JPH063832U - 組立式パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 組立、分解が極めて容易であり、しかも十分
な強度性と積荷に対する非損傷性を備えた組立式パレッ
トを提供すること。 【構成】 上側及び下側デッキボード１、２と、デッキ
ボード１、２間に挟装する３本のけた５と、各けた５及
びデッキボード１、２を一体的に締結する締結金具６と
から構成してあり各デッキボード１、２には矩形状の開
口部３、３、３が設けてありデッキ１Ａ、２Ａにはプレ
ート嵌合部４が凹設してある。連結プレートの嵌合片７
Ａはプレート嵌合部４に嵌合し、止め釘８により固着し
てあり、けた当接片７Ｂはけた５に当接している。金属
製固定板９は一対の挟持片９Ａ、９Ａと連結片９Ｂとか
らなっている。連結片９Ｂには一対のボルト１０、１０
が予め挿通して固着してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、所謂一貫パレチゼーションを実施する場合に用いて好適な組立式パ レットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、単位数量の物品を荷役、輸送、保管するためにパレットが用いられて いる。従来のパレットとしては、略正方形の一対の平板上のデッキボードと、一 対のデッキボード間に３本のけたを離間して配置し、これらを釘、ボルト等の接 続部材によって互いに固着したもの、或は長方形の複数枚のデッキボードと複数 本のけたを直交方向に交差させて接続部材により互いに固着したもの等が知られ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来のパレットは組立、分解ができないために、次のような問題点 がある。第１に、着地においてパレットを保管する場合、広い保管場所が必要に なるし、他の保管荷物のためのスペースが失われることである。第２に、輸送の 都度直ちに回収することを円滑に行うことができないために着地でパレットが滞 留する結果、パレットが野積み等により損傷を受けたり、紛失してしまうことで ある。第３に、保管場所及び回収のための費用が嵩むことである。第４に、荷物 の配送時或は中継輸送時に使用済パレットが荷物の積み卸し作業の障害になるこ とである。

【０００４】 そして、上述した従来技術を用いる場合に生じる幾多の問題点がネックとなっ て、一貫パレチゼーションの進展を図ることができないという問題もある。 叙上の問題を解決する方法としては、回収時或は保管時のパレットの体積を小 さくすること、即ちパレットを組立、分解可能にすることが考えられる。しかし 、積荷の荷重に対して強度性を備えること、積荷を損傷しないこと、組立分解が 容易であること等の条件を満たすことができるパレットは、これまで提供されて いなかった。

【０００５】 本考案は上述した従来技術の問題点等に鑑みなされたもので、組立、分解が極 めて容易であり、しかも十分な強度性と積荷に対する非損傷性を備えた組立式パ レットを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために構成された本考案の手段は、一対の矩形状平板 からなるデッキボードと、該一対のデッキボード間に所定間隔離間して挟装する 複数本のけたと、該各けたと前記一対のデッキボードを締結する複数の締結金具 とからなる組立式パレットであって、前記各デッキボードには長さ方向中間に位 置して前記各けたと直交する方向に矩形状の開口部を形成すると共に、前記開口 部の直交方向両側に位置して前記各デッキボードのデッキから厚さ方向に一対の 段部を凹設し、前記各けたには前記開口部に臨んで該けたの長さ方向に離間した 一対のボルト挿入穴を上、下方向に穿設し、前記各締結金具は前記各段部に嵌合 固着する一対のデッキ嵌合片及び前記開口部内に嵌入し、前記けたと当接するけ た当接片とを一体に形成し、該けた当接片には前記ボルト挿入穴と同軸状に一対 のボルト穴を形成してなる上、下一対の連結プレートと、対向する一対の挟持片 及び該一対の挟持片を連結する連結片を断面略冂形に一体に形成し、該連結片に は前記ボルト挿入穴と同軸状に一対のボルト穴を形成してなる固定板と、前記一 対の連結プレートのうち一方の連結プレートのけた当接片及びけたを跨ぐように 嵌合した該固定板の両ボルト穴から前記他方の連結プレートのボルト穴にかけて 挿通した略Ｉ字状の２本又は略逆Ｕ字状の１本のボルトと、該２本又は１本のボ ルトの先端側に螺着したナットとからなる。 そして、前記２本又は１本のボルトは前記固定板に予め固着しておくとよい。

【０００７】 また、第２の考案の構成は、一対の矩形状平板からなるデッキボードと、該一 対のデッキボード間に所定間隔離間して挟装する複数本のけたと、該各けたと前 記一対のデッキボードを締結する複数の締結金具とからなる組立式パレットであ って、前記各デッキボードには長さ方向中間に位置して前記各けたと直交する方 向に矩形状の開口部を形成すると共に、前記開口部の直交方向両側に位置して前 記各デッキボードのデッキから厚さ方向に一対の段部を凹設し、前記各締結金具 は前記各段部に嵌合固着する一対のデッキ嵌合片及び前記開口部内に嵌入し、前 記けたと当接するけた当接片を一体に形成してなる上、下一対の連結プレートと 、該上、下一対の連結プレート及びけたに巻回して締結する締結バンドとからな る。

【０００８】

【作用】

デッキボードに固着した連結プレートとけたに固定板を一体的に嵌合すること により、デッキボードに対するけたの回動を防止する。また、一対のボルト穴、 ボルト挿入穴はけたの長手方向に離間して設けてあり、２本又は略逆Ｕ字状の１ 本のボルトを挿入するこよにより、デッキボードに対するけたの回動を防止する 。一対のデッキボード間にけたを配置し、固定板を嵌合してボルト、ナットによ り一体に締結することにより、また逆の手順を行うことにより、容易に組立、分 解できる。

【０００９】 固定板にボルトを固着すると、固定板の嵌合とボルトの挿通を一度に行うこと ができる。

【００１０】 また、上、下連結プレート及びけたの外周に締結バンドを巻回し、締付けるこ とにより、上側及び下側デッキボードとけたは一体的に組付けられる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。 図において、１はベニヤ材によって矩形の平板状に形成した上側デッキボード を示し、該上側デッキボード１は上側が上面デッキ１Ａになっている。２は前記 上側デッキボード１と同形に形成した矩形の平板状下側デッキボードで、該下側 デッキボード２は下側が下面デッキ２Ａになっている。

【００１２】 ３、３、・・・は前記上側デッキボード１及び下側デッキボード２に３個ずつ 形成した矩形状の組立用開口部を示し、該組立用開口部３、３、・・・は後述す るけた４の配置位置に対応して上側及び下側デッキボード１、２の長さ方向中間 で、幅方向中央及び両端側に位置してけた５と直交する方向に設けてある。

【００１３】 ４、４、は一対のプレート嵌合部を示し、該プレート嵌合部４、４、は前記各 組立用開口部３と直交するように該開口部３の両側に位置して上側デッキボード １の上面デッキ１Ａ及び下側デッキボード２の下面デッキ２Ａに平面略矩形状に 凹設してある。

【００１４】 ５、５、５は４角柱からなる３本のけたを示し、該各けた５は長手方向中間に 位置して一側面５Ａにコ字状の固定板嵌合部５Ｂが凹設してあり、また、該固定 板嵌合部５Ｂの側方に位置して一対のボルト挿通穴５Ｃ、５Ｃが上、下方向に貫 通して穿設してある。このように形成されたけた５、５、５は上側デッキボード １と下側デッキボード２との間に位置して組立用開口部３、３、・・・と直交す るように配設される。

【００１５】 次に、６、６、６は上側デッキプレート１及び下側デッキプレート２とけた５ を締結するための締結金具を示す。７は該各締結金具６を構成する連結プレート を示し、該連結プレート７は前記一対のプレート嵌合部４、４に嵌合し、デッキ １Ａ（２Ａ）と同一平面を形成する一対のデッキ嵌合片７Ａ、７Ａと該一対のデ ッキ嵌合片７Ａ、７Ａの間に一体に形成した凵形のけた当接片７Ｂと、けた５の 固定板嵌合部５Ｂに対応して該けた当接片７Ｂの幅方向一側に形成した係合切欠 部７Ｃと、けた当接片７Ｂに前記ボルト挿通穴５Ｃ、５Ｃと同軸に穿設した一対 のボルト穴７Ｄ、７Ｄとから構成してある。そして、連結プレート７は一対のデ ッキ嵌合片７Ａ、７Ａをプレート嵌合部４、４に嵌合し、その四隅を止め釘８、 ８、・・・によって上側デッキプレート１及び下側デッキプレート２にそれぞれ 固着してあり、けた当接片７Ｂはけた５の上面（下面）に当接するようになって いる。

【００１６】 他方、９、９、・・・は前記連結プレート７をけた５に固定するための金属製 の固定板を示す。該固定板９はけた５の固定板嵌合部５Ｂに緊密に嵌合する横幅 を有し、互いに対向する一対の平板状挟持片９Ａ、９Ａと該一対の挟持片９Ａ、 ９Ａを連結する連結片９Ｂとによって断面略冂状に一体に折曲形成し、該連結片 ９Ｂに前記ボルト穴７Ｃ、７Ｃと同軸の一対のボルト穴９Ｃ、９Ｃを形成したも のからなっている。

【００１７】 １０、１０は前記ボルト挿着穴９Ｃ、９Ｃに挿通して固定板９に固着した締付 用ボルトを示す、該各ボルト１０は先端側に雄ねじ部１０Ａが形成してあり、ま たけた５を間に重畳した上側デッキボード１と下側デッキボード２の厚さＴ１よ りも短い寸法Ｔ２に定めてある。

【００１８】 本実施例は上述の如く構成してあり、パレットを組立てる場合は、連結プレー ト７の位置に対応して上側デッキボード１と下側デッキボード２との間に各けた ５を配置した後、上側の連結プレート７に固定板９を上方から跨ぐように嵌合し 、一側の拘持片９Ａを連結プレート７の係合切欠部７Ｃ及びけた５の固定板嵌合 部５Ｂに嵌合させる。この時、同時に各ボルト１０を連結プレート７の各ボルト 穴７Ｄからけた５のボルト挿通穴５Ｄに挿通し、下側の連結プレート７のボルト 穴７Ｄに貫通させてナット１１を螺合して締付けることにより、パレットを組立 てることができる。

【００１９】 本実施例のパレットは上述の如く、下側デッキボード２、けた５、上側デッキ ボード１を重ね合わせた後固定板９を嵌合すると共にボルト１０を挿通してナッ ト１１を螺着するだけで、簡単にパレットを組立てることができる。また、逆の 手順でパレットの分解も簡単に行うことができる。

【００２０】 そして、幅を持った固定板９を連結プレート７とけた５に一体的に嵌合するこ とにより、上側及び下側デッキボード１、２に対してけた５、５、５が回動する のを確実に防止できる、また、けた５の長手方向に離間した一対のボルト挿入穴 ５Ｃ、５Ｃに一対のボルト１０、１０を挿通することにより、上側及び下側デッ キボード１、２に対するけた５の回動を防止できる。

【００２１】 しかも、固定板９の挟持片９Ａを連結プレート７の係合切欠部７Ｃ及びけた５ の固定板嵌合部５Ｃに嵌合する構成にしてある。このため、フォークリフトでパ レットを移動し或は整列する場合に、フォークの先端がけた５の端面や側面を突 いたりしたときでも、固定板嵌合部５Ｂの壁面が押圧力を固定板９を介して上側 、下側デッキボード１、２に分散することができる結果、上側及び下側デッキボ ード１、２とけた５が捩れたり、ボルト１０、１０に剪断荷重が集中するのを防 止できる。

【００２２】 なお、本実施例では２本のボルト１０、１０と、２個のナット１１、１１、を 用いるものとして述べたが、図５に示すように両端側に雄ねじ部２１Ａ、２１Ａ を刻設したＵボルト２１を用いてもよい。或は図６に示すように一端側に雄ねじ 部２２Ａを刻設したＵボルト２２を用いてもよく、Ｕボルト２１、２２を用いる ことによって組立、分解作業が容易になるし、部品点数の減少、部品管理の手間 を省くことができる。

【００２３】 更に、図７及び図８は第２の実施例を示す。なお、前述した第１実施例の構成 要素と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。 図において、３１はパレットを構成するけたを示し、該けた３１には第１実施 例のけた５と異なってボルト挿通穴は設けてない。３２は締結金具、３３は該締 結金具３２を構成する連結プレートを示し、該連結プレート３３にもボルト穴は 設けてない。３４は第１実施例の固定板９及び一対のボルト１０、１０、ナット １１に代えて用いる締結バンドを示す。該締結バンド３４は角形Ｊ字状の金属製 嵌合片３４Ａと、略Ｌ字状に形成され、一端側が該嵌合片３４Ａの一端に軸着さ れた回動挟持片３４Ｂと、該回動挟持片３４Ｂ及び嵌合片３４Ａの他端側に設け られた所謂パンチ錠３４Ｃとから構成してある。

【００２４】 上述した本実施例によれば上側及び下側デッキボード１、２の間にけた３１を 重畳し、上、下の連結プレート３３、３３を囲繞するように嵌合片３４Ａと回動 挟持片３４Ｂを巻回し、パンチ錠３４Ｃを締結する簡単な手順でパレットを組立 てることができる。 なお、図９及び図１０は本実施例の変形例を示し、その特徴とするところはパ ンチ錠３４Ｃに代えてスチールベルト３４Ｄを嵌合片３４Ａに固着し、バックル ３４Ｅを回動挟持片３４Ｂに固着したことにある。

【００２５】 なお、第１実施例のけた５には一側面５Ａに固定板嵌合部５Ｂを設けたが、両 側面に固定板嵌合部５Ｂ、５Ｂを設けてもよい。また、上側及び下側デッキボー ド１、２に複数の抜き穴を形成し、パレットの軽量化と荷物の滑り防止を図るよ うにしてもよい。

【００２６】

【考案の効果】

本考案は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。 第１の考案によれば、一対のデッキボードの開口部に嵌合固着した連結プレー トと、該連結プレート及びけたにわたって跨座する固定板と、該固定板、一側連 結プレート、けた及び他側連結プレートにかけて挿通し、ナットにより締結する ボルトによってパレットを組立てるように構成したから、パレットに掛る荷重に 対しても十分な強度性を有し、極めて安全である。 上記と同じ理由により、組立、分解作業を簡単に行うことができ、作業性に 優れている。 分解したパレットは組立時の４分の１の体積になるから、保管スペースを小さ くできるし、狭い保管スペースに数多く収納することができる。また、回収時に は従来のパレットの３〜４倍の数のパレットの移送が可能になり、回収効率を高 めることができるし、パレットの滞留による損傷、紛失事故を無くすことができ る。 輸送の都度使用済パレットの回収が可能になり、パレット管理が容易にかつ正 確にできるから、一貫パレチゼーションを効果的に実施できる。 輸送トラックにパレット構成部材の専用収納スペースを設けことにより、分解 したパレットを直ちに回収できるし、他の積荷の積載量を損なうことを防止でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１乃至図６は本考案の第１の実施例に係り、
図１は組立式パレットの外観斜視図である。

【図２】図１中のＩＩ−ＩＩ矢示方向拡大断面図であ
る。

【図３】図１中のＩＩＩ−ＩＩＩ矢示方向拡大断面図で
ある。

【図４】けた、連結プレート及び固定板を分解して示す
斜視図である。

【図５】第１実施例の変形例に係るＵボルトの正面図で
ある。

【図６】第１実施例の他の変形例に係るＵボルトの正面
図である。

【図７】第２実施例に係る組立式パレットの要部拡大断
面図である。

【図８】図７中のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ矢示方向断面図で
ある。

【図９】第２実施例の変形例に係る連結バンドの正面図
である。

【図１０】図９の右側面図である。

【符号の説明】

１、２ デッキボード ３ 開口部 ４ プレート嵌合部 ５、３１ けた ６、３２ 締結金具 ７、３３ 連結プレート ９ 固定板 １０ ボルト １１ ナット ３４ 締結バンド

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の矩形状平板からなるデッキボード
   と、該一対のデッキボード間に所定間隔離間して挟装す
   る複数本のけたと、該各けたと前記一対のデッキボード
   を締結する複数の締結金具とからなる組立式パレットで
   あって、前記各デッキボードには長さ方向中間に位置し
   て前記各けたと直交する方向に矩形状の開口部を形成す
   ると共に、前記開口部の直交方向両側に位置して前記各
   デッキボードのデッキから厚さ方向に一対の段部を凹設
   し、前記各けたには前記開口部に臨んで該けたの長さ方
   向に離間した一対のボルト挿入穴を上、下方向に穿設
   し、前記各締結金具は前記各段部に嵌合固着する一対の
   デッキ嵌合片及び前記開口部内に嵌入し、前記けたと当
   接するけた当接片とを一体に形成し、該けた当接片には
   前記ボルト挿入穴と同軸状に一対のボルト穴を形成して
   なる上、下一対の連結プレートと、対向する一対の挟持
   片及び該一対の挟持片を連結する連結片を断面略冂形に
   一体に形成し、該連結片には前記ボルト挿入穴と同軸状
   に一対のボルト穴を形成してなる固定板と、前記一対の
   連結プレートのうち一方の連結プレートのけた当接片及
   びけたを跨ぐように嵌合した該固定板の両ボルト穴から
   前記他方の連結プレートのボルト穴にかけて挿通した略
   Ｉ字状の２本又は略逆Ｕ字状の１本のボルトと、該２本
   又は１本のボルトの先端側に螺着したナットとから構成
   してなる組立式パレット。
2. 【請求項２】 前記略Ｉ字状の２本又は略逆Ｕ字状の１
   本のボルトは前記固定板のボルト穴に予め挿通固着して
   ある請求項１記載の組立式パレット。
3. 【請求項３】 一対の矩形状平板からなるデッキボード
   と、該一対のデッキボード間に所定間隔離間して挟装す
   る複数本のけたと、該各けたと前記一対のデッキボード
   を締結する複数の締結金具とからなる組立式パレットで
   あって、前記各デッキボードには長さ方向中間に位置し
   て前記各けたと直交する方向に矩形状の開口部を形成す
   ると共に、前記開口部の直交方向両側に位置して前記各
   デッキボードのデッキから厚さ方向に一対の段部を凹設
   し、前記各締結金具は前記各段部に嵌合固着する一対の
   デッキ嵌合片及び前記開口部内に嵌入し、前記けたと当
   接するけた当接片を一体に形成してなる上、下一対の連
   結プレートと、該上、下一対の連結プレート及びけたに
   巻回して締結する締結バンドとからなる組立式パレッ
   ト。