JPH06329532A

JPH06329532A - 油中水型エアゾール組成物およびその製法

Info

Publication number: JPH06329532A
Application number: JP5121737A
Authority: JP
Inventors: Ryoichi Owada; 亮一大和田
Original assignee: OSAKA ZOSENJO KK
Current assignee: OSAKA ZOSENJO KK
Priority date: 1993-05-24
Filing date: 1993-05-24
Publication date: 1994-11-29
Anticipated expiration: 2016-04-25
Also published as: JP3161869B2

Abstract

(57)【要約】【目的】保存安定性および皮膚や頭髪などに対する親
和性にすぐれ、さっぱりとした使用感を与える油中水型
エアゾール組成物およびその製法を提供すること。【構成】油成分３〜50重量％、非イオン性界面活性剤
0.05〜10重量％および水成分50〜95重量％を含有してな
る原液50〜97重量％と液化ガス３〜50重量％とからなる
油中水型エアゾール組成物およびその製法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油中水型エアゾール組
成物およびその製法に関する。さらに詳しくは、保存安
定性および皮膚や頭髪などに対する親和性にすぐれ、さ
っぱりとした使用感を与え、たとえば化粧品、医薬部外
品、医薬品などに好適に使用しうる油中水型エアゾール
組成物、および煩雑な製造工程を必要とせず簡便に該組
成物を製造しうる方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、たとえば皮膚や頭髪用のクリーム
などに用いられるエアゾール組成物としては、皮膚や頭
髪の保護などの面で油中水型エアゾール組成物がすぐれ
ていることが知られている。

【０００３】しかしながら、前記油中水型エアゾール組
成物の原液を調製するには、各成分を加温し、たとえば
ホモミキサーなどで撹拌することが必要であるため、そ
の操作が非常に煩雑である。そのうえ、処方や製造条件
の設計を充分に行なったばあいであっても、大量生産時
においては、えられる油中水型エアゾール組成物の原液
にばらつきが生じ、管理が困難となったり、また使用時
のべたつきを減少させるために水分含量を増加させる
と、原液の粘度が上昇して乳化性がわるくなり、層分離
がおこりやすくなるという問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
の界面活性剤が少なくともいずれか一方に配合された特
定の配合割合の油成分と水成分とを混合してえられた原
液を用いたばあいには、保存安定性および皮膚や頭髪な
どに対する親和性にすぐれ、さっぱりとした使用感を与
える油中水型エアゾール組成物が簡単にえられることを
見出し、本発明を完成するにいたった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
油成分３〜50重量％、非イオン性界面活性剤0.05〜10重
量％および水成分50〜95重量％を含有してなる原液50〜
97重量％と液化ガス３〜50重量％とからなる油中水型エ
アゾール組成物、ならびに原液に対して、３〜50重量
％の油成分および0.05〜10重量％の非イオン性界面活性
剤と50〜95重量％の水成分とを混合して原液を調製し、
該原液50〜97重量％と液化ガス３〜50重量％とを混合す
ることを特徴とする油中水型エアゾール組成物の製法お
よび原液に対して、３〜50重量％の油成分と50〜95重
量％の水成分および0.05〜10重量％の非イオン性界面活
性剤とを混合して原液を調製し、該原液50〜97重量％と
液化ガス３〜50重量％とを混合することを特徴とする油
中水型エアゾール組成物の製法に関する。

【０００６】

【作用および実施例】本発明の油中水型エアゾール組成
物は、前記したように、油成分３〜50重量％、非イオン
性界面活性剤0.05〜10重量％および水成分50〜95重量％
を含有してなる原液50〜97重量％と液化ガス３〜50重量
％とからなるものである。

【０００７】前記原液に用いられる油成分は、皮膚や毛
髪に対する浸透性や光沢を付与したり、保護してその健
康な状態を維持し、伸展性を良好にするための成分であ
り、かかる目的のために用いることができるものであれ
ばとくに限定がないが、常温で液状を呈し、人体用のも
のであるという点から炭化水素類、植物油、動物油およ
び脂肪酸エステルから選ばれた少なくとも１種であるこ
とが好ましい。

【０００８】前記油成分の具体例としては、たとえば流
動パラフィン、たとえばアイソパーＡ、アイソパーＣ、
アイソパーＤ、アイソパーＥ、アイソパーＧ、アイソパ
ーＨ、アイソパーＫ、アイソパーＬ、アイソパーＭ（以
上、エクソン社製）などのイソパラフィン系炭化水素、
ワセリン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、ス
クワレンなどの炭化水素類；オリーブ油、アーモンド
油、ホホバ油、落花生油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム
油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、アボカド油、
ツバキ油、トウモロコシ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、
カカオ脂、ゴマ油、月見草油、紅花油、サザンカ油、大
豆油、ナタネ油などの植物油；ラノリン、ラノリン誘導
体、タートル油、ミンク油、ミツロウ、プリスタン、卵
黄油などの動物油；ブチルステアレート、ヘキシルラウ
レート、イソプロピルミリステート、オクチルドデシル
ミリステート、イソプロピルパルミテート、ジイソプロ
ピルアジペート、ジイソプロピルセバケートなどの脂肪
酸エステルなどがあげられ、これらは単独でまたは２種
以上を混合して用いることができる。

【０００９】原液に対する油成分の配合割合は、３〜50
重量％、好ましくは５〜40重量％である。かかる油成分
の配合割合が３重量％未満であるばあいには、えられる
油中水型エアゾール組成物の伸びがわるくなるようにな
り、また50重量％をこえるばあいには、油中水型エアゾ
ール組成物にべたつきが生じるようになる。

【００１０】前記原液に用いられる非イオン性界面活性
剤は、油中水型エアゾール組成物をうるための乳化剤と
して作用する成分である。

【００１１】前記非イオン性界面活性剤の具体例として
は、たとえばポリグリセリン脂肪酸エステル、デカグリ
セリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、
モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンラノリン、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型非イ
オン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルなどのエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシ
エチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油な
どのエーテルエステル型非イオン性界面活性剤などがあ
げられ、これらは単独でまたは２種以上を混合して用い
ることができるが、これらのなかでは、えられる油中水
型エアゾール組成物のべたつきを減少させるために後述
する水成分の配合割合を多くしたばあいであっても、乳
化力が低下しにくいという点からエステル型非イオン性
界面活性剤が好ましく、とくにポリグリセリン脂肪酸エ
ステルが好ましい。

【００１２】原液に対する非イオン性界面活性剤の配合
割合は、0.05〜10重量％、好ましくは0.1 〜７重量％で
ある。かかる非イオン性界面活性剤の配合割合が0.05重
量％未満であるばあいには、乳化力が不充分となって相
分離が生じ、目的とする油中水型エアゾール組成物がえ
られなくなるようになり、また10重量％をこえるばあい
には、界面活性剤そのもののべたつきが大きくなり、油
中水型エアゾール組成物にべたつきが生じるようにな
る。

【００１３】前記原液に用いられる水成分は、えられる
油中水型エアゾール組成物がさっぱりとした使用感を呈
するようにするための成分であり、かかる水成分にはと
くに限定がなく、通常エアゾール組成物に用いられる蒸
留水、イオン交換水などの精製水などを用いることがで
きる。

【００１４】原液に対する水成分の配合割合は、50〜95
重量％、好ましくは40〜90重量％である。かかる水成分
の配合割合が50重量％未満であるばあいには、えられる
油中水型エアゾール組成物のさっぱりとした使用感が低
下するようになり、また95重量％をこえるばあいには、
前記油成分、非イオン性界面活性剤などのそのほかの成
分の配合量が少なくなり、目的とする油中水型エアゾー
ル組成物がえられなくなるようになる。

【００１５】本発明に用いられる原液は、それぞれの所
望量が前記範囲内で調整された油成分、非イオン性界面
活性剤および水成分を混合することによって調製され
る。

【００１６】なお、本発明においては、かかる原液の調
製の際に、非イオン性界面活性剤を油成分または水成分
のいずれか一方のみに配合したのちに、かかる油成分と
水成分とを混合してもよく、油成分および水成分の両成
分に配合したのちに、かかる油成分と水成分とを混合し
てもよい。

【００１７】本発明に用いられる原液は、前記したよう
に、油成分、非イオン性界面活性剤および水成分を含有
したものであるが、これらのほかにも、たとえばインド
メタシン、ブフェキサマック、ケトプロフェン、デキサ
メタゾン、イオウ、トルナフテート、シリカマイクロビ
ーズ、たとえば酸化亜鉛などにシリコーン処理を施した
パウダーなどの親油性粉末；エタノール、イソプロパノ
ールなどの１価アルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、１，３−ブチレングリコー
ルなどの多価アルコールなどのアルコール類；酢酸−ｄ
ｌ−α−トコフェロール、アズレン、ｌ−メントール、
ｄｌ−カンフルなどの薬理活性物質；有効成分；香料；
メチルパラベンなどのパラ安息香酸エステルなどの防腐
剤；ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤；パ
ラジメチルアミノ安息香酸オクチル、メトキシケイ皮酸
オクチルなどの紫外線吸収剤などのたとえば化粧品、医
薬部外品、医薬品などに通常用いられる成分を、用途に
応じて本発明の目的が阻害されない範囲内で適宜選択し
て配合することができる。これらの成分は、原液を調製
する際に、前記油成分または水成分のいずれか一方のみ
に配合してもよく、両成分に配合してもよく、とくに限
定はない。

【００１８】なお、本発明においては、分散性がさらに
向上し、凝集がきわめて生じにくい油中水型エアゾール
組成物がえられるという点から、前記親油性粉末を、原
液に対して30重量％以下、なかんづく１〜15重量％の範
囲内で配合することが好ましい。かかる親油性粉末の配
合割合が30重量％をこえるばあいには、えられる油中水
型エアゾール組成物を用いてエアゾール製品としたとき
に、バルブなどで目詰まりをおこす可能性が生じる傾向
がある。

【００１９】本発明に噴射剤として用いられる液化ガス
としては、たとえばプロパン、ｉ−ブタンおよびｎ−ブ
タンを主成分とする液化石油ガス、ジメチルエーテル、
ジフルオロモノクロロエタン、モノクロロジフルオロメ
タン、テトラフルオロエタンなどのハイドロフルオロカ
ーボンなどがあげられ、これらは単独でまたは２種以上
を混合して用いることができるが、これらのなかでは乳
化性にすぐれ、目的とする油中水型エアゾール組成物を
容易にうることができるという点から液化石油ガスが好
ましい。

【００２０】前記原液と液化ガスとを混合し、軽く振盪
することによって本発明の油中水型エアゾール組成物が
えられる。

【００２１】前記原液と液化ガスとの配合割合は、原液
50〜97重量％、好ましくは60〜95重量％、すなわち液化
ガス３〜50重量％、好ましくは５〜40重量％である。か
かる原液の配合割合が50重量％未満、すなわち液化ガス
の配合割合が50重量％をこえるばあいには、えられる油
中水型エアゾール組成物を噴射させたときに飛散がいち
じるしくなったり、被噴射物への組成物の付着量が少な
くなるようになり、また原液の配合割合が97重量％をこ
える、すなわち液化ガスの配合割合が３重量％未満であ
るばあいには、噴射力が小さく、エアゾール組成物とし
ての機能を果たしにくくなる。

【００２２】かくしてえられる油中水型エアゾール組成
物を通常の方法でエアゾール用耐圧容器内に充填し、エ
アゾール用バルブを取り付けることによってエアゾール
製品とすることができる。

【００２３】前記エアゾール用耐圧容器にはとくに限定
がなく、通常用いられる容器を適用することができる。
また、該エアゾール用耐圧容器内に油中水型エアゾール
組成物を充填する際には、通常製品の内圧が35℃で８ｋ
ｇ／ｃｍ²・Ｇ以下、なかんづく７ｋｇ／ｃｍ²・Ｇ以
下となるように調整することが、安全性の面から好まし
い。

【００２４】なお、本発明においては、前記したよう
に、油成分または水成分のいずれか一方もしくは両成分
に非イオン性界面活性剤を配合し、該油成分および水成
分を混合してえられた原液と、液化ガスとを混合するこ
とによって油中水型エアゾール組成物を製造し、該組成
物をエアゾール用耐圧容器内に充填することができる
が、エアゾール用耐圧容器内に油成分と水成分とを別々
に充填して原液としたのち、該エアゾール用耐圧容器内
に液化ガスを充填し、内容物を振盪して混合することに
より、エアゾール用耐圧容器内において油中水型エアゾ
ール組成物を製造することもできる。

【００２５】前記油中水型エアゾール組成物の噴射形態
にはとくに限定がなく、たとえば霧状、フォーム状、ス
トリーム状、液滴状、ペースト状などがあげられる。

【００２６】本発明の製法は、煩雑な工程を必要とせ
ず、簡便にエアゾール組成物を製造しうる方法であり、
該製法によってえられるエアゾール組成物は、油中水型
のものであり、相分離がおこらず保存安定性にすぐれ、
また皮膚や頭髪などに対する刺激が少なく親和性にすぐ
れ、さらにべたつきがなくさっぱりとした使用感を与え
ることから、たとえば化粧品、医薬部外品、医薬品など
に好適に使用することができる。

【００２７】つぎに、本発明の油中水型エアゾール組成
物およびその製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもので
はない。

【００２８】実施例１表１に示す油成分（Ａ）および水成分（Ｂ）をエアゾー
ル用耐圧容器（満注量：160 ｍｌ）内に別々に充填して
混合したのち、噴射剤として表１に示す液化ガス（Ｃ）
を充填し、エアゾール用バルブを取り付け、軽く振盪し
ながら混合し、ソフトポマードとしての油中水型エアゾ
ール組成物が充填されたエアゾール製品をえた。

【００２９】なお、このときの内圧は、35℃で４ｋｇ／
ｃｍ²・Ｇとなるように調整した。

【００３０】

【表１】

【００３１】えられた油中水型エアゾール組成物の保存
安定性を、調製直後に噴射した組成物の状態と室温で１
カ月間放置したのちに噴射した組成物の状態とをそれぞ
れ目視にて観察して調べ、以下の評価基準に基づいて評
価した。その結果を表６に示す。

【００３２】（評価基準）Ａ：１カ月間放置後も均一に噴射することができ、噴射
した油中水型エアゾール組成物の状態にまったく変化が
ない。Ｂ：１カ月間放置後、噴射した油中水型エアゾール組成
物中で相分離がおこる。Ｃ：１カ月間放置後、噴射した油中水型エアゾール組成
物が完全に相分離している。

【００３３】つぎに、油中水型エアゾール組成物３ｇを
頭髪に噴射して整髪し、その整髪効果を調べたところ、
該油中水型エアゾール組成物を噴射した部分は、噴射し
なかった部分と比べてきれいに整髪することができ、該
油中水型エアゾール組成物が整髪効果を呈することがわ
かった。

【００３４】また、えられた油中水型エアゾール組成物
の特性として、頭髪に対するなじみ、べたつき感および
皮膚に対する刺激について、無作為に抽出した男性50名
のパネラーの頭部（頭髪）に油中水型エアゾール組成物
３ｇを噴射して調べ、各々以下の評価基準に基づいて評
価した。その結果を表６に示す。

【００３５】（評価基準）（イ）頭髪に対するなじみＡ：40名以上がなじみがよいと感じた。Ｂ：30〜39名がなじみがよいと感じた。Ｃ：20〜29名がなじみがよいと感じた。Ｄ：10〜19名がなじみがよいと感じた。Ｅ：９名以下しかなじみがよいと感じなかった。

【００３６】（ロ）べたつき感Ａ：９名以下がべたつき感があると感じた。Ｂ：10〜19名がべたつき感があると感じた。Ｃ：20〜29名がべたつき感があると感じた。Ｄ：30〜39名がべたつき感があると感じた。Ｅ：40名以上がべたつき感があると感じた。

【００３７】（ハ）皮膚に対する刺激Ａ：９名以下が皮膚に刺激を感じた。Ｂ：10〜19名が皮膚に刺激を感じた。Ｃ：20〜29名が皮膚に刺激を感じた。Ｄ：30〜39名が皮膚に刺激を感じた。Ｅ：40名以上が皮膚に刺激を感じた。

【００３８】実施例２実施例１において、用いた油成分（Ａ）、水成分（Ｂ）
および液化ガス（Ｃ）を表２に示すように変更したほか
は実施例１と同様にして紫外線カットクリームとしての
油中水型エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品
をえた。

【００３９】

【表２】

【００４０】えられた油中水型エアゾール組成物の保存
安定性を実施例１と同様にして調べた。その結果を表６
に示す。

【００４１】つぎに、油中水型エアゾール組成物２ｇを
片頬に噴射し、晴天下３時間屋外で過ごしたのち、その
紫外線遮断効果を調べたところ、該油中水型エアゾール
組成物を噴射しなかった頬は赤くなっているのに対し、
噴射した頬はまったく変化がなく、該油中水型エアゾー
ル組成物が紫外線遮断効果を呈することがわかった。

【００４２】また、油中水型エアゾール組成物の特性と
して、皮膚に対するなじみ、べたつき感および皮膚に対
する刺激について、無作為に抽出した女性50名のパネラ
ーの頬に油中水型エアゾール組成物２ｇを噴射して調
べ、各々実施例１で用いた評価基準と同様（ただし、皮
膚に対するなじみについては、実施例１における（イ）
頭髪に対するなじみの評価基準と同様）の評価基準に基
づいて評価した。その結果を表６に示す。

【００４３】実施例３実施例１において、用いた油成分（Ａ）、水成分（Ｂ）
および液化ガス（Ｃ）を表３に示すように変更したほか
は実施例１と同様にして皮膚疾患剤（消炎剤）としての
油中水型エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品
をえた。

【００４４】

【表３】

【００４５】えられた油中水型エアゾール組成物の保存
安定性を実施例１と同様にして調べた。その結果を表６
に示す。

【００４６】つぎに、油中水型エアゾール組成物３ｇを
上腕部の炎症部分に噴射してその消炎効果を調べたとこ
ろ、炎症がほぼおさまり、該油中水型エアゾール組成物
が消炎効果を呈することがわかった。

【００４７】また、油中水型エアゾール組成物の特性を
実施例２と同様にして調べ（ただし、無作為に抽出した
男女50名のパネラーの上腕部に噴射）、評価した。その
結果を表６に示す。

【００４８】実施例４実施例１において、用いた油成分（Ａ）、水成分（Ｂ）
および液化ガス（Ｃ）を表４に示すように変更したほか
は実施例１と同様にしてナイトクリームとしての油中水
型エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品をえ
た。

【００４９】

【表４】

【００５０】えられた油中水型エアゾール組成物の保存
安定性を実施例１と同様にして調べた。その結果を表６
に示す。

【００５１】つぎに、油中水型エアゾール組成物２ｇを
片頬に噴射して一晩就寝したのち、その保湿（うるおい
付与）効果を調べたところ、該油中水型エアゾール組成
物を噴射した頬は、噴射しなかった頬と比べてしっとり
としてうるおいがあり、該油中水型エアゾール組成物が
保湿（うるおい付与）効果を呈することがわかった。

【００５２】また、油中水型エアゾール組成物の特性を
実施例２と同様にして調べ、評価した。その結果を表６
に示す。

【００５３】実施例５実施例１において、用いた油成分（Ａ）、水成分（Ｂ）
および液化ガス（Ｃ）を表５に示すように変更したほか
は実施例１と同様にして水虫薬としての油中水型エアゾ
ール組成物が充填されたエアゾール製品をえた。

【００５４】

【表５】

【００５５】えられた油中水型エアゾール組成物の保存
安定性を実施例１と同様にして調べた。その結果を表６
に示す。

【００５６】つぎに、油中水型エアゾール組成物１ｇを
足指の水虫部分に２週間にわたって噴射してその治癒効
果を調べたところ、水虫がほぼ治癒され、該油中水型エ
アゾール組成物が水虫の治癒効果を呈するものであるこ
とがわかった。

【００５７】また、油中水型エアゾール組成物の特性を
実施例２と同様にして調べ（ただし、無作為に抽出した
男性50名のパネラーの足指に噴射）、評価した。その結
果を表６に示す。

【００５８】なお、表１〜５に示す各成分は、以下に示
すとおりである。

【００５９】流動パラフィンハイコールＫ−140 、金田（株）製ジグリセリルモノオレエートＮＩＫＫＯＬＤＧＭＯ−Ｃ、日光ケミカルズ（株）製デカグリセリルペンタオレエートＮＩＫＫＯＬＤｅｃａｇｌｙｎ５−０、日光ケミカ
ルズ（株）製ジグリセリルジオレエートＮＩＫＫＯＬＤＧＭＯ、日光ケミカルズ（株）製ジグリセリルモノステアレートＮＩＫＫＯＬＤＧＭＳ、日光ケミカルズ（株）製

【００６０】

【表６】

【００６１】表６に示された結果から、実施例１〜５で
えられた油中水型エアゾール組成物は、長期間保存した
ばあいであっても相分離がおこらず、なじみがよく、べ
たつき感および皮膚に対する刺激がないすぐれたもので
あることがわかる。

【００６２】

【発明の効果】本発明の製法は、煩雑な工程を必要とせ
ず簡便にエアゾール組成物を製造しうる方法であり、該
製法によってえられる油中水型エアゾール組成物は、相
分離がおこらず保存安定性にすぐれ、また皮膚や頭髪な
どに対する刺激が少なく親和性にすぐれ、さらにべたつ
きがなくさっぱりとした使用感を与えることから、たと
えば化粧品、医薬部外品、医薬品などに好適に使用する
ことができる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】油成分３〜50重量％、非イオン性界面活
性剤0.05〜10重量％および水成分50〜95重量％を含有し
てなる原液50〜97重量％と液化ガス３〜50重量％とから
なる油中水型エアゾール組成物。
【請求項２】油成分が炭化水素類、植物油、動物油お
よび脂肪酸エステルから選ばれた少なくとも１種である
請求項１記載の油中水型エアゾール組成物。
【請求項３】非イオン性界面活性剤がエステル型非イ
オン性界面活性剤である請求項１または２記載の油中水
型エアゾール組成物。
【請求項４】液化ガスが液化石油ガスである請求項
１、２または３記載の油中水型エアゾール組成物。
【請求項５】原液が親油性粉末を含有したものである
請求項１、２、３または４記載の油中水型エアゾール組
成物。
【請求項６】原液に対して、３〜50重量％の油成分お
よび0.05〜10重量％の非イオン性界面活性剤と50〜95重
量％の水成分とを混合して原液を調製し、該原液50〜97
重量％と液化ガス３〜50重量％とを混合することを特徴
とする油中水型エアゾール組成物の製法。
【請求項７】原液に対して、３〜50重量％の油成分と
50〜95重量％の水成分および0.05〜10重量％の非イオン
性界面活性剤とを混合して原液を調製し、該原液50〜97
重量％と液化ガス３〜50重量％とを混合することを特徴
とする油中水型エアゾール組成物の製法。
【請求項８】水成分と混合する非イオン性界面活性剤
の量との合計が原液に対して0.05〜10重量％となるよう
に、油成分に非イオン性界面活性剤を配合する請求項７
記載の油中水型エアゾール組成物の製法。