JPH0643393B2 - インドリノン誘導体 - Google Patents

インドリノン誘導体

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JPH0643393B2
JPH0643393B2 JP62172054A JP17205487A JPH0643393B2 JP H0643393 B2 JPH0643393 B2 JP H0643393B2 JP 62172054 A JP62172054 A JP 62172054A JP 17205487 A JP17205487 A JP 17205487A JP H0643393 B2 JPH0643393 B2 JP H0643393B2
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chlorine
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indoline
oxo
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    • C07D209/04Indoles; Hydrogenated indoles
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    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/56Ring systems containing three or more rings
    • C07D209/96Spiro-condensed ring systems

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、薬化学及び化学療法の分野の業者に重要な新
規なインドリノン誘導体に係る。より詳細には本発明
は、糖尿病から発症するある種の慢性合併症(例えば糖
尿病性白内障、網膜症及び神経障害)の抑制のための一
連の新規なオキシンドール-1-アルカン酸化合物に係
る。
新規な改良された経口糖尿病治療薬を得るためのこれま
での研究の多くは、血糖レベルを下げる新規な化合物の
合成を目的としていた。より最近のいくつかの研究にお
いては、糖尿病のある種の慢性合併症、例えば糖尿病性
白内障、網膜症及び神経障害等を予防又は治療するため
の種々の有機化合物の効果が知見された。例えば、K.Se
stanj等の米国特許第3821383号は、1,3-ジオキソ-1H-ベ
ンズ[d,e]イソキノリン-2(3)H-酢酸及びその類縁のある
種の誘導体のごときある種のアルドース還元酵素インヒ
ビターが低血糖誘発性であることは知られていなくても
上記の目的に有効であることを開示している。これらの
化合物は、人体内で(グルコース及びガラクトースのご
とき)アルドースが対応するポリオール(例えばソルビ
トール及びガラクチトール)に還元されるときの主な触
媒となるアルドース還元酵素の活性を阻害することによ
って機能する。これにより、ガラクトース血症患者の水
晶体にガラクチトールが蓄積し、糖尿病患者の水晶体、
網膜、末梢神経系及び腎臓にソルビトールが蓄積すると
いう好ましくない現象が予防又は抑制される。その結
果、これらの化合物は、眼科的合併症を含むある種の慢
性糖尿病合併症を抑制する。目の水晶体にポリオールが
存在すると白内障が生じこれに伴って水晶体の透明度が
低下することは当業者に公知である。
本発明は、糖尿病患者で発症するある種の慢性合併症の
抑制のためのアルドース還元酵素インヒビターとして有
用な新規なオキシンドール-1-アルカン酸化合物に係
る。より詳細には本発明の新規な化合物は、式I及びI
I: 〔式中、Xは水素、X1は水素、ヒドロキシ、フッ素、塩
素、臭素、C1−C4のアルキル又はC1−C4のアルコキシを
示し、XとX1とが別々に各々塩素、C1−C4のアルキル又
はC1−C4のアルコキシを示すか、XとX1とが一緒になっ
て分子の4,5-、5,6-又は6,7-位の-OCH2(CH2)nO-(ここ
にnは0又は1)を示し、R1は水素又はメチルを示し、 R2は水素、C1−C4のアルキル、又はアルキル部分に炭素
原子3個以下をもつフェニルアルキルを示し、該フェニ
ルアルキルのフェニル環が2個以下の塩素置換基で任意
に置換されており、 R3はアルキル部分に3個以下の炭素原子をもつフェニル
アルキルを示し、該フェニルアルキルのフェニル環が同
じ又は異なる2個以下の置換基で任意に置換されてお
り、前記同じ置換基はフッ素、塩素、臭素、トリフルオ
ロメチル、C1−C4アルキル又はC1−C4アルコキシで、前
記異なる置換基は塩素、メチル、メトキシ又はトリフル
オロメチルであり、そして Yは水素、フッ素、塩素、C1−C4アルキル又はC1−C4
ルコキシを示す〕 で示される3-置換2-オキソ−インドリン-1-アルカン酸
及びそのC1−C6アルキルエステル及び第一アミド誘導体
並びに該酸と薬理学的に許容されるカチオンとの塩基塩
(base salt)から成るグループから選択される。これら
の新規な化合物はアルドース還元酵素インヒビターであ
り、糖尿病患者の水晶体及び末梢神経中でのソルビトー
ル形成を阻止又は抑制する能力をもつ。
本発明化合物の重要なグループは、Xが水素であり、X1
が水素、ヒドロキシ、フッ素、塩素又はC1−C4アルコキ
シであり、XとX1とが別々に各々C1−C4アルコキシであ
り、R1が水素又はメチルであり、R2が水素、C1−C4アル
キル、又はアルキル部分に3個以下の炭素原子をもつフ
ェニルアルキルであり、該フェニルアルキルのフェニル
環が2個以下の塩素置換基で置換されており、R3がR2
同義のフェニルアルキルである式Iの化合物のグループ
である。このグループの好ましい化合物は、Xが水素、
X1が水素、ヒドロキシ、塩素又はメトキシ、R1及びR2
各々が水素、R3が3,4-ジクロロベンジル又は3,4-ジクロ
ロ−α−メチルベンジルを示す化合物である。
本発明化合物の重要な別のグループは、Xが水素であ
り、X1が水素、ヒドロキシ、塩素又はメトキシであり、
R1が水素であり、Yが水素、ヒドロキシ、塩素又はメト
キシである式IIの化合物のグループである。このグルー
プの好ましい化合物は、X、X1及びR1の各々が水素で、
Yが分子の5(6)位の水素又は塩素である化合物である。
前記のごとき本発明の代表的な好ましい化合物のうちで
特に重要なものは、例えば、3-(3,4-ジクロロベンジ
ル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸、5-クロロ-3-(3,4
-ジクロロベンジル)-2-オキソ-5クロロ-3-(3,4-ジク
ロロベンジル)-6-メトキシ-2-オキソ−インドリン-1-
酢酸、3-(3,4-ジクロロベンジル)-6-ヒドロキシ-2-オ
キソ−インドリン-1-酢酸及び3-(3,4-ジクロロ−α−
メチルベンジル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸であ
る。これらの特定化合物は極めて有効なアルドース還元
酵素インヒビターである。
本発明の新規な化合物の製造に使用される方法によれ
ば、式III又はIV: 〔式中、X、X1、Y及びR1はすべて前記と同義、Rはベ
ンジルのごときアルアルキル基又はm-キシリルもしくは
p-クロロベンズヒドリル等のごとき同様の遮断基(block
ing group)、R4及びR5の各々は前記のR2及びR3と同義で
あるが但しR4はつねに水素以外であり、又はR4とR5とが
一緒に二価の基=R6を形成しこのR6はアルキリデン部分
に3個以下の炭素原子をもつフェニルアルキリデンであ
り、このフェニルアルキリデンのフェニル環は同じ又は
異なる2個以下の置換基で任意に置換され、この同じ置
換基はフッ素、塩素、臭素、トリフルオロメチル、C1
C4アルキル又はC1−C4アルコキシであり、異なる置換基
は塩素、メチル、メトキシ又はトリフルオロメチルであ
る〕 で示される適宜置換された2-オキソ−インドリン-1-ア
ルカン酸アルアルキルエステルに対し、所望の最終生成
物を形成するための還元が実質的に完了するまで貴金属
触媒の存在下に水素を作用させる。この水素添加分解反
応は通常、圧力約15〜約50psig及び温度約0℃〜約50℃
の範囲、好ましくは約15℃〜35℃で反応不活性有機溶媒
中で行なわれる。ここで使用できる好ましい反応不活性
有機溶媒としては、メタノール、エタノール及びイソプ
ロパノールのごとき低級アルカノール、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル及びジ-n-ブチルエーテル
のごとき低級ジアルキルエーテル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル及びプロ
ピオン酸エチルのごとき低級アルカン酸の低級アルキル
エステルがある。有機溶媒は好ましくは、少量(例えば
10〜30重量%)の酸を含有し、この酸は通常は氷酢酸の
ごとき有機酸又は同様の低級アルカン酸であるが、リン
酸又は硫酸のごとき実質的に無水の無機酸の使用も可能
である。本発明で使用され得る貴金属触媒としては、白
金、パラジウム、レニウム、ロジウム及びルテニウムが
あり、これは担体に支持されていてもよく支持されてい
なくてもよい。またこれらの酸化物及び塩化物等のごと
き公知の触媒化合物の形態で使用されてもよい。触媒は
予備形成されていてもよく、又は触媒化合物の適当な塩
又は酸化物の予備還元によってin situで形成されても
よい。反応に使用するための好ましい触媒は白金酸化物
であり、更に好ましいものは炭素に固定したパラジウム
である。水素添加分解段階が完了すると、所望のオキシ
ンドール-1-アルカン酸が最終生成物として反応混合物
から容易に回収できる。即ち、まず過によって反応混
合物から触媒を除去し、次に減圧下の蒸発によって液
をオイル又はフォームに濃縮し適当な溶媒系から再結晶
化させる。
構造式I及びIIのX1がヒドロキシである化合物は、式中
のX1がメトキシである対応する化合物を当業者に公知の
標準方法で脱アルキルするだけで容易に製造できる。こ
の場合、例えば三臭化ホウ素を使用すると、3-(3,4-ジ
クロロベンジル)-6-メトキシ-2-オキソ−インドリン-1
-酢酸は対応する6-ヒドロキシ化合物に容易に変換され
る。更に、炭素原子2個以上の低級アルコキシを環置換
素(X1)としてもつ(構造式I−IIの)本発明のある種の
化合物は、対応するメトキシ化合物をまず対応するヒド
ロキシ誘導体に変換しこれを次に当業者に公知の方法で
例えばヨウ化エチル又は臭化イソプロピルでアルキル化
することによって製造できる。前記のごとく、最終生成
物たる(構造式I−IIの)オキシンドール-1-アルカン
酸はそのままで本発明の治療のために使用されてもよ
く、又は従来の技術を用いて対応する低級アルキルエス
テル及び第一アミド誘導体に変換されてもよい。
本発明の3-置換2-オキソ−インドール-1-アルカン酸の
低級アルキルエステルは一般に、従来の有機化学の処理
手順に従って酸触媒の存在下に酸と適当なアルコールと
を縮合することによって製造される。第一アミド誘導体
は、例えば対応する酸塩化物を塩基性条件下でアンモニ
アで処理し次に最終生成物たるアミドを単離することに
よって容易に製造され得る。
本発明の3-置換2-オキソ−インドリン-1-アルカン酸化
合物の製造に必要な出発物質である(構造式III−IV
の)アルアルキルエステルはすべて新規な化合物であ
り、これらは、(1位に遊離水素原子をもつ)対応する
3-置換2-インドリノンを適当に選択されたα−ハロアル
カン酸アルアルキルエステルで処理することによって製
造できる。該エステルは式ZCH(R1)COORをもち、式中の
R及びR1の各々は構造式のアルアルキルエステルに関す
る前記定義と同じであり、Zは塩素、臭素又はヨウ素で
ある。この特定反応は通常は、臨機応変にアルカリ金属
水素化物、アルカノラート又はアミド又はアルカリ金属
−アルキル又はアリール化合物のごとき塩基性縮合剤の
存在下に行なわれ、通常は反応不活性極性有機溶媒好ま
しくはN,N-ジ−(低級アルキル)低級アルカノアミドの
1つを使用して行なわれる。好ましい溶媒としては、N,
N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、
N,N-ジ(n-プロピル)ホルムアミド、N,N-ジメチルアセ
トアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルプ
ロピオンアミド等がある。一般に、実質的に等モル量の
反応体と試薬とを使用し(即ち3-置換2-インドリノン出
発物質に対して約0.80〜約1.25モルのハライド試薬)、
約5℃〜約35℃の範囲の温度で約15分間〜約2時間反応
を行なう。反応には通常、室温を用い、反応時間は普通
は約1時間以内である。反応に必要な塩基性縮合剤はす
べて、弱酸性の3-置換2-インドリノンとの塩を形成すべ
く十分に強いが反応条件下で有機分子を分解しない程度
に弱い前記したアルカリ金属塩基のグループから選択さ
れる。かかる塩基性縮合剤として例えば、水素化ナトリ
ウム、水素化リチウム及び水素化カリウム等があり、ま
たナトリウムメチレート及びカリウムtert.-ブトキシド
のごときナトリウム及びカリウムの低級アルカノラー
ト、及びソーダアミド、リチウムアミド、カリウムアミ
ド等のごときアルカリ金属アミドがある。反応が完了す
ると、所望の3-置換2-オキソ−インドリン-1-アルカン
酸アルアルキルエステルが当業者に公知の標準方法を用
いて反応混合物から容易に回収され得る。例えば反応混
合物をまず水で希釈し、次にメチレンクロリド又はクロ
ロホルム等のごとき適当な溶媒で抽出し、有機抽出物か
らまず溶媒を除去した後に最終的に所望の中間物質とし
てエステルが得られる。
上記反応で出発物質として使用される3-置換2-インドリ
ノン化合物はすべて、数多くの異なる方法で製造される
新規な化合物である。例えば、3-置換基が二価の基=R6
である3-置換2-インドリノン化合物は、対応する2-イン
ドリノン化合物と適当に置換された芳香族又は複素環芳
香族アルデヒド又はケトン、例えば、3,4-ジクロロベン
ズアルデヒド又は3,4-ジクロロアセトフェノンとを従来
の有機合成方法による所望の縮合生成物を形成するため
の塩基触媒的方法で縮合することによって製造される。
この特定反応に関しては実験に基づいて詳細に後述する
(調製物A-F参照)。また、3-置換基が構造式IIIに関す
る前記の定義と同じジ置換基R4及びR5であり、特にこの
ジ置換が分子の3,3位で対称であるようなすべての3-置
換2-インドリノン化合物は、好ましくはまず出発2-イン
ドリノン化合物の1位をアセチル化し、次に適当に置換
されたアルアルキルハライド例えば3,4-ジクロロベンジ
ルクロリドとの反応によって3,3位で所望のアルキル化
を行ない、次に脱アセチルによって所望の3,3-ジ置換-2
-インドリノン中間物質を得る(調製物O,U及びX参照)
方法で製造される。構造式IVの3-置換2-インドリノン
も、この反応順序でアルアルキルハライドに代替して適
当なα,α′−ジハロ-o-キシレンを用いるだけで同様
に製造できる(調製物O、Q、R、S、V及びW参照)。最後
に、3-置換基がジ置換基R4及びR5であり分子の3,3位の
ジ置換が非対称である構造式IIIの3-置換2-インドリノ
ンは、まず出発インドリノン化合物を適当な芳香族又は
複素環芳香族アルデヒド又はケトンと縮合し、次に接触
還元によって対応する3-モノ置換2-インドリノンを形成
し、次に1位でアセチル化し、3位でアルキル化し(適
当なアルキルハライド例えばヨウ化メチルを用いる)、
1位で脱アセチル化して最終的に所望の3,3-ジ置換-2-
インドリノン中間物質を得るのが最良の方法である(調
製物N、P、T及びY参照)。
前記反応経路によって本発明のすべての化合物を製造す
るための最終出発物質として必要な2,3-ジヒドロ-2-オ
キソ−インドール(即ち2-インドリノン)は多くの場
合、公知の化合物であり、2,3-ジヒドロ-2-オキソ−イ
ンドール(オキシンドール)及び5-クロロ−オキシンド
ールのごとき市販の化合物として入手容易であり、また
は従来の有機合成方法を使用して普通の有機化学物質か
ら当業者が容易に合成できる(例えば調製物C-Eの6-フ
ルオロ−オキシンドール、5,6-ジメトキシオキシンドー
ル及び6-メトキシオキシンドールに関する文献参照)。
前記薬剤的に許容され得る塩基塩を製造するために本発
明で試薬として使用される化学塩基は、本文に記載の3-
置換2-オキソ−インドリン-1-アルカン酸化合物例えば3
-(3,4-ジクロロベンジル)-2-オキソ−インドリノン-1
-酢酸と無毒塩基塩を形成するものである。これら特定
の無毒塩基塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム及びマグネシウム等のごとき薬理学的に許容され得
るカチオンから誘導される塩がある。これらの塩は前記
3-置換2-オキソ−インドリン-1-アルカン酸化合物を所
望の薬理学的に許容され得るカチオンの水溶液で簡単に
処理し、得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾涸す
ることによって容易に製造できる。または、酸性化合物
の低級アルカーノル溶液と所望のアルカリ金属アルコキ
シドとを混合し、次に得られた溶液を前記同様に蒸発乾
涸してもよい。どちらの場合にも、反応の完了と所望の
最終物質の最大収率とを確保するために化学量論的量の
試薬が使用されるのが好ましい。
前記のごとく、本発明の3-置換2-オキソ−インドリン-1
-アルカン酸化合物は、糖尿病患者の水晶体ソルビトー
ルレベルを統計的に有意な程度まで低下させる能力をも
つので慢性糖尿病合併症を抑制するためのアルドース還
元酵素インヒビターとして治療目的に容易に適合させる
ことができる。
従って、本発明は、3−置換−2−オキソ−インドリン
−1−アルカン酸化合物を含む、アルドース還元酵素阻
害組成物にも係わる。例えば、3-(3,4-ジクロロベンジ
ル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸は本発明の代表的な
好ましい薬剤であるが、0.75mg/kg〜20mg/kgの投与レベ
ルで経口投与すると糖尿病ラットのソルビトールレベル
をかなりの程度に阻害することが知見された。更に、本
文に記載の本発明の化合物は経口投与されてもよく又は
非経口投与されてもよい。一般に、これらの化合物は通
常は、体重1kg当たり約0.15mg〜約15mgの範囲の日用投
与量で用いられるが、治療される患者の体重及び病状次
第でまたは選択された投与経路次第で投与量は当然変更
される。
これらの化合物は単独又は薬剤的に許容される担体と組
み合せて前記経路のいずれかによって投与され得る。ま
た、投与は一回投与でも繰り返し投与(either single o
r multiple dosages)でもよい。特に、本発明の化合物
は種々の剤形、即ち、薬剤的に許容される種々の不活性
担体と組み合せて錠剤、カプセル剤、甘味いり錠剤、ト
ローチ剤、糖衣錠剤、粉末剤、噴霧剤、水性懸濁液剤、
注射溶液剤、エリキシル剤、シロップ剤等の形態で投与
され得る。担体としては、固体希釈剤又は賦形剤、無菌
水性溶媒及び種々の無毒有機溶媒がある。一般に、本発
明の化合物はかかる剤形中で、所望の単位剤形当たり全
組成物の約0.5重量%〜約90重量%の範囲の濃度レベル
で存在するであろう。
経口投与のためには、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシ
ウム及びリン酸カルシウムのごとき種々の賦形剤を含む
錠剤が澱粉、好ましくはジャガイモもしくはタピオカ澱
粉、アルギン酸及びある種の複合シリケートのごとき種
々の崩壊剤とポリビニルピロリドン、ゼラチン及びアラ
ビアゴムのごとき結合剤と共に使用され得る。更に、ス
テアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及び
タルクのごとき潤滑剤はしばしば錠剤形成のために極め
て有効である。同様のタイプの固体組成物は軟質又は硬
質のゼラチンカプセルの賦形剤として使用され得る。こ
れに関連した好ましい材料として高分子量ポリエチレン
グリコールがある。経口投与のために水性懸濁液及び又
はエリキシル剤が好ましいとき、その主要有効成分は種
々の甘味剤又は芳香剤、着色剤又は色素と組み合せられ
得、所望の場合乳化剤及び/又は懸濁剤とも組み合せら
れ得、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセ
リンのごとき希釈剤の1種以上と組み合せることもでき
る。
非経口投与のためには、これらの3-置換2-オキソ−イン
ドリン1-1-アルカン酸を、ゴマ油もしくはピーナッツ油
又は水性プロピレングリコールもしくはN,N-ジメチルホ
ルムアミドの溶液として使用し得る。また前記のごとき
対応する水溶性アルカリ金属又はカルカリ土類金属の塩
の無菌水溶液を使用してもよい。かかる水溶液は必要な
らば適当なバッファで緩衝すべきであり、液体希釈剤は
まず十分な薬用塩類又はグルコースによって等張液にさ
れる。これらの特定水溶液は静脈内、筋肉内、皮下及び
腹腔内注射に特に適している。これに関連して、使用さ
れる無菌水性溶媒はすべて、当業者に周知の標準技術に
よって容易に得られる。更に、前記オキシンドール-1-
アルカン酸化合物を点眼可能な適当な眼科用溶液を用い
て局部的に投与することも可能である。
慢性糖尿病合併症の抑制剤としての本発明の化合物の活
性は、以下の標準生物試験又は薬理学試験の1つ以上に
合格するか否かによって決定される。即ち、(1)単離ア
ルドース還元酵素の酵素活性の阻害能力を測定する。
(2)ストレプゾトシンで急性発症させた(即ち糖尿病
の)ラットの坐骨神経のソルビトール蓄積の抑制又は阻
害の能力を測定する。(3)ストレプトゾトシンで誘発し
た慢性糖尿病ラットの坐骨神経及び水晶体の上昇したソ
ルビトールレベルを逆転させる能力を測定する。(4)急
性ガラクトース血症ラットの水晶体のガラクチトール形
成の予防又は阻害能力を測定する。及び、(5)白内障形
成を遅延させる能力及び慢性ガラクトース血症ラットの
水晶体混濁度を低下させる能力を測定する。
調製物A 30mlのメタノール中の12.5g(0.091モル)の2,3-ジヒド
ロ-2-オキソ−インドール(オキシンドール)と16.0g
(0.091モル)の3,4-ジクロロベンズアルデヒドとから
成る十分に攪拌した懸濁液に、7.6mlのピロリドンを慎
重に滴加した(反応は発熱反応である)。得られた反応
混合物を次に蒸気浴で15分間加熱し、室温に冷却した
(〜20℃)。沈殿した橙色の生成物を過によって回収
し、30mlの冷メタノールで洗浄し、恒量まで真空乾燥し
て最終的に21.4g(81%)の純3-(3,4-ジクロロベンジ
リデン)-2-インドリノンを得た。融点は183〜186℃、
質量スペクトル、m/e 291/289。
調製物B 出発物質としてオキシンドールの代わりに5-クロロ−オ
キシンドールを前記と同じモル比で使用し調製物Aの項
に記載の手順を繰返した。この調製例ではメタノールか
ら再結晶化した後に対応する最終物質として5-クロロ-3
-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-インドリノン、融点
は272〜275℃が得られた。純粋物質の収率は理論値の82
%であった。
調製物C 出発物質としてオキシンドールの代わりに6-フルオロ−
オキシンドール(M.Protiva等、Collect.Czech.Chem.Co
mmun.、Vol.44、p.2108(1979))を前記と同じモル比で使
用し調製物Aの項に記載の手順を繰返した。この調製例
ではメタノールから再結晶化した後に対応する最終物質
として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-6-フルオロ-2-
インドリノン、融点217〜220℃が1/4水和物として単離
された。純粋物質の収率は理論値の84%であった。
調製物D 出発物質としてオキシンドールの代わりに5,6-ジメトキ
シオキシンドール(J.Walker、J.Am.Chem.Soc.、Vol.77、
p.3844(1955))を前記と同じモル比で使用し調製物Aの
項に記載の手順を繰返した。この調製例ではメタノール
から再結晶化した後に対応する最終物質として3-(3,4-
ジクロロベンジリデン)-5,6-ジメトキシ-2-インドリノ
ン、融点248〜250℃(分解)が得られた。純粋物質の収
率は理論値の88%であった。
調製物E 出発物質としてオキシンドールの代わりに6-メトキシオ
キシンドール(A.Beckett等、Tetrahedron、Vol.24、p.60
93(1968))を前記と同じモル比で使用し調製物Aの項に
記載の手順を繰返した。この調製例ではメタノールから
再結晶化した後に対応する最終物質として3-(3,4-ジク
ロロベンジリデン)-6-メトキシ-2-インドリノン、融点
189〜191℃が得られた。純粋物質の収率は理論値の85%
であった。
調製物F 出発物質として3,4-ジクロロベンズアルデヒドの代わり
に3,4-ジクロロ−アセトフェノンを前記と同じモル比で
使用し調製物Aの項に記載の手順を繰返した。この調製
例ではメタノールから再結晶化した後に対応する最終物
質として3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジリデン)
-2-インドリノン、融点233〜235℃が得られた。純粋物
質の収率は理論値の82%であった。
調製物G 鉱油に分散した480mg(0.01モル)のペンタン洗浄水素
化ナトリウム(50%分散液)と40mlの無水N,N-ジメチル
ホルムアミドとの攪拌混合物を、2.9g(0.097モル)の3
-(3,4−ジクロロベンジリデン)-2-インドリノン(調
製物A)で乾燥窒素雰囲気下で処理し、20分で褐色均質
溶液を得た。次に、2.29g(0.01モル)のブロモ酢酸ベ
ンジルを室温で攪拌褐色溶液に添加し、得られた反応混
合物を25℃で48時間攪拌した。この段階の終了後に得ら
れた最終有機溶液を水(〜100ml)希釈し、各100mlのク
ロロホルムを5回用いて抽出した。有機抽出物を合わせ
て水及び塩化ナトリウム飽和水溶液で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。過によって乾燥剤を除
去し、減圧下蒸発によって溶媒を除去すると、最終残渣
として黄色固体(収量、4.75g)が得られた。この物質
をクロロホルムから再結晶させると2.28g(52%)の純c
is-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-オキソ−インド
リン-1-酢酸ベンジルエステルが半水和物として単離さ
れた。融点190〜192℃。質量スペクトル、m/e 439/43
7。
調製物H 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに5-クロロ-3-(3,4-ジクロロベン
ジリデン)-2-インドリノン(調製物B)を前記と同じ
モル比で使用して調製物Gの項に記載の手順を繰返し
た。この調製例では、酢酸エチルから再結晶化後に得ら
れた対応する最終物質は1/4水和物として単離された5-
クロロ-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-オキソ−イ
ンドリン-1-酢酸ベンジルエステルである。融点196〜19
8℃。純粋物質の収率は理論値の82%であった。
調製物I 出発物質としては3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-
インドリノンの代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデ
ン)-6-フルオロ-2-インドリノン(調製物C)を前記と
同じモル比で使用して調製物Gの項に記載の手順を繰返
した。この調製例では、N,N-ジメチルホルムアミド/水
から再結晶化後に得られた対応する最終物質は半水和物
として単離され3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-6-フ
ルオロ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル
である。融点198〜200℃。純粋物質の収率は理論値の78
%であった。
調製物J 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)
-5,6-ジメトキシ-2-インドリノン(調製物D)を前記と
同じモル比で使用して調製物Gの項に記載の手順を繰返
した。この調製例では、N,N-ジメチルホルムアミド/水
から再結晶化後に得られた対応する最終物質は3-(3,4-
ジクロロベンジリデン)-5,6-ジメトキシ-2-オキソ−イ
ンドリン-1-酢酸ベンジルエステルである。融点213〜21
5℃。純粋物質の収率は理論値の93%であった。
調製物K 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)
-6-メトキシ-2-インドリノン(調製物E)を前記と同じ
モル比で使用して調製物Gの項に記載の手順を繰返し
た。この調製例では、N,N-ジメチルホルムアミド/水か
ら再結晶化後に得られた対応する最終物質は3-(3,4-ジ
クロロベンジリデン)-6-メトキシ-2-オキソ−インドリ
ン-1-酢酸ベンジルエステルである。融点146〜148℃
(分解)。純粋物質の収率は理論値の83%であった。
調製物L 試薬としてブロモ酢酸ベンジルの代わりに2-クロロプロ
ピオン酸ベンジルを前記と同じモル比で使用して調製物
Gの項に記載の手順を繰返した。この調製例では、得ら
れた対応する最終物質は3-(3,4-ジクロロベンジリデ
ン)-2-オキソ−インドリン-1-(α−メチル)酢酸ベン
ジルエステル(ガム状)である。純粋物質の収率は理論
値の13%であった。
調製物M 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベ
ンジリデン)-2-インドリノン(調製物F)を前記と同
じモル比で使用して調製物Gの項に記載の手順を繰返し
た。この調製例では、メチレンクロリドから再結晶化後
に得られた対応する最終物質は3-(3,4-ジクロロ−α−
メチルベンジリデン)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベ
ンジルエステルである。融点120〜122℃。純粋物質の収
率は理論値の18%であった。
調製物N 100mlのエタノールと100mlの酢酸エチルとに入れた5.0g
(0.0164モル)の3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジ
リデン)-2-インドリノン(調製物M)と1.0gの5%炭
素固定パラジウム触媒とから成る懸濁液を、Parrシェー
カーで圧力50psi下に4時間水素添加した(20psiの水素
吸収観察)。反応混合物をCelite(けいそう土)で過
して触媒を除去し、得られた液を次に真空下濃縮して
赤橙色のガムを得た。これは約16時間(1晩)静置する
とゆっくりと結晶化した。この方法で5.2gの3-(3,4-ジ
クロロ−α−メチルベンジル)-2-インドリノンが容易
に得られた。融点127〜129℃。更に質量スペクトル分
析、核磁気共鳴データ及び薄層クロマトグラフィーによ
って生成物の特性を決定した。
調製物OJournal of the American Chemical Society、 Vol.77、p.
3844(1955)に記載のG.Walkerの処理手順でN-アセチル-2
-インドリノンを調製した。この処理手順では、500mlの
無水酢酸に入れた50g(0.376モル)のオキシンドール混
合物を5時間還流し、得られた結晶質生成物を過す
る。このようにして、最終的に64.5g(98%)の純N-ア
セチル-2-インドリノンが得られた。融点124〜126℃
(上記の参照文献では融点127℃)。
調製物P 出発物質としてオキシンドールの代わりに3-(3,4-ジク
ロロ−α−メチルベンジル)-2-インドリノン(調製物
N)を使用し前記と同じ重量−容量比の反応体と試薬と
を用いて調製物Oの項に記載の手順を繰返した。この処
理手順では、100ml(1.06モル)の無水酢酸に入れた5.2
g(0.0164モル)のインドリノン混合物を5時間還流
し、室温(〜20℃)まで放冷し、減圧下で溶液を蒸発さ
せて暗赤褐色オイルを得た。これを150mlの酢酸エチル
に溶解し、水及び炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び塩
水で各1回ずつ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。過によって乾燥剤を除去し、減圧下蒸発によって
溶媒を除去すると、5.5g(97%)の純N-アセチル-3-
(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジル)-2-インドリノ
ンが橙赤色オイル状残渣として得られた。質量スペクト
ル分析及び核磁気共鳴データによって生成物を特性決定
した。
調製物Q 100mlのN,N-ジメチルホルムアミド中の5.0g(0.0306モ
ル)のN-アセチル-2-インドリノン(調製物O)と9.8g
(0.0708モル)の炭酸カリウムとから成る混合物を25℃
の乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら8.4g(0.0306モル)
のα,α′−ジブロモ-o-キシレン(純度96%:Aldrich
Chemical Company Inc.、ミルウォーキー、ウィスコン
シンより入手可能)をゆっくりと添加した。反応混合物
を25℃で4日間静置すると橙色の固体生成物を含む混合
物が得られた。これを300mlの氷水に注ぎ30分間攪拌し
吸引過した。この方法により、まず水で洗浄し次に恒
量まで風乾した後で最終的に7.4g(87%)の純1′−ア
セチル-1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,3′]-イン
ドリン-2′−オン半水和物が得られた。融点159℃(分
解)。
これを水性N,N-ジメチルホルムアミドから再結晶させて
も融点の値は変化しなかった。質量スペクトルはm/e 27
7であった。
調製物R 130℃に加熱し100ワットの白熱灯で照明した25g(0.178
モル)の4-クロロ-o-キシレンを攪拌しながら、19.6ml
(0.382モル)の臭素を35分間で滴加した。この段階の
終了後、得られた反応混合物を130℃で更に1.5時間攪拌
し、25℃に冷却し、攪拌を1晩(〜16時間)維持した。
ここで、余剰の臭化水素と臭素とを真空下に除去し、残
留生成物を淡黄色オイルとして分別蒸留して23.1g(44
%)の純1,2-ビス(ブロモメチル)-4-クロロベンゼン
を得た。沸点128〜137℃/0.6mmHg;質量スペクトル、m/
e 296,298,300。
調製物S アルキル化剤としてα,α′−ジブロモ-o-キシレンの
代わりに1,2-ビス(ブロモメチル)-4-クロロベンゼン
(調製物R)を前記と同じモル比で使用して調製物Qの
項に記載の手順を繰返した。この調製例では、N,N-ジメ
チルホルムアミドから再結晶化後に得られた対応する最
終物質は1′−アセチル-5(6)-クロロ-1,2-ジヒドロ−
スピロ−インデン[2,3′]インドリン-2′−オンであ
る。融点108〜110℃。純粋物質の収率は理論値の57%で
あった。
調製物T 760mg(0.0158モル)のペンタン洗浄水臭化ナトリウム
(50%オイル分散液)と100mlの無水N,N-ジメチルホル
ムアミドとから成る攪拌混合物を、乾燥窒素雰囲気下で
50mlの無水N,N-ジメチルホルムアミドに溶かした5.5g
(0.0158モル)のN-アセチル-3-(3,4-ジクロロ−α−
メチルベンジル)-2-インドリノン(調製物P)で処理
した。後者の溶液を2分間で添加し、添加が終了すると
得られた混合物を室温(〜20℃)で30分間攪拌して暗褐
色溶液を得た。ここで、1.0ml(0.016モル)のヨウ化メ
チルを添加し、最終反応混合物を室温で18時間攪拌し
た。この段階の終了後、得られた有機溶液を200mlの氷
水に注ぎ1時間攪拌してジエチルエーテルで抽出した。
次にエーテル抽出物を水及び塩水で洗浄し、最後に無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。過によって乾燥剤を除
去し、減圧下蒸発によって溶媒を除去すると、4.05g(7
1%)の純1-アセチル-3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベ
ンジル)-3-メチル-2-インドリノンから成る黄色残留オ
イルが得られた。質量スペクトル分析、核磁気共鳴及び
薄層クロマトグラフィーによって純生成物を特性決定し
た。
調製物U 80mlのN,N-ジメチルホルムアミド中の5.0g(0.0306モ
ル)のN-アセチル-2-インドリノン(調製物O)と9.8g
(0.0708モル)の炭酸カリウムと11.6g(0.070モル)の
ヨウ化カリウムとから成る混合物を乾燥窒素雰囲気下に
室温(〜20℃)で攪拌しながら、20mlのN,N-ジメチルホ
ルムアミドに溶解した8.9ml(0.0643モル)の3,4-ジク
ロロベンジルクロリドから成る溶液をゆっくりと添加し
た。得られた反応混合物を室温で72時間攪拌し、最後に
水とジエチルエーテルとに分配した。水相をジエチルエ
ーテルで2回抽出し、有機層を合わせて水及び塩水で各
1回ずつ洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
過によって乾燥剤を除去し、減圧下蒸発によって溶媒を
除去すると、淡いピンク色固体残渣が得られた。これを
N,N-ジメチルホルムアミドから再結晶化させ、まず真空
下に約16時間(即ち1晩)を要して恒量まで乾燥させる
と5.75g(38%)の純1-アセチル-3,3-ジ(3,4-ジクロロ
ベンジル)-2-インドリノン一水和物が得られた。融点1
77〜179℃。元素分析に加えて、質量スペクトル分析、
核磁気共鳴データ及び薄層クロマトグラフィーによって
純生成物を特性決定した。
調製物V 170mlの4%水酸化ナトリウム水溶液と170mlの無水メタ
ノールとに入れた7.4g(0.0267モル)の1′−アセチル
-1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,3′]インドリン
-2′−オン半水和物(調製物Q)から成る混合物を攪拌
し蒸気浴で30分間加熱した。この段階の終了後、得られ
た溶液を25℃に冷却し、濃塩酸でpH2に酸性化した。減
圧下蒸発によって余剰エタノールを除去し、得られた固
体を過し、水洗し真空下に恒量まで乾燥して、最終的
に5.65g(90%)の純1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン
[2,3′]インドリン−2′−オン半水和物を得た。融
点186〜189℃。これを水性メタノールから再結晶させて
も融点の値は変化しなかった。質量スペクトルはm/e 23
5であった。
調製物W 出発物質として1′−アセチル-1,2-ジヒドロ−スピロ
−インデン[2,3′]インドリン-2-オン半水和物の代わ
りに1′−アセチル-5(6)-クロロ-1,2-ジヒドロ−スピ
ロ−インデン[2,3′]インドリン−2′−オン(調製
物S)を同じモル比で使用し調製物Vの項に記載した手
順を繰返した。この調製例では対応する最終物質として
5(6)-クロロ-1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,
3′]インドリン-2′−オンが得られた。融点160〜163
℃(分解)。純粋物質の収率は理論値の61%であった。
調製物X 出発物質として1′−アセチル-1,2-ジヒドロ−スピロ
−インデン[2,3′]インドリン2-′−オンの代わりに1
-アセチル-3,3-ジ(3,4-ジクロロベンジル)-2-インド
リノン一水和物(調製物U)を同じモル比で使用し調製
物Vの項に記載した手順を繰返した。この調製例では、
水性メタノールから再結晶化後に対応する最終物質とし
て3,3-ジ(3,4-ジクロロベンジル)-2-インドリノンが
得られた。融点165〜170℃。純粋物質の収率は理論値の
87%であった。
調製物Y 70mlの4%水酸化ナトリウム水溶液と70mlの無水メタノ
ールとに入れた4.0g(0.011モル)の1-アセチル-3-(3,
4-ジクロロ−α−メチルベンジル)-3-メチル-2-インド
リノン(調製物T)から成る混合物を攪拌し蒸気浴で1
時間加熱した。ここで追加の40mlの4%水酸化ナトリウ
ム水溶液を混合物に添加し、蒸気浴で更に3時間還流を
継続した。この段階の終了後に得られた反応溶液を室温
(〜20℃)約18時間(1晩)攪拌し、6N塩酸でpH1.0に
酸性化した。生成物を各100mlのメチレンクロリドで3
回抽出し、有機相を合わせて水及び塩水で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。過によって乾燥剤
を除去し、減圧下蒸発によって溶媒を除去すると3.41g
(97%)の純3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジル)
-3-メチル-2-インドリノンが黄色ガム状で得られた。質
量スペクトル分析、核磁気共鳴データ及び薄層クロマト
グラフィーによって純粋生成物を特性決定した。
調製物Z 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに1,2-ジヒドロ−インデン[2,
3′]インドリン-2′−オン半水和物(調製物V)を同
じモル比で使用し調製物Gの項に記載した手順を繰返し
た。この調製例では、水性N,N-ジメチルホルムアミドか
ら再結晶化後に対応する最終物質として1,2-ジヒドロ−
スピロ−インデン[2,3′]インドリン-2′−オン-1′
−酢酸ベンジルエステル半水和物が得られた。融点141
〜143℃。純粋物質の収率は理論値の93%であった。
調製物AA 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに5(6)-クロロ-1,2-ジヒドロ−スピ
ロ−インデン[2,3′]インドリン−2′−オン(調製
物W)を同じモル比で使用し調製物Gの項に記載した手
順を繰返した。この調製例では、クロロホルムから再結
晶化後に対応する最終物質として5(6)-クロロ-1,2-ジヒ
ドロ−スピロ−インデン[2,3′]インドリン−2′−
オン−1′−酢酸ベンジルエステルが得られた。融点13
6〜140℃。純粋物質の収率は理論値の48%であった。
調製物BB 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに3,3-ジ(3,4-ジクロロベンジル)
-2-インドリノン(調製物X)を同じモル比で使用し調
製物Gの項に記載した手順を繰返した。この調製例で
は、対応する最終物質として3,3-ジ(3,4-ジクロロベン
ジル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル
が(オイルとして)得られた。純粋物質の収率は理論値
の48%であった。
調製物CC 出発物質として3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-イ
ンドリノンの代わりに3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベ
ンジル)-3-メチル-2-インドリノン(調製物Y)を同じ
モル比で使用し調製物Gの項に記載した手順を繰返し
た。この調製例では、対応する最終物質として3-(3,4-
ジクロロ−α−メチルベンジル)-3-メチル-2-オキソ−
インドリン-1-酢酸ベンジルエステルが(オイルとし
て)得られた。純粋物質の収率は理論値の79%であっ
た。
実施例1 2mlの氷酢酸を含む50mlの酢酸エチルに入れた2.28g(0.
0052モル)のシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-
オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和物
(調製物G)と1.0gの5%炭素固定パラジウム触媒とか
ら成る懸濁液を、大気圧下で水素ガスの吸収が停止する
まで(〜3時間)水素添加した。溶出剤としてクロロホ
ルム/メタノール(容量比9:1)を用いて薄層クロマト
グラフィーで分析すると、このときにはベンジルエステ
ルは全く存在せずRf=0.50に単一物質が検出された。反
応溶液をCelite(けいそう土)で過して触媒を除去
し、得られた液を真空下で濃縮すると淡黄色フォーム
が得られた。これを水性エタノールから再結晶させると
1.325g(73%)の純粋3-(3,4-ジクロロベンジル)-2-
オキソ−インドリン-1-酢酸から成る白色固体生成物を
得た。融点168〜171℃;質量スペクトル、m/e351/349。
実施例2 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに5-クロロ-3-(3,4-ジクロロベンジリデ
ン)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル
(調製物H)の1/4水和物を使用し実施例1の水素添加
分解手順を繰返した。この場合には、エタノール/ジエ
チルエーテルから再結晶化後に対応する最終物質として
5-クロロ-3-(3,4-ジクロロベンジル)-2-オキソ−イン
ドリン-1-酢酸がジシクロヘキシルアミン塩として単離
された。融点148〜150℃。純粋生成物の収率は理論値の
18%であった。
実施例3 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステルの代わ
りに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-6-フルオロ-2-オ
キソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステルの1/4水和物
(調製物I)を使用し実施例1の水素添加分解手順を繰
返した。この場合には、ジエチルエーテル/ペンタンか
ら再結晶化後に対応する最終物質として3-(3,4-ジクロ
ロベンジル)-6-フルオロ-2-オキソ−インドリン-1-酢
酸がジシクロヘキシルアミン塩として単離された。純粋
生成物の収率は理論値の28%であった。
実施例4 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-5,6-ジ
メトキシ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステ
ル(調製物J)を使用し実施例1の水素添加分解手順を
繰返した。この場合には、ジエチルエーテルから再結晶
化後に対応する最終物質として3-(3,4-ジクロロベンジ
ル)-5,6-ジメトキシ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸が
ジシクロヘキシルアミン塩として単離された。融点222
〜223℃。純粋生成物の収率は理論値の17%であった。
実施例5 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-6-メト
キシ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル
(調製物K)を使用し実施例1の水素添加分解手順を繰
返した。この場合には、ジエチルエーテルから再結晶化
後に対応する最終物質として3-(3,4-ジクロロベンジ
ル)-6-メトキシ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸がジシ
クロヘキシルアミン塩として単離された。融点182〜183
℃。純粋生成物の収率は理論値の81%であった。
実施例6 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-2-オキ
ソ−インドリン-1-(α−メチル)酢酸ベンジルエステ
ル(調製物L)を使用し実施例1の水素添加分解手順を
繰返した。この場合には、対応する最終物質として3-
(3,4-ジクロロベンジル)-2-オキソ−インドリン-1-
(α−メチル)酢酸がジシクロヘキシルアミン塩として
単離された。融点94〜96℃(分解)。純粋生成物の収率
は理論値の57%であった。
実施例7 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジリデ
ン)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル
(調製物M)を使用し実施例1の水素添加分解手順を繰
返した。この場合には、水性エタノールから再結晶化後
に対応する最終物質として3-(3,4-ジクロロ−α−メチ
ルベンジル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸が得られ
た。融点175〜177℃(分解)。純粋生成物の収率は理論
値の50%であった。
実施例8 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,
3′]インドリン-2′−オン-1′−酢酸ベンジルエステ
ル半水和物(調製物Z)を使用し実施例1の水素添加分
解手順を繰返した。この場合には、エタノール/ジエチ
ルエーテルから再結晶化後に対応する最終物質として1,
2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,3′]インドリン-
2′−オン-1′−酢酸がジシクロヘキシルアミン塩とし
て単離された。融点185〜187℃。純粋生成物の収率は理
論値の13%であった。
実施例9 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに5(6)-クロロ-1,2-ジヒドロ−スピロ−イン
デン[2,3′]インドリン-2′−オン-1′−酢酸ベンジ
ルエステル(調製物AA)を使用し実施例1の水素添加分
解手順を繰返した。この場合には、エタノール/ペンタ
ンから再結晶化後に対応する最終物質として5(6)-クロ
ロ-1,2-ジヒドロ−スピロ−インデン[2,3′]インドリ
ン-2′−オン-1′−酢酸がジシクロヘキシルアミン塩と
して単離された。融点135〜136℃(分解)。純粋生成物
の収率は理論値の89%であった。
実施例10 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル半水和
物の代わりに3,3-ジ(3,4-ジクロロベンジル)-2-オキ
ソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル(調製物BB)
を使用し実施例1の水素添加分解手順を繰返した。この
場合には、ジエチルエーテル/ペンタンから再結晶化後
に対応する最終物質として3,3-(3,4-ジクロロベンジ
ル)-2-オキソ−インドリン-1-酢酸がジシクロヘキシル
アミン塩として単離された。融点185〜186℃。純粋生成
物の収率は理論値の65%であった。
実施例11 出発物質としてシス-3-(3,4-ジクロロベンジリデン)-
2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステルの代わ
りに3-(3,4-ジクロロ−α−メチルベンジル)-3-メチ
ル-2-オキソ−インドリン-1-酢酸ベンジルエステル(調
製物CC)を使用し実施例1の水素添加分解手順を繰返し
た。この場合には、ジエチルエーテルから再結晶化後に
対応する最終物質として3-(3,4-ジクロロ−α−メチル
ベンジル)-3-オキソ−インドリン-1-酢酸がジシクロヘ
キシルアミン塩として単離された。融点151〜153℃。純
粋生成物の収率は理論値の72%であった。
実施例12 60mlのメチレンクロリドに溶解した1.8g(0.0473モル)
の3-(3,4-ジクロロベンジル)-6-メトキシ-2-オキソ−
インドリン-1-酢酸のジシクロヘキシルアミン塩(実施
例5の生成物)の溶液を0℃に冷却し、窒素雰囲気下で
メチレンクロリド中の9.5ml(0.095モル)の1Mの三臭化
ホウ素を1.5分間で滴下することによって処理した。こ
の段階の終了後に得られた反応混合物を15分間攪拌し、
1時間を要して25℃に温め透明な赤色溶液を得た。ここ
でメチレンクロリドに入れた別の10mlの1Mの三臭化ホウ
素を混合物に添加し、25℃で1晩(〜18時間)攪拌し、
100mlの氷水に注いだ。得られた生成物をメチレンクロ
リド及び酢酸エチルを順次用いて水相から抽出し、有機
相を合わせて水及び塩水で各1回ずつ洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。過によって乾燥剤を除去
し、減圧下蒸発によって溶媒を除去した後に残渣として
粘性オイルを得た(収量1.7g)。これを150mlの無水ジ
エチルエーテルに溶解し、2.4ml(〜2.5当量)のジシク
ロヘキシルアミンで処理して晶出させた。この方法で、
対応する結晶質ジシクロヘキシルアミン塩が容易に得ら
れた。これを過によって回収し、ジエチルエーテル及
びペンタンで洗浄し真空下で恒量まで乾燥すると、最終
的に1.7g(65%)の純3-(3,4-ジクロロベンジル)-6-
ヒドロキシ-2-オキソ−インドリン-1-酢酸が(ジシクロ
ヘキシルアミン塩として)得られた。融点141〜144℃
(分解)。これをジエチルエーテルから再結晶しても融
点は上昇しなかった。
実施例13 実施例1〜12の最終物質たる以下のオキシンドール-1-
アルカン酸について10-5Mの濃度レベルでアルドース還
元酵素活性の抑制又は阻害能力を経験した。この試験に
は、Journal of Biological Chemistry、Vol.240、p.877
(1965)に記載のS.Hayman等の方法を米国特許第3821383
号のK.Sestanj等によって修正した方法を用いた。どの
場合にもヒト胎盤から得られた部分精製アルドース還元
酵素を基質として用いた。各化合物について得られた結
果を選択特定濃度レベル(10-5M)に関する酵素活性阻害
の割合(%)で示す。化合物 10-5での阻害% 実施例1の生成物 92 実施例2の生成物 88 実施例3の生成物 68 実施例4の生成物 55 実施例5の生成物 81 実施例6の生成物 25 実施例7の生成物 94 実施例8の生成物 66 実施例9の生成物 71 実施例10の生成物 20 実施例11の生成物 72 実施例12の生成物 79
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 491/056 7019−4C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: [式中、Xは水素、Xは水素、ヒドロキシ、フッ素、
    塩素、臭素、C−Cのアルキル又はC−Cのア
    ルコキシを示し、又はXとXとが別々に各々塩素、C
    −Cアルキル又はC−Cアルコキシを示すか、
    XとXとが一緒になって分子の4,5−、5,6−又は6,7
    −位の−OCH(CHO−(ここにnは0又は
    1)を示し、 Rは水素又はメチルを示し、 Rは水素、C−Cのアルキル、又はアルキル部分
    に炭素原子3個以下をもつフェニルアルキルを示し、該
    フェニルアルキルのフェニル環が2個以下の塩素置換基
    で任意に置換されており、 Rはアルキル部分に3個以下の炭素原子をもつフェニ
    ルアルキルを示し、該フェニルアルキルのフェニル環が
    同じ又は異なる2個以下の置換基で任意に置換されてお
    り、前記同じ置換基はフッ素、塩素、臭素、トリフルオ
    ロメチル、C−Cアルキル又はC−Cアルコキ
    シであり、前記異なる置換基は塩素、メチル、メトキシ
    又はトリフルオロメチルであり、又はR及びRは一
    緒になって (ここで、Yは水素、フッ素、塩素、C−Cアルキ
    ル又はC−Cアルコキシを示す)を構成する] で示されるオキシンドール-1-アルカン酸化合物又はそ
    のC−Cアルキルエステル又は第一アミド誘導体又
    は該酸と薬理学的に許容されるカチオンとの塩基塩。
  2. 【請求項2】Xが水素であり、Xが水素、ヒドロキ
    シ、フッ素、塩素又はC−Cアルコキシであり、X
    とXとが別々に各々C−Cアルコキシであり、R
    が水素又はメチルであり、そしてR及びRの各々
    が水素、C−Cアルキル、又はアルキル部分に3個
    以下の炭素原子をもつフェニルアルキルであり、該フェ
    ニルアルキルのフェニル環が2個以下の塩素原子で置換
    されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項の式
    Iの化合物。
  3. 【請求項3】Xが水素、Xが水素、ヒドロキシ、塩素
    又はメトキシ、R及びRの各々が水素、Rが3,4
    −ジクロロベンジル又は3,4−ジクロロ−α−メチルベ
    ンジルであることを特徴とする特許請求の範囲第2項に
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】Xが水素であることを特徴とする特許請
    求の範囲第3項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】Xが分子の6位のヒドロキシ、Rが3,
    4−ジクロロベンジルであることを特徴とする特許請求
    の範囲第3項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】Xが分子の5位の塩素、Rが3,4−ジ
    クロロベンジルであることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】Xが分子の6位のメトキシ、Rが3,4
    −ジクロロベンジルであることを特徴とする特許請求の
    範囲第3項に記載の化合物。
  8. 【請求項8】Xが水素、Xが水素、ヒドロキシ、塩素
    又はメトキシ、Rが水素、R及びRを構成し、Yが水素、ヒドロキシ、塩素又はメトキシで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項の式Iの化
    合物。
  9. 【請求項9】Xが水素、Yが分子の5(6)位の水素
    又は塩素であることを特徴とする特許請求の範囲第8項
    に記載の化合物。
  10. 【請求項10】慢性糖尿病合併症を治療する為に有効な
    量の式I: [式中、Xは水素、Xは水素、ヒドロキシ、フッ素、
    塩素、臭素、C−Cのアルキル又はC−Cのア
    ルコキシを示し、又はXとXとが別々に各々塩素、C
    −Cアルキル又はC−Cアルコキシを示すか、
    XとXとが一緒になって分子の4,5−、5,6−又は6,7
    −位の−OCH(CHO−(ここにnは0又は
    1)を示し、 Rは水素又はメチルを示し、 Rは水素、C−Cのアルキル、又はアルキル部分
    に炭素原子3個以下をもつフェニルアルキルを示し、該
    フェニルアルキルのフェニル環が2個以下の塩素置換基
    で任意に置換されており、 Rはアルキル部分に3個以下の炭素原子をもつフェニ
    ルアルキルを示し、該フェニルアルキルのフェニル環が
    同じ又は異なる2個以下の置換基で任意に置換されてお
    り、前記同じ置換基はフッ素、塩素、臭素、トリフルオ
    ロメチル、C−Cアルキル又はC−Cアルコキ
    シであり、前記異なる置換基は塩素、メチル、メトキシ
    又はトリフルオロメチルであり、又はR及びRは一
    緒になって (ここで、Yは水素、フッ素、塩素、C−Cアルキ
    ル又はC−Cアルコキシを示す)を構成する] で示されるオキシンドール-1-アルカン酸化合物又はそ
    のC−Cアルキルエステル又は第一アミド誘導体又
    は該酸と薬理学的に許容されるカチオンとの塩基塩、及
    び薬剤的に許容される担体を含む、アルドース還元酵素
    阻害組成物。
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