JPH06391Y2 - デイスク収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、音楽、あるいは映像が記録された光学ディス
クや、その他の情報が記録されたレコードディスク、あ
るいは記録し得るディスクを収納保管するために用いら
れるディスク収納装置に関する。

〔従来の技術〕

従来光学ディスクプレーヤに用いられる光学ディスク
は、一側面に音楽、あるいは映像、あるいはその他の情
報信号を微細なピツト列として記録すると共に、信号記
録面にアルミニューム等の金属材料を蒸着する等してレ
ーザビームの反射膜を設けた透明合成樹脂の基板と、こ
の基板に反射膜を保護する保護層とを一体に積層して形
成されている。そしてこの光学ディスクはプレーヤに装
着されて、光学ピックアップ装置からのレーザビームに
より上述のピット列として記録された情報信号が読取ら
れ、光学検出素子により再生されるように構成されてい
る。

このように光学ディスクはレーザビームにより情報信号
が読取られるものであるから、レーザビームが照射され
る透明な基板面に傷が付き、あるいは油、その他の塵埃
が付着すると、上記レーザビームが乱反射する等してピ
ット列として記録された情報信号の読取りに欠落を生じ
させ、良好な再生状態を損うことになる。

そこで傷や塵埃の付着を防止するため、ディスクを完全
に収納するディスク収納装置としてのディスクケースが
用いられている。

そして従来のディスク収納装置では、ディスクを収納す
る凹部を有する板状のトレー本体と、その凹部側の上面
に覆われる透明の蓋体とよりなり、トレー本体と蓋体と
が、それらの一側縁において、いわゆるヒンジにより連
結されており、トレー本体の凹部内にディスクを収納し
て後蓋体を閉めることによって、ディスクを確実にディ
スク収納装置内に保護するようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようなディスク収納装置にあっては、ディスクの収
納状態で上述したようにディスクを保護することができ
るが、一方、このディスク収納装置よりディスクを取出
す場合に、トレー本体を裏返してディスクをその下方よ
り片方の手で受け止め乍らディスク収納装置より取出す
等、その取出しに困難を来たし、しかも手で受け止め損
った場合に、落下させてディスクに損傷を与える等の問
題点があり、特に乗用車等にいわゆるカーステレオとし
て、これら光学ディスクの再生装置を搭載した場合に
は、従来のディスク収納装置では運転中は全くディスク
を取出すことができず、従来のテープカセットの如く片
手によるカーステレオ装置への着脱は不可能であった。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は主トレー(8)に対して副トレー(9)の一部を重合
わせることによって凹状のディスク載置部(3)を構成す
ると共に、副トレー(9)を主トレー(8)に対して回動自在
に設けてなるトレー本体(4)と、主トレー(8)に対して回
動自在に設けられた蓋体(5)とを備え、副トレー(9)にデ
ィスク載置部(3)に載置されたディスク(10)の中央に向
かって突出し、ディスク把持部と成る突片(18)を形成す
るとともに、突片(18)にその略々中央部に上記ディスク
載置部(3)内に突出し、ディスク載置部(3)に対してほぼ
垂直方向に弾性変位可能にディスク挟着部(19)を設けて
なることを特徴とするディスク収納装置としたものであ
る。

〔作用〕

これによりディスク挾着部には周囲の突片に比してより
一層柔軟性を有し、親ゆびと人差ゆびとでこのディスク
挾着部を挾むことにより、トレー上に載置したディスク
の周縁を間接的に挾むことができ、トレー本体を分離さ
せることにより、ディスクの大半を外部に露出させるこ
とができるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の具体的な実施例を図面を参照して説明す
る。

本考案によるディスク収納装置(1)は第１図、第２図に
示される様に、ディスク収納用の凹部(3)を有するトレ
ー本体(4)と、このトレー本体(4)に枢着された蓋体(5)
と、トレー本体(4)の一側壁、この実施例では前縁壁(6)
に設けられた押ボタン(7)とより構成されている。

トレー本体(4)は第２図に示される様に、蓋体(5)に連設
された主トレー(8)と、この主トレー(8)に回動自在で且
つ取外し自在に取付けられる副トレー(9)とから構成さ
れている。主トレー(8)の上面には、ディスク収納用の
凹部(3)を構成する光学ディスク(10)のセンター穴(10a)
を含む略半円状の凹部(3a)が設けられ、副トレー(9)と
の突合せ側はこの副トレー(9)との重合せ部(11)が設け
られている。なお、凹部(3a)の内面（底壁）は球面状と
なされ、中央より周縁部が高くなされている。従って第
４図に見られるように、凹部(3a)と重合せ部(11)とは傾
斜部(12)を介して連設されている。なお、凹部(3)の周
縁が中央部に対して高く構成されているのはディスク(1
0)の記録部分が凹部(3)の底壁全体で接触せず、ディス
クの周縁のみを凹部(3)で支持するようになし、ディス
ク(10)を凹部(3)に収納した際、ディスク(10)の信号の
記録面に傷が付かないようになす為である。

更に重合せ部(11)の両側には前方に突出する様に一対の
アーム(13)(13)が設けられ、その先端に副トレー(9)の
両側に設けられたピン(14)(14)が回動自在に嵌合するス
リ割り溝(15)(15)が形成されている。なお、スリ割り溝
(15)(15)は開放端を幅広とし、内方側に軸受部(15a)(15
a)を有し、夫々の軸受部(15a)(15a)に副トレー(9)のピ
ン(14)(14)が回動自在に嵌合されている。

一方、副トレー(9)の主トレー(8)への突合せ側は主トレ
ー(8)の重合せ部(11)上に重合され（第４図参照）、副
トレー(9)の上面側には、主トレー(8)に設けた凹部(3a)
とともにディスク収納用の凹部(3)を構成する凹部(3b)
が設けられている。また主トレー(8)のアーム(13)(13)
と嵌合する段部(16)(16)を有し、これら段部(16)(16)に
上述のピン(14)(14)が植設されている。なお、副トレー
(9)の主トレー(8)への突合せ側には、切欠部(17)が設け
られ、且つ凹部(3b)もその底壁が凹部(3b)と連続した形
状の球面状となされている。

更に副トレー(9)にはディスク(10)が凹部(3)に収納され
た時、ディスク(10)の周縁上に位置するまで主トレー
(8)方向に突出した円弧状の突片(18)が一体に形成さ
れ、且つこの突片(18)の略々中央部、即ちディスク(10)
を指で挾む位置にディスク挾着部(19)が設けられてい
る。この挾持部(19)の一側縁に切欠(20)が設けられると
共に、第５図に示される様に、挾着部(19)の下面にはデ
ィスクの周縁を押圧する突起(21)が設けられている。な
お切欠(20)を形成することにより挾着部(19)を指で押圧
したとき、挾着部(19)及び突片(18)が弾性変形できるよ
うにしており、挾着部(19)ひいては突片(18)がディスク
(10)を副トレー(9)との間で確実に挾圧保持するように
なされる。この挾着部(19)は、突片(18)より肉厚を薄く
形成することもできる。

また、蓋体(5)は主トレー(8)の一隅に設けられた凹部
（図示せず）に回動自在に嵌合されたピン(22)によりト
レー本体(4)に対し、回動自在に枢着されている。そし
て左右の両側縁には本体(4)の夫々の側壁と嵌合する折
曲片(23)が設けられると共に、円弧状の突片(18)とその
形状が一致する切欠部(24)が形成されている。よって閉
蓋状態では第１図に示すように、突片(18)の上面と蓋体
(5)の上面とは、互にほぼ同一面にある。

以上説明した本考案によれば、トレー本体(4)は主トレ
ー(8)と副トレー(9)とに分離可能に構成されており、し
かも副トレー(9)には突片(18)のほぼ中央部即ち親ゆび
と人差ゆびでちょうど挾み易い位置にディスク挾着部(1
9)を設け、更にその一側縁には切欠(20)を設けているの
で、本考案によるディスク収納装置内にディスク(10)を
収納した状態において、一方の手の親ゆびと人差ゆびと
で副トレー(9)のディスク挾着部(19)を挾んだ状態で片
方の手により主トレー(8)を以って互に引離せば、これ
ら両者即ち主トレー(8)と副トレー(9)とは分離し、この
場合、ディスク(10)は上述した挾着部(19)に挾まれて副
トレー(9)側に持ち来たされ、そのほぼ半分以上が外部
に露出することになる。第６図はこの状態を示す。

又、第１図の状態で、片手で副トレー(9)を上述と同様
に挾み、片手で主トレー(8)に当てがって、これら両者
をピン(14)を中心にして回動させれば、これによっても
第７図に示す如く内部のディスク(10)の大半を外部に露
出させることもでき、よって、第６図又は第７図のいず
れの状態にあっても、その状態で、ディスク(10)をディ
スクプレーヤにローディングさせることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、ディスク(10)に直
接手を触れることなく、ディスク収納装置内よりこのデ
ィスク(10)を取出すことができ、しかもこの取出し状態
では、ディスク(10)は親ゆびと人差ゆびとで挾着されて
いるので、これが脱落することがない。

よってディスクの取出しが容易であると共に且つその脱
落を確実に回避できる特徴がある。

又複数のディスク収納装置が互に並べられてある場合に
は、それらの主トレー(8)を互に固定して置けば、上述
したように所望の副トレー(9)のみを引出すことによ
り、容易にディスク(10)を引出し得、よってこの場合は
片手にても操作をなし得、乗用車において使用して極め
て好適である特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るディスク収納装置の一例を示す斜
視図、第２図は蓋体を開いた状態を示すディスク収納装
置の斜視図、第３図はその分解斜視図、第４図は第２図
のＡ−Ａ線に沿う断面図、第５図はは第３図のＢ−Ｂ線
上の拡大断面図、第６図及び第７図はそれぞれ副トレー
にディスクを挾着した状態を示す斜視図である。 (4)はトレー本体、(5)は蓋体、(7)は押ボタン、(8)は主
トレー、(9)は副トレー、(10)はディスク、(18)は突
片、(19)はディスク挾着部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主トレーに対して副トレーの一部を重合わ
   せることによって凹状のディスク載置部を構成すると共
   に、上記副トレーを上記主トレーに対して回動自在に設
   けてなるトレー本体と、 上記主トレーに対して回動自在に設けられた蓋体とを備
   え、 上記副トレーに上記ディスク載置部に載置されたディス
   クの中央に向かって突出し、該ディスクの把持部と成る
   突片を形成するとともに、上記突片にその略々中央部に
   上記ディスク載置部内に突出し、上記ディスク載置部に
   対してほぼ垂直方向に弾性変位可能にディスク挟着部を
   設けてなることを特徴とするディスク収納装置。