JPH0645579B2 - 塩基プレカ−サ− - Google Patents

塩基プレカ−サ−

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JPH0645579B2
JPH0645579B2 JP61242798A JP24279886A JPH0645579B2 JP H0645579 B2 JPH0645579 B2 JP H0645579B2 JP 61242798 A JP61242798 A JP 61242798A JP 24279886 A JP24279886 A JP 24279886A JP H0645579 B2 JPH0645579 B2 JP H0645579B2
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/52Compositions containing diazo compounds as photosensitive substances
    • G03C1/61Compositions containing diazo compounds as photosensitive substances with non-macromolecular additives
    • G03C1/615Substances generating bases

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、塩基プレカーサーに関し、さらに詳しくは熱
現像型記録材料に好ましく用いることができる塩基プレ
カーサーに関する。
[発明の背景] 塩基は、種々の反応(例、加水分解反応、重合反応、呈
色反応、酸化還元反応、中和反応等)に用いられる非常
に汎用な試薬である。例えば、銀塩写真、ジアゾ写真等
の各種記録材料には、画像形成時に塩基を必要とするも
のが多い。
記録材料の画像形成(文字形成を含む)において、現像
液を用いた現像処理のような湿式の画像形成処理を行な
う場合、塩基は一般にこの処理液(現像液)中に含ませ
ておく。これに対して、加熱等による簡易な湿式の画像
形成処理を行なう場合には、一般に記録材料中に塩基を
内蔵させる必要がある。しかし、記録材料中に塩基をそ
のまま内蔵させると、記録材料の保存期間中に、塩基が
他の成分に悪影響を与えたり、塩基自体が劣化する等、
経時安定性に関する問題があった。
上記問題を解決する手段としては、保存時には中性また
は弱塩基性であり、画像形成時に塩基を生成させること
ができる前駆体(塩基プレカーサー)を塩基に代えて用
いる方法が考えられる。特に、熱現像型の記録材料に好
ましく用いることができる熱分解型塩基プレカーサー
は、様々な種類の化合物が研究、開発されている。従来
知られている塩基プレカーサーの例としては、尿素また
は尿素と弱酸のアンモニウム塩(特公昭40−1699
号)、ヘキサメチレンテトラミンまたはセミカルバジド
(米国特許第3157503号)、トリアジン化合物と
カルボン酸(米国特許第3493374号)、ジシアン
ジアミド誘導体(米国特許第3271155号)、N−
スルホニル尿素類(米国特許第3420665号)、ア
ミンイミド類(リサーチ・ディスクロージャー誌、15
776号、1977年)、トリクロロ酢酸に代表される
熱分解性の酸(英国特許第998949号)等を挙げる
ことができる。
しかし、これらの塩基プレカーサーは、いずれも保存中
の安定性と画像形成時における分解(塩基生成)の迅速
性という二つの要求を充分に両立してはいなかった。
[発明の要旨] 本発明者は、前述した塩基プレカーサーのうち、画像形
成時における塩基生成が比較的迅速であるもの(上記の
ように、これは一般に保存中の安定性は低い)を用い
て、これを記録材料中の他の成分から隔離する(例、微
粒子状分散物とする、マイクロカプセルに収容する等)
ことにより、保存中の安定性と画像形成時における塩基
生成の迅速性を両立させようと試みた。しかし、前述し
た塩基プレカーサーは、いずれも疎水性が不充分である
ため、記録材料中の他の成分から有効に隔離することは
困難であることが明らかとなった。
記録材料の一般的な製造方法は、記録材料の構成成分を
水性溶媒中に溶解、乳化あるいは分散させた塗布液を調
製し、そして塗布液を支持体上に塗布、乾燥する工程か
らなるものである。本発明者の研究により、マイクロカ
プセル等の隔離手段を施しても、塩基プレカーサーの疎
水性が不充分であると、塩基プレカーサーが塗布液中に
溶解することによって、結果として塩基プレカーサーの
一部が構成成分と接触した状態で導入された記録材料が
製造されてしまうことが判明した。
本発明の目的は、塩基プレカーサーの本来の目的である
元の塩基の塩基性を弱めたことに加えて、疎水性を高め
た塩基プレカーサーを提供することである。
さらに、本発明の目的は、加熱により迅速に塩基を生成
することができる塩基プレカーサーを提供することでも
ある。
本発明は、下記式(I)で表わされる化合物からなるこ
とを特徴とする塩基プレカーサーを提供するものであ
る。
[上記式(I)において、 Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
基、アリールスルホニル基、および複素環残基からなる
群より選ばれる一価の基であり(各基は一個以上の置換
基を有していてもよい)、 Xは、酸素原子または硫黄原子であり、そして Bは、第一アミン、第二アミン、アミジン誘導体、およ
びグアニジン誘導体からなる群より選ばれる有機塩基か
ら、窒素原子に結合している水素原子を一個除いた原子
団に相当する一価の基である] なお、上記式(I)におけるBに誘導される有機塩基
は、pKa値が12以上である強塩基であることが、特
に好ましい。
[発明の効果] 本発明の塩基プレカーサーは、有機塩基を尿素誘導体ま
たはチオ尿素誘導体に変換することによって、その塩基
性を弱めると共に、疎水性を高めたものである。
本発明の塩基プレカーサーは、疎水性を高めたことによ
って、前述したような記録材料の製造時において、塩基
プレカーサーが塗布液中に溶解するために塩基プレカー
サーが記録材料の構成成分と接触することを有効に防止
することができる。従って、本発明の塩基プレカーサー
は、元の塩基の塩基性を弱めることによって記録材料の
保存安定性を高めるという通常の塩基プレカーサーの効
果に加えて、塩基プレカーサーと他の構成成分の接触を
原因とする記録材料の保存安定性の低下も回避できると
いう利点を有する。
また、本発明の塩基プレカーサーは、加熱により容易か
つ迅速に塩基を放出するため、熱現像型の記録材料に好
ましく用いることができる。特に、上記式(I)におけ
るBに誘導される有機塩基(生成する塩基に相当する)
が、pKa値が12以上である強塩基である場合は、強
塩基を生成することができる利点に加えて、加熱による
塩基の放出が特に迅速に進行するという利点もある。
なお、本発明の塩基プレカーサーは、第一アミン、第二
アミン、アミジン誘導体、およびグアニジン誘導体から
なる群より選ばれる様々な種類の有機塩基のプレカーサ
ーとして適用することができるため、塩基を必要とする
反応系に最も適した有機塩基を任意に生成させることが
できる利点もある。
[発明の詳細な記述] 本発明の塩基プレカーサーは、下記式(I)で表わされ
る化合物からなるものである。
上記式(I)におけるRは、水素原子、アルキル基
(好ましくは炭素原子数1乃至18)、シクロアルキル
基(例、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマ
ンチル基)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2乃
至18)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2乃至
18)、アリール基(例、フェニル基、ナフチル基、ア
ントラシル基)、アラルキル基(例、ベンジル基、ジフ
ェニルメチル基、トリフェニルメチル基、9−フルオレ
ニル基、フェネチル基)、アリールスルホニル基(例、
ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル基、p
−トルエンスルホニル基)、および複素環残基(例、ピ
リジル基、ピペリジル基、ピロリル基、ピロリジル基、
キノリル基、アクリジル基、インドリル基、ベンゾチオ
フェニル基、ベンズイミダゾリル基)からなる群より選
ばれる一価の基である。
上記Rを構成することができる各基のうちでは、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、およびアラル
キル基が特に好ましい。また、Rの炭素原子数(置換
基を有する場合は、置換基の炭素原子数を含む)は、6
以上であることが好ましい。
を構成することができる各基は、一個以上の置換基
を有していてもよい。この置換基については特に制限は
ないが、疎水性基であることが好ましい。アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基
を置換することができる置換基の例としては、ハロゲン
原子、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、
アシルアミノ基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、
ニトロ基、シアノ基、アシルオキシ基、ジアルキルカル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、ジアルキルスル
ファモイル基、アルキルカルボニル基等を挙げることが
できる。アリール基、アラルキル基、および複素環残基
を置換することができる置換基の例としては、上記各置
換基に加えて、アルキル基、シクロアルキル基、アルケ
ニル基、およびアルキニル基を挙げることができる。
前述した式(I)におけるXは、酸素原子または硫黄原
子である。Xは、酸素原子である方が好ましい。
前述した式(I)におけるBは、第一アミン、第二アミ
ン、アミジン誘導体、およびグアニジン誘導体からなる
群より選ばれる有機塩基から、窒素原子に結合している
水素原子を1個除いた原子団に相当する一価の基であ
る。
上記有機塩基(生成する塩基に相当する)が第一アミン
または第二アミンである場合には、Bは下記式(IV)で
表わすことができる。
[下記式(IV)において、 R41およびR42は、水素原子(ただし、R41とR
42が共に水素原子であることはない)、アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、アラルキル基、および複素環残基からなる群よ
り選ばれる一価の基であるか(各基は一個以上の置換基
を有していてもよい)、あるいは、 R41とR42が隣接する窒素原子と共に、複素環残基
(複素環残基は一個以上の置換基を有していてもよい)
を形成する] 上記R41およびR42を構成することができる各基の
うちでは、アルキル基、シクロアルキル基、およびアラ
ルキル基が特に好ましい。
置換基については特に制限はないが、上記式(IV)の窒
素原子に隣接しているR41またはR42の炭素原子は
イミノ基を有していることが好ましい(この場合につい
ては、式(II)を用いて後述する)。
前述したように、有機塩基はpKa値が12以上である
強塩基であることが、特に好ましい。以上の点から、式
(I)におけるBは、アミジン誘導体またはグアニジン
誘導体から窒素原子に結合している水素原子を一個除い
た原子団に相当する一価の基であることが好ましい。上
記アミジン誘導体またはグアニジン誘導体は、下記下記
式(II)で表わされる。
[上記式(II)において、 R21、R22、およびR23は、水素原子(ただし、
21、R22、およびR23のうち少なくとも一つは
水素原子である)、アルキル基、シクロアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
基、および複素環残基からなる群より選ばれる一価の基
であり(各基は一個以上の置換基を有していてもよ
い)、 R24は、水素原子、アミノ基、アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
アラルキル基、および複素環残基からなる群より選ばれ
る一価の基であるか(各基は一個以上の置換基を有して
いてもよい)、あるいは R21とR22、R21とR23、R22とR24、ま
たはR23とR24が互いに結合して複素環を形成す
る] 上記R23を構成することができる各基のうちでは、ア
ミノ基(置換基を有する場合を含む)が特にに好まし
い。すなわち、上記式(II)におけるR24は、下記式
(III)で表わされる一価の基であることがさらに好ま
しい。式(II)におけるR24が、下記式(III)で表
わされる一価の基である場合、塩基として非常に強い塩
基性を示すグアニジン誘導体を生成させることができ
る。
[上記式(III)において、 R31およびR32は、水素原子、アルキル基、シクロ
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、アラルキル基、および複素環残基からなる群より選
ばれる一価の基であるか(各基は一個以上の置換基を有
していてもよい)、あるいは、 R31とR32が隣接する窒素原子と共に、複素環残基
(複素環残基は一個以上の置換基を有していてもよい)
を形成する] 上記R31およびR32を構成することができる各基の
うちでは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、および
複素環残基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル
基、およびアラルキル基が特に好ましい。
なお、本発明の塩基プレカーサーを構成する前述した式
(I)で表わされる化合物は、下記式(V)で表わされ
るように、互いに結合して1モル当り2モル以上の塩基
を放出するプレカーサーを形成してもよい。
[上記式(V)において、 XおよびBは、それぞれ前述した式(I)におけるXお
よびBと同様の定義を有し、 Rは、前述した式(I)におけるRを構成すること
ができる各基から誘導されるn価の基であり、そして nは、2以上の整数(好ましくは2乃至6)である] また、前述した式(I)おけるBが式(II)で表わされ
る化合物から誘導される一価の基であり、さらに、式
(II)におけるR24が式(III)で表わされる一価の
基である場合(生成する塩基がグアニジン誘導体である
場合)は、下記式(VI)で表わされるように、グアニジ
ン誘導体の二つのアミノ基(置換基を有する場合を含
む)の双方を、本発明の塩基プレカーサーに従いブロッ
クしてもよい。
[上記式(VI)において、 R61およびR62は、前述した式(I)におけるR
と同様の定義を有し、 Xは、それぞれ前述した式(I)におけるXと同様の定
義を有し、 R63、R64およびR65は、前述した式(II)にお
けるR21、R22、およびR23と同様の定義を有す
る] 前述したように、式(I)で表わされる化合物から放出
される塩基(H−Bに相当する)は、pKa値が12以
上の強塩基であることが好ましい。上記pKa値は13
以上であることが、さらに好ましい。
式(I)で表わされる化合物の融点は、50℃乃至15
0℃であることが好ましく、80℃乃至120℃である
ことがさらに好ましい。また、式(I)で表わされる化
合物の総炭素原子数は、20以上であることが好まし
く、30以上であることがさらに好ましい。
以下、式(I)で表わされる化合物の代表的な具体例を
示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23) (24) (25) (26) (27) (28) (29) (30) (31) (33) (34) (35) (36) (37) (38) (39) (40) (41) (42) (43) 以上述べたような式(I)で表わされる化合物は、H−
Bに相当する有機塩基を任意の溶媒(例、塩化メチレ
ン、酢酸エチル等)中に溶解させ、R−N=C=Xに
相当するイソシアナートまたはイソチオシアナートを低
温(好ましくは10℃以下)条件下で滴下、攪拌するこ
とで容易に製造することができる。
以下に、塩基プレカーサー(2)、(17)、および
(19)の合成例を示す。他の塩基プレカーサーも同様
の方法で合成することができる。
[合成例1] 塩基プレカーサー(2)の合成 1,2,3−トリシロクヘキシルグアニジン86gを3
00mlの塩化メチレンに溶かし、シクロヘキシルイソシ
アナート35.3gを10℃以下で添加した。そのまま
1時間攪拌したのち、溶媒を留去すると、結晶が得られ
た。これをヘキサンを用いて再結晶化すると、塩基プレ
カーサー(2)の白色結晶50gが得られた。融点は8
8乃至93℃であった。
[合成例2] 塩基プレカーサー(17)の合成 1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン80gを、
アルミナのドライカラムクロマトグラフィーを用いて精
製した塩化メチレン400mlに溶かし、キシリレンジイ
ソシアナート25gを内温10℃に保ちながら滴下し
た。これを室温にて1時間攪拌したのち、溶媒を留去
し、残渣にヘキサンを加え、不溶分を濾別した。溶媒を
減圧下で留去すると、塩基プレカーサー(17)の結晶
45gが得られた。融点は118乃至123℃であっ
た。
[合成例3] 塩基プレカーサー(19)の合成 1,2,3−トリシクロヘキシルグアニジン151.5
gを酢酸エチル1000mlに溶かし、タケネートD−1
10N(武田薬品工業(株)製)182gを徐々に加え
た。これを1時間攪拌したのち、減圧下で全体が400
mlとなるまで溶媒を留去した。これを2のヘキサンに
注入すると、粘性の不溶解分が沈殿した。この上澄み液
をデカンテーションで除き、さらに1のヘキサンを加
えて強く攪拌すると、塩基プレカーサー(19)が不溶
解分として結晶化した。得られた結晶を濾過、風乾し
た。収量は221g、融点は82乃至122℃(分解)
であった。
式(I)で表わされる化合物からなる本発明の塩基プレ
カーサーは、加熱により容易にH−Bに相当する有機塩
基を放出する。上記加熱温度としては、一般に80乃至
200℃であることが好ましい。また、式(I)におけ
るBが、前述した式(II)で表される化合物から誘導さ
れる一価の基である場合(放出される塩基がアミジン誘
導体またはグアニジン誘導体である場合)は、上記加熱
温度は80乃至150℃であることが好ましい。
以下、本発明の塩基プレカーサーの具体的な利用方法に
ついて説明する。
本発明の塩基プレカーサーは、前述したような銀塩写真
法、ジアゾ写真法等の記録材料を用いる画像形成に加え
て、アニオン重合性の接着剤、塗装の塗膜形成、シーリ
ング・コーキング剤、洗浄剤等の塩基成分を必要とする
様々な化学反応系に、有効に適用することができる。
銀塩写真法においては、現像すなわちハロゲン化銀と現
像主薬との酸化還元反応はアルカリ性の条件下で行なわ
れる。銀塩写真の感光材料中に本発明の塩基プレカーサ
ーを加えておくことにより、露光後、単に加熱すること
によって現像を引き起すことができる。この場合、塩基
プレカーサーは乳化分散、固体分散、マイクロカプセル
等により感光材料中の他の成分から隔離することが望ま
しい。上記隔離手段としては、微粒子状に固体分散する
方法が最も容易であり、好ましい。本発明の塩基プレカ
ーサーが、感光材料中の他の成分から有効に隔離できる
という利点を有していることについては前述した。
ジアゾ写真法においては、下式に示すように、末露光部
の残存ジアゾニウム塩とカプラーとを、アルカリ性の条
件下、カップリング反応させ、アゾ色素を形成させる。
本発明を上記ジアゾ写真法に適用する場合、例えば乾式
法において、ジアゾ感光紙にジアゾニウム塩と共に塩基
プレカーサーを互いに隔離した状態(塩基プレカーサー
の固体分散等)で塗布し、露光後、熱現像することによ
ってアゾ色素画像を得ることができる。従来の熱現像法
ジアゾ写真では、炭酸アンモニウム、ヘキサメチレンテ
トラミン等の塩基プレカーサーを用いていたが、現像時
間が長く、感光紙の安定性も良好ではなかった。これに
対して、本発明の塩基プレカーサーを用いることにより
迅速な画像形成が可能になり、しかも感光紙の安定性も
改良された。
また、本発明の塩基プレカーサーから生成した塩基を、
アニオン重合性モノマーの重合反応の塩基性触媒として
利用することができる。上記アニオン重合については特
に制限はなく、接着剤、塗装剤、シーリング・コーキン
グ剤等の様々な分野に適用することができる。
また、洗浄剤、かびとり剤等のような塩基成分を必要と
する商品にも本発明を適用することができる。以上のよ
うな商品に本発明を適用する場合、塩基プレカーサーを
含む製品を使用時において、加熱することにより、塩基
を生成させることができる。従って、本発明を適用する
ことにより、これらの製品を中性の安全かつ安定なもの
とすることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 下記式で表わされる塩基プレカーサー(a)24.0g
をダイノミルを用いて4%のポリビニルアルコール水溶
液176.0gに分散させた固体分散物を、♯40のワ
イヤーバーを用いて、ポリエチレンテレフタレート・フ
ィルム上に塗布し、40℃で30分間乾燥して、塩基プ
レカーサー(a)の塗布試料を作成した。これをホット
プレート上で125に加熱し、一定時間後に試料を取り
出し、膜面pHを測定した。測定結果を第1図に示す。第
1図は、上記測定結果について、時間を横軸に、pHを縦
軸にプロットした図である。
(塩基プレカーサーa) [実施例2] 実施例1において作成した塩基プレカーサー(a)の塗
布試料を、金属製の箱の中に入れて密閉し、50℃の温
度条件下で3日間保存したのち、実施例1と同様に加熱
時の膜面pHの変化を測定した。測定結果は、実施例1と
同様に第1図に示す。
[比較例1] グアニジントリクロロ酢酸塩(塩基プレカーサーx)2
4.0gを50%エタノール水溶液176.0gに溶解
させたのち、4%のポリビニルアルコール水溶液17
6.0gを加えて析出させ、ダイノミルを用いて分散さ
せた。これを実施例1と同様にポリエチレンテレフタレ
ート・フィルム上に塗布、乾燥して、塩基プレカーサー
(x)の塗布試料を作成した。
実施例1と同様に加熱時の膜面pHの変化を測定した結果
を、第1図に示す。
[比較例2] 比較例1において作成した塩基プレカーサー(x)の塗
布試料を、金属製の箱の中に入れて密閉し、50℃の温
度条件下で3日間保存したのち、実施例1と同様に加熱
時の膜面pHの変化を測定した。測定結果は、実施例1と
同様に第1図に示す。
[実施例3] 実施例1の塩基プレカーサー(a)の塗布試料の作成に
おいて用いた塩基プレカーサー(a)24.0gに代え
て、下記式で表わされる塩基プレカーサー(b)を同量
用いた以外は、実施例1と同様にして塩基プレカーサー
(b)の塗布試料を作成した。
実施例1と同様に加熱時の膜面pHの変化を測定した結果
を、第1図に示す。
(塩基プレカーサーb) [実施例4] 実施例3において作成した塩基プレカーサー(a)の塗
布試料を、金属製の箱の中に入れて密閉し、50℃の温
度条件下で3日間保存したのち、実施例1と同様に加熱
時の膜面pHの変化を測定した。測定結果は、実施例1と
同様に第1図に示す。
第1図に示される以上の結果より明らかなように、本発
明の塩基プレカーサーは、加熱により速やかに塩基を放
出することがわかる。また、50℃で3日間保存する
と、比較例の塩基プレカーサーは保存中に塩基を放出し
てしまうのに対して、本発明の塩基プレカーサーは、保
存による劣化がほとんどみられないことも明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1〜4、比較例1、2において、加熱
時の膜面pHの変化の測定結果を、時間を横軸に、pHを縦
軸にプロットした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 239/06 239/10 295/20 G03C 1/498 502 8910−2H 1/61 501 8910−2H

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で表わされる化合物からなる
    ことを特徴とする塩基プレカーサー; [上記式(I)において、 Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
    基、アリールスルホニル基、および複素環残基からなる
    群より選ばれる一価の基であり(各基は一個以上の置換
    基を有していてもよい)、 Xは、酸素原子または硫黄原子であり、そして Bは、第一アミン、第二アミン、アミジン誘導体、およ
    びグアニジン誘導体からなる群より選ばれる有機塩基か
    ら、窒素原子に結合している水素原子を一個除いた原子
    団に相当する一価の基である]。
  2. 【請求項2】上記式(I)におけるRの炭素原子数
    (置換基を有する場合は、置換基の炭素原子数を含む)
    が、6以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の塩基プレカーサー。
  3. 【請求項3】上記式(I)におけるXが、酸素原子であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の塩基プ
    レカーサー。
  4. 【請求項4】上記式(I)におけるBに誘導される有機
    塩基のpKa値が、12以上であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の塩基プレカーサー。
  5. 【請求項5】上記式(I)におけるBに誘導される有機
    塩基が、下記式(II)で表わされる化合物であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の塩基プレカーサ
    ー; [上記式(II)において、 R21、R22、およびR23は、水素原子(ただし、
    21、R22、およびR23のうち少なくとも一つは
    水素原子である)、アルキル基、シクロアルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
    基、および複素環残基からなる群より選ばれる一価の基
    であり(各基は一個以上の置換基を有していてもよ
    い)、 R24は、水素原子、アミノ基、アルキル基、シクロア
    ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
    アラルキル基、および複素環残基からなる群より選ばれ
    る一価の基であるか(各基は一個以上の置換基を有して
    いてもよい)、あるいは R21とR22、R21とR23、R22とR24、ま
    たはR23とR24が互いに結合して複素環を形成す
    る]。
  6. 【請求項6】上記式(II)におけるR24が、下記式
    (III)で表わされる一価の基であることを特徴とする
    特許請求の範囲第5項記載の塩基プレカーサー; [上記式(III)において、 R31およびR32は、水素原子、アルキル基、シクロ
    アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
    基、アラルキル基、および複素環残基からなる群より選
    ばれる一価の基であるか(各基は一個以上の置換基を有
    していてもよい)、あるいは、 R31とR32が隣接する窒素原子と共に、複素環残基
    (複素環残基は一個以上の置換基を有していてもよい)
    を形成する]。
  7. 【請求項7】上記式(I)で表わされる化合物の融点が
    50℃乃至150℃であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の塩基プレカーサー。
  8. 【請求項8】上記式(I)で表わされる化合物の総炭素
    原子数が20以上であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の塩基プレカーサー。
  9. 【請求項9】熱現像型記録材料用であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の塩基プレカーサー。
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