JPH063508U

JPH063508U - 油圧チャック装置

Info

Publication number: JPH063508U
Application number: JP4909192U
Authority: JP
Inventors: 司祢▲宜▼田
Original assignee: Okuma Corp
Current assignee: Okuma Corp
Priority date: 1992-06-19
Filing date: 1992-06-19
Publication date: 1994-01-18

Abstract

(57)【要約】【目的】主軸高速回転時の遠心力によるチャック爪の
把握力低下を防止して、安全性及び加工精度を向上す
る。【構成】油圧チャック３のチャック爪４を油圧シリン
ダ５により開閉する。油圧シリンダ５を制御する油圧回
路９に電磁比例制御弁１６及び電磁切換弁１７を設け
る。電磁切換弁１７は油圧シリンダ５の作動方向を切り
換えて、チャック爪４を開放または閉鎖する。電磁比例
制御弁１６は油圧シリンダ５の作動圧を主軸２の回転数
に比例して制御する。主軸２の高速回転時には、電磁比
例制御弁１６が油圧シリンダ５の作動圧を強化し、チャ
ック爪４が安定した把握力でワーク８を確実に保持す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、チャック爪を油圧シリンダで開閉する油圧チャック装置に係り、特に、遠心力によるチャック爪の把握力低下を防止する技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＮＣ旋盤等に装備される従来の油圧チャック装置においては、図４に示すように油圧シリンダ５の作動圧を減圧弁１８で調整することによってチャック爪４の把握力を制御している。ところが、これによると、チャック爪４の把握力が主軸回転数と無関係に制御されるため、主軸２の高速回転時に遠心力によってチャック爪４の把握力が低下し、ワーク８が飛び出す危険性があるばかりでなく、加工精度に悪影響を及ぼすという問題点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案の課題は、主軸高速回転時の遠心力によるチャック爪の把握力低下を防止して、安全性及び加工精度を向上できる油圧チャック装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案の油圧チャック装置は、チャック爪を開閉する油圧シリンダと、油圧シリンダを制御する油圧回路とを備え、油圧回路に油圧シリンダの作動圧を主軸回転数に比例して制御する電磁比例制御弁を設けて構成される。

【０００５】

【作用】

この考案の油圧チャック装置によれば、主軸が高速回転されたときに、電磁比例制御弁が主軸回転数に比例して油圧シリンダの作動圧を強化し、これによって、チャック爪が安定した把握力でワークを確実に保持する。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案を具体化した一実施例を図面に基づいて説明する。図１はＮＣ旋盤の油圧チャック装置を示すもので、図において、１は主軸台、２は主軸、３は主軸２に取り付けられた油圧チャック、４は油圧チャック３に開閉可能に装着されたチャック爪、５はチャック爪４を開閉駆動する油圧シリンダである。６，７は主軸２を制動する高圧ブレーキ及び低圧ブレーキ、８はワークである。

【０００７】９は油圧シリンダ５を制御する油圧回路の全体を示し、１０はタンク、１１は油圧ポンプ、１２は電動機、１３はラインフィルター、１４，１５は圧力計、１６は電磁比例制御弁、１７は電磁切換弁である。電磁切換弁１７は油圧シリンダ５の作動方向を切り換えてチャック爪４を開放または閉鎖し、電磁比例制御弁１６は油圧シリンダ５の作動圧を主軸回転数に比例して制御するように構成されている。

【０００８】図２は油圧チャツク装置の電気制御回路を示し、１８は回転指令回路であり、ＮＣプログラムに基づいた回転指令をモータ駆動回路１９を介して主軸駆動モータ２０に出力する。２１は主軸２の回転数を検出する回転数検出器、２２は主軸回転数に基づき電磁比例制御弁１６の励磁電流値を演算する電流値演算回路、２３は電磁比例制御弁１６を駆動するバルブ駆動回路である。

【０００９】次に、上記のように構成した油圧チャック装置の作用を図３に示すフローチャートに従って説明する。回転指令回路１８が回転指令を出力すると（ステップＳ１）、その指令値に基づく回転数で主軸２及び油圧チャック３が回転され（ステップＳ２）、チャック爪４に把握されたワーク８が旋削される。主軸２の回転数は回転数検出器２１によって検出され（ステップＳ３）、その主軸回転数に基づき電流値演算回路２２が電磁比例制御弁１６の励磁電流値を演算する（ステップＳ４）。この演算値によりバルブ駆動回路２３を介して電磁比例制御弁１６のソレノイドが駆動され、電磁比例制御弁１６が油圧シリンダ５の作動圧を主軸回転数に比例して制御する（ステップＳ５）。

【００１０】これにより、主軸２の高速回転時には、電磁比例制御弁１６が油圧シリンダ５の作動圧を強化し、チャック爪４が安定した把握力でワーク８を確実に保持する。したがって、ワーク８が遠心力によって飛び出すおそれがなく、安全に高速旋削できるとともに、ワークを高い真円度で精度よく加工することが可能になる。また、主軸２の低速回転時には電磁比例制御弁１６が油圧シリンダ５の作動圧を弱め、チャック爪４がワーク８を最適な把握力で保持するので、ワーク８に爪跡が残るおそれはない。

【００１１】なお、この考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体化することも可能である。

【００１２】

【考案の効果】

以上に詳述したように、この考案によれば、油圧シリンダの作動圧を主軸回転数に比例して制御する電磁比例制御弁を設けたので、主軸高速回転時の遠心力によるチャック爪の把握力低下を防止して、安全性及び加工精度を向上できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す油圧チャック装置の概
略図である。

【図２】図１の装置の電気制御回路を示すブロック図で
ある。

【図３】図１の装置の作用を説明するフローチャートで
ある。

【図４】従来例に示す油圧チャック装置の概略図であ
る。

【符号の説明】

１・・主軸台、２・・主軸、３・・油圧チャック、４・
・チャック爪、５・・油圧シリンダ、６・・高圧ブレー
キ、７・・低圧ブレーキ、８・・ワーク、９・・油圧回
路、１０・・タンク、１１・・ポンプ、１２・・電動
機、１３・・ラインフィルター、１４，１５・・圧力
計、１６・・電磁比例制御弁、１７・・電磁切換弁、１
８・・減圧弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】チャック爪を開閉する油圧シリンダと、
油圧シリンダを制御する油圧回路とを備え、前記油圧回
路に油圧シリンダの作動圧を主軸回転数に比例して制御
する電磁比例制御弁を設けてなることを特徴とする油圧
チャック装置。