JPH0644834U - パネル取り付け用金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネルを建築物の躯体に金具で取り付ける場
合に、溶接の必要がなく手数が掛からない取り付け金具
を提供する。 【構成】 鉄板を段状に折り曲げた金具の一方の面をパ
ネルに螺着し、他方の面とパネル面とで躯体の一部を狭
持するパネル取り付け用金具の、前記他方の面に突起を
設け、この突起を躯体側に設けた窪み又は孔に嵌合させ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はＡＬＣパネル等を建築物の外壁や床として躯体に取り付けるための 金具の形状に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ＡＬＣパネルなどを建築物の躯体に取り付ける場合には、種々な工法が 使用されている。代表的な例としては、図６（Ａ）の縦断面図に示すように上下 に連設した縦壁の取り付け構造に示すように、鉄骨梁１の水平な上フランジ２の 上面に沿って上向き定規アングル３を固着し、この定規アングル３から外方に自 重受金具５を突出させ、上段パネル４ａの下端部を支承させると共に両側面の溝 ６に鉄筋７を配設し、その下端を前記自重受金具５に溶接してから目地溝６にモ ルタルを充填する。また上フランジ２の下面に下向き定規アングル８を固着し、 下段パネル４の上端部近辺にボルト９で螺着したイナヅマプレート１０とパネル ４とで定規アングル８を挟持している。

【０００３】 また横壁の取り付け構造の例としては図６（Ｂ）の横断面図に示すように、柱 １１の外側に垂直な定規アングル１２を固着し、パネル４の長手方向両端部近辺 にボルト９で螺着したイナヅマプレート１０とパネル４とで定規アングル１２を 挟持させ点溶接している。これらの取り付け構造に共通して使用されているイナ ヅマプレートは鉄板を段状に折り曲げ、断面がイナヅマ型をなし、一方の面には この金具をパネルに取付けるためのボルトや釘を挿通するための透穴が穿孔され ている。

【０００４】 ところで、図６（Ａ）の例ではイナヅマプレート１０の締着作業は梁１とパネ ル４の狭い場所で作業しなくてはならないので、作業性が悪い問題があり、図６ （Ｂ）ではイナヅマプレート１０を取り付けてからアングル１２に溶接しなけれ ばならないので手数がかかる問題があった。また耐震構造とするために、パネル 上端部を躯体に対して若干スライド又はロッキングさせる構造ではイナヅマプレ ートがずれないように、イナヅマプレートを釘でパネルに固定する必要があった 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は前記の問題を解消し、取り付けに手数が掛からない取り付け金具を 提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

鉄板を段状に折り曲げた金具の一方の面をパネルに螺着し、他方の面とパネル 面の空隙部で躯体の一部を挟持するパネル取り付け用金具において、該金具の前 記他方の面に突起を設け、躯体側に設けた窪みまたは孔に嵌合させるようにした 。金具の突起の形状は半球形、円錘形、円柱形、角柱形などで中空、中実または 上面開口のいずれでもよい。

【０００７】

【作用】

本考案の金具の突起と躯体取り付け部の窪みまたは孔の形状や数を目的に応じ て適宜選定することにより、両者を嵌合させれば溶接が不要になるし、予めパネ ルに締着しておけば狭い場所での締着作業も不要となる。また、両者を遊嵌させ れば耐震構造にすることもできる。更に縦壁や横壁、床の取り付けなど従来イナ ヅマプレートを使用していた箇所で使用することができる。

【０００８】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面によって詳細に説明する。図１は本考案の金具の 斜視図であり図２（Ａ）〜（Ｄ）は種々な突起を有する本考案の金具の断面形状 を示す図である。図３〜５はそれぞれこの金具を使用してパネルを縦壁、横壁、 床として躯体に取り付けた例を示す。考案の金具１５は鉄板を段状に折り曲げ、 断面がイナヅマ型をなし、一方の面にボルトを挿通するための長孔１５ａが穿孔 されており、他方の面には図１の例では図２（Ａ）の断面図に示すように半球形 の突起１５ｂが突設されている。この金具の突起１５ｂは半球形をしているので 、金具を予めパネルに締着してから金具とパネルの間に定規アングルを差し込み 、突起を定規アングルの孔に嵌合することができる。図２（Ｂ）の突起１５ｃは 中空な円柱状をなし、図２（Ｃ）の突起１５ｄは中実な円柱を埋設した例である 。図２（Ｄ）の突起１５ｅは中空な円柱にプレス後中実な円柱を嵌合した例であ り、躯体との必要な結合強度に応じて適宜選定すればよい。また、これらの例で は突起は１個であるが、必要に応じて２個以上設けてもよい。

【０００９】 図３はこの金具１５を使用してパネル４を梁１に固着した定規アングル３，８ に取り付け、縦壁を形成した例である。上段パネル４ａの下端部は水平な梁１の 上面フランジ２に固着した上向き定規アングル３の外方に突出した自重受金具５ に担持されている。また図１の金具１５はパネル４ａに埋設されたナットにボル ト９で螺着されており、金具１５の突起１５ｂが前記上向き定規アングル３に所 定間隔で穿設されている孔３ａに嵌合されている。また下段パネル４の上端部近 辺に金具１５がパネル４に埋設されたナット１３にボルト９で螺着されており、 金具１５の突起１５ｃが梁１の下フランジ２ａに固着した下向き定規アングル８ に所定間隔で穿設されている孔８ａに嵌合されている。この場合金具１５の孔１ ５ａが長孔になっており、定規アングル３，８の孔３ａ，８ａも突起１５ｂより もやや大きい寸法になっておれば取り付け作業は容易となる。

【００１０】 図４は金具１５を使用し、柱１１に固着された２本の垂直定規アングル１２に パネル４を取り付けて横壁を形成した例である。パネル４の長手方向両端部近辺 に金具１５がパネル４に埋設されたナット１３にボルト９で螺着されており、図 ２（Ｃ）の金具１５の突起１５ｄが垂直定規アングル１２に所定間隔で穿設され ている孔１２ａに嵌合されている。

【００１１】 図５は図２（Ｄ）の金具１５を使用し、水平な梁１の上フランジ２にパネル４ を取り付けて床を形成した例である。パネル４の長手方向両端部近辺に金具１５ がパネル４に埋設されたナット１３にボルト９で螺着されており、金具１５の突 起１５ｅが上フランジ２に所定間隔で穿設されている孔２ａに嵌合されている。

【００１２】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案の金具の突起と、躯体取り付け部の窪みま たは孔の形状や数を目的に応じて適宜選択することにより、両者を嵌合させれば 溶接が不要になるし、予めパネルに締着しておけば狭い場所での締着作業も不要 となるので、作業能率と安全性を向上させることができる。また、両者を遊嵌さ せれば耐震構造にすることもできるなど勝れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の金具の斜視図である。

【図２】（Ａ）〜（Ｄ）は種々な突起を有する本考案の
金具の断面形状を示す図である。

【図３】本考案の金具を使用した縦壁の取り付け構造を
示す図である。

【図４】本考案の金具を使用した縦壁取り付け構造を示
す図である。

【図５】本考案の金具を使用した床パネルの取り付け構
造を示す図である。

【図６】（Ａ）（Ｂ）は夫々従来の金具を使用した縦壁
及び横壁の取り付け構造を示す図である。

【符号の説明】

１ 梁 ３，８，１２ 定規アングル ９ ボルト １０ イナヅマプレート １１ 柱 １３ ナット １５ 金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄板を段状に折り曲げた金具の一方の面
   をパネルに螺着し、他方の面とパネル面の空隙部で躯体
   に固着された定規アングルや躯体の一部を挟持するパネ
   ル取り付け用金具において、該金具の前記他方の面には
   躯体に設けた窪みまたは孔に嵌合可能な突起が設けられ
   ていることを特徴とするパネル取り付け用金具。