JPH063428B2 - 化学修飾ガラス膜イオン選択性電極 - Google Patents

化学修飾ガラス膜イオン選択性電極

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JPH063428B2
JPH063428B2 JP60011635A JP1163585A JPH063428B2 JP H063428 B2 JPH063428 B2 JP H063428B2 JP 60011635 A JP60011635 A JP 60011635A JP 1163585 A JP1163585 A JP 1163585A JP H063428 B2 JPH063428 B2 JP H063428B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、多孔性ガラス表面にイオン感応物質を化学結
合によつて固定化した機能性ガラス膜を感応膜として用
いる新規なイオン選択性電極に関する。
従来の技術及びその問題点 イオン選択性電極は、イオン感応膜の物理的性質から、
固体膜型電極と液体膜型電極とに大別される。
固体膜型イオン選択性電極のイオン感応膜としては、例
えば、硫化銀やハロゲン化銀のような水に難溶性の無機
塩、希土類のフツ化物塩などの単結晶またはそれらの粉
末を加圧成型、半溶融成型したもの、シリコンゴムなど
のポリマー膜中に難溶性塩を分散させたものなどが知ら
れている。このような感応膜を用いる固体膜型電極は、
耐久性や使い易さの点で優れているものの、対象イオン
が難溶性塩の得られるものに限られることや膜の形状な
どの自由度が少ないことなどの欠点がある。また、固体
膜型電極のうち、特殊なガラスの薄膜を感応膜とするガ
ラス電極は、応答性や選択性に優れ、また有機溶媒中で
の使用が可能であるなど適用範囲が広いものであり、p
H電極として広く用いられている。しかしながら、ガラ
ス電極は、測定対象イオンが、実用的には、Hイオン
の他は、NaイオンやKイオンなどのごく一部の陽
イオンに限定されるという欠点があり特に陰イオンに応
答するガラス電極は、得られていない。また、ガラス電
極では、ガラス薄膜の製造が極めて難しく、また破損し
易いため取扱いに注意を要し、更に膜抵抗が非常に高い
などの欠点がある。
一方、液体膜型イオン選択性電極は、イオン感応物質を
水と混ざり難い極性有機溶媒中に溶解し、これを多孔性
ポリマー膜や多孔性セラミツクス等に含浸保持させたも
のを感応膜として用いる電極である。このような液体膜
型電極では、多くのイオン会合抽出系の有機溶液を感応
膜として利用することができるので、各種の有機及び無
機イオンを測定対象として多種類のイオン電極を製作で
きるという大きな利点がある。しかしながら、電極の構
造が複雑となり、操作がやや不便であり、また測定中に
感応液が漏れ出易く、更に撹拌や水圧の影響を受けやす
いという欠点がある。
そこで、この液体膜の利点を維持しながら、上記欠点を
解消したものとして、感応物質をシリコンゴム、エポキ
シ樹脂、漆、ポリ塩化ビニル(PVC)などの高分子膜
中に分散保持させるいわゆる高分子膜型液膜電極が開発
されている。これらの電極では、電極の構造が簡単とな
りまた液膜電極の性能にも向上が見られるが、感応膜に
傷がつきやすく、また劣化しやすく、更に依然として有
機溶媒中での使用に耐え難いなどの欠点がある。
さらに、近年、イオン交換樹脂やイオン交換膜などのイ
オン性高分子材料をイオン感応膜として用いる試みもな
されているが、このようにイオン性高分子材料を直接感
応膜として用いるものでは、選択性などの点で満足のい
くものは得られるには至つていない。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した如き従来技術の問題点に鑑みて、
鋭意研究を重ねた結果、多孔性ガラス表面に感応物質を
化学結合により固定化した機能性ガラスを感応膜として
用いる全く新規なイオン選択性電極を完成するに至つ
た。
即ち、本発明は、下記のイオン感応電極を提供するもの
である。: イオン選択性電極において、孔径10〜600オングス
トロームの孔を有する多孔性ガラスの孔表面に、該ガラ
ス表面に存在するOH基に対する化学結合によりイオン
感応物質を直接固定化したことを特徴とする化学修飾ガ
ラス膜イオン選択性電極。
本発明イオン選択性電極は、イオン感応物質を化学結合
により多孔性ガラス表面に固定化した機能性ガラスを感
応膜として用いる。従来の液体膜や高分子膜を感応膜と
するイオン選択性電極では、液体感応物質の測定液中へ
の漏れを防ぐために、感応物質の水への溶解度が小さい
ことが必要であり、このため使用できる感応物質は、分
子量が大きいものに限定されていた。また、感応物質
は、有機溶媒に対して適度な溶解度を有することも必要
であつた。これに対して、本発明イオン選択性電極で
は、感応物質が化学結合によつて多孔性ガラスに結合さ
れているため、測定液中への感応物質の溶出がないの
で、使用できるイオン感応物質に制限が少なく、測定対
象に応じた各種のイオン選択性電極を作製することが可
能である。また、従来の液膜型電極では、膜の材質が侵
されるために有機溶媒中のイオン濃度の測定が困難であ
つたが、本発明で用いる多孔性ガラス膜は、有機溶媒に
対しても安定であり、有機溶媒中のイオン濃度測定にも
適用できる。
また、一般に液膜型電極では、測定対象イオンの検出下
限濃度は、感応膜からイオン交換体とその対イオンが測
定液中に溶出することによつて支配されるが、本発明で
使用する感応膜では、イオン交換体の溶出がないので測
定感度が高い。
また、本発明電極の機能性ガラス膜では、膜中の微細孔
を通してイオン交換が行なわれるので、電解質溶液中で
の電気抵抗は、極めて低くなる。このためガラス膜の厚
みは、1〜5mm程度まで厚くすることができ、機械的強
度が高くなる。また、本発明の機能性ガラス膜では、所
望する形態に多孔性ガラスを加工した後、感応基を導入
すればよいので、ガラス膜の作製が非常に容易であり、
またイオン感応基の導入以外にも膜表面の疎水性などの
性質を容易にコントロールでき、目的イオンに最適の感
応膜を容易に作製することができる。
本発明では、多孔性ガラスとしては、公知の多孔質高ケ
イ酸ガラスを用いることができる。孔径は、固定するイ
オン感応基の大きさにより最適なものを選択すればよい
が、通常は、10〜600Å程度のものが好ましい。多
孔性ガラスの形状は、特に限定されず、測定方法や電極
の形態に応じた各種のものが可能であり、例えば、円板
状、ガラス管と一体化し、先端を平底、丸底、球状など
としたものなどの形状で用いることができるが、その他
筒状に成形してフロースルーセンサーとして用いること
もできる。多孔性ガラスを用いる感応膜では、電気抵抗
が極めて低くなるので、ガラス膜の厚みは、1〜5mm程
度まで厚くできる。このため加工が容易となり、機械的
強度も高くなる。
本発明イオン選択性電極に用いることのできるイオン感
応物質は、多孔性ガラス表面のOH基に化学結合を形成
して安定に固定化できる物質であり、かつイオン感応基
を有する物質である。具体的には、ガラス表面に安定な
化学結合を形成させるための基として、トリメトキシシ
リル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基な
どを有し、イオン感応基としては、4級アンモニウム
基、スルホン酸基、クラウンエーテル基、リン酸基やジ
チオカルバミン酸基のようにキレート性を有する感応基
等を有するものを挙げることができる。このような感応
基をガラス表面に固定化したものの具体例を第1図に示
す。第1図(a)及び(b)では、R、R及びRは、炭
素水素鎖であり、n=1〜8である。(a)及び(b)の測定
対象イオンは主として1価陰イオンであり、対象イオン
によつて、R、R及びRを選択する。第1図(c)
では、n=3〜9、n=1、2または3である。測
定対象イオンは、主として1価陽イオンであり、対象イ
オンによりn及びnを選択すればよい。第1図(d)
は、測定対象イオンは、主としてCa2+である。第1
図(e)は、測定対象イオン、主として1価陽イオンであ
る。第1図(f)は、測定対象イオンは、主として2価重
金属イオンである。第1図(g)は、測定対象イオンは、
主として重金属イオンである。
上記したイオン感応物質のうち、特に は、陰イオン選択性電極のイオン感応物質として有用で
あり、Rがメチル基の場合には、表面の親水性が増加
して、親水性の高い塩化物イオンに対する選択性が高く
なり、一方Rをオクタデシル基とした場合には、表面
の疎水性が増加し、疎水性イオンである過塩素酸イオン
に対する選択性が高くなる。
本発明イオン選択性電極の感応膜は、例えば、以下の方
法により作製できる。
まず、多孔性ガラスを公知の方法により、所望する形態
に成形した後、ガラス表面の活性化を行なう。この活性
化は、例えば、2〜20%程度の塩酸中に多孔性ガラス
を浸漬して、1〜10時間程度還流することによつて行
なうことができる。一度使用したガラスや長時間放置し
て表面が汚れたガラスを使用する場合には、活性化に先
立つて、電気炉中で200〜500℃程度で1〜2時間
程度加熱することにより、表面に付着している有機物等
を分解除去することが好ましい。
活性化後は、多孔性ガラス成形体を十分に乾燥させた
後、固定化する物質を含む溶媒中に該成形体を浸漬さ
せ、1〜10時間程度還流する。溶媒としては、トルエ
ン、メタノール、キシレン、アセトニトリルなどを使用
することができ、固定化物質の濃度は、1〜20%程度
とすることが好ましい。固定化物質溶液中で還流した
後、多孔性ガラスを充分に洗浄し、乾燥させることによ
り本発明で用いる感応膜が得られる。
本発明イオン選択性電極は、上記した感応膜を用いるも
のであり、その形態には、特に制限はなく、公知の各種
形態のイオン選択性電極とすることができる。本発明イ
オン選択性電極の実施態様の代表例を第2図(a)、(b)、
(c)及び第3図に示す。第2図、(a)、(b)及び(c)におい
て、(1)は修飾ガラス膜、(2)は内部電極、(3)は内部基
準液、(4)はガラス管、(5)は修飾ガラス膜に密着させた
導電膜(金属や炭素の薄膜)、(6)はリード線、(7)はリ
ード線被覆である。第2図(b)に示すように、感応膜に
直接リード線を接合する場合には、感応膜の片面に、金
属の蒸着や導電性塗料の塗布によつて導電性を付与した
後、リード線を接合すればよい。本発明イオン選択性電
極では、感応膜の基体として用いる多孔性ガラスが加工
性に優れたものであるので、第2図(c)のように、白金
などの金属線に直接多孔性ガラス薄膜を被覆し、これに
イオン感応基を修飾した電極は、細い線状をしており、
マイクロセンサーとして使用できる。さらに第3図のよ
うに管状に成形した多孔性ガラスにイオン感応基を固定
化したものを感応膜としてフローセンサーを構成する
と、フロー系におけるイオン濃度測定用の電極として使
用することができる。第3図において、(8)はアクリル
樹脂、テフロン(登録商標)、ダイフロン等のプラスチ
ツクス本体、(9)は管状修飾ガラス膜、(10)は内部電
極、(11)は内部基準液、(12)はKCl溶液、(13)は試料
流入口、(14)は同流出口である。
発明の効果 本発明イオン選択性電極では、使用できるイオン感
応基に対する制限が少ないので、各種のイオンに応答す
るイオン選択性電極を作製することができる。
多孔性ガラスを基体とするイオン感応膜は、有機溶
媒に侵され難く、有機溶媒中のイオン濃度測定が可能で
ある。
測定液中へのイオン感応物質の溶出がないので、測
定感度が高い。
感応膜の基体として多孔性ガラスを使用するので、
各種形態に容易に加工できる。
感応膜の電気抵抗が極めて低いので、ガラス膜の厚
みを1〜5mm程度とすることができ、機械的強度が高く
なる。
液体膜型電極や高分子膜型電極と比較して電極の構
成が非常に簡単であり、使い易い。
多孔性ガラスを加工した後、感応基を導入するの
で、膜作製が非常に容易であり、また感応基導入以外に
も膜表面の疎水性などのコントロールが容易であり、目
的イオンに最適な感応膜とすることができる。
複数のイオン感応物質を混在させて固定化すること
により特異性を高めることができる。
実施例 以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 直径7mm、厚さ1mmの円盤状の多孔性高ケイ酸ガラスを
電気炉中で約550℃で2時間加熱し、付着している有
機物を分解除去した。次いで該多孔性ガラスが室温とな
つた後、5%HCl中に入れて6時間還流して、ガラス表
面の活性化を行なつた。この活性化を行なつた多孔性ガ
ラスを十分に真空乾燥した後、次に示す方法で感応物質
の固定化を行なつた。
感応物質としては、 で表わされるオクタデシルジメチル〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕−アンモニウムクロリド及 で表わされるトリメチル〔3−(トリメトキシシリル)
プロピル〕アンモニウムクロリドの2種類を使用し、各
々の50%メタノール溶液0.5mlをトルエン2ml中に
加え、前記活性化処理を行なつた多孔性高ケイ酸ガラス
を浸漬し、4時間還流した。その後、トルエン、エタノ
ールの順に洗浄し、よく乾燥させた。また比較例とし
て、ヘキサメチルジシラザン(以下、HMDSという)
の10%(V/V)乾燥トルエン溶液中に活性化処理を
行なつた多孔性高ケイ酸ガラスを浸漬し、前記したもの
と同様の処理を行ない多孔性ガラスの表面をメチル基で
被つたガラス感応膜も作製した。
このようにして得た3種類の感応膜及び未処理の多孔性
ガラス膜を各々内径6mm長さ120mmのガラス管の先端
に、パラフイルムで固定した後、内部液として、10-3
MKClを入れ、Ag/AgCl内部電極を挿入してCl
オン電極を作製した。10-5〜10-1MのKCl水溶液中
で、Ag/AgCl参照電極を用いて、濃度−電位応答特性を
測定した結果を第4図に示す。第4図において、(A)は
トリメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ア
ンモニウムクロリドを、固定化感応物質とした電極の場
合、(B)は、比較として、PVCマトリツクス中にトリ
オクチルメチルアンモニウムクロリドを保持させた公知
の陰イオン選択性高分子膜型電極の場合である。また
(C)は、HMDS処理を行つたガラス膜について、(D)は
未処理多孔性ガラス膜についての測定結果である。未処
理の多孔性ガラスを感応膜とした電極では用イオンに対
する応答が見られる。これはガラス表面のSi−OH基
が陽イオン交換基として作用するためであると考えられ
る。これはHMDS処理によつて抑制されることがわか
る。一方トリメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル〕アンモニウムクロリドを固定化した多孔性ガラス
膜電極はCl-イオン濃度の対数値に対して正確に応答
しており、化学修飾の効果が明らかである。またPVC
膜型電極に比べて低濃度域での応答性に優れていること
がわかる。
実施例2 実施例1と同様の方法によつてオクタデシルジメチル
〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム
クロリドを固定化した多孔性高ケイ酸ガラス膜を10-1
M NaClO4水溶液中に6時間以上浸漬することによつて
固定した4級アンモニウムのカウンター陰イオンをCl-
からClO4 -へと十分に交換させた後、内部液として、KCl
10-1M及びNaClO410-3Mを含む水溶液を用いる他
は、実施例1と同様にして、ClO4 -イオン電極を作製し
た。10-6〜10-1MのNaClO4水溶液中での濃度−電位応
答特性を測定した結果を表わすグラフを第5図に示す。
第5図において(A)はオクタデシルジメチル〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム過塩素酸塩
を固定化した多孔性ガラス膜電極、(B)は比較として測
定したトリオクチルメチルアンモニウム過塩素酸塩をPV
C中に保持した公知の陰イオン選択性高分子膜型電極の
結果である。第5図からオクタデシルジメチル〔3−
(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム過塩素
酸塩を固定化した多孔性ガラス膜電極はClO4 -イオン濃
度の対数値に対して正確に応答するとともに、実施例1
の場合と同様に低濃度域での応答特性は、PVC膜電極よ
りも優れていることが明らかである。
実施例3 内径1mm、外径3mm、長さ10mmの多孔性ガラス管を実
施例1の場合と同様に処理して、トリメチル〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロリドを
固定し、これを用いて第3図に表わすフロースルー型電
極を構成した。この膜に対して選択性の悪い硫酸ナトリ
ウムを支持電解質としてイオン強度を0.1Mに保つた
流液試料中の塩化物イオン濃度を1×10−5〜1×1
−1Mまで変化させた場合の濃度−電位応答特性を測
定した結果を第6図に示す。第6図で(A)は1×10
−5M KCl水溶液を毎分0.5mlの速度で流した場合の電
位を示し、(B)、(C)、(D)及び(E)はそれぞれ10
−4M、10−3M、10−2M及び10−1MのKCl
溶液に切り換えた場合の電位応答を示しており、KCl
濃度変化に対して正確応答していることが明らかであ
る。応答時間も充分早く、フロー系での検出器として利
用できる。
実施例4 実施例2と全く同様の方法でオクタデシルジメチル〔3
−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム過塩
素酸塩を固定した多孔性ガラス膜電極を作製し、1×1
-6M〜1×10-1M NaClO4アセトニトリル溶液中で
メタノール置換SCEを用いて濃度−電位応答特性を測
定した結果を第7図に示す。第7図において、(A)は上
記修飾多孔性ガラス膜電極の場合であり、(B)は未修飾
の多孔性ガラス膜を用いた測定結果である。オクタデシ
ルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ア
ンモニウム過塩素酸塩固定多孔性ガラス膜電極はアセト
ニトリル中でもClO4 -イオン濃度の対数値に正確に応答
していることが明らかであり、応答下限も充分低いこと
が分る。
実施例5 実施例2と同様の方法で作製したトリメチル〔3−(ト
リメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム過塩素酸塩
固定化多孔性ガラス膜電極とオクタデシルジメチル〔3
−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム過塩
素酸塩固定化多孔性ガラス膜電極とについて、ClO4 -
オンを測定対象イオンとした場合の各種陰イオンに対す
る選択係数を測定した。測定方法は、単独溶液法により
10-2M濃度のNaClO4水溶液中での電極電位と、同じ濃
度の夫々の陰イオンのナトリウム塩溶液中で測定した電
極電位とを比較することにより算出した。測定結果を第
1表に示す。
第1表から、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アンモニウム過塩素酸塩を固定化
した多孔性ガラス膜はClO4 -イオンに対して高い選択性
を有し、SCN-イオンを除いては妨害が少いことが明らか
である。これに対して、トリメチル〔3−(トリメトキ
シシリル)プロピル〕アンモニウム過塩素酸塩を固定化
した多孔性膜では、ClO4 -イオンに対する選択性が悪く
なつている。つまり修飾基の末端アルキル鎖をオクタデ
シル基からメチル基に交換するだけで、膜表面の疎水性
が減じる結果、親水性の高いCl-イオンに対する選択性
が100倍以上向上することが明らかである。このよう
に同じイオン交換基を有する感応物質でもアルキル鎖を
変えることによりその選択性に顕著な差異を生じさせる
ことができるのが本発明の化学修飾多孔性ガラス膜イオ
ン選択性電極の大きな特色であり、特異的機能性ガラス
膜イオン選択性電極の開発が可能となる。トリメチル
〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウム
クロリドを固定した多孔性ガラス膜電極は1価陰イオン
間の選択性の差が少いが、一方公知の液膜型Cl-イオン
電極に比べて他種陰イオンの妨害の程度は低いため血液
中のCl-濃度の測定などに利用できる。またフロースル
ー型センサーとしてクロマトグラフ検出器としても利用
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ガラス表面に固定化した感応物質の一例を示
す。第2図及び第3図は、本発明イオン選択性電極の実
施態様を表わす図である。第4図は、Cl-イオンに対す
る応答性のグラフ、第5図は、ClO4 -イオンに対する応
答性のグラフ、第6図は、フロー系でのCl-イオンに対
する応答性のグラフ、第7図は、非水溶媒系でのClO4 -
イオンに対する応答性のグラフである。 図において、(1)は修飾ガラス膜、(2)は内部電極、(3)
は内部基準液、(4)はガラス管、(5)は修飾ガラス膜に密
着させた導電膜、(6)はリード線、(7)はリード線被覆、
(8)はプラスチツクス本体、(9)は管状修飾ガラス膜、(1
0)は内部電極、(11)は内部基準液、(12)はKCl溶液、(1
3)は試料流入口、(14)は同流出口である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−161544(JP,A) 特開 昭59−182357(JP,A) 特開 昭60−177256(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン選択性電極において、孔径10〜6
    00オングストロームの孔を有する多孔性ガラスの孔表
    面に化学結合によりイオン感応物質を直接固定化したこ
    とを特徴とする化学修飾ガラス膜イオン選択性電極。
JP60011635A 1985-01-24 1985-01-24 化学修飾ガラス膜イオン選択性電極 Expired - Lifetime JPH063428B2 (ja)

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JP60011635A JPH063428B2 (ja) 1985-01-24 1985-01-24 化学修飾ガラス膜イオン選択性電極

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JP60011635A JPH063428B2 (ja) 1985-01-24 1985-01-24 化学修飾ガラス膜イオン選択性電極

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JPS61170645A JPS61170645A (ja) 1986-08-01
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