JPH0633397A

JPH0633397A - オフセット印刷用塗工紙

Info

Publication number: JPH0633397A
Application number: JP18953792A
Authority: JP
Inventors: Yukihiro Suzuki; 幸浩鈴木
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1992-07-16
Filing date: 1992-07-16
Publication date: 1994-02-08
Anticipated expiration: 2016-04-16
Also published as: JP3157044B2

Abstract

(57)【要約】【目的】高速オフセット印刷に耐える高い塗層強度を
持つオフセット印刷用塗工紙を提供する。【構成】顔料中に炭酸カルシウムを８０％以上含み、
３級アミン又は４級アンモニウム塩基を２０％以上含む
カチオン性水溶性高分子を顔料１００重量部に０．０２
〜０．５重量部、非イオン性高分子を同０．１〜１．５
重量部添加し、湿式粉砕処理を施し、平均粒子径１．１
〜５．０μｍとした顔料スラリーを含む下塗り塗液を塗
設したオフセット印刷用塗工紙。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新規なオフセット印刷
用塗工紙に関するものである。更に詳しくは、優れたオ
フセット印刷適性、特に高い耐ピック抵抗を有するオフ
セット印刷用塗工紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、塗工の印刷、特にオフセット印刷
における高速化が進み、それに耐え得る塗工紙が必要に
なってきている。特に、高速印刷に耐え得る塗工紙の高
いピック強度が必要であると同時に、近年の市場におけ
る画像情報の再現性への要求度も高まり、高い印刷光沢
やインキの着肉性等が要求されている。

【０００３】これらの要求に対して、一般的に澱粉、合
成高分子ラテックス等の接着剤添加量を増大させること
によりオフセット印刷適性、特にピック強度を向上させ
ることができる。しかしながら、澱粉添加量を大幅に増
大させて、ピック強度を向上した場合、塗液粘度が大幅
に上昇し、コーターでの塗工適性が低下するため、塗液
濃度を低下させる必要がでてくる。その結果、白紙光沢
や印刷後の光沢が低下し、また接着剤層が被膜形成する
ため、オフセット印刷インクの着肉性も低下する。更
に、合成高分子ラテックス添加量を大幅に増大させた場
合も、接着剤層が被膜形成し、オフセット印刷インクの
着肉性が低下する。この傾向は、原紙がパルプ繊維の水
酸基、カルボキシル基によりアニオン性であり、塗液も
接着剤のカルボキシル基等によりアニオン性であるた
め、塗液中の接着剤が塗工時に原紙に浸透することによ
って助長される。これを防ぐ為、塗液の保水性を向上さ
せる工夫がいくつか成されている。例えば、カルボキシ
メチル化セルロースの様に水溶液が著しく高粘度となる
水溶性高分子を塗被組成物中に添加することがある。し
かしながら、この様な保水性向上剤に依る効果は限られ
ており、塗液の粘度が上昇する為、かえって塗工時の塗
液濃度が低下し印刷適性が向上しないこともある。

【０００４】一方、特開平１−９７２９６号公報に開示
されているように、原紙を構成するパルプ繊維表面がア
ニオン性に荷電していることから、塗液の極性をカチオ
ン性として原紙への塗液の浸透を防ぎ、オフセット印刷
適性を向上させようとする考え方もある。しかしなが
ら、この様に塗液をカチオン化した場合、塗液の粘度が
かなり上昇し、塗工時にかえって塗工濃度が低下し、印
刷適性が向上しないことがある。また、カオリンを顔料
として用いると、アニオン基を封鎖する為、多量のカチ
オン化剤を使用しなければならないので、費用が増大す
るだけでなく、液性も悪化する。このため、炭酸カルシ
ウム等が顔料の主体となり、結果的に白紙の光沢が低く
なってしまう。

【０００５】また、特開昭５５−１３７３５号公報に開
示されているように、機械的処理により比表面積を１％
以上増加させて活性化した無機顔料表面に、１種以上の
カチオン性高分子電解質処理した顔料を用いる考え方も
あるが、特開平１−９７２９６号公報の場合と同様の問
題を含んでいるだけでなく、顔料スラリー濃度を５０％
以上に上昇させると、著しく粘度が上昇し、塗工適性が
著しく悪化する為、低濃度で塗工を行うこととなり、白
紙光沢、印刷光沢が低下してしまう。

【０００６】また、多層塗工を行ない塗工層を形成する
ことにより、上塗り層の印刷適性を向上させることがで
き、生産効率も上げることができる。この為、多層塗工
紙、特にダブル塗工紙が普及してきている。しかしなが
ら、多層塗工した場合、下塗り塗液も原紙も共にアニオ
ン性であるため、原紙に最も近い下塗り層の塗液から接
着剤等が多量に原紙に浸透し、下塗り層の塗工量も少な
くなるため、下塗り層に多量の接着剤を必要とする。ま
た、下塗り層に多量の接着剤を配合することから、下塗
り層の接着剤が気体を透過し難い被膜を形成するため、
オフセット輪転印刷時にブリスターの問題を起こし易
い。ゲートロールコーター等のロールコーターで下塗り
を行なった場合に塗液の押し込み圧が小さくなるため、
この傾向が著しくなって現われる。下塗り層の接着剤を
澱粉等の水溶性高分子主体にして多量に配合すると、塗
液の粘度が著しく上昇し、コーターでの塗工が難しくな
り、接着剤の配合量が限定されてしまう。そこで、塗液
の粘性への影響が少ないが、高価な合成高分子ラテック
スを多量に配合する必要が生ずる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、高いオフセット印刷適性、特に高いピッ
ク抵抗を持ち、塗工適性の優れた多層塗工紙を、優れた
操業性のもとに得ることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のオフセット印刷
用塗工紙は、原紙の片面あたり２層以上の塗層を設けた
オフセット印刷用塗工紙において、最も原紙に近い下塗
り層の塗被組成物が、顔料スラリー及びカチオン性バイ
ンダーからなり、該顔料スラリーが、顔料中に、３級ア
ミン又は４級アンモニウム塩基を２０％以上含むカチオ
ン性水溶性高分子及びノニオン性水溶性高分子を、それ
ぞれ顔料１００重量部に対して０．０２〜０．５重量
部、０．１〜１．５重量部添加し、湿式粉砕処理により
平均粒子径１．１〜５．０μｍとしたものであり、且つ
顔料中の８０重量％が炭酸カルシウムであることを特徴
とするものである。

【０００９】また、本発明のオフセット印刷用塗工紙に
おいて、ノニオン性水溶性高分子は、ポリエチレンオキ
サイド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシエチル化澱粉から選ばれる１種以上
を用いることを特徴とするものである。

【００１０】本発明に適用する下塗り層の塗被組成物に
おいて、顔料中の炭酸カルシウムの割合が８０％未満と
なると、塗液の粘度が著しく上昇し、更に塗液中に微細
な凝集物が生じ易くなる。この為、塗工適性は低下し、
塗工後の塗層強度も著しく低下する。本発明において、
使用される炭酸カルシウムは、例えば、乾式粉砕した重
質炭酸カルシウム、カルサイト系軽質炭酸カルシウム、
アラゴナイト系軽質炭酸カルシウム等が挙げられる。

【００１１】本発明に用いるカチオン性水溶性高分子
は、３級アミン又は４級アンモニウム塩基として、ビニ
ルトリメチルアンモニウムクロライドモノマー、２−メ
タクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライドモノマー、Ｎ−アクリルアミドエチルトリメチル
アンモニウムクロライドモノマー、アクリルアミド・ジ
アリルアミン共重合体モノマー等のカチオン系モノマー
を２０％以上含む必要があり、２０％未満では塗液の粘
度が上昇し、塗層強度の改善効果も得られない。又、顔
料１００部に対する添加量が０．０２重量部未満では、
スラリー粘度が著しく上昇し、湿式粉砕が難しく平均粒
子径を必要な水準に納めることができない。また、０．
５重量部を超えると粘度の上昇が著しくなり、好ましく
ない。

【００１２】本発明に用いるノニオン性水溶性高分子
は、顔料１００部に対する添加量が０．１重量部未満で
は、顔料スラリー粘度が上昇し、湿式粉砕が難しく平均
粒子径を必要な水準に納めることができず、更に塗工後
の乾燥工程において顔料の脱離が起こり、紙粉の原因と
なる。又、１．５重量部を超えると、粘度の上昇が著し
く、湿式粉砕の効率が低下する。ノニオン性水溶性高分
子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
サイド、ハイドロキシエチルセルロース、ハイドロキシ
エチル化澱粉、澱粉、デキストリン、デキストラン、ポ
リアクリルアミド等が使用できるが、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンオキサイド、ハイドロキシエチルセ
ルロース、ハイドロキシエチル化澱粉が望ましい。特に
望ましいものとしては、ポリビニルアルコールである。

【００１３】湿式粉砕した後の顔料スラリーの平均粒子
径は、５．０μｍを超えると、塗工後の乾燥工程での顔
料脱離が著しく、工程のロールが汚れてしまう。１．１
μｍ未満では、塗層強度が得られ難くなる。

【００１４】本発明のカチオン性バインダーは、カチオ
ン化澱粉、カチオン化アクリルエマルジョン、カチオン
化スチレンブタジエンラテックス、カチオン化エチレン
−酢酸ビニル共重合体、カチオン化スチレン−アクリル
共重合体、カチオン化酢酸ビニル−アクリル共重合体、
カチオン化ブタジエン−メチルメタクリル共重合体、カ
チオン化酢酸ビニル−ブチルアクリレート共重合体、カ
チオン化ポリビニルアルコール、カチオン化大豆蛋白質
等が挙げられるが、特に望ましいものとしてはカチオン
化澱粉、カチオン化アクリルエマルジョンである。カチ
オン澱粉の原料は、コーンスターチ、タピオカ、馬齢薯
等を用いることができ、カチオン化は、２−ジエチルア
ミノエチルクロリド等を用いて第３級アミン型にする、
もしくは２，３エポキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロリド等を反応させた第４級アンモニウム塩型とす
ることにより調製される。

【００１５】本発明の塗被組成物を使用して、漉き上げ
た原紙に下塗り層として塗工することにより、原紙と下
塗り層の接着強度、及び下塗り層自体の強度が増す。更
には、通常のオフセット印刷用塗工紙の上塗り塗被組成
物配合中には、各種アニオン性水溶性接着剤等が含まれ
る為、下塗り層との界面において、上塗り塗被組成物が
固化し、上塗り層と下塗り層の接着強度が増す。この様
に、本発明の印刷塗工紙は、ピック強度が高くなるた
め、下塗り塗被組成物の接着剤配合量を削減することが
できる。更に、下塗り層をカチオン化することにより、
下塗り層の空隙率が増し、透気性が増大する為、オフセ
ット輪転印刷時の耐ブリスター性が一段と向上する。

【００１６】本発明で用いる他の接着剤としては、ポリ
ビニルアルコール、等の合成バインダー、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれら
をフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、カゼ
イン、大豆蛋白等の天然系接着剤、又はこれら接着剤を
カチオン化したものが挙げられる。これらはまた必要に
応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、
着色剤等の通常用いられている各種助剤、又はこれらの
各種助剤のカチオン化したものが適宜使用できる。

【００１７】本発明で用いる顔料としては、カオリン、
炭酸カルシウム、クレー、サチンホワイト、タルク、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、焼成カオリ
ン、酸化亜鉛、活性白土、酸性白土、珪素土、レーキ、
プラスチックピグメント等が挙げられるが、分散にはカ
チオン分散剤を必要とし、場合によっては低分子のカチ
オン活性剤を添加しアニオン基を封鎖する必要もある。

【００１８】本発明に用いられる原紙は、ＬＢＫＰ、Ｎ
ＢＫＰ等の化学パルプ、ＧＰ、ＰＧＷ、ＲＭＰ、ＴＭ
Ｐ、ＣＴＭＰ、ＣＭＰ、ＣＧＰ等の機械パルプ、ＤＩＰ
等の古紙パルプ、等の各種パルプを含み、軽質炭酸カル
シウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリ
ン等の各種の填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、カ
チオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を含み、酸性、
中性、アルカリ性で抄造される。本発明の原紙には、ノ
ーサイズプレス原紙、澱粉、ポリビニルアルコール等で
サイズプレスされた原紙等が用いられる。

【００１９】本発明による塗被組成物を原紙に塗工する
方法は、特に限定されるものではなく、各種ブレードコ
ーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バー
コーター、ロッドブレードコーター、ショートドゥェル
コーター等の通常の各種塗工装置を用い、２層以上塗工
する。各層を塗工する毎に、あるいは２層以上連続して
塗工した後、塗工紙を乾燥する。かくして塗工、乾燥し
た塗工紙は、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、
ソフトカレンダー処理等を施す。

【００２０】

【実施例】以下で、実施例を用い、更に詳細に本発明の
効果を説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。なお、実施例中の「部」および「％」はそれ
ぞれ「重量部」および「重量％」を示す。

【００２１】本発明のオフセット印刷用塗工紙につい
て、その評価方法を以下に示す。１）平均粒子径：リーヅ・アンド・ノースロップ製マイ
クロトラック７９９５−３０ＳＰＡ型で測定し、体積加
重平均粒子径を求めた。２）粘度：Ｂ型粘度計を用い、２５℃の温度、６０ｒｐ
ｍの条件で測定。３）白紙光沢度：ＪＩＳＰ８１４２に従い、角度７５度
で測定した。（単位：％）４）重色印刷光沢度：サンプルをローランドオフセット
印刷機にて印刷し、一昼夜室温にて放置し、サンプルの
ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの４色重ね刷り
ベタ印刷部について、６０度の角度で光沢を測定した。
（単位：％）５）ピック強度：ＲＩ印刷機（明製作所）を用いてＩＰ
Ｉインキにより印刷し、印刷面のピッキングの程度を目
視判定した。５段階評価で５が最も良い水準。許容限度
はランク３。６）耐ブリスター性：試験片の両面に市販オフセット輪
転印刷用インキをＲＩ印刷機にて印刷し、その試験片を
アルミフォイルで包み、３００℃のシリコンオイル中に
５秒間入れ、そのブリスターの出方を目視判定した。５
段階評価で５が最も良い水準である。７）顔料の脱離程度：下塗り塗液等を塗工後の乾燥工程
でのロールの汚れ程度で５段階の評価を行い、ランク５
を最も良い水準とした。許容限度はランク３。

【００２２】実施例１〜７及び比較例１〜６１．原紙配合ＬＢＫＰ（瀘水度350mlcsf）３０部ＮＢＫＰ（瀘水度420mlcsf）７０部２．内添薬品炭酸カルシウム（*原紙中灰分量で表示。） *１０部市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤（ＡＫＤ）０．０３部市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留り向上剤０．０３部上記１及び２の配合によりパルプスラリーを調製し、５
０ｇ／ｍ²の坪量（絶乾）の原紙を抄造した。この原紙
に、ゲートロールコーターを用いて、表１〜表３に示し
た配合の下塗り塗液を４９％塗液濃度で片面あたり塗工
量３ｇ／ｍ²塗工し、乾燥した。

【００２３】３．実施例、比較例の湿式粉砕顔料スラリ
ーの作成粉砕前の炭酸カルシウムは、三共精粉株式会社製Ａグレ
ード（比表面積７０００ｃｍ²／ｇ）を用い、カチオン
性分散剤として、以下の３種類を用いた。Ａ）（トリメチル・エチル・アンモニウム・クロライ
ド）メタクリレートモノマー：アクリルアミド＝９０：
１０の組成の共重合体Ｂ）（トリメチル・エチル・アンモニウム・クロライ
ド）メタクリレートモノマー：ビニルアルコール＝３
０：７０％の組成の共重合体Ｃ）（トリメチル・エチル・アンモニウム・クロライ
ド）メタクリレートモノマー：アクリルアミド＝１０：
９０の組成の共重合体ノニオン性水溶性高分子は、以下の３種を用いた。Ｄ）ポリビニルアルコール（クラレ製ポバール１０５）Ｅ）ポリエチレンオキサイド（製鉄化学製ＰＥＯ５００
０）Ｆ）市販ポリアクリルアミド（分子量１００００）湿式粉砕ミルは、アシザワ株式会社製アジテータミルＬ
ＭＥ２０型を用い、粉砕条件は、ビーズ充填率８０％、
回転数９６０ｒｐｍ、ジルコニアビーズ（平均径１．０
ｍｍ）、処理流量３．５ｌ／分の条件で、顔料スラリー
を６５％固形分濃度として処理を行った。実施例７は２
パス処理、比較例５は３パス処理、比較例４の流量は５
ｌ／分とした。

【００２４】下塗り塗液の配合カオリンは、エンゲルハルト社製ウルトラコート、ラテ
ックスは、市販のカチオン化アクリルエマルジョン（大
日本インキ工業製ＳＦＣ５４）を用いた。カチオン化澱
粉はコーンを原料とし、１０％溶液粘度が３０℃で２０
CPSである４級アンモニウムアルキル化した澱粉で、置
換度０．０４のものを用いた。バインダー部数は以下の
通り。カチオン化アクリルエマルジョン１５部カチオン化澱粉１５部

【００２５】この下塗り紙に対して、ブレードコーター
で下記の配合からなる固型分濃度６０％の塗液を片面１
３ｇ／ｍ²塗工し、乾燥した。上塗り塗液配合市販１級カオリン（ウルトラホワイト９０）３０部市販２級カオリン（ウルトラコート）４０部市販湿式重質炭酸カルシウム（カービタル９０）３０部市販ポリアクリル酸系分散剤０．１部市販燐酸エステル化澱粉４部市販スチレンブタジエンラテックス（ＪＳＲ０６１７）１２部ステアリン酸カルシウム０．３部水酸化ナトリウム０．１５部製造した塗工紙について、以下の条件でスーパーカレン
ダー処理を行った。

【００２６】スーパーカレンダー条件段数１０段剛性ロールチルドロール、外径４００ｍｍ弾性ロールコットンロール、外径４２０ｍｍ処理速度４００ｍ／分線圧２２０Ｋｇ／ｃｍ続いて、上塗り層の塗工に際して、上塗り塗液配合、塗
工方法並びにスーパーカレンダー条件は、上記の条件と
同じとした。各実施例、比較例の結果は、表１〜表３に
まとめた。

【００２７】比較例７実施例１〜７と同じ配合、製造条件で抄造した原紙に対
して、ゲートロールコーターで、下記の下塗り塗液を片
面あたり塗工量４ｇ／ｍ²を塗工し、乾燥した。下塗り塗液の配合顔料として、乾式重質炭酸カルシウム（三共精粉株式会
社製エスカロン１５００）を用い、湿式粉砕を施さず、
分散剤にカチオン分散剤のみを用いた他は実施例１と同
じ方法で作成した。炭酸カルシウム（三共精粉株式会社製エスカロン１５００）１００部カチオン分散剤Ａ０．６部上記の下塗り塗液を塗工した後、実施例１〜１０と同様
の上塗り塗液配合、塗工方法で上塗り層を塗工し、同一
スーパーカレンダー条件で処理を施した。比較例７の品
質特性は、表３にまとめた。実施例１に比べると、顔料
脱落の程度が著しい。

【００２８】比較例８実施例１〜７と同じ配合、製造条件で抄造した原紙を使
用し、ゲートロールコーターで、下記の下塗り塗液を片
面あたり４ｇ／ｍ²の塗工量で塗工し、乾燥した。下塗り塗液の配合炭酸カルシウム（三共精粉株式会社製エスカロン１５００）１００部市販ホ゜リアクリル酸ソータ゛系分散剤０．６部市販スチレンブタジエンラテックス（日本合成ゴム製０６１７）１５部市販燐酸エステル化澱粉（日本食品化工製ＭＳ４６００）１５部上記の下塗り層を塗工した紙に、実施例１〜７と同様の
上塗り塗液配合、塗工方法で上塗り層を塗工し、同一ス
ーパーカレンダー条件で処理を施した。品質特性は表３
にまとめた。比較例８は実施例１に比べると、ピック強
度が低く、オフセット印刷に耐えられない水準である。

【００２９】

【表１】

【００３０】

【表２】

【００３１】

【表３】

【００３２】

【発明の効果】実施例から明らかなように本発明によ
り、高いオフセット印刷適性、特に耐ピック抵抗に優れ
たオフセット印刷用塗工紙を得ることができた。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】原紙の片面あたり２層以上の塗層を設け
たオフセット印刷用塗工紙において、最も原紙に近い下
塗り層の塗被組成物が、顔料スラリー及びカチオン性バ
インダーからなり、該顔料スラリーが、顔料中に、３級
アミン又は４級アンモニウム塩基を２０％以上含むカチ
オン性水溶性高分子及びノニオン性水溶性高分子を、そ
れぞれ顔料１００重量部に対して０．０２〜０．５重量
部、０．１〜１．５重量部添加し、湿式粉砕処理により
平均粒子径１．１〜５．０μｍとしたものであり、且つ
顔料中の８０重量％が炭酸カルシウムであることを特徴
とするオフセット印刷用塗工紙。
【請求項２】ノニオン性水溶性高分子が、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシエチル化澱粉から選ばれたも
のの１種以上を用いることを特徴とする請求項１記載の
オフセット印刷用塗工紙