JPH0633580A

JPH0633580A - 緩衝シート及びこれを用いた防音床材

Info

Publication number: JPH0633580A
Application number: JP8800992A
Authority: JP
Inventors: Sadakichi Sakanaka; 貞吉阪中; Sadamu Ikeda; 定池田; Kenzo Iwamoto; 憲三岩本
Original assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Current assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date: 1992-03-11
Filing date: 1992-03-11
Publication date: 1994-02-08
Anticipated expiration: 2012-06-25
Also published as: JP2623398B2

Abstract

(57)【要約】【目的】耐圧縮性と共に衝撃吸収性を有し、そして全
周波数領域にわたって床衝撃音レベルを減少させる。【構成】防音床材は化粧合板３と基材合板４とからな
る合板層２の片面にスリット５を設け、このスリット５
を有する面に緩衝シート６を貼着した構成からなってい
る。上記緩衝シート６の内面側７が基準面８から窪んだ
形状の凹部９と基準面８から突出して合板層２に接する
接着部１０とを有し、一方外面側１５が下地面に接する
突出した座部１９を***部１７の頂部に具備していると
ともに、該***部１７が内面側７の凹部９と同じ位置に
あり、しかも内面側７及び外面側１５には空気を連通さ
せる空気通路１３をそれぞれ有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は緩衝シート及びこれを用
いた防音床材に係り、集合住宅、ホテル等の床に敷設し
て防振、防音そしてクッション性を改善した緩衝シート
及びこれを用いた防音床材に関する。

【０００２】

【従来の技術】今日、集合住宅等における階上からの衝
撃振動音、具体的には直接床面を刺激する人の足音等
が、床材等の固体に振動や衝撃を与え、それによる曲げ
波が固体中を伝播し、階下の部屋で放出すると言われて
いる。このような衝撃振動音を改良するために、柔らか
な仕上材で床に加わる衝撃力を緩和する方法、あるいは
床の曲げ剛性と質量を大きくして床構造を振動しにくく
する方法がある。前者の方法は軽量衝撃音に対して有効
であり、例えばコンクリート基材の上に、カーペットあ
るいはクッションシートなどを敷設する方法があり、ま
た後者の方法は重量衝撃音に対して有効で、例えばコン
クリートスラブの厚み等が検討されている。

【０００３】しかしながら、今日、重量衝撃音は床材の
種類に関係なく、コンクリートスラブの厚み等の建築構
造枢体に影響されるので、軽量衝撃音の改良が数多くな
され、種々の床材が開発されている。例えば、特公昭５
６−２３５０９号公報に開示されている防音床材は弾性
成形板、床下地材そして床仕上材の３層構造とし、床下
地材として分割した単体を相互に接触させずに敷設して
各単片を音響的に独立させている。また、４層構造の床
材としては、例えば緩衝材の上に貫通あるいは半貫通の
スリットを設けた仕上材、可撓性薄板そして木質床化粧
板が順次積層した構成のものが特開昭６２−１５６４７
１号公報に開示されている。

【０００４】一方、今日では床材の層構造と共にこれを
構成する材料を改善することも試みられている。そのう
ち、緩衝材としてはガラスウール、ロックウール等の無
機質繊維板、またポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリエチレン等の有機質発泡
体が使用されている。しかし、上記緩衝材はその硬度が
小さくなる程、床衝撃音を防止する効果があるが、その
反面床上から荷重が加わった場合には圧縮変形が大きく
なり、実使用出来ない場合もあって、耐圧縮性と衝撃吸
収性を保持するためには少なくとも１０ｍｍ以上の厚さ
を必要とした。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧合
板を使用した防音床材はある程度の遮音効果を発揮して
いるが、全周波数領域にわたると共に、特に低周波数領
域で遮音効果を発揮するものが望まれている。これを満
足する床材は今だないのが現状である。一方、緩衝材が
衝撃吸収性と耐圧縮性の両方を満足するためには少なく
とも１０ｍｍ以上の厚みを必要としたが、これは床材の
総厚みを増して建造物の床高さに制約を与えていた。ま
た、緩衝材の厚みが１０ｍｍ以上になると、そのコスト
も高くなる問題もあった。本発明はこのような点を改善
するもので、耐圧縮性とともに衝撃吸収性を有し、そし
て全周波数領域にわたって床衝撃音レベルを減少させた
緩衝シート及びこれを用いた防音床材を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明における防音床材に付着する緩衝シートは、
緩衝シートの一方の面が基準面から窪んだ形状の凹部と
基準面から突出した接着部とを有し、他方の面が座部を
***部の頂部に具備しているとともに、該***部が凹部
と同じ位置にあり、しかも両表面には内在する空気を連
通させる空気通路がそれぞれ形成されている。また、本
発明の防音床材は、化粧合板と基材合板とからなる合板
層の片面にスリットを設け、このスリットを有する面に
緩衝シートを貼着した構成からなり、上記緩衝シートの
内面側が基準面から窪んだ形状の凹部と基準面から突出
して合板層に接する接着部とを有し、一方外面側が下地
面に接する座部を***部の頂部に具備しているととも
に、該***部が内面側の凹部と同じ位置にあり、しかも
内面側及び外面側には内在する空気を連通させる空気通
路がそれぞれ形成されている。また、***部の頂部に設
けられた座部が突出体であってもよい。

【０００７】以下、本発明を添付図面に従って説明す
る。図１は本発明の防音床材の要部断面図であり、防音
床材１は、化粧合板３とスリット５を有する基材合板４
とを積層した合板層２と、前記基材合板４のスリット５
を設けた面に緩衝シート６を順次積層した構成よりなっ
ている。上記緩衝シート６は、その内面側７において、
図３に示すように基準面８から窪んだ形状の凹部９と基
準面８から突出して合板層に接する接着部１０とを有
し、凹部９と接着部１０とは格子状に規則正しく配列し
ている。上記接着部１０は芯部１１とこれを囲む同心円
状のリング部１２からなり、リング部１２は緩衝シート
６と基材合板４との接着力を調節するとともに、芯部１
１を補強し、また緩衝シート６のクッション性の向上に
寄与している。上記接着部１０間には空気通路１３が形
成されている。これは各凹部９に内在する空気を他の凹
部９へと連通させ、緩衝シート６のクッション性を向上
させている。

【０００８】一方、上記緩衝シート６の外面側１５、即
ち下地面１８に接する面は、図４に示すように基準面１
６から突出した***部１７が格子状に規則正しく配列さ
れ、この***部１７の頂部には下地面１８に接する座部
１９が設けられている。座部１９は突出した円筒体ある
いは棒状体であり、下地面１８との接触面積が小さくな
るように配慮され、そして他の領域は下地面１８から不
陸して空気を連通させるようになっている。しかも、座
部１９は緩衝シート６が荷重を受けた場合にも、防音性
が低下しないように空気通路１３を確保するようになっ
ている。

【０００９】このように、前記緩衝シート６は内面側７
で局部的に基材合板４に接合し、他方外面側では***部
１７の頂部に設けた座部１９のみで下地面１１に接する
形態であるため、基材合板４から伝播する衝撃音が下地
面１８へ直接伝わりにくい状態になっている。しかも、
上記緩衝シート６の内面側７と外面側１５には内在する
空気を連通させる空気通路１３が形成されているため
に、クッション性はもとより上記空気を多量に内在させ
ていることにより衝撃音を吸収する効果もある。勿論、
上記緩衝シート６はＮＲ、ＳＢＲ、ＥＰＤＭ等のゴム、
あるいはウレタン等のエラストマーであるため、衝撃音
を一部吸収して減衰させる効果もある。

【００１０】本発明において、上記緩衝シート６の下地
面１８への接地面積率や基材合板４への接地面積率は、
***部の頂部の設けた座部１９あるいは接着部１０の占
有面積を基材合板４の表面面積で除したものである。通
常、座部１９の接地面積率は最大１０％であり、一方接
着部１０の接地面積率は最大２０％である。これを越え
ると、衝撃音が基材合板４から下地面１１へ伝播しやす
くなり、防音性に欠ける。とりわけ、座部１９の接地面
積率は防音性能に影響を与えている。尚、この緩衝シー
ト６の厚みは０．２〜２．５ｍｍ程度である。

【００１１】ここで使用される合板層２は厚さ６〜１０
ｍｍで、化粧合板３とスリット５を有する基材合板４と
の積層体、もしくはスリット５を有する基材合板４で構
成されている。これらの材質は、ブナ、シラ、ラワン等
を素材とするものである。また、基材合板４に設けたス
リット５は衝撃音を放出、拡散させる上で連通している
のが好ましく、その面積の占有率は１０〜６０％であ
る。

【００１２】また、防音床材１は化粧合板３とスリット
５を有する基材合板４との間に制振シート２０が介在さ
れ、前記基材合板４のスリットを有する面に前記緩衝シ
ート６とを順次積層した構成よりなっている。前記制振
シート２０はゴム系発泡体、オレフィン系発泡体、ウレ
タン系発泡体である。

【００１３】一方、図５に示す防音床材１は基材合板４
と緩衝シート６間に発泡体層２１を介在させ、よりクッ
ション性を付与したものである。ここで使用する発泡体
層２１はポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビ
ニルアセテート共重合体（ＥＶＡ）、エチレン−エチル
アクリレート共重合体（ＥＥＡ）、エチレン−メチルメ
タクリレート共重合体（ＥＭＭＡ）等のポリオレフィン
系共重合体、ポリウレタン、ゴムの独立気泡を有する発
泡体、もしくは汎用の無機充填材を添加したもので、特
に好ましくは前記重合体１００重量部に無機充填材とし
て水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム又はマイカ
を５〜２００重量部を添加した組成を有し、あるいは軟
質ポリウレタン１００重量部にマイカを３〜３０重量部
を添加した組成を有し、発泡倍率５〜３０程度の架橋型
の独立気泡をもつ発泡体である。この発泡体層の厚さは
２〜１０ｍｍである。この発泡体層２１の表面にはシボ
等のパターンを設けてもよい。勿論、発泡体層２１の代
わり、不織布等の繊維部材を用いることも出来る。

【００１４】

【作用】上記本発明では、緩衝シート６の内面側７が局
部的に基材合板４に接合し、他方外面側１５では中空状
の***部１７の頂部に設けた座部１９が下地面１８に接
し、更に内外面側７、１５に空気を連通する空気通路１
３を形成しているため、基材合板４から伝播する衝撃音
を下地面１８へ直接伝わりにくくし、また衝撃音を一部
吸収して減衰させるととに、クッション性と耐圧縮性と
を向上させる。しかも、本発明では***部１７の頂部に
設けた座部１９が突出し、下地面１８に接する面積が小
さく制限されるために、より一層基材合板４から伝播す
る衝撃音が下地面１８へ直接伝わりにくくしている。

【００１５】

【実施例】次に本発明の防音床材の具体的な実施例につ
いて詳述する。実施例１厚さ２．５ｍｍの化粧合板、厚さ１．５ｍｍの制振シー
ト（天然／ＳＢＲゴム発泡体）、厚さ５．５ｍｍの基材
合板（占有率２８％のスリットを有する６プライのブナ
単体）、そして厚さ１ｍｍの緩衝ゴムシートを順次積層
して図１に示す防音床材を得た。尚、緩衝シートは表１
に示すゴム配合を用いて厚さ１ｍｍのシートを作製した
後、これを半球面状の***部を設けた下型に設置した
後、ほぼ同形状の上型をかぶせ、かかる金型１５３℃、
１０分間放置して加硫した。得られた緩衝シートは、図
３、４に示すパターンと同じであり、***部頂部に設け
た座部の突出量は約１ｍｍであり、該座部の接地面積率
を５と７％に設置した。

【００１６】

【表１】

【００１７】上記防音床材の衝撃音レベルの測定は、緩
衝ゴムシートをスラブコンクリート床面に面するように
設置し、ＪＩＳＡ−１４１８に準じて行った。また、耐
荷重性は防音床材に８ｋｇ／ｃｍ²の荷重を与えたとき
にの床材の撓み量を示す。これらの結果を表２示す。ま
た、図６に床衝撃音レベルとオクターブ帯域中心周波数
との関係を示す。

【００１８】実施例２実施例１と同様の化粧合板、制振シート、基材合板、そ
して厚さ２ｍｍ、目付け量２００ｇのポリエステル長繊
維からなる不織布、更に実施例１と同じ接地面積率７％
の緩衝シートを用い、これらを順次積層した防音床材を
得た。得られた防音床材の床衝撃音レベルと耐荷重性と
の測定結果を表２に、また図６に床衝撃音レベルとオク
ターブ帯域中心周波数との関係を示す。

【００１９】実施例３実施例１と同様の化粧合板、制振シート、基材合板、そ
して厚さ２ｍｍで発泡倍率３０倍のポリオレフィン発泡
体を順次積層し、更に実施例１と同じ接地面積率５％の
緩衝シートを貼着して防音床材を得た。得られた防音床
材の床衝撃音レベルとの測定結果を表２に、また図６に
床衝撃音レベルとオクターブ帯域中心周波数との関係を
示す。

【００２０】実施例４実施例１の防音床材から厚さ１．５ｍｍの制振シート
（天然／ＳＢＲゴム発泡体）を除いた構成に防音床材を
得た。得られた防音床材の床衝撃音レベルとの測定結果
を表２に示す。

【００２１】比較例１実施例１と同様の化粧合板、制振シート、基材合板、そ
して厚さ１ｍｍで座部を持たない断面台形状の***部を
有する緩衝シート（接地面積率６０％）を積層して防音
床材を得た。この床材の床衝撃音レベルを測定したその
結果を表２に、また図６に床衝撃音レベルとオクターブ
帯域中心周波数との関係を示す。

【００２２】比較例２実施例１と同様の化粧合板、制振シート、基材合板、そ
して厚さ２ｍｍ、目付け量２００のポリエステル長繊維
からなる不織布を使用し、これらを順次積層したものを
防音床材とし、この床材の床衝撃音レベルを測定した。
その結果を表２に、また図６に床衝撃音レベルとオクタ
ーブ帯域中心周波数との関係を示す。

【００２３】比較例３実施例１と同様の化粧合板、制振シート、基材合板、そ
して厚さ４ｍｍ、発泡倍率３０倍のポリオレフィン系発
泡体を使用し、これらを順次積層したものを防音床材と
し、この床材の床衝撃音レベルを測定した。その結果を
表２に示す。

【００２４】

【表２】

【００２５】このように本実施例では座部を有する緩衝
シートの下地面への接地面積率を５〜７％にすることに
より、Ｌ値が４３〜４９になり、優れた防音性を有し、
特に低周波数の床衝撃音レベルが減少していることが判
る。しかし、座部のない接地面積率の大きい緩衝シート
を使用すると低周波数から高周波数にわたって床衝撃音
レベルが高くて、Ｌ値が上昇し、しかも耐荷重性にも優
れている。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明では、緩衝シート
が内面側及び外面側で局部的に基材合板と下地面に接
し、しかも内面側及び外面側に内存する空気が連通する
ため、まず基材合板からの衝撃音は容易に下地面へ伝播
しにくくなり、しかもその衝撃音を一部吸収して減衰さ
せるために防音性が向上する効果があり、更にはクッシ
ョン性と耐荷重性にも優れる。特に、***部の頂部に設
けた突出した座部のみが下地面に接触し、しかも荷重が
かかってもこの状態が維持されるため、基材合板からの
衝撃音が下地面へ直接伝播しにくくなって防音性が一段
と向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防音床材の部分斜視図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】本発明の防音床材に使用する緩衝シートを内面
側から見た平面図である。

【図４】本発明の防音床材に使用する緩衝シートを外面
側から見た平面図である。

【図５】本発明の他の実施例である防音床材であって図
２に相当する断面図である。

【図６】防音床材の床衝撃音レベルとオクターブ帯域中
心周波数との関係を示すグラフである。

【符号の説明】

１防音床材２合板層３化粧合板４基材合板５スリット６緩衝シート７内面側８基準面９凹部１０接着部１３空気通路１５外面側１７ ***部１８下地面１９座部

【手続補正書】

【提出日】平成５年６月４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１７】上記防音床材の衝撃音レベルの測定は、
緩衝ゴムシートをスラブコンクリート床面に面するよう
に設置し、ＪＩＳＡ−１４１８に準じて行った。また、
耐荷重性は防音床材に４ｋｇ／ｃｍ²の荷重を与えたと
きにの床材の撓み量を示す。これらの結果を表２示す。
また、図６に床衝撃音レベルとオクターブ帯域中心周波
数との関係を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】防音床材に使用する緩衝シートであり、
緩衝シートの一方の面が基準面から窪んだ形状の凹部と
基準面から突出した接着部とを有し、他方の面が***部
の頂部に座部を具備しているとともに、該***部が凹部
と同じ位置にあり、しかも両表面には内在する空気を連
通させる空気通路がそれぞれ形成されていることを特徴
とする緩衝シート。
【請求項２】化粧合板と基材合板とからなる合板層の
片面にスリットを設け、このスリットを有する面に緩衝
シートを貼着した防音床材において、上記緩衝シートの
内面側が基準面から窪んだ形状の凹部と基準面から突出
して合板層に接する接着部とを有し、一方外面側が下地
面に接する座部を***部の頂部に具備しているととも
に、該***部が内面側の凹部と同じ位置にあり、しかも
内面側及び外面側には内在する空気を連通させる空気通
路がそれぞれ形成されていることを特徴とする防音床
材。
【請求項３】 ***部の頂部に設けられた座部が突出体
である請求項１または２記載の防音床材。
【請求項４】化粧合板と基材合板との間に制振シート
が介在している請求項２記載の防音床材。
【請求項５】基材合板と緩衝シートとの間に発泡層あ
るいは不織布が介在している請求項２記載の防音床材。