JPH0639540B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0639540B2
JPH0639540B2 JP2037916A JP3791690A JPH0639540B2 JP H0639540 B2 JPH0639540 B2 JP H0639540B2 JP 2037916 A JP2037916 A JP 2037916A JP 3791690 A JP3791690 A JP 3791690A JP H0639540 B2 JPH0639540 B2 JP H0639540B2
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一弘 椚原
一夫 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平坦易滑性及び耐摩耗性に優れ、巻き特性の
改良された二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリエステルフィルムは物理的、化学的特性に優れ、産
業用資材として広く用いられている。就中、二軸に配向
したポリエチレンテレフタレートフィルムは、特に機械
的強度、寸法安定性、平面性等に優れることから、磁気
記録媒体のベースフィルムやコンデンサー誘電体として
賞用されている。また、優れた透明性を生かして、グラ
フィックアーツ、ディスプレー及び包材等の分野にも広
く用いられている。
ところで、これらのフィルムを実際に取り扱うに際して
は、走行性および耐摩耗性に優れることが要求される
が、従来この特性は必ずしも充分には達成されていなか
った。
例えば、フィルム同志あるいは、フィルムと基材とが高
速で接触すると両者の間の摩擦、摩耗が大きくなりフィ
ルムに擦り傷が発生したり、摩耗粉が生成するようにな
る。
この摩耗粉は、例えば磁気記録用途においては記録信号
の欠落、すなわちドロップアウトの原因となり、フィル
ムの商品価値を著しく低下させてしまう。
一般にフィルムの走行性及び耐摩耗性を改良するために
はフィルム表面を適度に粗せば良いことが分かってい
る。そしてこの事を達成するために原料ポリエステル中
に微粒子を存在させる方法が採用されており、一部実用
化もされているが、平坦なフィルムでかつ作業性及び耐
摩耗性を同時に改良したフィルムは得られていなかっ
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる実情に鑑み、フィルム表面が平坦で
滑り性及び耐摩耗性に優れかつフィルム製造時の作業
性、特に巻き特性が改良されたフィルムを提供すべく鋭
意検討を重ねた結果、ある特性の架橋高分子粒子と該粒
子の平均粒径と異なる平均粒径を有する粒子を含有させ
ることにより、かかる要求特性を満たすことができるこ
とを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、300℃で30分間処理後の
重量減少率が30重量%以下であり、かつ、平均粒径が
0.05〜3μmである、エチレングリコール単位を有する
架橋高分子粒子(A)と、平均粒径が粒子(A)の0.7
倍未満である粒子(B)及び/又は平均粒径が粒子
(A)の1.4倍以上である粒子(C)とを含有してなる
二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸
又はそのエステルと、エチレングリコールを主たる出発
原料として得られるポリエステルを指すが、他の第三成
分を含有していてもかまわない。この場合、ジカルボン
酸成分としては例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、及びオキシカルボン酸成分、例えばp
−オキシエトキシ安息香酸などの一種又は二種以上を用
いることができる。グリコール成分としては、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールなどの一種又は二種以上を用いることがで
きる。いずれにしても、本発明のポリエステルとは繰り
返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単
位又はエチレン−2,6−ナフタレン単位を有するポリ
エステルを指す。
また本発明のポリエステルフィルムとは、かかるポリエ
ステルを出発原料とする、二軸に配向されたポリエステ
ルフィルムを指すが、その製造法としては公知の方法を
用いることができる。例えば通常270〜320℃でシ
ート状に溶融押出し、40〜80℃で冷却固化して無定
形シートとし、次いで縦、横方向に遂時二軸延伸あるい
は同時に延伸した後、160〜250℃で熱処理する等
の方法(例えば特公昭30−5639号公報記載の方
法)を利用することができる。縦及び横方向に延伸する
に際しては、各一段に延伸してもよいし、また必要に応
じ多段で延伸したり多段延伸の間に配向緩和のための熱
処理区間を設けたりすることもできる。また二軸延伸
後、次工程の熱処理工程に供する前に再度延伸してもよ
い。この再延伸は縦横いずれの方向に行なうこともでき
るし、また両方向に行なってもよい。
本発明の意図するところは、ポリエステル中に第1成分
としてエチレングリコール単位を含有し耐熱性およびポ
リエステルとの親和性に優れた架橋高分子粒子(A)を
含有させ、更にフィルムの諸特性の改良を行なうため、
架橋高分子粒子(A)の平均粒径と異なる粒子を少なく
とも1種含有させることにある。
第1成分である架橋高分子粒子(A)の平均粒径は0.05
〜3μmの範囲であり、好ましくは0.1〜2μmの範囲
である。平均粒径が0.05未満では、フィルムの表面特性
及び耐摩耗性の改良効果が十分でない。また3μmを超
えるとフィルムの表面粗度が大きくなり過ぎたり、大粒
子の混在が増し、フィルム品質を低下させるため好まし
くない。
粒子(A)と併用する粒子の平均粒径は上記粒子(A)
の平均粒径の0.7倍未満または1.4倍以上である。
第1成分の粒子であるエチレングリコール単位を含有し
た耐熱性に優れた架橋高分子粒子を単独で用いた場合に
は、ポリエステルとの親和性が良く耐摩耗性も優れてい
るが、フィルムを高速で巻いたときに巻きズレが発生し
やすい。平均粒径の異なる粒子を含有することで高速で
の巻き特性が改良されるが、第1成分である架橋高分子
粒子の平均粒径と近接した平均粒径を有する粒子では、
改良効果が不充分で高速巻取りした際に巻きズレが残
る。フィルム中に含有させる粒子の総含有量は0.005〜
1重量%が好ましく、更に好ましくは0.03〜0.6重量%
の範囲である。
次に本発明のフィルム中に含有させる各粒子について詳
細に説明する。
本発明で用いる第1成分の架橋高分子粒子(A)は二つ
の特徴を有する。
その一つは架橋高分子粒子(A)中にエチレングリコー
ル単位(−CHCHO−)が含まれていることにあ
る。そして、架橋高分子粒子中のエチレングリコール単
位の含有率は通常3〜38重量%の範囲であり、好まし
くは5〜25重量%の範囲である。エチレングリコール
単位の含有率が3重量%未満では、ポリエステルに配合
したときに凝集して2次粒子を形成するため好ましくな
い。
該粒子中にエチレングリコール単位が含有されているこ
とによりポリエステルとの親和性が増し、その一部がポ
リエステルと反応しポリエステルと強固な結合を持った
粒子としてポリエステル中に埋没させることができ、先
に述べたテープ走行時の磁気ヘッド、ガイドピン等との
摩擦及び摩耗の際に生じる粒子脱落を大幅に改良するこ
とができる。更に予期せぬ効果としてポリエステル中に
おける該粒子の分散性が飛躍的に改良されることであ
る。
本発明で用いる架橋高分子粒子(A)の第二の特徴は、
耐熱性を有することにある。すなわち、本発明において
架橋高分子粒子の300℃で30分間処理後の重量減少
率は30重量%以下、好ましくは20重量%以下であ
る。重量減少率が30重量%を超える架橋高分子粒子
は、ポリエステル成形品の製造工程において融解、分解
する。
かかる特性を有する架橋高分子粒子(A)は、例えば以
下に示す方法により製造することができる。
すなわち、分子中にエチレングリコール単位を有するモ
ノマー、例えば下記一般式(1)で示される化合物を重合
させるか、該化合物と共重合可能な化合物とを共重合さ
せることにより製造することができる。
ただし、上記式中、R1は水素原子またはC1〜C4の直
鎖または分岐鎖アルキル基を示し、R2は水素原子また
を示し、nは1以上の整数を示す。
一般式(1)で示される化合物の中でも、本発明において
は、特にエチレングリコールモノアクリレート、エチレ
ングリコールメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート等が
好ましく用いられる。また、これらの化合物と共重合可
能な化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、スチレ
ン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
以上、例示した化合物を重合させることにより本発明で
用いる架橋高分子粒子(A)を得ることができるが、重
合に際しては乳化重合法を応用すると良い。ここで言う
乳化重合法とはソープフリー重合、シード重合等の概念
も包括した広義の乳化重合を指す。
例えば水媒体中に水溶性の重合開始剤を所定量溶解した
後、あらかじめ常法により精製した前記一般式(1)で示
される化合物およびビニル化合物とを均一に混合し添加
する。浴比(モノマー/水の割合)は、通常1/30〜
1/5の範囲である。浴比が1/30未満ででは生産性
が劣るため好ましくない。また、浴比が1/5以上では
凝集粒子が生成し易くなるため好ましくない。
次に撹拌下、重合開始剤の分解開始温度以上、好ましく
は40〜80℃で6〜8時間重合する。その際、モノマ
ー組成によっては、一部、凝集粒子が生成する場合もあ
るので、この場合は粒子の分散安定性を保持するため分
散安定剤を添加してもよい。なお、水溶性の重合開始剤
としては過酸化水素、過硫酸カリウムあるいは過硫酸カ
リウム−チオ硫酸ナトリウム等のレドックス系開始剤を
用いることができる。この場合、架橋高分子粒子(A)
は均一に分解した水スラリーとして得られるので、ポリ
エステルに配合するためにエチレングリコールスラリー
に置換するか、乾燥した粒子として取り出すことが好ま
しい。
なお、本発明において用いる架橋高分子粒子(A)はポ
リエステルの合成あるいは成型時の高温においても実質
的に不溶、不融のものであることが好ましい。すなわ
ち、架橋高分子粒子(A)はポリエステル製造工程で接
触する可能性のあるメタノール、エタノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール等のグリコール類、ビス−(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びそのオリゴマ
ー、更にはポリエステルに対して高温においてもほとん
ど不溶性であることが好ましい。
粒子(B)および粒子(C)として用いることのできる
粒子の1つである架橋高分子粒子の典型的な例として、
例えば特公昭59−5216号公報に記載されているよ
うに、分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモ
ノビニル化合物と架橋剤として分子中に二個以上の脂肪
族の不飽和結合を有する化合物との共重合体を例示する
ことができるが、勿論これらに限定されるものではな
く、例えば熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ
樹脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂あるい
はポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂の
微粉体を用いることもできる。
本発明において第2、第3成分として架橋高分子粒子を
用いる場合、特に第1成分の架橋高分子粒子と同一組成
の粒子であることが好ましい。
ポリエステル合成反応系で析出させた粒子も、本発明の
粒子(B)および粒子(C)として用いることができ、
例えばエステル交換反応をリチウム化合物及び/又はカ
ルシウム化合物の存在下行ない、エステル交換反応終了
後、リン酸、亜リン酸もしくはこれらのアルキルエステ
ルまたはアリールエステルから成る群から選ばれた化合
物の一種以上をこれら金属化合物の合計量に対し0.6〜
3倍当量添加し、引き続き重縮合反応を行なうことによ
り得られる、ポリエステル中に析出した粒子を挙げるこ
とができる。
この場合、用いるリチウム化合物としてはエステル化も
しくはエステル交換反応生成物に溶解するものならよ
く、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸のような脂肪族カ
ルボン酸の塩、安息香酸、p−メチル安息香酸のような
芳香族カルボン酸の塩、更にエチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のリチウムグリコラートを挙げるこ
とができる。
この中でも脂肪族カルボン酸リチウム、就中、酢酸リチ
ウムが好ましい。またその量は芳香族ジカルボン酸成分
に対し0.03〜0.4モル%、特に0.1〜0.3モル%が好まし
く用いられる。
またカルシウム化合物としては、エステル化もしくはエ
ステル交換反応生成物に溶解するものなら特に制限は無
く、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸のような脂肪族カ
ルボン酸の塩、安息香酸、p−メチル安息香酸のような
芳香族カルボン酸の塩、更にエチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のカルシウムグリコラートを挙げる
ことができる。この中でも脂肪族カルボン酸カルシウ
ム、特に酢酸カルシウムが好ましく用いられる。
また、カルシウム化合物の量は芳香族ジカルボン酸成分
に対し0.05〜0.3モル%、特に0.08〜0.15モル%が好ま
しく用いられる。
リン化合物としては上述の金属化合物と反応してその一
部または全部をリン酸塩または亜リン酸塩の誘導体に転
化できるものならば良いが、特にリン酸、リン酸のトリ
アルキルエステル、リン酸の部分アルキルエステル、亜
リン酸、亜リン酸のトリアルキルエステル及び亜リン酸
の部分アルキルエステルが好ましく用いられる。
これらリン化合物の添加量は金属化合物の合計量に対し
0.6〜3倍当量、好ましくは0.8〜2倍当量、更に好まし
くは0.9〜1.5倍当量用いられる。
なおここで金属化合物に対するリン化合物の当量比は以
下の式 (式中P,Ca及びLiはそれぞれリン化合物、カルシ
ウム化合物及びリチウム化合物のモル数を示す。) 以上のように金属化合物及びリン化合物を併用すること
により、粒子中に使用した金属元素及びリン元素を含有
する析出粒子が得られる。もちろんリチウム化合物また
はカルシウム化合物の一部または全部をエステル交換反
応終了後に添加することにしてもよい。
なお、この析出粒子の定量は次のようにして行なう。
ポリエステルフィルム中の析出粒子の定量:ポリエステ
ル100gにo−クロロフェノール1.0を加え120
℃で3時間加熱した後ベツクマン製超遠心機L3−50
を用い30,000rpmで40分間遠心分離を行い、得
られた粒子を100℃で真空乾燥する。該粒子を走査型
差動熱量計にて測定したとき、ポリマーに相当する融解
ピークが認められる場合には該粒子にo−クロロフェノ
ールを加え加熱冷却後再び遠心分離捜査を行う。融解ピ
ークが認められなくなった時粒子を析出粒子としポリエ
ステルに対する重量比を算出する。
また、無機粒子も本発明の粒子(B)および粒子(C)
として用いることができ、具体的にはカオリン、タル
ク、カーボン、硫化モリブデン、石膏、岩塩、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシ
ウム、ゼオライト、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、
二酸化チタン等を挙げることができる。しかしながら、
これら無機粒子は通常天然鉱物を粉砕又は合成して得ら
れるが、粗大粒子や凝集粒子が混在してくることもあ
る。ポリエステル中に粗大粒子及び凝集による大粒子が
混在すると、押出し工程でのフィルターの閉塞、製膜時
のフィルム破断が生じたり、またフィルム中にフィッシ
ュアイと呼ばれる微小欠陥のため、磁気テープにおける
ドロップアウトやコンデンサーにおける耐電圧不良等の
問題点を引き起こす。特に近年の磁気テープ分野では、
小型化、長時間化及び高画質化による精密化が望まれて
いる。従ってフィルム表面の凹凸をより均一に微細化す
る必要がある。
かかる目的に対し、不活性無機粒子を予め粉砕分級する
ことにより粗大粗子を除去して用いる方法が提案されて
いる。例えば天然原石を粉砕した粉末、又は合成して得
られた粉末を更に乾式もしくは湿式で粉砕処理を行い、
ついで乾式又は湿式で分級処理する方法が知られてい
る。
本発明に用いる粒子をポリエステルへ添加する方法は特
に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。
例えば、ポリエステル製造工程のいずれかの段階、好ま
しくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後重縮
合反応開始前の段階でエチレングリコールスラリーとし
て添加し重縮合反応を進めてもよいし、また粒子とポリ
エステルチップとを直接ブレンドしてもよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお実施例及び比較例中「部」とあ
るは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は以下の通りである。
エチレングリコール単位 架橋高分子粒子中のエチレングリコール単位とは−CH2
−CH2−O−を指し、その割合は下記式より求めた。
平均粒径 反応系内で析出した粒子については、析出粒子含有ポリ
エステルをフェノール/テトラクロルエタン=2/3溶
媒を用いてポリエステルを溶解した後、マイクロトラッ
ク(日機装社製)にて測定し平均粒径を求めた。
その他の粒子は、電子顕微鏡にて粒径を測定した。平均
粒径は等価球換算値の重量分率50%の点の粒径(直
径)として算出した。
重量減少率 島津製作所製熱分析装置DT−20Bs型を用い、窒素
ガス流通下(200m/min)室温から10℃/minの
昇温速度で300℃まで加熱し、300℃で30分間保
持後の架橋高分子粒子の重量減少率を下記式より求め
た。
表面粗度(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとし、
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面
曲線からその中心線の方向に基準長さ(2.5mm)の部分
を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率
の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたと
き、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わした。中心
線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線
を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中
心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半
径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mm
とした。
走行性(μd) 第1図の装置により、固定した硬質クロムメッキ金属ロ
ール(直径6mm)にフィルムを巻きつけ角135°
(θ)で接触させ、53g(T)の荷重を一端にかけ
て、1m/minの速度でこれを走行させ他端の抵抗力(T
1(g))を測定し、次式により走行中の摩擦係数(μd)
を求めた。
耐摩耗性 第2図に示す走行系でフィルムを200mにわたって走
行させ、6mmφの硬質クロム製固定ピンに付着した摩耗
白粉量を目視評価し、下に示すランク別に評価を行なっ
た。なお、フィルム速度は10m/minとし、張力は約2
00g、θ=135°とした。
ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクC:極めて多く付着する。
粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、干渉顕微鏡を用
い二光束法にて測定した。測定波長0.54μmで3次以上
の干渉縞を示す突起個数を25cm2測定して求めた。
巻き特性 フィルムをロール状に巻き上げた際のロール表面及びロ
ール端面の外観を以下の3段階で判定した。
ロール表面にほとんどシワやシブ状の欠陥を有さずロー
ル端面が揃っているもの ○ ロール表面にシワはほとんど無いがシブ状の欠陥が若干
発生しロール端面が若干不揃のもの △ ロール表面にシワが発生したり、またはロール端面が不
揃のもの × 実施例1 (エチレングリコール単位を含有する架橋高分子粒子
(a)の製造) 脱塩水100部に水溶性重合開始剤の過硫酸カリウム0.
3部と分散安定剤としてエマールO(ラウリル硫酸ナト
リウム;花王アトラス社製)を0.004部添加し均一に溶
解した後、スチレン9部、ジビニルベンゼン1部の均一
溶液を加えた。
次に窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら70℃に昇温し8
時間重合を行なった。得られた架橋高分子粒子の平均粒
系は0.77μmであった。更に反応系に脱塩水300部、
エチレングリコールジメタクリレート2.1部、メチルメ
タクリレート0.6部およびジビニルベンゼン0.3部の均一
混合液を加え70℃で6時間重合を行なった。反応收率
は99%で得られた粒子の平均粒系は0.82μmであり、
窒素下300℃30分間加熱処理後の重量減少率は13
%であった。
生成した架橋高分子粒子の水スラリーにエチレングリコ
ール240部を加え加熱、減圧下で水を留去した。
(架橋高分子粒子(b)の製造) 脱塩水120部に水溶性重合開始剤の過硫酸カリウム0.
32部と分散安定剤としてエマールO(ラウリル硫酸ナト
リウム:花王アトラス社製)を0.0004部添加し均一に溶
解した後、エチレングリコールジメタクリレート7部、
メチルメタクリレート2部およびジビニルベンゼン1部
の均一溶液を加えた。
次に窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら70℃に昇温し、
70℃−6時間重合を行った。反応率は99%で得られ
た架橋高分子粒子の平均粒系は0.30μmであった。
生成した架橋高分子粒子の水スラリーにエチレングリコ
ール190部を加え、加熱、減圧下で水を留去した。
(ポリエステルフィルムの製造) ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール
60部及び酢酸マグネシウム四水塩0.09部を反応器にと
り、加熱昇温するとともにメタノールを留去してエステ
ル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230
℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。
次いで平均粒径0.82μmの架橋高分子粒子(a)を0.04%
含有するエチレングリコールスラリーを添加した後、エ
チルアシッドフォスフェート0.04部と三酸化アンチモン
0.035部を添加し4時間重縮合を行い、極限粘度0.66の
ポリエチレンテレフタレート(I)を得た。
原料(I)の製造と同様にエステル交換反応を行ない、
ついで平均粒子径0.30μmの架橋高分子粒子(b)を0.40
%含有するエチレングリコールスラリーを添加した後、
原料(I)と同様に重縮合を行ない、極限粘度の0.66の
ポリエチレンテレフタレート(II)を得た。
次に原料(I)、(II)を50/50重量比になるよう
にブレンダーで混合して乾燥を行なった後、285℃で
溶融押出しを行ない厚さ185μの無定形フィルムを得
た。
次いで縦及び横方向に各々3.5倍延伸後190℃で熱固
定を行なった後冷却して15μの二軸延伸フィルムを得
た。
実施例2 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
70部、酢酸カルシウム−水塩0.10部及び酢酸リチウム
二水塩0.17部を反応器にとり加熱昇温すると共にメタノ
ールを留去させエステル交換反応を行ない、反応開始後
約4時間で230℃まで昇温し、実質的にエステル交換
反応を終了させた。
次にこの反応生成物を235℃に昇温した後、トリエチ
ルホスフェート0.30部(金属化合物に対し1.2倍当量)
を添加し、更に三酸化アンチモン0.05部を添加した後、
常法に従って重合し、平均粒径0.45μmの析出粒子を0.
4wt%含有するポリエステル(III)を得、次いでポリエ
ステル(I)と50/50重量比で混合し、更に実施例
1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例3 実施例1において、粒子(b)の代わりに湿式粉砕、湿式
分級及び濾過処理を行なった平均粒子径0.43μmの重質
炭酸カルシウム粒子(b′)を用い、実施例1と同様の方
法でポリエステルフィルムを得た。
実施例4 実施例1においてポリエステル(I)中の架橋高分子粒
子(a)を架橋高分子粒子(b)に変え、含有量を0.4wt%と
し、ポリエステル(II)中の架橋高分子粒子(b)を公知
の湿式粉砕、湿式分級及び濾過処理を行なった平均粒子
径0.80μの重質炭酸カルシウム粒子(c)に変え、含有量
を0.04wt%とした他は実施例1と同様の方法でポリエス
テルフィルムを得た。
比較例1 実施例3において、架橋高分子粒子(a)を含有させない
他は実施例3と同様の方法でポリエステルフィルムを得
た。
比較例2 実施例4において、第2成分の重質炭酸カルシウム粒子
(c)の平均粒径を0.30μmに変える他は実施例4と同様
の方法でポリエステルフィルムを得た。
比較例3 実施例1において、ポリエステル(I)中の架橋高分子
粒子(a)を平均粒径0.43μmの重質炭酸カルシウム粒子
(d)にポリエステル(II)中の架橋高分子粒子(b)を平均
粒径0.75μmの球状シリカに変える他は実施例1と同様
の方法でポリエステルフィルムを得た。
以上得られた結果をまとめて下記表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明のフィルムは、架橋高分子粒子の良好な特性、特
に耐摩耗性を失なうことなく平坦易滑性および巻き特性
が優れており、各種の用途に好適に用いることができ、
その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は金属との動摩擦係数を評価する走行系を示し、
(I)は6mmφの硬質クロムメッキ固定ピン、(II)は
入り口テンションメーター、(III)は出口テンション
メーターを示し、θは135°である。 第2図は耐摩耗性を評価する走行系を示し、(IV)は6
mmφの硬質クロム製の固定ピン、(V)はテンションメ
ーターを示し、θは135°である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】300℃で30分間処理後の重量減少率が
    30重量%以下であり、かつ、平均粒径が0.05〜3μm
    である、エチレングリコール単位を有する架橋高分子粒
    子(A)と、平均粒径が粒子(A)の0.7倍未満である
    粒子(B)及び/又は平均粒径が粒子(A)の1.4倍以
    上である粒子(C)とを含有してなる二軸配向ポリエス
    テルフィルム。
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