糖類は全て食品用の市販品を使用
し、評価法は実施例1に示した方法で行った。評価結果
は第9表に示したが、カラギーナン以外には有効な抗潰
瘍性はなく、特に無機塩である塩化亜鉛には、潰瘍を抑
制する効果は全く認められない。しかし、このカラギー
ナンも実施例1の第3表に示した亜鉛塩の効果に比べる
と有効性が低いことがわかる。
【表9】 第9表 多糖類及び塩化亜鉛のHCl−エタノール投与ラットに対する抗 潰瘍効果 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 6 98.8 ±15.7 − キサンタンガム 100 6 118.8 ±14.1 -20.2 グアーガム 100 6 82.2 ±11.8 16.8 ペクチン 100 6 92.1 ±15.8 6.8 カードラン 100 6 111.6 ±21.7 -13.0 寒 天 100 6 78.1 ±17.9 21.0 寒 天 250 5 86.0 ±11.0 13.0 カラギーナン 250 5 12.5 ± 3.8** 87.3 セトラキサート 300 5 5.1 ± 1.2** 95.7 塩化亜鉛 300 6 113.5 ±18.2 -14.9 ** p<0.01 コントロールは精製水のみ投与。
【0018】比較例 2 比較例1より、カラギーナンそのものにも抗潰瘍性が認
められるが、市販のカラギーナンはナトリウム、カリウ
ム、カルシウム等、種々の金属イオンとの塩を形成して
いる。そこで、亜鉛塩の有効性を確認するために、マグ
ネシウム塩、及びアルミニウム塩を調製してラットを使
った、HCl−エタノール潰瘍に対する効果を調べた。
試料は、タイトー海藻(株)のカラギーナンML−30
0を原料として酸加水分解した後、マグネシウム塩とし
た。即ち、カラギーナンML−300 100gに0.0
4N HCl水を1リットル加え、攪拌しながら約65
℃に加熱し経時的に3試料を100g宛採取した。これ
に硫酸マグネシウム・7水和物を10g加え、NaOH水溶
液でpH4.5にし、良く攪拌後500mlのアセトン中に注
いだ。生成した沈殿を濾過によって集め、100mlのア
セトンで洗浄後、純水約100mlを加えて減圧濃縮し、
アセトンを除いた。更に、この溶液を1リットルの純水
に加え、実施例1で使用した限外濾過装置を用いて加水
しながら濾過して充分に脱塩した後、凍結乾燥してそれ
ぞれ約8gを得た。アルミニウム塩は、このカラギーナ
ンML−300の酸加水分解物の最も低分子量のゾル1
00gに対し、硫酸アルミニウム・16水和物10gを
加え、pH4.5にした後、マグネシウム塩と同じ処理をし
て調製した。収量は約7gであった。得られた試料の分
析値を第8表に示し、抗潰瘍効果の試験結果を第10表に
示す。この試験結果より、マグネシウム塩はむしろ潰瘍
を助長しておりアルミニウム塩も抗潰瘍効果は治療剤と
するには充分でない。要するに海藻由来の酸性多糖は亜
鉛の塩にすることによって抗潰瘍効果が最大限に発揮さ
れる。
【表10】 第10表 λ−カラギーナンのMg及びAl塩の分析表 試料 M.W.* 灰分量** Na K Ca Mg Fe 備考 ppm ppm ppm ppm ppm 1 >85×104 19.3 % 5270 2980 794 89000 77 Mg塩 2 24×104 17.5 % 9580 6960 2520 28800 167 〃 3 12×104 19.8 % 3150 1820 822 30500 80 〃 4 3.2×104 19.8 % 3480 1610 756 28700 143 〃 λ-Al 2.7×104 18.7 % 5320 3500 1020 25400 95 Al塩 ML-300 >85×104 26.6 % 74700 24400 1630 5350 249 無処理 の原料 * プルランの分子量標準品による校正曲線より算出 ** 硫酸灰分
【0019】
【表11】 第11表 HCl−エタノール投与ラットに対するMg、Al塩の抗潰瘍性評価 試料 投与量 N 総潰瘍値(mm) 抑制率 (mg/kg) (Mean±S.E.) (%) コントロール − 5 75.2±13.0 − 1 200 5 90.0±15.0 -19.7 2 200 5 88.1±13.4 -17.2 3 200 5 89.8±16.9 -19.4 4 200 5 78.3±17.5 - 4.1 λ−Al 100 6 51.7± 5.6 * 31.3 200 6 56.7±14.2 24.6 セトラキサート 300 4 1.1± 0.7 ** 98.5 * p<0.1 ** p<0.01 コントロールは精製水のみ投与本発明者等は、より優れ
た抗消化器系潰瘍薬剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、天然物である酸性多糖を原料として安易な製造法に
より極めて高い抗潰瘍薬剤を発明するに至った。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性多糖の亜鉛塩の少なくとも一種を有
    効成分とすることを特徴とする抗潰瘍剤。
  2. 【請求項2】 酸性多糖の低分子化物の亜鉛塩の少なく
    とも一種を有効成分とすることを特徴とする抗潰瘍剤。
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