JPH06323971A - 混合液撹拌装置および試料導入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】容器内に収容された混合されるべき液体を効果
的に十分に混合撹拌することを目的とする。 【構成】ゴムローラーからなる把持部と把持部をスライ
ドさせる機構を設けて、混合されるべき液体が収容され
た容器をはさみこむ。ゴムローラーにモータの回転を伝
達する回転機構を設けゴムローラーを回転させることに
伴って、把持部にはさまれた混合されるべき液体が収容
された容器を回転させ、容器内の液体を混合撹拌する。 【効果】容器内に収容された混合されるべき液体を効果
的に混合撹拌することにより、十分に混合撹拌された試
料を分析装置に導入することが可能になるため、分析結
果の再現性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、混合液撹拌装置および
それを用いる試料導入装置において、容器自体を回転さ
せることにより、容器内に収容された混合されるべき液
体を撹拌することができる撹拌装置、およびそれを用い
る試料導入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の撹拌装置は以下のようなものがあ
る。

【０００３】ニードルを混合されるべき液体を収容し
た容器内の液面下まで移動させ、容器内の液体を吸入
後、ニードルを液面上まで移動させ、ニードルに吸入し
た液体を吐出する。以上の操作を複数回繰り返すことに
より液体の撹拌を行なう。

【０００４】計量ポンプと連結する吸排ノズルに空気
を吸引させた後、適量の試薬および試料を吸引させ、吸
排ノズル先端を処理容器の底面近傍まで挿入するととも
に、吸排ノズル内の試料および試薬と空気とを吐出する
ことにより、ノズルの先端が吐出された試料と試薬との
溶液中に位置する際に吐出される空気により、これらの
試料と試薬とを撹拌する。

【０００５】混合されるべき液体を収容した容器をハ
ンドを使用してつかみ上げた後、ハンドを鉛直面内で１
２０度の角度内で往復回転を繰り返す。ハンドの往復回
転に伴い容器の転倒が繰り返し行なわれ、容器に収容さ
れた液体が撹拌される。

【０００６】混合されるべき液体を収容した容器中に
撹拌棒を差し入れ、モータで撹拌棒を回転させることに
より、容器に収容された液体の撹拌を行なう。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来方法におい
て、およびは、撹拌効率が悪く、十分混合撹拌する
ためには吸入，吐出の繰り返し回数を多くする必要があ
る。は、液体を収容した容器へのハンドの機構と、容
器をハンドでつかむための機構と、容器をつかんだハン
ドを持ち上げるための機構が必要であり、装置機構が複
雑となる。の方法は、液体を収容した容器内に、撹拌
棒を差し入れるために、容器の上部が開放されている必
要があり、密閉された容器については使用できない。ま
た、液体の撹拌後、撹拌棒の洗浄が必要である。

【０００８】本発明の目的は、容器転倒機構の装置より
も簡単な機構により、容器の密閉性にかかわらず、容器
に収容された液体を効果的に撹拌することができる混合
液撹拌装置および試料導入装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では撹拌されるべき液体を収容した容器を
はさみこむ３つのゴムローラーからなる把持部と、把持
部を液体を収容した容器の位置まで移動させるスライド
機構と、モータと、モータの回転を把持部の３つのゴム
ローラーのうち１つのゴムローラーに伝えるために、モ
ータと１つのゴムローラーの間にベルトを設けた構成と
した。把持部の３つのゴムローラーにおいて、ベルトが
設けられた１つのゴムローラーを除く２つのゴムローラ
ーの間にはバネを設け、液体を収容した容器はバネの力
により、把持部の３つのゴムローラーの間にはさみこま
れる。

【００１０】

【作用】上記の構成によれば、撹拌されるべき液体を収
容した容器を３つのゴムローラーからなる把持部にはさ
みこみ後、モータを回転させると、モータの回転がベル
トをとおして把持部の３つのゴムローラーの１つに伝わ
り、さらに３つのゴムローラーからなる把持部にはさま
れた容器に回転が伝わり容器が回転する。容器が回転す
ることにより、容器内に収容された液体が撹拌される。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。

【００１２】図１において、液体試料２４を収容した試
料容器８，液体試薬２５を収容した試薬容器９、および
混合容器１０がラック２６に設置されている。自在に移
動するニードル１１は３方切り換えバルブ１３を介して
シリンジ１４へ接続されている。３方切り換えバルブ１
３の１方には洗浄液１５が接続され、洗浄ポート７内で
オーバーフローさせ、ニードル１１の内径を満たし内外
壁を洗浄する。さらに注入ポート６を介して、注入バル
ブ４のサンプリング流路を洗浄する。ポンプ２で送液さ
れた移動相１は、注入バルブ４のサンプルループ５を通
ってカラム３へ接続されている。混合容器１０を回転さ
せるために回転機構部Ａが設置されている。図２に回転
機構部Ａの詳細図を示す。混合容器１０をはさみこむた
めの把持部は、ゴムローラー１６が支持体１７に、ゴム
ローラー２８の１つが支持体１７、１つが支持体２７に
取り付けられた構成となっている。支持体２７は回転軸
３７において支持体１７に取り付けられ、回転軸４１に
取り付けられたバネ２９により支持体１７に引っ張られ
ている。支持体１７は、ブロック２３の溝３４にスライ
ド可能な状態で取り付けられている。ブロック２３には
ステッピングモータ２２と回転用モータ２１が取り付け
られている。ステッピングモータ２２には歯車３２が取
り付けられ支持体１７の歯状部分３３とかみあってい
る。ステッピングモータ２２を回転させると歯車３２を
介して支持体１７の歯状部分３３に回転が伝わり、支持
体１７を混合容器１０の方向あるいは反対方向へスライ
ドさせることができる。支持体１７の位置は、ステッピ
ングモータ２２のステップ数を制御することにより決め
られる。回転用モータ２１にはプーリ３１が取り付けら
れている。プーリ３１とプーリ１８の間にはプーリ１９
を介してベルト２０が取り付けられている。プーリ１９
には、バネ固定点４２との間でバネ３０により引っ張ら
れた状態でベルト２０が取り付けられており、ベルト２
０の切断，弛緩を防ぐ。回転用モータ２１を回転させる
と、回転がプーリ３１，ベルト２０およびプーリ１８を
介してゴムローラー１６に伝わる。図３に回転機構部Ａ
のスライド機構を示す。回転機構部Ａのスライド用突起
部４３がスライド溝３５にはめこまれている。回転機構
部Ａは歯形付きベルト３６に取り付けられている。歯形
付きベルト３６は歯車４２にかけられている。モータ３
９には歯車３８が取り付けられており、歯車３８は歯形
付きベルト３６とかみあっている。ステッピングモータ
３９を回転させると、歯車３８を介して歯形付きベルト
３６が移動し、歯形付きベルト３６に取り付けられた回
転機構部がスライド溝３５にそって移動する。回転機構
部Ａの位置はステッピングモータ３９のステップ数を制
御することにより決められる。

【００１３】上記状態において、ニードル１１を試料容
器８の位置に移動後、試料容器８の液面下まで下降さ
せ、液体試料２４を設定量吸引する。ニードル１１を上
昇させ混合容器１０の位置まで移動後、混合容器１０の
内部まで下降させ、液体試料２４を設定量吐出する。ニ
ードル１１を上昇させ洗浄ポート７に移動後、シリンジ
１４を動作させ洗浄液１５を送液し、ニードル１１の内
外壁を洗浄する。ニードル１１を試薬容器９の位置に移
動後、試料容器９の液面下まで下降させ、液体試料２５
を設定量吸引する。ニードル１１を上昇させ混合容器１
０の位置まで移動後、混合容器１０の内部まで下降さ
せ、液体試料２５を設定量吐出する。ニードル１１を上
昇させ洗浄ポート７に移動後、シリンジ１４を動作させ
洗浄液１５を送液し、ニードル１１の内外壁を洗浄す
る。ステッピングモータ３９を回転させると、歯車３８
を介して歯形付きベルト３６が移動し、歯形付きベルト
３６に取り付けられた回転機構部Ａがスライド溝３５に
そって混合容器１０に並行な位置まで移動する。ステッ
ピングモータ２２を回転させると、歯車３２を介して歯
状部分３３に回転が伝達し、ゴムローラー１６およびゴ
ムローラー２８からなる把持部が混合容器１０をはさみ
こむ位置まで、支持体１７を溝３４にそって移動させ
る。モータ２１を回転させるとプーリ３１，ベルト２
０，プーリ１８を介して、ゴムローラー１６が回転す
る。ゴムローラー１６の回転に伴い、ゴムローラー１６
およびゴムローラー２８からなる把持部にはさまれた混
合容器１０が回転し、混合容器１０内に収容された試料
が混合撹拌される。１方向だけの回転ではなく反対方向
への回転を行うことを繰り返すとさらに撹拌効率が上昇
する。試料を十分に混合撹拌後、モータ２１の回転を停
止させる。ステッピングモータ２２を回転させ、歯車３
２を介して歯状部分３３に回転を伝達し、支持体１７を
元の位置まで移動させる。ニードル１１を混合容器１０
の位置まで移動後、混合容器１０の液面下まで下降させ
試料を設定量吸引する。ニードル１１を注入ポート６へ
移動して注入バルブ４を試料注入の状態に切り換えてか
らシリンジ１４を動作させ、試料をサンプルループ５内
に設定量注入する。注入バルブ４をポンプ２からサンプ
ルループ５を介してカラム３へ接続する流路に切り換え
ると、サンプルループ内の試料が移動相送液路へ導入さ
れる。ニードル１１を洗浄ポート７へ移動し、シリンジ
１４を動作させ洗浄液１５を送液しニードル１１の内外
壁を洗浄する。ニードル１１を注入ポート６へ移動さ
せ、試料の注入ラインを洗浄する。図４に、オルトフタ
ルアルデヒド修飾アミノ酸分析の測定フローを示す。図
５に、本実施例による図４の測定フローにしたがったオ
ルトフタルアルデヒド修飾アミノ酸分析の連続５回測定
の結果を示す。図６に、ニードルを使用した吸引，吐出
を用いた撹拌による図４の測定フローにしたがったオル
トフタルアルデヒド修飾アミノ酸分析の連続５回測定の
結果を示す。本実施例による分析結果が良好な再現性を
与えている。

【００１４】本実施例によれば、試料と試薬を効果的に
撹拌することができ、十分に混合撹拌された試料を分析
装置に導入することができるため、分析結果の再現性が
向上する。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、ゴムローラーからなる
把持部で混合されるべき液体が収容された容器をはさみ
こみ、ゴムローラーの回転に伴なって容器を回転させる
ことにより、容器内に収容された液体を撹拌混合するこ
とができる。試料導入装置においては、十分に撹拌混合
された試料を分析計に導入することができ、再現性の良
い測定結果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】試料導入装置の構成図である。

【図２】回転機構部Ａの詳細図である。

【図３】回転機構部Ａのスライド機構を示す図である。

【図４】オルトフタルアルデヒド修飾アミノ酸分析の測
定フロー図である。

【図５】本実施例によるオルトフタルアルデヒド修飾ア
ミノ酸分析の回測定結果を示す図である。

【図６】ニードルによる吸引，吐出を用いた撹拌による
オルトフタルアルデヒド修飾アミノ酸分析の測定結果を
示す図である。

【符号の説明】 １…溶離液、２…ポンプ、３…カラム、４…注入バル
ブ、５…サンプルループ、６…注入ポート、７…洗浄ポ
ート、８…試料容器、９…試薬容器、１０…混合容器、
１１…ニードル、１２…接続チューブ、１３…３方切り
換えバルブ、１４…シリンジ、１５…洗浄液、１６，２
８…ゴムローラー、１７，２７…支持体、１８，１９，
３１…プーリ、２０…ベルト、２１…モータ、２２，３
９…ステッピングモータ、２３…ブロック、２４…試
料、２５…試薬、２６…ラック、２９，３０…バネ、３
２，３８，４２…歯車、３３…波状部分、３４，３５，
４０…溝、３６…歯形付きベルト、３７，４１…回転
軸、４３…スライド用突起部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】混合されるべき液体を収容した容器と、上
   記容器をはさみ固定するゴムローラーからなる把持部
   と、上記ゴムローラーを回転させる回転機構を備えた混
   合液撹拌装置において、上記回転機構により上記把持部
   の上記ゴムローラーを回転させることに伴い、上記把持
   部にはさまれた上記容器を回転させ、上記容器内に収容
   された上記混合されるべき液体を混合撹拌することを特
   徴とする混合液撹拌装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の混合液撹拌装置の機構と、
   液体試料を収容した試料容器と、液体試薬を収容した試
   薬容器と、上記液体試料と上記液体試薬を受け入れる混
   合容器と、上記液体試料と上記液体試薬を上記混合容器
   に分注するためのニードルと、上記混合容器内の混合さ
   れた試料を分析計流路に導入するための導入部を備えた
   試料導入装置において、上記混合容器に上記液体試料と
   上記液体試薬が上記ニードルにより分注された後、請求
   項１の機構により上記混合容器を回転させることによ
   り、上記混合容器内に収容された上記液体試料と上記液
   体試薬を撹拌混合することを特徴とする試料導入装置。