JPH0636741B2 - ヒト・プロテインcの分離方法 - Google Patents

ヒト・プロテインcの分離方法

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JPH0636741B2
JPH0636741B2 JP1288684A JP28868489A JPH0636741B2 JP H0636741 B2 JPH0636741 B2 JP H0636741B2 JP 1288684 A JP1288684 A JP 1288684A JP 28868489 A JP28868489 A JP 28868489A JP H0636741 B2 JPH0636741 B2 JP H0636741B2
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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明はヒト・プロテインCに対してカルシウムイオン
(Ca )の非存在下では認識せず、カルシウムイオ
ン(Ca )存在下で認識するモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ及びヒト・プロテインCの分離
方法に関する。
b.従来技術 プロテインCはビタミンK依存性血漿蛋白質すなわちγ
−カルボキシグルタミン酸含有蛋白の一つであり、血管
内皮細胞表層のトロンボモジュリン存在下トロンビンに
より活性されて[Esmon,C,T&Owen,W.G:Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA.78:2249-2251(1981)参
照]活性化プロテインC(APC)となる。活性化プロ
テインCはセリンプロテアーゼの一種であり、血液凝固
系の補酵素である第V因子(FV.FVa)と第VIII因
子(FVIII,FVIIIa)を分解し、強い抗凝固作用[S
uzuki.K.et.al.:J.Biol.Chem.258:1914-192
0(1983).Vehar,G.A.&Davie,E.W.:Bioc
hemistry.19:401-409(1980)参照]を示すと共に血管
壁からプラスミノーゲン・アクチベータを放出させ、線
溶系を促進させる[Comp,P.C.&Esmon,C.T:
J.Clin.I nvest.68:1221-1228(1981)参照]ことが
知られている。
さらにプロテインC欠損症は重度の血栓症を呈すること
も報告されており、[Griffin,J.H.et al:J.C
lin.Invest.,68,1370-1373(1980),Bertina,R.
M.et al:Thromb.Haemostas.,481〜5(1982)]
プロテインCは血液凝固線溶系の重要な制御因子である
ことが明らかにされている。
したがってプロテインCの作用機構を明らかにするこ
と、また、プロテインCの血中における抗原量、活性量
を測定し、その動向を把握することができれば、それは
基礎医学、臨床医学の領域において非常に重要な意味を
持つと考えられる。
一方モノクローナル抗体は単一の抗原決定基にたいして
特異的であり、かつ同一のの特異性を有する抗体を安定
的に産生できるという利点から抗原蛋白質の機能および
構造の解析、あるいは免疫測定(EAI,RIA)に近
時一般的に広く利用されるようになって来た。特に抗原
蛋白質の機能解析、分子解析には抗原蛋白の機能に関与
する部位、または特殊な構造部位を認識する抗体を見出
すことが有力な手段となり得る。
ヒト・プロテインCの構造は、分子量約41000のH鎖と
分子量約21000のL鎖がS−S架橋で結合されており、
H鎖にセリンプロテアーゼ活性部位を有し、また、L−
鎖アミノ末端には、9個のカルシウムイオン結合性アミ
ノ酸、すなわち、γ−カルボキシグルタミン酸(Gla)
残基を含むGlaドメインが存在することが知られてい
る。Glaドメインを有する血液凝固因子は、プロテイン
Cを含め、第II因子(プロトロンビン)、第VII因子、
第IX因子、第X因子いずれもカルシウムイオン(Ca
)存在下でGlaに依存した立体的構造変化を生じるこ
とが知られており、この機構は、血液凝固系発現の上で
重要な役割を果していることが知られている。
従来、ヒト・プロテインCのモノクロナール抗体は鈴木
らにより作成されたことが報告されており、[鈴木宏治
他:“血液と脈管”,15:171-174(1984)参照]、こ
の抗体はヒト・プロテインCの抗原量の測定、活性の測
定に利用されているが、カルシウムイオン(Ca
存在下で構造変化を受けたヒト・プロテインCを認識す
るモノクロナール抗体についての報告はまだなされてい
ない。
そこで本発明らは、プロテインCがカルシウムイオン
(Ca )存在下で立体的構造変化を受けることに着
目し、カルシウムイオン(Ca )の存在下で構造変
化を受けたプロテインCを特異的に認識するモノクロー
ナル抗体について研究を進めた結果本発明に到達した。
c.発明の構成 すなわち、本発明は、カルシウムイオン(Ca )の
非存在下ではヒト・プロテインCに対して認識せず且つ
カルシウムイオン(Ca )の存在下ではヒト・プロ
テインCに対して特異的に認識するヒト・プロテインC
に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
である。
さらに他の本発明は、カルシウムイオン(Ca )の
非存在下ではヒト・プロテインCに対して認識せず且つ
カルシウムイオン(Ca )の存在下ではヒト・プロ
テインCに対して特異的に認識するヒト・プロテインC
に対するモノクローナル抗体を不溶性担体と結合させた
吸着体に、ヒト・プロテインC含有混合物を、カルシウ
ムイオン(Ca )の存在下に接触せしめて、該吸着
体にヒト・プロテインCを結合せしめることを特徴とす
るヒト・プロテインC含有混合物からのヒト・プロテイ
ンCの分離法である。
本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ
細胞はケーラーとミルシュタインの方法[Khler &
Milstein,Nature:256495-497(1975) ]として知ら
れた方法によって得られる。すなわち、ヒト・プロテイ
ンCでマウスを免疫した後、このマウスの脾臓細胞をマ
ウス・ミエローマ細胞と融合させ、得られたハイブリド
ーマ細胞はマイクロタイタープレートに固定されたヒト
・プロテインCと反応する抗体に対し、系統的に検査
し、選択される。この際に、カルシウムイオン(Ca
)存在下における検査と、カルシウムイオン非存在下
における検査を同時に行い前者においてのみ陽性を示す
ハイビリドーマを選別することにより、目的とする抗体
を合成し分泌するハイブリドーマを単離することができ
る。
かかる新規なハイブリトーマ細胞が産生する産生物から
得られるモノクローナル抗体は、カルシウムイオン(C
)の存在下におけるヒト・プロテインC分子上の
特定の抗原決定基に対して単一特異的に作用する。
本発明によって得られるノモクローナル抗体はその特性
からヒト・プロテインCの精製に利用する場合非常に有
利である。すなわち、不溶性担体に本発明によって得ら
れるモノクローナル抗体を固定化し、カルシウムイオン
(Ca )が存在する溶液中で血漿(カルシウムイオ
ン存在下で凝固しないように調製したもの)または、他
のヒト・プロテインCを含む原料、あるいはそれらの粗
抽出物、粗精製物および溶液からヒト・プロテインCを
吸着・分離しカルシウムイオン(Ca )存在下で洗
浄後、溶液をカルシウムイオンを含まないもの(例えば
EDTAが存在する溶液)に置き換えて、ヒト・プロテ
インCを溶出することができる。この方法によれば、従
来の不溶化抗体による抗原蛋白質の精製のように、過激
な条件下(例えば、0.2Mグリシン塩酸あるいは8M尿
素のような)に蛋白質をさらすことなく、穏和な条件下
で精製を行うことができる。
また、ヒト・プロテインCその他のγ−カルボキシルグ
ルタミン酸含有蛋白質にはGlaを含まず、Glaに依存す
る構造変化を受けない異常分子が存在することが知られ
ているが、本発明によって得られるモノクローナル抗体
を用いることにより、この異常分子の測定が可能になる
と考えられる。すなわち、カルシウムイオン(C
)の存在の有無に拘らず、ヒト・プロテインCを
認識する抗体を用いて免疫学的手段(例えばEIA,R
IA)により血漿その他の試料中のヒト・プロテインC
抗原量を測定し、更に本発明によるモノクローナル抗体
を用いて、血漿、その他の試料中のヒト・プロテインC
をカルシウムイオン存在下で免疫学的手法(EIA,R
IA)により測定すれば、その測定値の差から、異常ヒ
ト・プロテインCの量を把握することができる。
次に本発明によって得られるモノクローナル抗体を作成
する具体的方法について詳細に説明する。
A.抗原の単離・精製; 抗原に用いるヒト・プロテインCは鈴木らの方法[Suz
uki.K.et al,J.Biol.Chem.258:1914-1920(198
3)]によりヒト・血漿から単離・精製される。
B.ヒト・プロテインCによるマウスの免疫; 雌Balb/Cマウスを用いることができるが他の系(St
rain)のマウスを使用してもよい。その際、免疫計画、
及びヒト・プロテインCの濃度は十分な量の抗原刺戟を
受けた、リンパ球が形成されるように選ばれるべきであ
る。例えばマウスに50μgのヒト・プロテインCを2週
間間隔で腹腔に3回投与の後、さらに30μgを静脈に投
与する。最終免疫の数日後に融合の為に脾臓細胞をとり
出す。
C.細胞融合; 上記の如く免疫したマウスの脾臓を無菌的に取り出し、
そこから単細胞懸濁液を調製する。それらの脾臓細胞を
適当なラインからマウス骨髄腫細胞と適当な融合促進剤
の使用により、細胞融合させる。脾臓細胞対、骨髄腫細
胞の好ましい比率は約20:1〜約2:1の範囲である。
約108個の脾臓細胞について0.5〜1.5mの融合媒体の
使用が適当である。
細胞融合に用いるマウス骨髄腫細胞は、良く知られてい
るが、本発明では、P3−X63−Ag8−U1細胞(P
3−U1)[Yelton,D.E et al,Current.Top
ics in Microbiology and Immunology,81 1(1978)
参照]を用いた。
好ましい融合促進剤としては、例えば、平均分子量1000
〜4000のポリエチレングルコールを有利に使用できる
が、この分野で知られている他の融合促進剤を使用する
こともできる。本発明においては、平均分子量1540のポ
リエチレングルコールを用いた。
D.融合した細胞の選択; 別の容器内(例えばマイクロタイタープレート)で未融
合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄腫細胞および融合し
たハイブリドーマ細胞の混合物を未融合のマウス骨髄腫
細胞を支持しない選択培地で希釈し、未融合の細胞を死
滅させるのに十分な時間(約1週間)培養する。培地は
未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しないもの、(例えば
HAT培地)が使用される。この選択培地中では、未融
合の骨髄腫細胞は死滅する。この未融合の脾臓細胞は非
腫瘍性細胞なので、ある一定期間後(1週間後)死滅す
る。これらに対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の
腫瘍性と、脾臓細胞の性質を合わせ持つため、選択培地
中で存在できる。
E.各容器中のヒト・プロテインC抗体の確認; かくして、ハイブリドーマ細胞が検出された後、その培
養上清を採取し、ヒト・プロテインCに対する抗体につ
いて酵素免疫定量法(EnzymeLinked I mmunosoben
t A ssay)によりスクリーニングする。この際、培
養上清、酵素標識抗体溶液および洗浄液に一定濃度のC
aCを加えた条件下の測定と、CaCを加えない
条件下の測定の両方を行い、前者に対してのみ陽性を示
すハイブリドーマを選択することにより、カルシウムイ
オン非存在下では、ヒト・プロテインCを認識せず、カ
ルシウムイオン存在下で、ヒト・プロテインCを認識す
る抗体を産生、分泌するハイプリドーマを選別すること
ができる。
F.目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞のクロー
ン化と抗体の産生 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を適当な方法
(例えば限界希釈法)でクローン化すると、抗体は2つ
の異なった方法で産生される。その第1の方法によれ
ば、ハイブリドーマ細胞を一定時間、適当な培地で培養
することにより、その内容上清からそのハイブリドーマ
細胞の産生するモノクローナル抗体を得ることができ
る。第2の方法によれば、ハイブリドーマ細胞は同質遺
伝子、又は半同質遺伝子を持つマウスの腹腔に注射する
ことができる。一定時間後の宿主動物の血液中および腹
水中より、そのハイブリドーマ細胞の産生するモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。
G.ヒト・プロテインC含有混合物からのヒト・プロテ
インCの分離; 本発明によって得られるモノクローナル抗体は、前記し
た如く、カルシウムイオン(Ca )の非存在下では
ヒト・プロテインCに対して認識せず、且つカルシウム
イオン(Ca )の存在下ではヒト・プロテインCに
対して特異的に認識するという性質を有しているので、
この性質を利用して、ヒト・プロテインCを含有してい
る混合物(例えばヒト血漿など)からヒト・プロテイン
Cを簡単に分離することができる。
そのため、先ず前記ヒト・プロテインCに対するモノク
ローナル抗体を不溶性担体に固定化又は結合させて吸着
体を得る。その際使用される不溶性担体としてじは、モ
ノクローナル抗体を用いた測定試薬又は測定用キットの
基材として一般的使用されるものであればよい。例えば
材質としてアガロース,ポリアクリルアミド,セルロー
ス,デキストラン,またはマレイン酸ポリマー或いはこ
れらの混合物が好ましく用いられる。これら不活性担体
の形態としては、粉末状,粒状,ペレット状,ビーズ
状,フイルム状,繊維状など種々の形態であることがで
きる。また一般に血漿、またはその分画成分の測定や分
離に用いられる多数の凹状のくぼみを有するプレート
(ウエル)を用いることが有利である。
前記吸着体を用い、これにヒト・プロテインC含有混合
物を、カルシウムイオン(Ca )の存在下に接触せ
しめると、該吸着体に固定化したモノクローナル抗体と
ヒト・プロテインCとが結合して、結果的にヒト・プロ
テインCが該吸着体に結合する。かくすることによりヒ
ト・プロテインCを分離、除去することが可能である。
又前記の如くしてヒト・プロテインCを吸着体に結合さ
せ、出来れば残余の混合物を洗滌して除去し、次いで吸
着体に結合したヒト・プロテインCをカルシウムイオン
(Ca )を実質的に含まない液体と接触又は洗滌す
ると、ヒト・プロテインCが該吸着体から離脱し、これ
を取得することによって、ヒト・プロテインCを単離す
ることができる。
かくして前記本発明の分離法によれば、ヒト・プロテイ
ンCを含有する混合物からのヒト・プロテインCの除
去、該混合物からのヒト・プロテインCの分離及び精
製、該混合物中のヒト・プロテインCの含有量の測定な
どが極めて簡単な操作で達成される。
以下実施例を上げ本発明を詳細に説明する。以下実施例
ではプロテインCをPCと略称することがある。
実施例1 精製したヒト・PCの雌のBalb/Cマウス(4週齢)
2匹に対して14日間隔で4回免疫した。
初回の免疫はPBSに溶解した。50μgのヒト・PCを
等量のフロイントの完全アジュバント(Complete Fr
enud's adjuvant)と混合し、そのエマルジョンを、腹
腔内に投与した(0.5mg/head)、2回目,3回目は、
同じく50μgのヒト・PCをフロイントの不完全アジュ
バント(F renud's incomplete adjuvant)と混合
し、同じく腹腔内に投与した。最終免疫は30μgのヒト
・PCをPBC溶液のまま、マウス尾静脈から投与し
た。最終免疫の3日後に免疫したマウスの脾臓細胞を細
胞融合に用いた。
免疫したマウスの脾臓細胞と、同系マウスの骨髄腫細胞
(P3U1)を約2:1〜15:1の割合で混合し、50%
ポリエチレングリコール1540(和光)を融合促進剤とし
てKhlerとMilsteinの方法に従い細胞融合を行っ
た。融合後の細胞は、1×106cell/mの細胞濃度とな
るように10%FCS−RPMI−1640培地に懸濁し、96
wellsマイクロプレート(Coster)に1ウエル当り100
μずつ分注した。
融合細胞は、COインキュベーター(5%CO,37
℃)中で培養し、ヒポキサチン,アミノプテリン;チミ
ジンを含む培地(HAT培地)で培地交換を行い、HA
T培地中で増殖させて、脾臓細胞と、骨髄腫細胞から成
るハイブルドーマのスクリーニングを行った。
ハイブリドーマの培養上清中の抗体は抗原ヒト・PCを
コーティングしたマイクロタイタープレートを用いEL
ISA法により検出した。第2抗体には、アルカリホス
ファターゼ標識ウサギ抗マウスIgG抗体を用い、カル
シウムイオン存在下非存在下におけるヒト・PCとの結
合の違いを見るため、一方の培養上清には5mMCaC
を添加したTBS(0.02M Tris/HC,0.14M
Na C,pH 7.4)またもう一方にはTBSを加え
た。更に第2抗体の希釈液、及び洗浄液には、5 mM
Ca C添加TBS,0.05%Tween20,0.02%N
a NまたはTBS,0.05%Tween20,0.02%Na
を使用した。
融合細胞をまいた合計541のウエルのうち523のウエルに
コロニーの形成が認められた。このうち抗体産生陽性ウ
エルは下記表−1に示すようにカルシウムイオン存在下
で44,カルシウムイオン非存在下で32であった。
これらの抗体産生陽性ウエルのうち12のウエルにつてい
限界希釈法によるクローニングを2回繰り返して行な
い、13個のクローンを得た。得られたクローンは90%F
CS−10%DMSO中に懸濁させ液体窒素中に保存し
た。
各クローンの産生するモノクローナル抗体はクローンを
Balb/Cマウス腹腔内で増殖させ、その腹水からプロ
テインA−Sepharose4Bカラムを用いて精製した。
実施例2.(精製したIgGの性質) マウス腹水から精製した各クローンのIgGについてサ
ブクラス,ヒト・PC活性への影響L鎖あるいはH鎖へ
の結合性を調べた。
サブクラスは、各クラス特異性の抗マウス抗血清を用い
て、オクタロニー法により決定した。ヒト・PC活性へ
の影響は、ヒト・PCにIgGをモル比1:5で加えて
4℃で一夜インキュベーションし、トロンビン−トロン
ボジュリンコンプレックスによりヒトPCを活性化し、
その活性は次の合成基質の分解活性を測定することによ
り測定した。この合成基質としは [ここではVel−D形の光学活性のバリン,LeuはL形
の光学活性のロイシン,ArgはL形の光学活性のアルギ
ンを示す。KabiVitrumAB(スウェーデン)社製のS
−2266を用いた]を使用した。L鎖、H鎖への結合性
は、ヒト・PCを還元条件で電気泳動し、ニトロセルロ
ース膜及びHRP標識Goat anti-mouseIgGを用いた
イムノブロッティングを行って判定した。
各性質について得られた結果を下記表−2に示した。カ
ルシウムイオン依存性抗体はいずれもL鎖結合性であ
り、ヒト・PCの活性には影響を及ぼさなかった。
実施例3.(カルシウムイオンの影響) ヒト・PCと精製したIgGとの反応に及ぼすカルシウ
ムイオンの影響について検討した。
ヒト・PCをコーティングしたELISA法においてカ
ルシウムイオン依存性の抗体7B12及び10E12を5mM
CaC添加TBS−Tween(0.02M Tris/HC
,0.14M Na C,pH7.4 0.05%Tween20,0.02
%Na N)またはTBS−Tweenで希釈してヒト・
PCと反応させアルカリホスファターゼ標識ウサギ抗マ
ウスIgGを用いた発色から結合量を測定すると、5m
M Ca Cを添加したバッファーで希釈した場合
には抗体濃度に依存したヒト・PCとの結合を示した
が、Ca Cを添加しないバッファーで希釈した場
合には、抗体濃度を高くしても結合は認められなかっ
た。その結果を下記表−3に示した。
なおカルシウムイオン非依存性の抗体6B10−1及び10H1
1を用いて同様にカルシウムイオンの影響について調べ
た結果も同表−3に併記して示した。
実施例4.(カルシウムイオン濃度の影響) 前記実施例3におけるカルシウムイオン依存性の抗体7B
12及び10E12を用い、それらの濃度を一定(1μg/m
)とし、抗体溶液中のカルシウムイオン濃度を変化さ
せたところ、ヒト・PCとの結合はCa C濃度が
高まるにつれて増加し、約1mMの濃度で飽和となっ
た。その結果を下記表−4に示した。またカルシウムイ
オン非依存性の抗体6E2を用い同様にCa C
度の変化の影響を調べた結果を、下記表−5に示した。
表−5の結果からカルシウムイオン非存在性の抗体で
は、カルシウムイオン濃度に影響なく、ヒト・PCとの
結合はほぼ一定の値を示していることがわかる。
なお、測定は、所定濃度のCa Cを含むTBS−
Tweenで1μg/mIgG溶液を調製し、100μを、
ヒト・PCをコーティングしたwellに加えて行った。イ
ンキュベーション後のwellの洗浄にも各濃度のCa C
を含むTBS−Tweenを用いた。
実施例.5 (1)抗体の不溶性担体への固定化; ブロムシアン活性化セファロース4B(ファルマシア・
ファイン・ケミカルズ社製)の乾燥ゲル0.5gを、G3
グラスフィルター上で100mの1mM HCを用いて
膨潤、洗浄し、更にカップリングバッファー(0.5M
Na Cを含む0.1M Na HCOpH8.3)で洗浄
した。カップリングバッファーを吸引除去した後、直ち
にゲルを抗体(6H2)のカップリングバッファー溶液
(3mg/m)2m中に加えて懸濁させ、4℃で一夜ゆ
るやかに振とうした。次にゲルを1Mエタノールアミン
−HC(pH8.0、2m)中に移し、室温で2時間振と
うして残存する活性基をブロックした。ブロッキング
後、抗体結合セファロースゲルをグラスフィルター上
で、0.5M Na Cを含む0.1M酢酸バッファーpH4.0
と0.5M Na Cを含む0.1Mホウ酸バッファーpH8.0
を交互に用いて洗浄した。濾液の280nmにおける吸光度
が0.01以下になったところで、5mM Ca C
および1mMベンザミジンを含む0.05M Tris/HC
pH7.4で平衡化し、カラムに充てんした。このように
して調製した抗ヒトPCモノクローナル抗体(6H2)
結合セファロース4Bカラムを用いてアフィニティクロ
マトを行った。
(2)プロテインCの抗体結合セファロース4Bへの吸
着、溶出; 血漿100mに1M Ba C溶液8mを加え4℃で
1時間攪拌した。沈澱を遠心分離して集め5mM Ba
C,5mMベンザミジンを含む0.1M Na C
で洗浄した後、15mの5mMベンザミジンを含む0.2M
EDTA pH7.4で沈澱物を溶解し、バリウム吸着分
画を得た。このバリウム吸着分画を1mMベンザミジン
を含む0.05MTris/HC pH7.4に透析し、終濃度5
mMとなるようにCa C溶液を加え、5mM C
aCおよび1mMベンザミジンを含む0.05MTris/
HCで平衡化した抗体(6H2)結合カラムにかけ
た。5mM Ca C,1mMベンザミジンおよび
1M Na Cを含む0.05 MTris/HCで洗浄
し、50mM EDTAおよび1mMベンザミジンを含む
0.05M Tris/H Cで溶出したところ、PCを含む
シングルピークが得られた。抗体セファロース4B溶出
分画中のPCはバリウム吸着分画に比べ約52倍に精製さ
れており、回収率は約48.2%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 延雄 東京都文京区本郷4―20―2―304 (56)参考文献 特開 昭60−120825(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウムイオン(Ca )の非存在下
    では、ヒト・プロテインCに対して認識せず且つカルシ
    ウムイオン(Ca )の存在下ではヒト・プロテイン
    Cに対して特異的に認識するヒト・プロテインCに対す
    るモノクローナル抗体を不溶性担体と結合させた吸着体
    に、ヒト・プロテインC含有混合物をカルシウムイオン
    (Ca )存在下に接触せしめて、該吸着体にヒト・
    プロテインCを結合せしめることを特徴とするヒト・プ
    ロテインC含有混合物からのヒト・プロテインCの分離
    方法。
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