JPH0638496A - 車両用計器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐久性および小スペース化を可能に
する指針の回転検出部を備えた車両用計器を提供するこ
とを目的としている。 【構成】 モータ３により回転軸５を介して指針を駆動
するようにした車両用計器１において、回転軸５に取り
付けられた回転磁石２１と、回転磁石２１の磁気の変化
を検出する磁気検出器２２と、磁気検出器２２の出力を
回転軸の回転量に変換する変換器とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばスピードメータ
やタコメータなどの車両用計器にあって、駆動部がステ
ッピングモータなどにより構成された車両用計器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、スピードメータやタコメータなど
では、指針の駆動部にステッピングモータが用いられお
り、ステッピングモータは、各種制御機器でデジタル化
された車速やエンジン回転数に基づいて、パルス信号で
駆動されるようになっている。ステッピングモータは、
原理的にパルス数に応じた回転角が得られるため、精度
的に遜色がなく、車両用では、一般的にオープンループ
制御で駆動される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなオープンル
ープ制御で駆動されるステッピングモータは、何らかの
物理的な要因、例えば駆動電圧の低下やゴミなどでステ
ッピングモータの回転が一時停止されると、脱調が発生
してしまう。脱調が発生すると、制御機器の初期値が狂
ってしまい、計器の指針誤差が生じてしまう問題があっ
た。この場合、ステッピングモータをフィードバック制
御で駆動すれば、上記の問題は解決されるが、車載用の
計器として、その検出部を耐候性や耐久性、更にはスペ
ース効率を満たすように構成することが重要となる。

【０００４】本発明は、耐候性、耐久性および小スペー
ス化を可能にする指針の回転検出部を備えた車両用計器
を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る車
両用計器は、モータにより回転軸を介して指針を駆動す
るようにした車両用計器において、回転軸に取り付けら
れた回転磁石と、回転磁石の磁気の変化を検出する磁気
検出器と、磁気検出器の出力を回転軸の回転量に変換す
る変換器とを備えたことを特徴としている。

【０００６】請求項２の発明に係る車両用計器は、モー
タにより回転軸を介して指針を駆動するようにした車両
用計器において、回転軸に取り付けられた光学ディスク
と、光学ディスクの光りの変化を検出する光検出器と、
当該光検出器の出力を前記回転軸の回転量に変換する変
換器とを備えたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】請求項１の構成によれば、車両用計器の回転軸
が回転すると、回転磁石が回転されて回転磁石により構
成される磁界が変化する。この磁気の変化は、磁気検出
器により検出され変換器に入力される。そして、この変
換器により磁気の変化に基づいて回転軸の回転量が検出
される。このように、いわゆるにる磁気センサにより指
針（制御対象）の検出部を構成すれば、温度や湿度の影
響に強く、かつ丈夫な構造にすることができ、しかも、
この検出部をコンパクトに構成することができる。

【０００８】請求項２の構成によれば、車両用計器の回
転軸が回転すると、光学ディスクが回転されて光学ディ
スクにより投射光が変化する。この光の変化は、光検出
器により検出され変換器に入力される。そして、この変
換器により光の変化に基づいて回転軸の回転量が検出さ
れる。このように、いわゆるにる光センサにより制御対
象の検出部を構成すれば、温度や湿度の影響に強く、か
つ丈夫な構造にすることができ、しかも、この検出部を
コンパクトに構成することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例に係る車両用計器を
図面に基いて詳細に説明する。

【００１０】図１は車両用計器の裁断側面図である。同
図に示すように、この車両用計器１は、ケース２にモー
タムーブメント３が収容され、このモータムーブメント
３にアタッチメント４を介して出力軸５が取り付けられ
て構成されており、ケース２から突出した出力軸５部位
に、直接または調整部品を介して指針（図示せず）が取
り付けられるようになっている。

【００１１】前記ケース２は、上ケース６と下ケース７
とで構成されており、上ケース６には出力軸５の基部５
ａとアタッチメント４とが収容され、下ケース７にはモ
ータムーブメント３が収容されている。また、上ケース
６の中心上部には、出力軸５の軸受けを兼ねる貫通口８
が形成されている。そして、この貫通口８の位置決め精
度を保持するため、上ケース６と下ケース７とは、下ケ
ース７から延びる複数本（本実施例では４本）の位置決
めボス９により、相互に案内された状態で接合されてい
る。

【００１２】モータムーブメント３は、ステッピングモ
ータで構成されており、中心部のロータ１０（回転軸）
と、ロータ１０の周囲に配設された二相のコイル１２，
１２から成るステータ１１とで構成されている。ロータ
１０には、その円周上に多極着磁された永久磁石１３が
固定されており、この永久磁石１３とステータ１１に生
ずる磁極との間で吸引、反発が生じて、ロータ１０が回
転される。ロータ１０の下端部は、下ケース７の軸受部
７ａに回転自在に軸支され、上部は上ケース６と下ケー
ス７との間に介設した軸受板１４に回転自在に軸支され
ている。ロータ１０の上端部には、小歯車１０ａが形成
されており、この小歯車１０ａに上方からアタッチメン
ト４が嵌合するようになっている。

【００１３】また、該アタッチメント４は、上半部の接
続軸部４ａと下半部の接続基部４ｂとから成り、接続基
部４ｂにロータ１０の小歯車１０ａが嵌合する内歯歯車
４ｃが形成されて、この部分で継手を構成している。一
方、出力軸５は、基部５ａがフランジ状に形成され、そ
の中心部位にアタッチメント４の接続軸部４ａが圧入さ
れる軸孔５ｂが形成されている。すなわち、ロータ１０
の上部にアタッチメント４が同軸上に取り付けられ、ア
タッチメント４の上部に出力軸５が同軸上に取り付けら
れて、ロータ１０の回転角が直接出力軸５の回転角にな
るように構成されている。

【００１４】次に、本発明の主要部について説明する。
図１に示すように、ロータ１０の下端部は下ケース７か
ら下方に貫通して延びており、この延設部１０ｂの下端
に円板型の回転磁石（永久磁石）２１が取り付けられて
いる。回転磁石２１の近傍にはホール素子２２（磁気検
出器）が配設され、このホール素子２２により回転する
回転磁石２１の磁気の変化、すなわち磁束の量の変化が
電気的に検出される。そして、リード線２３，２３に
は、図示しないが制御機器に内蔵する位置検出器（変換
器）に接続されており、位置検出器により電気的に検出
された磁束の量の変化がロータの回転量として変換され
る。

【００１５】すなわち、車速やエンジン回転数に基づく
パルス信号により、モータムーブメント３のロータ１０
が所定の角度回転されると、この回転により回転磁石２
１が同一の角度位置まで回転され、ホール素子２２によ
りこの位置における磁界の変化が検出される。制御機器
では、この磁界の変化値に基づく回転角度（パルス数）
が、フィードバック信号として、その比較部に入力され
て、モータムーブメント３に入力されたパルス数と比較
され、モータムーブメント３の回転制御が行われる。

【００１６】このように本実施例では、ロータ１０に回
転磁石２１を取り付け、回転磁石２１の近傍にホール素
子２２を設けて、いわゆる磁気センサを構成するように
しているので、この部分でモータムーブメント３をフィ
ードバック制御する検出部を構成することができる。し
たがって、脱調などによる計器の指針誤差が発生するこ
とがなく、計器の精度を向上することができる。また、
この磁気センサは、耐候性、耐久性ともに優れ、しかも
コンパクトに構成することができる。

【００１７】次に、図２に基づいて、本発明の第２の実
施例に係る車両用計器を説明する。この実施例では、磁
気検出器にコイル３１を用いるようにしている。すなわ
ち、回転磁石２１の周囲にコイル３１を配設し、回転す
る回転磁石２１によりコイルに生ずる誘導起電力でロー
タ１０の回転量を検出するようにしている。

【００１８】次に、図３に基づいて、本発明の第３の実
施例に係る車両用計器を説明する。この実施例では、透
過型の光センサを用いるようにしている。すなわち、ロ
ータ１０の延設部１０ｂの下端には、周方向に多数の小
開口４１ａが形成されたスリット円板４１が取り付けら
れており、このスリット円板４１にフォトインタラプタ
４２が臨むようになっている。スリット円板４１の回転
による小開口４１ａの部分に生ずる明暗が、フォトイン
タラプタ４２により電気的なパルス信号に変換されてロ
ータ１０の回転量が検出される。なお、この実施例で
は、透過型の光センサを用いているが、反射型の光セン
サを用いるようにしてもよい。

【００１９】図４および図５は、上記の透過型の光セン
サを用いた車両用計器の変形例を示している。図４に示
す車両用計器１では、第１実施例に示す車両用計器１と
異なり、上ケース６にアタッチメント４に代えて減速歯
車列１５が組み込まれており、また光センサが出力軸５
側に組み込まれている。ロータ１０の小歯車１０ａに
は、支軸１６ａを上ケース６と軸受板１４とに回転自在
に軸支された減速歯車１６の平歯車１６ｂが噛み合って
おり、一方で、出力軸５のフランジ状に形成された基部
５ａに歯車が形成されていて、この基部５ａの歯車に減
速歯車１６のピニオン１６ｃが噛み合っている。

【００２０】該出力軸５は、軸受板１４の上面に固着さ
れた垂直軸１７に回転自在に支持され、ロータ１０の回
転動力が減速歯車列１５で減速され出力軸５に伝達され
る。このような車両用計器１では、出力軸５に検出部を
組み込む必要がある。このため出力軸５にはスリット円
板４１が取り付けられ、このスリット円板４１に上ケー
ス６の上面から延びるフォトインタラプタ４２が臨んで
いる。

【００２１】図５に示す車両用計器１では、上ケース６
の上面に２個のフォトインタラプタ４２，４２が取り付
けられている。両フォトインタラプタ４２，４２は対向
位置より角度θ位相をづらして設けられており。これに
より、出力軸えの回転方向も同時に検出できるようにな
ってる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
いわゆる磁気センサや光センサにより検出部を構成して
いるので、この検出部からモータを制御するためのフィ
ードバック信号を取り出すことができる。また、この検
出部は、耐候性、耐久性に優れ、かつ、小スペースに構
成することができ、車載用として信頼性の高いものとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の車両用計器の裁断側面図である。

【図２】第２実施例の車両用計器の要部の側面図であ
る。

【図３】第３実施例の車両用計器の要部の斜視図であ
る。

【図４】（ａ）は第３実施例の変形例（１）の車両用計
器の裁断側面図、（ｂ）は要部の斜視図である。

【図５】第３実施例の変形例（２）の車両用計器の裁断
側面図、（ｂ）は斜視図である。

【符号の説明】 １ 車両用計器 ３ モータムーブメント ５ 出力軸 １０ ロータ ２１ 回転磁石 ２２ ホール素子 ３１ コイル ４１ スリット円板 ４２ フォトインタラプタ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モータにより回転軸を介して指針を駆動
   するようにした車両用計器において、 前記回転軸に取り付けられた回転磁石と、当該回転磁石
   の磁気の変化を検出する磁気検出器と、当該磁気検出器
   の出力を前記回転軸の回転量に変換する変換器とを備え
   たことを特徴とする車両用計器。
2. 【請求項２】 モータにより回転軸を介して指針を駆動
   するようにした車両用計器において、 前記回転軸に取り付けられた光学ディスクと、当該光学
   ディスクの光の変化を検出する光検出器と、当該光検出
   器の出力を前記回転軸の回転量に変換する変換器とを備
   えたことを特徴とする車両用計器。