JPH06348006A - ポジ型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感放射線性樹脂組成物

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JPH06348006A
JPH06348006A JP13498093A JP13498093A JPH06348006A JP H06348006 A JPH06348006 A JP H06348006A JP 13498093 A JP13498093 A JP 13498093A JP 13498093 A JP13498093 A JP 13498093A JP H06348006 A JPH06348006 A JP H06348006A
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JP
Japan
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carbon atoms
compound
mol
formula
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JP13498093A
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Ryoichi Hiraoka
良一 平岡
Toru Kajita
徹 梶田
Toshiyuki Ota
利幸 大田
Akira Tsuji
昭 辻
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の放射線に有効に感応し、特にフォーカ
ス許容性に優れるとともに、感度、解像度、耐熱性、現
像性およびパターン形状などにも優れたレジストとして
有用なポジ型感放射線性樹脂組成物を提供する。 【構成】 キノンジアジドスルホニル基を持つ化合物を
含むポジ型感放射線性樹脂組成物であって、アルカリ可
溶性ノボラック樹脂および下記式 【化1】 で例示される化合物またはそのキノンジアジドスルホン
酸エステルを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポジ型感放射線性樹脂
組成物に関する。更に詳しくは、紫外線、遠紫外線、X
線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線、プ
ロトンビームなどの放射線に感応する超高集積回路作製
用レジストとして好適なポジ型感放射線性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポジ型レジストは、高解像度のレ
ジストパターンが得られるため、集積回路の製造等の微
細加工の分野で広く使用されており、近年における集積
回路の高集積化の進行に伴って、より解像度の高いレジ
ストパターンを形成することができるポジ型レジストの
開発が強力に推し進められている。
【0003】微細加工に際しては、通常、縮小投影露光
機(ステッパー)を用い、ポジ型レジストに所定のマス
クパターンを介して放射線を照射(以下「露光」とい
う。)したのち、現像してレジストパターンを形成して
おり、その解像度を向上する手段の一つとして、ステッ
パーのレンズの開口数(NA)を大きくする方法があ
る。
【0004】そして、一般に前記のような微細加工にお
ける光学系では、焦点深度(DOF)と開口数(NA)
との関係は次のレイリーの式によって示される。 DOF=k×λ/(NA)2 (但し、k:定数, λ:放射線の波長) 焦点深度(DOF)は、焦点が光軸方向にずれても寸法
制御されたレジストパターンを形成することができるフ
ォーカス許容性の尺度となるものであり、前記式から明
らかとなるように、開口数(NA)を大きくすること
は、焦点深度(DOF)すなわちフォーカス許容性が著
しく小さくなる。従って、高開口数のステッパーに対応
するためには、特にフォーカス許容性に優れたポジ型レ
ジストが必要とされている。
【0005】しかしながら、従来のポジ型レジストは、
解像限界に近いところで実用に供されているため、高開
口数のステッパーを使用して露光する際、焦点がずれた
場合に、パターン形状の変形や設計線幅との差、現像性
の低下が著しくなり、十分なフォーカス許容性を有する
とはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、特
にフォーカス許容性に優れるとともに、感度、解像度、
耐熱性、現像性およびパターン形状にも優れたレジスト
として有用なポジ型感放射線性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、キノンジアジドスルホニル基を持つ化合物を含む
ポジ型感放射線性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性
ノボラック樹脂(A)、ならびに下記式(1)および式
(2)
【0008】
【化3】
【0009】[式(1)および式(2)のQは下記式
(3)
【0010】
【化4】
【0011】で表わされる1価の基であり;式(1)、
式(2)および式(3)において、Dは水素原子または
キノンジアジドスルホニル基を示し、複数存在するDは
同一であっても異なっていてもよく;R1は炭素数1〜
10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数7〜15のア
ラルキルオキシ基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6
〜14のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基または炭素数2〜1
0のアルコキシカルボニル基を示し、R1が式(1)ま
たは式(2)のなかに複数存在する場合は相互に同一で
あっても異なっていてもよく;R2は炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数
6〜14のアリール基または炭素数7〜18のアラルキ
ル基を示し、R2が式(1)または式(2)のなかに複
数存在する場合は相互に同一であっても異なっていても
よく;R3〜R6は相互に同一であっても異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜
14のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル基
を示し;R7〜R9は相互に同一であっても異なっていて
もよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または
炭素数3〜10のシクロアルキル基を示し;R10および
11は相互に同一であっても異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数3〜10
のシクロアルキル基を示し;R12は水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル
基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜18
のアラルキル基を示し;aは1〜3の整数、bは0〜3
の整数であり、しかもa+b≦5を満し、cは1〜3の
整数、dは0〜2の整数であり、しかもc+d≦3を満
たす。]で表わされる化合物群から選択される少なくと
も1種の化合物(B)を含有することを特徴とするポジ
型感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【0012】以下、本発明を具体的に説明するが、これ
により、本発明の目的、構成および効果が明確となるで
あろう。
【0013】まず、本発明において用いられるアルカリ
可溶性ノボラック樹脂(A)(以下、「ノボラック樹脂
(A)」という。)は、フェノール類とアルデヒド類と
を酸性触媒を用いて重縮合することにより得られる。
【0014】フェノール類としては、例えばフェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p
−エチルフェノール、o−n−プロピルフェノール、m
−n−プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノー
ル、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフ
ェノール、p−イソプロピルフェノール、o−n−ブチ
ルフェノール、m−n−ブチルフェノール、 p−n−
ブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t
−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−
n−ペンチルフェノール、p−t−ペンチルフェノー
ル、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−ヘキシルフ
ェノール、p−n−ヘプチルフェノール、p−t−ヘプ
チルフェノール、p−n−オクチルフェノール、p−t
−オクチルフェノール、p−n−ノニルフェノール、p
−t−ノニルフェノール、o−アリルフェノール、m−
アリルフェノール、p−アリルフェノール、o−プロペ
ニルフェノール、m−プロペニルフェノール、p−プロ
ペニルフェノール、o−シクロペンチルフェノール、m
−シクロペンチルフェノール、p−シクロペンチルフェ
ノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘ
キシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o
−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−
フェニルフェノール、p−クミルフェノール、o−メト
キシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキ
シフェノール、o−エトキシフェノール、m−エトキシ
フェノール、p−エトキシフェノール、
【0015】o−n−プロポキシフェノール、m−n−
プロポキシフェノール、p−n−プロポキシフェノー
ル、o−イソプロポキシフェノール、m−イソプロポキ
シフェノール、p−イソプロポキシフェノール、o−n
−ブトキシフェノール、m−n−ブトキシフェノール、
p−n−ブトキシフェノール、o−t−ブトキシフェノ
ール、m−t−ブトキシフェノール、p−t−ブトキシ
フェノール、o−n−ペンチルオキシフェノール、m−
n−ペンチルオキシフェノール、p−n−ペンチルオキ
シフェノール、o−n−ヘキシルオキシフェノール、m
−n−ヘキシルオキシフェノール、p−n−ヘキシルオ
キシフェノール、o−n−ヘプチルオキシフェノール、
m−n−ヘプチルオキシフェノール、p−n−ヘプチル
オキシフェノール、o−フェノキシフェノール、m−フ
ェノキシフェノール、p−フェノキシフェノール、2,
3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシ
レノール、3,5−キシレノール、5−イソプロピル−
3−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフ
ェノール、2,5−ジ−sec−ブチルフェノール、2,
5−ジ−t−ブチルフェノール、2,3,5−トリメチル
フェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、3−メ
トキシ−4−メトキシフェノール、3−エトキシ−4−
メトキシフェノール、3−メトキシ−4−エトキシフェ
ノール、3−エトキシ−4−エトキシフェノール、カテ
コール、レゾルシノール、ハイドロキノン、3−メチル
カテコール、4−メチルカテコール、2−メチルレゾル
シノール、4−メチルレゾルシノール、メチルハイドロ
キノン、3−エチルカテコール、4−エチルカテコー
ル、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノ
ール、エチルハイドロキノン、n−プロピルハイドロキ
ノン、イソプロピルハイドロキノン、t−ブチルハイド
ロキノン、4−n−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘキ
サノイルレゾルシノール、3,5−ジメチルカテコー
ル、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,3−ジエチル
ハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、3,
5−ジエチルカテコール、
【0016】2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−
ジエチルハイドロキノン、3,5−ジイソプロピルカテ
コール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノール、2,3
−ジイソプロピルハイドロキノン、2,5−ジイソプロ
ピルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチルカテコー
ル、2,5−ジ−t−ブチルレゾルシノール、2,3−ジ
−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル
ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール、
1,2,4−ベンゼントリオール、ビスフェノール−A、
没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸n−プロピ
ル、没食子酸n−ブチル、没食子酸n−ペンチル、没食
子酸n−ヘキシル、没食子酸n−ヘプチル、没食子酸n
−オクチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サ
リチル酸n−プロピル、2−ヒドロキシ安息香酸メチ
ル、2−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドキシ安息
香酸n−プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4
−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸
プロピルなどが挙げられる。
【0017】これらのフェノール類のうち、特にフェノ
ール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、
2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−
キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、
レゾルシノールおよびピロガロールが好ましい。
【0018】これらのフェノール類は、単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】また、フェノール類と重縮合させるアルデ
ヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、ベンズアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェ
ニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒ
ド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、
p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズア
ルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベ
ンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニ
トロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、
o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデ
ヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−エチルベンズ
アルデヒド、m−エチルベンズアルデヒド、p−エチル
ベンズアルデヒド、o−n−プロピルベンズアルデヒ
ド、m−n−プロピルベンズアルデヒド、p−n−プロ
ピルベンズアルデヒド、o−n−ブチルベンズアルデヒ
ド、m−n−ブチルベンズアルデヒド、p−n−ブチル
ベンズアルデヒド、フルフラールなどを挙げることがで
きる。これらのアルデヒド類のうち、特にホルムアルデ
ヒドが好ましい。これらのアルデヒド類は、単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】アルデヒドとしてホルムアルデヒドを使用
する場合のホルムアルデヒド発生源としては、例えばホ
ルマリン、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、メチ
ルヘミホルマール、エチルヘミホルマール、プロピルヘ
ミホルマール、ブチルヘミホルマール、フェニルヘミホ
ルマールなどのヘミホルマール類を挙げることができ
る。これらのうち、ホルマリンおよびブチルヘミホルマ
ールが特に好ましい。これらのアルデヒド発生源も、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】アルデヒド類の使用量は、フェノール類1
モルに対し、0.7〜3モルが好ましい。
【0022】フェノール類とアルデヒド類との重縮合に
通常用いられる酸性触媒としては、例えば塩酸、硝酸、
硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などを挙げることができ
る。これらの酸性触媒の使用量は、通常、フェノール類
1モルに対し、1×10-5〜5×10-1モルである。
【0023】フェノール類とアルデヒド類との重縮合に
おいては、通常、水が反応媒質として使用されるが、用
いられるフェノール類がアルデヒド類の水溶液に溶解せ
ず、反応初期から不均一となる場合は、親水性溶媒を反
応媒質として使用することもできる。これらの親水性溶
媒としては、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ
−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類;ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル類;およびテ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エ−テル類が
挙げられる。これらの反応媒質の使用量は、通常、反応
原料100重量部当り、20〜1,000重量部であ
る。
【0024】フェノール類とアルデヒド類との重縮合の
温度は、反応原料の反応性に応じて、適宜調整される
が、通常、10〜200℃である。
【0025】フェノール類とアルデヒド類との重縮合の
方法としては、フェノール類、アルデヒド類、酸性触媒
などを一括して仕込み反応させる方法、酸性触媒の存在
下でフェノール類、アルデヒド類、酸性触媒などを徐々
に添加しながら反応させる方法などを採用することがで
きる。
【0026】重縮合の終了後、反応系内に存在する未反
応原料、酸性触媒、反応媒質などを除去するために、一
般的には、反応系の温度を130〜230℃に上昇し、
減圧下、例えば20〜50mmHg程度の圧力下で、揮
発分を留去して、生成したノボラック樹脂(A)を回収
する。
【0027】また本発明において使用するノボラック樹
脂(A)の標準ポリスチレン換算重量平均分子量(以
下、「Mw」という。)は、従来から感放射線性樹脂組
成物に使用されているノボラック樹脂の分子量の範囲か
ら適宜選定することができるが、通常、3,000〜2
0,000であり、好ましくは4,000〜15,000
である。Mwが上記範囲でにあることにより、本発明の
組成物の現像性、感度および耐熱性を向上させることが
できる。
【0028】特に、高分子量のノボラック樹脂(A)が
望ましい場合には、前記重縮合によって得られたノボラ
ック樹脂(A)を、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、ジオキサン、メタノール、酢酸エチルな
どの良溶媒に溶解したのち、水、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、トルエン、キシレンなどの貧溶媒を添加、混合
して、析出したノボラック樹脂を溶液層から分離するこ
とにより、分画された高分子量のノボラック樹脂(A)
を得ることができる。
【0029】本発明の組成物において、ノボラック樹脂
(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0030】次に、前記式(1)および式(2)で表わ
される化合物(B)(以下、「化合物(B)」とい
う。)において、炭素数1〜6のアルキル基の例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基などを挙げることができる。その中
でも、メチル基およびエチル基が好ましい。炭素数1〜
10のアルキル基の例としては、炭素数1〜6のアルキ
ル基の例に挙げたものの他に、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基などを挙げることができる。その中でも、
メチル基およびエチル基が好ましい。炭素数3〜10の
シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基などを挙げること
ができる。炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜1
0のアルコキシカルボニル基において、これらの酸素原
子に隣接した部分は、前述のアルキル基およびシクロア
ルキル基の例示に示されたものを挙げることができる。
【0031】炭素数6〜14のアリール基の例として
は、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ト
リル基、キシリル基、クミル基、メシチル基、ヒドロキ
シフェニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基
などを挙げることができる。その中でもフェニル基が好
ましい。炭素数6〜10のアリールオキシ基において、
これらのアリール部分は、前述のアリール基の例示に示
されたものを挙げることができる。炭素数7〜18のア
ラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、
フェニルプロピル基などを挙げることができる。その中
でも、ベンジル基が好ましい。炭素数7〜15のアラル
キルオキシ基において、これらのアラルキル部分は、前
述のアラルキル基の例示に示されたものを挙げることが
できる。炭素数1〜7のアシル基においても、そのカル
ボニルに隣接した部分は、上述のアルキル基の例示に示
されたものを挙げることができる。またハロゲン原子の
具体例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙
げることができる。その中でも塩素原子および臭素原子
が好ましい。
【0032】化合物(B)としては、下記式(4)およ
び式(5)
【0033】
【化5】
【0034】[式(4)および式(5)のZは下記式
(6)
【0035】
【化6】
【0036】で表わされる1価の基であり、そして式
(4)、式(5)および式(6)において、R1
11、a、b、cおよびdは、式(1)、式(2)およ
び式(3)の場合と同義である。]
【0037】で表わされる化合物(以下、「化合物
(B’)」という。)を挙げることができる。
【0038】さらに、この化合物(B’)のフェノール
性水酸基の少なくとも1つの水素原子をキノンジアジド
スルホニル基で置換したものも化合物(B)として挙げ
ることができる。ここにおける置換の方法としては、化
合物(B’)にキノンジアジドスルホニルクロライドで
例示されるキノンジアジドスルホニルハライドを反応さ
せる方法が挙げられる。
【0039】ここで化合物(B’)とキノンジアジドス
ルホニルハライドとの反応割合は化合物(B’)のフェ
ノール性水酸基1グラム当量当り、キノンジアジドスル
ホニルハライドが0.2〜1モルが好ましく、0.4〜1
モルが特に好ましい。
【0040】前記キノンジアジドスルホニル基として
は、例えば1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニ
ル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル
基、2,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル
基、2,1−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル
基、2,1−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル
基、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル
基、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホニル基
などを挙げることができる。これらのうち、1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホニル基および1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基が好ましい。
【0041】化合物(B’)にキノンジアジドスルホニ
ル基を導入する際の平均縮合率[(化合物(B’)の全
フェノール性水酸基に対するキノンジアジドスルホニル
基が導入されたフェノール性水酸基の割合]は、本発明
の組成物の感度を考慮すると、75%以下が好ましい。
【0042】前記式(4)および式(5)で表わされる
化合物(B’)は、例えば以下の方法で製造することが
できる。すなわち、それぞれ下記式(7)および式
(8)
【0043】
【化7】
【0044】[式(7)および式(8)において、R2
〜R9、R12、cおよびdは、前記式(1)、式(2)
および式(3)の場合と同義である。]
【0045】で表わされる化合物(以下、「化合物
(C)」という。)を、例えば塩基性下でアルデヒド類
もしくはケトン類と反応させて、下記式(9)および式
(10)
【0046】
【化8】
【0047】[式(9)および式(10)において、Y
は下記式(11)
【0048】
【化9】
【0049】で表わされる1価の基である。そして、式
(9)、式(10)および式(11)のR2〜R12、c
およびdは、前記式(1)、式(2)および式(3)の
場合と同義であり、式(11)の2個のXは相互に同一
であっても異なっていてもよく、水酸基、炭素数1〜6
のアルコキシ基、炭素数1〜6のアシロキシ基、炭素数
2〜6のアルコキシアルコキシ基、炭素数2〜6のジア
ルキルアミノ基、ピペリジノ基またはモルホリノ基、好
ましくは水酸基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ピペリジノ基、モルホリノ基であり、特に好ましく
は水酸基を示す。]
【0050】で表わされる化合物(以下、「化合物
(D)」という。)を得、しかる後、この化合物(D)
を下記式(12)
【0051】
【化10】
【0052】[式(12)において、R1、aおよびb
は、前記式(3)の場合と同義である。]
【0053】で表わされるフェノール類(以下、「フェ
ノール類(b)」という。)と重縮合させることにより
化合物(B’)を製造することができる。
【0054】化合物(C)と反応させるアルデヒド類と
しては、ノボラック樹脂(A)の製造で例示したアルデ
ヒド類を挙げることができる。これらのうち、特にホル
ムアルデヒドおよびアセトアルデヒドが好ましい。これ
らのアルデヒド類は、単独でまたは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0055】アルデヒドとしてホルムアルデヒドを使用
する場合のホルムアルデヒド発生源としては、ノボラッ
ク樹脂(A)の製造で例示したアルデヒド類を挙げるこ
とができる。これらのうち、ホルマリン、トリオキサン
およびパラホルムアルデヒドが特に好ましい。これらの
アルデヒド発生源は、単独でまたは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0056】また、化合物(C)と反応させるケトン類
としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタ
ノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノ
ン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノ
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、プロピ
オフェノンなどを挙げることができる。これらのうち、
アセトンおよびメチルエチルケトンが特に好ましい。こ
れらのケトン類は、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。化合物(C)に対する上述し
たアルデヒド類もしくはケトン類の使用量は、化合物
(C)1モルに対し、通常、6〜15モルである。
【0057】化合物(C)とアルデヒド類もしくはケト
ン類との反応には、通常、塩基性触媒が用いられ、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、アンモニア水、水素化ナトリウム、
水素化リチウムなどの無機塩基、トリエチルアミン、ジ
メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ−(5.4.0)−7−ウン
デセン、1,5ージアザビシクロ−(4.3.0)−5−
ノナン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジ
ン、モルホリンなどの有機塩基を挙げることができる。
これらの塩基性触媒の使用量は、通常、化合物(C)中
のフェノール性水酸基1グラム当量に対し、0.3〜5
モルである。
【0058】化合物(C)とアルデヒド類もしくはケト
ン類との反応に際しては、無溶媒下で反応させてもよ
く、また、水、トルエン、キシレン、ジオキサンなどの
不活性溶媒を使用して反応させてもよい。これらの不活
性溶媒の使用量は、通常、反応原料100重量部当り、
20〜1,000重量部である。
【0059】化合物(C)とアルデヒド類もしくはケト
ン類との反応温度および反応時間は、反応原料の反応性
に応じて適宜調節されるが、通常、反応温度が−10〜
150℃、反応時間が1時間〜2週間である。
【0060】化合物(C)とアルデヒド類もしくはケト
ン類との反応の終了後、一般に、反応混合物を酸で中和
した後、反応混合物中の、中和に用いた酸などを大量の
水で洗浄し、未反応のアルデヒド類もしくはケトン類
を、水、トルエン/n−ヘプタン、トルエン/n−ヘキ
サンなどで洗浄し、除去して、生成した化合物(D)を
回収する。
【0061】さらに、続いて行われる化合物(D)との
重縮合に用いられるフェノール類(b)の具体例として
は、ノボラック樹脂(A)について挙げたフェノール類
(a)(但し、o−アリルフェノール、m−アリルフェ
ノール、p−アリルフェノール、o−プロペニルフェノ
ール、m−プロペニルフェノールおよびp−プロペニル
フェノールを除く)を挙げることができる。
【0062】これらのフェノール類のうち、特にフェノ
ール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、
2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−
キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−ト
リメチルフェノール、レゾルシノール、ピロガロールな
どが好ましい。
【0063】フェノール類(b)の使用量は、化合物
(D)1モル当り、6〜50モルが好ましい。
【0064】化合物(D)とフェノール類(b)との重
縮合においては、通常、酸性触媒が用いられ、例えば塩
酸、硫酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、トリフ
ルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸などを挙げることができる。これらの酸性触媒
の使用量は、化合物(D)1モル当り、1×10-6〜5
×10-1モルが好ましい。
【0065】化合物(D)とフェノール類(b)との重
縮合は、無溶媒でもよく、また、トルエン、キシレン、
メチルイソブチルケトンなどの不活性溶媒を使用しても
よい。これらの不活性溶媒の使用量は、通常、反応原料
100重量部当り、20〜1,000重量部である。
【0066】化合物(D)とフェノール類(b)との重
縮合温度および重縮合時間は、反応原料の反応性に応じ
て適宜調節されるが、通常、重縮合温度が、30〜15
0℃、重縮合時間は、10分〜24時間である。
【0067】化合物(D)とフェノール類(b)との重
縮合の終了後、一般に、反応混合物を水中に投入して酸
性触媒を水中に溶出させた後、反応混合物中の未反応原
料、反応溶媒などを除去するため、反応混合物を昇温
し、減圧下で揮発分を除去して、生成した化合物
(B’)を回収する。
【0068】化合物(D)の具体例としては、下記式
(13)〜(24)が挙げられる。
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】
【化14】
【0073】
【化15】
【0074】
【化16】
【0075】本発明の組成物において、化合物(B)
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0076】また、本発明の組成物には、化合物(B)
に加えて、他のフェノール化合物のキノンジアジドスル
ホン酸エステル(以下、「スルホン酸エステル(b)」
という。)、例えばベンゼン環数2〜5程度のフェノー
ル化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルを配合す
ることもできる。特に化合物(B)がキノンジアジドス
ルホニル基を有さない場合[化合物(B)として化合物
(B’)のみを使用する場合に相当]は、このスルホン
酸エステル(b)が配合される。
【0077】このようなスルホン酸エステル(b)とし
ては、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’
3,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、3’−メ
トキシ−2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾ
フェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキ
シベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサ
ヒドロキシベンゾフェノンなどの(ポリ)ヒドロキシフ
ェニルアリールケトンの1,2−ナフトキノンジアジド
−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸エステル類;
【0078】ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン
などのビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカンの
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステ
ルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸エステル類;
【0079】4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメタ
ン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタ
ン、2,2’,5,5’−テトラメチル−2”,4,4’−
トリヒドロキシトリフェニルメタン、3,3’,5,5’
−テトラメチル−2”,4,4’−トリヒドロキシトリフ
ェニルメタン、4,4’,5,5’−テトラメチル−2,
2’,2”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,
2’,5,5’−テトラメチル−4,4’,4”−トリヒド
ロキシトリフェニルメタン、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、1,3,3−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]−1−フェニルエタンなどの
(ポリ)ヒドロキシトリフェニルアルカンの1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステ
ル類;
【0080】2,4,4−トリメチル−2’,4’,7−ト
リヒドロキシ−2−フェニルフラバン、2,4,4’−ト
リメチル−2’,4’,5’,6,7−ペンタヒドロキシ−
2−フェニルフラバンなどのポリヒドロキシフェニルフ
ラバンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン
酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸エステル類を挙げることができる。
【0081】さらには特開平1−144,463号公
報、特開平1−156,738号公報などに記載されて
いるキノンジアジドスルホン酸エステル類も使用するこ
とができる。これらのスルホン酸エステル(b)は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0082】前記スルホン酸エステル(b)のうち、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,
2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノンの
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステ
ル、2,2’,5,5’−テトラメチル−2”,4,4’−
トリヒドロキシトリフェニルメタンの1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフ
トキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホン酸エステル、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]}フェニルエタンの1,2−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステ
ル、2,4,4−トリメチル−2’,4’,7−トリヒドロ
キシ−2−フェニルフラバンの1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス
(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン
の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エス
テルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパンの1,2−ナフトキ
ノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,
3,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタンの1,
2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルま
たは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エ
ステルなどが好ましい。
【0083】本発明の組成物において、化合物(B)の
配合量は、ノボラック樹脂(A)100重量部当り、通
常、3〜75重量部、好ましくは5〜50重量部であ
る。スルホン酸エステル(b)の配合量は、ノボラック
樹脂(A)100重量部当り、通常、70重量部以下、
好ましくは5〜40重量部である。また、化合物(B)
とスルホン酸エステル(b)との合計配合量は、ノボラ
ック樹脂(A)100重量部に対して、通常、3〜10
0重量部、好ましくは5〜50重量部である。
【0084】本発明の組成物はキノンジアジドスルホニ
ル基を含む。このキノンジアジドスルホニル基は化合物
(B)および/またはスルホン酸エステル(b)のなか
に含有されている。組成物中に含まれるキノンジアジド
スルホニル基の総量は、固形分換算で、通常、5〜25
重量%、好ましくは10〜20重量%である。
【0085】本発明の組成物には、さらに必要に応じ
て、溶解促進剤、増感剤、界面活性剤などの各種配合剤
を配合することができる。
【0086】前記溶解促進剤は、ノボラック樹脂(A)
のアルカリ溶解性を促進するなどの目的で使用される化
合物である。その好ましい例としては、ベンゼン環数2
〜6程度のフェノール化合物を挙げることができ、具体
的には前述の化合物(C)の他に、下記式(25)〜
(35)で表わされる低分子量のフェノール化合物を挙
げることができる。
【0087】
【化17】
【0088】[式(25)において、R13は、炭素数1
〜6のアルキル基を示し、R13が複数存在する場合は相
互に同一であっても異なっていてもよく、R14およびR
15は、相互に同一であっても異なっていてもよく、水素
原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜14のア
リール基または炭素数7〜18のアラルキル基を示し、
e、f、xおよびyはそれぞれ0〜3の整数であるが、
eとfが同時に0となることはなく、かつ、e+x≦5
およびf+y≦5を満たす。]
【0089】
【化18】
【0090】[式(26)において、R16は、炭素数1
〜6のアルキル基を示し、R16が複数存在する場合は相
互に同一であっても異なっていてもよく、e、f、xお
よびyはそれぞれ0〜3の整数であるが、eおよびfが
同時に0となることはなく、かつ、e+x≦5およびf
+y≦5を満たす。]
【0091】
【化19】
【0092】[式(27)において、R17は、炭素数1
〜6のアルキル基を示し、R17が複数存在する場合は相
互に同一であっても異なっていてもよく、e、f、g、
x、yおよびzはそれぞれ0〜3の整数であるが、e、
fおよびgが同時に0となることはなく、かつ、e+x
≦5、f+y≦5およびg+z≦5を満たす。]
【0093】
【化20】
【0094】[式(28)において、R18は、炭素数1
〜6のアルキル基を示し、R18が複数存在する場合は相
互に同一であっても異なっていてもよく、R19〜R
22は、相互に同一または異なって、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または
炭素数7〜18のアラルキル基を示し、e、f、g、
x、yおよびzはそれぞれ0〜3の整数であるが、e、
fおよびgが同時に0となることはなく、かつ、e+x
≦5、f+y≦5およびg+z≦5を満たす。]
【0095】
【化21】
【0096】[式(29)において、R23は、炭素数1
〜6のアルキル基を示し、R23が複数存在する場合は相
互に同一であっても異なっていてもよく、R24〜R
28は、相互に同一または異なって、水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または
炭素数7〜18のアラルキル基を示し、e、f、g、
x、yおよびzはそれぞれ0〜3の整数であるが、e、
fおよびgが同時に0となることはなく、かつ、e+x
≦5、f+y≦5およびg+z≦5を満たす。]
【0097】溶解促進剤は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができ、その配合量は、ノボラック
樹脂(A)100重量部当り、通常、50重量部以下、
好ましくは30重量部以下である。
【0098】前記増感剤は、レジストの放射線に対する
感度を向上させる作用を有するものであり、その例とし
ては、2H−ピリド−(3,2−b)−1,4−オキサジ
ン−3(4H)−オン類、10H−ピリド−(3,2−
b)−(1,4)−ベンゾチアジン類、ウラゾール類、
ヒダントイン類、バルピツール酸類、グリシン無水物
類、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル類、アロキサン
類、マレイミド類などを挙げることができる。これらの
増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができ、その配合量は、ノボラック樹脂(A)100
重量部当り、通常、50重量部以下である。
【0099】また前記界面活性剤は、本発明の組成物の
塗布性、現像性を改良する作用を有するものであり、そ
の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウ
レート、ポリエチレングリコールジステアレートなどの
ノニオン系界面活性剤;エフトップ EF122A、E
F122B、EF351、EF352、EF601、E
F801、EF802(商品名、三菱金属製);メガフ
ァックス F142D、F144D、F171、F17
2、F173、F177、F179A(商品名、大日本
インキ製);フロラード FC176、FC430、F
C431(商品名、住友スリーエム製);アサヒガード
AG710、サーフロン S−381、S−382、
SC−101、SC−102、SC−103、SC−1
04、SC−105、SC−106(商品名、旭硝子
製);KP341(商品名、信越化学工業製);アクリ
ル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローN
o.75、No.90、No.95、S、フローレン A
C202、AC300、AC303、AC326F、A
C903、AC1190(商品名、共栄社油脂化学工業
製);ハイオニック PE40、PE90、PE10
0、PE120、モデイコールL、X、ダプロ S−6
5、ペレノール F40、カラースパース 188A
(商品名、サンノプコ製);エマゾール O−15R、
O−30(F)、S−20(商品名、花王製);ZON
YE FSN、FSN−100、FSO、FSO−10
0(商品名、デュポン製);DS−401、DS−40
3、DS−406、DS−451(商品名、ダイキン
製);フタージェント250、251、PEF−20
3、PFE−800B、NBX−15(商品名、ネオス
製)などが挙げられる。
【0100】これらの界面活性剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができ、その配合量は、組
成物の固形分100重量部当り、通常、2重量部以下で
ある。
【0101】さらに本発明の組成物は、染料や顔料を配
合することにより、露光部の潜像を可視化させ、露光時
のハレーションの影響を少なくすることができ、また接
着助剤を配合することにより、組成物の基板に対する接
着性を改善することができる。また、保存安定剤、消泡
剤などの他の添加剤を配合することもできる。
【0102】本発明の組成物を使用してレジストパター
ンを形成する際には、ノボラック樹脂(A)と化合物
(B)、必要に応じてスルホン酸エステル(b)を、各
種添加剤とともに、例えば固形分濃度が20〜40重量
%となるように溶剤に溶解し、例えば孔径0.2μm程
度のフィルターで濾過することにより、組成物溶液とし
て調製される。
【0103】前記組成物溶液の調製に用いられる溶剤と
しては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピル
エーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘ
プタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン
酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エ
チル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2
−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、ピルビン酸
メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸
メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキ
シプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどを挙げることができ
る。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。
【0104】さらに、前記溶剤には、N−メチルホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホ
ルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエー
テル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、
カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベン
ジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュ
ウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソル
ブアセテートなどの高沸点溶剤を1種以上添加すること
もできる。
【0105】次いで、組成物溶液として調製された本発
明の組成物は、回転塗布、流延塗布、ロール塗布などの
塗布方法により、例えばシリコンウェハー、アルミニウ
ムで被覆されたウェハーなどの基板上に塗布して感放射
線性樹脂層を形成し、部分的に露光し、現像液で現像す
ることによって、レジストパターンを形成する。この際
に使用される放射線としては、i線などの紫外線が好ま
しく用いられるが、組成物の特性に応じて、紫外線、遠
紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン
放射線、プロトンビームなどの各種放射線を選択し、用
いることができる。
【0106】本発明においては、組成物を基板上に塗布
し、予備焼成および露光を行った後、70〜140℃で
加熱処理する操作(以下、「露光後焼成」という。)を
行い、その後に現像することによって、本発明の効果を
さらに向上させることができる。
【0107】本発明の組成物の現像液としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、
エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、
ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジ
エチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロ
ール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.
0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.
3.0]−5−ノネンなどのアルカリ性化合物を、濃度
が、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%と
なるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
【0108】また、前記現像液には、水溶性有機溶媒、
例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類や界
面活性剤を適量添加することもできる。なお、このよう
なアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合に
は、一般に、現像後、水で洗浄する。
【0109】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例になんら制約されるものではない。
ここで、Mwの測定および各レジストの評価は、以下の
方法により行った。
【0110】Mw:東ソー(株)製GPCカラム(G2
000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000H
XL 1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラ
ヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散
ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマ
トグラフ法により測定した。
【0111】感度:(株)ニコン製 NSR−2005
i9C縮小投影露光機(レンズの開口数;0.57)を
用い、露光時間を変化させて、波長365nmのi線に
より露光したのち、2.4重量%テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液により、25℃で60秒間現像
し、水洗し、乾燥してウェハー上にポジ型レジストパタ
ーンを形成した。その際、線幅0.35μmのライン・
アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の幅に
形成する露光時間(以下、「最適露光時間」という。)
を感度とした。
【0112】解像度:最適露光時間で露光した時に解像
されている最小のレジストパターンの寸法を解像度とし
た。
【0113】フォーカス許容性:線幅0.35μmのラ
イン・アンド・スペースパターン(1L1S)を走査型
電子顕微鏡を用いて観察し、解像されるパターン寸法が
マスクの設計寸法の±10%以内であり、かつレジスト
パターンの現像前の膜の厚さに対する現像後の膜の厚さ
の割合(以下、「残膜率」という。)が90%以上であ
る場合のフォーカスの振れ幅(フォーカスレンジ)によ
り、フォーカス許容性を評価した。フォーカスレンジが
大きいほど、フォーカス許容性が良好であることを示し
ている。
【0114】ノボラック樹脂(A)の製造 合成例1 オートクレーブに m−クレゾール 60.6g(0.56モル) 2,3,5−トリメチルフェノール 19.1g(0.14モル) 37重量%ホルムアルデヒド水溶液 51.1g(ホルムアルデヒド 0.63モル) シュウ酸2水和物 4.41g(0.035モル) 水 57.5g および ジオキサン 269g を仕込んだ後、オートクレーブを油浴に浸し、反応液の
温度を130℃に保持して攪拌しながら6時間重縮合を
行った。次いで、反応液を室温まで冷却した後、内容物
をビーカーに移して放置し、2層に分離した下層を取り
出し、濃縮し、脱水し、乾燥してノボラック樹脂(A)
を回収した。この樹脂(Mw=8,800)を、ノボラ
ック樹脂(A1)とする。
【0115】合成例2 オートクレーブに m−クレゾール 53.0g(0.49モル) 2,3−キシレノール 17.1g(0.14モル) 2,3,5−トリメチルフェノール 9.53g(0.07モル) 37重量%ホルムアルデヒド水溶液 49.7g(ホルムアルデヒド 0.61モル) シュウ酸2水和物 4.41g(0.035モル) 水 58.3g および ジオキサン 369g を仕込んで、8時間重縮合を行った以外は、合成例1と
同様に処理して、ノボラック樹脂(A)を回収した。こ
の樹脂(Mw=8,400)をノボラック樹脂(A2)
とする。
【0116】合成例3 オートクレーブに m−クレゾール 53.0g(0.56モル) 2,3−キシレノール 12.8g(0.105モル) 3,4−キシレノール 4.28g(0.035モル) 37重量%ホルムアルデヒド水溶液 48.7g(ホルムアルデヒド 0.60モル) シュウ酸2水和物 4.41g(0.035モル) 水 48.0g および ジオキサン 237g を仕込んで、8時間重縮合を行った以外は、合成例1と
同様に処理して、ノボラック樹脂(A)を回収した。こ
の樹脂(Mw=8,100)をノボラック樹脂(A3)
とする。
【0117】合成例4 攪拌機、冷却管および温度計を装着したフラスコに、 m−クレゾール 103.8g(0.96モル) 2,3−キシレノール 3.67g(0.03モル) 3,4−キシレノール 3.67g(0.03モル) ホルムアルデヒド40重量%ブタノール溶液(ブチルヘミホルマール) 101.4g(ホルムアルデヒド 1.35モル) および シュウ酸2水和物 945mg(0.0075モル) を仕込んだ後、フラスコを油浴中に侵し、反応液の濃度
を100℃に保持し、攪拌下、30分間重縮合を行っ
た。次いで、 m−クレゾール 26.0g(0.24モル) 2,3−キシレノール 14.7g(0.12モル) および 3,4−キシレノール 14.7g(0.12モル) を加えてさらに100分間重縮合を行った。次いで油浴
の温度を180℃まで上げ、同時にフラスコ内の圧力を
30〜50mmHgまで減圧して、揮発分を除去し、溶
融しているノボラック樹脂(A)を室温まで冷却して回
収した。この樹脂(Mw=5,700)を、ノボラック
樹脂(A4)とする。
【0118】合成例5 ノボラック樹脂(A4)を酢酸エチルに樹脂成分が30
重量%になるように溶解した後、この溶液の重量の0.
65倍量のメタノールと0.75倍量の水を加えて、攪
拌後放置した。次いで、2層に分離した下層を取り出
し、濃縮し、乾燥してノボラック樹脂(A)を回収し
た。この樹脂(Mw=8,000)を、ノボラック樹脂
(A5)とする。
【0119】化合物(B)の合成 合成例6 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−{4−[1−(4−ヒドロキシ フェニル)−(1−メチル)エチル]}フエニルエタン(前記式(7)に相当) 42.5g(0.1モル) 10重量%水酸化ナトリウム水溶液 132g (水酸化ナトリウム0.33モル) を仕込み、攪拌下で溶解させた。次いで、フラスコを氷浴中に浸し、37重量% ホルムアルデヒド水溶液 53.6g (ホルムアルデヒド0.66モル) を、反応液の温度が5℃を超えないように、滴下ロート
を用いて徐々に滴下した。滴下終了後、HPLCで反応
を追跡し、反応が完結するまで室温で攪拌した。反応終
了後、フラスコを氷浴中に浸し、50重量%酢酸水溶液
42.0g(酢酸0.35モル)を、反応液の温度が5℃
を越えないように滴下ロートを用いて徐々に滴下し、生
成物を析出させた。次いで、室温に戻して反応液を、攪
拌下で水2リットル中に投入した後、析出物をろ別し、
さらに、大量の水で中性になるまでこの析出物を洗浄し
て取り出し、これを40℃に保持した真空乾燥機内で一
昼夜乾燥して化合物を得た。これを、化合物(D1)と
する。
【0120】合成例7 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 化合物(D1) 30.2g(0.05モル) フェノール 47.1g(0.5モル) および メチルイソブチルケトン 232g を仕込み、攪拌下で溶解させた。次いで、フラスコを水
浴中に浸し、 p−トルエンスルホン酸 0.143g(7.5×10-4モル) および メチルイソブチルケトン 1.29g を反応液の温度が50℃を越えないように、徐々に滴下
した。滴下後、湯浴上で、反応液を50℃まで昇温し、
攪拌下3時間重縮合させた。次いで、反応液を室温まで
冷却し、攪拌下でメチルイソブチルケトン200gをフ
ラスコに投入し、反応液を分液ロートに移し、水層が中
性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を攪拌
機および冷却管を備えたフラスコに入れて、昇温すると
同時に減圧下で揮発分を除去し、化合物(B')を得
た。これを、化合物(B'1)とする。
【0121】合成例8 化合物(B'1) 53.1g(0.05モル) 1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド 48.4g(0.18モル) および ジオキサン 330g を仕込み、攪拌下で溶解させた。次いで、フラスコを3
0℃に保持した水浴中に浸し、反応液の温度が30℃で
一定になった時点で、 トリエチルアミン 19.2g(0.19モル) を反応液の温度が35℃を越えないように、滴下ロート
を用いて徐々に滴下した。次いで生成したトリエチルア
ミン塩酸塩をろ別し、ろ液を大量の希塩酸中に注いで生
成物を析出させた。この析出物をろ過した後、40℃に
保持した真空乾燥機内で一昼夜乾燥してキノンジアジド
スルホニル基を有する化合物(B)を得た。これを、化
合物(B1)とする。
【0122】合成例9 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(式(8)に相当) 29.2g(0.1モル) 10重量%水酸化ナトリウム水溶液 132g (水酸化ナトリウム0.33モル) 37重量%ホルムアルデヒド水溶液 53.6g (ホルムアルデヒド0.66モル) および 50重量%酢酸水溶液 42.0g(酢酸0.35モル) を使用した以外は、合成例6と同様に 処理して、化合
物(D)を得た。これを、化合物(D2)とする。
【0123】合成例10 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 化合物(D2) 19.0g(0.05モル) 2,6−キシレノール 61.1g(0.5モル) メチルイソブチルケトン 240g p−トルエンスルホン酸 0.143g(7.5×10-4モル) および メチルイソブチルケトン 1.29g を仕込み、4.5時間重縮合を行った以外は、合成例6
と同様に処理して、化合物(B')を得た。これを、化
合物(B'2)とする。
【0124】合成例11 化合物(B'2) 54.9g(0.05モル) 1,1,1−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド 60.5g(0.225モル) ジオキサン 380g および トリエチルアミン 23.3g(0.23モル) を使用した以外は、合成例6と同様に処理して、キノン
ジアジドスルホニル基を有する化合物(B)を得た。こ
れを化合物(B2)とする。
【0125】合成例12 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(前記式(8)に相当) 30.6g(0.1モル) 10重量%水酸化ナトリウム水溶液 132g (水酸化ナトリウム0.33モル) 37重量%ホルムアルデヒド水溶液 53.6g (ホルムアルデヒド0.66モル) および 50重量%酢酸水溶液 42.0g(酢酸0.35モル) を使用した以外は、合成例6と同様に処理して、化合物
(D)を得た。これを、化合物(D3)とする。
【0126】合成例13 合成例4で用いたものと同様のフラスコに、 化合物(D3) 22.1g(0.05モル) o−クレゾール 54.1g(0.5モル) メチルイソブチルケトン 228g p−トルエンスルホン酸 0.143g(7.5×10-4モル) および メチルイソブチルケトン 1.29g を仕込み、4時間重縮合を行った以外は、合成例6と同
様に処理して、化合物(B')を得た。これを、化合物
(B’3)とする。
【0127】合成例14 化合物(B'3) 51.4g(0.05モル) 1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド 60.5g(0.225モル) ジオキサン 369g および トリエチルアミン 23.3g(0.23モル) を使用した以外は、合成例6と同様に処理して、キノン
ジアジドスルホニル基を有する化合物(B)を得た。こ
れを、化合物(B3)とする。
【0128】実施例1〜5、比較例1、2 前記合成例で合成されたノボラック樹脂(A)ならびに
化合物(B)、スルホン酸エステル(b)、化合物
(B')、溶解促進剤および溶剤を混合して、均一溶液
としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターで
濾過し、表1に示す組成物の溶液を調製した。表1の数
値は重量部である。
【0129】ここで使用したスルホン酸エステル
(b)、化合物(B')、溶解促進剤および溶剤の種類
は、下記の通りである。
【0130】スルホン酸エステル(b) (b1);1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−(1−
メチル)エチル]}フエニルエタン1モルと1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2モルの
縮合物 (b2);1,3,3−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン1モルと1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホニルクロリド2.5モルの縮合物 (b3);1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)ブタン1モルと1,2−ナフトキ
ノンジアジド−4−スルホニルクロリド2.5モルの縮
合物
【0131】化合物(B') (B'1);前記式(13)で表される化合物 (B'2);前記式(19)で表される化合物
【0132】溶解促進剤 (e1);1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン(前記式(25)に相当) (e2);1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メ
チルエチル]}フェニルエタン(前記式(7)に相当)
【0133】溶剤 (α);2−ヒドロキシプロピオン酸エチル (β);3−エトキシプロピオン酸エチル (γ);3−メトキシプロピオン酸メチル
【0134】各組成物の溶液を、シリコンウエハー上に
スピナーを用いて塗布したのち、100℃にて保持した
ホットプレート上で、2分間予備焼成を行って、厚さ
1.1μmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜
に、マスクパターンを介し、前述の如くに波長365n
mのi線により露光したのち、110℃に保持したホッ
トプレート上で、1分間露光後焼成を行った。次いで、
前述の如くに現像し、洗浄し、乾燥して、レジストパタ
ーンを形成し、得られたレジストパターンを基にして、
各レジストの性能評価を行った。表2に評価結果を示
す。
【0135】表2に示すように、実施例1〜5において
は、特にフォーカス許容性に優れるとともに、感度およ
び解像度にも優れ、かつ、現像性、パターン形状、耐熱
性なども良好であった。
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】
【発明の効果】本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物
は、特にフォーカス許容性に優れるとともに、感度、解
像度、耐熱性およびパターン形状にも優れたものであ
る。従って、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、
特に、今後さらに高集積化が進むと考えられる集積回路
製造用ポジ型レジストとして極めて有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【化6】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】化合物(B’)の具体例としては、下記式
(13)〜(24)が挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】
【化11】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】
【化12】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】
【化13】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】
【化14】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】
【化15】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】
【化16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 昭 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キノンジアジドスルホニル基を持つ化合
    物を含むポジ型感放射線性樹脂組成物であって、アルカ
    リ可溶性ノボラック樹脂(A)、ならびに下記式(1)
    および下記式(2) 【化1】 [式(1)および式(2)のQは下記式(3) 【化2】 で表わされる1価の基であり;式(1)、式(2)およ
    び式(3)において、Dは水素原子またはキノンジアジ
    ドスルホニル基を示し、複数存在するDは同一であって
    も異なっていてもよく;R1は炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜
    8のアルコキシ基、炭素数7〜15のアラルキルオキシ
    基、炭素数1〜7のアシル基、炭素数6〜14のアリー
    ル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数6〜10
    のアリールオキシ基または炭素数2〜10のアルコキシ
    カルボニル基を示し、R1が式(1)または式(2)の
    なかに複数存在する場合は相互に同一であっても異なっ
    ていてもよく;R2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素
    数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリ
    ール基または炭素数7〜18のアラルキル基を示し、R
    2が式(1)または式(2)のなかに複数存在する場合
    は相互に同一であっても異なっていてもよく;R3〜R6
    は相互に同一であっても異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
    3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリー
    ル基または炭素数7〜18のアラルキル基を示し;R7
    〜R9は相互に同一であっても異なっていてもよく、水
    素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数3〜
    10のシクロアルキル基を示し;R10およびR11は相互
    に同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素
    数1〜6のアルキル基または炭素数3〜10のシクロア
    ルキル基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6
    〜14のアリール基または炭素数7〜18のアラルキル
    基を示し;aは1〜3の整数、bは0〜3の整数であ
    り、しかもa+b≦5を満し、cは1〜3の整数、dは
    0〜2の整数であり、しかもc+d≦3を満たす。]で
    表わされる化合物群から選択される少なくとも1種の化
    合物(B)を含有することを特徴とするポジ型感放射線
    性樹脂組成物。
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