JPH0643430Y2 - 建物用窓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、窓枠にガラス板を張設した建物用窓に関し、
特に、障子に換気用の小窓を設けた建物用窓に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 この種の建物用窓では、室内で冷暖房をしている場合に
随時に換気ができるように、障子に換気用の小窓を備え
ていると便利であり、このため、一般住宅用の窓では、
障子の上部の片方の隅にガラス板の切除された小窓孔を
形成して、ガラス板からなる小障子を手で水平方向に移
動させて小窓孔を開閉するようにした換気用の小窓を設
けたものが知られているが、手で直接小窓を開閉する構
造であることから、建物の高所に配設される窓のよう
に、障子の上部が手の届かない所に位置する窓には、こ
のような小窓を設けても簡単に開閉することができず、
また、１つの小窓で内気と外気の出入りが行なわれるの
であるから、効率良く換気ができない不具合があつた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本考案の建
物用窓は、窓枠にガラス板を張設した障子の上部と下部
にガラス板の切除された小窓孔を形成し、その障子にガ
ラス板と平行に昇降して各小窓孔を開閉する一対の小障
子を設けるとともに窓枠の縦枠に上下にねじれ方向を逆
にしたねじを形成したねじ棒を回転自由に支持して、上
下のねじに螺合した移動子を上下の小障子に係合し、か
つ、窓枠にねじ棒を回転させる駆動装置を設けた構成と
した。

作用及び効果 本考案は上記の構成になり、駆動装置の駆動によりねじ
棒を回転させると移動子とともに小障子が逆方向に上下
動するのであって、上側の小障子を下降させるとともに
下側の小障子を上昇させると、障子に形成した上下両小
窓孔が開放され、逆に、上側の小障子を上昇させるとと
もに下側の小障子を下降させると両小窓孔が閉塞され、
両小窓孔を開放することによつて換気を行なうことがで
きるのであつて、両小障子を駆動装置で昇降させるよう
になつているから、遠隔操作により両小窓孔の開閉を行
なうことができ、建物の高所に配設された窓であつて
も、小窓孔の開閉操作が簡単にでき、しかも、障子の上
部と下部との２個所に小窓孔を設けたから、下側の小窓
孔から外気が入り込み、上側の小窓孔から内気が排出さ
れる対流が生じて、効率よく換気を行なうことができる
効果がある。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説明する。

図において、１は引違い形式の窓であつて、建物の壁面
に透設された窓孔２に固定枠３が嵌着され、この固定枠
３内に、可動枠６にガラス板を嵌めた２枚の障子４、５
が、夫々の下端縁の両側に支持した車輪７を固定枠３の
下枠のレール８上に載せるとともに、夫々の上端縁を固
定枠３の上枠に嵌入して互いに引き違い可能に嵌装され
ている。

これらの障子４、５のうちの屋外側の障子４の可動枠６
内には、その全面にガラス板10が嵌められており、一
方、屋内側の障子５は、可動枠６の上下方向の中央部
に、枠12内にガラス板13を嵌めた固定小障子11が固定さ
れ、この固定小障子11の上側と下側に小窓孔15、15が形
成されているとともに、可動枠６に、各小窓孔15を開閉
する、昇降枠17内にガラス板18を嵌めた一対の昇降小障
子16、16が、夫々の昇降枠17の右側縁の上下両端部に軸
支したローラ20、20を可動枠６の右枠に取り付けた上下
方向の案内溝21に嵌め、左側縁を可動枠６の左枠に嵌入
して、上記の固定小障子11と平行に昇降可能に取り付け
られている。

この一対の昇降小障子16の駆動機構は、可動枠６の右枠
に、上側と下側とで互いに逆ねじれのねじ部24、24を形
成したねじ棒23が軸受25で回転自由に支持され、上下の
ねじ部24に、夫々、移動子27、27のねじ孔28が螺合され
て、可動枠６に取り付けた昇降案内26に昇降のみを自由
に嵌められ、各移動子27の内側の上下両端に突成された
係合部29、29の間に、各昇降小障子16の昇降枠17の右側
縁に固定された係合子30の突出端が嵌入されて下側の係
合部29で受けられており、また、可動枠６の右枠の上端
部に電動の可逆モータ31が取り付けられ、その出力軸32
が上記のねじ棒23の上端部と連結されており、この可逆
モータ31の図示しない電源線は、可動枠６の上縁から固
定枠３の上縁との間に引き出され、障子５の移動を許容
するに足る長さだけ弛ませた上で固定枠３の上縁からそ
の外側へ通され、壁内に設けられた可逆モータ31の図示
しない制御回路に接続されており、この制御回路は可逆
モータ31の正転と逆転及びその停止を制御するものであ
つて、その切換えを行なうスイツチが壁の下方の手元位
置に配設されている。

本実施例は上記の構造になり、壁の手元位置に配設され
たスイツチの操作により可逆モータ31を起動してねじ棒
23を一方向に回転させると、上側の移動子27が下降する
とともに下側の移動子27が上昇し、これに伴つて、上側
の昇降小障子16が、係合子30を移動子27の下側の係合部
29に載せたまま自重により下降し、下側の昇降小障子16
が、係合子30が移動子27の下側の係合部29で押し上げら
れことによつて上昇して、上下両小窓孔15、15が開放さ
れ、逆に、ねじ棒23を逆方向に回転させると、上側の移
動子27が上昇し下側の移動子27が下降するのに伴つて、
上側の昇降小障子16が上昇し下側の昇降小障子16が下降
して両小窓孔15、15が閉塞され、また、この開放または
閉塞行程の途中で可逆モータ31の駆動を停止すれば、昇
降小障子16の昇降運動が停止して、小窓孔15、15が任意
の開放面積で開放される。

なお、各移動子27の上側の係合部29は、昇降小障子16が
可動枠６との摺動部分で引掛つて自重により円滑に下降
できない場合に、係合子30を押し下げて昇降小障子16を
下降させるように機能する。

また、移動子27、27を駆動するねじ棒の構造は、各昇降
小障子16、16の昇降行程に要する長さの互いに逆方向の
ねじを切つた一対のねじ棒を、鋼線を交互に逆向きに多
層に螺旋巻きしたフレキシブルシヤフトで連結した構造
としても良い。

なお、本考案は、ガラス板からなる障子を窓枠に固定し
て嵌めた固定式の建物用窓にも同様に適用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図である。 1:引違い窓、2:窓孔、3:固定枠、5:障子、6:可動枠、1
1:固定小障子、13:ガラス板、15:小窓孔、16:昇降小障
子、18:ガラス板、23:ねじ棒、24:ねじ部、27:移動子、
30:係合子、31:可逆モータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窓枠にガラス板を張設した障子の上部と下
   部に前記ガラス板の切除された小窓孔を形成し、該障子
   に前記ガラス板と平行に昇降して前記各小窓孔を開閉す
   る一対の小障子を設けるとともに前記窓枠の縦枠に上下
   にねじれ方向を逆にしたねじを形成したねじ棒を回転自
   由に支持して、前記上下のねじに螺合した移動子を前記
   上下の小障子に係合し、かつ、前記窓枠に前記ねじ棒を
   回転させる駆動装置を設けたことを特徴とする建物用
   窓。