JPH0647502Y2 - ブロックパズル用板状ユニット片およびブロックパズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、玩具、ディスプレー等として利用されるブロ
ックパズルに関するものである。

〔従来の技術〕

複数のユニットが折曲げ可能な関節部分を介して連なっ
ていて、全体として種々の変形運動ができるようにした
ブロック組合せ玩具は従来からいくつか提案されてお
り、本出願人もユニットを四面体ブロックとしたものを
実願昭61−126291号として、またユニットをひし形の板
状としたものを実願昭63−17061号として既に提案して
いる。

上記の四面体ブロックまたはひし形を組合わせたブロッ
ク玩具は、それ自体種々の造形物を作って遊ぶことがで
きる効果のあるものであり、特に環状のリングを回転中
心とした回転運動できるという特徴を持ったものであ
る。

ところで上記出願人の提案に係わる玩具のうち、ユニッ
トが四面体をなしているものは、製作が必ずしも容易で
ない。また、ひし形ユニットのものは、嵌合用の切込み
が形成されているため簡単に組み合わせることができる
ため、組み合せの際の知的な面白みに欠けることがあ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の第１の目的は、組合せの際に知的な面白みを持
たせることであり、第２の目的は低廉な組立ブロックを
提供可能とすることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案者は、上記の観点から更に研究を重ねた結果本考
案を完成するに至ったものである。すなわち本考案は、
合同な４個の直角三角形の４個が折れ線を介し連設され
てなる板状片であって、これら４個の三角形の連設形状
は、各二つの直角三角形同士が、それぞれ直角を挟む相
同な辺を折り曲げ可能な共通の対角線とした平行四辺形
をなすように連設さていると共に、該連設された二つの
平行四辺形が、前記直角を挟む他の辺を折り曲げ可能な
共通の線対象中心線として連設されていることを特徴と
するブロックパズル用板状ユニット片とその板状ユニッ
ト片の12＋4n個（ｎ＝０〜４）を一組とすることを特徴
とするブロックパズルに関するものである。

本考案のブロックパズル用ユニット片は、代表的には第
１図に示す形状を有するものであり、ユニット片を構成
する直角三角形のθ（第１図、第４図（ａ）〜（ｃ）参
照）は、板状ユニット片を組合せる数により与えられる
異なる角度であり、以下の式により求められる。

θ＝90−720/N （Ｎはユニット片の個数） 従って、θは板状ユニット片が12個一組の場合は30°、
16個一組の場合は45°、20個一組の場合54°、24個一組
の場合は60°、28個一組の場合は64.3°である。

板状ユニット片のθが、上記角度の場合、環状体のブロ
ックパズルの回転運動の際にその中央部に隙間のない異
なる平面を複数現出させることができるという特徴があ
る。

さらに、この異なる平面にそれぞれ独特の図形、模様、
色彩を付しておけば、パズル玩具としたり、その他多数
図柄の外観を呈することができるという面白さがある。

本考案のブロックパズルは、板状ユニット片を12＋4n個
（ｎ＝０〜４）を一組とするものであり、理論上は32個
以上の組合せも可能であるが、接合が困難になり玩具と
して好ましくない理由から、一般的には板状ユニット片
の組合せ個数は、12個、16個、20個、24個、28個が好ま
しい。板状ユニット片を組合せる形は任意であるが、例
えば、板状ユニット片の12、16、20個を第４図（ａ）〜
（ｃ）のように組合せて、環状体とし、後述のように面
白みのある回転運動を行なうものとすることができると
いう特に優れた特徴を有する。

板状ユニット片を組合せる際には、第２図のように接合
面を考慮して組合せねばならず、十分知的な面白さを有
するものである。

本考案の板状ユニット片を組合せて環状体を作成する
際、各ユニット片を接合するための手段については、強
磁性材料からなる板状ユニット片と磁化可能な材料から
なる板状ユニット片を組合わせるか、少なくとも片面に
吸盤シートを貼付した板状ユニット片を吸着させる方式
や、剥離可能な接着剤を塗布する方法などが適当であ
る。吸盤シートとは、シート状のプラスチックの表面に
極微小の吸盤が形成されたもので、例えば広瀬製紙
（株）の「ハイスティック」（商品名）などがある。し
かし、接合する方法はこれらに限定されるものではな
い。

特に、12個一組のブロックパズルの場合は、磁性材料か
らなる板状ユニット片６個と磁化可能な材料からなる板
状ユニット片６個を交互に組合わせれば、しっかり吸着
され、ブロックパズルを容易に組立ることができ、パズ
ル的な面白さを楽しむことができる。また、吸盤シート
で板状ユニット片を吸着する場合は、片面に吸盤シート
を貼付した板状ユニット片12個を相互に吸着させて組立
ててもよく、あるいは片面に吸盤シートを貼付した板状
ユニット片６個と、吸盤シートを貼付していない板状ユ
ニット片６個を交互に組合わせてもよい。

本考案の板状ユニット片は、厚紙、プラスチック、ゴム
等で作成することができる。

本考案のブロックパズルは、玩具として利用することが
できることは言うまでもないが、特に玩具に限定される
ものではなく、ディスプレー等の商品としても利用でき
るものである。

〔作用〕

本考案は、前記の構成をなすことによって、同一形状の
板状ユニット片を複数組合わせることにより、組合せに
際して知的面白みがあり、全体としてまとまりのある組
立てブロックパズルを低廉に提供することができる。

〔実施例〕

以下本考案の図面に示す実施例に基づいて説明する。

第１図は、本考案の12個の板状ユニット片を組合せて環
状体とする場合の板状ユニット片の一つを示したもので
あり、θは30°となる。

この板状ユニット片１は、二つの直角三角形３−１と３
−２および３−３と３−４が、それぞれ直角を挟む相同
な辺２−１と２−２を折り曲げ可能な共通の対角線とし
た平行四辺形をなすように連設されていると共に、該連
設された二つの平行四辺形が、前記直角を挟む他の片２
−３を折り曲げ可能な共通の線対称中心線として連設さ
れている。

第２図は、第１図に示した板状ユニット片１をａ〜ｅと
して５個組合わせる方法を図示したものである。ユニッ
ト片ａ〜ｅを第２図（ａ）に示したように折線で折り曲
げ、ユニット片ａの直角三角形部分ａ−1,a−２にユニ
ット片b,cの直角三角形部分ｂ−1,c−１を接合し、次い
でニット片b,cの直角三角形部分ｂ−2,c−２にユニット
片ｄの直角三角形部分ｄ−1,d−２を接合し、更にユニ
ット片b,cの直角三角形ｂ−3,c−３にユニット片ｅのｅ
−1,e−２を接合する。このとき、ユニット片a,d,eを強
磁性材料で作製し、ユニット片b,cを磁化可能な材料で
作成すれば、互いに吸着し、容易に組み立てることがで
きる。第２図（ｂ）は、ユニット片ａ〜ｅを組合わせた
状態を示した図である。

第２図（ａ），（ｂ）から明らかなように、本考案の板
状ユニット片を組合わせるには、接合する面の組合せを
考えねばならず、知的な面白さを楽しむことができる。

第３図（ａ）は、θが30度の板状ユニット片を第２図
（ａ）に示したように12個接合し、最後に、環状となる
ように組合わせたブロックパズルの完成図である。第３
図（ａ）に示したように組立たブロックパズルは、第３
図（ｂ）に示したように回転運動することができ、玩具
として楽しむことができる。

以上の板状ユニット片は、これらの複数を組合せて環状
ブロックを形成させ、かつ環状のリングを中心とした回
転運動を行なわせるようにするためには、第４図（ａ）
〜（ｃ）のように組合せ数を12＋4n個（ｎ＝０〜４）を
一組とし、θを90−720/N度（Ｎはユニット片の組合せ
数）とすることがよい。このような関係にすれば、回転
運動の途中で現出される平面状態においてこれらの間に
ほとんど隙間を生ずることがないからである。なお、第
４図（ａ）は、ユニット片の一組の組合せの数が12個の
例、第４図（ｂ）は16個の例、第４図（ｃ）は20個の例
のときのブロックパズルの組立例をそれぞれ示してい
る。このときのθは、それぞれ30°、45°54°である。

また更に、これらの複数のユニット片に図形、模様、色
彩等の図柄を付すことにより、面白みのある組合せ図柄
を現出させることができる。この第４図の例（ユニット
数は12個）では４つ（表裏では８つ）の異なった平面を
現出させることができる。従って、本考案のブロックパ
ズルは、玩具のみならずディスプレーに応用してもよ
い。

〔考案の効果〕

本考案のブロックパズルは、板状ユニット片を組合わせ
る際に知的面白さがあり、また厚紙、プラスチック、ゴ
ム等で作成することができるため低廉に提供することが
できる。さらに、板状ユニット片を例えば種々の造形物
を作って遊ぶことができる玩具として有効に利用できる
という効果があり、また特に環状のリングを回転中心と
した回転運動を行なう玩具として従来にない面白さを提
供できるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図は本考案よりなる12個一組とするブロック
パズルを構成する板状ユニット片の構成概要の一例を示
す平面図、第２図（ａ）は、θが30度の板状ユニット片
ａ〜ｅを組合わせて接合する状態を示した斜視図、第２
図（ｂ）は板状ユニット片ａ〜ｅを組合わせた状態を示
した斜視図、第３図（ａ）はθが30度の板状ユニット片
を12個組合わせた完成状態を表す斜視図、第３図（ｂ）
は回転運動の途中を表した斜視図、第４図（ａ），
（ｂ），（ｃ）は、それぞれ12、16、20個の板状ユニッ
ト片を組合わせた環状体のブロックパズルの平面図であ
る。 １…板状ユニット片 ２−１、２−２、２−３…折線

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合同な４個の直角三角形の４個が折れ線を
   介し連設されてなる板状片であって、これら４個の三角
   形の連設形状は、各二つの直角三角形同士が、それぞれ
   直角を挟む相同な辺を折り曲げ可能な共通の対角線とし
   た平行四辺形をなすように連設さていると共に、該連設
   された二つの平行四辺形が、前記直角を挟む他の辺を折
   り曲げ可能な共通の線対称中心線として連設されている
   ことを特徴とするブロックパズル用板状ユニット片。
2. 【請求項２】請求項１の板状ユニット片の12＋4n個（ｎ
   ＝０〜４）を一組としたブロックパズル。
3. 【請求項３】前記ブロックパズルが、強磁性材料からな
   る板状ユニット片と磁化可能な材料からなる板状ユニッ
   ト片の組合せからなる請求項２記載のブロックパズル。
4. 【請求項４】前記ブロックパズルが、少なくとも片面に
   吸盤シートが貼付されている板状ユニット片からなるこ
   とを特徴とする請求項２記載のブロックパズル。
5. 【請求項５】板状ユニット片の接合しない面に文字、図
   形、記号、模様、色彩等を施したことを特徴とする請求
   項２ないし４記載のブロックパズル。