JPH06307426A - 締結用機械要素セットおよび締結用機械要素の結合方法 - Google Patents

締結用機械要素セットおよび締結用機械要素の結合方法

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JPH06307426A
JPH06307426A JP10000093A JP10000093A JPH06307426A JP H06307426 A JPH06307426 A JP H06307426A JP 10000093 A JP10000093 A JP 10000093A JP 10000093 A JP10000093 A JP 10000093A JP H06307426 A JPH06307426 A JP H06307426A
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screw body
fastening member
fastening
threaded
male screw
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English (en)
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Katsumi Ikeda
勝美 池田
Katsuhiro Ikeda
勝弘 池田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】おねじ体と締結部材と締結部材との仮止めが行
なえて、輸送,保管および現場での作業性を向上させる
ことができる締結用機械要素セットおよび締結用機械要
素の結合方法を提供する。 【構成】おねじ体1と締結部材2とめねじ体3とからな
り、締結部材2の通孔をおねじ体1のねじ部5と係合す
る係止縁8を変形加工により形成し、この締結部材2の
通孔7を前記おねじ体1のねじ部5へ挿し通して該ねじ
部5に係止縁8を係合させた後、このねじ部5へ螺合し
ためねじ体3によりこの座面3bと前記締結部材2面とを
締め合わせて、これらおねじ体1と締結部材2とめねじ
体3とを螺合によって一体化させる。 【効果】締結に際し、仮止め及び位置決めができ、締結
作業性や取り扱いが良好であり、解螺はめねじ体を緩め
るだけで容易に行なえる。従って現場作業を容易にする
と共に、品揃えを簡素化できるので、経済的である上、
その保管や在庫管理を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物品の組み立てあるい
は連結等に使用する締結用機械要素セットおよび締結用
機械要素の結合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品の組み立てあるいは連結等を
行なうためには、ボルトおよびナット等の締結体による
締結が一般的で、このボルトやナットの緩み止めや、ボ
ルトやナットが当接する座が不安定や弱いときの広い面
での当接を行なったり、ボルトやナット穴が大きい場合
におけるボルト頭およびナットの支承の目的で各種の座
金がボルトおよびナットと共に併用されている。
【0003】そして、この座金は、流通時の輸送や保管
あるいは締結時の作業性を向上させるために、図10(a)
に示すように、ボルト20の首下部21を転造等でもみ上げ
て、ねじ部22より細径にした部分に、該座金23,24を嵌
着させるか、あるいは、図10(b) に示すように、ボルト
頭25の座面26にかしめ付けて使用するボルト20と一体化
させることもある。
【0004】更に、図11に示すように、所定長さのボル
ト20のねじ部22へ座金26(図示しないスプリングワッシ
ャ等の組み合わせも含む)を挿し通して、ナット27によ
り座金26が抜け落ちないように螺合させて、これらを一
体化とさせたセット状態で流通させ、使用時にナット27
をねじ部22より外して使用するものである。
【0005】しかしながら、図10(a) に示す場合は、ボ
ルト20の製作にあって転造する工程が増えるため、製品
コストが高騰して安価に市場提供することができず、ま
た、座金23,24の組み合わせが変わるごとにその機械治
具も取り替えるためその作業が面倒な上、細く形成させ
た首下部21が強度不足となって安定した締結が行なえな
いと共に、該部分21にねじ部22がないため薄物の取付部
材の締結には使用できない。
【0006】更に、図10(b) に示す場合は、座金23が、
かしめによりボルト20に仮止めされているので、ボルト
20の回転に伴って、座金23におけるプレス成形時に生ず
るバリ等により、その表裏選別を行なってないものの使
用にあっては、締め込み時において取付部材面に擦り傷
を残す。
【0007】特に、前記したこれらのものは、締結使用
に当たって別の種類の座金に交換することができない、
すなわち、ねじ部よりこの座金を取り外すことができな
いので、使用目的やその箇所に応じて他品種のボルト座
金セットを用意しなければならないので不経済となる
上、その保管や在庫管理も大変である。
【0008】また、図11に示すセット状態の場合は、座
金26がねじ部22を任意に移動するため、使用時において
ナット27と座金26の取り外しにあって、両者26, 27が分
離した状態となることが多く取り扱いが不便である上、
ナット27を外したときあやまって座金26を落としてしま
うことがあって作業性が悪い。
【0009】更に、ボルト20のねじ部22に取り付けたナ
ット27と座金26とは、該ねじ部22を自由に移動するた
め、このセットがあと施工アンカー等にあっては、座金
26とナット27とによる事前の位置決めができないので、
アンカーの打込後その間隔調整をしなければならない。
【0010】しかも、図示してない植え込みボルトやア
ンカーボルト,スタッドボルト等の頭なしボルトには、
座金26が抜け落ちてしまうためにこれに取り付けること
ができず、更に、座金26はナット27へかしめ付けて固定
しないかぎり、ねじ部22に一体的に固定させておくこと
ができないものであった。
【0011】更にまた、座金自体では、前記ボルトのね
じ部への一時仮止めが全くできないので、ボルトが下向
き姿勢にナットを螺合させるときなどは、そのままでは
座金がねじ部より落下してしまう。その上、手の入りに
くい箇所や、作業姿勢が悪い箇所での締結にあっては、
作業者に大きな労働負担を与え労働衛生上好ましくな
い。等の様々な問題点を有するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した問
題点を解決するためになされたもので、おねじ体と締結
部材とめねじ体とからなり、締結部材の通孔をおねじ体
のねじ部と係合する係止縁を変形加工により形成し、こ
の締結部材の通孔を前記おねじ体のねじ部へ挿し通して
該ねじ部に係止縁を係合させた後、このねじ部へ螺合し
ためねじ体によりこの座面と前記締結部材面とを締め合
わせて、これらおねじ体と締結部材とめねじ体とを螺合
によって一体化させることにより、おねじ体と締結部材
とめねじ体との仮止めや位置決めが行なえて、輸送,保
管および現場での作業性を向上させることができると共
に、特に、頭部を有しないおねじ体への締結部材とめね
じ体との一体化に最適な締結用機械要素セットおよび締
結用機械要素の結合方法を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ための本発明の手段は、ねじ部を設けたおねじ体と、該
おねじ体のねじ径より大径の通孔を有し、この通孔へ該
部分の変形加工により形成させた係止縁を、前記おねじ
体のねじ部と係合させる締結部材と、おねじ体のねじ部
に螺合させてその座面とおねじ体のねじ部に係合させた
前記締結部材の側面とを締め合わせ、これらおねじ体と
締結部材とめねじ体とを一体化させるめねじ体と、を備
えさせた締結用機械要素セットの構成にある。
【0014】また、前記した構成においてセット化させ
る方法は、おねじ体のねじ径より大径の通孔を有する締
結部材の前記通孔を、前記おねじ体のねじ部と係合する
係止縁が形成されるように、該通孔へ該部分の変形加工
を施して、この締結部材の通孔を前記おねじ体のねじ部
へ押し通して、該ねじ部に係止縁を係合させ、おねじ体
のねじ部へめねじ体を螺合させてこの座面と前記締結部
材面とを締め合わせ、これらおねじ体と締結部材とめね
じ体とを一体化させることにある。
【0015】そして、おねじ体と締結部材とめねじ体と
の一体化後に、前記おねじ体かめねじ体の螺動により締
結部材のねじ部への係合位置を変換させて、該締結部材
のねじ部における移動を可能とさせることもできる。
【0016】なお、おねじ体のねじ部に設けた締結部材
とめねじ体との間に取付部材を挾み設けて、これらおね
じ体と締結部材および取付部材とめねじ体とを一体化さ
せる締結用機械要素セットおよび結合方法も採用し得
る。
【0017】
【作用】前記のように構成される本発明は以下に述べる
作用を奏する。
【0018】座金等の締結部材における通孔へ変形加工
により、おねじ体のねじ部とに係合する係止縁を形成さ
せる。
【0019】この通孔の係止縁は、おねじ体のねじ部と
螺合または係合および遊合して、締結部材とおねじ体と
が結合され保持される簡易の仮止めがなされる。
【0020】この状態で、おねじ体のねじ部へめねじ体
を螺合して、このめねじ体の座面と前記締結部材面とを
締め合わせると、めねじ体の回転力により締結部材が連
れ回りしようとするが、その係止縁がおねじ体のねじ部
へ一層食い込んで、軸方向および円周方向の移動が抑止
される。
【0021】更に、めねじ体を回転させると、移動が停
止した締結部材の当接面とめねじ体の座面とが一部また
は全部において接触し、やがて緊締され、めねじ体の移
動も停止される。
【0022】したがって、螺合によりこれらおねじ体と
締結部材とめねじ体とが一体化されて三者が容易に移動
しないいわゆる仮止めが行なわれる。
【0023】この作動は、締結部材とめねじ体との間に
取付部材を挾み設けても、同様の作用を発揮するもので
あって、おねじ体と締結部材および取付部材とめねじ体
とを一体化させることができる。
【0024】特に、おねじ体においてねじ部の希望する
位置で締結部材とめねじ体との緊締により螺着させるこ
とができる、いわゆる、位置決めが簡単に行なわれる。
【0025】
【実施例】次に本発明に関する締結用機械要素セットお
よび締結用機械要素の結合方法の一実施例を図面に基づ
いて説明する。
【0026】本発明における実施例の締結用機械要素セ
ットAは、図1に示すように、基本的に、おねじ体1
と、締結部材2と、めねじ体3とよりなる三部材構成
か、あるいは、締結部材2とめねじ体3とに挾持された
取付部材4との四部材構成によりなる。
【0027】しかし、前記した取付部材4は金物等の複
数部材からなることもある。
【0028】このセットAは、物品の組み立てあるいは
連結等に利用されるものであって、これら三部材1,
2,3あるいは取付部材4がセット状態、すなわち、位
置決めや仮止めがなされた一体化の状態で流通や保管ま
たは使用がなされる。
【0029】そして、前記したおねじ体1は、外周に所
定ピッチのねじ部5が形成されているものであれば任意
のものが用いられているものであって、例えば、代表的
なものの一部を例示すれば、図1(a) に示すような、一
端に頭部6を有する金属また合成樹脂、あるいは、他の
材質により成形された一般に慣用されるボルト(ビスも
含む)類が適当であり、ねじなしである軸部1aを有しな
いもの(全ねじ)であっても使用できる。
【0030】他の例として、図1(b) に示すような頭な
しのスタッドボルト1あるいは図示してない植え込みボ
ルトや、図1(c) に示すようなあと施工アンカー1や、
図1(d) に示すような頭なし全ねじボルト1や、図1
(e) に示すようなアンカーボルト1等が使用できるもの
で、これら形状や種類,ねじピッチあるいは使用箇所に
おいては特に限定されないものである。
【0031】更に、図1(f) に示すように、外周にねじ
部5を有するコイル状スプリングも使用できる。
【0032】前記した締結部材2は、前記おねじ体1と
めねじ体3とによる結合によって、建設・建築資材や電
気・自動車部品あるいは金具や物品の構成材等による取
付部材(図示せず)を緊締状態に連結する際に、おねじ
体1とめねじ体3との間に挟まれて、その一側面がおね
じ体1の座面1bまたはめねじ体3の座面3b、更には、そ
の他側面が前記取付部材面に当接するものである。
【0033】そしてその形態は、図2(a) 〜(e) に示す
ような、慣用(特殊な態様なものも含む)の平(波状も
含む)状の座金か、図2(f) に示すようなスプリングワ
ッシャか、図4に示すように、各種業界において適宜使
用される金具類や物品の構成材,電気・自動車部品の組
み立て、および、建造物等の構造体やその付属部品,箱
形ケース,家具等の組み立て等の構成材、あるいは、金
属,非鉄金属製または合成樹脂製等によるパッキング
(図示せず)等のように幅広い分野において採用され
る。
【0034】更に、この締結部材2は、図3に示すよう
に、円筒状に形成されたパイプ(割の入ったものも含
む)も用いることができる。
【0035】そして、それらの締結部材2の適所に、前
記したおねじ体1のねじ部5の外形よりやや大径で略真
円または楕円,長円、更に、不規則な角・円形やギザギ
ザ縁等に形成された通孔7を設けてある。
【0036】また、この締結部材2の結合前は、この通
孔7の周縁部あるいは締結部材2面の全面または一部面
に、ローラ掛け,プレス,ポンチ打ちやバイス等の任意
の挟圧,打ち抜き、あるいは、打圧手段(図示せず)、
更に、外側縁から内方へ向かって掛かる押圧力により変
形加工がなされている。
【0037】なお、スプリングワッシャの場合は、線材
における素材自体の成形時や、ワッシヤの成形工程にお
けるコイル状に巻いたとき同時に成形されることもあ
る。
【0038】この変形加工は、締結部材2を湾曲や歪,
ひねりまたは折曲等により、通孔7を元の孔より狭くし
た挟孔bとしてこの箇所に係止縁8を形成するか、また
は、締結部材2における通孔7の周縁部を、打圧手段に
より打撃し、通孔7の端縁から内方へ突出する係止縁8
を形成する。
【0039】また、スプリングワッシャ等の場合は、コ
イル状に巻いたときの全体の歪によりなされることもあ
る。
【0040】更に詳述すると、図2(a) および(b) に示
すように、湾曲加工か、あるいは、図2(c) に示すよう
に、ひねり加工か、図2(d) に示すように、波形状加工
か、図2(e) に示すように、凹み加工か等を施す。
【0041】また、図3に示すパイプ状の締結部材2の
場合は、この両端またはその一方、あるいは、中間部に
おいて外側から挾搾や打圧等を施すことにより、内方へ
突出する係止縁8が形成されるもので、更に、端面部を
打圧等の手段による加工を施してもよいものである。
【0042】なお、締結部材2が平座金や金物等の場合
は、この座金2等の成形時の打ち抜きの際に、湾曲させ
てもよく、そのとき、通孔7を皿もみ状に形成して、そ
の一側縁に鋭角状の係止縁8を形成することもあり、座
金の製造と係止縁8の成形とが同一工程において行な
え、作業性が向上する。
【0043】そして、この打ち抜きや巻き等の加工によ
り成形される通孔7の係止縁8は、他の例として、図5
(a) に示すようにテーパ状に傾斜させたり、図5(b) に
示すように段状に形成させたり、図5(c) に示すように
その一側縁にバリ状の突起、あるいは、通孔7の形成時
において、プレス等の打ち抜き加工による自然のバリを
設けたり、図5(d) に示すように、内縁を槍状に形成さ
せたりすることもあるものであって、更に、図5(e) 〜
(h) に示す形状等も採用し得るもので、おねじ体1との
係合が可能であれば任意の形状が採用される。
【0044】なお、この係止縁8を、図5(i) に示すよ
うに、通孔7において一箇所あるいは一側部において形
成したり、図5(j) に示すように、表裏に対して対抗的
に形成することもある。
【0045】また、前記した湾曲または折曲やひねり,
歪等の加工は、図6(a) に示すように円弧状か、逆ハの
字状(通常におけるハの字状も同様である。)か、図6
(b)に示すようにハの字状とした対辺とに段差を設ける
か、図6(c) に示すように、一方を上方または下方へ傾
斜させるかするもので、この構成においては該通孔7へ
差し込んだボルトは斜めに係合することもあって、簡単
な仮止めを行なうときは、その係止縁8がねじ部5へ確
実に螺合した状態でなくてもよいものであり、また、図
6(d) に示すように通孔7の周辺を盛り上げることもあ
り、図6(e) に示すように一側部のみ形成することもあ
る。
【0046】なお、この締結部材2に設けた通孔7は、
図7(a),(b) に示すように、締結部材2に対して偏心さ
せて設けたり、図7(c) に示すように長孔状か、図7
(d) に示すようにスリット状かに設けることもあり、通
孔7を偏心させて設ければ、その偏心重力により,自然
に係止縁8とねじ部5との係合が行なわれ落ちにくくな
る。
【0047】次に、本発明実施例における締結用機械要
素セットAの形成にあって、おねじ体1と締結部材2の
結合は、前記したように、係合,螺合および遊合により
なされるものであるが、このうち、係合,遊合する場合
について説明する。
【0048】締結部材2をおねじ体1のねじ部5へ当て
てその通孔7を挿し通すと、図8に示すように、ねじ部
5に対して係止縁8が移動抵抗を受けつつ、おねじ体1
におけるねじ部5のねじ山に係止縁8が噛み合って取り
付けられるもので、締結部材2の自重や強制的な引っ張
りには容易に離脱しない。
【0049】しかし、この現象は、図8(a) に示すよう
に、湾曲させたその凸部を上方へ向けておねじ体1へ取
り付けた締結部材2は、その取付姿勢がねじ部5に対し
て安定するので、下方への落下に対しては係止縁8とね
じ部5とによる抵抗を比較的に受けずに移動する。
【0050】一方、図8(b) に示すように、湾曲させた
その凸部を下方へ向けておねじ体1へ取り付けた締結部
材2は、その取付姿勢がねじ部5に対して不安定となっ
て重心移動を起こし、湾曲した左右のいずれかに傾斜す
るので、係止縁8がねじ部5のねじ山に一層食い込ん
で、下方への落下に対して大きな抵抗を受け落ちにくく
なる。
【0051】そして、この状態において、めねじ体3を
おねじ体1のねじ部5へ螺合して、このめねじ体3の座
面3bと締結部材2面とを手で締め合わせると、めねじ体
3の回転力により締結部材2が連れ回りしようとする
が、その係止縁8がおねじ体1のねじ部5へ一層食い込
んで、軸方向および円周方向の締結部材2の移動が抑止
される。
【0052】なお、このとき、めねじ体3の座面3bに対
して締結部材2を押し付けたり回したりして、めねじ体
3および締結部材2を締め合わせることもある。
【0053】更に、めねじ体3を回転させると、図9に
示すように、移動が停止した締結部材2の当接面と、め
ねじ体3の座面3bとが一部または全部において接触し、
やがて、緊締されめねじ体3の移動も停止される、いわ
ゆる、締結部材2とめねじ体3とがダブルロック状態と
なって、これらおねじ体1と締結部材2とめねじ体3と
が一体化されて三部材1,2,3が容易に移動しないい
わゆる仮止めが行なわれる。
【0054】このとき、ねじ部5に対して締結部材2を
希望位置に設定しておけば、大量のセット作業であって
も、締結部材2のめねじ体3との位置決めが簡単でかつ
確実に行なわれる。
【0055】なお、この三部材1,2,3の分離にあっ
ては、おねじ体1に螺合するめねじ体3を手で緩めるだ
けで、容易に締結部材2とめねじ体3とが離れて個々の
取り出しが行なえる。
【0056】次に、おねじ体1と、締結部材2とめねじ
体3とに挾持された取付部材4との四部材構成の例に付
いて説明する。
【0057】この例において取付部材4は、例えば、図
1(c) に示すように、ばね座金等が用いられるもので、
これ以外にも、例えば、建築業界において使用する場合
は、建具等の建築資材、あるいは、ばね座金と建具等の
建築資材が複合的に、複数組み合わさったものなどが用
いられるもので、特に物品や部材については限定されな
い。
【0058】そして、この取付部材4にばね座金を用い
た場合は、めねじ体3を螺合して締結部材2面へ押し付
けたとき、該ばね座金のひねりにより締結部材2面が傾
斜されるので、その係止縁8のおねじ体1のねじ部5へ
の食い込みが良好となって、四部材1,2,3,4の一
体化がより確実となる。
【0059】更にまた、おねじ体1と締結部材2とめね
じ体3とが一体化されて仮止めされた後に、おねじ体1
を固定しめねじ体3を更に螺動させると、締結部材2と
めねじ体3とによる締め合わせられたロック状態は、お
ねじ体1のねじ部5へ係合している締結部材2の係止縁
8がこじ上げられて、このねじ山からはずれ解除される
もので、締結部材2の係止縁8は次のねじ山に移る。
【0060】特に、締結部材2が弧状に湾曲されている
と、めねじ体3の座面3bとの接触にあって、膨らんだ箇
所の部分的な当接であるために締結部材2の姿勢が円滑
に変化して、係止縁8のねじ部3への係脱が比較的に良
好に行なわれる。
【0061】したがって、締結部材2はおねじ体1のね
じ部5においてその移動が可能となるもので、締結部材
2のねじ部5への絡み付きにより、締結部材2の移動が
阻害されることが防止されるものである。
【0062】また、めねじ体3を螺動させると締結部材
2と共にねじ部5を移動するものであるが、締結部材2
の係止縁8がねじ部5へ螺合するように係合したとき、
締結部材2の当接面と、めねじ体3の座面3bとが一部ま
たは全部において接触して両者2,3が締め合わされ、
締結部材2とめねじ体3とがダブルロック状態となっ
て、これらおねじ体1と締結部材2とめねじ体3とが再
び一体化されるもので、この作動はねじ部5において連
続的に起こり得るものである。
【0063】なお、前記した螺動にあっては、おねじ体
1を回転させめねじ体3を固定した状態において行なっ
ても同様であることはもちろんである。
【0064】
【発明の効果】前述したように本発明は、おねじ体のね
じ部へ挿し通した締結部材をめねじ体の螺合によって、
その座面を圧接するだけの簡単な操作により、該締結部
材あるいは取付部材と共におねじ体へ仮止めさせること
ができるので、部材の締結にあってその作業性や取り扱
い、および流通時においても一体となっているので管理
が良好である。
【0065】締結部材とめねじ体とおねじ体との分離
は、めねじ体は緩めるだけで容易に行なえるので、使用
する部材の種類の変更があっても現場等において直ちに
その付け替えが行なえると共に、おねじ体と締結部材お
よびめねじ体とをその作業ごとに合わせて多数用意する
必要がないので経済的である上、その保管や在庫管理も
場所を取らず容易である。
【0066】特に、本発明のセットは、頭部を有しない
おねじ体への締結部材の螺着が確実に行なわれて、頭部
側でないねじ部を下方へ向けても締結部材が落下するこ
とがないので、一般の締結作業はもちろんのこと、手の
入りにくい箇所での作業に対して有効であって、しか
も、締結部材とめねじ体との締め合わせにより、おねじ
体におけるねじ部の任意位置において両者をその取り付
けの位置決めを行なうことができる。等の格別な効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する締結用機械要素セットの各例を
示す一部を破断した正面図である。
【図2】図1における締結部材の各例を示す斜視図であ
る。
【図3】図2における他の例の締結部材を用いた結合状
態を示す断面図である。
【図4】図1における他の各例を示す断面図である。
【図5】締結部材における通孔の係止縁の他の例を示す
一部の断面図である。
【図6】図1における締結部材の湾曲,歪,折曲または
ひねり状態の各例を示す断面図である。
【図7】図5における更に他の例を示す平面図である。
【図8】図1における締結用機械要素セットにおいて締
結部材がおねじ体に係合される状態を示す断面図であ
る。
【図9】図1における締結用機械要素セットの一体化状
態を示す要部の拡大断面図で、(a) は締結部材が平座金
の場合を、(b) は締結部材がスプリングワッシャの場合
をそれぞれ示す。
【図10】従来のボルトと座金のセット状態の各例を示
す正面図である。
【図11】図11における更に他の例のセット状態を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 おねじ体 2 締結部材 3 めねじ体 4 取付部材 5 ねじ部 7 通孔 8 係止縁 3b 座面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ部を設けたおねじ体と、該おねじ体
    のねじ径より大径の通孔を有し、この通孔へ該部分の変
    形加工により形成させた係止縁を、前記おねじ体のねじ
    部と係合させる締結部材と、おねじ体のねじ部に螺合さ
    せてその座面とおねじ体のねじ部に係合させた前記締結
    部材の側面とを締め合わせ、これらおねじ体と締結部材
    とめねじ体とを一体化させるめねじ体とを備えさせたこ
    とを特徴とする締結用機械要素セット。
  2. 【請求項2】 おねじ体のねじ部に設けた締結部材とめ
    ねじ体との間に取付部材を挾み設けたことを特徴とする
    請求項1記載の締結用機械要素セット。
  3. 【請求項3】 おねじ体のねじ径より大径の通孔を有す
    る締結部材の前記通孔を、前記おねじ体のねじ部と係合
    する係止縁が形成されるように、該通孔へ該部分の変形
    加工を施して、この締結部材の通孔を前記おねじ体のね
    じ部へ押し通して該ねじ部に係止縁を係合させ、おねじ
    体のねじ部へめねじ体を螺合させてこの座面と前記締結
    部材面とを締め合わせ、これらおねじ体と締結部材とめ
    ねじ体とを一体化させることを特徴とする締結用機械要
    素の結合方法。
  4. 【請求項4】 おねじ体のねじ径より大径の通孔を有す
    る締結部材の前記通孔を、前記おねじ体のねじ部と係合
    する係止縁が形成されるように、該通孔へ該部分の変形
    加工を施して、この締結部材の通孔を前記おねじ体のね
    じ部へ押し通して該ねじ部に係止縁を係合させ、おねじ
    体のねじ部へめねじ体を螺合させてこの座面と前記締結
    部材面とを締め合わせ、これらおねじ体と締結部材とめ
    ねじ体とを一体化させる締結用機械要素の結合方法にあ
    って、おねじ体と締結部材とめねじ体との一体化後に、
    前記おねじ体かめねじ体の螺動により締結部材のねじ部
    への係合位置を変換させて、該締結部材のねじ部におけ
    る移動を可能とさせることを特徴とする締結用機械要素
    の締結方法。
  5. 【請求項5】 おねじ体のねじ部に設けた締結部材とめ
    ねじ体との間に取付部材を挾み設けて、これらおねじ体
    と締結部材、および取付部材とめねじ体とを一体化させ
    ることを特徴とする請求項3または4記載の締結用機械
    要素の結合方法。
JP10000093A 1993-04-27 1993-04-27 締結用機械要素セットおよび締結用機械要素の結合方法 Pending JPH06307426A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009063265A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Toshiba Carrier Corp 天井吊り下げ形空気調和機
JP2010196856A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Shin Nikkei Co Ltd 取付部品、取付部品による縦横材の組付け構造体及びその組付け方法
JP2013059427A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Tt Corporation:Kk 物干装置

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