JPH0643466B2 - ポリイソシアネ−ト樹脂 - Google Patents

ポリイソシアネ−ト樹脂

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JPH0643466B2
JPH0643466B2 JP11731285A JP11731285A JPH0643466B2 JP H0643466 B2 JPH0643466 B2 JP H0643466B2 JP 11731285 A JP11731285 A JP 11731285A JP 11731285 A JP11731285 A JP 11731285A JP H0643466 B2 JPH0643466 B2 JP H0643466B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なポリイソシアネート樹脂およびその製
造法に関する。
[従来技術] 従来、主鎖が炭素−炭素結合からなり、イソシアネート
基(−NCO)を有するポリイソシアネート樹脂は、公
知である(例、特開昭56−118409号)。しかし
ながら、上記イソシアネート基と共にアシルイソシアネ
ート基(−CO−NCO)を同一分子中に有する樹脂
は、未だ開発、提供されていない。
[発明完成の経緯] 本出願人は、式: [式中、RはHまたは低級アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル)を示す。] で表わされるアルケノイルイソシアネートの合成に成功
し、すでに特許出願中である。α−アルキルアクリロイ
ルイソシアネート(R:低級アルキル基)は、α−アル
キルアクリルアミドとオキザリルハライドを反応させる
新規合成法により得られる化合物であり(特開昭58−
225226号)、RがHであるアクリロイルイソシア
ネートは、アクリルアミドとオキザリルハライドを反応
させて得られるβ−ハロプロピオニルイソシアネートか
ら脱ハロゲン化水素により得られる化合物である(特願
昭59−241876号)。
このアルケノイルイソシアネート[I]は、一般に常温
で液体であって、取り扱いが容易である一方、その分子
中に重合性の炭素−炭素不飽和基とイソシアネート基を
有するのみならず、これら両官能基間にそれらに隣接し
てカルボニル基が存在するため、炭素−炭素不飽和基の
活性が高められていると共に、イソシアネート基の活性
も高められており、且つ多様な付加反応を営み得る状態
にある。即ち、アルケノイルイソシアネート[I]は次
式のA部分(共役二重結合)とB部分(アシルイソシア
ネート基)のそれぞれに基づく種々の反応(例、ラジカ
ル重合、アニオン重合、二量化、三量化、極性付加、活
性水素の付加)を営むことができる: 特に上記A部分の炭素−炭素不飽和基の性質を利用すれ
ば、容易にその重合体を得ることができ、しかもその重
合鎖にペンダント状に結合するB部分のアシルイソシア
ネート基は、イソシアネート基に比べて約104倍以上
もの高い反応性を示す。従って、このアシルイソシアネ
ート基とイソシアネート基を同一分子中に保持せしめる
と、かかる形態の樹脂は、両官能基の反応性の差異、ま
たアシルイソシアネート基の高反応性に基づいて、その
使用を大きく展開し得ることが見出され、本発明が完成
されるに至った。
[発明の目的] 本発明の目的は、アシルイソシアネート基とイソシアネ
ート基を同時に有する、主鎖が炭素−炭素結合である新
規な高分子体を提供することにある。また、かかる高分
子体の製造法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明によれば、 (1).式: 式: [式中、RおよびR′はHまたは低級アルキル基R1
アルキル基を示す。] および式 [式中、P、Q、YおよびZはそれぞれ独立に水素また
は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数10以下のアリー
ル基、炭素数10以下のアラルキル基、シアノ基、炭素
数6以下のアルキルカルボニルオキシ基および−COO
Ra(Raは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数10
以下のシクロアルキル基、炭素数10以下のアリール
基、炭素数10以下のアラルキル基、グリシジル基また
は炭素数1〜6のモノ−またはジ−アルキルアミノ基)
を示す。] で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
(A)の繰り返し単位がm個(但し、mは正の整数)、式
(B)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(C)
の繰り返し単位がw個(wは0または正の整数)存在
し、かつ式(A)中アシルイソシアネート基が5〜30重
量%、式(B)中のイソシアネート基が5〜30重量%の
割合で結合した分子量3,000〜100,000の高分子
体、および、 (2)式: [式中、Rは前記と同意義] で表されるアルケノイルイソシアネートと、 式: [式中、R′およびR1は前記と同意義。] で表されるイソシアネートアルキル(メタ)アクリレー
トと 式: [式中、P、Q、YおよびZは前記と同意義。]で表さ
れる活性水素を有しないエチレン系不飽和モノマーとを
重合することを特徴とする 式: 式: および で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
(A)の繰り返し単位がm個(但し、mは正の整数)、式
(B)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(C)
の繰り返し単位がw個(wは0または正の整数)存在
し、かつ式(A)中のアシルアソシアネート基が5〜30
重量%、式(B)中のイソシアネート基が5〜30重量%
の割合で結合した分子量3,000〜100,000の高分
子体の製法、が提供される。
アルケノイルイソシアネート[I] Rが低級アルキル基であるα−アルキルアクリロイルイ
ソシアネートは、上記特許出願の明細書に記載の如く、
α−アルキルアクリルアミド(例、メタクリルアミド)
とオキザリルハライド(例、オキザリルクロライド)を
10〜0.1:1、好ましくは1.5〜0.7:1のモル比にお
いて不活性溶媒、好ましくはハロゲン化炭化水素系溶媒
の存在下、−10〜+150℃、好ましくは0〜80℃
の温度で反応させることにより得られる。反応混合物か
らα−アルキルアクリロイルイソシアネートを単離する
場合には、通常の方法(例、蒸留、減圧蒸留)によって
実施すればよい。
また、RがHであるアクリロイルイソシアネートは、上
記特許出願の明細書に記載の通りにして得られる。すな
わち、アクリルアミドと上記オキザリルハライド(特に
オキザリルクロライド)を10〜0.1:1、好ましくは
1.5〜0.7:1のモル比において通常は溶媒の不存在下、
好ましくは不活性溶媒(特にハロゲン化炭化水素系溶
媒)の存在下、−50〜+150℃、好ましくは−30
〜+100℃の温度で反応させて、β−ハロプロピオニ
ルイソシアネートを主成績体とする反応混合物を得る。
この反応混合物を通常の単離方法(例、蒸留、減圧蒸
留)に付して、β−ハロプロピオニルイソシアネートを
得、次いでこれを不活性溶媒の存在または不存在下、脱
ハロゲン化水素剤で該イソシアネート1モルに対して0.
1〜100、好ましくは0.1〜10のモル比において−5
0〜+200℃、好ましくは0〜150℃の温度で処理
することにより、目的とするアクリロイルイソシアネー
トが得られる。なお、反応混合物からアクリロイルイソ
シアネートを単離する場合には、上述と同様に通常の方
法が採用されてよい。
上記不活性溶媒としては、活性水素を有しないものであ
ればよく、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、デカリンなどの脂環式炭化水素、石油エーテル、石
油ベンジンなどの炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロ
ホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素系溶媒、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ア
ニソール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、
イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
セロソルブアセテートなどのエステル類、アセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど
から適宜に選択、使用することができる。
上記脱ハロゲン化水素剤としてはβ−ハロプロピオニル
イソシアネートに対し理論的に少なくとも等モルの使用
を必要とする普通の意味での脱ハロゲン化水素剤のみな
らず、等モル以下の比較的少量でも所期の目的を達する
ことができる脱ハロゲン化水素触媒を包含するものであ
って、その具体例としては以下のものを挙げることがで
きる:トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−7、ピリジン、キノリンのようなアミ
ン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグ
ネシウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属
水酸化物、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、アルミナ、酸化鉄のような金属酸化物、(Ph3P)2Ru
(CO)3、(Ph3P)3Ptのような金属錯体化合物、塩化リチウ
ム、四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム
のような金属ハロゲン化物、ナフテン酸亜鉛、酢酸ニッ
ケル、硫酸バリウム、リン酸カリウムのような金属塩
類、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、
ナトリウムイソプロポキシドのような金属アルコキシ
ド、モレキュラーシーブ、多孔性ガラスのような合成ゼ
オライト類、ホウ酸、オキシラン、金属亜鉛など。これ
らの内でも特にアミン類、金属酸化物、金属ハロゲン化
物、合成ゼオライト類などから選択したものの使用が好
ましい。
上記の反応や蒸留の操作に際し、末端二重結合の不必要
な重合を避けるために、重合禁止剤を存在せしめてもよ
い。重合禁止剤の具体例としてはハイドロキノン、p−
メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4−t−ブチルカテコール、ビスジヒド
ロキシベンジルベンゼン、2,2′−メチレンビス(6−
t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4′−ブチリ
デンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4′−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)、p−ニトロソフェノール、ジイソプロピルキサ
ントゲンスルフィド、N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミン・アンモニウム塩、1,1−ジフェニル−2−ピ
クリルヒドラジル、1,3,5−トリフェニルフェルダジ
ル、2,6−ジ−t−ブチル−α−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−オキソ−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデ
ン)−p−トリオキシ、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリドン−1−オキシル、ジチオベンゾイルスルフィ
ド、p,p′−ジトリルトリスルフィド、p,p′−ジトリル
テトラスルフィド、ジベンジルテトラスルフィド、テト
ラエチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。
イソシアネートアルキルアクリレートまたはメタクリレ
ート 自体公知の化合物であり、好ましくはイソシアネートエ
チルアクリレート、イソシアネートエチルメタクリレー
トなどが挙げられる。
他の活性水素を有しないエチレン性モノマー 自体公知のエチレン性モノマーであって活性水素を有し
ていないものであれば使用可能である。その具体例とし
ては、メチル(メタ)アクリレート(メチルアクリレー
トとメチルメタクリレートの両者の指称する。以下同
様)、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類、その他
N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレートなどの他のアクリレートまたはメタ
クリレート、フマル酸ジブチルなどのフマル酸ジアルキ
ルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレンなどのスチレンおよびその誘導体、(メタ)ア
クリロニトリル、ビニルアセテートなどが挙げられ、こ
れらの1種または2種以上混合して使用することができ
る。
ポリイソシアネート樹脂 本発明高分子体は、通常のエチレン性モノマーの溶液重
合に準じて、上述のアルケノイルイソシアネート
[I]、イソシアネートアルキルアクリレートまたはメ
タクリレート、および要すれば他の活性水素を有しない
エチレン性モノマーの各々の少なくとも1種を、上述の
不活性溶媒中で重合させることにより得られる。
例えば、反応容器に溶媒および要すればモノマーの一部
を仕込み、反応温度50〜140℃、好ましくは80〜
110℃において滴下ロートよりモノマーおよび重合開
始剤の溶媒溶液を0.5〜5時間、好ましくは1.5〜3時間
で滴下し、更に0.5〜2時間熟成すればよい。なお、重
合開始剤は適宜追加してもよい。
上記重合開始剤としては、自体公知のものが使用されて
よく、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
−ベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、ヒドロパ
ーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエートな
どの有機過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾジイソ酢酸ジメチル、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
などのアゾ化合物などが挙げられる。これらを1種また
は2種以上混合して、上記モノマーに対して0.1〜1
0、好ましくは0.5〜5重量%の割合で使用すればよ
い。
なお、上記重合系において、必要に応じて連鎖移動剤が
使用されてよい。この連鎖移動剤としては、活性水素を
有しない自体公知の、例えばα−メチルスチレンダイマ
ーなどが挙げられ、その少なくとも1種を上記モノマー
に対して5〜20重量%の割合で使用すればよい。
このようにして目的とする、アシルイソシアネート基と
イソシアネート基を有する高分子体の溶媒溶液が得られ
る。なお、上述の両官能基の反応性からして、使用各原
料成分においては事前に水分を充分に除去しておくこと
が必要であり、重合系では窒素雰囲気を採用し、得られ
た樹脂溶液は冷暗所で湿気が入らないように密封して保
存する必要がある。
本発明の高分子体は、モノマー配合、重合条件および高
分子体の用途などに応じて広範囲の特性を有するものと
することができる。通常、分子量3000〜10000
0、アシルイソシアネート基含量5〜30重量%、イソ
シアネート基含量5〜30重量%を有している。
[発明の作用と効果] 本発明高分子体は、上述の如くアシルイソシアネート基
とイソシアネート基を有し、前者は後者に対して約10
4倍以上もの高い反応性を有しているので、両官能基の
存在および反応性の相違によって、特異な作用、効果を
奏する。
(1)イソシアネート基を有する樹脂は、従来公知の如く
例えば一成分湿気硬化型塗料のバインダーとして使用さ
れている。この塗料による塗膜は、指触乾燥が遅く、ま
た三次元化硬化には通常数日間を要する。ところで、本
発明高分子体にあっては、アシルイソシアネート基の反
応性によって湿気存在下、常温で数分間で固化してしま
う特性を有している。従って、本発明高分子体をバイン
ダーとすることにより、超速指触乾燥性で且つ三次元架
橋性の一成分湿気硬化型塗料を有利に設計することがで
き、かかる塗料は例えばコイルコーテイングや自動車補
修塗装などの分野においてその有用性を充分に発揮す
る。
このような本発明高分子体の性質は、湿気のみならず、
アンモニア蒸気やエタノールアミン蒸気などの雰囲気
(即ち、活性水素雰囲気)の下でも同様に発揮される。
従って、本発明高分子体によれば、これを活性水素雰囲
気に接触させて硬化させる寸法を提供することができ
る。かかる硬化方法に使用する高分子体は、上述の製造
法によって得られる不活性溶媒溶液系そのままでもよ
く、または更に希釈もしくは濃縮した系であってもよ
い。このような系における高分子体濃度は0.1重量%以
上であればよい。
(2)本発明高分子体は、加熱により、そのアシルイソシ
アネート基とイソシアネート基が環状付加反応する。従
って、当該高分子自体のみでもって、硬化性組成物を調
製することができる。
(3)本発明高分子体の架橋は、アシルウレタン結合また
はウレタン結合に基づくので、凝集力の強い硬化物を与
える。このことは特に塗料や接着剤の分野では有用であ
る。
(4)上述の如く本発明高分子体は反応性の異なるアシル
イソシアネート基とイソシアネート基を同時に有してい
るので、活性水素を有する樹脂や化合物を選択的に化学
的に導入することができ、特異的な高分子物の合成を可
能ならしめる。
以上の如き作用、効果を有する本発明高分子体は、例え
ば塗料、接着剤、成型用樹脂などの分野において広範囲
な用途を備えているものといえる。
[実施例] 次に参考例、実施例、比較例および応用例を挙げて本発
明を具体的に説明する。なお、部とあるは重量部を意味
する。
参考例1(メタクリロイルイソシアネートの合成) クロロホルム100m中のメタクリルアミド17.9gと
ハイドロキノン0.18gの懸濁溶液に、0℃氷冷下、窒素
気流中、クロロホルム15m中のオキザリルクロライ
ド20mの溶液を滴下した。滴下後、室温に戻し、約
100分間攪拌した。ハイドロキノン0.18gを加え、さ
らに60℃で4時間加熱攪拌した。放冷後、反応溶液を
減圧下に濃縮し、さらに濃縮物を減圧蒸留することによ
り、メタクリロイルイソシアネートを52〜53℃/3
9mmHgで沸騰する無色液体(22.2g;収率94%)とし
て得た。
ここに得られたメタクリロイルイソシアネートの赤外線
吸収スペクトルによれば、2250cm-1(NCO)と1
705cm-1(CO)において特異な吸収が認められた。
また、核磁気共鳴スペクトルによれば、δ(ppm)=6.15
(1H,S),5.75(1H,S),1.87(3H,S)が
認められた。
参考例2(アクリロイルイソシアネートの合成) オキザリルクロライド95.25g(0.75mol)の1,2−ジクロロ
エタン150m溶液に−30〜0℃でアクリルアミド
35.5g(0.5mol)とハイドロキノン0.54gの1,2−ジクロロ
エタン200mの溶液を約30分間で滴下した。滴下
後、約1時間加熱還流を行ない、放冷後、減圧蒸留を行
なって、β−クロロプロピオニルイソシアネート44.7g
を沸点74〜75℃/25mmHgの無色液体として得た。
上記β−クロロプロピオニルイソシアネート13.35g(100
mmol)のトルエン20m溶液にモレキュラーシーブ4
A20gを加え、窒素気流中、13.5時間にわたって加熱
還流した。放冷後、モレキュラーシーブをろ別し、ろ液
を減圧蒸留してアクリロイルイソシアネートを得た。沸
点82〜83℃。
ここに得られたアクリロイルイソシアネートの赤外線吸
収スペクトルによれば、2250cm-1(NCO)と17
05cm-1(CO)において特異な吸収が認められた。ま
た、核磁気共鳴スペクトルによれば、δ(ppm)=6.40〜
6.60(1H,dd),6.24〜6.34(1H,d),6.08(1H,m)が認められ
た。
実施例1配 合 使用量(部) [A]トルエン 70 酢酸ブチル 20 [B]メタクリロイルイソシアネート 10 イソシアネートエチルメタクレート 20 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 15 アゾビスイソブチロニトリル 2 [C]酢酸ブチル 10アゾビスイソブチロニトリル 1 攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管および窒素吹込管
を備えた1のフラスコに配合[A]を仕込み、90℃
に加熱した。内容物に配合[B]を攪拌しながら滴下ロ
ートから2時間かけて滴下した。滴下後30分間熟成
し、次いで配合[C]を30分間かけて滴下し、2時間
熟成して、無色透明の樹脂溶液を得た。該溶液の特性を
第1表に示す。なお、得られた樹脂におけるアシルイソ
シアネート基とイソシアネート基の存在は、参考例1と
同様に赤外線吸収スペクトルによって確認された。
実施例2配 合 使用量(部) [A]トルエン 70 酢酸ブチル 20 [B]メタクリロイルイソシアネート 10 イソシアネートエチルメタクリレート 20 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 15 t−ブチルパーオクトエート 4 [C]酢酸ブチル 10t−ブチルパーオクトエート 1 上記配合の原料を使用する以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた樹脂溶液の特性を第1表に示す。
実施例3配 合 使用量(部) [A]トルエン 46.7 [B]メタクリロイルイソシアネート 5 イソシアネートエチルメタクリレート 25 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 15 アゾビスイソブチロニトリル 2 [C]酢酸ブチル 20アゾビスイソブチロニトリル 1 上記配合の原料を使用する以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた樹脂溶液の特性を第1表に示す。
実施例4配 合 使用量(部) [A]トルエン 70 酢酸ブチル 10 [B]メタクリロイルイソシアネート 20 イソシアネートエチルメタクリレート 10 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 15 アゾビスイソブチロニトリル 2 [C]酢酸ブチル 20アゾビスイソブチロニトリル 1 上記配合の原料を使用する以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた樹脂溶液の特性を第1表に示す。
実施例5配 合 使用量(部) [A]トルエン 46.7 [B]メタクリロイルイソシアネート 10 イソシアネートエチルメタクリレート 20 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 15 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル バレロニトリル) 2 [C]酢酸ブチル 20 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 1 上記配合の原料を使用する以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた樹脂溶液の特性を第1表に示す。
比較例1配 合 使用量(部) [A]トルエン 46.7 酢酸ブチル 10 [B]イソシアネートエチルメタクリレート30 メチルメタクリレート 35 n−ブチルアクリレート 20 α−メチルスチレンダイマー 7 スチレン 8 アゾビスイソブチロニトリル 2 [C]酢酸ブチル 10アゾビスイソブチロニトリル 1 上記配合の原料を使用する以外は、実施例1と同様に実
施した。得られた樹脂溶液の特性を第1表に示す。
応用例1 実施例または比較例で得られた樹脂溶液にジブチルスズ
ジラウレート樹脂溶液不揮発分に対して0.2重量%の割
合で混合し、混合液をブリキ板に膜原20μとなるよう
にバーコータで塗布し、室温で放置した。塗布後の経時
による塗膜の状態を測定したところ、第2表に示す結果
が得られた。なお、ラビング試験は、塗布後20時間を
経過した塗膜に対してキシレンで行った。
このように本発明高分子体によれば、初期乾燥性が非常
に早く且つ良好に硬化する組成物を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/58 MNG 7242−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: 式: [式中、RおよびR′はHまたは低級アルキル基、R1
    はアルキル基を示す。] および式 [式中、P、Q、YおよびZはそれぞれ独立に水素また
    は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数10以下のアリー
    ル基、炭素数10以下のアラルキル基、シアノ基、炭素
    数6以下のアルキルカルボニルオキシ基および−COO
    Ra(Raは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数10
    以下のシクロアルキル基、炭素数10以下のアリール
    基、炭素数10以下のアラルキル基、グリシジル基また
    は炭素数1〜6のモノ−またはジ−アルキルアミノ基)
    を示す。] で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
    (A)の繰り返し単位がm個(但し、mは正の整数)、式
    (B)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(C)
    の繰り返し単位がw個(wは0または正の整数)存在
    し、かつ式(A)中アシルイソシアネート基が5〜30重
    量%、式(B)中のイソシアネート基が5〜30重量%の
    割合で結合した分子量3,000〜100,000の高
    分子体。
  2. 【請求項2】式: [式中、Rは前記と同意義] で表されるアルケノイルイソシアネートと、 式: [式中、R′およびR1は前記と同意義。] で表されるイソシアネートアルキル(メタ)アクリレー
    トと 式: [式中、P、Q、YおよびZは前記と同意義。] で表される活性水素を有しないエチレン系不飽和モノマ
    ーとを重合することを特徴とする 式: 式: および で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、式
    (A)の繰り返し単位がm個(但し、mは正の整数)、式
    (B)の繰り返し単位がn個(nは正の整数)および式(C)
    の繰り返し単位がw個(wは0または正の整数)存在
    し、かつ式(A)中のアシルアソシアネート基が5〜30
    重量%、式(B)中のイソシアネート基が5〜30重量%
    の割合で結合した分子量3,000〜100,000の
    高分子体の製法。
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