JPH06327640A - 電子血圧計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子血圧計において、ソケットやプラグとし
て特殊なものを用いる必要なく圧力検出手段の計量検定
をおこなう。また急速排気手段も含んで空気漏れを検出
する。 【構成】 被測定者の要部に装着して阻血するカフ１
と、カフ１内の圧力を上昇させる加圧手段２と、カフ１
内の圧力を徐々に降下させる徐々排気手段３と、カフ１
内の圧力を急速に大気圧に解放する急速排気手段４と、
カフ１内の圧力を検出する圧力検出手段５とを具備して
電子血圧計を形成する。このような電子血圧計におい
て、電子血圧計を操作するためのスイッチ６ａ，６ｂを
少なくとも二つ以上備え、このスイッチ６ａ，６ｂのう
ち二つ以上を同時に操作することによって急速排気手段
４を閉じる閉塞手段７を具備する。二つ以上のスイッチ
６ａ，６ｂを同時に操作することによって、急速排気手
段４を閉じた状態で圧力検出手段５の計量検定をおこな
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被測定者の腕や手首、
指等の要部に装着するカフの内部圧力を制御して血圧を
自動的に測定するようにした電子血圧計に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】電子血圧計において、その血圧計本体に
はカフ内に空気を送る加圧手段と、カフ内の圧力を大気
圧に解放する急速排気手段と、カフ内の圧力を検出する
圧力検出手段を備えた空気経路が内蔵されており、この
空気経路に設けたソケットにプラグを差し込むことによ
ってカフが接続されている。そして血圧計本体内の圧力
検出手段は電子血圧計一品毎に計量検定を受ける必要が
ある。

【０００３】圧力検出手段の計量検定をするには空気経
路のソケットに検定用圧力発生器を接続し、検定用圧力
発生器によって空気経路内を加圧してこの加圧圧力と圧
力検出手段による検出圧力を比較することによっておこ
なうことができる。しかし空気経路には急速排気手段が
接続されており、この急速排気手段は電子血圧計を使用
しないときは開いているために、検出用圧力発生器で空
気経路内を加圧しても空気が急速排気手段から逃げてし
まい、圧力検出手段の計量検定をおこなうことができな
い。従って急速排気手段に至る経路を閉じて空気経路の
ソケットに検定用圧力発生器を接続する必要がある。

【０００４】そこで実公平１−４３０４３号公報に提供
される血圧計では、空気経路のソケットと、ソケットに
カフを接続するプラグと、ソケットに検出用圧力発生器
を接続するプラグの構造をそれぞれ工夫し、ソケットに
カフを接続するプラグを差し込んだときには急速排気手
段に至る経路は閉じられないが、ソケットに検出用圧力
発生器を接続するプラグを差し込んだときには急速排気
手段に至る経路が閉じられるようにすることによって、
急速排気手段から空気が抜けることなく検出用圧力発生
器で空気経路内を加圧して圧力検出手段の計量検定をお
こなうことができるようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記実公平１
−４３０４３号公報のものではソケットやプラグとして
構造が複雑な特殊なものを用いる必要があり、実用性に
欠けるものであった。またこのものでは圧力検出手段の
計量検定はおこなうことができるが、急速排気手段に至
る経路を閉じてしまうために、急速排気手段の空気漏れ
を検出することはできないという問題もあった。

【０００６】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ソケットやプラグとして特殊なものを用いる必要
なく圧力検出手段の計量検定をおこなうことができ、し
かも急速排気手段も含んで空気漏れを検出することがで
きる電子血圧計を提供することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、被測定者の要
部に装着して阻血するカフ１と、カフ１内の圧力を上昇
させる加圧手段２と、カフ１内の圧力を徐々に降下させ
る徐々排気手段３と、カフ１内の圧力を急速に大気圧に
解放する急速排気手段４と、カフ１内の圧力を検出する
圧力検出手段５とを具備して形成される電子血圧計にお
いて、電子血圧計を操作するためのスイッチ６ａ，６ｂ
を少なくとも二つ以上備え、このスイッチ６ａ，６ｂの
うち二つ以上を同時に操作することによって急速排気手
段４を閉じる閉塞手段７を具備して成ることを特徴とす
るものである。

【０００８】また本発明では、加圧手段２としてモータ
ー８の回転により駆動される加圧ポンプ２ａを有すると
共に閉塞手段７としてモーター８のこの回転に連動して
急速排気手段４を閉じる弁体７ａを有し、二つ以上のス
イッチ６ａ，６ｂを同時に操作することによってモータ
ー８を回転させるようにしてある。

【０００９】

【作用】二つ以上のスイッチ６ａ，６ｂを同時に操作す
ることによって急速排気手段４を閉じる閉塞手段７を具
備するので、二つ以上のスイッチ６ａ，６ｂを同時に操
作することによって、急速排気手段４を閉じた状態で圧
力検出手段５の計量検定をおこなうことができる。また
電子血圧計を使用するときには二つ以上のスイッチ６
ａ，６ｂを同時に操作することはないので、血圧測定に
支障を来すことはない。

【００１０】

【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図２
は本発明に係る電子血圧計の一実施例を示すものであっ
て、血圧計本体１１の上面には電源スイッチ６ａ、測定
開始スイッチ６ｂ、初期加圧圧力値を設定する加圧スイ
ッチ６ｃが設けてあり、さらに血圧計本体１１の上面に
は測定された血圧値を表示する液晶表示素子や蛍光表示
管等で構成される血圧値表示手段１２が設けてある。ま
たこの血圧計本体１１にはカフ１がエアチューブ１３を
介して接続してある。

【００１１】血圧計本体１内には図１に示すように、加
圧手段２、急速排気手段４、圧力検出手段５がそれぞれ
接続された主空気経路１４と、徐々排気手段３が接続さ
れた副空気経路１５とが設けてある。血圧計本体１の側
壁１１ａには三方分岐管として形成されるソケット１６
が図３のように設けてあり、ソケット１６の筒部１６ａ
の先端に突設した主接続管部１７に主空気経路１４が、
筒部１６ａの側面に突設した副接続管部１８に副空気経
路１５がそれぞれ接続してある。加圧手段２はダイヤフ
ラムポンプなどの加圧ポンプ２ａによって形成されるも
のであり、また急速排気手段４や徐々排気手段３は弁に
よって形成してある。さらに圧力検出手段５は半導体圧
力センサを具備して形成されるものである。血圧計本体
１内にはさらに制御回路によって形成される演算制御手
段２０が設けてある。

【００１２】カフ１はエアチューブ１３の先端に設けた
プラグ２１ａをソケット１６に図３（ａ）のように差し
込むことによって血圧計本体１に接続してあり、カフ１
内が主空気経路１４と副空気経路１５のいずれとも連通
されるようにソケット１６にプラグ２１ａは接続される
ものである。例えば、プラグ２１ａの外周に先端より基
部寄りにパッキン２２を設けて、副接続管部１８よりも
開口側でソケット１６の筒部１６ａの内周にパッキン２
２が密着するようにすれば、主空気経路１４と副空気経
路１５のいずれとも連通させた状態でソケット１６とプ
ラグ２１ａとの間の気密を得ることができる。

【００１３】このように形成される電子血圧計にあっ
て、電源スイッチ６ａを押して電源を入れた後に、測定
開始スイッチ６ｂを押して演算制御手段２０を動作させ
ると、加圧手段２が作動してカフ１に空気（流体であれ
ばよい）が圧送され、カフ１内が初期加圧圧力値にまで
加圧されると、次に徐々排気弁３が作動してカフ１内の
空気を徐々に排気するように、演算制御手段２０からの
指令で自動的に制御される。そしてこの間のカフ１内の
圧力は圧力検知手段５で検知されており、圧力検知手段
５の圧力センサーで電気信号に変換された圧力検知デー
タ出力をサンプリングしてＡ／Ｄコンバータでデジタル
値に変換し、演算制御手段２０でオシロメトリック法に
より演算することによって最高血圧値や最低血圧値を検
出し、この各血圧値が血圧値表示手段１２で表示され
る。そしてさらに急速排気手段４が開弁作動してカフ１
内の圧力は急速に大気圧に解放される。

【００１４】また上記のように形成される電子血圧計に
あって、電源スイッチ６ａと測定開始スイッチ６ｂを同
時に押してＯＮにすると、演算制御手段２０の働きで急
速排気手段４の弁が閉じられるようになっている。この
ように演算制御手段２０は急速排気手段４を閉じる閉塞
手段７を兼用しているものである。従って、圧力検出手
段５の計量検定をおこなうために急速排気手段４を閉じ
るには、電子血圧計に本来具備されている電源スイッチ
６ａと測定開始スイッチ６ｂを同時に操作するだけでよ
く、検定用に急速排気手段４を閉じるための特別なスイ
ッチを設けるような必要はなくなるものである。

【００１５】そして圧力検出手段５の計量検定をおこな
うにあたっては、ソケット１６からカフ１のエアチュー
ブ１３に設けたプラグ２１ａを抜き、検出用圧力発生器
（図示省略）のエアチューブ１３に設けたプラグ２１ｂ
をソケット１６に差し込む。このプラグ２１ｂには先端
部の外周にパッキン２２が設けてあり、副接続管部１８
と主接続管１７の間でソケット１６の筒部１６ａの内周
にパッキン２２が密着するようになっており、検出用圧
力発生器は主空気経路１４のみが連通するようになって
いる。このように検出用圧力発生器を接続した後に検出
用圧力発生器を作動させて所定圧力で主空気経路１４内
を加圧し、このときの加圧圧力を圧力検出手段５で検出
して、加圧圧力と検出圧力とを比較することによって圧
力検出手段５を計量検定することができるものである。
ここで、急速排気手段４は上記のように閉じられている
ので、主空気経路１４内は密封系になっており、検出用
圧力発生器からの圧力は急速排気手段４から漏れるよう
なことなく圧力検出手段５に作用し、正確に圧力検出手
段５を計量検定することができるものである。また、こ
のように急速排気手段４を閉じてあるために主空気経路
１４の全体に検出用圧力発生器から空気を送って加圧す
ることができ、急速排気手段４を含めて主空気経路１４
の全体において空気漏れの発生の有無を検定することも
できるものである。

【００１６】図４乃至図６はモーター８の回転によって
ダイヤフラム２３を作動させる加圧ポンプ２ａで加圧手
段２を構成するようにした実施例を示すものであり、モ
ーター８によって一方向あるいは逆方向に回転駆動され
る回転軸２４に偏心して偏心軸２５が固定してある。偏
心軸２５はダイヤフラム２３に連結体２６を介して接続
してあり、ダイヤフラム２３の下側は加圧空気室２７と
なっている。この加圧空気室２７は図５のように空気を
外部から吸うための吸入口２８と空気をカフ１に送り込
むための吐出口２９を具備して形成形成してある。図５
中３０ａ、３０ｂはダイヤフラム２３と一体に形成され
た逆止弁である。上記回転軸２４の外周には回転軸２４
の外径よりも大きな内径を持つと共に偏心軸２５により
押圧される突部３１を有する筒体３２が外嵌してあり、
筒体３２の外周にはコイルばね３８が共回り及びその解
除可能に巻装してある。図６において３３は急速排気手
段４を構成する排出口であり、この排出口３３の開口は
急速排気手段４を閉じる閉塞手段７を構成する弁体７ａ
で開閉自在にしてある。弁体７ａは回動軸３５によって
回動自在に枢支してあり、弁体７ａが上下に回動するこ
とによって弁体７ａに設けたゴム等の蓋３６で排出口３
３を開閉することができる。上記コイルばね３８の一端
部３８ａが弁体７ａの先端の係止孔３４に挿入係止して
ある。この弁体７ａは磁性金属板で形成してあり、磁石
３７による吸引力によって排出口３３を閉じる状態を保
つことができる。

【００１７】上記のように形成される加圧ポンプ２ａに
あって、モーター８を正転作動させて回転軸２４を一方
向（図６のイ矢印方向）に回転させることによって、偏
心軸２５によってダイヤフラム２３を作動させて空気を
カフ１に圧送することができる。このように回転軸２４
を一方向に回転させるにあたって、筒体３２は回転軸２
４に対して遊び状態にあるために回転軸２４と共に回転
することはないが、筒体３２の突部３１に偏心軸２５が
当たるために筒体３２にイ矢印方向に回動させる力を与
え、筒体３２の外周のコイルバネ３８にその先端部３８
ａが図６のハ矢印方向に回動する方向の力が与えられ
る。従って、排出口３３が開いているときには、弁体７
ａをハ矢印方向に回動させて排出口３３を閉じることが
できる。次に、モーター８を逆転作動させて回転軸２４
を逆方向（図６のロ矢印方向）に回転させると、筒体３
２の突部３１に偏心軸２５が当たるために筒体３２にロ
矢印方向に回動させる力を与え、筒体３２の外周のコイ
ルバネ３８にその先端部３８ａが図６のニ矢印方向に回
動する方向の力が与えられる。従って、弁体７ａをニ矢
印方向に回動させて排出口３３を開くことができる。

【００１８】このように、加圧手段２としてモーター８
の回転により駆動される加圧ポンプ２ａを有すると共に
閉塞手段７としてモーター８のこの回転に連動して急速
排気手段３を閉じる弁体７ａを有する電子血圧計にあっ
て、電源スイッチ６ａと測定開始スイッチ６ｂを同時に
押してＯＮにすると、モーター８を所定時間正回転駆動
させるようにすることによって、弁体７ａをハ矢印方向
に回動させて急速排気手段４の排出口３３を閉じること
ができ、急速排気手段４を閉じるための特別な機構を設
ける必要がなくなるものである。

【００１９】

【発明の効果】上記のように本発明は、電子血圧計を操
作するためのスイッチを少なくとも二つ以上備え、この
スイッチのうち二つ以上を同時に操作することによって
急速排気手段を閉じる閉塞手段を具備したので、二つ以
上のスイッチを同時に操作することによって急速排気手
段を閉じることができ、ソケットやプラグとして特殊な
ものを用いる必要なく急速排気手段を閉じて圧力検出手
段の計量検定をおこなうことができるものであり、しか
も急速排気手段も含んで空気漏れを検出することができ
るものである。また電子血圧計を使用するときには二つ
以上のスイッチを同時に操作することはないので、血圧
測定に支障を来すようなことはないものである。

【００２０】また、加圧手段としてモーターの回転によ
り駆動される加圧ポンプを有すると共に閉塞手段として
モーターのこの回転に連動して急速排気手段を閉じる弁
体を有する電子血圧計において、二つ以上のスイッチを
同時に操作することによってモーターを回転させるよう
にすれば、モーターの回転に伴って弁体で急速排気手段
を閉じることができ、急速排気手段を閉じるための特別
な機構を設ける必要がなくなるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す概略構成図である。

【図２】同上の実施例の斜視図である。

【図３】同上の実施例の一部を示すものであり、
（ａ），（ｂ）はそれぞれ拡大断面図である。

【図４】同上の他の実施例の一部の斜視図である。

【図５】同上の他の実施例の一部の断面図である。

【図６】同上の他の実施例の一部の断面図である。

【符号の説明】

１ カフ ２ 加圧手段 ２ａ 加圧ポンプ ３ 徐々排気手段 ４ 急速排気手段 ５ 圧力検出手段 ６ａ，６ｂ スイッチ ７ 閉塞手段 ７ａ 弁体 ８ モーター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被測定者の要部に装着して阻血するカフ
   と、カフ内の圧力を上昇させる加圧手段と、カフ内の圧
   力を徐々に降下させる徐々排気手段と、カフ内の圧力を
   急速に大気圧に解放する急速排気手段と、カフ内の圧力
   を検出する圧力検出手段とを具備して形成される電子血
   圧計において、電子血圧計を操作するためのスイッチを
   少なくとも二つ以上備え、このスイッチのうち二つ以上
   を同時に操作することによって急速排気手段を閉じる閉
   塞手段を具備して成ることを特徴とする電子血圧計。
2. 【請求項２】 加圧手段としてモーターの回転により駆
   動される加圧ポンプを有すると共に閉塞手段としてモー
   ターのこの回転に連動して急速排気手段を閉じる弁体を
   有し、二つ以上のスイッチを同時に操作することによっ
   てモーターを回転させるようにして成ることを特徴とす
   る請求項１に記載の電子血圧計。