JPH0635151U - リッド付容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反転スプリングの取付を容易にして外観性を
向上させる。 【構成】 容器本体１の側方にスプリング収容部４を設
け、この内部に反転スプリング３を収納し、その取付脚
５の先端に形成されたカール部６を、スプリング収容部
４の底部に設けられた取付凹部７内へ嵌合する。他方の
取付脚８はリッド２の重なり部１０に形成された穴へ係
合する。これにより取付脚５のカール部６部分を固定す
るために従来必要であった軸部やばね固定部材が不要に
なり、かつ反転スプリング３を露出させないので容器本
体１の外観がスッキリする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は反転スプリングのスプリングアクションによりリッドを開閉させる ようにしたリッド付容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

このようなものの一例として、反転スプリングをねじりコイルバネで構成し、 その一方の取付脚を直角に折り曲げてリッド側に形成された穴に挿入し、他方の 取付脚の先端をカールさせ、このカール部を容器本体側に突出形成された軸部に 係合させ、さらに軸端部にバネ固定部材をねじ止めしたものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記構造の場合、軸部に反転スプリングからの力が頻繁に加わるた め、この部分が折れないよう必要以上に太くする等の配慮が要求された。また、 バネ固定部材の取付工数が多くなり、かつ反転スプリングや軸部及びバネ固定部 材が露出するので外観を良くして商品性を向上させることが難しくなった。本考 案は係る問題点の解決を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案に係るリッド付容器は、リッドを閉じたとき 反転スプリングを容器内へ収容するためのスプリング収容部を容器本体の開口部 近傍部分又はリッドの側部に設けるとともに、スプリング収容部内に反転スプリ ングの少なくとも一方の取付脚先端に形成されたカール部を嵌合する取付凹部を 形成したことを特徴とする。

【０００５】

【考案の作用】

反転スプリングの少なくとも一方の取付脚に形成されたカール部を容器側に形 成された取付凹部内へ嵌合すると、反転スプリングの取付脚を容器側へ取付けで き、従来の軸部及びバネ固定部材が不要になる。

【０００６】 また、リッドの開閉に伴って反転スプリングが移動すると、取付脚先端のカー ル部が取付凹部内で比較的スムーズに回動するため、反転スプリングはスムーズ に移動する。

【０００７】 さらにスプリング収容部が容器内に形成されるので、リッドを閉じたとき反転 スプリングが露出しない。

【０００８】

【実施例】

図１及至図５に基づいて本考案の一実施例を説明する。図２は実施例に係る容 器の外観を示し、この容器は自動車のダッシュボード下部で助手席前方に形成さ れた横穴状の棚部へ置くことができる収納ボックスである。

【０００９】 図２及びそのＡ−Ａ線断面図である図１に示すように、この容器は一端に開口 部を有する容器本体１と、その開口部をスプリングアクションで開閉するリッド ２、このリッド２を開き方向又は閉じ方向のいずれかへ回動付勢する反転スプリ ング３を備えている。

【００１０】 また、容器本体１の側部で開口部側部分には、リッド２を閉じたとき収納ボッ クス内へ反転スプリング３を露出しないように収納してしまうためのスプリング 収納部４が側方ヘ張出すように形成されている。

【００１１】 図１及びそのＢ−Ｂ線断面図である図３に明らかなように、反転スプリング３ はねじりコイルバネからなり、その一方の取付脚５は先端にカール部６が形成さ れ、この部分がスプリング収納部４の底部内に形成された取付凹部７内へ嵌合さ れている。

【００１２】 他方の取付脚８は先端が直角に屈曲された屈曲端９をなし、この部分がリッド ２の重なり部１０に形成された取付け穴１１（図３）へ挿入されている。

【００１３】 重なり部１０はリッド２から一体に形成され、側面視略３角形状にスプリング 収納部４内へ突出する部分であり、スプリング収納部４内で容器本体１側と重な っている。

【００１４】 図１に明らかなように、容器本体１とリッド２は底部側で軸１２によりヒシジ 結合され、かつリッド２の上部は容器本体１に取付けられたクッション１３を介 して容器本体１の開口部の縁部へ当接する。

【００１５】 図１、図３及び図１のＣ矢示方向からスプリング収納部４を示す図４に明らか なように、スプリング収納部４は容器本体１の開口部近傍で一側方へ張り出して 設けられたボックス状の部分である。

【００１６】 スプリング収納部４は内壁１４で容器本体１の物品収納部１５と隔てられ、容 器本体１の開口部と同一方向へ開口された空間を形成し、この空間内でリッド２ の開閉時における反転スプリング３及び重なり部１０の移動が許容される。

【００１７】 また、スプリング収納部４の座部に形成される厚肉部１６内に形成された取付 凹部７は容器本体１の開口部方向へ向かって開口している。

【００１８】 次に、本実施例の作用を説明する。まず、反転スプリング３を取付けるには、 図５に示すように、反転スプリング３をスプリング収納部４内へ入れ、その挿入 方向へ開口している取付凹部７内へ取付脚５のカール部６を押し込んで嵌合固定 する。

【００１９】 このとき、取付脚５の取付けは、反転スプリング３のスプリング収納部４内に 対する挿入方向と一致しているので極めて容易かつ迅速である。しかも従来のよ うな軸部やバネ固定部材が不要になるので、軸部の軸折れによる信頼性を低下さ せるおそれもなく、またバネ固定部材の取付工数を削減できる。

【００２０】 続いて図３に示すように、他方の取付脚８の屈曲端９を重なり部１０の容器本 体１１内へ挿入すれば、反転スプリング３の取付が完了する。

【００２１】 このようにしてなるリッド２は、図１に示すように、容器本体１２により容器 本体１に対して開閉自在であるとともに、リッド２を閉じた状態では、取付脚８ が開き方向へ弾力を与えるので、リッド２は反時計回り方向の力を受けてスプリ ングアクションで閉じ方向へ回動される。

【００２２】 一方、リッド２を反転スプリング３の弾力に抗して開き、一定の開き角度を越 えると取付脚８が開き方向へ復元し、この弾力によりリッド２はスプリングアク ションで開き方向へ回動される。

【００２３】 なお、リッド２の開閉に伴って反転スプリング３が移動するが、取付脚５の先 端がカール部６になっているため、この部分が取付凹部７内で比較的スムーズに 回動でき、反転スプリング３はスムーズに移動できる。取付脚８側は屈曲端９が 回動軸になるため問題がない。

【００２４】 このときの重なり部１０及び反転スプリング３の移動はスプリング収納部４の 空間内で行われ、反転スプリング３は殆ど外部から見えない。特にリッド２を閉 じたとき反転スプリング３は完全に収納される。ゆえに、反転スプリング３が露 出しなくなるため、外観がスッキリとして商品性を向上させることができる。

【００２５】 なお、本考案は上記実施例に限定されず、種々な態様が可能である。例えば、 リッド２側へ容器本体１側と同様にスプリング収納部及び取付凹部を形成し、か つリッド２側の取付脚８にカール部を形成することもできる。

【００２６】 また反転スプリング３の二つの取付脚５、８のそれぞれにカール部を形成し、 各カール部をそれぞれ容器本体１側とリッド２側に形成された取付凹部へ嵌合し て取付けるようにもできる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は、リッドを閉じたとき反転スプリングを容器内へ収容するためのスプ リング収容部を容器本体の開口部近傍部分又はリッドの側部に設けるとともに、 このスプリング収納部内へ反転スプリングの少なくとも一方の取付脚先端に形成 されたカール部を嵌合する取付凹部を設けた。

【００２８】 ゆえに、反転スプリングの少なくとも一方の取付脚が、カール部を取付凹部へ 嵌合するだけで取付可能であるため、従来のように軸部やバネ固定部材を不要と し、取付工数削減により取付が容易かつ迅速となり、かつ取付部の信頼性を向上 できる。

【００２９】 また、取付凹部へ嵌合する取付脚の先端がカール部になっているため、リッド の開閉に伴う反転スプリングの移動をスムーズにできる。

【００３０】 さらに、リッドを閉じたとき反転スプリングが外部へ露出しないので、容器の 外観がスッキリとし、その商品性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図

【図２】実施例の斜視図

【図３】図１のＢ−Ｂ線方向断面図

【図４】収納部についての図１のＣ矢示方向図

【図５】反転スプリングの取付を説明するための図

【符号の説明】

１：容器本体、２：リッド、３：反転スプリング、４：
スプリング収納部、５：取付脚、６：カール部、７：取
付凹部、８：取付脚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体の開口部に開閉自在のリッドを
   設け、容器本体の開口部近傍部分にねじりコイルバネか
   らなる反転スプリングの二つの取付脚の一方を取付け、
   他方の取付脚をリッドへ取付けることによりリッドを閉
   じ方向又は開き方向のいずれかへ選択的に回動するよう
   付勢したリッド付容器において、リッドを閉じたとき反
   転スプリングを容器内へ収容するためのスプリング収容
   部を容器本体の開口部近傍部分又はリッドの側部に設け
   るとともに、スプリング収容部内に反転スプリングの少
   なくとも一方の取付脚先端に形成されたカール部を嵌合
   する取付凹部を形成したことを特徴とするリッド付容
   器。