JPH0634783A - 原子炉設備 - Google Patents

原子炉設備

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JPH0634783A
JPH0634783A JP4191871A JP19187192A JPH0634783A JP H0634783 A JPH0634783 A JP H0634783A JP 4191871 A JP4191871 A JP 4191871A JP 19187192 A JP19187192 A JP 19187192A JP H0634783 A JPH0634783 A JP H0634783A
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pressure
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政隆 日▲高▼
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和英 高森
Tadashi Fujii
正 藤井
Yoshiyuki Kataoka
良之 片岡
Michio Murase
道雄 村瀬
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉冷却設備の経済性と信頼性を向上するこ
と。 【構成】炉心2より上方に冷却水プ−ル90,冷却水タ
ンク91を設け、冷却水プ−ル90内の水位より下方に
冷却水タンク92を設け、冷却水プ−ル90と冷却水タ
ンク92内を流路94で連通し、冷却水タンク92内に
おける流路94開口部より上方と冷却水タンク91内に
おける水位より上方を流路95で連通し、冷却水タンク
91と原子炉圧力容器1内を逆止弁97を有する流路9
3で連通し、冷却水タンク92と原子炉圧力容器1内を
逆止弁98を有する流路96で連通する。冷却水プ−ル
90から冷却水タンク92への流路94による水頭圧力
を冷却水タンク92内の流路94開口部より上方に形成
された水位によって水封して冷却水タンク91内に加え
て、冷却水タンク91から原子炉圧力容器1内への注水
圧力とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉設備に関し、特
に事故時に必要とされる原子炉冷却設備に係る。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉では、配管破断事故等の
冷却水喪失事故時に原子炉圧力容器内の炉心を冷却する
方法としては、火力原子力発電Vol.39,No.8(1
988)に記載のように、ポンプ等の動的機器を用いな
い非常用炉心冷却系がある。これは、炉心冷却用の貯水
槽にあらかじめガス圧をかけ、原子炉圧力容器内との圧
力差によって冷却水を注水する静的な方法をとる蓄圧注
水系を2系統設け、系統の簡素化を図るものである。
【0003】また、その他の静的な炉心冷却系統として
は、特開昭57−69289 号記載のように、冷却水の貯水槽
と原子炉圧力容器内を均圧化し、重力のみによって冷却
水を原子炉圧力容器内に注水する重力落下式注水系があ
る。
【0004】この重力落下式注水系を有する原子炉の信
頼性を向上するための方法としては、貯水槽と原子炉圧
力容器内の均圧化のための連通路を設けず、貯水槽を原
子炉格納容器ドライウェルに開放する方法がとられる。
この場合、配管破断事故時に貯水槽と原子炉圧力容器内
を早期に均圧化して原子炉圧力容器内への注水を開始す
るために、主蒸気系には大容量の減圧系が取り付けら
れ、原子炉圧力容器内を急速に減圧する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】配管破断事故等の冷却
水喪失事故時に原子炉圧力容器内の炉心を冷却する方法
として、ポンプ等の動的機器を用いる場合、機械的可動
部があるために、故障,出力低下等の不調が生じるが、
上記の均圧化手段を用いた注水系や蓄圧注水系の従来技
術ではその可能性が低減される良さが有る。
【0006】しかし、蓄圧式注水装置を用いた場合は、
事故後に早期の注水が可能である反面、通常運転時にお
いても貯水槽に高圧ガス圧を加えてその貯水槽を高圧状
態に保つ必要があるため、貯水槽は水圧の他にその高圧
ガス圧を加えた極めて高圧な圧力に耐える耐圧構造にし
なければならない。
【0007】このため、貯水槽を大きく出来ずに貯水量
を多量に確保出来ず、長期にわたる注水ができない問題
がある。貯水量を大きくした場合には、原子炉製造に係
る経済性が低下する。
【0008】また、重力落下式注水装置では、貯水槽を
大きくすることができるが、早期に原子炉圧力容器内に
冷却水を注水するためには、減圧系の容量を増加する
か、あるいは貯水槽を従前よりも高い位置に置いて重力
落下式注水装置の注水静水頭を増加しなければならな
い。
【0009】しかし、減圧系による減圧過程では、原子
炉圧力容器内に飽和状態の冷却水が大量に存在し、沸騰
蒸気が大量に発生するため減圧系の容量を大きくしても
原子炉圧力容器内の圧力が容易に低下せず、重力落下式
注水装置の作動時期が遅くなり、炉心を十分に冷却でき
ない問題が生じる可能性がある。
【0010】また、注水静水頭を増加するために貯水槽
の設置位置を高くする場合には、設置位置が原子炉格納
容器高さによって制限されるため、十分な注水静水頭の
増加ができない問題がある。あるいは、貯水槽の設置位
置を高くするために原子炉格納容器高さを高くすると、
原子炉格納容器だけでなく原子炉建屋の高さも高くな
り、原子炉製造に係る経済性が低下する問題がある。
【0011】その他、一旦、蓄圧式注水装置,重力落下
式注水装置による注水が開始されると、短時間に全量が
注水され、余分の冷却水は原子炉圧力容器から流出す
る。
【0012】蓄圧式注水装置あるいは重力落下式注水装
置を用いて炉心冷却を効果的に行なうためには、炉心で
発生する崩壊熱に応じた冷却水量を注水しなければなら
ず、そのためには時間の経過にともなう原子炉圧力容器
内圧力の低下にともなって、注水静水頭を減少させて注
水流量を制御する必要がある。
【0013】本発明の目的は、原子炉冷却設備におい
て、重力落下式注水装置の早期の原子炉圧力容器内への
注水を原子炉格納容器等の格納手段の大型化を極力抑制
しながら可能にすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1手段は、水に付加さ
れた位置エネルギー又は注水必要時に水に付加された熱
エネルギーを気相の圧力に変換する第1手段と、前記手
段による気体圧力を原子炉圧力容器内に弁を介して接続
されて原子炉炉心位置よりも高所の位置に有る冷却水タ
ンク内へ印加する第2手段とから成る原子炉冷却装置で
ある。
【0015】第2手段は、第1手段において、冷却水プ
ール内の水位よりも下方に位置する第1冷却水タンク
と、前記冷却水プールの液相部と前記第1冷却水タンク
内とを連通する第1流路とを備えた第1手段と、前記第
1冷却水タンクの気相部と前記第1冷却水タンクよりも
高所の第2冷却水タンク内との間に備えられた連通路を
備えた第2手段と、前記第2冷却水タンク内の液相部と
原子炉圧力容器内とを弁を介して接続した第2流路とを
備えたことを特徴とした原子炉冷却装置である。第3手
段は、第2手段において、第1冷却水タンクは原子炉圧
力容器内と弁を介して冷却水を連通する第3流路が備わ
ることを特徴とした原子炉冷却装置である。
【0016】第4手段は、第3手段において、第2流路
と第3流路とは互いに独立していることを特徴とした原
子炉冷却装置である。
【0017】第5手段は、第2手段において、第1冷却
水タンクと第2冷却水タンクとの間の連通路は、途中
に、高低差を付けて配備された第3冷却水タンクと第4
冷却水タンクとの内、相対的に高所の第3冷却水タンク
の液相部と相対的に低所の第4冷却水タンク内とを連通
する第4流路とを備えた増圧手段が第1冷却水タンクと
第2冷却水タンクとに対して直列に備わることを特徴と
した原子炉冷却装置である。
【0018】第6手段は、第5手段において、第1冷却
水タンクは原子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を連通
する第3流路が備わり、第4冷却水タンクは原子炉圧力
容器内と弁を介して冷却水を連通する第5流路が備わる
ことを特徴とした原子炉冷却装置である。
【0019】第7手段は、第6手段において、第2流路
と第3流路と第5流路とは互いに独立していることを特
徴とした原子炉冷却装置である。
【0020】第8手段は、第2又は第3手段において、
冷却水プールは圧力的に内外間の移行が制限された構造
を備え、原子炉圧力容器内で発生した圧力を前記冷却水
プール内に弁を介して印加する系統を備えることを特徴
とした原子炉冷却装置である。
【0021】第9手段は、第2又は第3手段において、
第2冷却水タンクは、冷却水プールの一部を他部から隔
離して構成されていることを特徴とした原子炉冷却装置
である。
【0022】第10手段は、第1手段から第7手段迄及
び第9手段のいずれかの一手段において、冷却水プール
は原子炉格納容器内のドライウエル領域内に開放されて
いることを特徴とした原子炉冷却装置である。
【0023】第11手段は、第1手段において、冷却水
を貯蔵する冷却水タンクと、原子炉圧力容器内で発生し
た熱を冷却水タンク内の冷却水に付加する手段を第1手
段として備え、前記冷却水タンクと前記冷却水タンク内
外間での圧力移行を抑制する排圧制限手段を第2手段と
して備えることを特徴とした原子炉冷却装置である。第
12手段は、第11手段において、熱を冷却水タンク内
の冷却水に付加する手段は、原子炉圧力容器の自動減圧
時の排気蒸気の熱を冷却水タンク内の冷却水中に導く系
統により構成されることを特徴とした原子炉冷却装置で
ある。
【0024】第13手段は、第12手段において、熱を
冷却水タンク内の冷却水中に導く系統は、原子炉圧力容
器の自動減圧時の排気蒸気を冷却水タンク内の冷却水中
に装備された凝縮器内に導く系統により構成されること
を特徴とした原子炉冷却装置である。
【0025】第14手段は、第12手段において、排圧
制限手段は、冷却水タンクの気相部と前記冷却水タンク
外とを連通する経路内に装備された弁であることを特徴
とした原子炉冷却装置である。
【0026】第15手段は、第12手段において、排圧
制限手段は、冷却水タンクの気相部を覆うタンク壁の一
部に開口した穴であって、前記穴の大きさは、冷却水タ
ンク内への導入熱により上昇する前記冷却水タンク気相
部の圧力の上昇が前記穴から冷却水タンク外へ逃げる圧
力による冷却水タンク内の圧力の降下を上回る開口面積
であることを特徴とした原子炉冷却装置である。
【0027】第16手段は、第12手段において、排圧
制限手段は、冷却水タンクの液相内と前記冷却水タンク
外とを連通するベント管であることを特徴とした原子炉
冷却装置である。
【0028】第17手段は、第11手段から第14手段
迄及び第6手段のいずれかの一項において、冷却水タン
ク内の気相部は原子炉格納容器内のドライウエル領域内
に弁を介して開放可能とされていることを特徴とした原
子炉冷却装置である。
【0029】第18手段は、高所の水に付加された位置
エネルギーをそれより低所の液体タンク内の気相の圧力
に変換する手段と、前記手段による気相の圧力を原子炉
圧力容器内への注水圧力として付加される冷却水注水系
統とを備えた原子炉冷却装置である。
【0030】第19手段は、互いに連通されて高低2か
所に配備されたプールとタンク間の静水頭差圧を前記低
所のタンク内の気相部に印加する系統と、前記気相部の
圧力を注水冷却水を蓄える冷却水タンク内に印加する系
統とを備えた注水冷却水の加圧装置である。
【0031】第20手段は、注水冷却水を貯蔵する冷却
水タンクと、熱エネルギーを前記注水冷却水を媒体とし
て前記冷却水タンク内の気相部の気相圧力に変換する手
段とから成る注水冷却水の加圧装置である。
【0032】第21手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力
容器と、前記原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に
凝縮するサプレッションプールと、前記炉心より高所に
あって前記サプレッションプールのプール水を弁を介し
て原子炉圧力容器内に連通可能に接続した冠水系と、前
記サプレッションプールよりも高所に配備されて弁を介
して前記原子炉圧力容器内に連通可能に接続された重力
落下式注水系の冷却水プールと、これら前記構成を格納
する原子炉格納容器とを備えた原子炉設備において、前
記重力落下注水系は、前記冷却水プール内の水位よりも
下方に位置する第1冷却水タンクと、前記冷却水プール
の液相部と前記第1冷却水タンク内とを連通する第1流
路と、前記第1冷却水タンクの気相部と前記第1冷却水
タンクよりも高所の第2冷却水タンク内との間に備えら
れた連通路と、前記第2冷却水タンク内の液相部と原子
炉圧力容器内とを弁を介して接続した第2流路と、前記
第1冷却水タンクと前記原子炉圧力容器内と弁を介して
冷却水を連通する第3流路とを備えていることを特徴と
した原子炉設備である。
【0033】第22手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力
容器と、前記原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に
凝縮するサプレッションプールと、前記炉心よりも高所
に配備されて弁を介して前記原子炉圧力容器内に連通可
能に接続された重力落下式注水系の冷却水プールと、弁
を介して前記原子炉圧力容器内に連通可能に接続されて
おり前記重力落下式注水系の注水圧力よりも高圧で冷却
水が封入された蓄圧注水系の高圧タンクと、これら前記
構成を格納する原子炉格納容器とを備えた原子炉設備に
おいて、前記重力落下注水系は、前記冷却水プール内の
水位よりも下方に位置する第1冷却水タンクと、前記冷
却水プールの液相部と前記第1冷却水タンク内とを連通
する第1流路と、前記第1冷却水タンクの気相部と前記
第1冷却水タンクよりも高所の第2冷却水タンク内との
間に備えられた連通路と、前記第2冷却水タンク内の液
相部と原子炉圧力容器内とを弁を介して接続した第2流
路と、前記第1冷却水タンクと前記原子炉圧力容器内と
弁を介して冷却水を連通する第3流路とを備えているこ
とを特徴とした原子炉設備である。
【0034】第23手段は、炉心を内蔵した原子炉圧力
容器と、前記原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に
凝縮するサプレッションプールと、前記炉心より高所に
あって前記サプレッションプールのプール水を弁を介し
て原子炉圧力容器内に連通可能に接続した冠水系と、前
記サプレッションプールよりも高所に配備されて弁を介
して前記原子炉圧力容器内に連通可能に接続された重力
落下式注水系の冷却水プールと、弁を介して前記原子炉
圧力容器内に連通可能に接続されており前記重力落下式
注水系の注水圧力よりも高圧で冷却水が封入された蓄圧
注水系の高圧タンクと、これら前記構成を格納する原子
炉格納容器とを備えた原子炉設備において、前記重力落
下注水系は、前記冷却水プール内の水位よりも下方に位
置する第1冷却水タンクと、前記冷却水プールの液相部
と前記第1冷却水タンク内とを連通する第1流路と、前
記第1冷却水タンクの気相部と前記第1冷却水タンクよ
りも高所の第2冷却水タンク内との間に備えられた連通
路と、前記第2冷却水タンク内の液相部と原子炉圧力容
器内とを弁を介して接続した第2流路と、前記第1冷却
水タンクと前記原子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を
連通する第3流路とを備えていることを特徴とした原子
炉設備である。
【0035】第24手段は、第21手段において、冷却
水プールは複数に区画され、その全区画の一部が第1冷
却水タンク側に連通され、他部が弁を介して直接前記原
子炉圧力容器内へ連通可能に接続されていることを特徴
とした原子炉設備である。
【0036】第25手段は、第21手段において、冷却
水プールの全区画のうちの他部の区画内には原子炉圧力
容器からの排蒸気を凝縮する凝縮器が装備されているこ
とを特徴とした原子炉設備である。
【0037】第26手段は、第22手段又は第23手段
において、蓄圧注水系の高圧タンクは、タンク内の圧力
が異なって複数存在していることを特徴とした原子炉設
備である。
【0038】第27手段は、第22手段又は第23手段
又は第24手段又は第25手段において、サプレッショ
ンプールのプール水は原子炉格納容器の鋼板製壁の内面
に接しており、その内面に対応する外面には前記原子炉
格納容器外の外周プールのプール水が接触していること
を特徴とした原子炉設備である。
【0039】第28手段は、第27手段において、外周
プールよりも高所における原子炉格納容器鋼板製壁に沿
って、空冷設備の空冷ダクトが装備されていることを特
徴とした原子炉設備である。
【0040】第29手段は、第21手段において、サプ
レッションプールのプール水は原子炉格納容器の鋼板製
壁の内面に接しており、その内面に対応する外面には前
記原子炉格納容器外の外周プールのプール水が接触し、
前記外周プールよりも高所における前記原子炉格納容器
の鋼板製壁に沿って、空冷設備の空冷ダクトが装備さ
れ、前記原子炉格納容器内の構造物と前記原子炉格納容
器内面との間に形成されたウエットウエル空間を上下に
仕切る仕切板を備え、前記仕切板の上下気相部分を流路
で連通し、前記上方の気相部と前記サプレッションプー
ルのプール水中とを他の流路で連通してあることを特徴
とした原子炉設備である。
【0041】第30手段によれば、原子炉圧力容器に対
する重力落下式注水系の貯水領域を少なくとも高低両個
所及び前記低所の貯水領域よりも高所の他の個所に配備
し、前記高低両個所の各貯水領域間の水頭差圧で前記低
所の個所の前記貯水領域の気相部を加圧し、前記気相部
の圧力を前記他の個所の前記貯水領域に印加して、前記
他の個所の貯水領域からの注水開始タイミングを高圧側
にシフトし、前記低所の貯水領域からの注水開始タイミ
ングを低圧側にシフトして成る重力落下式注水系の注水
方法である。
【0042】
【作用】第1手段によれば、水に付加された位置エネル
ギー又は注水必要時に水に加えられた熱エネルギーが圧
力と成って冷却水タンク内に印加され、冷却水タンク内
の冷却水は弁が導通状態でその印加圧力と原子炉炉心よ
り高所の位置エネルギーとの総和による注水圧力で原子
炉炉心側に注水される作用が得られる。
【0043】第2手段によれば、冷却水プール内水が第
1流路を通じて第1冷却水タンクへ降下しようとするこ
とにとも成って、冷却水プールと第1冷却水タンク間の
静水頭圧力差分の圧力が第1冷却水タンク内の気相部分
を圧縮してその気相部の圧力を高める。その気相部の圧
力は連通路を介して第2冷却水タンク内に伝えられて第
2冷却水タンク内の圧力を前記気相部の圧力と均等にす
る。このため、第2流路の弁が導通状態になると、第2
冷却水タンク内の冷却水は、位置エネルギーに前記気相
部の圧力との総和が注水圧力と成って、原子炉圧力容器
内に注水される作用が得られる。
【0044】第3手段によれば、第2手段による作用に
加えて、第2冷却水タンクからの注水が開始された後に
第2冷却水タンクよりも低所にあって位置エネルギーの
低い第1冷却水タンク内の冷却水が原子炉圧力容器内へ
注水される作用が得られる。第4手段によれば、第3手
段による作用に加えて、第1冷却水タンクから原子炉圧
力容器への注水路である第3流路と、第2冷却水タンク
から原子炉圧力容器への注水炉である第2流路とが互い
に独立しているから、両流路の一方が注水作用に供せな
くなっても他方の流路にて注水が成される作用が得られ
る。
【0045】第5手段によれば、第2手段による作用に
加えて、冷却水プールの水により圧力が上昇した第1冷
却水タンクの気相部の圧力は連通路により第3冷却水タ
ンクに均等になるように加えられ、その圧力と第3冷却
水タンク内の冷却水が第4冷却水タンクへ第4流路を通
って降下しようとする第4冷却水タンクに対する位置エ
ネルギーとの総和が第4冷却水タンク内の圧力を増圧さ
せる。この増圧された圧力が連通路を介して第2冷却水
タンク内に加えられ、第2流路の弁が導通状態になる
と、第2冷却水タンク内の冷却水は、位置エネルギーに
前記増圧された圧力との総和が注水圧力と成って、原子
炉圧力容器内に第2流路を通して注水される作用が得ら
れる。
【0046】第6手段によれば、第5手段による作用に
加えて、注水圧力が第2冷却水タンク,第4冷却水タン
ク,第1冷却水タンクの順に小さくなるから、注水開始
タイミングが第2冷却水タンク,第4冷却水タンクと第
1冷却水タンクの順にずれて順次原子炉圧力容器内への
注水作用が得られる。
【0047】第7手段によれば、第6手段による作用に
加えて、第2冷却水タンク,第4冷却水タンク,第1冷
却水タンクの原子炉圧力容器への注水流路である第2流
路,第5流路,第3流路とが互いに独立しているから、
いずれかの流路が注水に支障を来たしても他の流路での
注水は達成される作用が得られる。
【0048】第8手段によれば、第2手段又は第3手段
による作用に加えて、原子炉圧力容器内への注水が必要
なときには、弁を導通状態として、冷却水プール内と原
子炉圧力容器内の圧力を均等化して冷却水プール内の冷
却水が原子炉圧力容器内へ注入しやすくし、もってより
一層早期の注入作用が得られる。
【0049】第9手段によれば、第2手段又は第3手段
による作用に加えて、冷却水プールの一部を第2冷却水
タンク領域に利用して原子炉圧力容器への注水に供する
作用が得られる。
【0050】第10手段によれば、第1手段から第7手
段まで及び第9手段のいずれかの手段による作用に加え
て、冷却水プール内の圧力は事故時には事故時に昇圧し
たドライウエル領域の圧力と同等に昇圧するから、その
昇圧した分だけ原子炉圧力容器への注水開始タイミング
が早まるという作用が得られる。
【0051】第11手段によれば、第1手段による作用
に加えて、冷却水タンク内の冷却水に原子炉圧力容器内
で発生した熱エネルギーを付加すると、そのタンク内の
冷却水は一部蒸発してそのタンク内の圧力が上昇し、そ
の圧力は排圧制限手段により冷却水タンク内に安全な圧
力範囲内で隔離される。その上昇した圧力に位置エネル
ギーによる圧力が加味されてそのタンク内の冷却水は原
子炉圧力容器内へ注水される作用が得られる。
【0052】第12手段によれば、第11手段による作
用に加えて、原子炉圧力容器の自動減圧時に排気される
熱エネルギーが蒸気状態で冷却水タンク内冷却水に付加
されて、蒸気は冷却水タンク内の冷却水により凝縮さ
れ、その冷却水は加熱されて蒸発して蒸発蒸気分圧によ
りその冷却水タンク内の圧力の上昇作用が得られる。
【0053】第13手段によれば、第12手段による作
用に加えて、原子炉圧力容器の自動減圧時に排気される
高温蒸気が冷却水タンク内の凝縮器内に導かれて凝縮器
を介して冷却水タンク内の冷却水と熱交換する。このた
め冷却水タンク内の冷却水には熱エネルギーか付加され
て、冷却水タンク内の圧力は上昇する作用が得られる。
【0054】第14手段によれば、第12手段による作
用に加えて、冷却水タンク内の圧力を弁の開閉によりそ
のタンク外に逃して安全な圧力範囲内に落せる作用が得
られる。
【0055】第15手段によれば、第12手段による作
用に加えて、冷却水タンク内の圧力が上昇した際に過剰
な圧力は冷却水タンクにあけられた穴からそのタンク外
へ逃げて過剰圧力によるそのタンクの損傷を弁等の稼働
部を備えなくとも防止出来る作用が得られる。
【0056】第16手段によれば、第12手段による作
用に加えて、冷却水タンク内の液相部にベント管が浸さ
れているから、常には液封状態である。冷却水タンク内
の圧力が増加すると、ベント管内の水面が押し上げられ
て冷却水タンク内の圧力が過剰になることを抑制する作
用が得られる。
【0057】第17手段によれば、第11手段から第1
4手段まで及び第16手段のいずれかの手段による作用
に加えて、弁が開かれることにより冷却水タンク内の圧
力は事故時の増圧したドライウエル領域内の圧力と均等
となるから、冷却水タンクから原子炉圧力容器内への注
水開始タイミングが早まる作用が得られる。
【0058】第18手段によれば、高所の水の位置エネ
ルギーを低所の液体タンク内の圧力に変えてその圧力を
冷却水注水系統の注水圧力とし、原子炉圧力容器内への
注水開始タイミングを早めることの作用が得られる。
【0059】第19手段によれば、高低各タンク間の静
水頭差圧に基づく圧力を注水冷却水のタンクに付加して
注水圧力を確保できる作用が得られる。
【0060】第20手段によれば、熱エネルギーを圧力
に変えてその圧力を注水冷却水のタンクに付加して注水
圧力を確保できる作用が得られる。
【0061】第21手段によれば、事故時にはサプレッ
ションプールにて蒸気を凝縮して原子炉圧力容器内の圧
力を低減し、重力落下注水系による原子炉圧力容器内へ
の注水開始タイミングを早め、重力落下注水系による原
子炉圧力容器内への注水開始後には、原子炉圧力容器内
の圧力も相当低下しており、重力落下注水系よりも位置
エネルギーの低い冠水系が原子炉圧力容器内への注水を
開始できる。その際に、重力落下注水系は、冷却水プー
ル内水が第1流路を通じて第1冷却水タンクへ降下しよ
うとすることにとも成って、冷却水プールと第1冷却水
タンク間の静水頭圧力差分の圧力が第1冷却水タンク内
の気相部分を圧縮してその気相部の圧力を高める。その
気相部の圧力は連通路を介して第2冷却水タンク内に伝
えられて第2冷却水タンク内の圧力を前記気相部の圧力
と均等にする。このため、第2流路の弁が導通状態にな
ると、第2冷却水タンク内の冷却水は、位置エネルギー
に前記気相部の圧力との総和が注水圧力と成って、原子
炉圧力容器内に注水される作用を発揮し、その重力落下
注水系による注水開始タイミングを高圧側にシフトして
注水開始タイミングを早め、ひいては冠水系による注水
も早める作用が成されて、原子炉圧力容器や原子炉格納
容器内圧力の上昇抑制作用を早期に達成できる作用が得
られる。
【0062】第22手段によれば、事故時にはサプレッ
ションプールにて蒸気を凝縮して原子炉圧力容器内の圧
力を低減し、蓄圧注水系による原子炉圧力容器内への注
水が開始され、その後に重力落下注水系による原子炉圧
力容器内への注水が開始される。その際に、重力落下注
水系は、冷却水プール内水が第1流路を通じて第1冷却
水タンクへ降下しようとすることにとも成って、冷却水
プールと第1冷却水タンク間の静水頭圧力差分の圧力が
第1冷却水タンク内の気相部分を圧縮してその気相部の
圧力を高める。その気相部の圧力は連通路を介して第2
冷却水タンク内に伝えられて第2冷却水タンク内の圧力
を前記気相部の圧力と均等にする。このため、第2流路
の弁が導通状態になると、第2冷却水タンク内の冷却水
は、位置エネルギーに前記気相部の圧力との総和が注水
圧力と成って、原子炉圧力容器内に注水される作用を発
揮し、その重力落下注水系による注水開始タイミングを
高圧側にシフトして注水開始タイミングを早め、ひいて
は冠水系による注水も早める作用が成される。このため
に、蓄圧注水系の原子炉圧力容器内への注水開始タイミ
ングもより高圧側へシフトするようにも出来、原子炉圧
力容器や原子炉格納容器内圧力の上昇抑制作用を早期に
達成できる作用ないしは、蓄圧注水系による注水から重
力落下注水系による注水への移行が円滑になる、ないし
は蓄圧注水系による注水負担を重力落下注水系による注
水に一部負担させるなどの設計の自由度が拡大できる作
用が得られる。
【0063】第23手段によれば、事故時にはサプレッ
ションプールにて蒸気を凝縮して原子炉圧力容器内の圧
力を低減し、蓄圧注水系による原子炉圧力容器内への注
水が開始され、その後に重力落下注水系による原子炉圧
力容器内への注水が開始され、重力落下注水系による原
子炉圧力容器内への注水開始後には、原子炉圧力容器内
の圧力も相当低下しており、重力落下注水系よりも位置
エネルギーの低い冠水系が原子炉圧力容器内への注水を
開始できる。その際に、重力落下注水系は、冷却水プー
ル内水が第1流路を通じて第1冷却水タンクへ降下しよ
うとすることにとも成って、冷却水プールと第1冷却水
タンク間の静水頭圧力差分の圧力が第1冷却水タンク内
の気相部分を圧縮してその気相部の圧力を高める。その
気相部の圧力は連通路を介して第2冷却水タンク内に伝
えられて第2冷却水タンク内の圧力を前記気相部の圧力
と均等にする。このため、第2流路の弁が導通状態にな
ると、第2冷却水タンク内の冷却水は、位置エネルギー
に前記気相部の圧力との総和が注水圧力と成って、原子
炉圧力容器内に注水される作用を発揮し、その重力落下
注水系による注水開始タイミングを高圧側にシフトして
注水開始タイミングを早め、ひいては冠水系による注水
も早める作用が成される。このために、蓄圧注水系の原
子炉圧力容器内への注水開始タイミングもより高圧側へ
シフトするようにも出来、原子炉圧力容器や原子炉格納
容器内圧力の上昇抑制作用を早期に達成できる作用ない
しは、蓄圧注水系による注水から重力落下注水系による
注水への移行が円滑になる、ないしは蓄圧注水系による
注水負担を重力落下注水系による注水に一部負担させる
などの設計の自由度が拡大できる上、各注水系の注水ス
ケジュールの連携性が良くなる作用が得られる。
【0064】第24手段によれば、第21手段による作
用に加えて、重力落下式注水系と冠水系との注水開始タ
イミングの間に冷却水プールの一部内の冷却水が原子炉
圧力容器内に注水されるタイミングが来るから、木目細
かな注水スケジュウルが達成できるという作用が得られ
る。
【0065】第25手段によれば、第21手段による作
用に加えて、冷却水プール内冷却水によっても原子炉圧
力容器内の蒸気を凝縮することが出来るから、原子炉圧
力容器内の圧力の凝縮による低減を促進し、重力落下式
注水系の注水タイミングをより早める、ないしは注水圧
力を低減できる作用が得られる。
【0066】第26手段によれば、第22手段又は第2
3手段による作用に加えて、蓄圧注水系の複数のタンク
から原子炉圧力容器内への注水開始タイミングが時間的
にずれて木目細かな注水スケジュウルが達成できるとい
う作用が得られる。
【0067】第27手段によれば、第21手段又は第2
3手段又は第24手段又は第25手段による作用に加え
て、外周プールにより原子炉格納容器が水冷されるか
ら、原子炉格納容器内の圧力の低減効果が良く、その分
原子炉圧力容器内の圧力が早急に下がって各注水系によ
る注水開始タイミングを早めるか、そうでなければ、注
水圧力を低減できる作用が得られる。
【0068】第28手段によれば、水冷出来ない上部の
原子炉格納容器の部分は空冷により冷却して第27手段
による作用を助長させることが出来るという作用が得ら
れる。
【0069】第29手段によれば、第21手段による作
用に加えて、サプレッションプールでも凝縮しきれない
残存蒸気は仕切板よりも上方のウエットウエル空間に移
行して主に空冷により冷却されて凝縮してサプレッショ
ンプール水中に戻され、その凝縮によっても原子炉格納
容器内、特にサプレッションプール室の圧力を低減出
来、これにともなって、原子炉圧力容器内の圧力も良く
低減されて各注水系による注水開始タイミングを早める
か、そうでなければ、注水圧力を低減できる作用が得ら
れる。
【0070】第30手段によれば、重力落下注水系の注
水開始タイミングを高圧側と低圧側とに分散しておける
から、重力落下注水系による注水作動領域を拡大できる
という作用が得られる。
【0071】
【実施例】第1実施例は、図1に示されている。その第
1実施例を以下に説明する。
【0072】第1実施例は電気出力1350MWの沸騰
水型原子炉に本発明を適用した例である。
【0073】鋼製の原子炉格納容器10は、格納領域の
内側と外側とを隔離している。その原子炉格納容器10
の下部外周面は環状の外周プール15に浸されている。
その外周プール15には、外周プール15の気相部と外
界とを連通する蒸気排出ダクト86が備わる。
【0074】原子炉格納容器10は外周囲を鉄筋コンク
リート製建屋200で囲われている。
【0075】外周プール15よりも上方の原子炉格納容
器10外周面にはその外周面を冷却する目的において空
冷設備が施される。空冷設備は、外周プール15よりも
上方の原子炉格納容器10の外周面に沿って配備された
空冷用ダクト33と、その空冷用ダクト33への外気取
り入れ口として鉄筋コンクリート製建屋200に装備さ
れてその空冷用ダクト33の下端部内と連通する空気取
り入れ口32と、その空冷用ダクト33の上端でその空
冷用ダクト33内と鉄筋コンクリート製建屋200の外
側との間を連通する排気ダクト87とから構成される。
【0076】原子炉格納容器10内には、鉄筋コンクリ
ート製の構造壁でコンクリート構造物16が構築されて
いる。
【0077】そのコンクリート構造物16の外周面と原
子炉格納容器10内周面との環状の間隔空間はウエット
ウエル13空間として確保される。そのウエットウエル
13空間とコンクリート構造物16の上方の空間である
運転階30空間とは圧力開放板31により通常時には気
密に区画されている。
【0078】コンクリート構造物16の内側には、原子
炉圧力容器1が収納されるドライウエル11空間と、冷
却水が貯蔵されている環状のサプレッションプール12
と、そのサプレッションプール12よりも上方の位置に
配備された冷却すいプール90と第2冷却水タンク91
とが形成されている。
【0079】サプレッションプール12の冷却水は鉄筋
コンクリート製の構造壁に開けた連通孔18でその構造
壁の内側と外側とで連通され、サプレッションプール1
2の気相部は他の連通孔18でその構造壁の内側と外側
とで連通されている。
【0080】ドライウエル11空間とサプレッションプ
ール12の冷却水中とはベント管17により連通されて
いる。
【0081】冷却すいプール90と第2冷却水タンク9
1とは上方からみると環状に成っており、且つ同一高さ
において隣接している。その冷却すいプール90の気相
部がドライウエル連通路104でドライウエル11空間
に直接的に連通している。
【0082】冷却すいプール90よりも低所であって、
サプレッションプール12よりも上方の位置に第1冷却
水タンク92がドライウエル11空間内に装備される。
【0083】コンクリート構造物16の上端面は運転階
30とされ、その運転階30には、原子炉圧力容器1内
の構成物を取り扱うことのできるマニュピュレータ80
が装備されている。運転階30空間にはマニュピュレー
タ80よりも上方に天井クレーン201が配備され、そ
の天井クレーン201は原子炉格納容器10から支持し
た環状の走行路202に沿って旋回することが出来る。
【0084】原子炉圧力容器1は、炉心2を内蔵してお
り、インターナルポンプ106が原子炉圧力容器1内の
冷却水を炉心2内に供給している。
【0085】炉心2内で加熱された冷却水は、高温高圧
な蒸気とされて発電機の駆動タービンを回転させるエネ
ルギーとして原子炉格納容器10外へ供給されるが、そ
の供給流路が主蒸気配管3であり、この主蒸気配管3
は、原子炉圧力容器1に接続され、原子炉格納容器10
を貫通している。この主蒸気配管3は複数本存在し、且
つ途中には隔離弁を備え、事故時にはその隔離弁は閉じ
られることにより主蒸気管3は閉鎖される。
【0086】又、先の高温高圧な蒸気は、その蒸気の持
つエネルギーが駆動タービンを回転駆動するのに消費さ
れて、その後に復水器で凝縮され、その凝縮により得ら
れた冷却水は原子炉圧力容器1内へ給水されるのである
が、その給水流路が給水配管4である。その給水配管4
は、原子炉格納容器10を貫通して原子炉圧力容器1へ
連通接続されている。この給水配管4も主蒸気配管3と
同様に閉鎖可能な構成を備えている。
【0087】いずれの貫通部分でも、原子炉格納容器1
0内の雰囲気や圧力が外部へ逃れないように気密に構成
されている。
【0088】各主蒸気配管3には、原子炉格納容器10
内を通っている部分に、自動減圧系が接続されている。
この自動減圧系は、主蒸気配管3に接続された自動減圧
弁23と、自動減圧弁23に接続されて自動減圧弁23
からの排出蒸気をサプレッションプール12水中に導き
入れる自動減圧系配管143とを備えている。自動減圧
弁23は、冷却水喪失事故の原因である冷却水漏洩や圧
力の不意の低下等を検出してその検出に基づいて開くよ
うに操作される。
【0089】原子炉格納容器10内には、非常用炉心冷
却系として、重力落下式注水系と、冠水系とが格納され
ている。
【0090】重力落下式注水系は、次のような構成を備
える。
【0091】即ち、第2冷却水タンク91内と、原子炉
圧力容器1内とは第2流路である第2配管93で接続さ
れている。第2配管93の上端は第2冷却水タンク91
の底に接続され、下端は炉心2よりも高い位置の原子炉
圧力容器1部位に接続されている。その第2配管93の
途中部位には第2冷却水タンク91よりに第2開閉弁9
9が、原子炉圧力容器1よりに第2逆止弁97が装備さ
れている。その第2逆止弁97は、第2冷却水タンク9
1側から原子炉圧力容器1側への通過を許しその逆方向
への通過を阻止するように逆止方向が設定されている。
【0092】第2冷却水タンク91内と第1冷却水タン
ク92内とは連通路である均圧化配管95で水面よりも
上部の気相部分同士が連通できるように接続されてい
る。
【0093】第1冷却水タンク92内と、冷却水プール
90内とは第1流路である第1配管94で接続されてい
る。第1配管94の上端は冷却水プール90の底に接続
され、下端は第1冷却水タンク92内の冷却水水中に水
没されている。
【0094】第1冷却水タンク92と第2開閉弁99と
第2逆止弁97との間の第2配管93の途中部分とを接
続している第3流路である第3配管96は、途中部位に
第1冷却水タンク92よりに第1開閉弁100が、原子
炉圧力容器1よりに第1逆止弁98が装備されている。
その第1逆止弁98は、第1冷却水タンク92側から原
子炉圧力容器1側への通過を許しその逆方向への通過を
阻止するように逆止方向が設定されている。
【0095】原子炉運転前に第1開閉弁100と、第2
開閉弁99を閉じておいて、冷却水プール90と第2冷
却水タンク91内に冷却水をほぼ満水状態に入れてお
く。冷却水を入れるために冷却水プール90と第2冷却
水タンク91には開閉自在な注水口が設けられており、
冷却水を入れた後は注水口は気密に閉じられる。冷却水
プール90内に冷却水を入れることによりその一部が第
1配管94を通じて第1冷却水タンク92内にはいっ
て、第2冷却水タンク91内の気相部分が高圧と成る。
このようにして、第1冷却水タンク92は第1配管94
の下端開口部より上方に水位が形成された状態とする。
これにより、第1冷却水タンク92には第1配管94を
通して冷却水プール90水面から第1冷却水タンク92
内の水位にわたる水頭圧力がかかる。この圧力は、均圧
化配管95を通して第2冷却水タンク91にかかる。こ
のため、第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器1内
への注水静水頭は、第2冷却水タンク91内の水位と第
2配管93の原子炉圧力容器1注水口の間の水頭と冷却
水プール90水面と第1冷却水タンク92内の水位の間
の水頭の和と成って待機状態とされる。
【0096】以上が重力落下式注水系である。次に、冠
水系の構成を以下に説明する。
【0097】冠水系配管84は、炉心2上部あるいはそ
れよりも高い位置でサプレッションプール12水中と原
子炉圧力容器1内とを接続している。この冠水系配管8
4の途中には、サプレッションプール12寄りに冠水系
開閉弁83が、原子炉圧力容器1寄りに冠水系逆止弁8
5が装備される。冠水系逆止弁85は、原子炉圧力容器
1側への流通を許し、その逆方向への流通を阻止するよ
うに逆止方向が設定されている。
【0098】以上が冠水系の構成である。
【0099】このような原子炉設備では、以下の動作が
可能である。
【0100】原子炉の運転が開始されると、原子炉圧力
容器1内の圧力が増加する。その圧力が第2冷却水タン
ク91から原子炉圧力容器1内への事故時の注水静水頭
圧力よりも高くなったことを確認した後に、第1開閉弁
100と第2開閉弁99と冠水系開閉弁83を開く。冠
水系開閉弁83はより以前に開いておいても良い。
【0101】この状態で原子炉が正常に運転されれば、
原子炉圧力容器1内の冷却水は高温高圧な蒸気として主
蒸気配管3を通じて原子炉格納容器10外へ供給され、
その蒸気は原子炉格納容器10外で凝縮されて冷却水と
して原子炉圧力容器1内へ給水配管4を通じて戻され
る。
【0102】原子炉圧力容器1内で発生した高温高圧な
蒸気が、例えば、主蒸気配管3等からドライウエル11
内に漏洩する事故が生じると、原子炉圧力容器1内の冷
却水が喪失することと成る。この様な冷却水喪失事故が
生じると、自動減圧系の自動減圧弁23が開いて自動減
圧系配管143を通じて原子炉圧力容器1内の高温高圧
な蒸気をサプレッションプール12水中に排出して原子
炉圧力容器1内の圧力を低減する。
【0103】サプレッションプール12水中に排出され
た蒸気はサプレッションプール12内の冷却水で凝縮さ
れる。この凝縮作用により原子炉格納容器10内の圧力
の上昇が弱められるが圧力は次第に上昇する。
【0104】原子炉圧力容器1側からドライウエル11
内に漏洩した高温高圧な蒸気は、ドライウエル11の圧
力を高めることと成る。高圧と成ったドライウエル11
内の雰囲気は、ベント管17を通じてサプレッションプ
ール12内の冷却水中に吹き込まれる。冷却水中に吹き
込まれた雰囲気中の蒸気はサプレッションプール12内
の冷却水で凝縮され、凝縮されない前記雰囲気中のガス
はサプレッションプール12内の冷却水水面より上方に
蓄積され、ウエットウエル13内の圧力を高める。
【0105】サプレッションプール12内で凝縮されな
いガスはウエットウエル13空間へサプレッションプー
ル12内の冷却水水面からの蒸気とともにサプレッショ
ンプール12上部の連通孔18を通じて移行し、その移
行により圧力が分散して急激に上昇することを回避す
る。
【0106】前述の各凝縮作用が続くと、ドライウエル
11内の圧力が低減して原子炉圧力容器1内の圧力がド
ライウエル11内に移行し易くなって、原子炉圧力容器
1内の圧力は低下する。その一方、各凝縮作用により発
生した凝縮水によりサプレッションプール12内の冷却
水水面は上昇する。
【0107】ウエットウエル13空間内の圧力が高くな
ると、その高まったウエットウエル13空間内の圧力で
圧力開放板31が開けられる。圧力開放板31が開けら
れことで、ウエットウエル13空間内の圧力が運転階3
0空間に逃される。
【0108】このために、サプレッションプール12
は、ドライウエル11内の蒸気を含む雰囲気を更に受け
入れることが出来、さらなる原子炉圧力容器1とドライ
ウエル11内の圧力の低減に貢献する。このために、さ
らに良く原子炉圧力容器1内の圧力がドライウエル11
内に抜けやすくなって、原子炉圧力容器1内の圧力は急
速に低下する。
【0109】サプレッションプール12内での凝縮作用
を伴うと、サプレッションプール12の水位と水温が上
昇してサプレッションプール12内上部の連通孔18を
水没させる。
【0110】このような状況になると、外周プール15
内のプール水により原子炉格納容器10壁を伝熱媒体と
して原子炉格納容器10壁に近接するサプレッションプ
ール12内の冷却水が冷却される。冷却された原子炉格
納容器10壁に近接するサプレッションプール12内の
冷却水はサプレッションプール12内を降下してサプレ
ッションプール12内上部と下部との両連通孔18を通
じてサプレッションプール12内の冷却水を循環する。
その循環により、その冷却水全体が冷却されてウエット
ウエル13内の圧力の上昇が抑制される。
【0111】更には、ウエットウエル13空間や運転階
30空間内の温度が上昇すると、その温度により加熱さ
れた空冷ダクト内の外気が上昇して、その上昇力により
空気取り入れ口32から空冷ダクト33内に冷たい外気
を吸引して原子炉格納容器10壁面を冷却して排気ダク
ト87から外界へ排出される。これによっても、原子炉
格納容器10内全体が冷却されて圧力の上昇が抑制され
る。
【0112】原子炉格納容器10内の圧力の上昇が抑制
されるが故に、原子炉圧力容器1から原子炉格納容器1
0内への圧力の移行が迅速であって、原子炉圧力容器1
内の圧力の低減が良く促進される。
【0113】冷却水プール90の圧力はドライウエル1
1内の圧力とドライウエル連通路104により等しくさ
れる。原子炉圧力容器1内の圧力が第2冷却水タンク9
1から原子炉圧力容器1内への事故時の注水静水頭圧力
よりも低くなると、先ず、重力落下式注水系による原子
炉圧力容器1内への注水が開始され、原子炉圧力容器1
内から喪失した冷却水の補充と冷却水の冷却作用による
原子炉圧力容器1内の圧力低下作用を得る。
【0114】重力落下式注水系による原子炉圧力容器1
内への注水が開始されると、先ず第2冷却水タンク91
内の冷却水が第2逆止弁97を通じて第2配管93内を
通って原子炉圧力容器1内に注水される。この注水に伴
って、第2冷却水タンク91内の圧力が低下し、その圧
力低下に伴って第1冷却水タンク92内の圧力も低下す
るので、冷却水プール90内の冷却水が第1配管94を
通じて第1冷却水タンク92内に移行して第2冷却水タ
ンク91内の水位が上昇する。第2冷却水タンク91か
ら原子炉圧力容器1内への注水作用により原子炉圧力容
器1内は冷却されて原子炉圧力容器1内の圧力が更に低
圧と成る。このように成ると、第1冷却水タンク92内
の冷却水が第1逆止弁98を通じて第3配管96内を通
って第2配管93内に入り、第2配管93内に残留して
いる第2冷却水タンク91からの冷却水と合流して原子
炉圧力容器1内に注入される。
【0115】重力落下式注水系による原子炉圧力容器1
内への注水原理を示すと、図4,図5,図6の通りであ
る。図4,図5,図6は注水原理を示すための図である
から、図1の実施例とは具体的な点で一致していない
が、注水原理としては等価な内容を有する。
【0116】即ち、図4の如くに、冷却水プール90内
の冷却水の位置が第1冷却水タンク92内の冷却水の位
置よりも高い位置に有るから、冷却水プール90内の冷
却水の位置エネルギーが第1冷却水タンク92内の冷却
水の位置エネルギーよりも高く、それら両冷却水に付与
された位置エネルギーの差と、冷却水プール90の水面
に加わるドライウエル11内の圧力により冷却水プール
90内の冷却水は第1冷却水タンク92内に降下しよう
として第1冷却水タンク92内気相部を圧縮する。この
圧縮圧力よりも運転中の原子炉圧力容器1内の圧力は高
いから、原子炉運転後に第1開閉弁100と第2開閉弁
99とが開かれているものの、第1逆止弁98と第2逆
止弁97は開くことが無い。このために、第1冷却水タ
ンク92内の圧力は、上昇する。その上昇した圧力は、
均圧化配管95を通じて第2冷却水タンク91内にも印
加される。それに加えて、第2冷却水タンク91は第1
冷却水タンク92よりも高い位置に有るから、第2冷却
水タンク91内の冷却水は、第1冷却水タンク92内の
冷却水よりも大きな注水圧力が付与され、図4の状態で
待機状態とされる。
【0117】通常運転時には、第2冷却水タンク91内
の冷却水に付与された注水圧力よりも原子炉圧力容器1
内の圧力が高いからその待機状態では第2逆止弁97は
開かず、注水作用は成されない。
【0118】冷却水喪失事故を生じると、先に説明した
とおりに、原子炉圧力容器1内の圧力が低下し、逆にド
ライウエル11内の圧力が上昇する。その原子炉圧力容
器1内の圧力の低下の動向は図8aの点線による特性曲
線の様に推移する傾向を示す。そして、逆に第1冷却水
タンク92と第2冷却水タンク91内の圧力は冷却水プ
ール90がドライウエル11内の上昇した圧力を受ける
ことにより図8aの一点鎖線あるいは二点鎖線による曲
線の様に上昇する。
【0119】その結果、原子炉圧力容器1内の圧力が第
2冷却水タンク91からの注水圧力よりも低くなると、
第2逆止弁97が開いて第2冷却水タンク91から原子
炉圧力容器1内への冷却水の注水が開始される。
【0120】図5は第2冷却水タンク91から原子炉圧
力容器1内への注水の様子を示している。図5において
実線矢印は冷却水の流れの方向を点線矢印は気相の流れ
の方向を示している。この時点では、第1冷却水タンク
92から原子炉圧力容器1内への注水圧力は第2冷却水
タンク91のそれよりも低くて且つ原子炉圧力容器1内
の圧力よりも低いから第1逆止弁98は開くことは無
い。
【0121】第2冷却水タンク91からの注水が開始さ
れた後に、第2冷却水タンク91内の圧力が降下する時
期が来るのでその時期には、冷却水プール90内の冷却
水は、第1配管94を通って第1冷却水タンク92内に
流れ落ちて第1冷却水タンク92内に冷却水が満水に近
い状態となる。
【0122】第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器
1内への冷却水の注水が進んで、更に原子炉圧力容器1
内の圧力が低下すると、遂には第1冷却水タンク92か
らの注水圧力が原子炉圧力容器1内の圧力を上回ること
と成り、第1逆止弁98が開く。
【0123】このため、第2配管93内に残留している
第2冷却水タンク91からの冷却水とともに第1冷却水
タンク92内の冷却水は第3配管96と第2配管93と
を通って原子炉圧力容器1内に注水される。第1冷却水
タンク92からの注水状態は図6に示されている。
【0124】第1冷却水タンク92と第2冷却水タンク
91とからの原子炉圧力容器1内への注水が終わると、
第1冷却水タンク92内と第2冷却水タンク91内との
冷却水は、図7のように空と成る。
【0125】第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器
1内への注水開始タイミングは、第2冷却水タンク91
内にはドライウエル11内の圧力に加えて第1冷却水タ
ンク92と冷却水プール90との両冷却水との位置エネ
ルギーの差に相当する圧力が加えられて注水圧力とされ
ているから、第8a図中の実線曲線で示される従来の重
力落下式注水系の注水圧力特性よりも注水圧力を高めて
事故が生じてからより早い時点、即ち原子炉圧力容器1
内の圧力がより高圧な時点から冷却水の注水を開始出
来、その注水量を時間の経過に応じて示すと、第8b図
中の点線で示す必要注水流量にたいして一点鎖線に示す
ようになる。
【0126】逆に、第1冷却水タンク92から原子炉圧
力容器1内への注水開始タイミングは、第1冷却水タン
ク92が従来の重力落下式注水系の冷却水貯蔵プールよ
りも低い位置に有るから、第1冷却水タンク92の注水
圧力は従来の重力落下式注水系の注水圧力よりも低く、
第8a図中の二点鎖線の注水特性の如く従来の重力落下
式注水系の注水開始タイミングよりもより低圧側、即ち
遅い側にシフトしている。このため、第1冷却水タンク
92の注水流量は第8b図中の二点鎖線で示すように、
従来の重力落下式注水系によるよりも事故からより遅い
時間帯にまで注水し続けられ、従来の重力落下式注水系
の如く短時間に必要注水流量を大幅に超える流量を注水
してしまい効率が悪い結果を生じることが無い。
【0127】本発明の原理による重力落下式注水系で
は、従来の重力落下式注水装置と比較して事故から冷却
水の注水までの時間を短縮できる。これは、冷却水プー
ル90の設置位置を見かけ上高くすることと等価で、従
来の重力落下式注水系と比較して、同じ注水性能を得る
ために必要な冷却水プール90設置高さを低くできるの
で、原子炉格納容器10の高さを大幅に短縮できること
になる。さらには、注水時間帯を高圧側と低圧側との両
側へ拡大して長時間にわたる冷却水の注水作用が得られ
る。
【0128】このような原理は、図9に示すように、第
1配管94の第1冷却水タンク92内に入っている部分
をU字状に曲げて端部を上向きにする構成によって、第
1冷却水タンク92内の冷却水中に第1配管94下端を
水没させなくとも第1冷却水タンク92内の気相が第1
配管94を通じて冷却水プール90側へぬけることを阻
止することによっても成立する。
【0129】図1に示された冠水系は、重力落下式注水
系による注水が成されて原子炉圧力容器1内の圧力が、
サプレッションプール12の水位によって決まる冠水系
の注水圧を下回ると、冠水系逆止弁85が開いてサプレ
ッションプール12内の冷却水が冠水系配管84を通じ
て原子炉圧力容器1内に注水される。
【0130】重力落下式注水系から原子炉圧力容器1内
への注水冷却水の一部は蒸気状態あるいは液体状態のま
まドライウエル11内に漏出してドライウエル11下部
やサプレッションプール12内に溜る。サプレッション
プール12内に溜った冷却水は冠水系で再度原子炉圧力
容器1内に注水されて、原子炉の炉心2の冷却に供せら
れる。
【0131】このようにして原子炉圧力容器1内は事故
後に長時間にわたり冷却される。
【0132】即ち、従来の重力落下式注水系における冷
却水プールからの注水の場合は、最初にドライウェル内
の圧力と冷却水プールの注水静水頭の和が原子炉圧力容
器1内の圧力より大となった時点から、全ての冷却水が
一度に注水され余分の冷却水は破断口から流出してしま
う。これに対して、本実施例の重力落下式注水系では、
原子炉圧力容器1内の圧力の低下にしたがって自動的に
注水圧力と冷却水タンクとを切り替えて注水継続が可能
で、事故後早期から長期にわたる冷却水の注水が可能で
あって、図8a,図8bで実線にて表示した従来の重力
落下式注水系の注水特性を利用した場合よりも長期の冷
却を可能にし、事故後の安全性が向上する。
【0133】また、冷却水プール90,第1冷却水タン
ク92及び第2冷却水タンク91の容量とそれぞれの設
置高さを決定することにより注水流量の制御が可能で、
炉心2の崩壊熱発生に対応する炉心冷却に必要な冷却水
量を適切に注水することができるので、冷却水プール9
0、各冷却水タンク91,92の容量を最適化できて格
納容器容積を減少することができる。
【0134】また、第2冷却水タンク91には、冷却水
プール90と第1冷却水タンク92との間での冷却水の
位置エネルギーが圧力に変換されて印加されているか
ら、第2冷却水タンク91の設置位置を高い位置に移動
させること無く注水圧力を高めることが出来る。このた
め、重力落下注水系の注水圧力を高めるに際して原子炉
格納容器の高さを高める必要が無く、原子炉設備の経済
性が向上する。
【0135】第2実施例は、図2に示されている。第2
実施例は次に説明するとおりである。
【0136】第2実施例は、第1実施例の構成を一部変
更して構成されている。その一部変更された構成を以下
に説明する。そして他部は第1実施例と同じであるので
説明を省略する。
【0137】原子炉格納容器内のコンクリート構造物1
6の上部には、冷却水第2プール130が冷却水プール
90と同じ高さにおいて設けられている。冷却水プール
90と冷却水第2プール130との間は気密に区画され
ている。その冷却水プール90の気相部はドライウエル
連通路104を通じてドライウエル内の圧力と同一とさ
れている。同様に、冷却水第2プール130も気相部が
ドライウエル第2連通路134を通じてドライウエル1
1内の圧力と同一の圧力に維持される。
【0138】冷却水第2プール130の底には、冷却水
第2プール130内の冷却水を受け入れるように注水配
管123の上端入り口が接続される。この注水配管12
3の下端出口は原子炉圧力容器1内と連通するように原
子炉圧力容器1に接続される。
【0139】注水配管123の途中部分には、冷却水第
2プール130よりに注水開閉弁122が、原子炉圧力
容器1よりに注水逆止弁124が備えられる。その注水
逆止弁124は、冷却水第2プール130から原子炉圧
力容器1内方向への流れを許容し、その逆方向の流れを
阻止するように逆止方向を設定してある。
【0140】第2実施例の構成で、冷却水喪失事故を生
ずると、第1実施例と同様な機能が得られるが、そのほ
かに、次のような機能が付加される。
【0141】即ち、事故時における冷却水第2プール1
30から原子炉圧力容器1内側への注水圧力は、図8a
中の実線で示すものと同じである。このために、第1開
閉弁100と第2開閉弁99を開く時点で注水開閉弁1
22も開いておくと、事故時には、第2冷却水タンク9
1から原子炉圧力容器1内への注水が開始された後であ
って、第1冷却水タンク92から原子炉圧力容器1内へ
の注水が開始される以前に、第1冷却水タンク92より
も高所に有る冷却水第2プール130内の冷却水が図8
b中の実線で示す様に原子炉圧力容器1内に注水され
る。重力落下注水系からの注水の後には、冠水系からの
注水が成されて長期の注水が継続される。このような注
水機能によれば、第2冷却水タンク91からの注水と第
1冷却水タンク92からの注水との切り替え時点で、注
水流量が一時的に必要注水流量を下回ることが有って
も、そのことを冷却水第2プール130からの注水によ
り補完することが出来る。その上、第1冷却水タンク9
2又は第2冷却水タンク91から、あるいはそれら両タ
ンクから原子炉圧力容器1内への注水が弁の故障や配管
の破断等で成され無かった場合にも、冷却水第2プール
130から原子炉圧力容器1内の注水により冷却機能を
得ることが出来る。
【0142】第2実施例では、冷却水プール90と冷却
水第2プール130とを区画したが、区画しなくともよ
い。
【0143】第3実施例は、図3に示されている。第3
実施例は、第2実施例の構成を一部変更して構成されて
いる。その一部変更された構成を以下に説明する。そし
て他部は第2実施例と同じであるので説明を省略する。
【0144】冷却水第2プール130は冷却水プール9
0及びドライウエル11とから気密に隔離されている。
その冷却水第2プール130の気相部はベント管136
により原子炉建屋200の外の外界と連通されている。
【0145】その冷却水第2プール130の冷却水中に
は、凝縮器135が内蔵されている。その凝縮器135
の内側と主蒸気配管3との内側とは、凝縮器配管139
により連通接続されている。その凝縮器配管139の途
中には凝縮器開閉弁137が備わる。
【0146】凝縮器135の内側であって凝縮水が溜る
部位とサプレッションプール12水中とは凝縮水配管1
38により連通してある。
【0147】第3実施例によれば、第2実施例による機
能の他に、次の機能が追加できる。即ち、冷却水漏洩事
故が生じると、凝縮器開閉弁137を遠隔操作により開
く。その遠隔操作を行うために凝縮器開閉弁137は電
動式弁とし、遠隔地点から電動式弁の開閉制御を行える
ようにする。
【0148】事故後に凝縮器開閉弁137が開くと、原
子炉圧力容器1内の高温高圧な蒸気は主蒸気配管3か
ら、凝縮器配管139を通って凝縮器135内に入り、
冷却水第2プール130内の冷却水により冷却されて凝
縮器135内で凝縮する。その凝縮作用により冷却水第
2プール130内の冷却水は加熱されて蒸発する。その
蒸発蒸気はベント管136を通って外界へ排出される。
【0149】凝縮器135内に溜った凝縮水は凝縮水配
管138内を降下してサプレッションプール12内に排
出され、新たに凝縮器135内に入ってきた蒸気を凝縮
可能としている。
【0150】このような凝縮器135による原子炉圧力
容器1内からの蒸気の凝縮が成されると、事故後の原子
炉圧力容器1内の圧力が、凝縮器135が追加されてい
ない構成のものにくらべて、迅速に低下させることが出
来る。
【0151】原子炉圧力容器1内の圧力が第1実施例や
第2実施例よりも迅速に低下するから、第2冷却水タン
ク91や第1冷却水タンク92の冷却水や蒸発せずに冷
却水がまだ冷却水第2プール130に残存している場合
にはその冷却水第2プール130内の冷却水が事故後か
ら原子炉圧力容器1内へ注水開始される迄の時間が、第
1実施例や第2実施例に比較して、短縮されて、早期冷
却に効果的である。第4実施例は、図10,図11a,
図11bに示されている。第4実施例は、第1実施例の
重力落下式注水系の構成を一部変更して構成されてい
る。その一部変更された構成を以下に説明する。そして
他部は第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0152】重力落下式注水系は以下に説明する構成を
備えている。すなわち、原子炉格納容器10内のドライ
ウエル11に開放されている冷却水プール90とその冷
却水プール90よりも低い位置に配備された第1冷却水
タンク92とは第1配管94により連通されている。第
1配管94の下端は、第1冷却水タンク92内の冷却水
中に浸されている。第1冷却水タンク92内と原子炉圧
力容器1内とは第3配管96で連通されている。その第
3配管96の途中には第1冷却水タンク92よりに第1
開閉弁100が、原子炉圧力容器1よりに第1逆止弁9
8が装備されている。
【0153】第2冷却水タンク91が冷却水プール90
と同じ高さに配備されている。第2冷却水タンク91と
原子炉圧力容器1内とは第2配管93で連通されてお
り、その第2配管93の途中には第2冷却水よりに第2
開閉弁99が、原子炉圧力容器1よりに第2逆止弁97
が備えられている。
【0154】第3冷却水タンク117が冷却水プール9
0と同じ高さに配備されている。第4冷却水タンク11
4が第1冷却水タンク92と同じ高さに配備されてい
る。第1冷却水タンク92内の気相部は第3冷却水タン
ク117内の気相部と均圧化第1配管116で連通され
ている。第3冷却水タンク117内の冷却水は第4冷却
水タンク114内の冷却水と第4配管118で連通して
いる。第4配管118は、下端が第4冷却水タンク11
4内の冷却水中に浸されている。
【0155】第4冷却水タンク114内の気相部は第2
冷却水タンク91内の気相部と均圧化第2配管95で連
通されている。又、第4冷却水タンク114内の冷却水
は原子炉圧力容器1内と第5配管119で連通されてい
る。その第5配管119の途中には、第4冷却水タンク
114よりに第3開閉弁203が、原子炉圧力容器1よ
りに第3逆止弁204が装備されている。
【0156】第1逆止弁98,第2逆止弁97,第3逆
止弁204ともに原子炉圧力容器1内方向への流れを許
容してその逆方向の流れを阻止するように逆止方向を定
められている。
【0157】本実施例の構造により、第1冷却水タンク
92には第1配管94を通して冷却水プール90水面か
ら第1冷却水タンク92内の水位にわたる水頭圧力がか
かり、第3冷却水タンク117には均圧化第1配管11
6を通して第1冷却水タンク92の圧力がかかる。その
圧力に加えて第4冷却水タンク114内には第4配管1
18を通して第3冷却水タンク117内の水位から第4
冷却水タンク114内の水位にわたる水頭圧力がかか
り、この第4冷却水タンク114内の圧力は、均圧化第
2配管95を通して第2冷却水タンク91内にかかる。
【0158】このため、第2冷却水タンク91から原子
炉圧力容器1内への事故時の注水圧力は、第2冷却水タ
ンク91内の水位と第2配管93の原子炉圧力容器1内
への注水口の間の水頭と冷却水プール90水面と第1冷
却水タンク92内の水位の間の水頭と第3冷却水タンク
117内の水位と第4冷却水タンク114内の水位の間
の水頭の和となる。
【0159】これにより、第1実施例の重力落下式注水
系における事故時の注水圧力と比較して、本実施例の注
水圧力は大幅に増加する。
【0160】本実施例において、原子炉が運転されて、
原子炉圧力容器1内の圧力が第2冷却水タンク91から
の注水圧力よりも高くなった時点以降に、第1開閉弁1
00と第2開閉弁99と第3開閉弁203とを開く。
【0161】冷却水喪失事故が生じると、原子炉圧力容
器1内の圧力が図11a中の点線曲線のように事故後の
時間の経過に従って降下し、逆にドライウエル11内の
圧力が上昇して冷却水プール90内の冷却水水面に加わ
る。
【0162】原子炉圧力容器1内の圧力が第2冷却水タ
ンク91からの注水圧力よりも低くなると、第2逆止弁
97が開いて第2冷却水タンク91内の冷却水が第2配
管93を通じて原子炉圧力容器1内に注入される。注入
特性は、図11a,図11b中の一点鎖線に示すとおりで
ある。この注入に応じて冷却水プール90内の冷却水は
第1配管94を通じて第1冷却水タンク92内に流れ落
ち、第3冷却水タンク117内の冷却水は第4冷却水タ
ンク114内へ第4配管118を通じて流れ落ちる。
【0163】さらに原子炉圧力容器1内の圧力が低下す
ると、第1逆止弁98と第2逆止弁97とが開いて、第
1冷却水タンク92内と第5冷却水タンク内との各冷却
水が第3配管96ないしは第5配管119を通して原子
炉圧力容器1内に注入される。その注入特性は、図11
a,図11b中の二点鎖線に示すとおりである。
【0164】本実施例では、冷却水プール90と第2冷
却水タンク91の間に、第3冷却水タンク117と第4
冷却水タンク114との2個のタンクを追加した構成を
示したが、同様にして更にたの多くの冷却水タンクを本
実施例のように直列に接続して採用することも考えられ
る。この考えに選れば、更なる注水圧力の増加が望め
る。第1冷却水タンク92を第4冷却水タンク114よ
り低い位置に設置するか、あるいは第4冷却水タンク1
14を第1冷却水タンク92より低い位置に設置すれ
ば、第1冷却水タンク92からの注水開始タイミングと
第4冷却水タンク114からの注水タイミングとを相対
的にずらすことが出来るので、さらに長期の冷却が可能
になり、さらに、各冷却水タンクや冷却水プール90の
容量と設置位置を炉心の崩壊熱発生に対応する炉心冷却
に必要な冷却水量を評価して予め決定しておくことによ
り、複数段階の圧力で適切な流量の冷却水を注水できる
ので、炉心の冷却を効果的に行うことができる。その後
の注水は重力落下注水系に代わって冠水系による注水が
成され、長期にわたる注水が継続する。
【0165】本実施例によれば、第1実施例により得ら
れる利益に加えて、事故時における重力落下式注水系に
よる原子炉圧力容器1内へのより一層の早期の注水が可
能になるため、原子炉の安全性がさらに向上する。
【0166】第4実施例では、第2配管93と第3配管
96と第4配管119との原子炉圧力容器1への接続を
第2配管93と第3配管96と第4配管119とを一本
の配管に統合して接続しているが、第2配管93と第3
配管96と第4配管119とを個別に原子炉圧力容器1
へ互いに独立して接続することによりその一本の配管部
分での不具合により原子炉圧力容器1内への重力落下式
注水系からの注水が全く成されなくなることを第2配管
93と第3配管96と第4配管119とを原子炉圧力容
器1まで互いに独立した注水流路とすることで回避する
ことが可能である。
【0167】第5実施例の構成は図12に示されてい
る。
【0168】第5実施例では、第1実施例の構成を一部
変更しており、他部の構成は第1実施例と同じである。
その変更した構成につき以下に説明する。
【0169】第1実施例では二系統の重力落下式注水系
が示されているが、その重力落下式注水系を三系統分原
子炉格納容器内に格納する。重力落下式注水系の各系統
を便宜上、系統A,系統B,系統Cという。各系統の第
2冷却水タンク91と冷却水プール90とは図12のよ
うに周方向に分散して配備される。各系統を互いに独立
させるために、冷却水プール90は仕切板120により
仕切られている。
【0170】重力落下式注水系の系統A,系統B,系統
Cの各系統における第1冷却水タンク92を各系統ごと
に異なる高さに設置する。このことにより、各系統にお
ける第1冷却水タンク92内の冷却水が有する位置エネ
ルギーを相互に異ならしめて注水圧力を多様化できるの
で、原子炉圧力容器1内の圧力変化に対応して適切な注
水が可能になる。
【0171】一例として、第1冷却水タンク92の設置
高さを系統C,系統B,系統Aの順に高くすることによ
り、第2冷却水タンク91の注水圧力を系統A,系統
B,系統Cの順に高くし、各系統の第1冷却水タンク9
2の注水圧力を図13aのごとくに系統C、系統B、系
統Aの順に高くした場合を示す。
【0172】このような一例では、冷却水喪失事故後の
原子炉圧力容器1内の圧力の低下にしたがって、注水圧
力の高さに応じて本実施例の系統Aの第2冷却水タンク
91,系統Bの第2冷却水タンク91,系統Cの第2冷
却水タンク91,系統Cの第1冷却水タンク92,系統
Bの第1冷却水タンク92,系統Aの第1冷却水タンク
92の冷却水が図13bのように順次、原子炉圧力容器
1内に注水される。
【0173】この場合、炉心の崩壊熱発生に対応する炉
心冷却に必要な冷却水量を評価して、各系統の容量と設
置位置を決定しておくことにより、複数段階の圧力で適
切な流量の冷却水を注水できるので、炉心の冷却を効果
的に行うことができる。その後の注水は重力落下注水系
に代わって冠水系による注水が成され、長期にわたる注
水が継続する。
【0174】本実施例によれば、第1実施例よりも事故
時における重力落下式注水系による原子炉圧力容器1内
への長期にわたる注水が可能になり、原子炉の安全性が
さらに向上する。
【0175】第6実施例は図14に示されている。第6
実施例は、第1実施例に新たな構成を追加した内容であ
る。追加された構成は以下のとおりである。
【0176】すなわち、第1蓄圧注水系と第2蓄圧注水
系とが第1実施例に追加されている。
【0177】第1蓄圧注水系は、原子炉格納容器10内
の運転階30に設置された第1蓄圧注水タンク111
と、第1蓄圧注水タンク111から第2配管93の途中
部分に接続された第1蓄圧注水配管110と、その第1
蓄圧注水配管110の途中に装備された第1蓄圧注水開
閉弁108と、同じく第1蓄圧注水開閉弁108よりも
原子炉圧力容器1よりの第1蓄圧注水配管110途中に
備えられた第1蓄圧注水逆止弁109とから構成されて
いる。
【0178】第2蓄圧注水系は、原子炉格納容器10内
の運転階30に設置された第2蓄圧注水タンク20と、
第2蓄圧注水タンク20から原子炉圧力容器1内に接続
された第2蓄圧注水配管24と、その第2蓄圧注水配管
24の途中に装備された第2蓄圧注水開閉弁81と、同
じく第2蓄圧注水開閉弁81よりも原子炉圧力容器1よ
りの第2蓄圧注水配管24途中に備えられた第2蓄圧注
水逆止弁26とから構成されている。
【0179】第1蓄圧注水タンク111と第2蓄圧注水
タンク20とには冷却水が蓄えられている。第1蓄圧注
水タンク111と第2蓄圧注水タンク20とには重力落
下式注水系の注水圧力よりも高い圧力のガスが充填して
加えられている。そして、第1蓄圧注水タンク111内
には第2蓄圧注水タンク20内の圧力よりも高い圧力が
かけられている。
【0180】本実施例では、原子炉を運転して原子炉圧
力容器1内の圧力が第1蓄圧注水タンク111内の圧力
よりも高くなった以降において第1蓄圧注水開閉弁10
8と第2蓄圧注水開閉弁81とを開く。
【0181】冷却水喪失事故を起こすと、原子炉圧力容
器1内の圧力が事故後の時間の経過と共に低下する。原
子炉圧力容器1内の圧力が第1蓄圧注水タンク111内
の圧力よりも低下すると、重力落下式注水系による注水
作用に先立って、第1蓄圧注水逆止弁109が開き、第
1蓄圧注水タンク111内の冷却水が第1蓄圧注水配管
110を通って原子炉圧力容器1内へ注水される。
【0182】さらに事故後の時間が経過してさらに原子
炉圧力容器1内の圧力が低下すると、第2蓄圧注水逆止
弁26が開いて第2蓄圧注水タンク20内の冷却水が第
2蓄圧注水配管24内を通して原子炉圧力容器1内へ注
水される。
【0183】さらに事故後の時間が経過してさらに原子
炉圧力容器1内の圧力が低下して、原子炉圧力容器1内
の圧力が重力落下式注水系の注水圧力よりも低下する
と、初めて重力落下式注水系による原子炉圧力容器1内
への注水が開始される。その重力落下注水系の注水の様
子は第1実施例と同じである。
【0184】本実施例の全体の注水特性を示すと、図1
6a,図16bのとおりとなる。
【0185】このような注水特性によれば、重力落下式
注水系では注水出来ない事故後まもない時点の原子炉圧
力容器1内への注水が可能となり、その後の注水は重力
落下注水系からの注水によって成され、その後に冠水系
による注水が成され、事故後間もない時点から長期にわ
たる注水が継続する。
【0186】第7実施例は、図15に示されている。第
7実施例は、鉄筋コンクリート構造物16で原子炉格納
容器が構成されている。その原子炉格納容器内には、ド
ライウエル11とウエットウエル13とが区画され、両
区画はベント管14で連通されている。ウエットウエル
13内には冷却水が入れられており、サプレッションプ
ール12とされる。そのサプレッションプール12の冷
却水中にベント管14の出口が開かれている。
【0187】ドライウエル11内には、炉心2を内蔵し
た原子炉圧力容器1が配備されている。その原子炉圧力
容器1内には冷却水が入れられており、インターナルポ
ンプ106により原子炉圧力容器1内の冷却水は駆動さ
れて炉心2内を通過することが出来る。炉心2内を通過
した冷却水は炉心2からの熱により加熱されて高温高圧
の蒸気となり主蒸気配管3を通過して発電機を回転させ
るためのタービンへそのタービンの回転駆動エネルギー
源として供給される。その供給路が主蒸気配管3であっ
て、その主蒸気配管3は原子炉圧力容器1から鉄筋コン
クリート構造物16を貫通して外部へだされている。給
水配管4はタービンで使用された蒸気が復水器で液体状
に戻されたその液体を冷却水として原子炉圧力容器1内
に戻すための配管であって、鉄筋コンクリート構造物1
6を貫通して原子炉圧力容器1内と接続されている。主
蒸気配管3や給水配管4には事故時にそれらの配管を閉
鎖する隔離弁が備わる。
【0188】主蒸気配管3には自動減圧系が接続され
る。自動減圧系は、主蒸気配管3内とサプレッションプ
ール12の冷却水中とを連通する自動減圧系配管143
とその自動減圧系配管143の途中に装備された自動減
圧弁23とからなる。
【0189】原子炉格納容器10内には、炉心2よりも
上方の位置に重力落下式注水系が配備される。重力落下
式注水系は、原子炉格納容器10の上部に環状に配備さ
れた冷却水プール90と、冷却水プール90の気相部を
ドライウエル11内に連通するドライウエル連通路10
4と、冷却水プール90の内側に環状に配備された第2
冷却水タンク91と、冷却水プール90や第2冷却水タ
ンク91よりも低い位置に環状に配備された第1冷却水
タンク92と、冷却水プール90内の冷却水と第1冷却
水タンク92内の冷却水とを連通する第1配管94と、
第1冷却水タンク92と第2冷却水タンク91との各気
相間を連通する均圧化配管95と、第2冷却水タンク9
1内の冷却水と原子炉圧力容器1内とを連通する第2配
管93と、第2配管93の途中に装備された第2開閉弁
99と、第2開閉弁99よりも原子炉圧力容器1よりの
第2配管93途中部位に装備されて原子炉圧力容器1か
ら第2冷却水タンク91側への流れを阻止するように逆
止方向を設定した第2逆止弁97と、第1冷却水タンク
92内の冷却水と第2配管93の途中とを連通する第3
配管96と、第3配管96の途中に装備された第1開閉
弁100と、第2配管93と第1開閉弁100との途中
にある第3配管96に装備されて原子炉力容器から第1
冷却水タンク92方向への流れを阻止するように逆止方
向を設定した第1逆止弁98とから構成されている。
【0190】原子炉圧力容器1内には、さらに、第1蓄
圧注水系と第2蓄圧注水系との2系統の蓄圧注水系が配
備されている。
【0191】第1蓄圧注水系は、ドライウエル11内に
設置された第1蓄圧注水タンク111と、第1蓄圧注水タ
ンク111から第2配管93の途中部分に接続された第
1蓄圧注水配管110と、その第1蓄圧注水配管110
の途中に装備された第1蓄圧注水開閉弁108と、同じ
く第1蓄圧注水開閉弁108よりも原子炉圧力容器1よ
りの第1蓄圧注水配管110途中に備えられた第1蓄圧
注水逆止弁109とから構成されている。
【0192】第2蓄圧注水系は、ドライウエル11内に
設置された第2蓄圧注水タンク20と、第2蓄圧注水タ
ンク20から原子炉圧力容器1内に接続された第2蓄圧
注水配管24と、その第2蓄圧注水配管24の途中に装
備された第2蓄圧注水開閉弁81と、同じく第2蓄圧注
水開閉弁81よりも原子炉圧力容器1よりの第2蓄圧注
水配管24途中に備えられた第2蓄圧注水逆止弁26と
から構成されている。第1蓄圧注水タンク111と第2
蓄圧注水タンク20とには冷却水が蓄えられている。第
1蓄圧注水タンク111と第2蓄圧注水タンク20とに
は重力落下式注水系の注水圧力よりも高い圧力が加えら
れている。そして、第1蓄圧注水タンク111内には第
2蓄圧注水タンク20内の圧力よりも高い圧力がかけら
れている。
【0193】本実施例では、原子炉を運転して原子炉圧
力容器1内の圧力が重力落下式注水系の注水圧力よりも
高くなった以降に第1開閉弁100と第2開閉弁99と
を開き、原子炉圧力容器1内の圧力が第1蓄圧注水タン
ク111内の圧力よりも高くなった以降において第1蓄
圧注水開閉弁108と第2蓄圧注水開閉弁81とを開
く。
【0194】例えば、主蒸気配管3から蒸気がドライウ
エル11内に漏れて冷却水喪失事故を起こすと、原子炉
圧力容器1内の圧力が低減して逆にドライウエル内の圧
力が上昇する。このために、ドライウエル内の蒸気はベ
ント管を通ってサプレッションプール12内に吹き出さ
れる。その漏洩蒸気はサプレッションプール12内の冷
却水により凝縮される。さらには、自動減圧弁が開いて
自動減圧配管を通じて原子炉圧力容器1内の蒸気がサプ
レッションプール12の冷却水中に排出され、その排出
された蒸気もサプレッションプール12内の冷却水によ
り凝縮される。原子炉圧力容器1内の圧力が事故後の時
間の経過と共に低下するのであるが、原子炉圧力容器1
内の圧力が第1蓄圧注水タンク111内の圧力よりも低
下すると、重力落下式注水系による注水作用に先立っ
て、第1蓄圧注水逆止弁109が開き、第1蓄圧注水タ
ンク111内の冷却水が第1蓄圧注水配管110を通っ
て原子炉圧力容器1内へ注水される。
【0195】さらに事故後の時間が経過してさらに原子
炉圧力容器1内の圧力が低下すると、第2蓄圧注水逆止
弁26が開いて第2蓄圧注水タンク20内の冷却水が第
2蓄圧注水配管24内を通して原子炉圧力容器1内へ注
水される。
【0196】さらに事故後の時間が経過してさらに原子
炉圧力容器1内の圧力が低下して、原子炉圧力容器1内
の圧力が重力落下式注水系の注水圧力よりも低下する
と、初めて重力落下式注水系による原子炉圧力容器1内
への注水が開始される。その重力落下注水系の注水の様
子は第1実施例と同じである。すなわち、まず、第2冷
却水タンク91内の冷却水が第2逆止弁97を通過して
原子炉圧力容器1内に注水開始され、これと同時に冷却
水プール90内の冷却水は第1配管94内を通って第1
冷却水タンク92内に流れ落ちる。その後にさらに原子
炉圧力容器1内圧力が低下するから、第1冷却水タンク
92内の冷却水が第1逆止弁98を通過して原子炉圧力
容器1内へ注水される。
【0197】本実施例の全体の注水特性を示すと、図1
6a,図16bに類似する。
【0198】第1蓄圧注水タンク111と第2蓄圧注水
タンク20内の冷却水は高圧にて各タンク内に封入され
ているから、重力を利用せずにその冷却水を原子炉圧力
容器1内へ注入できる。そのために、第1蓄圧注水タン
ク111と第2蓄圧注水タンク20とは第6実施例の様
に高い位置に設置せずに第7実施例のように重力落下式
注水系のプールやタンク類よりも低い位置に設置しても
図16a,図16bに類似する注水特性が得られること
となり、第1蓄圧注水タンク111と第2蓄圧注水タン
ク20の配置位置の選択についての自由度が高い。
【0199】第8実施例を図17に示す。第8実施例
は、第6実施例の構成を一部変更している。一部変更し
た以外の他部は第6実施例と同じである。そこで、ここ
では変更した部分につき以下に説明する。
【0200】即ち、第6実施例の第1蓄圧注水系は省略
されて第2蓄圧注水系が採用されている。第2蓄圧注水
系の構成は第6実施例における第2蓄圧注水系と同じで
ある。
【0201】冷却水プール90の気相部は原子炉格納容
器10内の運転階30空間内に孔105で連通してお
り、冷却水プール90水面に加わる圧力は運転階30空
間内の圧力と同じく成るようにされている。
【0202】冷却水喪失事故後にあっては、運転階30
空間の圧力は、ドライウエル11空間内の圧力よりも若
干低く推移するものであるから、ドライウエル11空間
内と冷却水プール90内の気相部とを連通する方式より
は重力落下式注水系の注水開始は遅くなる傾向がある。
このため、蓄圧注水系と重力落下式注水系との注水の連
続的つながり性を考慮して第2蓄圧注水系の第2蓄圧注
水タンク20内の圧力は第6実施例の場合よりも低くし
ておくことが、無注水期間を無くなすことに有利であ
る。
【0203】蓄圧注水系による注水開始の後に重力落下
式注水系の注水作用は開始され、重力落下式注水系の注
水作用は第1実施例と同様である。そして、重力落下式
注水系の注水開始の後に冠水系が注水を引継ぎ、事故後
早期の時点から長期の注水を成す。
【0204】第9実施例は、第4実施例の構造に第6実
施例の第1蓄圧注水系と第2蓄圧注水系とを原子炉圧力
容器内に接続した例である。この例でも、重力落下式注
水系による注水圧力よりも各蓄圧注水系の注水圧力を高
めてあり、且つ第2蓄圧注水系よりも第1蓄圧注水系の
注水圧力が高くされている。このため、第9実施例によ
れば、注水特性が図18a,図18bのようになる。第
9実施例において、第1冷却水タンクと第4冷却水タン
クとの上下方向の相対的位置をずらせば相対的に低い位
置の冷却水タンクからの注水開始が相対的に高い位置の
冷却水タンクの注水開始よりも遅れるような注水特性と
成って、より一層長期の冷却水注水作用が得られる。
【0205】第10実施例は、第5実施例の構造に第6
実施例の第1蓄圧注水系と第2蓄圧注水系とを原子炉圧
力容器内に接続した例である。この例でも、各系統A,
B,Cの重力落下式注水系による注水圧力よりも各蓄圧
注水系の注水圧力を高めてあり、且つ第2蓄圧注水系よ
りも第1蓄圧注水系の注水圧力が高くされている。この
ため、第9実施例によれば、注水特性が図19a,図1
9bのようになる。第1蓄圧注水系,第2蓄圧注水系,
各系統A,B,Cの各重力落下式注水系は図19a,図
19bのように途中で注水皆無の時期が内容に連続性を
持たせるように注水圧力と注水冷却水の貯蓄流量が決め
られる。このため、第10実施例では、事故後の早期の
冷却水注水と長期にわたる冷却水の注水作用が間断無く
得られる上、複数段階での圧力で適切な流量の冷却水を
原子炉圧力容器内に注水できて、注水効率がよい。
【0206】第11実施例は、図20に示されている。
第11実施例は、第1実施例と第2実施例と第3実施例
とにおける重力落下式注水系の一部を変更したものであ
って、その他の構造と作用は第1実施例と第2実施例と
第3実施例とにおける構造と作用と同じである。そこ
で、ここでは重力落下式注水系の変更部分について説明
する。
【0207】重力落下式注水系の冷却水プールは密閉化
されて冷却水貯蔵タンク102とされている。この冷却
水貯蔵タンク102内の冷却水は、第1配管94により
第1冷却水タンク92内の冷却水中に連通されている。
冷却水貯蔵タンク102内の気相部分は、第1均圧化配
管101により原子炉圧力容器内に連通されている。そ
の第1均圧化配管101の途中には第1均圧化開閉弁1
03が備えられている。
【0208】その他の構成は、第1実施例と第2実施例
と第3実施例とのいずれかの構造と同じである。
【0209】第11実施例では、冷却水喪失事故を生じ
たら、第1均圧化開閉弁103を開いて原子炉圧力容器
1内の圧力と冷却水貯蔵プール102内の圧力とを均等
にする。
【0210】このようにすると、事故後のドライウエル
11空間内の圧力よりも冷却水貯蔵プール102内の圧
力が高く維持されるから、ドライウエル11内の圧力を
冷却水プール内に加える第1実施例と第2実施例と第3
実施例中の重力落下式注水系よりも事故後早期に原子炉
圧力容器1内への注水が行える。
【0211】第12実施例は、図21に示されている。
第12実施例は、第1実施例と第2実施例と第3実施例
とにおける重力落下式注水系の一部を変更したものであ
って、その他の構造と作用は第1実施例と第2実施例と
第3実施例とのいずれかの実施例における構造と作用と
に同じである。そこで、ここでは重力落下式注水系の変
更部分について説明する。
【0212】第1実施例と第2実施例と第3実施例とに
おける冷却水プールとそれに隣接する第2冷却水タンク
とは金属製ライナーを内側に施したコンクリート壁によ
り囲われているが、本実施例では、冷却水プールとそれ
に隣接する第2冷却水タンクとを一つの冷却水プールと
し、その一部を第2冷却水タンクとすべく、冷却水プー
ルの一部を注水圧力に耐え得る強度を持った金属製壁に
より囲んで冷却水プールの一部にプール密閉部107を
構成し、冷却水プールとそれに隣接する第2冷却水タン
クとを区画する金属製ライナーを内側に施したコンクリ
ート壁を無くしてコストの低減を計ったものである。冷
却水プールの一部に構成したプール密閉部107には第
2冷却水タンクとしての機能を持つように、重力落下式
注水系の第2配管93と均圧化配管95とが接続され、
冷却水プールの他部には、第1冷却水タンク92と連通
する第1配管94が接続されている。
【0213】第13実施例は、図22に示されている。
第12実施例は、第1実施例と第2実施例と第3実施例
とにおける重力落下式注水系の一部を変更したものであ
って、その他の構造と作用は第1実施例と第2実施例と
第3実施例とのいずれかの実施例における構造と作用と
に同じである。そこで、ここでは重力落下式注水系の変
更部分について説明する。
【0214】第1実施例と第2実施例と第3実施例とに
おける重力落下式注水系の第2配管93と第3配管96
とは原子炉格納容器10内へ独立して接続されている。
【0215】このために、第2配管93と第3配管96
とのいずれか一方における弁類の不具合や配管破断等に
よりその一方から原子炉圧力容器1内への冷却水の注水
が不能になっても他の一方からの冷却水の注水が可能で
あるから、重力落下式注水系から原子炉圧力容器1内へ
の注水がまったく途絶えるという致命的な事象が生じに
くい。
【0216】第14実施例は、図23に示されている。
第14実施例は第1実施例に示された構成に新たな構成
を追加した内容である。
【0217】以下に追加した内容について説明する。
【0218】原子炉格納容器10の内壁面に接するウェ
ットウェル13内に連通孔18よりも高い位置であって
外周プール15の水面の高さに相当する位置に水平な仕
切板141を原子炉格納容器10内壁面とその内側のコ
ンクリート構造物16の間に設ける。
【0219】仕切板141の下方と仕切板141の上方
のウェットウェルの各気相部を第1連通配管140で連
通し、仕切板141の上方のウェットウェルの気相部と
サプレッションプール12内の冷却水中とを第2連通配
管142で連通する。
【0220】他の構成は第1実施例と同じである。
【0221】この構成によれば、第1実施例による作用
に加えて、冷却水喪失事故後にウェットウェル13内に
蓄積する不凝縮気体が、比重が軽いため仕切板141の
上方のウェットウェルに蒸気と共に第1連通配管140
を通じて流入する。これとともに、仕切板141の上方
のウェットウェルに存在する蒸気は、原子炉格納容器1
0の壁面が空冷されることにより間接的に冷却されて凝
縮し、その凝縮液滴は液体として第2連通配管142を
通じてサプレッションプール12内に流下する。
【0222】これにより、ウエットウエル13内の蒸気
圧力分圧が減少して圧力が低下する。これとともに、サ
プレッションプール12内に凝縮して流下した液体によ
ってサプレッションプール12内の冷却水が撹拌されて
原子炉格納容器10内壁面に接して外周プール15へ伝
達されて原子炉格納容器10内から除熱される熱量が増
加し、これによってもサプレッションプール12の冷却
水水温が低下して圧力も減少する。
【0223】これによって、原子炉圧力容器1内の圧力
と原子炉格納容器10内の圧力との差を大きくして自動
減圧系による原子炉圧力容器1内の圧力の減圧が促進さ
れ、第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器1内への
冷却水注水が早期に可能になる。
【0224】第15実施例は図24に示されている。第
15実施例は、第2実施例中の冷却水第2プール130
を注水水源とする重力落下式注水系の代わりに図24に
示された構成の重力落下式注水系が採用される。その他
の構成は第2実施例の構成と同じである。
【0225】図24に示された重力落下式注水系の構成
とその成す作用は以下のとおりである。
【0226】即ち、原子炉格納容器10内であって、炉
心より上方に冷却水貯蔵タンク130を設ける。冷却水貯
蔵タンク130には冷却水貯蔵タンク130内の圧力が
設定圧力になるとその冷却水貯蔵タンク130内の気相
部からドライウエル11内にその圧力を逃す安全弁14
6を排圧制限手段として設ける。その安全弁146が開
く設定圧力は、冷却水貯蔵タンク130の耐圧限界圧力
とされ、それ以下の圧力は冷却水貯蔵タンク130内に
残るように、冷却水貯蔵タンク130内から外部への排
圧量が安全弁146により制限される。
【0227】冷却水貯蔵タンク130とドライウェル1
1を途中に給気逆止弁145を有する給気配管144で
連通する。給気逆止弁145はドライウエル11から冷
却水貯蔵タンク130内への流れを許容し、その逆方向
の流れを阻止するように逆止方向を設定されている。
【0228】冷却水貯蔵タンク130内と原子炉圧力容
器1内を途中に注水開閉弁205と注水逆止弁124を
有する注水配管123で連通する。注水逆止弁124
は、冷却水貯蔵タンク130から原子炉圧力容器1内方
向への流れを許容し、その逆方向の流れを阻止するよう
に逆止方向を設定する。
【0229】主蒸気配管3に接続された自動減圧系の自
動減圧系配管143の排気口を冷却水貯蔵タンク130
内の冷却水中に水没させておく。
【0230】以上の構成において、原子炉が運転され
て、原子炉圧力容器1内の圧力が冷却水貯蔵タンク13
0内の冷却水の原子炉圧力容器1内への流入を阻止でき
るまでに高まった後に、注水開閉弁205を開く。
【0231】冷却水喪失事故時には、自動減圧系の自動
減圧弁23が開き、原子炉圧力容器1内の蒸気が自動減
圧系配管143を通って冷却水貯蔵タンク130内の冷
却水中に放出される。冷却水貯蔵タンク130内の冷却
水中に放出された蒸気は冷却水により凝縮されて、その
放出蒸気を含む雰囲気の容積は放出直後に縮小する。そ
のために、その放出蒸気を含む雰囲気の容積を凝縮機能
の無い冷却水貯蔵タンク130内の気相部内に直接放出
するのにくらべて、冷却水貯蔵タンク130の耐圧限界
を低く出来る。冷却水貯蔵タンク130の耐圧限界を低
く出来る事により、コストの低減が成せる。
【0232】冷却水貯蔵タンク130内の冷却水中に放
出された蒸気は冷却水により凝縮されて、その凝縮作用
により、冷却水貯蔵タンク130内の冷却水は昇温さ
れ、その冷却水は蒸発蒸気と成って、蒸気圧の増加によ
って冷却水貯蔵タンク130内の圧力が上昇する。
【0233】冷却水貯蔵タンク130内の圧力と冷却水
貯蔵タンク130内の冷却水面から原子炉圧力容器1内
にわたる静水頭の和が原子炉圧力容器1内の圧力より高
くなると、注水逆止弁124が開き、冷却水貯蔵タンク
130内の冷却水が原子炉圧力容器1内に注水される。
この時の注水圧力は前述の蒸気圧による昇圧がない場合
よりもはるかに高くなるため、原子炉圧力容器1内への
早期の注水が可能になる。
【0234】図2の第2冷却水タンクから原子炉圧力容
器1内への冷却水の注水開始タイミングよりも図24に
よる重力落下式注水系から原子炉圧力容器1内への注水
開始タイミングを早めるためには、冷却水貯蔵タンク1
30内の圧力が第2冷却水タンク内の圧力よりも高くな
ることが望ましく、そのために冷却水貯蔵タンク130内
の冷却水の貯蔵量や冷却水貯蔵タンク130の大きさが
決められるべきである。
【0235】冷却水貯蔵タンク130内の圧力がその冷
却水貯蔵タンク130の耐圧限界を超えようとすると、
安全弁146が開いて冷却水貯蔵タンク130内の圧力
を冷却水貯蔵タンク130外へ逃がして冷却水貯蔵タン
ク130の安全を計る。
【0236】冷却水貯蔵タンク130内の冷却水が原子
炉圧力容器1内へ注水されると、冷却水貯蔵タンク13
0内の冷却水水位が低下して冷却水貯蔵タンク130内
の圧力が低下傾向を示すようになると、給気逆止弁14
5が開いてドライウエル11内の雰囲気が給気配管14
4内を通って冷却水貯蔵タンク130内に給気され、冷
却水貯蔵タンク130内の負圧傾向を抑制する。冷却水
貯蔵タンク130からの注水開始の後に第2実施例の重
力落下式注水系が注水を開始し、その後に冠水系が注水
開始する。
【0237】その他の内容は第2実施例と同じである。
【0238】第16実施例は図25に示されている。第
16実施例は、第15実施例を一部変更したものであ
り、その他の部分は第15実施例と同じである。以下
に、一部変更部分の内容につき説明する。
【0239】冷却水貯蔵タンク130内の冷却水中に
は、その冷却水に接して凝縮器135が配備される。凝
縮器135の内部と自動減圧配管143の排気口とが接
続される。
【0240】凝縮器135内の凝縮液貯留領域には戻し
配管138の上端が接続され、その戻し配管138の下
端はサプレッションプール12内の冷却水中に置かれ
る。
【0241】その他の構成は第15実施例と同じであ
る。
【0242】本実施例では、冷却水喪失事故後に、原子
炉圧力容器1内の高温高圧な蒸気が主蒸気配管3と自動
減圧弁23と自動減圧配管143とを通じて凝縮器13
5内に流入する。凝縮器135内に流入した蒸気は凝縮
器135の伝熱面を介して冷却水貯蔵タンク130内の
冷却水により冷却されて凝縮する。凝縮器135内で凝
縮して蒸気状態から液体状態に戻されたその液体は、戻
し配管138を通じてサプレッションプール12内へ冷
却水として戻される。
【0243】凝縮器135の凝縮作用により凝縮器13
5から冷却水貯蔵タンク130内の冷却水に付与された
熱エネルギーによりその冷却水貯蔵タンク130内の冷
却水が加熱されて冷却水貯蔵タンク130内の蒸気圧が
上昇して冷却水貯蔵タンク130内の圧力が上昇する。
【0244】このように冷却水貯蔵タンク130内の圧
力が上昇すると、第15実施例と同様に原子炉圧力容器
1内へ冷却水貯蔵タンク130内の冷却水を早期に注水
することが出来る。
【0245】その他の内容は第15実施例と同じであ
る。
【0246】第16実施例では、第15実施例とは異な
って、原子炉圧力容器1内の蒸気を凝縮器135内で凝
縮して、熱エネルギーだけを冷却水貯蔵タンク130内
に付与するから、直接蒸気を冷却水貯蔵タンク130内
に吐き出す第15実施例にくらべて、自動減圧系配管1
43を流れる蒸気量が極端に多い場合の冷却水貯蔵タン
ク130の異常加圧を防止し易い。
【0247】さらには、原子炉圧力容器1内の蒸気と冷
却水貯蔵タンク130内の冷却水を凝縮器135を介在
して隔離できるので、冷却水貯蔵タンク130を原子炉
格納容器10の外に設置することも可能となり、原子炉
設備の設計の自由度が拡がる。冷却水貯蔵タンク130
を原子炉格納容器10外に設置することも可能となる
と、冷却水貯蔵タンク130の容量をドライウエル11
内の大きさに影響されること無く増加できる。
【0248】第17実施例は図26に示されている。第
17実施例は、第1実施例の重力落下式注水系を一部変
更したものであって、他部については第1実施例と同じ
である。そのためその一部変更した内容についていかに
説明する。
【0249】第1実施例の冷却水プールは密閉されて冷
却水タンク102とされる。この冷却水タンク102内
の冷却水中には、自動減圧系配管143の排気口が置か
れている。冷却水タンク102には、安全弁146が備
えられて、この安全弁146を通じて冷却水タンク10
2内の気相部とドライウエル11内とが連通可能であ
る。さらに冷却水タンクには給気逆止弁145が装備さ
れている。
【0250】給気逆止弁145はドライウエル11内か
ら冷却水タンク102内の流れを許容し、その逆方向の
流れを阻止する逆止方向が設定されている。
【0251】安全弁には、冷却水タンク102の耐圧限
界の圧力で開くように開き動作を行う設定圧が設定され
ている。
【0252】その他の内容は第1実施例と同じである。
【0253】本実施例では、冷却水喪失事故時には、自
動減圧弁23により原子炉圧力容器1内の蒸気が自動減
圧系配管143を通って冷却水タンク102内の冷却水
中に放出されて、ここで冷却水により凝縮される。これ
により、冷却水タンク102内の冷却水は昇温され、そ
の冷却水タンク102内の蒸気圧の増加によって冷却水
タンク102内の圧力が上昇する。
【0254】冷却水タンク102内の圧力と冷却水タン
ク102内の冷却水面から第1冷却水タンク92にわた
る静水頭の和が圧力として第2冷却水タンク91内に加
わる。
【0255】第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器
1内にわたる静水頭と冷却水タンク102内の圧力と冷
却水タンク102内の冷却水面から第1冷却水タンク9
2にわたる静水頭の和が原子炉圧力容器1内の圧力より
高くなると、第2冷却水タンク91内の冷却水が原子炉
圧力容器1内に注水される。
【0256】この時の注水圧力は冷却水タンク内の冷却
水の昇温が無い場合よりもはるかに高くなる。このた
め、原子炉圧力容器1内への早期の冷却水注水が可能に
なる。また、第2冷却水タンク91から原子炉圧力容器
1内への注水が開始されると冷却水タンク102内の冷
却水が第1冷却水タンク92内に落下し、その冷却水も
原子炉圧力容器1内に注水される。
【0257】第18実施例は図27に示されている。第
18実施例は、第16実施例の構成を一部変更したもの
であり他部は第15実施例と同じである。以下にその一
部変更した内容について説明する。
【0258】冷却水貯蔵タンク130には第15実施例
における給気逆止弁145や安全弁146が装備されて
おらず、そのかわりの構成として、タンク呼吸穴147
が開口している。この呼吸穴は147は冷却水貯蔵タン
ク130内の気相部とドライウエル11内とを連通する
ものである。
【0259】その他の構成は第15実施例と同じであ
る。
【0260】本実施例では、冷却水喪失事故後に、自動
減圧弁23が開いて、冷却水貯蔵タンク130内に原子
炉圧力容器1内の高温高圧な蒸気が自動減圧系配管14
3を通じて供給される。その蒸気が冷却水貯蔵タンク1
30内の冷却水中に供給されると、その蒸気は冷却水に
より凝縮され、冷却水貯蔵タンク130内の冷却水は加
熱されて蒸発し、蒸気圧が高まる。冷却水貯蔵タンク1
30内の圧力は呼吸穴147からドライウエル11へ抜
けることと成るが、その抜けることによる冷却水貯蔵タ
ンク130内の圧力の低下速度よりも冷却水貯蔵タンク
130内の冷却水が加熱されることで増加する圧力の上
昇速度の方が早くなるようにその呼吸穴147の開口面
積が決められている。
【0261】このために、呼吸穴147は、冷却水貯蔵
タンク130内で発生した圧力を一部は排出しその他の
一部は冷却水貯蔵タンク130内に残存させるように圧
力の冷却水貯蔵タンク130外への排出を制限する手
段、即ち排圧制限手段として採用されている。従って、
冷却水貯蔵タンク130内で発生し続ける圧力と呼吸穴
147から排出される圧力との差に基づいて、冷却水貯
蔵タンク130内の圧力は高まることとなる。
【0262】このために、原子炉圧力容器1内への冷却
水貯蔵タンク130内からの冷却水注水作用が、単に冷
却水貯蔵タンク130内をドライウエル11内と均等な
圧力にする方式を採るものよりも早期に得られる。
【0263】第19実施例は図28に示されている。第
19実施例は、第15実施例の一部を変更した例であっ
て、その他の部分は第15実施例と同じである。そこで
一部変更した内容についていかに説明する。
【0264】第15実施例の安全弁は、存在せず、その
かわりにベント管148が採用されている。垂直なベン
ト管148の途中はそのベント管外周囲が冷却水貯蔵タ
ンク130に気密に取り付けられている。ベント管14
8の上端開口部はドライウエル11内に開口している。
ベント管148の下端開口部は冷却水貯蔵タンク130内
の冷却水中に開口している。
【0265】その他の構成は第15実施例と同じであ
る。
【0266】第19実施例でも、冷却水喪失事故後に自
動減圧弁23が開いて自動減圧系配管143を通じて原
子炉圧力容器1内の蒸気が冷却水貯蔵タンク130内の
冷却水中に放出され、そこで凝縮される。これと同時に
冷却水貯蔵タンク130内の冷却水は加熱されて蒸発す
る。その蒸発蒸気により冷却水貯蔵タンク130内の圧
力は増加して冷却水貯蔵タンク130内の冷却水水面を
押し下げる。このために、原子炉圧力容器1内へ冷却水
貯蔵タンク130内の冷却水を注水する作用が、単に冷
却水貯蔵タンク130内をドライウエル11内と均等な
圧力にする方式を採るものよりも、早期に得られる。
【0267】冷却水貯蔵タンク130内の圧力が上昇す
ると、ベント管内の冷却水水面が押し上げられて、冷却
水貯蔵タンク130内の圧力が実質的に排出されて緩和
され、ベント管内の冷却水水面とベント管外の冷却水水
面との間の水頭差圧分だけ冷却水貯蔵タンク130内に
圧力が残る。従って、この実施例では、ベント管が排圧
制限手段として採用されている。
【0268】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、重力落下式注
水系の注水圧力を、既存の注水圧力増加手段に依存する
こと無く増加させることが出来るから、原子炉設備の経
済性と安全性とを共に向上できる効果が得られる。
【0269】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果を、複数のタンク間を流路でつなぐという簡単な
構成で達成できるという効果が得られる。
【0270】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、重力落下式注水系の注水圧力が注
水途中で自動的に高圧から低圧へと切り替わるから、長
期の注水に適切であって、より安全性が向上する。
【0271】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、重力落下式注水系の注水圧力が高
圧時の注水流路と低圧時の注水流路とは共用部分が無い
から、いずれかの注水流路に注水不充分ないしは不能の
状態に陥っても、もう一方の注水流路により注水は確保
できるという効果が得られる。
【0272】請求項5の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、さらに注水圧力を増加して一層早
期の注水が成せるという効果が得られる。
【0273】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
による効果に加えて、注水開始タイミングを原子炉圧力
容器の減圧状況に合わせて複数にシフトして、より長期
の注水を効率良く成せるという効果が得られる。
【0274】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
による効果に加えて、注水の為の流路が複数流路互いに
独立しており共用区間が無いから、いずれかの流路が注
水に支障を来たしても他の流路での注水は達成され、注
水皆無状態を避けられ、安全性が向上するという効果が
得られる。
【0275】請求項8の発明によれば、請求項2又は請
求項3のいずれかの発明による効果に加えて、冷却水プ
−ル内と原子炉圧力容器内とを均圧化して注水タイミン
グをより早くすることができるという効果が得られる。
【0276】請求項9の発明によれば、請求項2又は請
求項3のいずれかの発明による効果に加えて、重力落下
注水系のコストが低減できるという効果が得られる。
【0277】請求項10の発明によれば、請求項1から
請求項7まで及び請求項9のいずれかの発明による効果
に加えて、冷却水プ−ルの水面に加わる圧力を事故時に
昇圧したドライウエル内の圧力と均圧化させることによ
り、注水開始タイミングをより早期方向にシフトできる
という効果が得られる。
【0278】請求項11の発明によれば、請求項1の発
明の効果を、原子炉圧力容器内で発生した熱エネルギ−
により達成でき、熱エネルギ−源を新たに装備する必要
が無いという効果が得られる。
【0279】請求項12の発明によれば、請求項11の
発明による効果に加えて、自動減圧系により廃棄される
熱エネルギ−を利用して注水圧力を高めることが出来、
熱エネルギ−を得るために新たな系統の追加を必要とし
ないという効果が得られる。請求項13の発明によれ
ば、請求項12の発明による効果に加えて、冷却水タン
クが自動減圧系からの蒸気の流路と隔離されるために蒸
気を冷却水タンクが受け入れたときの衝撃が無く、さら
には冷却水タンクの設置位置が例えば原子炉格納容器外
でも良いというふうに原子炉設備の設計の自由度が拡が
るという効果が得られる。
【0280】請求項14の発明によれば、請求項12の
発明による効果に加えて、冷却水タンクを過圧から保護
できる効果が得られる。
【0281】請求項15の発明によれば、請求項12の
発明による効果に加えて、冷却水タンクを過圧から保護
する作用が簡単な構成により達成きるという効果が得ら
れる。
【0282】請求項16の発明によれば、請求項12の
発明による効果に加えて、冷却水タンク内の圧力が増加
すると、ベント管内の水面が押し上げられ、その反力と
して冷却水タンク内の圧力が上昇し、その上昇圧力は冷
却水タンクから逃げずに昇圧状態が維持できる効果と、
冷却水タンクを過圧から保護する作用が簡単な構成によ
り達成きるという効果との両効果が得られる。
【0283】請求項17の発明によれば、請求項11か
ら請求項14まで及び請求項16のいずれかの発明によ
る効果に加えて、冷却水タンク内の圧力を事故時に増圧
したドライウエル内の圧力と均等にして注水開始タイミ
ングがより早期になるという効果が得られる。
【0284】請求項18の発明によれば、水の位置エネ
ルギ−を加圧圧力に変えて注水圧力に利用するから、原
子炉冷却装置を含む原子炉設備の経済性と安全性とを向
上できるという効果が得られる。
【0285】請求項19の発明によれば、水の位置エネ
ルギ−を利用して原子炉設備の経済性と安全性とを向上
するに貢献できる注水冷却水の加圧手段が提供できると
いう効果が得られる。
【0286】請求項20の発明によれば、熱エネルギ−
を利用して原子炉設備の経済性と安全性とを向上するに
貢献できる注水冷却水の加圧手段が提供できるという効
果が得られる。
【0287】請求項21の発明によれば、重力落下式注
水系の注水開始タイミングを高圧側と低圧側とに分散し
て重力落下式注水系の注水期間に融通性を持たせたか
ら、冠水系による注水との連係も良くて、長期冷却に適
するように成る上、経済性と安全性において向上された
原子炉設備が提供できるという効果が得られる。
【0288】請求項22の発明によれば、重力落下式注
水系の注水開始タイミングを高圧側と低圧側とに分散し
て重力落下式注水系の注水期間に融通性を持たせたか
ら、蓄圧注水系による注水との連係も良くて、長期冷却
に適するように成る上、経済性と安全性において向上さ
れた原子炉設備が提供できるという効果が得られる。
【0289】請求項23の発明によれば、重力落下式注
水系の注水開始タイミングを高圧側と低圧側とに分散し
て重力落下式注水系の注水期間に融通性を持たせたか
ら、重力落下式注水系の注水圧力も高圧な注水圧力を有
する蓄圧注水系による注水と、重力落下式注水系の注水
圧力も低圧な注水圧力を有する冠水系による注水との両
方の連係も良くて、長期冷却に適するように成る上、経
済性と安全性において向上された原子炉設備が提供でき
るという効果が得られる。
【0290】請求項24の発明によれば、請求項21の
発明による効果に加えて、木目細かな注水スケジュウル
が達成できるという効果が得られる。
【0291】請求項25の発明によれば、請求項21の
発明による効果に加えて、冷却水プ−ル内冷却水によっ
ても原子炉圧力容器内の蒸気を凝縮することが出来るか
ら、原子炉圧力容器内の圧力の低減を促進し、重力落下
式注水系の注水タイミングをより早める効果が得られ
る。
【0292】請求項26の発明によれば、請求項22又
は請求項23のいずれかの発明による効果に加えて、蓄
圧注水系の複数の高圧タンクから注水開始タイミングを
ずらすことが出来るから、原子炉圧力容器が重力落下式
注水系の注水圧力よりも高い高圧状況下においても木目
細かな注水スケジュウルが達成できるという効果が得ら
れる。
【0293】請求項27の発明によれば、請求項21又
は請求項23又は請求項24又は請求項25のいずれか
の発明による効果に加えて、原子炉圧力容器を外周プー
ルで外側から冷却して原子炉圧力容器内の圧力を低減し
原子炉圧力容器内の圧力が原子炉圧力容器内にぬけやす
くし、原子炉圧力容器内への各注水手段による注水開始
を早めることが出来て、事故後早期の注水が可能と成る
という効果が得られる。
【0294】請求項28の発明によれば、請求項27の
発明による効果に加えて、水冷と空冷とにより原子炉格
納容器の全体を外側から冷却することにより、原子炉圧
力容器内への各注水手段による注水開始をより一層早め
ることが出来て、事故後より一層早期の注水が可能と成
るという効果が得られる。
【0295】請求項29の発明によれば、請求項21の
発明による効果に加えて、外からは水冷と空冷とにより
原子炉格納容器の全体を冷却することにより、そして内
では原子炉格納容器内の蒸気分圧を低減することによ
り、原子炉圧力容器内の圧力をより早く低減して原子炉
圧力容器内の圧力が原子炉圧力容器内にぬけやすくし、
原子炉圧力容器内への各注水手段による注水開始をより
一層早めることが出来て、事故後より一層早期の注水が
可能と成るという効果が得られる。
【0296】請求項30の発明によれば、重力落下注水
系の注水作動領域を高圧側と低圧側とに拡大して重力落
下注水系の早期且つ長期の注水が行える方法を提供でき
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図2】本発明の第2実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図3】本発明の第3実施例による原子炉設備の縦断面
図である。
【図4】本発明の第1,第2,第3の各実施例における
重力落下式注水系の注水待機状態の概念図である。
【図5】本発明の第1,第2,第3の各実施例における
重力落下式注水系の注水開始初期の状態の概念図であ
る。
【図6】本発明の第1,第2,第3の各実施例における
重力落下式注水系の注水開始後後期の状態の概念図であ
る。
【図7】本発明の第1,第2,第3の各実施例における
重力落下式注水系の注水終了後の状態の概念図である。
【図8】(a)は、本発明の第1,第2,第3の各実施
例における重力落下式注水系の注水特性を示しており、
事故後の経過時間と注水圧力との関係を表したグラフ図
である。(b)は本発明の第1,第2,第3の各実施例
における重力落下式注水系の注水特性を示しており、事
故後の経過時間と注水流量との関係を表したグラフ図で
ある。
【図9】本発明の第1実施例の重力落下式注水系の変形
例を表した重力落下式注水系の系統図である。
【図10】本発明の第4実施例による重力落下式注水系
の系統図である。
【図11】(a)は、本発明の第4実施例による重力落
下式注水系の注水特性を示しており、事故後の経過時間
と注水圧力との関係を表したグラフ図である。(b)
は、本発明の第4実施例における重力落下式注水系の注
水特性を示しており、事故後の経過時間と注水流量との
関係を表したグラフ図である。
【図12】本発明の第5実施例による原子炉設備の横断
面図である。
【図13】(a)は、本発明の第5実施例による重力落
下式注水系の注水特性を示しており、事故後の経過時間
と注水圧力との関係を表したグラフ図である。(b)
は、本発明の第5実施例における重力落下式注水系の注
水特性を示しており、事故後の経過時間と注水流量との
関係を表したグラフ図である。
【図14】本発明の第6実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【図15】本発明の第7実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【図16】(a)は、本発明の第6実施例による重力落
下式注水系の注水特性を示しており、事故後の経過時間
と注水圧力との関係を表したグラフ図である。(b)
は、本発明の第6実施例における重力落下式注水系の注
水特性を示しており、事故後の経過時間と注水流量との
関係を表したグラフ図である。
【図17】本発明の第8実施例による原子炉設備の縦断
面図である。
【図18】(a)は、本発明の第9実施例による重力落
下式注水系の注水特性を示しており、事故後の経過時間
と注水圧力との関係を表したグラフ図である。(b)
は、本発明の第9実施例における重力落下式注水系の注
水特性を示しており、事故後の経過時間と注水流量との
関係を表したグラフ図である。
【図19】(a)は、本発明の第10実施例による重力
落下式注水系の注水特性を示しており、事故後の経過時
間と注水圧力との関係を表したグラフ図である。(b)
は、本発明の第10実施例における重力落下式注水系の
注水特性を示しており、事故後の経過時間と注水流量と
の関係を表したグラフ図である。
【図20】本発明の第11実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図21】本発明の第12実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図22】本発明の第13実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図23】本発明の第14実施例による原子炉設備の縦
断面図である。
【図24】本発明の第15実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図25】本発明の第16実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図26】本発明の第17実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図27】本発明の第18実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【図28】本発明の第19実施例による重力落下式注水
系の系統図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…主蒸気配管、4…
給水配管、10…原子炉格納容器、11…ドライウェ
ル、12…サプレッションプ−ル、13…ウェットウェ
ル、15…外周プ−ル、16…コンクリ−ト構造物、1
7…ベント管、18…連通孔、20…第2蓄圧注水タン
ク、23…自動減圧弁、24…第2蓄圧注水配管、26
…第2蓄圧注水逆止弁、30…運転階、31…圧力開放
板、32…空気取入口、33…空冷用ダクト、83…冠
水系開閉弁、84…冠水系配管、85…冠水系逆止弁、
87…排気ダクト、90…冷却水プ−ル、91…第2冷
却水タンク、92…第1冷却水タンク、93…第2配
管、94…第1配管、95…均圧化配管、96…第3配
管、97…第2逆止弁、98…第1逆止弁、99…第2
開閉弁、100…第1開閉弁、101…第1均圧化配
管、102…冷却水貯蔵タンク、103…第1均圧化開
閉弁、104…ドライウェル連通路、105…孔、10
7…プ−ル密閉部、108…第1蓄圧注水開閉弁、10
9…第1蓄圧注水逆止弁、110…第1蓄圧注水配管、
111…第1蓄圧注水タンク、114…第4冷却水タン
ク、116…均圧化第1配管、117…第3冷却水タン
ク、118…第4配管、119…第5配管、120…仕
切板、122…注水開閉弁、123…注水配管、124
…注水逆止弁、130…冷却水第2プ−ル、134…ド
ライウェル第2連通路、135…凝縮器、136…ベン
ト管、137…凝縮器開閉弁、138…凝縮水配管、1
39…凝縮器配管、140…第1連通配管、141…仕
切板、142…第2連通配管、143…自動減圧系配
管、144…給気配管、145…給気逆止弁、146…
安全弁、147…タンク呼吸穴、148…ベント管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 良之 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 村瀬 道雄 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水に付加された位置エネルギー又は注水必
    要時に水に付加された熱エネルギーを気相の圧力に変換
    する第1手段と、前記手段による気体圧力を原子炉圧力
    容器内に弁を介して接続されて原子炉炉心位置よりも高
    所の位置に有る冷却水タンク内へ印加する第2手段とか
    ら成る原子炉冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、冷却水プール内の水位
    よりも下方に位置する第1冷却水タンクと、前記冷却水
    プールの液相部と前記第1冷却水タンク内とを連通する
    第1流路とを備えた第1手段と、前記第1冷却水タンク
    の気相部と前記第1冷却水タンクよりも高所の第2冷却
    水タンク内との間に備えられた連通路を備えた第2手段
    と、前記第2冷却水タンク内の液相部と原子炉圧力容器
    内とを弁を介して接続した第2流路とを備えたことを特
    徴とした原子炉冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、第1冷却水タンクは原
    子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を連通する第3流路
    が備わることを特徴とした原子炉冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、第2流路と第3流路と
    は互いに独立していることを特徴とした原子炉冷却装
    置。
  5. 【請求項5】請求項2において、第1冷却水タンクと第
    2冷却水タンクとの間の連通路は、途中に、高低差を付
    けて配備された第3冷却水タンクと第4冷却水タンクと
    の内、相対的に高所の第3冷却水タンクの液相部と相対
    的に低所の第4冷却水タンク内とを連通する第4流路と
    を備えた増圧手段が第1冷却水タンクと第2冷却水タン
    クとに対して直列に備わることを特徴とした原子炉冷却
    装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、第1冷却水タンクは原
    子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を連通する第3流路
    が備わり、第4冷却水タンクは原子炉圧力容器内と弁を
    介して冷却水を連通する第5流路が備わることを特徴と
    した原子炉冷却装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、第2流路と第3流路と
    第5流路とは互いに独立していることを特徴とした原子
    炉冷却装置。
  8. 【請求項8】請求項2又は請求項3において、冷却水プ
    ールは圧力的に内外間の移行が制限された構造を備え、
    原子炉圧力容器内で発生した圧力を前記冷却水プール内
    に弁を介して印加する系統を備えることを特徴とした原
    子炉冷却装置。
  9. 【請求項9】請求項2又は請求項3において、第2冷却
    水タンクは、冷却水プールの一部を他部から隔離して構
    成されていることを特徴とした原子炉冷却装置。
  10. 【請求項10】請求項1から請求項7迄及び請求項9の
    いずれかの一項において、冷却水プールは原子炉格納容
    器内のドライウエル領域内に開放されていることを特徴
    とした原子炉冷却装置。
  11. 【請求項11】請求項1において、冷却水を貯蔵する冷
    却水タンクと、原子炉圧力容器内で発生した熱を冷却水
    タンク内の冷却水に付加する手段を第1手段として備
    え、前記冷却水タンクと前記冷却水タンク内外間での圧
    力移行を抑制する排圧制限手段を第2手段として備える
    ことを特徴とした原子炉冷却装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、熱を冷却水タンク
    内の冷却水に付加する手段は、原子炉圧力容器の自動減
    圧時の排気蒸気の熱を冷却水タンク内の冷却水中に導く
    系統により構成されることを特徴とした原子炉冷却装
    置。
  13. 【請求項13】請求項12において、熱を冷却水タンク
    内の冷却水中に導く系統は、原子炉圧力容器の自動減圧
    時の排気蒸気を冷却水タンク内の冷却水中に装備された
    凝縮器内に導く系統により構成されることを特徴とした
    原子炉冷却装置。
  14. 【請求項14】請求項12において、排圧制限手段は、
    冷却水タンクの気相部と前記冷却水タンク外とを連通す
    る経路内に装備された弁であることを特徴とした原子炉
    冷却装置。
  15. 【請求項15】請求項12において、排圧制限手段は、
    冷却水タンクの気相部を覆うタンク壁の一部に開口した
    穴であって、前記穴の大きさは、冷却水タンク内への導
    入熱により上昇する前記冷却水タンク気相部の圧力の上
    昇が前記穴から冷却水タンク外へ逃げる圧力による冷却
    水タンク内の圧力の降下を上回る開口面積であることを
    特徴とした原子炉冷却装置。
  16. 【請求項16】請求項12において、排圧制限手段は、
    冷却水タンクの液相内と前記冷却水タンク外とを連通す
    るベント管であることを特徴とした原子炉冷却装置。
  17. 【請求項17】請求項11から請求項14迄及び請求項
    16のいずれかの一項において、冷却水タンク内の気相
    部は原子炉格納容器内のドライウエル領域内に弁を介し
    て開放可能とされていることを特徴とした原子炉冷却装
    置。
  18. 【請求項18】高所の水に付加された位置エネルギーを
    それより低所の液体タンク内の気相の圧力に変換する手
    段と、前記手段による気相の圧力を原子炉圧力容器内へ
    の注水圧力として付加される冷却水注水系統とを備えた
    原子炉冷却装置。
  19. 【請求項19】互いに連通されて高低2か所に配備され
    たプールとタンク間の静水頭差圧を前記低所のタンク内
    の気相部に印加する系統と、前記気相部の圧力を注水冷
    却水を蓄える冷却水タンク内に印加する系統とを備えた
    注水冷却水の加圧装置。
  20. 【請求項20】注水冷却水を貯蔵する冷却水タンクと、
    熱エネルギーを前記注水冷却水を媒体として前記冷却水
    タンク内の気相部の気相圧力に変換する手段とから成る
    注水冷却水の加圧装置。
  21. 【請求項21】炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
    原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に凝縮するサプ
    レッションプールと、前記炉心より高所にあって前記サ
    プレッションプールのプール水を弁を介して原子炉圧力
    容器内に連通可能に接続した冠水系と、前記サプレッシ
    ョンプールよりも高所に配備されて弁を介して前記原子
    炉圧力容器内に連通可能に接続された重力落下式注水系
    の冷却水プールと、これら前記構成を格納する原子炉格
    納容器とを備えた原子炉設備において、前記重力落下注
    水系は、前記冷却水プール内の水位よりも下方に位置す
    る第1冷却水タンクと、前記冷却水プールの液相部と前
    記第1冷却水タンク内とを連通する第1流路と、前記第
    1冷却水タンクの気相部と前記第1冷却水タンクよりも
    高所の第2冷却水タンク内との間に備えられた連通路
    と、前記第2冷却水タンク内の液相部と原子炉圧力容器
    内とを弁を介して接続した第2流路と、前記第1冷却水
    タンクと前記原子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を連
    通する第3流路とを備えていることを特徴とした原子炉
    設備。
  22. 【請求項22】炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
    原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に凝縮するサプ
    レッションプールと、前記炉心よりも高所に配備されて
    弁を介して前記原子炉圧力容器内に連通可能に接続され
    た重力落下式注水系の冷却水プールと、弁を介して前記
    原子炉圧力容器内に連通可能に接続されており前記重力
    落下式注水系の注水圧力よりも高圧で冷却水が封入され
    た蓄圧注水系の高圧タンクと、これら前記構成を格納す
    る原子炉格納容器とを備えた原子炉設備において、前記
    重力落下注水系は、前記冷却水プール内の水位よりも下
    方に位置する第1冷却水タンクと、前記冷却水プールの
    液相部と前記第1冷却水タンク内とを連通する第1流路
    と、前記第1冷却水タンクの気相部と前記第1冷却水タ
    ンクよりも高所の第2冷却水タンク内との間に備えられ
    た連通路と、前記第2冷却水タンク内の液相部と原子炉
    圧力容器内とを弁を介して接続した第2流路と、前記第
    1冷却水タンクと前記原子炉圧力容器内と弁を介して冷
    却水を連通する第3流路とを備えていることを特徴とし
    た原子炉設備。
  23. 【請求項23】炉心を内蔵した原子炉圧力容器と、前記
    原子炉圧力容器で発生した蒸気を事故時に凝縮するサプ
    レッションプールと、前記炉心より高所にあって前記サ
    プレッションプールのプール水を弁を介して原子炉圧力
    容器内に連通可能に接続した冠水系と、前記サプレッシ
    ョンプールよりも高所に配備されて弁を介して前記原子
    炉圧力容器内に連通可能に接続された重力落下式注水系
    の冷却水プールと、弁を介して前記原子炉圧力容器内に
    連通可能に接続されており前記重力落下式注水系の注水
    圧力よりも高圧で冷却水が封入された蓄圧注水系の高圧
    タンクと、これら前記構成を格納する原子炉格納容器と
    を備えた原子炉設備において、前記重力落下注水系は、
    前記冷却水プール内の水位よりも下方に位置する第1冷
    却水タンクと、前記冷却水プールの液相部と前記第1冷
    却水タンク内とを連通する第1流路と、前記第1冷却水
    タンクの気相部と前記第1冷却水タンクよりも高所の第
    2冷却水タンク内との間に備えられた連通路と、前記第
    2冷却水タンク内の液相部と原子炉圧力容器内とを弁を
    介して接続した第2流路と、前記第1冷却水タンクと前
    記原子炉圧力容器内と弁を介して冷却水を連通する第3
    流路とを備えていることを特徴とした原子炉設備。
  24. 【請求項24】請求項21において、冷却水プールは複
    数に区画され、その全区画の一部が第1冷却水タンク側
    に連通され、他部が弁を介して直接前記原子炉圧力容器
    内へ連通可能に接続されていることを特徴とした原子炉
    設備。
  25. 【請求項25】請求項21において、冷却水プールの全
    区画のうちの他部の区画内には原子炉圧力容器からの排
    蒸気を凝縮する凝縮器が装備されていることを特徴とし
    た原子炉設備。
  26. 【請求項26】請求項22又は請求項23において、蓄
    圧注水系の高圧タンクは、タンク内の圧力が異なって複
    数存在していることを特徴とした原子炉設備。
  27. 【請求項27】請求項21又は請求項23又は請求項2
    4又は請求項25において、サプレッションプールのプ
    ール水は原子炉格納容器の鋼板製壁の内面に接してお
    り、その内面に対応する外面には前記原子炉格納容器外
    の外周プールのプール水が接触していることを特徴とし
    た原子炉設備。
  28. 【請求項28】請求項27において、外周プールよりも
    高所における原子炉格納容器鋼板製壁に沿って、空冷設
    備の空冷ダクトが装備されていることを特徴とした原子
    炉設備。
  29. 【請求項29】請求項21において、サプレッションプ
    ールのプール水は原子炉格納容器の鋼板製壁の内面に接
    しており、その内面に対応する外面には前記原子炉格納
    容器外の外周プールのプール水が接触し、前記外周プー
    ルよりも高所における前記原子炉格納容器の鋼板製壁に
    沿って、空冷設備の空冷ダクトが装備され、前記原子炉
    格納容器内の構造物と前記原子炉格納容器内面との間に
    形成されたウエットウエル空間を上下に仕切る仕切板を
    備え、前記仕切板の上下気相部分を流路で連通し、前記
    上方の気相部と前記サプレッションプールのプール水中
    とを他の流路で連通してあることを特徴とした原子炉設
    備。
  30. 【請求項30】原子炉圧力容器に対する重力落下式注水
    系の貯水領域を少なくとも高低両個所及び前記低所の貯
    水領域よりも高所の他の個所に配備し、前記高低両個所
    の各貯水領域間の水頭差圧で前記低所の個所の前記貯水
    領域の気相部を加圧し、前記気相部の圧力を前記他の個
    所の前記貯水領域に印加して、前記他の個所の貯水領域
    からの注水開始タイミングを高圧側にシフトし、前記低
    所の貯水領域からの注水開始タイミングを低圧側にシフ
    トして成る重力落下式注水系の注水方法。
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