JPH0640715A - 珪酸カルシウム球状二次粒子の製造方法 - Google Patents

珪酸カルシウム球状二次粒子の製造方法

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JPH0640715A
JPH0640715A JP4108129A JP10812992A JPH0640715A JP H0640715 A JPH0640715 A JP H0640715A JP 4108129 A JP4108129 A JP 4108129A JP 10812992 A JP10812992 A JP 10812992A JP H0640715 A JPH0640715 A JP H0640715A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はトベルモライト結晶を主成分とする新
規且つ有用な珪酸カルシウム結晶球状二次粒子の製造法
を提供することを目的とする。 【構成】沈降容積5ml以上の石灰乳と結晶質珪酸原料
とを、固形分に対する水の量が15重量倍以上となるよ
うに混合調製して得られる原料スラリーを加圧下加熱攪
拌しながら水熱合成反応を行なわしめ、トベルモライト
結晶を主成分とする珪酸カルシウム結晶二次粒子を生成
せしめることを特徴とする珪酸カルシウム球状二次粒子
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は珪酸カルシウム球状二次粒子及びその製法に関
し、更に詳しくはトベルモライト結晶を主成分とする珪
酸カルシウム球状二次粒子及びその製法に関し、その目
的とする所は外力に対して最も安定で強固な形状を有し
即ち球状であって、その自然沈降成形体密度を低くする
ために球の内部を粗乃至中空状としたトベルモライト結
晶の二次粒子及びその製法を提供せんとするにある。
【0001】本明細書に於いて球状なる語は真円球状ば
かりでなくだ円球状を包含しその表面の少なくとも一部
が凸凹状になっているものも包含する。
【0002】珪酸カルシウム成形体は工業的には耐火断
熱材、吸着材、建材等の多方面に応用されており、これ
等は珪酸カルシウム成形体の特徴とする比強度が高いこ
と、耐火性の高いこと、断熱性のあること、軽量である
こと、高誘電体であること等から各方面への発展が期待
される無機材料である。その特徴的な性質の基因する所
の主な点は珪酸カルシウムの結晶の形態とその集合状態
によると考えられている。
【0003】而して本発明者等は該珪酸カルシウムの結
晶の特殊な集合状態である所の二次粒子の製造とその構
造に関して研究を重ねて来た結果、珪酸カルシウム結晶
のうち、トベルモライト結晶を主成分とする新しい球状
二次粒子の開発に成功しこれに基づく発明を完成し、す
でに特許第986812号(特公昭54−4968号)
として特許された。この特許発明は、特定の構造を有す
るトベルモライトの球状二次粒子が水に均一に懸濁した
水性スラリーに係るものでありその球状二次粒子は、1
0〜150μm程度の外径を有しトベルモライト結晶が
不規則に三次元的に絡合して形成されている。
【0004】このトベルモライト結晶の球状二次粒子は
これを水に分散せしめて成形し乾燥するだけで、この特
許出願時には存在しなかった軽量にして優れた強度を有
するトベルモライト結晶の成形体を製造出来るものであ
る。この理由は該成形体が上記球状二次粒子が相互に連
結して圧縮変形された状態で構成されているためと考え
られている。即ち成形体の構成要素が外力に対して最も
安定で強固な形状である球状を呈する二次粒子から成っ
ていることに基づくものと考えられている。
【0005】また本発明者等は上記とは別に、珪酸カル
シウム結晶のうちトベルモライト結晶とは異なるワラス
トナイト族珪酸カルシウム結晶についての新しい球状二
次粒子を開発し、すでに出願している(特開昭53−1
46997号)。このワラストナイト族珪酸カルシウム
結晶から成る球状二次粒子は10〜70μmの外径を有
し、その結晶の集合した二次粒子の構造は珪酸カルシウ
ムの針状結晶が球の外周部で不規則に三次元的に密に絡
合して薄肉の球殻をなし、その内部が空洞となった二次
粒子でその見掛密度が0.09〜0.13g/cm
一個の粒子の破壊荷重が10〜100mgという特徴あ
る構造を有し自然沈降成形体密度が非常に小さいもので
ある。この球状二次粒子を水に分散せしめたスラリーか
ら製造される成形体は特に軽量にして極めて強度の大き
いものである。この場合は球状二次粒子が中空であると
共にその強度も大きいことに起因するものと考えられて
いる。尚該球状二次粒子はその外殻部は、ワラストナイ
ト族珪酸カルシウム針状結晶が密に絡合して形成されて
いるために強固で強度も大きいのである。
【0006】本発明者等は珪酸カルシウムについて更に
巾広く研究を続けてきたが、この引続く研究に於いて、
トベルモライト結晶から成る全く新しい構造を有する球
状二次粒子の開発に成功した。即ち本発明は、「トベル
モライト結晶を主成分とする珪酸カルシウム結晶から成
る内部が粗乃至中空のほぼ球状の二次粒子であって、そ
の外径が10〜120μm、その破壊荷重が100mg
以下、その中空率が30%以下及びその自然沈降成形体
密度が0.12g/cm以下であることを特徴とする
珪酸カルシウム球状二次粒子」及び「沈降容積5ml以
上の石灰乳と結晶質珪酸原料とを固形分に対する水の量
が15重量倍以上となるように混合調製して得られる原
料スラリーを、加圧下加熱攪拌しながら水熱合成反応を
行なわしめ、トベルモライト結晶を主成分とする珪酸カ
ルシウム結晶の二次粒子を生成せしめることを特徴とす
る珪酸カルシウム球状二次粒子の製法」に係るものであ
る。
【0007】従来の珪酸カルシウム結晶から成る球状二
次粒子の最も基本的な製法はたとえば上記特許第986
812号にも示されている通り、珪酸原料、石灰原料及
び水から調製された原料スラリーを攪拌加圧加熱して合
成反応を行って製造するものであり、この方法で得られ
る球状二次粒子はその珪酸カルシウム結晶の種類には無
関係に内部には空洞はほとんど存在しないか又は存在し
ても自然沈降成形体密度の大きいものである。しかし乍
らこの製法に於いて珪酸カルシウム結晶の種類としてワ
ラストナイト族珪酸カルシウムの球状二次粒子を製造す
る場合に、特に石灰原料としてこの当時使用されたこと
の無い極めて分散安定性の優れた石灰乳を使用し且つ珪
酸原料として、結晶質珪酸原料を選択使用するときに
は、極めて軽量にしてしかも中空状の二次粒子が収得さ
れることが本発明者等により見出され、すでに上記特開
昭53−146997号として出願されているのであ
る。
【0008】而して本発明者等の引き続く研究に依り次
のことが明らかとなった。上記特開昭53−14699
7号と同様の原料を用いてトベルモライト結晶から成る
球状二次粒子を製造しようと着想して、同様に操作した
所、ワラストナイト族珪酸カルシウム結晶の場合と同じ
様な内部が中空の球状二次粒子は収得されず、若干内部
の方がトベルモライトの存在量が粗な球状二次粒子が得
られることが判明した。本発明はこの新しい知見に基づ
いて完成されている。
【0009】本発明のトベルモライト結晶から成る球状
二次粒子は次の様な点により特徴づけられる。 (1) 先ずトベルモライト結晶を主成分とし、これ単
独の場合とこれに他の珪酸カルシウム結晶例えばゾーノ
トライト結晶が混在している場合が含まれる。以下混在
している場合も含めて単にトベルモライトという。 (2) 本発明二次粒子は電子顕微鏡又は光学顕微鏡下
ではトベルモライト結晶が三次元的に絡合しているのが
観察され、その二次粒子は10〜120μmの外径をも
つほぼ球状を呈している。尚外径は次の方法で測定した
ものである。 <二次粒子の外径の測定方法>反射光で撮影した100
倍のトベルモライト結晶を主体とする球状二次粒子の光
学顕微鏡写真より、定方向径を測定し、粒子径の範囲及
び平均粒子径(メジアン径)を求めた。後記実施例1の
本発明二次粒子の100倍光学顕微鏡写真を示す第1図
から本発明の二次粒子が球状体であってその外径が約1
0〜120μmでありその平均粒子は38μmであるこ
とが判る。 (3) 本発明の二次粒子はその粒子一個の破壊荷重が
100mg以下であるという特徴を有す。この破壊荷重
は二次粒子の構造就中トベルモライト結晶の充填密度、
二次粒子の外径及びその見掛密度に関係するものと考え
られる。たとえば球状二次粒子の外殻に於ける珪酸カル
シウム結晶の充填密度が小さく粗であるときは比較的大
荷重でも二次粒子が破壊することなくただ圧縮による偏
平化の傾向を示すのみであり、所謂変形抵抗が小さいも
のである。一方本発明の二次粒子の如く内部が粗乃至若
干中空となっているものは変形抵抗が大きいので荷重に
対しては殆んど変形しないが、その一個当りの破壊荷重
は100mg以下という一定範囲内にあり、この範囲内
の一定荷重を超えると急激にひび割れを発生し破壊する
性質を持ち、上記偏平化を示さない。
【0010】上記破壊荷重とは、珪酸カルシウム結晶の
球状二次粒子に荷重を加えていったとき該二次粒子の球
殻の少なくとも一部にひび割れが生ずるときの荷重を云
い、たとえば破壊荷重が10〜100mgであるという
ことは、該二次粒子に荷重を加えていったとき、該二次
粒子が10〜100mgの間の一定の荷重が加えられた
ときに該二次粒子の球殻の少なくとも一部にひび割れが
生ずるということを表わし、また破壊荷重が1000m
gというときは1000mgの荷重が加えられたときに
該二次粒子の球殻の少くとも一部にひび割れが生ずると
いうことを表わす。 <破壊荷重の測定方法>該二次粒子三個を正三角形状に
スライドグラス上にのせ、その上にカバーグラスを載置
しカバーグラス上に荷重を加えながら600倍の光学顕
微鏡にて観察し、該二次粒子の球殻の一部にひび割れが
生じるか否かを観察して測定し、ひび割れが生じたとき
の荷重で表わす。 (4) 本発明の球状二次粒子の内部は粗乃至中空であ
って、中空率は30%以下である。ここで中空率とは次
の方法で測定されたものである。
【0011】自然沈降成形体の一部を切り出し、これを
カナダバルサム(米山薬品工業製)で固定し、次いでこ
れを研磨した後キシレンで上記カナダバルサムを除去し
て研磨試料を得た。この試料を走査型電子顕微鏡にて写
真撮影し、球状二次粒子の断面より半径(γ)及び中空
部の半径(γ′)を測定し次式より中空率を求めた。
【0012】
【化1】 中空率が30%以下ということは、球状二次粒子の内部
が中空であってもその中空部は特に大きくはないことを
示している。しかも小さな中空部が随所に存在して所謂
内部が粗になっている場合も包含される。
【0013】第3図に示された球状二次粒子の内部は粗
であり、中空率は0%であり、第4図に示された球状二
次粒子の中空率は0〜25%である。
【0014】たとえば特開昭53−146997号の実
施例に記載のワラストナイト族珪酸カルシウム結晶から
成る球状二次粒子の中空率は60%以上であり、本発明
の球状二次粒子と根本的に異なる構造を有している。 (5) 本発明の二次粒子の自然沈降成形体密度が0.
12g/cm以下好ましくは0.10g/cm以下
である特徴を有する。この自然沈降成形体密度は次の方
法に依り測定した。
【0015】300ccトールビーカーにスラリー20
0ccと非イオン、アニオン界面活性剤(グランアップ
NF−50、三洋化成製、濃度20%)0.4ccを投
入混合後、48時間放置自然沈降させ次いでこれを10
0℃で48時間乾燥させて自然沈降成形体を得た。これ
の体積及び重さを測定し密度を求めた。
【0016】この自然沈降成形体の密度が小さいという
ことは、球状二次粒子自身がかなり軽量であり、該二次
粒子からは、密度0.1g/cm程度で実用的強度を
有する成形体を製造できることを示している。たとえば
特許第986812号に記載のトベルモライト結晶の球
状二次粒子は自然沈降成形体密度が大きく、このため上
記公知のトベルモライト結晶の二次粒子からは密度0.
1g/cm程度の成形体を製造することはできない。 (6) 本発明の二次粒子の平均見掛密度は約0.14
〜0.21g/cm、就中主として0.16〜0.2
0g/cmの範囲にあり、かなり軽量なものである。
但し上記平均見掛密度は次の様な方法で測定したもので
ある。 <平均見掛密度の測定方法>トベルモライト結晶のスラ
リーをアセトンによりスラリー中の水と置換させ、90
℃で24時間乾燥させ、球状二次粒子を破損することな
く粉体となす。この粉体Wgを測定し、ビーカー中に入
れる。次にビュレットを使用し水を該球状二次粒子に含
浸させ、ちょうど水が球状二次粒子に含浸した時(球状
二次粒子の粘性が急に増加するとき)の水の量を読みと
りVmlとする。この測定から球状二次粒子の平均見掛
密度(ρ)を次式により算出したものである。
【0017】
【化2】 但しρtはトベルモライトの真比重であって2.576
である。
【0018】本発明の球状二次粒子はたとえば次の様な
方法で製造される。
【0019】沈降容積5ml以上好ましくは7ml以上
の石灰乳と結晶質を主として含む珪酸とを固形分に対す
る水の量が15倍(重量)以上となる様に混合して原料
スラリーとなし、これを加圧下加熱攪拌しながら水熱合
成反応せしめるとトベルモライトまたはこれを主成分と
するゾーノトライトとの混合結晶から成る本発明の球状
二次粒子のスラリーとすることが出来る。この際の沈降
容積5ml以上とは水対石灰の固形分の比を120倍に
調製した石灰乳50mlをその直径1.3cmで容積が
50ml以上の円柱状容器に入れ、20分間静置した後
に石灰が沈降した容量をmlで示すものである。沈降容
積が5ml以上という極めて良く分散した懸濁性の優れ
た石灰乳を得るには生石灰を常温より高い温度の温水中
で良く攪拌しながら消和することによって達成される。
特に高い沈降容積を得るためには消和温度を高くした
り、ホモミクサー等で急速に攪拌したり、長時間攪拌し
たりすることによっても達成出来る。
【0020】またもう一方の原料として使用する珪酸原
料は平均粒径が1〜20μm好ましくは10μm以下の
微粒子の結晶質珪酸を主体とするものが使用出来る。該
結晶質珪酸としてはAlの含有量が少々高いもの
でも使用出来、たとえばAlが5%程度含有され
たものでも使用出来る。純度としてはSiOが90%
以上のものが通常使用される。
【0021】石灰と珪酸との配合モル比はトベルモライ
ト生成に望ましいモル比通常0.70〜0.95(Ca
O/SiOモル比)好ましくは0.75〜0.90程
度である。
【0022】これ等石灰乳と珪酸原料を混合し、水対固
形分比を15倍以上好ましくは18〜30倍とする。か
くして得られた原料スラリーを次いで加圧下加熱攪拌し
ながら水熱合成反応を行なわしめる。この際の圧力、温
度及び攪拌速度等の反応条件は該反応に用いる反応容
器、攪拌機等により適宜に決定される。水熱反応条件は
飽和水蒸気圧が5kg/cm以上で通常行なわれ、た
とえば12kg/cmの場合は191℃、10kg/
cmでは183℃程度である。反応時間は温度、圧力
を高めることにより短縮出来るが、経済的には反応時間
は短かい方が良いが操作時の安全性を加味すると10時
間以内が望ましく、たとえば12kg/cmで3時
間、8kg/cmで6時間程度である。
【0023】該水熱合成反応時に於ける攪拌は、使用原
料、反応容器、反応条件等に従って適宜に決定する。た
とえば直径150mm容量31の反応容器で擢形攪拌翼
を使用して12kg/cm、191℃の条件で合成す
る場合は、攪拌速度は100r.p.m程度で良い。攪
拌操作としては反応容器自身を回転したり、振動した
り、気体や液体を圧入したりする各種の攪拌操作を例示
出来る。本発明の水熱反応はバッチ式反応でも連続反応
でも良く、連続反応を行う場合には連続的に原料スラリ
ーを反応容器に圧入し反応が終了した合成スラリー(珪
酸カルシウム結晶スラリー)を常圧下に排出すれば良
い。この排出の際に二次粒子が損なわれないようにする
必要がある。また原料スラリーの水比をさげて反応容器
中で反応せしめ、反応後所定量の水を圧入して排出する
方法を行なっても良い。
【0024】この珪酸カルシウムの合成に際しては、反
応促進剤や触媒等を適宜添加することは可能であり、ま
た沈澱防止剤も添加出来る。これ等としては苛性ソーダ
や苛性カリ等のアルカリやアルカリ金属の各種塩類を例
示出来、更には石綿、セラミックファイバー等の無機繊
維も例示出来る。
【0025】上記の水熱合成反応によって、トベルモラ
イトの結晶より成る本発明の球状二次粒子が多数水に分
散したスラリーが得られる。このスラリーを二次粒子の
形状を損なわないように乾燥することにより本発明のト
ベルモライト球状二次粒子の粉体を得ることが出来る。
また該スラリー又は該粉体を二次粒子の形状を損なわな
いように800℃以上で焼成することによりワラストナ
イト球状二次粒子の粉体を得ることが出来る。
【0026】本発明の球状二次粒子が水に分散したスラ
リーはこれを所望の形状に成形し、ただ単に乾燥するの
みで、成形体とすることが出来る。この際の水の量は広
い範囲で適宜に決定すれば良いが、通常固形分に対して
3〜50倍好ましくは5〜30倍程度である。
【0027】本発明の球状二次粒子を水に分散乃至懸濁
せしめたスラリーから軽量で強度の大きいトベルモライ
ト成形体を製造することが出来る。
【0028】本発明に於いては上記スラリーに必要に応
じ各種の補強添加剤を添加することが出来る。この際の
補強添加剤としては広く各種のものが使用出来、その代
表的なものを例示すると例えばパルプ、麻、各種の有機
又は無機の合成及び天然繊維、セメント、粘土、石膏、
珪砂、珪藻土、パーライト、水ガラス、コロイダルシリ
カ、アルミナゾル、リチウムシリケート、澱粉、樹脂等
を例示出来る。有機質繊維としてはパルプ、麻等の天然
繊維やナイロン、テトロンの如き各種の合成繊維が使用
出来、また無機質繊維としては石綿、シリカファイバ
ー、グラスファイバー、ロックウール、黒鉛繊維、各種
ウイスカー等が使用出来る。また鉄筋、金網等も使用可
能である。これ等各種の補強添加剤を使用することによ
り、その補強添加剤の種類に応じて目的物成形体の強
度、耐熱性、硬度等を更に向上せしめることが出来る。
【0029】本発明のトベルモライト球状二次粒子から
得られるトベルモライト成形体は、従来のトベルモライ
ト球状二次粒子から製造されるトベルモライト成形体に
比し次の様な優れた特徴を有す。 A 0.1g/cm程度の密度の成形体でありながら
3kg/cm以上の実用的曲げ強度を有す。尚従来の
トベルモライト球状二次粒子からは0.1g/cm
度の軽量な成形体は製造出来ず、0.1g/cm程度
のトベルモライト成形体は、本発明の球状二次粒子の開
発によりはじめて可能となる。 B トベルモライトから成っているにもかかわらず耐熱
度が高く、850℃に加熱しても線収縮率は2%以下で
ある。 C 優先配向しており、特に嵩密度が0.3g/cm
以上で配向度が大きい。優先配向度は次の方法で測定さ
れたものである。
【0030】成形体の一部を採取して微粉砕し無配向粉
末試料を作り、一方上記成形体からプレス方向に直角な
面をもつ別の試料を作る(配向試料)。
【0031】次いで2つの試料のトベルモライト結晶の
(002)及び(220)面のX線回折強度をそれぞれ
測定する。
【0032】優先配向度(P)は
【0033】
【化3】 なる式によって与えられる。
【0034】ここでI(002)とI(220)は無配
向粉末試料の回折強度でI′(002)とI′(22
0)は配向試料の回折強度である。
【0035】本発明球状二次粒子は見掛密度が極端に低
く耐熱性が高く、且つこれを水或いは溶液中に懸濁さす
ことにより、容易に成形体とすることが出来、その成形
体は耐火建材、断熱材に極めて好適なものであり、また
該二次粒子から成る粉体は、充填剤、各種吸着剤、脱臭
剤、農薬、塗料、歯ミガキ粉、顔料、触媒担体、各種薬
品の担体等の用途がある。
【0036】
【実施例】以下に実施例を示して本発明の特徴とする所
を説明する。但し下記例に於いて部又は%とあるは特に
説明しないかぎり重量部又は重量%を示す。
【0037】
【実施例1】生石灰(CaO95.0%)42.25部
を80℃の温湯507部中で消和し、ホモミクサーにて
3分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は19.
9mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約9μmの珪
石粉末(SiO97.37%、Al0.99
%)53.21部を加えて全体の水量を固形分の22重
量倍となるように混合して原料スラリーを得、これを飽
和水蒸気圧12kg/cm、温度191℃で容積30
00cc、内径15cmのオートクレーブで回転数17
4r.p.mで攪拌翼を回転しながら3時間水熱合成反
応を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリーを
100℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、トベ
ルモライト結晶であることを確認した。この結晶スラリ
ーをスライドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察する
と第1図に示される通り外径が平均38μmの球状二次
粒子が認められた。また該スラリーに界面活性剤を添加
混合し、48時間静置自然沈降せしめ次いでこれを10
0℃で48時間乾燥して得られた自然沈降成形体の一部
を切り出し、これをカナダバルサムで固定し、次いでこ
れを研磨した後キシレンで上記カナダバルサムを除去し
て研磨試料を得た。この試料を走査型電子顕微鏡で観察
すると第3図に示される通りトベルモライト結晶が粗に
集合して球状二次粒子を形成していることが判明した。
【0038】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると第2図に示される通り長さ0.1〜10μ
m、巾0.1〜2μmの板状結晶と長さ0.1〜10μ
m、巾0.05〜0.5μmの針状結晶が認められた。
【0039】上記二次粒子の各特性は第1表の通りであ
った。
【0040】
【表1】
【0041】
【参考例1】実施例1で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第2表の通りであった。
【0042】
【表2】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
3表の通りであった。
【0043】
【表3】
【0044】
【実施例2】生石灰(CaO95.1%)41.42部
を80℃の温湯497部中で消和し、ホモミクサーにて
5分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は17.
5mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約8.5μm
の珪石粉末(SiO94.03%、Al2.3
7%)54.04部を加えて全体の水量を固形分の22
重量倍となるように混合して原料スラリーを得、これを
飽和水蒸気圧12kg/cm、温度191℃で容積3
000cc、内径15cmのオートクレーブで回転数1
74r.p.mで攪拌翼を回転しながら3時間水熱合成
反応を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリー
を100℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、ト
ベルモライト結晶であることを確認した。この結晶スラ
リーをスライドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察す
ると外径が平均52μmの球状二次粒子が認められた。
また該スラリーに界面活性剤を添加混合し、48時間静
置自然沈降せしめ次いでこれを100℃で48時間乾燥
して得られた自然沈降成形体の一部を切り出し、これを
カナダバルサムで固定し、次いでこれを研磨した後キシ
レンで上記カナダバルサムを除去して研磨試料を得た。
この試料を走査型電子顕微鏡で観察すると第4図に示さ
れる通りトベルモライト結晶が粗に集合したもの及び内
部が中空の球状二次粒子を形成していることが判明し
た。
【0045】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると長さ0.1〜10μm、巾0.1〜2μmの
板状結晶と長さ0.1〜10μm、巾0.05〜0.5
μmの針状結晶が認められた。
【0046】上記二次粒子の各特性は第4表の通りであ
った。
【0047】
【表4】
【0048】
【参考例2】実施例2で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第5表の通りであった。
【0049】
【表5】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加剤とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
6表の通りであった。
【0050】
【表6】
【0051】
【実施例3】生石灰(CaO95.6%)45.56部
を80℃の温湯547部中で消和し、ホモミクサーにて
6分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は28.
0mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約8.5μm
の珪石粉末(SiO94.03%、Al2.3
7%)59.44部を加えて全体の水量を固形分の20
重量倍となるように混合して原料スラリーを得、これを
飽和水蒸気圧8kg/cm、温度175℃で容積30
00cc、内径15cmのオートクレーブで回転数17
4r.p.mで攪拌翼を回転しながら6時間水熱合成反
応を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリーを
100℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、トベ
ルモライト結晶であることを確認した。この結晶スラリ
ーをスライドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察する
と外径が平均45μmの球状二次粒子が認められた。ま
た該スラリーに界面活性剤を添加混合し、48時間静置
自然沈降せしめ次いでこれを100℃で48時間乾燥し
て得られた自然沈降成形体の一部を切り出し、これをカ
ナダバルサムで固定し、次いでこれを研磨した後キシレ
ンで上記カナダバルサムを除去して研磨試料を得た。こ
の試料を走査型電子顕微鏡で観察するとトベルモライト
結晶が粗に集合して球状二次粒子を形成していることが
判明した。
【0052】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると長さ0.1〜10μm、巾0.1〜2μmの
板状結晶と長さ0.1〜10μm、巾0.05〜0.5
μmの針状結晶が認められた。
【0053】上記二次粒子の各特性は第7表の通りであ
った。
【0054】
【表7】
【0055】
【参考例3】実施例3で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第8表の通りであった。
【0056】
【表8】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
9表の通りであった。
【0057】
【表9】
【0058】
【実施例4】生石灰(CaO95.0%)45.83部
を80℃の温湯550部中で消和し、ホモミクサーにて
7分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は31.
6mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約1.6μm
の珪石粉末(SiO95.1%、Al3.27
%)59.17部を加えて全体の水量を固形分の20重
量倍となるように混合して原料スラリーを得、これを飽
和水蒸気圧12kg/cm、温度191℃で容積30
00cc、内径15cmのオートクレーブで回転数11
2r.p.mで攪拌翼を回転しながら3時間水熱合成反
応を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリーを
100℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、トベ
ルモライト結晶であることを確認した。この結晶スラリ
ーをスライドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察する
と外径が平均24μmの球状二次粒子が認められた。ま
た該スラリーに界面活性剤を添加混合し、48時間静置
自然沈降せしめ次いでこれを100℃で48時間乾燥し
て得られた自然沈降成形体の一部を切り出し、これをカ
ナダバルサムで固定し、次いでこれを研磨した後キシレ
ンで上記カナダバルサムを除去して研磨試料を得た。こ
の試料を走査型電子顕微鏡で観察するとトベルモライト
結晶が粗に集合したもの及び内部が中空の球状二次粒子
を形成していることが判明した。
【0059】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると長さ0.1〜10μm、巾0.1〜2μmの
板状結晶と長さ0.1〜10μm、巾0.05〜0.5
μmの針状結晶が認められた。
【0060】上記二次粒子の各特性は第10表の通りで
あった。
【0061】
【表10】
【0062】
【参考例4】実施例4で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第11表の通りであった。
【0063】
【表11】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
12表の通りであった。
【0064】
【表12】
【0065】
【実施例5】生石灰(CaO95.0%)42.23部
を80℃の温湯507部中で消和し、ホモミクサーにて
6分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は26.
0mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約1.6μm
の珪石粉末(SiO95.01%、Al3.2
7%)53.23部を加えて全体の水量を固形分の22
重量倍となるように混合して原料スラリーを得、これを
飽和水蒸気圧12kg/cm、温度191℃で容積3
000cc、内径15cmのオートクレープで回転数1
12r.p.mで攪拌翼を回転しながら5時間水熱合成
反応を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリー
を100℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、ト
ベルモライト結晶に少量のゾーノトライト結晶が混合し
たものであることを確認した。この結晶スラリーをスラ
イドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察すると外径が
平均31μmの球状二次粒子が認められた。また該スラ
リーに界面活性剤を添加混合し、48時間静置自然沈降
せしめ次いでこれを100℃で48時間乾燥して得られ
た自然沈降成形体の一部を切り出し、これをカナダバル
サムで固定し、次いでこれを研磨した後キシレンで上記
カナダバルサムを除去して研磨試料を得た。この試料を
走査型電子顕微鏡で観察するとトベルモライト結晶と少
量のゾーノトライト結晶が粗に集合したもの及び内部が
中空の球状二次粒子を形成していることが判明した。
【0066】上記二次粒子の各特性は第13表の通りで
あった。
【0067】
【表13】
【0068】
【参考例5】実施例5で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第14表の通りであった。
【0069】
【表14】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト5部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
15表の通りであった。
【0070】
【表15】
【0071】
【実施例6】生石灰(CaO95.0%)42.25部
を80℃の温湯507部中で消和し、ホモミクサーにて
2分間水中で分散させて得た石灰乳の沈降容積は8.1
mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約9μmの珪石
粉末(SiO92.37%、Al0.99%)
53.21部を加えて全体の水量を固形分の22重量倍
となるように混合して原料スラリーを得、これを飽和水
蒸気圧12kg/cm、温度191℃で容積3000
cc、内径15cmのオートクレーブで回転数174
r.p.mで攪拌翼を回転しながら3時間水熱合成反応
を行なって結晶スラリーを得た。この結晶スラリーを1
00℃で24時間乾燥してX線回折分析した所、トベル
モライト結晶であることを確認した。この結晶スラリー
をスライドグラス上で乾燥して光学顕微鏡で観察すると
外径が平均47μmの球状二次粒子が認められた。また
該スラリーに界面活性剤を添加混合し、48時間静置自
然沈降せしめ次いでこれを100℃で48時間乾燥して
得られた自然沈降成形体の一部を切り出し、これをカナ
ダバルサムで固定し、次いでこれを研磨した後キシレン
で上記カナダバルサムを除去して研磨試料を得た。この
試料を走査型電子顕微鏡で観察するとトベルモライト結
晶が粗に集合して球状二次粒子を形成していることが判
明した。
【0072】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると長さ0.1〜10μm、巾0.1〜2μmの
板状結晶と長さ0.1〜10μm、巾0.05〜0.5
μmの針状結晶が認められた。
【0073】上記二次粒子の各特性は第16表の通りで
あった。
【0074】
【表16】
【0075】
【参考例6】実施例6で得た結晶スラリーをプレス成形
し、120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向
度は第17表の通りであった。
【0076】
【表17】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
18表の通りであった。
【0077】
【表18】
【0078】
【比較例】生石灰(CaO95.0%)42.25部を
80℃の温湯507部中で消和して得た石灰乳の沈降容
積は4.0mlであった。上記石灰乳に平均粒子径約9
μmの珪石粉末(SiO97.37%、Al
0.99%)53.21部を加えて全体の水量を固形
分の22重量倍となるように混合して原料スラリーを
得、これを飽和水蒸気圧12kg/cm、温度191
℃で容積3000cc、内径15cmのオートクレーブ
で回転数174r.p.mで攪拌翼を回転しながら3時
間水熱合成反応を行なって結晶スラリーを得た。この結
晶スラリーを100℃で24時間乾燥してX線回折分析
した所、トベルモライト結晶であることを確認した。こ
の結晶スラリーをスライドグラス上で乾燥して光学顕微
鏡で観察すると外径が平均48μmの球状二次粒子が認
められた。また該スラリーに界面活性剤を添加混合し、
48時間静置自然沈降せしめ次いでこれを100℃で4
8時間乾燥して得られた自然沈降成形体の一部を切り出
し、これをカナダバルサムで固定し、次いでこれを研磨
した後キシレンで上記カナダバルサムを除去して研磨試
料を得た。この試料を走査型電子顕微鏡で観察するとト
ベルモライト結晶が密に集合して球状二次粒子を形成し
ていることが判明した。
【0079】またこの二次粒子を分散して電子顕微鏡で
観察すると長さ0.1〜10μm、巾0.1〜2μmの
板状結晶と長さ0.1〜10μm、巾0.05〜0.5
μmの針状結晶が認められた。
【0080】上記二次粒子の各特性は第19表の通りで
あった。
【0081】
【表19】
【0082】
【参考例】比較例で得た結晶スラリーをプレス成形し、
120℃で20時間乾燥して得た成形体の優先配向度は
第20表の通りであった。
【0083】
【表20】 次いで上記結晶スラリー85部(固形分)に添加材とし
てガラス繊維7部、パルプ5部及びポルトランドセメン
ト3部を加えて、同様にプレス成形し、120℃で20
時間乾燥して成形体を得た。得られた成形体の物性は第
21表の通りであった。
【0084】
【表21】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の本発明のトベルモライト結晶球状二
次粒子の100倍の光学顕微鏡写真である。
【図2】実施例1の該粒子を分散した7500倍の電子
顕微鏡写真である。
【図3】実施例1の自然沈降成形体の研磨面の走査型電
子顕微鏡写真(600倍)である。
【図4】実施例2の自然沈降成形体の研磨面の走査型電
子顕微鏡写真(600倍)である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月12日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のトベルモライト結
晶球状二次粒子の粒子構造を示す100倍の光学顕微鏡
写真である。
【図2】実施例1で得られたトベルモライト結晶球状二
次粒子を分散させた一次粒子の結晶構造を示す7500
倍の電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例1で得られた自然沈降成形体の研磨面の
組織を示す走査型電子顕微鏡写真(600倍)である。
【図4】実施例2で得られた自然沈降成形体の研磨面の
組織を示す走査型電子顕微鏡写真(600倍)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沈降容積5ml以上の石灰乳と結晶質珪
    酸原料とを、固形分に対する水の量が15重量倍以上と
    なるように混合調製して得られる原料スラリーを加圧下
    加熱攪拌しながら水熱合成反応を行なわしめ、トベルモ
    ライト結晶を主成分とする珪酸カルシウム結晶二次粒子
    を生成せしめることを特徴とする珪酸カルシウム球状二
    次粒子の製造方法。
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