JPH09278738A - 塩基の生成方法 - Google Patents

塩基の生成方法

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JPH09278738A
JPH09278738A JP11700096A JP11700096A JPH09278738A JP H09278738 A JPH09278738 A JP H09278738A JP 11700096 A JP11700096 A JP 11700096A JP 11700096 A JP11700096 A JP 11700096A JP H09278738 A JPH09278738 A JP H09278738A
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JP11700096A
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Satoshi Hoshi
聡 星
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定な一酸塩基のプレカーサーから迅速に塩
基を生成する。 【解決手段】 カルボン酸と有機塩基との塩からなる塩
基プレカーサーを加熱して、カルボン酸のカルボキシル
基を脱炭酸反応させ、それにより有機塩基を生成する方
法において、有機塩基として特定のビグアニド化合物を
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸と有機
塩基との塩からなる塩基プレカーサーを加熱して有機塩
基を生成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩基は、種々の化学反応(例、加水分解
反応、重合反応、呈色反応、酸化還元反応、中和反応)
に用いられる汎用の試薬である。感光材料や感熱材料の
ような記録材料には、画像形成反応が塩基性の条件下に
おいて進行するために、塩基性成分の使用が必要である
ものが多い。記録材料の画像形成において、現像液を用
いる湿式現像を行なう場合、塩基は現像液中に含有させ
ておくことができる。これに対して、加熱による乾式現
像を行なう場合は、塩基を記録材料中に含有させる必要
がある。しかし、記録材料中に塩基を含有させると、記
録材料の保存中に塩基が他の成分に影響を与えたり、塩
基自身が劣化し、記録材料の保存安定性に問題が生じて
いた。
【0003】この問題を解決する手段として、中性また
は弱塩基性の物質であって、必要とするときに塩基を生
成できる前駆体(塩基プレカーサー)を用いる方法が提
案されている。塩基プレカーサーとしては、カルボン酸
と有機塩基との塩が代表的でである。カルボン酸と有機
塩基との塩を加熱すると、カルボン酸のカルボキシルに
脱炭酸反応が起き、それにより有機塩基を生成する。塩
基プレカーサーには室温での保存中に分解せず、加熱時
に急激に分解して塩基を放出することが要求される。カ
ルボン酸と有機塩基との塩からなる塩基プレカーサーに
ついては、まず、カルボン酸側に着目して、脱炭酸反応
が起きやすいカルボン酸塩が提案されている。具体的な
カルボン酸塩としては、トリクロロ酢酸塩(英国特許9
98949号明細書記載)、プロピオール酸塩(特開昭
59−180537号公報記載)およびスルホニル酢酸
塩(特開昭61−51139号公報および米国特許40
60420号明細書記載)が提案されている。
【0004】別に、有機塩基側に着目して、特定の有機
塩基を用いた塩基プレカーサーも提案されている。例え
ば、トリアジン化合物のカルボン酸塩(米国特許349
3374号明細書記載)、二酸、三酸または四酸塩基で
あるアミジン類のカルボン酸塩(特開昭63−3167
60号公報記載)および二酸、三酸または四酸塩基であ
るグアニジン類のカルボン酸塩(特開昭64−6874
6号公報記載)が提案されている。後二者の二酸、三酸
または四酸塩基を用いた塩基プレカーサーは、保存安定
性が優れ、かつ温度が一定値以上になると急激に分解し
て塩基を放出する。すなわち、これらの二酸、三酸また
は四酸塩基のプレカーサーは、一般に要求されている条
件を満足する優れた塩基プレカーサーである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が、特開昭6
3−316760号および同64−68746号の各公
報に記載の二酸、三酸または四酸塩基のプレカーサーに
ついて研究したところ、若干の問題点があることが判明
した。二酸、三酸または四酸塩基は、分子サイズが大き
く、記録材料中での拡散が遅い。このため、迅速に塩基
を生成しても、それが実際に作用するまでに時間がかか
っていることが判明した。また、塩基が多価であると、
記録材料中の成分と反応(例えば、マイケル付加反応)
して、3次元架橋構造を有するポリマーが副産物として
生じる場合もあった。本発明の目的は、室温での保存中
に分解せず、加熱時に急激に分解して塩基を放出するこ
とができる新規な塩基プレカーサーを用いた塩基の生成
方法を提供することである。また、本発明の目的は、塩
基の生成速度に加えて、塩基の拡散速度も迅速である塩
基の生成方法を提供することである。さらに、本発明の
目的は、ポリマーのような副産物が生じる可能性がない
一酸塩基の生成方法を提供することでもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)の
塩基の生成方法を提供する。 (1)カルボン酸と有機塩基との塩からなる塩基プレカ
ーサーを加熱して、カルボン酸のカルボキシルを脱炭酸
反応させ、それにより有機塩基を生成する方法であっ
て、有機塩基が下記式(I)で表わされるビグアニド化
合物であることを特徴とする塩基の生成方法。
【0007】
【化4】
【0008】上記式(I)において、R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、複素環残基および−NR89 からなる群より選
ばれる一価の基であり、R8 およびR9 は、それぞれ水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基および複素環残基からなる群より選ばれる一価
の基であり、各基は一個以上の置換基を有していてもよ
く、そしてR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R
7 、R8 およびR9 から選ばれる任意の二個の基は、互
いに結合して五員または六員の含窒素複素環を形成して
もよい。
【0009】本発明は、下記(2)または(3)の態様
で実施することが好ましい。 (2)塩基プレカーサーを50乃至200℃で加熱する
(1)に記載の塩基の生成方法。
【0010】(3)カルボン酸が下記式(II)または
(III)で表わされる(1)に記載の塩基の生成方法。
【0011】
【化5】
【0012】上記式(II)において、R21およびR
22は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アリール基および複素環残基からなる群より選ばれる一
価の基であり、nは1または2であり、nが1である場
合は、Yはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基および複素環残基からなる群より選ばれる一
価の基であり、nが2である場合は、Yはアルキレン
基、アリーレン基および複素環残基からなる群より選ば
れる二価の基であり、そして各基は一個以上の置換基を
有していてもよい。
【0013】
【化6】
【0014】上記式(III)において、mは1または2で
あり、mが1である場合は、Zは水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環
残基およびカルボキシルからなる群より選ばれる一価の
基であり、mが2である場合は、Zはアルキレン基、ア
リーレン基および複素環残基からなる群より選ばれる二
価の基であり、そして各基は一個以上の置換基を有して
いてもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明に用いる塩基プレカーサーは、有
機塩基部分が一酸塩基であるビグアニド類であることを
特徴とする。ビグアニド類は、分子量が小さく、カルボ
ン酸とコンパクトな塩を形成する。このため、塩基プレ
カーサー(塩)の結晶は、全体として緻密な構造を有し
ている。このため、塩基プレカーサーは、室温で安定な
結晶構造になっている。また、一般にカルボン酸は、脱
炭酸を促進するためにアリール基のような疎水性基を有
している。そのような場合には、塩全体が疎水的な性質
を有するので、さらに結晶構造が安定化する。この塩基
プレカーサーを加熱すると、以上のような安定な結晶構
造が保たれている間はカルボキシルの脱炭酸反応は起こ
らず、結晶構造が崩壊すると共に急激に脱炭酸反応が進
行して、塩基が生成する。このため、本発明の方法によ
れば、室温での保存中に分解しない塩基プレカーサーを
用い、加熱時にそれを急激に分解して迅速に塩基を生成
することができる。
【0016】また、本発明に使用する塩基プレカーサー
の有機塩基部分は、分子量の小さい一酸塩基であるた
め、塩基の生成速度に加えて、塩基の拡散速度も迅速で
ある。さらに、本発明の方法では、一酸塩基を生成する
ため、ポリマーのような副産物が生じる可能性もない。
なお、本発明に用いる塩基プレカーサーの塩基部分は、
ジアゾ系感熱記録材料に添加できる塩基性物質(ビグア
ニジン化合物又はその酸性塩)として、特開昭59−1
06994号公報に記載がある。同公報の2頁右上欄に
は、下記一般式で表わされるビグアニジン化合物が開示
されている。
【0017】
【化7】
【0018】式中、R1 〜R6 は水素、アルキル、シク
ロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、芳香族基、又は
複素環基を表わす。また、同公報の2頁右下欄には、ビ
グアニジン化合物の酸性塩として、「硫酸、塩酸、炭
酸、リン酸等の無機酸性塩及びクエン酸、酒石酸、シュ
ウ酸等の有機酸性塩」が記載されている。本発明の方法
では、これらの酸性塩とは異なり、脱炭酸性のカルボキ
シルを有するカルボン酸との塩、すなわち塩基プレカー
サーを用いることによって、前述した予想外の効果を得
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
[塩基プレカーサー]本発明に用いる塩基プレカーサー
は、有機塩基が下記式(I)で表わされるビグアニド化
合物であることを特徴とする。
【0020】
【化8】
【0021】式(I)において、R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 、R6 およびR7 は、それぞれ水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複
素環残基および−NR89 からなる群より選ばれる一
価の基である。水素原子、アルキル基、アリール基、複
素環残基および−NR89 が好ましい。アルキル基の
炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃
至10であることがさらに好ましく、1乃至6であるこ
とが最も好ましい。アルキル基は、直鎖構造、環状構造
および分岐構造のいずれを有していてもよい。アルキル
基の例には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルおよびデカヒドロナフチル
が含まれる。アルキル基は、一個以上の置換基を有して
もよい。置換基の例としては、アリール基、アルコキシ
基(例、メトキシ)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原
子およびスルホンアミド基を挙げることができる。これ
らの置換基は、さらに置換されていてもよい。置換アル
キル基の例には、ベンジル、フェネチルおよび1−ヒド
ロキシ−1−シクロヘキシルが含まれる。
【0022】アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20
であることが好ましく、2乃至10であることがさらに
好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アルケ
ニル基は、直鎖構造、環状構造および分岐構造のいずれ
を有していてもよい。アルケニル基の例には、プロペニ
ルおよびイソプロペニルが含まれる。アルケニル基は、
一個以上の置換基を有してもよい。置換基の例として
は、アリール基、アルコキシ基(例、メトキシ)、ヒド
ロキシ、シアノ、ハロゲン原子およびスルホンアミド基
を挙げることができる。これらの置換基は、さらに置換
されていてもよい。置換アルケニル基の例には、スチリ
ルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至2
0であることが好ましく、2乃至10であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アル
キニル基の例には、エチニルが含まれる。アルキニル基
は、一個以上の置換基を有してもよい。置換基の例とし
ては、アリール基、アルコキシ基(例、メトキシ)、ヒ
ドロキシ、シアノ、ハロゲン原子およびスルホンアミド
基を挙げることができる。これらの置換基は、さらに置
換されていてもよい。置換アルキニル基の例には、フェ
ニルエチニルが含まれる。
【0023】アリール基の炭素原子数は、6乃至30で
あることが好ましく、6乃至20であることがさらに好
ましく、6乃至15であることが最も好ましい。アリー
ル基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。ア
リール基は、一個以上の置換基を有してもよい。置換基
の例としては、アルキル基(例、メチル、ブチル)、シ
アノ、ニトロ、アミノ、アミド基、スルホンアミド基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニ
ル基、ウレイド基、カルバモイル基、アシルオキシ基、
複素環残基、アルキルスルホニル基、カルボキシル、ス
ルファモイル基およびハロゲン原子を挙げることができ
る。これらの置換基は、さらに置換されていてもよい。
複素環残基は、五員または六員の複素環を有することが
好ましい。複素環中のヘテロ原子としては、窒素原子、
酸素原子または硫黄原子が好ましい。複素環の例には、
フラン環、チオフェン環、ピリジン環、キノリン環、チ
アゾール環が含まれる。複素環には他の複素環、脂肪族
環あるいは芳香族環が縮合していてもよい。縮合複素環
の例には、ベンゾチアゾール環が含まれる。複素環残基
は、一個以上の置換基を有していてもよい。置換基の例
としては、アルキル基(例、メチル、ブチル)、アリー
ル基、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド基、スルホンア
ミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシ
カルボニル基、ウレイド基、カルバモイル基、アシルオ
キシ基、複素環残基、アルキルスルホニル基、カルボキ
シル、スルファモイル基およびハロゲン原子を挙げるこ
とができる。これらの置換基は、さらに置換されていて
もよい。
【0024】−NR89 は、アミノまたは置換アミノ
基を意味する。R8 およびR9 は、それぞれ水素原子、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基
および複素環残基からなる群より選ばれる一価の基であ
る。各基の定義、例示および置換基については、上記R
1 〜R7 と同様である。R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 、R8 およびR9 から選ばれる任意の二
個の基は、互いに結合して五員または六員の含窒素複素
環を形成してもよい。複素環を形成するための連結基と
しては、アルキレン基が好ましい。ただし、ヘテロ原子
(例、酸素原子、窒素原子)が連結基中に存在していて
もよい。特に好ましい有機塩基を下記式(Ia)および
(Ib)に示す。
【0025】
【化9】
【0026】式(Ia)において、R11、R12、R13
よびR14は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール
基および複素環残基からなる群より選ばれる一価の基で
あり、各基は一個以上の置換基を有していてもよく、そ
してR11、R12、R13およびR14から選ばれる任意の二
個の基は、互いに結合して五員または六員の含窒素複素
環を形成してもよい。各基の定義、例示および置換基に
ついては、前述した式(I)のR1 〜R7 と同様であ
る。式(Ib)において、R16およびR17は、それぞれ
水素原子、アルキル基、アリール基および複素環残基か
らなる群より選ばれる一価の基であり、各基は一個以上
の置換基を有していてもよく、そしてR16およびR
17は、互いに結合して五員または六員の含窒素複素環を
形成してもよい。各基の定義、例示および置換基につい
ては、前述したR1 〜R7 と同様である。式(I)で表
わされるビグアニド化合物は、共鳴構造を有し、一酸塩
基として機能する。最も単純な化合物(R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 、R6 およびR7がいずれも水素原子)
の電離状態を例に、以下に共鳴構造を示す。
【0027】
【化10】
【0028】以下に有機塩基の具体例を挙げる。
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】
【化26】
【0045】
【化27】
【0046】
【化28】
【0047】
【化29】
【0048】
【化30】
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
【化34】
【0053】
【化35】
【0054】
【化36】
【0055】カルボン酸は、カルボキシル基が一定の加
熱温度において脱炭酸される性質を有する必要がある。
脱炭酸に要する加熱温度は、50乃至200℃であるこ
とが好ましく、70乃至170℃であることがさらに好
ましい。そのような性質を有するカルボン酸としては、
トリクロロ酢酸、スルホニル酢酸およびプロピオール酸
が知られている。なお、カルボン酸に芳香族基を導入す
ることにより、脱炭酸反応を促進することができる。下
記式(II)で表わされるスルホニル酢酸は、好ましく用
いられるカルボン酸である。
【0056】
【化37】
【0057】上記式(II)において、R21およびR
22は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、
アリール基および複素環残基からなる群より選ばれる一
価の基である。水素原子、アルキル基およびアリール基
が好ましく、水素原子が特に好ましい。アルキル基の炭
素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至
10であることがさらに好ましく、1乃至6であること
が最も好ましい。アルキル基は、直鎖構造、環状構造お
よび分岐構造のいずれを有していてもよい。アルキル基
の例には、メチル、エチル、ブチル、オクチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルおよびデカヒドロナフチルが
含まれる。アルキル基は、一個以上の置換基を有しても
よい。置換基の例としては、アリール基、アルコキシ基
(例、メトキシ)、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子およびスルホ
ンアミド基を挙げることができる。これらの置換基は、
さらに置換されていてもよい。置換アルキル基の例に
は、ベンジル、フェネチルおよび1−ヒドロキシ−1−
シクロヘキシルが含まれる。
【0058】アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20
であることが好ましく、2乃至10であることがさらに
好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。アルケ
ニル基は、直鎖構造、環状構造および分岐構造のいずれ
を有していてもよい。アルケニル基の例には、プロペニ
ルおよびイソプロペニルが含まれる。アルケニル基は、
一個以上の置換基を有してもよい。置換基の例として
は、アリール基、アルコキシ基(例、メトキシ)、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド基、
カルバモイル基、スルファモイル基、ヒドロキシ、シア
ノ、ハロゲン原子およびスルホンアミド基を挙げること
ができる。これらの置換基は、さらに置換されていても
よい。置換アルケニル基の例には、スチリルが含まれ
る。アリール基の炭素原子数は、6乃至30であること
が好ましく、6乃至20であることがさらに好ましく、
6乃至15であることが最も好ましい。アリール基の例
には、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール基
は、一個以上の置換基を有してもよい。置換基の例とし
ては、アルキル基(例、メチル、ブチル)、シアノ、ニ
トロ、アミノ、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、ウレイド
基、カルバモイル基、アシルオキシ基、複素環残基、ア
ルキルスルホニル基、カルボキシル、スルファモイル基
およびハロゲン原子を挙げることができる。これらの置
換基は、さらに置換されていてもよい。
【0059】複素環残基は、五員または六員の複素環を
有することが好ましい。複素環中のヘテロ原子として
は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。複
素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、
キノリン環、チアゾール環が含まれる。複素環には他の
複素環、脂肪族環あるいは芳香族環が縮合していてもよ
い。縮合複素環の例には、ベンゾチアゾール環が含まれ
る。複素環残基は、一個以上の置換基を有していてもよ
い。置換基の例としては、アルキル基(例、メチル、ブ
チル)、アリール基、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド基、ス
ルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルコキシカルボニル基、ウレイド基、カルバモイル基、
アシルオキシ基、複素環残基、アルキルスルホニル基、
カルボキシル、スルファモイル基およびハロゲン原子を
挙げることができる。これらの置換基は、さらに置換さ
れていてもよい。
【0060】式(II)において、nは1または2であ
る。nが1である場合は、Yはアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基および複素環残基からな
る群より選ばれる一価の基である。アリール基および複
素環残基が好ましく、アリール基が特に好ましい。アル
キニル基以外の各基の定義、例示および置換基について
は、上記R31およびR32と同様である。アルキニル基の
炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃
至10であることがさらに好ましく、2乃至6であるこ
とが最も好ましい。アルキニル基の例には、エチニルが
含まれる。アルキニル基は、一個以上の置換基を有して
もよい。置換基の例としては、アリール基、アルコキシ
基(例、メトキシ)、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子およびスル
ホンアミド基を挙げることができる。これらの置換基
は、さらに置換されていてもよい。置換アルキニル基の
例には、フェニルエチニルが含まれる。
【0061】nが2である場合は、Yはアルキレン基、
アリーレン基および複素環残基からなる群より選ばれる
二価の基である。アリーレン基および二価の複素環残基
が好ましく、アリーレン基が特に好ましい。アルキレン
基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、
1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6であ
ることが最も好ましい。アルキレン基は、直鎖構造、環
状構造および分岐構造のいずれを有していてもよい。ア
ルキレン基の例には、メチレンおよびプロピレンが含ま
れる。アルキレン基は、一個以上の置換基を有してもよ
い。置換基の例としては、アリール基、アルコキシ基
(例、メトキシ)、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子およびスルホ
ンアミド基を挙げることができる。これらの置換基は、
さらに置換されていてもよい。アリーレン基の炭素原子
数は、6乃至30であることが好ましく、6乃至20で
あることがさらに好ましく、6乃至15であることが最
も好ましい。アリーレン基の例には、フェニレンおよび
ナフチレンが含まれる。アリーレン基は、一個以上の置
換基を有してもよい。置換基の例としては、アルキル基
(例、メチル、ブチル)、シアノ、ニトロ、アミノ、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド
基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、ウレイド基、カルバモイ
ル基、アシルオキシ基、複素環残基、アルキルスルホニ
ル基、カルボキシル、スルファモイル基およびハロゲン
原子を挙げることができる。これらの置換基は、さらに
置換されていてもよい。
【0062】二価の複素環残基は、五員または六員の複
素環を有することが好ましい。複素環中のヘテロ原子と
しては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好まし
い。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピリジ
ン環、キノリン環、チアゾール環が含まれる。複素環に
は他の複素環、脂肪族環あるいは芳香族環が縮合してい
てもよい。縮合複素環の例には、ベンゾチアゾール環が
含まれる。複素環残基は、一個以上の置換基を有してい
てもよい。置換基の例としては、アルキル基(例、メチ
ル、ブチル)、アリール基、シアノ、ニトロ、アミノ、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミド
基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルコキシカルボニル基、ウレイド基、カルバモイ
ル基、アシルオキシ基、複素環残基、アルキルスルホニ
ル基、カルボキシル、スルファモイル基およびハロゲン
原子を挙げることができる。これらの置換基は、さらに
置換されていてもよい。
【0063】下記式(III)で表わされるプロピオール酸
も、好ましく用いられるカルボン酸である。
【0064】
【化38】
【0065】式(III)において、mは1または2であ
る。mが1である場合は、Zは水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環残基
およびカルボキシルからなる群より選ばれる一価の基で
ある。アリール基が特に好ましい。各基の定義、例示お
よび置換基については、前述した式(II)のR31、R32
およびYと同様である。mが2である場合は、Zはアル
キレン基、アリーレン基および複素環残基からなる群よ
り選ばれる二価の基である。アリーレン基が特に好まし
い。各基の定義、例示および置換基については、前述し
た式(II)のYと同様である。以下にカルボン酸の具体
例を挙げる。
【0066】
【化39】
【0067】
【化40】
【0068】
【化41】
【0069】
【化42】
【0070】
【化43】
【0071】
【化44】
【0072】
【化45】
【0073】
【化46】
【0074】
【化47】
【0075】
【化48】
【0076】
【化49】
【0077】
【化50】
【0078】
【化51】
【0079】
【化52】
【0080】
【化53】
【0081】
【化54】
【0082】
【化55】
【0083】
【化56】
【0084】
【化57】
【0085】
【化58】
【0086】
【化59】
【0087】
【化60】
【0088】
【化61】
【0089】本発明に用いる塩基プレカーサーは、以上
述べたようなカルボン酸と有機塩基との塩からなる。カ
ルボン酸と有機塩基の組み合わせについて特に制限はな
い。ただし、塩の融点(または分解温度)は50乃至2
00℃であることが好ましく、70乃至170℃である
ことがさらに好ましい。以下に本発明に用いることがで
きる塩基プレカーサーの具体例を示す。
【0090】
【化62】
【0091】
【化63】
【0092】
【化64】
【0093】
【化65】
【0094】
【化66】
【0095】
【化67】
【0096】
【化68】
【0097】
【化69】
【0098】
【化70】
【0099】
【化71】
【0100】
【化72】
【0101】
【化73】
【0102】
【化74】
【0103】
【化75】
【0104】
【化76】
【0105】
【化77】
【0106】
【化78】
【0107】
【化79】
【0108】
【化80】
【0109】
【化81】
【0110】
【化82】
【0111】
【化83】
【0112】
【化84】
【0113】
【化85】
【0114】
【化86】
【0115】
【化87】
【0116】
【化88】
【0117】
【化89】
【0118】
【化90】
【0119】
【化91】
【0120】
【化92】
【0121】
【化93】
【0122】
【化94】
【0123】
【化95】
【0124】
【化96】
【0125】
【化97】
【0126】
【化98】
【0127】
【化99】
【0128】
【化100】
【0129】
【化101】
【0130】
【化102】
【0131】
【化103】
【0132】
【化104】
【0133】
【化105】
【0134】
【化106】
【0135】
【化107】
【0136】
【化108】
【0137】
【化109】
【0138】有機塩基(ビグアニド化合物)の合成方法
は、公知文献(例えば、The Chemistry of Functional
Groups/The Chemistry of amidines and imidates (S.P
ataiand Z.Rappoport) Vol. 2, (1991), p488-494)に
記載の方法を参考にすることができる。以下に、塩基プ
レカーサー(6)および(10)の合成例を示す。他の
塩基プレカーサーも同様の方法で合成することができ
る。
【0139】[合成例1]イソプロピルアルコール70
ml中にジメチルチオ尿素4.2gおよびオクチルブロ
マイド8.5gを溶解した溶液を5時間加熱還流した。
別に、イソプロピルアルコール70ml中にグアニジン
炭酸塩3.6gを溶解した溶液に、28重量%ナトリウ
ムメトキシド溶液7.7gを加えて中和したのち、濾過
した。得られたグアニジン溶液を、前記の加熱還流した
溶液に加え、4時間さらに加熱還流した。反応液に酢酸
エチル500mlに滴下して生成物を再沈させ、塩基
(B−3)の臭酸塩5.0g(収率:59%)を得た。
次に、得られた塩基の臭酸塩3.2gを水酸化カリウム
1.0gのメタノール溶液で中和したのち、濾過により
得たフリーの塩基を、エタノール160ml中にカルボ
ン酸(A−7)5.1gを溶解した溶液に、60℃でゆ
っくり滴下した。滴下終了から2時間後、室温で攪拌し
て、濾別し、塩基プレカーサー(6)3.2g(収率:
46%)を得た。融点は、123.2℃(分解)であっ
た。
【0140】[合成例2]合成例1で用いたジメチルチ
オ尿素に代えてブチルチオ尿素を用いた以外は、合成例
1と同様にして、ブチルチオ尿素をオクチルブロマイド
と縮合した。合成例1と同様に処理して得られた臭酸塩
を、水酸化カリウムで中和して硫酸で塩を形成し、塩基
(B−7)の硫酸塩を収率53%で得た。ついで、合成
例1と同様にカルボン酸(A−7)と塩を形成すること
により、塩基プレカーサー(10)を収率58%で得
た。融点は、127.4℃(分解)であった。塩基(B
−3)の臭酸塩5.0g(収率:59%)を得た。
【0141】本発明の塩基の生成方法では、以上の塩基
プレカーサーを加熱して、カルボン酸のカルボキシル基
を脱炭酸反応させ、それにより有機塩基を生成する。加
熱温度は、前述したカルボキシル基の脱炭酸に要する温
度、すなわち50乃至200℃であることが好ましく、
70乃至170℃であることがさらに好ましい。本発明
の塩基の生成方法は、様々な技術分野に適用できる。塩
基プレカーサーを用いる技術の分野としては、熱現像用
感光材料や感熱材料のような記録材料の分野が代表的で
ある。さらに、アニオン重合性の接着剤、塗装の塗膜形
成剤、シーリング剤、コーキング剤やかびとり剤にも塩
基プレカーサーが用いられる。
【0142】銀塩写真法においては、現像すなわちハロ
ゲン化銀と現像主薬との酸化還元反応は、アルカリ性の
条件下で進行する。銀塩写真材料中に塩基プレカーサー
を添加し、露光後に本発明の方法に従い加熱することに
よってハロゲン化銀の現像を進行させることができる。
この場合、塩基プレカーサーは、乳化分散、固体分散、
マイクロカプセルあるいは別の層への添加により、写真
材料臭の他の成分から隔離することが望ましい。微粒子
状に塩基プレカーサーを固体分散する手段が最も容易で
好ましい。ジアゾ系記録材料においては、下記式に示す
ように、ジアゾニウム塩とカプラーとをアルカリ性の条
件下でカップリング反応させ、アゾ色素を形成する。
【0143】
【化110】
【0144】ジアゾ系記録材料を感光材料として用いる
場合は、画像露光により露光部のジアゾニウム塩を分解
して無色の化合物(ArXまたはArOH)を生成し、
次いで全面加熱することにより、未露光部に残るジアゾ
ニウム塩からアゾ色素を形成して画像を得る。ジアゾ系
記録材料を感熱材料として用いる場合は、画像加熱によ
り加熱部のジアゾニウム塩からアゾ色素を形成して画像
を得て、次いで全面露光することにより未加熱部に残る
ジアゾニウム塩を分解して無色の化合物として画像を定
着する。本発明に従い、ジアゾ系記録材料に塩基プレカ
ーサーを添加すると、迅速な画像形成が可能になり、さ
らに記録材料の保存安定性も改善することができる。ま
た、ロイコ色素、酸性顕色剤および塩基プレカーサーを
用いる消色型感熱記録材料にも、本発明を適用すること
ができる。この方法では、ロイコ色素と酸性顕色剤との
発色混合物を、塩基プレカーサーの加熱分解により生じ
た塩基で色を消して陰画を形成する。この消色型感熱記
録材料については、特開平6−219050号公報に記
載がある。
【0145】さらに、本発明の方法により生成した塩基
を、アニオン重合性モノマーの重合反応の塩基性触媒と
して利用することもできる。アニオン重合については、
接着剤、塗装剤、シーリング剤あるいはコーキング剤と
しての利用分野がある。以上のような商品に本発明を適
用すると、塩基プレカーサーを含む製品を使用時におい
て加熱することにより、塩基を生成することができる。
したがって、本発明を適用することによりこれらの製品
を、中性の安全かつ安定なものにすることができる。
【0146】
【実施例】
[実施例1]塩基プレカーサー(10)の粉末50gを
ダイノミル分散器を用いてポリビニルアルコール(PV
A−205、クラレ(株)製)の3重量%水溶液150
g中に分散した。塩基プレカーサーの粒子サイズは0.
5μm以下であった。得られた塩基プレカーサーの固体
分散物7.5gをポリビニルアルコール(PVA−10
5、クラレ(株)製)の10重量%水溶液100gに混
合して得た塗布液を、#20のワイヤーバーを用いて、
ポリエチレンテレフタレートフイルム上に塗布し、70
℃で20分間乾燥して、塩基プレカーサー(10)の塗
布試料を作成した。この試料を150℃に加熱した熱板
に密着させながら搬送し、30秒間加熱してから冷却
し、膜面のpHを測定した。さらに、加熱温度を100
℃、110℃、120℃、130℃、140℃に変更し
た場合についても同様に測定を行なった。以上の結果は
後述する第1表に示す。
【0147】[実施例2〜6および比較例1〜5]実施
例1で用いた塩基プレカーサー(10)を、下記第1表
に示す塩基プレカーサー(6)、(8)、(11)、
(22)、(23)に変更した以外は実施例1と同様に
試料を作成し、膜面pHを測定した。同様に、実施例1
で用いた塩基プレカーサー(10)を、下記の塩基プレ
カーサー(X−1)、(X−2)、(X−3)および下
記の塩基性物質(Y−1)および(Y−2)に変更した
以外は実施例1と同様に試料を作成し、膜面pHを測定
した。以上の結果を第1表に示す。
【0148】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 試料 添加 分解温 加熱温度(pH) 番号 物質 度(℃) 100℃ 110℃ 120℃ 130℃ 140℃ 150℃ ──────────────────────────────────── 実施例1 10 127.4 6.81 6.90 8.32 10.81 10.78 10.73 実施例2 6 123.2 6.84 6.79 8.23 10.58 10.60 10.55 実施例3 8 123.7 6.90 6.88 7.53 10.88 10.95 10.89 実施例4 11 123.1 6.92 6.89 9.02 10.77 10.59 10.65 実施例5 22 91.2 10.66 10.55 10.57 10.58 10.60 10.55 実施例6 23 95.5 9.58 10.69 10.63 10.58 10.49 10.53 ──────────────────────────────────── 比較例1 X-1 127.7 6.99 6.97 7.21 8.59 11.02 10.80 比較例2 X-2 95.2 8.01 8.98 9.58 10.04 10.43 10.68 比較例3 X-3 98.3 7.82 8.52 9.80 10.01 10.12 10.23 比較例4 Y-1 178.8* 6.82 6.84 6.95 6.97 7.03 7.11 比較例5 Y-2 192.5* 6.72 6.80 6.78 7.01 7.08 7.56 ──────────────────────────────────── 註(*):Y−1とY−2は分解しないため融点を示す。
【0149】
【化111】
【0150】
【化112】
【0151】
【化113】
【0152】
【化114】
【0153】
【化115】
【0154】第1表の結果は、添付の図1にグラフとし
ても示す。図1は、横軸を加熱温度(℃)、縦軸をpH
値とするグラフである。第1表および図1に示される結
果から明らかなように、本発明の塩基生成方法を用いる
と、塩基プレカーサーの分解点を越えた加熱温度におい
て速やかに塩基を放出し、膜面pHが上昇している。ま
た、分解温度も比較的低く、加熱時の熱分解性が優れて
いることがわかる。
【0155】[実施例7〜12および比較例6、7]実
施例1〜7および比較例2、3において作成した塗布試
料を、金属製の箱に入れて密閉し、グリセリン水溶液を
用いて75%の相対湿度を保ち、45℃にて、3日、7
日、そして14日保存した。保存後の試料を75℃に加
熱処理し、試料の膜面pHを測定した。結果を第2表に
示す。
【0156】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 試料 添加 分解温 保存日数(pH) 番号 物質 度(℃) 0日 3日 7日 14日 ──────────────────────────────────── 実施例7 10 127.4 6.83 6.86 6.82 6.92 実施例8 6 123.2 6.86 6.91 6.95 7.03 実施例9 8 123.7 6.87 6.90 7.02 7.12 実施例10 11 123.1 6.94 6.83 6.87 7.05 実施例11 22 91.2 6.79 6.82 7.14 7.23 実施例12 23 95.5 6.80 6.82 6.93 7.15 ──────────────────────────────────── 比較例6 X-2 95.2 6.86 8.21 9.43 9.89 比較例7 X-3 98.3 6.82 7.02 8.13 9.56 ────────────────────────────────────
【0157】第2表の結果は、添付の図2にグラフとし
ても示す。図2は、横軸を保存日数、縦軸をpH値とす
るグラフである。第2表および図2に示される結果から
明らかなように、本発明に用いる塩基プレカーサーは、
過酷な温湿条件下に保存しても塩基を放出することな
く、安定な塩の状態を保っている。
【0158】[応用例1]300mlの分散コンテナ中
に、ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ
(株)製)の3重量%水溶液105g、塩基プレカーサ
ー(10)45gおよび直径0.5〜0.75mmのガ
ラスビーズ150mlを加え、ダイノミル分散器を用い
て、3000rpmにて30分間分散した。これを2N
硫酸でpH6.5に調製し、粒径約1μmの塩基プレカ
ーサー(10)の固体分散物を得た。この分散液を水で
希釈し、塩基プレカーサーの10重量%分散液に調整し
た。この液を透明なポリエステルベース(厚み:65μ
m)上に、塗布液量が18g/m2 になるようにバー塗
布し、50℃で40分間乾燥した。別に、クリスタルバ
イオレットラクトン(発色剤)1gと下記の酸性顕色剤
2gとをトルエン17g中に加熱溶解し、得られた着色
液を塗布量が10g/m2になるように、上記塗布シー
ト上にオーバーコートし、自然乾燥した。
【0159】
【化116】
【0160】さらに、塗布層表面上にシリコーン液(信
越シリコーンFL−100、信越化学(株)製)を薄く
塗布し、消色型感熱記録材料を作成した。記録材料を、
画像加熱装置(富士サーマルイメージャーFTI−21
0、富士写真フイルム(株)製)に通したところ、鮮明
な陰画が得られた。また、この記録材料を45℃で3日
間保存したところ、地の部分の濃度の減少は認められな
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸を加熱温度(℃)、縦軸をpH値とする実
施例1〜6および比較例1〜5の結果を示すグラフであ
る。
【図2】横軸を保存日数、縦軸をpH値とする実施例7
〜12および比較例6、7の結果を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸と有機塩基との塩からなる塩
    基プレカーサーを加熱して、カルボン酸のカルボキシル
    基を脱炭酸反応させ、それにより有機塩基を生成する方
    法であって、有機塩基が下記式(I)で表わされるビグ
    アニド化合物であることを特徴とする塩基の生成方法。 【化1】 上記式(I)において、R1 、R2 、R3 、R4 、R
    5 、R6 およびR7 は、それぞれ水素原子、アルキル
    基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環
    残基および−NR89 からなる群より選ばれる一価の
    基であり、R8 およびR9 は、それぞれ水素原子、アル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およ
    び複素環残基からなる群より選ばれる一価の基であり、
    各基は一個以上の置換基を有していてもよく、そしてR
    1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 および
    9 から選ばれる任意の二個の基は、互いに結合して五
    員または六員の含窒素複素環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 塩基プレカーサーを50乃至200℃で
    加熱する請求項1に記載の塩基の生成方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸が下記式(II)または(III)
    で表わされる請求項1に記載の塩基の生成方法。 【化2】 上記式(II)において、R21およびR22は、それぞれ水
    素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基および
    複素環残基からなる群より選ばれる一価の基であり、n
    は1または2であり、nが1である場合は、Yはアルキ
    ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基および
    複素環残基からなる群より選ばれる一価の基であり、n
    が2である場合は、Yはアルキレン基、アリーレン基お
    よび複素環残基からなる群より選ばれる二価の基であ
    り、そして各基は一個以上の置換基を有していてもよ
    い。 【化3】 上記式(III)において、mは1または2であり、mが1
    である場合は、Zは水素原子、アルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基、複素環残基およびカル
    ボキシルからなる群より選ばれる一価の基であり、mが
    2である場合は、Zはアルキレン基、アリーレン基およ
    び複素環残基からなる群より選ばれる二価の基であり、
    そして各基は一個以上の置換基を有していてもよい。
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