JPH06302506A - 電子ビーム露光方法および露光装置 - Google Patents

電子ビーム露光方法および露光装置

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JPH06302506A
JPH06302506A JP5173388A JP17338893A JPH06302506A JP H06302506 A JPH06302506 A JP H06302506A JP 5173388 A JP5173388 A JP 5173388A JP 17338893 A JP17338893 A JP 17338893A JP H06302506 A JPH06302506 A JP H06302506A
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブランキングアパーチャアレイを使った電子ビ
ーム露光方法において、所定のピッチで縦横に配列した
露光ドットにより露光パターンを露光する際に、露光パ
ターンのエッジを前記所定のピッチよりも細かい精度で
制御でき、かつ高いスループットで露光できる露光方法
を提供することを目的とする。 【構成】単一の電子ビームを整形して、前記所定のピッ
チで配列した複数の電子ビーム要素よりなるN群の電子
ビーム群を、隣接した電子ビーム群間で前記電子ビーム
要素がMをNより小さい任意の整数として、相互に1/
Nピッチずれるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に半導体装置の製造
に関わり、特に半導体基板等の物体上に電子ビーム等の
荷電粒子ビームにより半導体パターンを描画する際に微
妙なパターンサイズ設定が可能な電子ビーム露光方法お
よび露光装置に関する。
【0002】電子ビームリソグラフィは集積密度の大き
な先端的な半導体集積回路を製造する上で必須の技術で
ある。電子ビームリソグラフィを使うことにより、0.
05μm以下の幅を有するパターンを0.02μm以下
のアラインメント誤差で露光することが可能である。こ
のため、電子ビームリソグラフィは256Mビットある
いは1Gビットを超えるような大きな記憶容量を有する
DRAM、あるいは非常に強力な演算機能を備えた高速
マイクロプロセッサを始めとする将来の半導体装置の製
造において中心的な役割を果たすと考えられている。
【0003】ところで、かかる半導体装置の製造におい
ては、素子パターンの分解能もさることながら、製造時
のスループットが本質的な重要性を持っている。電子ビ
ームリソグラフィでは単一の集束電子ビームを使って描
画を行うため、この点で全パターンを一回の露光で行え
る従来の光露光方法に比べて不利にならざるを得ない。
然し、従来の光露光方法は分解能の限界に到達しつつあ
り、したがって将来の高速・高機能半導体装置の製造に
おいては電子ビーム露光方法に頼らざるをえない事情が
存在する。
【0004】このような状況下で、電子ビーム露光のス
ループットを向上させる様々な試みがなされている。例
えば、本発明の出願人は先にいわゆるブロック露光方法
を提案した。このブロック露光方法では、素子パターン
が多数の基本パターンに分解され、電子ビームはこれら
の基本パターンに従って整形される。ブロック露光方法
は比較的少数の基本的なパターンが繰り返されることが
多い半導体メモリ装置の露光に特に適しており、現在約
1cm2 /秒のスループットが達成されている。
【0005】一方、マイクロプロセッサのような、複雑
かつ多様な論理回路を含む半導体装置では、ブロック露
光方法は露光能率が低下してしまう問題点を有する。こ
れは、ブロック露光方法で形成できるパターンが少数の
基本的なパターンの組み合わせに限定されてしまうこと
に起因している。ブロック露光法で不規則な露光パター
ンを形成しようとすると、静電あるいは電磁偏向器によ
りいわゆる可変矩形ビームを形成する必要があるが、か
かる可変ビーム整形は偏向器の静定時間や制御系の動作
速度等に起因して、露光効率が低下してしまう問題点を
有する。
【0006】
【従来の技術】このような、複雑かつ多様な論理回路を
含む半導体装置の露光を高速で実行するため、描画パタ
ーンを小さな露光ドットよりなるドットパターンとして
表現し、各ドットを形成する電子ビームをオンオフす
る、いわゆるブランキングアパーチャアレイを備えた電
子ビーム露光装置が提案されている。
【0007】図22はブランキングアパーチャアレイを
使った従来の電子ビーム露光装置の概要を示す。図22
を参照するに、電子ビーム露光装置は一般に電子ビーム
を形成しこれを集束させる電子光学系100と、電子光
学系100を制御する制御系200とよりなる。電子光
学系100は電子ビーム源として電子銃104を含む。
一方、電子銃104はカソード電極101と、グリッド
電極102と、アノード電極103とを含み、電子ビー
ムを形成してこれを所定の光軸に沿って発散電子ビーム
として発射する。
【0008】電子銃104で形成された電子ビームはビ
ーム整形板105に形成されたビーム整形用アパーチャ
105aを通されて整形される。アパーチャ105aは
光軸Oに整合して形成されており、入射電子ビームを矩
形断面形状に整形する。
【0009】整形された電子ビームは、電子レンズ10
7によって、ブランキングアパーチャアレイ(BAA)
を形成されたBAAマスク110上に集束され、レンズ
107は前記矩形開口の像をBAAマスク110上に投
影する。後程図20を参照しながら説明するが、BAA
マスク110には半導体基板上に描画される多数の露光
ドットに対応して多数のアパーチャが形成され、各アパ
ーチャには静電偏向器が形成されている。この静電偏向
器は制御信号Eにより制御され、非励起状態では電子ビ
ームをそのまま通過させるが、励起状態では通過電子ビ
ームを偏向させ、その結果通過電子ビームの方向が光軸
Oから外れる。その結果、以下に説明するように、前記
半導体基板上には、非励起状態のアパーチャに対応した
露光ドットパターンが形成される。
【0010】BAAマスク110を通った電子ビームは
電子レンズ108および116を通った後、光軸O上の
焦点f1 において集束され、その際選択された開口部の
像が焦点f1 において結像する。こうして集束された電
子ビームは、ラウンドアパーチャ板117に形成された
ラウンドアパーチャ117aを通った後、別の縮小光学
系を形成する電子レンズ119,122により、移動自
在なステージ126上に保持された半導体基板123上
に集束される。ここで、電子レンズ122は対物レンズ
として作用し、焦点補正および収差補正のための補正コ
イル120,121や集束電子ビームを基板表面上で移
動させるための偏向器124,125等を含んでいる。
【0011】レンズ108とラウンドアパーチャ板11
7の中間には静電偏向器115が形成されており、偏向
器115を駆動することにより電子ビームに経路は板1
17のラウンドアパーチャ117aを通る光軸Oから外
される。その結果、半導体基板上において電子ビームを
高速でオン/オフすることが可能になる。また、先に説
明したBAAマスク110上のアパーチャにおいて静電
偏向器の励起に伴い偏向された電子ビームも前記ラウン
ドアパーチャ117aを外れるため、半導体基板上に到
達することがなく、その結果、前記露光ドットパターン
の制御が可能になる。
【0012】かかる露光動作の制御のために、図22の
電子ビーム露光装置は制御系200を使用する。制御系
200には描画したい半導体装置の素子パターンに関す
るデータを記憶する磁気テープ装置201や磁気ディス
ク装置202,203等の記憶装置が含まれる。例え
ば、図示の例において、磁気テープ201は様々な設計
パラメータの記憶に、磁気ディスク202は描画パター
ンの記憶に、また磁気ディスク203はBAAマスク1
10のアパーチャ配列を記憶するのに使われるものであ
ってもよい。
【0013】記憶装置に記憶されたデータはCPU20
4により読み出され、データ圧縮を解除された後インタ
ーフェース装置205に転送される。その際、BAAマ
スク110上のパターンを指定するデータが抽出され、
かかるデータはデータメモリ206に記憶される。デー
タメモリ206に記憶されたデータは次に前記制御信号
Eを形成する第1の制御回路207に転送され、制御回
路207はこれをBAAマスク110上の各アパーチャ
に対応した静電偏向器に供給する。その結果、先に説明
したBAAマスク上の各アパーチャの励起/非励起が制
御され、かかる制御により基板123上における露光ド
ットパターンの制御がなされる。
【0014】また、第1の制御回路207は制御信号を
ブランキング制御装置210に送り、ブランキング制御
装置210はこれに応じて電子ビームの照射を中断させ
るブランキング信号を形成する。ブランキング信号は次
いでD/A変換器211によりアナログ信号SBに変換
され、アナログ信号SBは偏向器115を制御して電子
ビームを光軸Oから離間するように偏向させる。その結
果、電子ビームはラウンドアパーチャ117aを外れ、
基板123の表面に到達しなくなる。
【0015】インターフェース装置205はさらに基板
123の表面上における電子ビームの移動を制御するデ
ータを抽出し、これを第2の制御回路212に供給す
る。これに応じて制御回路212は電子ビームを基板1
23の表面上で偏向させる制御信号を形成し、形成した
制御信号を偏向制御回路215に供給する。偏向制御回
路215は供給された制御信号に応じて偏向制御信号を
形成し、これをD/A変換器216および217に供給
する。D/A変換器216および217は偏向制御信号
に応じて偏向器を駆動する駆動信号SW1およびSW2
を形成し、これらを偏向器124,125に供給して電
子ビームの偏向を行う。また、ステージ126の位置は
レーザ干渉計214により検出され、ウェハ偏向制御回
路215は出力偏向制御信号、従って駆動信号SW1,
SW2をレーザ干渉計によるステージ位置の測定結果に
従って変化させる。さらに、第2の制御回路212はス
テージ126を水平面内で移動させる制御信号を形成
し、ステージ駆動機構213を介してステージ126を
移動させる。
【0016】図23は図22の電子ビーム露光装置で使
われるBAAマスク110の構成例を示す。
【0017】図23を参照するに、マスク110は走査
方向に約1200μmの大きさbを、また走査方向と直
交する方向に約3200μmの大きさcを有し、マスク
110上には、電子ビーム走査方向に対して略直交する
方向に延在する複数列のアパーチャ1A1 〜1An ,1
1 〜1Bn ,2A1 〜2An ,・・・,8A1 〜8A
n ,8B1 〜8Bn が形成される。図中、アパーチャ列
1A1 〜1An を含むアパーチャ列を1A、アパーチャ
列1B1 〜1Bn を含むアパーチャ列を1B等と表現す
る。図23のマスクでは、B系列のアパーチャはA系列
のアパーチャに対して互い違いになるように、1ピッチ
だけずらされて形成されている。図示の例では、各アパ
ーチャ列は一辺の大きさSが25μm、ピッチ2Sが5
0μmで配列された64個のアパーチャを含み、BAA
マスク110上には全部で16列のアパーチャ列1A〜
8Bが、走査方向への繰り返しピッチが2Sで互いに平
行に形成されている。各アパーチャに対応して、半導体
基板123上には一辺が0.08μmの正方形ドットパ
ターンが描画される。
【0018】従って、かかるブランキングアパーチャア
レイを使った従来の電子線露光装置では、個々のアパー
チャ列により、電子ビームの走査方向に対して略直交す
る方向に整列した個々の電子ビームの集合体よりなる、
偏平な断面形状を有する電子ビーム群が形成され、かか
る偏平な電子ビーム群を前記走査方向に偏向することに
より、描画パターンが半導体基板123上に露光ドット
パターンの集合体として露光される。その際、各アパー
チャを互い違いに配列することにより、同時に照射され
る電子ビームの間隔が過度に近接することが回避され、
電子ビームが相互に近接し過ぎることに起因して発生す
る電子ビーム間のクーロン相互作用の問題を回避するこ
とが可能になる。また、複数形成されたアパーチャ列を
使って多重露光を行うことにより、基板上に形成される
露光パターンの露光量を任意に調整することが可能にな
る。その結果、例えば後方散乱電子による近接効果等
の、パターンサイズに依存した露光パターンの変形の問
題を、露光量を露光パターンの変形が補償されるように
変化させることにより、軽減することが可能になる。
【0019】図24はマスク110上に形成されたアパ
ーチャおよびこれと協働する静電偏向器を示す。
【0020】図24を参照するに、各々の静電偏向器は
斜線を施した接地側電極GNDと、アパーチャを隔てて
これに対向する駆動側電極ACTとよりなり、図22の
BAA制御回路には、図24中走査方向に整列した各ア
パーチャ列COL1 ,COL 2 ,COL3 ,・・・CO
128 に対応して複数の駆動回路が設けられている。後
ほど詳細に説明するように、同一列、例えばアパーチャ
列COL2 を構成するアパーチャには、対応する駆動回
路から同一の駆動信号が逐次、ビーム走査速度に対応し
た遅延量だけ遅延して供給され、基板上にはアパーチャ
列中の各アパーチャを通った電子ビームにより、前記一
辺が0.08μmの正方形ドットパターンが繰り返し露
光される。かかる露光を行なうため、各列のアパーチャ
には、対応する駆動回路から別々のラインを介して駆動
信号が供給される。図24にはアパーチャ列COL2
おけるかかるラインが記号Lで集合的に示されている。
他のアパーチャ列に対応するラインは簡単のため図示を
省略してある。
【0021】図25は図23のマスク110により、半
導体基板123上に形成される露光パターンの例を示
す。図25を参照するに、露光パターンはA系列および
B系列の露光ドットの二次元配列により構成され、各露
光ドットは一辺の大きさが0.08μmの矩形露光区画
として形成される。そこで、前記露光ドットを、BAA
マスク110を制御してオン/オフすることにより、大
きさが0.08×0.08μmの矩形領域を一単位とし
て露光パターンの変形が可能になる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】図26(A)〜26
(E)はかかる多重露光による半導体基板上における露
光パターンの変化、特にパターンサイズの変化を示す。
図中、横軸は基板123表面上において前記走査方向に
直交するように設定された座標軸、縦軸は露光量をあら
わす。また、縦軸上の記号THは半導体基板123上に
形成された電子線ビームレジストの露光閾値を表す。ま
た、ハッチングを施した領域はBAAマスク110を使
った露光が行われることを示す。図中、各矩形領域は先
にも説明したように、一辺が0.08μmのサイズを有
する。
【0023】図26(A)〜26(E)の例では、露光
時にBAAマスク110上のアパーチャ列1A1 〜1A
n ,1B1 〜1Bn ,2A1 〜2An ,2B1 〜2
n ,3A1 〜3An ,3B1 〜3Bn ,4A1 〜4A
n ,4B1 〜4Bn を第1の群、アパーチャ列5A1
5An ,5B1 〜5Bn ,6A1 〜6An ,6B1 〜6
n ,7A1 〜7An ,7B1 〜7Bn ,8A1 〜8A
n ,8B1 〜8Bn を第2の群としてそれそれ別個に制
御し、露光を第1群アパーチャ列と第2群アパーチャ列
を使って2回行っている。すなわち、第1群アパーチャ
列を使って露光した後、第2群アパーチャ列を使って二
重露光がなされる。図中、かかる露光により基板上にお
いて実現される露光量プロファイルを実線で示してあ
る。
【0024】図26(A)は、第1群および第2群のア
パーチャ列が、位置P0 に形成されたエッジを有する同
一のパターンを露光するのに使われる場合を示してい
る。図中、説明を簡略化するため、露光に伴う近接効果
は省略してある。このように、第1回目の露光と第2回
目の露光で同一のパターンが露光される場合には、図中
において実線で示す露光量プロファイルはエッジ部分で
非常に急峻になり、非常にシャープな露光パターンの境
界が得られる。同様に、図26(E)は第1群および第
2群のアパーチャ列が、図26(A)の位置P0 から
0.08μmだけオフセットした位置P1 にエッジを有
するパターンを露光するのに使われる例を示す。この場
合にも、露光量プロファイルがエッジ部分で非常に急峻
になり、シャープな境界が得られる。換言すると、図2
6(A)および26(E)に示す露光工程においては、
0.08μmきざみで露光パターンの大きさを変化させ
ることが可能である。
【0025】一方、かかるブランキングアパーチャアレ
イを使った露光方法では、前記0.08μmの間隔より
も小さな間隔で露光パターンの大きさを変化させること
が望ましい場合が存在する。例えば近接効果を補正する
場合等においては、露光パターンのエッジ部分において
選択的に露光量を変化させる必要が生じる。図26
(A)〜26(E)に示した二重露光方法では、例えば
図26(B)に示すように、二回目の露光の際に、パタ
ーンエッジから1ドットだけ内側の露光ドットの露光を
選択的に抑止することにより、露光パターンのエッジを
位置P0 から内側に0.02±0.02μmだけ移動さ
せることが可能である。また、図26(C)に示す例で
は、二回目の露光時に、パターン最外部においてエッジ
部を形成するドットの露光が抑止され、パターンエッジ
を位置P0 から0.04±0.01μmだけ内側に移動
させることが可能である。さらに、図26(D)に示す
例では、2回目の露光の際に、パターンエッジから2ド
ット分の露光を抑止することで、位置P0 に対して0.
06±0.02μmだけパターンエッジを変位させてい
る。
【0026】ところが、図26(B)〜26(D)の
例、特に図26(C)および26(D)の例では、実線
で示す実際の露光量プロファイルがパターンエッジ部に
おいて図26(A)あるいは26(E)の場合に比べて
平坦になってしまい、このためレジスト上に形成される
露光パターンのエッジが不確定になってしまう問題点が
存在する。例えば、電子ビームの照射量あるいは半導体
基板上のレジストの露光量閾値がわずかでも変動する
と、半導体基板上に描画される露光パターンのエッジ位
置が大きく変化してしまう。このため、図26(C),
26(D)の例では、パターンエッジの誤差が大きくな
っている。一方、先に説明したように、図26(A)お
よび26(E)の例では露光パターンのエッジは非常に
シャープに確定する。このため、BAAマスク110を
使った図26(A)〜26(E)の二重露光方法では、
露光パターンのサイズ如何により、基板123上の電子
ビームレジスト上に形成される像のシャープネスが変化
してしまう問題点が生じる。
【0027】この問題点を解決するため、図23に示す
ようなBAAマスクを使って露光ドットを基板上にまず
形成し、次いでこのように形成された露光ドットよりな
る露光パターンの上に、X方向およびY方向に半ピッチ
だけずれた露光ドットよりなる別の露光パターンを重ね
て露光する露光方法が提案されている。かかる多重露光
方法によれば、後ほど説明するように、露光精度を低下
させることなく、露光パターンのエッジ位置を細かく変
位させることが可能になる。しかし、かかる多重露光に
おいては、すでに露光された基板上にもう一回ないしそ
れ以上、露光を繰り返し行う必要があり、露光のスルー
プットが著しく低下してしまう問題点があった。
【0028】また、図23,24に示すBAAマスク1
10を使った従来の電子ビーム露光装置においては、各
アパーチャによる露光のタイミングがずれた場合に図2
7に示すように露光パターンのエッジが波打ってしま
い、所望の露光パターンが得られなくなってしまう問題
点がある。しかも、一般に図22の露光装置を使ってウ
ェハ上に露光を行なう場合には、ウェハ表面を複数のバ
ンドないしセルストライプに分割して露光が実行される
が、このように各アパーチャをオンオフするタイミング
がずれるとバンドの境界において露光パターンに食い違
いが生じてしまう。
【0029】一般に、かかるアパーチャの露光タイミン
グを狂わせる要因としては、図24に示すようなマスク
110内における個々のラインLの線長の系統的な変
化、BAA制御回路209内の駆動回路からマスク11
0に至る個々の信号線の長さの変化、駆動回路内におけ
るクロックスキュー等が考えられる。これらの要因は各
列内、例えばアパーチャ列COL2 内における走査方向
への露光ドットの位置ずれを引起す。このうちマスク内
におけるラインLの線長の変化やクロックスキューはせ
いぜい数十ピコ秒程度の信号遅延を引き起こすだけであ
り、あまり問題にならない。一方、BAA制御回路20
9からマスク110に至る線長の変化は制御系200に
おけるBAA制御回路209の実装状態によっては無視
できない場合がある。さらに、先に説明したような、各
アパーチャ列COL1 ,COL2 ,COL3 ・・・でア
パーチャを複数の群に分け、個々の群を異なったBAA
制御回路209で駆動して微妙なパターンの調整を行な
う場合にも、BAA制御回路の実装状態により、露光パ
ターンにずれが生じることがある。
【0030】さらに、図24に示すように、異なったア
パーチャ列COL1 ,COL2 ,COL3 ・・・は異な
った駆動回路により駆動されるため、個々の駆動回路の
特性のばらつきおよびBAA制御回路209の制御系2
00内における実装状態に起因する露光ドットのずれが
生じる可能性がある。かかる露光ドットのずれは、図2
7に示したような露光パターンのエッジに誤差のを引き
起こす。従来は、露光されるパターンの精度が余り高く
なかったためかかる露光パターンのずれはあまり問題に
なることがなく、従ってかかる露光ドットのずれを補正
しようとする試みがなされることはなかった。しかし、
露光精度に対する要求が厳しくなり、また近接効果の補
正等、微妙な露光パターンの補正が問題となる先端的な
電子ビーム露光装置では、BAA露光の際の露光ドット
のずれを何らかの方法で補正する必要がある。
【0031】従って、本発明は、上記の問題点を解決し
た新規で有用な電子ビーム露光方法および露光装置を提
供することを概括的目的とする。
【0032】本発明のより具体的な目的は、ブランキン
グアパーチャアレイを有する電子ビーム露光装置によ
り、物体上にパターンを露光ドットの集合体として露光
する露光方法において、露光パターンのサイズを、ブラ
ンキングアパーチャアレイにより物体上に形成される個
々の露光ドットのサイズよりも小さな間隔で変化させる
ことができ、かつ露光パターンのサイズを変化させた場
合に露光パターンの精度が実質的に変化せず、さらに効
率的に露光を実行できる電子ビーム露光方法、およびか
かる電子ビーム露光方法の実施可能な電子ビーム露光装
置を提供することにある。
【0033】本発明の他の目的は、露光パターンを露光
ドットの集合として形成する際に、露光タイミングのず
れに起因して生じる露光ドットの位置ずれをなくした電
子ビーム露光方法および装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を、
単一の電子ビームを整形して複数の電子ビーム要素より
なる電子ビームパターンを形成するビーム整形工程と、
物体上に所定露光パターンを、前記電子ビームパターン
を構成する複数の電子ビーム要素の照射により、所定の
ピッチで配列した露光ドットの集合として描画する露光
工程とを含む電子ビーム露光方法において、前記ビーム
整形工程は、前記複数の電子ビーム要素を、前記単一の
電子ビームを整形することにより、各々第1の方向に整
列しまた前記第1の方向に対して直角な第2の方向に繰
り返し形成される相互に平行な電子ビーム要素の集合よ
りなる複数の電子ビーム群として、また前記複数の電子
ビーム要素の各々が同時に形成されるように形成する工
程を含み、その際、異なった電子ビーム群間では、電子
ビーム要素が、Nを電子ビーム群の数を表す整数、Mを
Nより小さい任意の整数として、少なくとも前記第1の
方向および第2の方向のいずれか一方の方向に相互にM
/Nピッチだけずれていることを特徴とする電子ビーム
露光方法により、又は電子ビームを形成し、これを所定
光軸に沿って出射させる電子線源手段と;前記所定光軸
上に形成され、前記電子ビームを物体上に集束させる集
束手段と;前記所定光軸上に形成され、電子ビームを整
形して、複数の電子ビーム要素を形成する電子ビーム整
形手段と;前記電子ビーム整形手段を制御して、前記複
数の電子ビーム要素を所定の露光パターンに従って形成
する整形制御手段と;前記整形された複数の電子ビーム
要素を偏向させる偏向手段とよりなり、電子ビーム要素
により露光パターンを物体上に描画する電子ビーム露光
装置において:前記電子ビーム整形手段は、複数の開口
部を形成され単一の電子ビームを前記複数の開口部に対
応した複数の電子ビーム要素に整形するマスク板と、前
記複数の開口部の各々に形成され、前記開口部を通過す
る電子ビーム要素を偏向させる偏向装置とよりなり;前
記整形制御手段は前記偏向装置に露光パターンに従って
駆動信号を供給して前記複数の電子ビーム要素を前記所
定の露光パターンに従って形成し;前記マスク板上に形
成された複数の開口部は、第1の方向およびこれと異な
った第2の方向に所定のピッチで配列されて、各々前記
第1の方向に延在し前記第2の方向に前記所定ピッチで
N回繰り返される複数の開口部群を形成し;前記各開口
部群において、前記各開口部は前記第1の方向に前記所
定のピッチで繰り返され、かつ隣接する開口部群中の対
応する開口部に対して、Nを開口部群の数、MをNより
小さい任意の整数として、前記所定ピッチのM/Nの距
離だけ前記第1および第2の方向にずらされて形成され
ており;前記整形制御手段は、前記複数の開口部群に形
成された偏向装置の各々に、相互に独立した複数の駆動
信号を供給することを特徴とする、電子ビーム露光装置
により、又は単一の電子ビームを整形して複数の電子ビ
ーム要素よりなる電子ビームパターンを形成するビーム
整形工程と、物体上に所定露光パターンを、前記電子ビ
ームパターンを構成する複数の電子ビーム要素の照射に
より、所定のピッチで配列した露光ドットの集合として
描画する露光工程とを含む電子ビーム露光方法におい
て:前記ビーム整形工程は、前記単一の電子ビームを、
前記電子ビームパターンに従ってオンオフされる複数の
開口部を形成されたマスクを通過させる工程を含み;前
記ビーム整形工程は、さらに前記開口部がオンオフされ
る駆動タイミングを検出するタイミング検出工程と;前
記駆動タイミングを所定のタイミングにそろえるタイミ
ング調整工程とを含むことを特徴とする電子ビーム露光
方法により達成する。
【0035】
【作用】本発明によれば、ドットの集合として表現され
た露光パターンを多重露光プロセスにより形成する際
に、各露光毎に露光パターンがM/Nピッチずつずらさ
れ、その際各露光毎に露光パターンを変化させることに
より、露光パターンのエッジ位置を非常に細かく設定す
ることができる。しかも、単一の電子ビームから複数の
電子ビーム要素を形成してM/Nピッチずれた複数の露
光ドットを同時に露光することにより、露光工程におけ
るスループットを大きく向上させることが可能になる。
【0036】より具体的に説明すると、露光パターン
を、各露光毎にM/Nピッチずつずらすことにより、露
光パターンエッジ部における露光量がいずれの露光パタ
ーンにおいても急峻に変化するため、露光パターンのエ
ッジ位置を細かく設定するような場合においてもエッジ
の位置が不確定になるようなことは生じにくい。換言す
ると、本発明により、露光パターンを、露光精度を犠牲
にすることなく非常に細かく変化させることが可能であ
り、特に近接効果の補正等に伴う露光パターンの変形が
正確かつ容易に、またさらに高いスループットで実行可
能になる。
【0037】以下、本発明の原理を図1を参照しながら
詳細に説明する。図1は開口部列をX方向およびY方向
に1/2ピッチずつずらして形成したBAAマスクを使
用して二重露光を行った場合に対応する。
【0038】図1を参照するに、第1回目の露光パター
ンをX1 、第2回目の露光パターンをX2 で表し、各露
光パターンX1 ,X2 は、各々例えば0.08×0.0
8μmの大きさを有し図中において実線で示された矩形
露光ドットの二次元配列により形成され、各露光ドット
をオン/オフすることにより各露光パターンX1 ,X 2
が露光される。この場合、各露光パターンX1 ,X2
おいて前記矩形露光ドットはXおよびY方向に0.08
μmのピッチで繰り返し形成されている。さらに、第1
回目の露光パターンX1 と第2回目の露光パターンX2
とでは露光ドットの位置が、半ピッチすなわち0.04
μmだけ、XおよびY方向にずらして形成されている。
さらに、パターンX1 ,X2 の露光が行われる半導体基
板上に塗布された電子ビームレジストの感光閾値を適当
に設定することにより、レジストの感光が、図1中にハ
ッチングで示した前記露光パターンX1 と前記露光パタ
ーンX2 の重複部分においてのみ生じるようにすること
ができる。
【0039】かかる二重露光プロセスにおいて露光パタ
ーンX1 および露光パターンX2 を同一にした場合に
は、露光パターンが0.08μmきざみで変化すること
は自明である。一方、本発明では、図1中にハッチング
で示した露光領域のエッジを、第1回目の露光パターン
1 と第2回目の露光パターンX2 を別々に変化させる
ことで、前記0.08μmきざみよりも実質的に細かい
間隔で変化させることが可能になる。その際、本発明で
は、図25(A)〜25(E)で説明したような、露光
パターンが図25(C),25(D)に示すような特定
のパターンサイズで不確定になる問題点が回避され、ど
のような場合にもほぼ一様な露光精度を確保することが
可能になる。
【0040】図2(A)〜2(C)および図3(D)〜
3(E)は図1に示す二重露光プロセスにおいて露光パ
ターンX1 ,X2 を独立に変化させ、電子ビームレジス
ト上に二重露光の結果形成される露光パターンの大きさ
を示した図である。図中、図25(A)〜25(E)の
場合と同様に、縦軸は露光量をまた横軸は半導体基板上
における座標軸を表す。また電子ビームレジストの露光
量閾値をTHで示す。また、図中a1 ,a2 ,・・・は
第1回目の露光パターンX1 における露光ドットを、b
1 ,b2 ,・・・は第2回目の露光パターンX2 におけ
る露光ドットを表す。また、図2(A)〜2(C)およ
び図3(D)〜3(E)の各図において、右側に示した
図は、前記二重露光に対応して基板上に形成される露光
パターンを表す。図中、各露光ドットは互いに離散して
いるように示してあるが、これは単に図示の都合上の事
情によるもので、実際には各露光ドットは隣接する露光
ドットに重複して形成されている。
【0041】図2(A)〜2(C)および図3(D)〜
3(E)を参照するに、図2(A)は図1に示した状態
に対応しており、同一のパターンが相互にX方向及びY
方向に半ピッチずつずらされて露光パターンX1 および
露光パターンX2 を形成している。図中、実線はかかる
二重露光に伴う露光量プロファイルを表している。但
し、図2(A)〜2(C)、図3(D)〜3(E)にお
いて、近接効果による露光量の変化は説明を簡単にする
ため省略してある。また、露光パターンX1 と露光パタ
ーンX2 の露光順序は重要ではなく、露光パターンX1
を先に露光し露光パターンX2 を後に露光しても、また
その順序を逆転させても同一の結果が得られる。従っ
て、図2(A)〜2(C)、図3(D)〜3(E)にお
いて、露光パターンX1 ,X2 の上下関係を図によって
は反転して示している場合があるが、これは露光結果に
何等の影響も及ぼさない。
【0042】図2(A)の場合、閾値THに対応して、
半導体基板上に形成される露光パターンは位置P0 にエ
ッジを有することがわかる。ただし、位置P0 は露光プ
ロファイルが閾値THを切る点に対応する。これに対
し、図2(B)の例では、第1回目露光パターンX1
構成する露光ドットa1 ,a2 ,・・・のうち、露光ド
ットa2 の露光が抑止され、その結果実線で示した露光
プロファイルが図2(A)の場合よりもやや内側に、約
0.02μmだけ変位した位置に形成されている。その
際、露光が抑止される露光ドットa2 に対応する半導体
基板上の領域は、露光ドットb1 ,b2 によりそれぞれ
半ピッチずつ重複露光されるため、また特に露光ドット
2 よりもエッジP0 に半ピッチ分近い露光ドットb1
の露光が継続されるため、実線で示した露光プロファイ
ルの形状、特にその傾斜は図2(A)の場合に比べて余
り変化しない。換言すると、図2(B)における露光プ
ロファイルは露光パターンのエッジ部で急峻な形状を維
持し、このため電子ビーム露光量に対して露光量閾値T
Hが少々変動しても半導体基板上に形成される露光パタ
ーンのエッジは所定位置から余り大きく変化しない。こ
の場合、露光パターンのエッジは±0.01μmの精度
で決定される。
【0043】図2(C)は、第1回目露光パターンX1
中の最外部露光ドットa1 の露光が抑止された場合に対
応する露光プロファイル、およびこれに伴い半導体基板
上に形成される露光パターンを示す。図2(C)の場合
は露光抑止された露光ドットが最外部の露光ドットa1
であるため、露光プロファイルの変位量は図2(B)の
場合よりも大きく、位置P0 を基準として約0.04μ
mになるが、露光ドットa1 と半ピッチ重複するすぐ内
側の露光ドットb1 の露光が継続されるため、露光プロ
ファイルの形状は平行移動の効果を除けば図2(A)の
場合に対して全く変化せず、露光パターンのエッジ部に
おいて急峻な露光プロファイル形状が維持される。すな
わち、この場合は図2(A)と同等の露光精度が確保さ
れる。
【0044】図3(D)は、第1回目露光パターンX1
中の露光ドットa1 および第2回目露光パターンX2
の露光ドットb2 の露光が抑止された場合に対応する露
光プロファイル、およびこれに伴い半導体基板上に形成
される露光パターンを示す。この場合は、露光プロファ
イルは図2(C)の場合から約0.02μmだけ平行移
動し、その結果露光パターンのエッジは位置P0 から内
側に0.06μm変位する。この場合も露光プロファイ
ルの形状が大きく変化することはなく、±0.01μm
の露光精度を得ることができる。
【0045】図3(E)は、第1回目露光パターンX1
中の露光ドットa1 および第2回目露光パターンX2
の露光ドットb1 の露光を抑止した場合を示す。図3
(E)の露光プロファイルは平行移動すると図2(A)
の露光プロファイルと完全に同一になり、対応する半導
体基板上の露光パターンは図2(A)の場合に比べて内
側に0.08μm変位している。
【0046】図4は図2(A)〜2(C)および図3
(D)〜3(E)に示す露光プロセスにより達成される
露光パターンの半導体基板上におけるエッジ位置の変化
を示す。図4中、横軸上の位置Aは図2(A)に対応
し、Bは図2(B)に対応する。同様に、Cは図2
(C)に対応し、Dは図3(D)に、またEは図3
(E)に対応する。勿論、図2(A),2(C)および
図3(E)の場合に露光パターンの精度は最大になる
が、本発明の要旨に従って、X方向およびY方向に露光
パターンを変位させながら多重露光することにより、図
2(B)〜図3(D)に示すような中間的な露光パター
ンにおいても露光パターンの精度が犠牲になることがな
く、高精度の露光が可能になる。
【0047】本発明においては、図1に示す露光パター
ンに対応した相互にM/Nピッチずれた複数の電子ビー
ム要素を同時に形成して基板上の複数の点を同時に露光
し、しかも前記複数の点の各々においては前記複数の電
子ビーム要素を順次走査することで、1回の電子ビーム
の偏向走査により相互にM/Nピッチずつずれた露光ド
ットを繰り返し露光することができ、高精度の露光を高
いスループットで実行することが可能になる。
【0048】また、本発明によれば、ビーム整形マスク
上に形成された開口部をオンオフさせる駆動信号のタイ
ミングのずれを補償しているため、駆動信号を伝達する
配線の長さが開口部によって変化するような場合でも、
各々の露光ドットの露光時におけるタイミングがそろ
い、露光パターンの誤差を極小化することが可能であ
る。
【0049】
【実施例】次に、本発明の実施例を図5のBAAマスク
220を参照しながら説明する。このBAAマスク22
0は、図22の電子ビーム露光装置において、BAAマ
スク110の代わりに露光ドットパターンを形成するた
めに使用される。あるいは、マスク220は後ほど図1
4に関連して説明する電子ビーム露光装置に適用するこ
とも可能である。
【0050】図5を参照するに、マスク220はマスク
110と同様なピッチ2Sで互い違いに配列された開口
部より構成される開口部列1A,1B,2A,2B,・
・・,8A,8Bを有し、このうち開口部列1A〜4B
および開口部列5A〜8Bがそれぞれ第1および第2の
開口部列のグループEX1 ,EX2 を形成する。ただ
し、図5のマスク220では、第1のグループEX1
構成する開口部1A1 ,1A2 ,・・・,4Bn-1 ,4
n と、第2のグループEX2 を構成する開口部5
1 ,5A2 ,・・・,8Bn-1 ,8Bn とは、図5に
破線で示したグループEX1 とグループEX2 の境界部
においてX方向およびY方向に相互にそれぞれ半ピッチ
すなわちSだけずらされており、これに伴ってグループ
EX1 の開口部群で形成された電子ビーム群はグループ
EX2 の開口部群で形成された電子ビーム群に対してX
およびY方向に距離Sだけ離れて形成される。各々の開
口部は勿論対応する偏向器を備えており、グループEX
1 の開口部群とグループEX2 の開口部群の偏向器を独
立に制御することにより、図2(A)〜2(C)および
図3(D)〜3(E)に示す二重露光プロセスを実行す
ることが可能になる。
【0051】典型的な場合、図5のBAAマスクの各グ
ループEX1 ,EX2 において、各開口部群は共通の駆
動信号により駆動される。より具体的に説明すると、例
えば図22に示す基板123上に露光パターンを形成す
る場合、図5に示す開口部は全て同時にそれぞれの駆動
信号により駆動されており、各瞬間毎に基板123上に
は、オンになった開口部に対応した露光ドットパターン
が形成される。例えば、図5のマスク220上の全ての
開口部がオン(すなわち電子ビームを通過させる状態)
になっている場合、マスク220上の開口部に対応する
露光ドットパターンが縮小されて基板123上に形成さ
れる。さらに、電子ビーム要素をY方向に1ドットづつ
順次偏向させて送り、6ドット分偏向した状態で、先に
開口部1A1 からの電子ビーム要素で露光された基板上
の露光ドット上に、今度は開口部列2A中の対応する開
口部からの電子ビーム要素により、露光ドットを重複し
て露光する。このようにして、基板123上の各点で
は、開口部列1A〜4Aあるいは開口部列1B〜4Bか
らの電子ビーム要素により露光ドットが順次多重露光さ
れた後、さらに開口部列5A〜8Aあるいは5B〜8B
に対応した露光ドットが順次、XおよびY方向に半ピッ
チずれて形成される。その際、各点において、開口部群
EX1 と開口部群EX2 で駆動信号を変化させること
で、先に図2(A)〜2(C),図3(D),3(E)
において説明した、精密なパターンエッジの位置決定が
可能になる。
【0052】図5のマスクでは、各開口部列1A〜8
A,1B〜8B中の各開口部で同時に電子ビームが形成
されているため、上記の重複露光は実際には基板123
表面上の複数の点(図5の例では16×n個の点)で同
時に実行されており、このためY方向に繰り返し重複露
光して図2(A)〜2(C),図3(D),3(E)に
示す効果を得るような場合に対しても非常に優れたスル
ープットを得ることが可能になる。
【0053】図6(A)〜6(D)は本発明を主露光パ
ターンに対して適用した例を示す。図中、露光パターン
は露光ドットAとこれに対して半ピッチずれた露光ドッ
トBにより形成され、このうち図6(A)の例では5列
5行に配列された計25個の露光ドットAに重畳して4
行4列に配列された計16個の露光ドットBが露光され
る。これに対し、図6(B)の例では、4行4列に配列
された計16個の露光ドットBに重複して3行3列に配
列された計9個の露光ドットAが重畳され、その結果図
6(A)の場合よりも1ピッチだけ内側にずれた境界線
を有する露光パターンが形成される。図6(C)の場合
は境界線がさらに内側に1ピッチずれている。
【0054】これに対し、図6(D)の例では5行5列
の配列の露光ドットAに重畳して露光される4行4列の
露光ドットBのうち、4ドットの露光を選択的に抑止し
た例を示しており、このように露光ドットBの露光を抑
止することにより露光パターンの境界線を1ピッチより
も細かいピッチで変化させることが可能になる。
【0055】図7は本発明の第2実施例による露光マス
ク220’を示す。
【0056】図7を参照するに、露光マスク220’は
複数列の開口部群A〜Dを含み、各開口部群中において
は各開口部は相互に1ピッチずれた2列の開口部列、例
えば開口部列A1 およびA2 、B1 およびB2 、・・・
として形成される。さらに、開口部群Aの開口部列と、
これに隣接する開口部群Bの対応する開口部列、例えば
開口部列A1 を形成する開口部と開口部列B1 を形成す
る開口部列とは、XおよびY方向に1/4ピッチずつず
らされている。同様な関係は開口部列A2 とB 2 、B1
とC1 、B2 とC2 等についても成立している。すなわ
ち、一般にN列の開口部群を有する露光マスクにおいて
は、一の開口部群中の開口部とこれに隣接する開口部群
中の対応する開口部とはXおよびY方向に、MをNより
小さい任意の整数としてM/Nピッチだけずらされる。
【0057】図8(A)〜8(E)は図7のマスク22
0’を使った露光例を示す。このようにして、露光ドッ
トの露光を選択的に抑止することにより、前記図2,3
(A)〜3(E)において説明したような露光エッジ位
置の微調整が可能になる。例えば、図8(B)の例では
露光パターンのエッジ位置は図8(A)のものに対して
内側(図中左方向)に0.01±0.05ミクロン変位
する。これに対し、図8(C)の例では、露光パターン
のエッジは図8(A)のものに比べて左側に0.02ミ
クロンずれている。図8(C)の場合、エッジ位置は図
8(A)の場合と同じ精度で決まる。図8(D)の例で
は、パターンエッジは図8(A)の場合に比べて左側に
0.07±0.005ミクロン変位しており、さらに図
8(E)の例ではパターンエッジは図8(A)の場合に
対して左側に0.08ミクロン変位しており、その際の
エッジ位置精度は図8(A),8(C)の場合と同等
で、最も高い。さらに、図7のマスクでは、図8(A)
〜8(E)に示した以外にも露光パターンの組み合わせ
が可能である。
【0058】次に、本発明の第3実施例によるBAAマ
スクの構成を図9を参照しながら説明する。
【0059】図9を参照するに、本実施例によるBAA
マスクは、各々XおよびY方向に互いに1ピッチずれて
X方向に延在する2列の開口部列より構成される複数の
開口部群A,B,C,Dを含み、開口部群Aと開口部群
Bでは、開口部がX方向に半ピッチずらされている。よ
り具体的に説明すると、開口部群Aを構成する開口部は
XおよびY方向に互いに1ピッチずれた開口部A1 と開
口部A2 により構成され、開口部A1 と開口部A2 はそ
れぞれX方向に延在する2本の開口部列を形成する。同
様に、開口部群BはそれぞれX方向に延在する2本の開
口部列を形成する開口部B1 と開口部B2 とにより構成
され、開口部B1 は開口部A1 に対してX方向に1/2
ピッチだけずらされている。また、開口部B2 も対応す
る開口部A2 に対してX方向に1/2ピッチだけずらさ
れている。
【0060】同様に開口部群CはX方向に整列した2本
の開口部列を形成する開口部C1 ,C2 より構成され、
また開口部群DはX方向に整列した2本の開口部列を形
成する開口部D1 ,D2 より構成され、その際各々の開
口部C1 は開口部群A中にあって対応する開口部A1
対してY方向に1/2ピッチずらされている。同様に各
々の開口部C2 は開口部群A中にある対応する開口部A
2 に対してY方向に1/2ピッチずらされている。さら
に、開口部群D中の開口部D1 は対応する開口部A1
対してXおよびY方向に1/2ピッチだけずらされて、
また開口部D2も対応する開口部A2 に対してXおよび
Y方向に1/2ピッチだけずらされている。
【0061】図10(A),10(B)は図9のマスク
を使って基板上に描画される露光ドットパターンを示
す。図中、露光ドットA〜DはそれぞれBAAマスク上
の開口部群A〜Dに対応する。図10(B)に詳細に示
すように、図10(A)の各々の露光ドットA〜Dは相
互に半ピッチだけずれて重複形成されており、各開口部
群で露光パターンを変化させることにより、微妙なパタ
ーンエッジの調整が可能になる。特に、図9のマスクを
使うと、図10(A),(B)に示したように、図7の
マスクを使って基板上に露光ドットを重複露光する際に
露光ドットが例えば左上から右下に斜めに配列する等の
問題点が解消し、露光パターンが何れの方向に延在して
も高精度な露光が可能になる。
【0062】図11(A)〜11(E)は図9に示した
マスクを使って図2(A)〜2(C)および図3
(A),3(B)と同様な多重露光を行なった場合の例
を示す。
【0063】図11(A)は基準パターンを示し、開口
部群A〜Dに対応して基板上に露光1〜露光4が重複し
て実行される。図11(A)の基準パターンでは開口部
群A〜Dが同一のパターンで駆動され、その結果図11
(A)の右に示すように基板上には基準位置P0 におい
てシャープなパターンエッジが形成される。一方、図1
1(B)の例では、開口部群Aの露光パターンを変化さ
せることにより露光1においてエッジ直近の露光ドット
の形成が抑止され、その結果露光エッジは図中左方向に
0.01μmだけずれる。また、図11(C)の例では
開口部群Bの露光パターンのみが変化され、その結果露
光パターンのエッジが図中左方向にさらに0.01μm
だけずれる。図11(D)の例では開口部群Aと開口部
群Dの露光パターンが変化され、その結果露光パターン
のエッジは図中左方向にさらに0.01μmだけずれ
る。さらに、図11(E)では開口部群A〜Dの全てに
おいて露光パターンが変化され、露光パターンのエッジ
は左方向にさらに0.01μmずれる。
【0064】このように、本実施例によれば、図2
(A)〜2(C)および図3(D)〜3(E)で説明し
た場合よりもより細かいステップで露光パターンのエッ
ジ位置を調整することが可能になる。その際、例えば図
11(B)〜11(D)のような中間的なパターンにお
いてもエッジ位置が不確定になる問題は生じない。
【0065】図12(A)〜12(C)は本発明による
露光パターンの微調整を近接効果補正に対して適用した
場合の例を示す。図中、図12(B)は主露光パターン
の露光を、また図12(A)は近接効果により微小パタ
ーンあるいは大面積パターンの周辺部で生じる露光量の
減少を補うために実行される補助露光を示し、図12
(C)は実際に半導体基板に対してなされる露光を示し
ている。このような補助露光においては、図12(C)
に示すように微小なパターンに正確に重ねて、あるいは
露光パターンの縁辺部に対して選択的に露光を行う必要
があるため、露光パターンの精密な制御が必要になる。
本発明をこのような補助露光に適用することにより、効
果的な近接効果の補正が可能になる。
【0066】図13(A)〜13(C)は、図5のBA
Aマスク220を使って近接効果補正を1回の電子ビー
ム走査で実行することにより、電子ビーム露光のスルー
プットを向上させた例を示す。
【0067】図13(A)〜13(C)を参照するに、
図13(A)はマスク220を使って行われる主露光の
結果を表す。この露光では主露光パターンに従って個々
の露光ドットの露光が行なわれ、図13(A)は個々の
露光ドットによる露光量の合計を示している。かかる露
光を行なうと、周知の近接効果により、バックグラウン
ド露光量がパターン密度に比例して増大し、このため、
図中左の孤立パターン(パターン密度最小)ではバック
グラウンド露光量は殆どゼロなのに対し、図中右の連続
パターン(パターン密度最大)では実際に照射した露光
量とほぼ同量のバックグラウンド露光が生じている。ま
た、中央の中間的なパターンでは、中間的なバックグラ
ウンド露光が生じている。
【0068】かかる、パターン密度に伴う露光量の変化
を補償するために、従来より、主露光パターンに重ね
て、実質的に同一の補正露光パターンを、合計の露光量
が各パターンでほぼ一定になるように行う露光方法が提
案されている。図13(B)はかかる補正露光をあらわ
し、図中左の孤立パターンに対しては同一の孤立パター
ンが主露光の場合と同一の露光量で重ねて露光される。
また、図中右の連続パターンでは露光量が実質的にゼロ
にされ、補正露光は実質的になされない。さらに、中間
のパターンでは、そのパターン密度に応じた中間的な露
光量で補正露光がなされ、その結果図13(C)に示す
合計の露光量はどの露光パターンでもほぼ同じになって
いる。かかる中間的な露光量は、補正露光を行なう際に
露光ドットの密度を粗にすることで得られる。かかる近
接効果補正方法では、図13(C)に破線で示す露光し
きい値で現像を行った場合に、一律に補正露光を加えた
場合よりも広がりの少ない、高精度な露光パターンを得
ることが出来る。
【0069】本発明では、主露光パターンに補助露光パ
ターンを重ねる際に、図5に示したBAAマスク220
を使って高精度な補助露光が可能である。また、従来は
図9(A)の露光を行った後で図13(B)の露光を再
び行わなければならなかったのに対し、本発明では、図
5のマスク220を使うことにより、例えば図13
(A)のパターンを開口部群EX1 で実行した直後に図
13(B)のパターンを開口部群EX2 を使って実行す
ることが可能になり、主露光とこれに続く補助露光とを
効率よく実行することが可能になる。
【0070】図14は本発明を実施するための電子ビー
ム露光装置の構成を示す。
【0071】図14を参照するに、電子ビーム露光装置
は電子光学系100としてBAAマスク220または2
20’を使用する他は、図22に示した従来の電子ビー
ム露光装置と同様の構成の電子光学系を有し、BAAマ
スク中の各開口部に対応して形成されている静電偏向器
defが、対応する駆動回路3011 〜301N を含む
駆動部300により駆動される。例えば、図5に示すよ
うに各開口部列1A,1B,・・・に128個の開口部
が含まれしかも各開口部列が相互に半ピッチずれた二つ
の開口部群より形成されているようなBAAマスクを使
用する場合、駆動部300は128×2個の駆動回路を
含み、各駆動回路が対応する開口部の静電偏向器を駆動
する。これに対し、図6に示すBAAマスクを使う場合
には、128×4個の駆動回路が駆動部300として使
用される。一般に、各開口部列が、相互にM/Nピッチ
ずれたN群の開口部を含む場合、駆動部300は128
×N個の駆動回路により形成される。各駆動回路301
1 〜301N はD/A変換器およびアナログアンプを含
む。
【0072】さらに、各駆動回路に対応してBAAデー
タ生成回路3021 〜302128 をN列形成されたBA
Aデータ格納及び出力部302が設けられ、各BAAデ
ータ生成回路3021 〜302128 にはバスを介してデ
ータ展開部303から露光データが供給される。データ
展開部303は前記相互にM/NピッチずれたN群の開
口部に対応したN組のデータ処理ユニット3031 〜3
03N により構成され、各データ処理ユニット、例えば
ユニット3031 は、CPU304を介して、あるいは
直接に、例えば図22に示した外部記憶装置201より
露光データを供給されるバッファメモリ303aと、バ
ッファメモリ303aから露光データを供給されてこれ
を各開口部列毎の露光パターンに展開するデータ展開回
路303bと、展開された露光パターンを記憶するキャ
ンバスメモリ303cとにより構成される。データ展開
部303の構成は後ほど詳細に説明する。さらにデータ
展開部303には電子ビームが集束される際に生じるク
ーロン反発力による焦点距離のずれを補正するためのリ
フォーカス制御回路303dが設けられる。リフォーカ
ス制御回路303dの構成および作用は本発明の要旨に
関わらないので、その説明を省略する。
【0073】CPU304は露光制御装置305を制御
し、一方露光制御装置305は図21に示した偏向回路
215に対応した主偏向駆動回路306および副偏向回
路307を制御し、主偏向器および副偏向器124,1
25を駆動して電子ビームを基板123上で偏向させ
る。主偏向駆動回路306は歪み補正回路306aを含
み、補正回路306aはフォーカス・スティグ補正回路
310介して収差等の補正を行なう。さらに、CPU3
04は図14のステージ移動機構に対応するステージ移
動機構308およびオートローダ309を制御する。
【0074】図15は、CPU304からデータ展開部
303のバッファメモリ、例えばバッファメモリ303
aに供給される露光パターンの例を示す。図15を参照
するに、白丸は露光ドットを表し、白丸の集合により露
光パターンPが表現される。図中、露光パターンPは縦
方向に延在する複数のセルストライプに分割され、一方
各セルストライプは横方向に整列した128個の露光ド
ットの集合によるビットラインより形成されている。典
型的な場合、セルストライプは長手方向に約100μ
m、横手方向に約10μmのサイズを有する。
【0075】図16はデータ展開部の構成を、データ処
理ユニット3031 を例に説明するための図である。
【0076】図16を参照するに、外部記憶装置から供
給される露光データはパターン形状をあらわす形状デー
タOPと、X方向およびY方向の始点をあらわす始点デ
ータX0 ,Y0 と、X方向に延在するパターンの大きさ
を表すデータX1 と、Y方向に延在するパターンの大き
さを表すデータY1 とよりなり、このうち、形状データ
OPは直接に展開部中の制御装置317とブロックパタ
ーンライブラリ319に、また始点データY0 は同じく
データ展開部中のアドレスカウンタ303dに供給され
る。一方、始点データX0 はビットマップデータシフタ
312に供給され、さらに長さデータX1 がブロックパ
ターンライブラリ319に供給される。
【0077】ブロックパターンライブラリ319から読
み出された長さデータX1 はレジスタ311に保持され
た後ビットマップデータシフタ312に供給され、始点
データX0 に基づいて原点が移動される。このようにし
て形成された1ライン分のビットマップデータは出力レ
ジスタ313に保持される。
【0078】出力レジスタ313に保持されたビットマ
ップデータは、ついで加算器314および減算器315
に供給され、キャンバスメモリ303cに既に書き込ま
れている露光パターンビットマップデータのうち、対応
するビットラインのビットマップデータに対して加算あ
るいは減算される。その結果露光ドットが既に蓄積され
ている露光パターンビットマップに対して追加されたり
削除されたりする。加算器314および減算器315の
いずれを使うかの制御はデータ展開部303中の制御装
置317により、形状データOPにもとづいてなされ
る。また、形状データOPによっては、加算および減算
のいずれもなされない場合もある。このようにして処理
された1ビットライン分のビットマップデータはOR回
路316において処理された後、メモリ書込み用のレジ
スタ318を経てキャンバスメモリ303c中の、アド
レスカウンタ303dで指定されたアドレスに記憶され
る。このアドレスは、先に説明した始点データY0 から
開始されるアドレスの一(Y 0 +ΔY,ΔY<Y1 )に
対応する。また、制御装置317は図13の露光制御装
置305によって制御され、形状データOPに基づいて
キャンバスメモリ303c,書込みレジスタ318,加
算器および減算器314,315を制御する。
【0079】本発明では、図14に示したように図16
の構成のデータ展開装置3031 〜303N が、BAA
マスク220あるいは220’上に相互にM/Nピッチ
シフトして形成されたN群の開口部群に対応してN個設
けられ、図2,3(A)〜(E)、あるいは図7(A)
〜(E)、あるいは図10(A),(B)に示した露光
が可能となる。
【0080】次に、本発明の第4実施例を図17を参照
しながら説明する。本実施例は先に図27を参照して行
なったBAA露光の際の露光ドットのタイミングのず
れ、およびこれに伴う露光パターンの誤差を修正するこ
とを目的とする。
【0081】図17を参照するに、BAAデータ生成回
路3021 〜302128 は発振器302xから供給され
るクロックにより駆動され、また各々のBAAデータ生
成回路に対応して遅延回路302dが設けられる。遅延
回路302dは制御回路302cの出力により制御さ
れ、一方制御回路302cはメモリ302mと協働し、
対応するBAAデータ生成回路の出力を、メモリ302
m中にBAAマスク220上の各々のアパーチャに対応
して記憶された遅延量だけ遅延させる。先の実施例で説
明したように、マスク220上には実際には相互に1/
2ピッチずれたアパーチャ群が形成されているが、図1
7では簡単のため一方のアパーチャ群のみを示す。さら
に、これら二つのアパーチャ群に対応して前記BAAデ
ータ生成回路3021 〜302128 も2群設けられる。
また、図7あるいは図9の実施例におけるようにN群の
アパーチャ群が形成される場合には、BAAデータ生成
回路3021 〜302128 およびこれに対応する遅延回
路302dもN群設けられる。
【0082】ここで、メモリ302mはBAAマスク2
20上の各々のアパーチャに対応した遅延量を全て記憶
しても良いが、先にも説明したように、露光タイミング
の遅延は主に個々のBAAデータ生成回路に伴う配線の
配線長に起因して発生しているため、マスク220上の
アパーチャを、同一のBAAデータ生成回路により駆動
される複数のアパーチャを含むアパーチャ群にわけ、メ
モリ302m中には各々のアパーチャ群ごとに駆動信号
の遅延量を記憶するのが好ましい。先にも説明したよう
に、回路3021 〜302128 におけるクロックのスキ
ューは数十ピコ秒程度で無視してよく、またBAAマス
ク220内における配線の線長による露光タイミングの
ずれも数ピコ秒程度であるので無視してよい。これに対
し、各BAAデータ生成回路3021 〜302128 から
BAAマスク220に至る信号路の線長は回路3021
〜302128 の実装状態により1m程度の範囲で変化す
ることがあり、このような場合には10n秒程度の遅延
が露光タイミングに生じることがある。一般に、信号路
の線長による遅延は10n秒/m程度である。また図1
4においてBAAデータ生成回路3021 〜302128
とBAAマスク220との間にD/A変換器301が設
けられている場合でも事情は同じである。
【0083】本実施例による露光装置を動作させる場
合、まず制御回路302cは各々の遅延回路302dを
制御して、対応するBAAデータ生成回路3021 〜3
0212 8 から出力される駆動信号を、遅延回路302d
による遅延を含まない状態でBAAマスク220上の各
アパーチャに供給する。さらに、前記同一のBAAデー
タ生成回路で駆動されるBAAアパーチャ群の各々にお
ける駆動信号のタイミングを遅延検出回路302fが検
出し、得られたタイミングを表すデータを前記メモリ3
02mに、BAAアパーチャ群の各々に対応して記憶さ
せる。次に、前記制御回路302cは各々のアパーチャ
群における駆動信号のタイミングを読み出して最も遅延
量の大きいアパーチャ群におけるタイミングを基準に、
各アパーチャ群の遅延量を計算し、これを再びメモリ3
02fに記憶させる。
【0084】次に、実際の露光を行なう際に、前記制御
回路302cは、前記遅延回路302dの各々を、各々
のアパーチャ群における駆動信号のタイミングが前記最
も遅延量の大きいアパーチャ群のタイミングに一致する
ように制御する。
【0085】図18は上記の動作に対応するフローチャ
ートを示す。
【0086】図18を参照するに、ステップS1でパラ
メタIが1に初期化され、次にBAAデータ生成回路3
02i(今の場合3021 )が駆動される。さらにステ
ップS3で、前記BAAデータ生成駆動回路302iに
より一斉に駆動されるアパーチャ群における駆動信号の
タイミングTiが、前記遅延検出回路302fにより検
出され、これがメモリ302mに記憶される。さらに、
ステップS4,S5により、上記プロセスが全てのBA
Aデータ生成回路3021 〜302128 について実行さ
れる。
【0087】さらに、ステップS6においてメモリ30
2m中に記憶されたタイミングTiのうち、最大の遅延
量TMAX を有するものが検索される。
【0088】次に、ステップS7において、パラメタI
が再び1に初期化され、ステップS8において遅延量Δ
Tiが前記遅延量TMAX を基準にして計算される。さら
に遅延量ΔTiはステップS9でメモリ302mに記憶
され、ステップS10,S11を実行することにより、
全てのBAAデータ生成回路3021 〜302128 につ
いて遅延量ΔTiが前記メモリ302m中に記憶され
る。さらに、ステップS11においてメモリ302m中
に記憶された遅延量ΔTiに基づいて、前記BAAマス
ク220上において前記BAAデータ生成回路3021
〜302128 からの駆動信号のタイミングがそろうよう
に各遅延回路302dの遅延量が設定される。
【0089】図19は図17の回路において使われる遅
延回路302dの例を示す。
【0090】図19を参照するに、遅延回路302dは
各々異なった遅延量を与える遅延要素302d1 〜30
2dn と、前記遅延要素の一つを選択するスイッチSW
とにより構成され、前記スイッチSWは前記制御回路3
02cの出力制御信号に応じて一の遅延要素を選択す
る。かかる遅延要素302d1 〜302dn は最大で数
十nm秒程度の遅延を与えるものであるのが好ましい。
【0091】図20は図17の回路において使われる遅
延回路302dの別の例を示す。
【0092】図20を参照するに、遅延回路302dは
各々所定の遅延量を有する遅延要素302d1 ’〜30
2dn ’と、前記遅延要素のうちの選択されたものを直
列接続するスイッチSW’とよりなり、スイッチSW’
は前記制御回路302cからの出力制御信号に応じて所
定数の遅延要素を直列接続し、所望の遅延量を入力信号
に対してあたえる。遅延回路302dの構成および動作
は図20から明らかであり、これ以上の説明を省略す
る。
【0093】次に、本発明の第5実施例を図21を参照
しながら説明する。
【0094】本実施例では、図17に示した遅延検出回
路302fの代わりにステージ126上に設けられたマ
ルチチャネルプレート等の高速電子検出器126aを使
い、BAAデータ生成回路3021 〜302128 から出
力された駆動信号によりマスク220上のBAAアパー
チャがオンオフされる結果ステージ126に到達する電
子ビームを検出する。電子検出器126aは電子ビーム
の入来に応じてパルス信号を発生し、これをメモリ30
2mに供給する。その際、BAAデータ生成回路302
1 〜302128 は逐次駆動され、メモリ302mは電子
ビームの入来タイミングを、各BAAデータ生成回路3
021 〜302128 に対応して記憶する。次に、前記制
御回路302cは各々のBAAデータ生成回路3021
〜302 128 について電子検出器126で検出した駆動
信号のタイミングを読み出して、最も遅延量の大きいB
AAデータ生成回路におけるタイミングを基準に、各B
AAデータ生成回路の遅延量を計算し、これを再びメモ
リ302fに記憶させる。実際の露光を行なう際には、
前記制御回路302cは、前記遅延回路302dの各々
を、各々のBAAデータ生成回路における駆動信号のタ
イミングが前記最も遅延量の大きいアパーチャ群のタイ
ミングに一致するように制御する。ただし本実施例で
は、遅延回路302dは駆動信号そのものではなく、B
AAデータ生成回路3021 〜302128 の動作タイミ
ングを与えるクロックを遅延させるように設けられてい
る。上記動作は実質的に図18で説明したフローチャー
トと同じであり、より詳細な説明は省略する。
【0095】本実施例によれば、BAAマスク220に
よる電子ビームのオンオフのタイミングを実際に測定す
ることができ、このためより高精度で信頼性の高い制御
が可能になる。また、図示は省略するが、図17あるい
は21の構成においてメモリ302mを省略し、制御回
路302cにおいて各検出信号のタイミングを所定の基
準タイミングと比較してその差を求め、これに応じて遅
延回路302dの遅延量を設定するように構成してもよ
い。
【0096】さらに、本実施例によるBAA露光のタイ
ミング調整は、図5、図7あるいは図9に示した1/N
ピッチずれたアパーチャ群を有するBAAマスクに限定
されるものではなく、図23に示した従来のBAAマス
ク110に対しても適用可能である。
【0097】さらに、本発明は上記の実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨内において様々な変形、
変更が可能である。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、BAAマスク上に相互
にM/NピッチだけずれたN群の開口部群を形成し、各
開口部群を独立に制御して半導体基板上に相互にM/N
ピッチだけずれたN群の露光ドットよりなる露光パター
ンを多重露光により形成することにより、露光パターン
のエッジ位置を高精度で変化させることが可能になり、
その際特定の多重露光パターンで露光精度が低下するよ
うな問題点は生じない。また、BAAマスク220上の
アパーチャを駆動する駆動回路の各々に対応して遅延回
路を設けることにより、BAAアパーチャの駆動タイミ
ングをそろえることが可能になり、微妙で微細なパター
ンを高精度で露光することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】(A)〜(C)は本発明の作用を説明する図
(その一)である。
【図3】(D),(E)は本発明の作用を説明する図
(その二)である。
【図4】本発明による多重露光で達成される高精度での
露光エッジの変位を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例によるBAA露光マスクを
示す図である。
【図6】(A)〜(D)は本発明を矩形パターンの精密
露光に対して適用した例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例によるBAA露光マスクを
示す図である。
【図8】(A)〜(E)は図7の露光マスクを使った露
光例を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例によるBAAマスクの構成
を示す図である。
【図10】(A),(B)は図9のマスクを使って基板
上に露光される露光パターンを示す図である。
【図11】(A)〜(E)は図9のマスクを使った基板
上の露光パターンのエッジ位置の微調整を示す図であ
る。
【図12】(A)〜(C)は本発明を近接効果の補正に
対して適用した例を示す図である。
【図13】本発明を近接効果の補正に対して適用した別
の例を示す図である。
【図14】本発明で使用する電子ビーム露光装置の構成
を示す図である。
【図15】図14の露光装置で露光される露光パターン
の例を示す図である。
【図16】図14の露光装置中のデータ展開部の構成を
示す図である。
【図17】本発明の第4実施例の構成を示すブロック図
である。
【図18】図17の構成による露光動作を示すフローチ
ャートである。
【図19】図17の回路において使われる遅延回路の構
成を示す図である。
【図20】図17の回路において使われる遅延回路の構
成の別の例を示す図である。
【図21】本発明の第5実施例の構成を示すブロック図
である。
【図22】従来の電子ビーム露光装置の構成を示す図で
ある。
【図23】図22の電子ビーム露光装置で使われている
BAAマスクの構成を示す図である。
【図24】図23のマスクの詳細な構成を示す図であ
る。
【図25】図23のマスクにより半導体基板上に露光さ
れる露光パターンを示す図である。
【図26】(A)〜(E)は図23のマスクを使った露
光において生じる問題点を説明する図である。
【図27】図23,24に示すマスクを使って露光した
場合に生じる露光タイミングのずれを示す図である。
【符号の説明】
1 第1の露光パターン X2 第2の露光パターン a1 〜a6 ,a〜d 露光ドット b1 〜b5 露光ドット P0 〜P4 露光エッジ位置 TH 現像閾値 EX1 ,EX2 ,A,B,C,D 開口部群 1A,1B,2A,2B,・・・,8A,8B,A1
2 ,・・・,D1 ,D2 開口部列 1A1 〜1An ,1B1 〜1Bn ,・・・ 開口部 100 電子光学系 101 カソード 102 グリッド 103 アノード 104 電子銃 105 アパーチャプレート 105a ビーム整形用アパーチャ 107,108,116,119 電子レンズ 110,220,220’ BAAマスク 122 対物レンズ 123 基板 124,125 偏向器 126 ステージ 126a 電子検出器 200 露光制御系 201〜203 記憶装置 204 CPU 205 インターフェース 206 メモリ 207,209,210,212,215 制御回路 214 レーザ干渉計 215 ステージ移動機構 211,216,217 駆動回路 301 駆動回路群 3021 〜302128 BAAデータ出力群 302c 制御回路 302d 遅延回路 302f タイミング検出回路 302m メモリ 302x クロック発生器 303 データ展開部 304 CPU 305 露光制御装置 307 副走査制御装置 308 主走査制御装置 308 ステージ制御装置 309 オートローダ 310 主偏向制御

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の電子ビームを整形して複数の電子
    ビーム要素よりなる電子ビームパターンを形成するビー
    ム整形工程と、物体上に所定露光パターンを、前記電子
    ビームパターンを構成する複数の電子ビーム要素の照射
    により、所定のピッチで配列した露光ドットの集合とし
    て描画する露光工程とを含む電子ビーム露光方法におい
    て、 前記ビーム整形工程は、前記複数の電子ビーム要素を、
    前記単一の電子ビームを整形することにより、各々第1
    の方向に整列しまた前記第1の方向に対して直角な第2
    の方向に繰り返し形成される相互に平行な電子ビーム要
    素の集合よりなる複数の電子ビーム群として、また前記
    複数の電子ビーム要素の各々が同時に形成されるように
    形成する工程を含み、その際、異なった電子ビーム群間
    では、電子ビーム要素が、Nを電子ビーム群の数を表す
    整数、MをNより小さい任意の整数として、少なくとも
    前記第1の方向および第2の方向のいずれか一方の方向
    に相互にM/Nピッチだけずれていることを特徴とする
    電子ビーム露光方法。
  2. 【請求項2】 前記ビーム整形工程は、前記電子ビーム
    群を構成する電子ビーム要素が、一の電子ビーム群と他
    の電子ビーム群で前記第1の方向にM/Nピッチずれる
    ように形成することを特徴とする請求項1記載の電子ビ
    ーム露光方法。
  3. 【請求項3】 前記ビーム整形工程は、前記電子ビーム
    群を構成する電子ビーム要素が、一の電子ビーム群と他
    の電子ビーム群で前記第2の方向にM/Nピッチずれる
    ように形成することを特徴とする請求項1記載の電子ビ
    ーム露光方法。
  4. 【請求項4】 前記ビーム整形工程は、前記電子ビーム
    群を構成する電子ビーム要素が、一の電子ビーム群と他
    の電子ビーム群で前記第1の方向および第2の方向にM
    /Nピッチずれるように形成することを特徴とする請求
    項1記載の電子ビーム露光方法。
  5. 【請求項5】 前記ビーム整形工程は、前記第1の方向
    に2ピッチの間隔で繰り返される露光ドットよりなる第
    1の露光ドット列と、前記第1の方向に2ピッチの間隔
    で繰り返されかつ前記第1の露光ドット列に対して前記
    第1の方向に1ピッチずれた露光ドットよりなる第2の
    露光ドット列とが交互に繰り返されるように露光ドット
    を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の
    電子ビーム露光方法。
  6. 【請求項6】 前記露光工程は、前記複数の電子ビーム
    群の全てにおいて、前記第1の方向に整列した前記複数
    の電子ビーム要素を前記物体上において前記第2の方向
    に走査することにより、前記物体上に前記露光ドットよ
    り構成される露光ドット列を、前記複数の電子ビーム群
    の各々に対応して、複数回重複露光する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の電子ビーム露光方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の電子ビーム群に対応して前記
    露光ドット列を複数回重複露光する工程のうちの少なく
    とも一つでは、露光される露光ドット列は先に露光され
    た露光ドット列とは異なった露光パターンを有すること
    を特徴とする請求項4記載の電子ビーム露光方法。
  8. 【請求項8】 前記異なった露光パターンを有する露光
    ドット列は、他の露光ドット列とは異なった露光ドット
    密度を有することを特徴とする請求項7記載の電子ビー
    ム露光方法。
  9. 【請求項9】 電子ビームを形成し、これを所定光軸に
    沿って出射させる電子線源手段と;前記所定光軸上に形
    成され、前記電子ビームを物体上に集束させる集束手段
    と;前記所定光軸上に形成され、電子ビームを整形し
    て、複数の電子ビーム要素を形成する電子ビーム整形手
    段と;前記電子ビーム整形手段を制御して、前記複数の
    電子ビーム要素を所定の露光パターンに従って形成する
    整形制御手段と;前記整形された複数の電子ビーム要素
    を偏向させる偏向手段とよりなり、電子ビーム要素によ
    り露光パターンを物体上に描画する電子ビーム露光装置
    において:前記電子ビーム整形手段は、複数の開口部を
    形成され単一の電子ビームを前記複数の開口部に対応し
    た複数の電子ビーム要素に整形するマスク板と、前記複
    数の開口部の各々に形成され、前記開口部を通過する電
    子ビーム要素を偏向させる偏向装置とよりなり;前記整
    形制御手段は前記偏向装置に露光パターンに従って駆動
    信号を供給して前記複数の電子ビーム要素を前記所定の
    露光パターンに従って形成し;前記マスク板上に形成さ
    れた複数の開口部は、第1の方向およびこれと異なった
    第2の方向に所定のピッチで配列されて、各々前記第1
    の方向に延在し前記第2の方向に前記所定ピッチでN回
    繰り返される複数の開口部群を形成し;前記各開口部群
    において、前記各開口部は前記第1の方向に前記所定の
    ピッチで繰り返され、かつ隣接する開口部群中の対応す
    る開口部に対して、Nを前記開口部群の数、MをNより
    小さい任意の整数として、前記所定ピッチのM/Nの距
    離だけ前記第1および第2の方向にずらされて形成され
    ており;前記整形制御手段は、前記複数の開口部群に形
    成された偏向装置の各々に、相互に独立した複数の駆動
    信号を供給することを特徴とする、電子ビーム露光装
    置。
  10. 【請求項10】 前記各開口部群は、各々前記第1の方
    向に整列した複数の開口部よりなり前記第1の方向に延
    在するとともに前記第2の方向に繰り返される複数の開
    口部列を含むことを特徴とする請求項9記載の電子ビー
    ム露光装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の開口部列は、前記第1の方
    向に2ピッチの間隔で配列された複数の開口部よりなる
    第1の開口部列と、前記第1の方向に2ピッチの間隔で
    配列され、しかも前記第1の開口部列に対して前記第1
    の方向に1ピッチずれて形成されている複数の開口部よ
    りなる第2の開口部列とを含むことを特徴とする、請求
    項10記載の電子ビーム露光装置。
  12. 【請求項12】 前記整形制御手段は、前記複数の駆動
    信号のタイミングを所定のタイミングに揃える遅延手段
    を含むことを特徴とする請求項9記載の電子ビーム露光
    装置。
  13. 【請求項13】 単一の電子ビームを整形して複数の電
    子ビーム要素よりなる電子ビームパターンを形成するビ
    ーム整形工程と、物体上に所定露光パターンを、前記電
    子ビームパターンを構成する複数の電子ビーム要素の照
    射により、所定のピッチで配列した露光ドットの集合と
    して描画する露光工程とを含む電子ビーム露光方法にお
    いて:前記ビーム整形工程は、前記単一の電子ビーム
    を、前記電子ビームパターンに従ってオンオフされる複
    数の開口部を形成されたマスクを通過させる工程を含
    み;前記ビーム整形工程は、さらに前記開口部がオンオ
    フされる駆動タイミングを検出するタイミング検出工程
    と;前記駆動タイミングを所定のタイミングにそろえる
    タイミング調整工程とを含むことを特徴とする電子ビー
    ム露光方法。
  14. 【請求項14】 前記ビーム整形工程は、前記複数の電
    子ビーム要素を、各々第1の方向に整列しまた前記第1
    の方向に対して直角な第2の方向に繰り返し形成される
    相互に平行な電子ビーム要素の集合よりなる複数の電子
    ビーム群として形成する工程を含み、その際、異なった
    電子ビーム群間では、電子ビーム要素が、Nを電子ビー
    ム群の数を表す整数、MをNより小さい任意の整数とし
    て、少なくとも前記第1の方向に相互にM/Nピッチだ
    けずらされて形成されることを特徴とする請求項13記
    載の電子ビーム露光方法。
  15. 【請求項15】 前記タイミング検出工程は、各々複数
    の開口部を含み互いに同期してオンオフされる複数の開
    口部群の各々について前記駆動タイミングを求める工程
    を含み、前記タイミング調整工程は前記タイミング検出
    工程で求められた駆動タイミングをメモリに記憶する工
    程と、前記メモリ中に記憶された駆動タイミングに基づ
    いて最も遅延量の大きい開口部を検索する工程と、前記
    最も大きい遅延量に合わせて前記複数の開口部群の駆動
    タイミングを遅延させる遅延工程とよりなることを特徴
    とする請求項13記載の電子ビーム露光方法。
  16. 【請求項16】 前記タイミング検出工程は、各々複数
    の開口部を含み互いに同期してオンオフされる複数の開
    口部群の各々について前記駆動タイミングを求める工程
    を含み、前記タイミング調整工程は前記タイミング検出
    工程で求められた駆動タイミングを前記所定のタイミン
    グと比較して遅延量を求める工程と、前記遅延量に基づ
    いて前記複数の開口部群の駆動タイミングを遅延させ前
    記所定のタイミングに一致させる遅延工程とよりなるこ
    とを特徴とする請求項13記載の電子ビーム露光方法。
  17. 【請求項17】 前記タイミング検出工程は、前記開口
    部に供給されてこれをオンオフさせる駆動信号のタイミ
    ングを検出する工程を含むことを特徴とする請求項13
    記載の電子ビーム露光方法。
  18. 【請求項18】 前記タイミング検出工程は、前記物体
    上に照射される電子ビームのタイミングを検出する工程
    を含むことを特徴とする請求項13記載の電子ビーム露
    光方法。
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