JPH0645287Y2 - バニシング穴あけ工具 - Google Patents

バニシング穴あけ工具

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JPH0645287Y2
JPH0645287Y2 JP4172688U JP4172688U JPH0645287Y2 JP H0645287 Y2 JPH0645287 Y2 JP H0645287Y2 JP 4172688 U JP4172688 U JP 4172688U JP 4172688 U JP4172688 U JP 4172688U JP H0645287 Y2 JPH0645287 Y2 JP H0645287Y2
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JP
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shaft body
cutting edge
crown
reamer
groove
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JP4172688U
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義彦 瀧泉
顕寿 宮尾
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大見工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案はドリル等によりあけられた穴の内周面をより
精密に仕上げるためのリーマ、穴あけと同時に穴内周面
のバニシュ仕上げを行うバニシングドリル等のバニシン
グ穴あけ工具に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種のバニシング穴あけ工具として、例えば第
14図に示すようなリーマ31が知られている。
このリーマ31にはその中心軸線L方向に沿って延びるリ
ーマ溝32が設けられる共に、先端部には斜状に形成され
た食付き部33が設けられている。又、前記食付き部33に
はリーマ溝32に連続する縁部分に前記中心軸線Lを中心
にして放射状に延びる切刃34が設けられ、その切刃34に
連続するリーマ溝32の内側面がすくい面になっている。
そして、このリーマ31を使用して、予めドリルによりあ
けられた穴の内周面の仕上げを行う場合には、前記食付
き部33の切刃34にて穴内周面が切削されていた。
又、バニシングドリルとして、例えば軸本体の外周にド
リル溝及びリーマ溝を並列状に設けると共に、軸本体の
切削回転方向に対する前記リーマ溝の後方外周面に押圧
部を設け、更に軸本体の先端側に略円錐状の頭頂部を設
け、その頭頂部の前記ドリル溝に連続する端縁上に主切
刃を設けたものが知られている。そして、このドリルを
使用する場合には、頭頂部の頂点によりドリルの位置決
めを行うことができ、頭頂部の切削作用に基く穴あけと
共に押圧部の押圧作用に基き穴内周面のバニシ仕上げを
行うことができた。
[考案が解決しようとする課題] ところが、従前のリーマ31では、食付き部33の切刃34が
リーマ31の中心軸線Lを中心にして放射状に設けられて
いるので、食付き部33による切削の際には、前記切刃34
のすくい面に対し、切削抵抗のほとんど全てがリーマ31
の切削回転方向Xのトルクとして作用することになる。
このため、切削条件の違いによって、リーマ31に切削回
転方向Xのねじれが生じて食付き部33が歪んだり、食付
き部33に振れが生じたりして、所定の穴寸法や仕上げ面
粗さが得られないという虞れがあった。
又、従前のバニシングドリルでは、円錐状の頭頂部にお
いて、その主切刃の逃げ角を充分にとれないので切削時
の送り量が制限されていた。従って、穴あけを行うため
にドリルを回転させながらその頭頂部を被切削面に当接
させた場合に、頭頂部頂点付近の主切刃の食付きが悪く
なり、主切刃による切削速度が低下するという問題があ
った。
この考案は前述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、第1の目的は穴内面仕上用の食付き部分の切削抵抗
に基く歪みや振れを防止し得ると共に、穴内周面の鏡面
仕上げ可能にし得るバニシング穴あけ工具を提供するこ
とにあり、第2の目的は円錐状の頭頂部頂点付近におけ
る主切刃の食付きを向上して主切刃による切削速度を向
上し得るバニシング穴あけ工具を提供することにある。
[課題が解決するための手段] 前記第1の目的を達成するために第1の考案において
は、シャンクに連なる円柱状の軸本体の外周上に少なく
とも一対のリーマ溝を設けると共に、軸本体の切削回転
方向に対するリーマ溝後方の軸本体外周上にリーマ溝に
沿って延びる押圧部を設けたバニシング穴あけ工具であ
って、押圧部を含む軸本体の先端側外周上にリーマ溝内
に連続する食付き用段差部を形成し、その段差部におい
て軸本体の半径方向に沿って延びる面をすくい面として
同すくい面と軸本体の中心軸線とのなす角度を直角以下
の角度にすると共に、すくい面に切削回転方向へ向かっ
て傾斜するように前進角を設け、更にすくい面に連続す
る軸本体外周上に逃げ面を設けると共に、すくい面と軸
本体外周面との交差縁上に切刃を設けている。
又、前記第2の目的を達成するために第2の考案におい
ては、シャンクに連なる円柱状の軸本体の外周にドリル
溝及びリーマ溝を並列状に設けると共に、軸本体の切削
回転方向に対するリーマ溝の後方の軸本体外周上に押圧
部を設け、更に軸本体の先端側に略円錐状の頭頂部を設
け、その頭頂部のドリル溝に連続する端縁上に主切刃を
設けたバニシング穴あけ工具であって、主切刃を頭頂部
の頂点から軸本体の外周コーナまで連続して形成し、頭
頂部の中心付近の主切刃のなす先端角を頭頂部の外周付
近の主切刃のなす先端角よりも大きく設け、更に頭頂部
の中心付近の主切刃に逃げ面を設けている。
[作用] 従って、前記第1の考案では、シャンクを回転ボール盤
等のチャックに咬着し、そのボール盤により軸本体を切
削回転方向へ回転させながら内面仕上げを行う穴に嵌入
させることにより、まず食付き用段差部の切刃にて穴の
内周面が切削される。そして、切刃のすくい面には切削
回転方向へ向かう前進角が設けられると共に同すくい面
に連続する軸本体外周上には逃げ面が設けられているの
で、切削幅は不同になり、切刃のすくい面における切削
抵抗が軽減される。これにより、軸本体の切削回転方向
へのねじれや食付き用段差部の振れが防止される。
又、切刃にて切削された切削面は押圧部により強く押圧
される。このように、切刃にて切削された切削面の微少
な凹凸はその後に続く押圧工程を経て徐々に押し潰され
るので、その仕上げ面粗さが向上されて鏡面仕上げが行
われる。
又、前記第2の考案では、シャンクを回転ボール盤等の
チャックに咬着し、そのボール盤の動作に基き軸本体を
回転させながら頭頂部をワークに当接させることによ
り、まず頭頂部の中心付近の主切刃がワークに当接して
ワークが切削され、頭頂部の中心付近の主切刃に連続す
る外側面は逃げ面によりワークに当接することがないの
で、頭頂部中心付近の主切刃の食付きが向上される。そ
して、更に軸本体を前進させることにより、頭頂部の外
周付近の主切刃によりワークが切削されて軸本体の外径
に等しい穴があけられる。
又、頭頂部の穴あけに連続してその穴が押圧部に摺接に
より仕上げ加工される。
[第1実施例] 以下、前記第1の考案及び第2の考案をバニシングドリ
ルに具体化した第1実施例を第1図〜第9図に基いて詳
細に説明する。
さて、この実施例のバニシングドリルは穴あけと同時に
穴内周面のバニシュ仕上げを行うリーマであって、第4
図に示すように、シャンク1に連なる円柱状の軸本体2
の外周上には、断面略V字状をなす切削屑排出用の一対
のドリル溝3が軸本体2の中心軸線L方向に沿って略平
行に延びるように形成されている。又、両ドリル溝3の
間において軸本体2の外周上には、断面略V字状をなす
クーラント液供給用の複数(この場合2対)のリーマ溝
4がそれぞれドリル溝3に並列状に設けられている。
そして、軸本体2の切削回転方向Xに対するドリル溝3
の後方縁3a及び同切削回転方向Xに対するリーマ溝4の
後方縁4aにそれぞれ連続する軸本体2の外周上には、こ
のバニシングドリルによりあけられた穴の内周面を押圧
するための押圧部として第1のランド5及び第2のラン
ド6がそれぞれドリル溝3及びリーマ溝4に沿って延び
るように設けられている。
第1図〜第3図に示すように、軸本体2の先端側には略
円錐状の頭頂部7が設けられている。この頭頂部7の頂
点8は前記中心軸線L上に設定されて頭頂部7の中心に
配置されている。
前記頭頂部7において各ドリル溝3に連続する両端縁の
うち一方は斜状に面取りされてシンニング9が設けら
れ、同シンニング9に対向する他方の端縁上には、第1
の刃部10aと、第2の刃部10bと、第3の刃部10cとより
なる主切刃10が設けられている。
第3図に示すように、両ドリル溝3の端縁上に設けられ
た両主切刃10は頭頂部7の頂点8から軸本体2の外周コ
ーナ11まで連続して形成されると共に、頂点8を中心に
してそれぞれ点対称に配置されている。又、第1図に示
すように、頭頂部7の中心付近、即ち頂点8付近の主切
刃(第1の刃部)10aのなす先端角θ1は、頭頂部7の
中間付近の主切刃(第2の刃部)10bのなす先端角θ2
よりも大きく設けられている(この場合、θ1=160
度,θ2=120度)。又、前記先端角θ2は、頭頂部7
の外周付近、即ち外周コーナ11付近の主切刃(第3の刃
部)10cのなす先端角θ3よりも大きく設けられてい
る。そして、第3図に示すように、この場合の第1の刃
部10aの幅Wは軸本体2の外径の1/10の大きさに設定さ
れている。
軸本体2の切削回転方向Xに対する第1の刃部10aの後
方において頭頂部7の外側面上には第1の逃げ面12が設
けられている。そして、第2図に示すように、この第1
の逃げ面12のなす先端角θ4は第1の刃部10aのなす先
端角θ1よりも小さく設けられている(この場合、θ4
=150度)。又、第8図に拡大して示すように、第1の
刃部10a及び第2の刃部10bのなす角部10dと頂点8との
間において、中心軸線Lに直交する方向の第1の逃げ面
12の逃げ角は一定になっている。尚、先端角θ4は第1
の逃げ面12の強度を充分に確保しながら、140度前後ま
で小さくすることが可能で、先端角θ4を小さくするほ
ど、バニシングドリルの送りを速くすることができる。
又、前記切削回転方向Xに対する第2の刃部10bの後方
において頭頂部7の外側面上には第2の逃げ面13が設け
られている。
更に、前記切削回転方向Xに対する第3の刃部10cの後
方において、頭頂部7の外側面上には第3の逃げ面13a
が設けられている。
一方、各第1のランド5の先端側には、軸本体2の外径
よりも0.03〜0.04mmだけ凹ませた段差部14が形成されて
いる。この段差部14は中心軸線L方向に沿って所定の長
さを備えている。
又、各第2のランド6の先端部には食付き用段差部15が
形成されている。この段差部15の半径方向の凹み量は前
記段差部14のそれよりも大きく設けられている。
次に、前記食付き用段差部15について第5図〜第7図に
従って詳しく説明する。
この食付き用段差部15において、軸本体2の半径方向に
沿って延びる面がすくい面16になっている。第5図に示
すように、このすくい面16と軸本体2の中心軸線Lと平
行な軸線L1とのなす角度θ5は鋭角状に設けられてい
る。又、第6図に示すように、すくい面16には切削回転
方向Xへ向かって傾斜するように前進角θ6(この場
合、θ6=10度)が設けられている。
更に、すくい面16と軸本体2の外周面との交差縁上の一
部には切刃17が設けられている。又、第2のランド6の
先端部に沿って、切刃17に連続する第4の逃げ面18が設
けられ、同逃げ面18は第7図に示す逃げ角θ7を有して
いる。
次に、上記のように構成されたバニシングドリルの作用
を説明する。
さて、この実施例のバニシングドリルを使用してワーク
の穴あけを行うには、シャンク1を回転ボール盤(図示
略)等のチャックに咬着する。そして、ボール盤の動作
に基き軸本体2を切削回転方向Xに回転させながらその
頭頂部7をワークに当接させる。又、切削時の発熱を冷
却するために、穴あけ部分にクーラント液を供給する。
この時、まず頭頂部7の頂点8付近の第1の刃部10aが
ワークに当接して同刃部10aによりワークが切削され
る。そして、この実施例のバニシングドリルでは、第1
の刃部10aに連続する頭頂部7の外側面上に第1の逃げ
面12が設けられているので、第1の刃部10aの食付きを
良くすることができる。
このため、頭頂部7の頂点8付近の第1の刃部10aのワ
ークに対する食付きを更に向上することができる。そし
て、引き続いてバニシングドリルを前進させると、第2
の刃部10b及び第3の刃部10cにより穴が切削される。こ
の時、第3図の刃部10cの外周コーナ11の部分は段差部1
4により軸本体2の外径よりも僅かに小さいので、その
部分の削りしろを残して、軸本体2の外径よりも小さい
穴があけられることになる。
続いて、更にバニシングドリルを前進させると、頭頂部
7の主切刃10による穴あけに連続してその穴内周面に食
付き用段差部15が摺接して、切刃17により穴内周面の前
記削りしろ部分が切削される。
この時、前記削りしろ部分の内壁に、主切刃10に沿って
付着した切削屑が接触して傷が付いていたとしても、主
切刃10の後方に連続する食付き用段差部15の切刃17によ
り前記削りしろ部分を削り取ることになり、穴内周面の
傷を取り除くことができる。
そして、切刃17のすくい面16には切削回転方向Xに向か
う左ねじれの前進角θ6及び逃げ角θ7が設けられてい
るので、切削幅は不同になり、切刃17のすくい面16にお
ける切削抵抗が軽減される。この結果、食付き用段差部
15における切削を正確にして所定の穴寸法や仕上げ面粗
さを得ることができる。
又、前記切刃17にて切削された切削面上の微少な凹凸
は、切刃17の切削に連続して摺接する第1及び第2のラ
ンド5,6の協働に基き強く押圧される。
このように、頭頂部7の主切刃10によりあけられた穴の
内周面は切刃17により切削と、第1及び第2のランド5,
6による強い押圧との2段階の工程を経て徐々に押し潰
されるので、その仕上げ面粗さを更に向上させることが
できる。この結果、穴内周面を鏡面状に仕上げることが
できる。
又、この実施例のバニシングドリルでは、前記主切刃10
にて切削された切削屑はドリル溝3を介して穴の外に排
出され、供給されるクーラント液はリーマ溝4を介して
穴内に供給された後、切削屑と共にドリル溝3から排出
される。そして、食付き用段差部15の切刃17にて切削さ
れた切削屑は、リーマ溝4の先端側から流入するクーラ
ント液と共にすくい面16の斜面に沿ってリーマ溝4の後
方へ送られてドリル溝3内へ送ることができる。
従って、食付き用段差部15に対して隣接するリーマ溝4
内には切削屑が入ることがなく、よって切削屑によりリ
ーマ溝4内のクーラント液の流れが妨げられることがな
い。又、第1及び第2のランド5,6による穴内周面の押
圧時に、それらランド5,6の部分に切削屑が付いて、穴
内周面に傷が付くことはない。
又、この実施例では、頭頂部7の頂点8付近の第1の刃
部10aに第1の逃げ面12を設けると共に、第1の刃部10a
のなす先端角θ1を頭頂部7の外周付近の第2の刃部10
bのなす先端角θ2よりも大きくして、頂点8付近の主
切刃10のワークに対する食付きをよくしているので、頭
頂部7の主切刃10による穴あけ速度を向上することがで
きる。
実際の穴あけデータに基いて説明すると、従来例のドリ
ルを使用して実用上問題のない穴あけ精度を維持しなが
ら穴あけを行った場合に、ドリル1回転当たりに対応す
るドリルの送り量の上限はせいぜい0.1mmであった。
これに対し、この実施例のバニシングドリルを使用して
穴あけを行った場合には、ドリル1回転当たりに対応す
るドリルの送り量を0.35mmにすることができた。即ち、
この実施例のバニシングドリルを使用して穴あけを行っ
た場合に、従来例のドリルの約3.5倍もの送り速さを確
保して高精度の穴あけを行うことができる。この高速送
りの実現は、第9図に示すように軸本体2の中心におけ
るスラストの軽減によるものである(第9図の2点鎖線
は従来のドリルのスラストを示してる)。よって、穴あ
けと共に穴内周面のバニシュ仕上げを行うドリルとし
て、高速度の穴あけを行うことができる実用的なバニシ
ングドリルを提供することができる。
尚、この実施例のドリルは上記のように高速度の穴あけ
を行うことができるので、通常の穴あけドリルとして使
用しても良く、通常の穴あけドリルよりも高速度の穴あ
けを行うことができる。
又、この実施例のバニシングドリルでは、頭頂部7の頂
点8により穴あけの位置決めを容易に行うことができ、
予め位置決め用の案内穴を設ける等の面倒な作業を行う
必要がない。
[第2実施例] 次に、前記第1の考案を超硬リーマに具体化した第2実
施例を第10図に従って説明する。尚、以下の各実施例に
おいて、前記第1実施例と同様の部材については同様の
符号を付して説明を省略する。
この実施例の超硬リーマはその軸本体20の先端部に略平
坦な端面20aを備え、軸本体20の外周上にはねじれを有
する切削屑排出用の一対のリーマ溝21a及び2対のリー
マ溝21bが形成されている。又、軸本体20の中心軸線L
上にはクーラント液供給用透孔22が設けられている。
そして、軸本体20の切削回転方向Xに対する各リーマ溝
21a,21bの後方にそれぞれ連続する軸本体20の外周上に
は、ドリル等により予めあけられた穴の内周面を押圧す
るための押圧部としての第1のランド23及び第2のラン
ド24がそれぞれリーマ溝21a,21bに沿って設けられてい
る。又、軸本体20の端面20aにおいて、前記リーマ溝21a
に連続する端縁上には主切刃(図示略)が設けられ、第
1のランド23の先端の角部23aが前記主切刃の外周コー
ナになっている。
一方、第1のランド23の先端側には、軸本体20の外径よ
りも0.03〜0.04mmだけ凹ませた段差部14が形成されてい
る。又、各第2のランド24の先端側には食付き用段差部
15が形成されている。この段差部15の半径方向の凹み量
は前記段差部14のそれよりも大きく設けられている。
食付き用段差部15において、すくい面16と中心軸線Lと
平行な軸線L1とのなす角度θ5は略直角状に設けられて
いる。又、すくい面16には前進角θ6(この場合、θ6
=30度)が設けられている。
更に、すくい面16と軸本体20の外周面との交差縁上には
切刃17が設けられている。又、第2のランド24の先端部
には、切刃17に連続する第4の逃げ面18が設けられてい
る。
従って、この実施例の超硬リーマを使用するには、ドリ
ル等により予めあけられた穴に軸本体20の先端部を嵌入
させると共に、クーラント液供給用透孔22を介して穴あ
け部分にクーラント液を供給する。
この時、まず軸本体20の端面20aに設けられた主切刃に
より、段差部14の部分の削りしろを残して穴内周面が切
削される。
続いて、その切削面に残された削りしろが食付き用段差
部15の切刃17により切削される。
この時、前記削りしろ部分の内壁に、前記主切刃に沿っ
て付着した切削屑の接触により傷が付いていたとして
も、主切刃の後方に連続する食付き用段差部15の切刃17
により前記削りしろ部分を削り取ることができ、穴内周
面の傷を取り除くことができる。
そして、切刃17のすくい面16には切削回転方向Xに向か
う前進角θ6が設けられ、切刃17に連続する第4の逃げ
面18が設けられているので、切削幅は不同になり切刃17
のすくい面16における切削抵抗が軽減される。これによ
り、軸本体20の切削回転方向Xへのねじれを防止して食
付き用段差部15の部分の歪みを防止することができると
共に、振れを防止することができる。この結果、食付き
用段差部15における切削を正確にして所定の穴寸法や仕
上げ面粗さを得ることができる。
このように、ドリルにより予めあけられた穴の内周面は
切刃17による切削と、第1及び第2のランド23,24によ
る強い押圧との2段階の工程を経て徐々に押し潰される
ので、その仕上げ面粗さを更に向上させることができ
る。この結果、穴内周面を鏡面状に仕上げることができ
る。
又、この実施例の超硬リーマでは、前記主切刃にて切削
された切削屑はリーマ溝21aを介して穴の外に排出さ
れ、食付き用段差部15の切刃17にて切削された切削屑は
すくい面16に沿ってその後方のリーマ溝21a,21b内に送
られ、同溝21a,21bを介して穴の外に排出される。これ
と同時に、透孔22から供給されるクーラント液は各リー
マ溝21a,21bを介して切削屑と共に排出される。
尚、前記第1の考案及び第2の考案は前記各実施例に限
定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲に
おいて構成の一部を適宜に変更して次のように実施する
こともできる。
(1)第1の考案を具体化した別の実施例として、第11
図に示すように、軸本体2においてその頭頂部7を略平
坦状に形成したドリルに適用してもよい。
(2)第1の考案を具体化した別の実施例として、第12
図に示すように、軸本体2の中心軸線に沿って平行な切
削屑排出用のドリル溝3及びクーラント液供給用のリー
マ溝4をそれぞれ一対ずつ設けたリーマに適用してもよ
い。
(3)第1の考案を具体化した別の実施例として、第13
図に示すように、軸本体2の中心軸線に沿って平行な切
削屑排出用のリーマ溝4を設け、軸本体2の外周部25を
クーラント供給用の通路にしたリーマに適用してもよ
い。
(4)前記第2実施例の軸本体20上のリーマ溝21a,21b
とは逆方向のねじれを有するリーマ溝を備えたリーマに
適用してもよい。
(5)前記第2実施例の軸本体20において第1及び第2
のランド23,24の全ての先端側に食付き用段差部15を設
けてもよい。
(6)第1の考案を具体化した別の実施例として、軸本
体2,20上に3本のランド5,23及び3本のランド6,24を交
互に設けたリーマに適用してもよい。
(7)第2の考案を具体化した別の実施例として、前記
第1実施例における先端角θ1,θ2,θ3をそれぞれ増減
して設定してもよい。
(8)第2の考案を具体化した別の実施例として、前記
第1実施例における第1の刃部10aの幅Wの大きさを増
減して設定してもよい。
[考案の効果] 以上詳述したように、第1の考案によれば、穴内面仕上
用の食付き部分における切削抵抗を軽減して食付き部部
の歪みや振れを防止しすることができ、穴寸法や仕上げ
面粗さを向上することができると共に、穴内周面を鏡面
状に仕上げることができるという優れた効果を発揮す
る。又、第2の考案によれば、頭頂部中心付近における
主切刃の食付きを向上することができると共に、その主
切刃による切削速度を向上することができ、高精度の穴
あけを高速度で行うことができるという優れた効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第9図は第1の考案及び第2の考案を具体化し
た第1実施例を示す図面であって、第1図は軸本体先端
の部分破断正面図、第2図は第1図の左側図面、第3図
は頭頂部の平面図、第4図は軸本体の正面図、第5図〜
第7図は食付き用段差部の拡大部分破断図、第8図は頭
頂部の拡大部分破断図、第9図は頭頂部のスラスト分布
を説明するための図である。第10図及び第11図は別の実
施例を示す軸本体先端の部分破断正面図、第12図及び第
13図は同じく別の実施例を示す軸本体先端の平面図であ
る。第14図は従来例を示す部分破断正面図である。 1……シャンク、2,20……軸本体、3……ドリル溝、4,
21a,21b……リーマ溝、23……第1のランド、6,24……
第2のランド(6及び23,24は押圧部を構成してい
る)、7……頭頂部、8……頂点、10……主切刃、10a
……第1の刃部、10b……第2の刃部、11……外周コー
ナ、12……第1の逃げ面、15……食付き用段差部、16…
…すくい面、17……切刃、18……第4の逃げ面、L……
中心軸線、X……切削回転方向、θ1,θ2……先端角、
θ5……角度、θ6……前進角。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャンク(1)に連なる円柱状の軸本体
    (2)(20)の外周上に少なくとも一対のリーマ溝
    (4)(21a,21b)を設けると共に、前記軸本体(2)
    (20)の切削回転方向(X)に対する前記リーマ溝
    (4)(21a,21b)後方の軸本体(2)(20)外周上に
    リーマ溝(4)(21a,21b)に沿って延びる押圧部
    (6)(23,24)を設けたバニシング穴あけ工具であっ
    て、 前記押圧部(6)(23,24)を含む前記軸本体(2)(2
    0)の先端側外周上に前記リーマ溝(4)(21a,21b)内
    に連続する食付き用段差部(15)を形成し、その段差部
    (15)において前記軸本体(2)(20)の半径方向に沿
    って延びる面をすくい面(16)として同すくい面(16)
    と軸本体(2)(20)の中心軸線(L)とのなす角度
    (θ5)を直角以下の角度にすると共に、すくい面(1
    6)に前記切削回転方向(X)へ向かって傾斜するよう
    に前進角(θ6)を設け、更に前記すくい面(16)に連
    続する軸本体(2)(20)外周上に逃げ面(18)を設け
    ると共に、すくい面(16)と軸本体(2)(20)外周面
    との交差縁上に切刃(17)を設けたことを特徴とするバ
    ニシング穴あけ工具。
  2. 【請求項2】シャンク(1)に連なる円柱状の軸本体
    (2)の外周にドリル溝(3)及びリーマ溝(4)を並
    列状に設けると共に、前記軸本体(2)の切削回転方向
    (X)に対する前記リーマ溝(4)の後方の軸本体
    (2)外周上に押圧部(6)を設け、更に前記軸本体
    (2)の先端側に略円錐状の頭頂部(7)を設け、その
    頭頂部(7)の前記ドリル溝(3)に連続する端縁上に
    主切刃(10)を設けたバニシング穴あけ工具であって、 前記主切刃(10)を前記頭頂部(7)の頂点(8)から
    軸本体(2)の外周コーナ(11)まで連続して形成し、
    前記頭頂部(7)の中心付近の主切刃(10a)のなす先
    端角(θ1)を頭頂部(7)の外周付近の主切刃(10
    b)のなす先端角(θ2)よりも大きく設け、更に前記
    頭頂部(7)の中心付近の主切刃(10a)に逃げ面(1
    2)を設けたことを特徴とするバニシング穴あけ工具。
JP4172688U 1987-08-22 1988-03-29 バニシング穴あけ工具 Expired - Lifetime JPH0645287Y2 (ja)

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