JPH0630099Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧等に使用するコンパクト容器に係わり、
特に化粧皿をカートリッジ式に着脱自在に設けたコンパ
クト容器に関する。

「従来の技術」 従来、化粧皿をカートリッジ式に着脱自在に設けたコン
パクト容器の一例として例えば第７および第８図に示す
ものが提供されていた（実開昭第63-12305号公報参
照）。

図において、符号１は容器本体を示し、この容器本体１
は、底板３とこの底板３を囲む周壁４とによって矩形受
皿状に形成されており、また、この容器本体１の内部に
はその内部を前後に仕切る仕切板５が配設されるととも
に、この仕切板５と容器本体１の後壁部との間には化粧
皿嵌合用の凹所２が形成されている。

なお、この従来例では、前記仕切板５は、両端部だけが
周壁４の中間部内面に固定されて円弧状に弾性湾曲し、
かつ、凹所２の内外方へ向って弾性反転することが可能
に形成された板バネ状の弾性片とされており、また、こ
の弾性片は、第８図の状態からその湾曲部分を後方へ押
すと、図中二点鎖線が示すように復元するように凹所内
方へ湾曲し、さらに、その湾曲部分を前方へ押すと図中
実線が示すように復元するように設定されている。

凹所２内に着脱自在に設けられる化粧皿６は、底板７周
縁と周壁８とからなる矩形受皿状に構成されており、そ
の内部に化粧料が充填されるようになっている。

一方、周壁８上端には、外向きフランジ９が付設されて
おり、この外向きフランジ９の下面を前記周壁４の上面
に係合させるようになっており、また、周壁８の外面に
は、上記仕切板５を係合させるための凹溝１０が周設さ
れている。

化粧皿６は、以上のような構成からなるので、仕切板５
を前後に弾性反転させることによって、容器本体１の凹
所２に対して着脱自在となるものである。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、前記従来のコンパクト容器においては、
化粧皿６の固定の際、板バネ状の仕切板５を弾性反転さ
せて化粧皿６の凹溝１０に圧着していたため、化粧料交
換時に仕切板５の跳ね返り（弾性反転）によって化粧皿
６内の内容物にひび割れを生ずるおそれがあった。

また、化粧皿６は、容器本体１の仕切板５を後方に反転
させ、その弾性力を利用して容器本体１内に保持される
とともに、化粧皿６自身を容器の前方に移動させること
によって、仕切板５を前方に弾性反転させ、化粧皿６の
抜き取りを図るようにしているので、仕切板５や化粧皿
６等に成形誤差があると、化粧皿６がガタつきやすく、
また、確実に化粧皿６を保持することが難しいので、携
帯時の振動等によって仕切板５が弾性反転して、化粧皿
６が抜け落ちるおそれがあった。

そこで本考案では、化粧皿を確実に容器本体内部に保持
することができるとともに、この化粧皿の容器本体への
着脱が容易であるコンパクト容器を提供することを目的
としている。

「課題を解決するための手段」 本考案に係るコンパクト容器は、上面に開口する収納凹
所が設けられた容器本体と、この容器本体の後壁部にヒ
ンジ結合された蓋体と、前記収納凹所に着脱自在に設け
られた化粧皿とを具備してなり、前記化粧皿の前後若し
くは左右の壁部には、その外面に係止部が形成されると
ともに、その上端部に該前後若しくは左右の壁部の外部
側方に突出する取り出し操作用のつば部が形成され、前
記容器本体の収納凹所を囲む前後左右の壁面のうち互い
に対向する前後若しくは左右の壁部の内面には、それぞ
れ前記化粧皿の前記係止部をその高さ方向中間部におい
て係止する係止部が形成されるとともに、これら係止部
が形成された壁部の少なくとも一方に、該壁部の長手方
向に沿って延び、かつ該壁部を帯状に撓ませるスリット
が形成されていることを特徴としている。

「作用」 化粧皿の着脱時、化粧皿の外周面が収納凹所内の係止部
を乗り越えるまで、スリットが形成された側の壁部が外
方に向けて弾性変形されるので、化粧皿を軽い力で収納
凹所内に容易に係止装着することができ、また、スリッ
トを形成することによって収納凹所を囲む壁部を弾性片
とする構造上、その嵌合力が安定し、固定が確実にな
る。

「実施例」 以下、本考案の第１の実施例を、第１図および第２図を
参照しながら説明する。これらの図において、符号１１
は本考案のコンパクト容器を示し、コンパクト容器１１
は容器本体１２と、容器本体１２の上面を開閉する蓋体
１３と、容器本体１１に着脱自在に収納される化粧皿１
４とから構成されている。

前記容器本体１２は、樹脂を射出成形して偏平矩形状に
形成されたもので、その幅手方向中央に仕切板１５が設
けられて、容器本体１２の内面に化粧皿１４収納用の収
納凹所１６とパフ収納用の凹所１７が形成されている。
そして、この仕切板１５の上端ほぼ中央には、切欠部１
５ａが形成され、また、側面ほぼ中央には係止部１５ｂ
が形成されている。収納凹所１６内面で、前記仕切板１
５に対向する壁部の内面下端には、この壁部の長手方向
に沿って延びるスリット１２ａが形成され、スリット１
２ａ上方には係止部１２ｂが形成され、係止部１２ｂの
左右にはリブ１２ｃ、１２ｃが形成されている。また、
容器本体１２の後壁上端部に、化粧皿１４を取り外すた
めの切欠部１２ｄが形成されている。さらに、容器本体
１２の前壁部に凹所１２ｅが形成され、その内面にフッ
ク１２ｆが形成されている。

前記蓋体１３の内面には、鏡１８が設けられており、前
壁部にはフック１９ａを有する係合片１９が設けられ、
蓋体１３を閉じた際に前記フック１２ｆと係合可能とな
っている。

前記化粧皿１４は、樹脂を偏平矩形状に射出成形された
もので、上面に開口する凹所２０が形成され、外周所定
の位置には、前記係止部１２ｂ、１５ｂに対応すべく係
止部１４ａ、１４ａが形成され、その周壁の上端部には
外部側方に突出する取出し操作用のつば部１４ｂが形成
されている。

次に、このように構成されたコンパクト容器１１の使用
方法ならびにその作用を説明する。

このコンパクト容器は、必要な化粧料を充填した化粧皿
１４を容器本体１２の収納凹所１６に収納することによ
って使用に供される。

容器本体１２内に化粧皿１４を収納するには、化粧皿１
４を収納凹所１６の上面から嵌合するだけで良い。

このとき、化粧皿１４を収納凹所１６の上方から嵌合す
る際、化粧皿１４に形成された係止部１４ａ、１４ａが
収納凹所１６の内面に形成された係止部１２ｂ、１５ｂ
を押圧して、スリット１２ａが形成された壁部を外方に
弾性変形させることにより、化粧皿１４は収納凹所１６
内に固定されている。また、化粧皿１４は、リブ１２
ｃ、１２ｃによっても支持されるので、収納凹所１６内
での安定性が高い。

一方、化粧皿１４を取出す際には、前記切欠部１５ａの
外側から前記つば部１４ｂに指を掛けて当該化粧皿１４
を持ち上げ、係止部１４ａと容器本体１２の係止部１２
ｂ、１５ｂの係合を外すことにより容易に行うことがで
きる。

そして、化粧料を変えたい場合には、化粧皿１４を容器
本体１２から取り出して、違う化粧料の入った化粧皿１
４をあらたに収納する。

第３図は本考案による第２の実施例を示す図である。こ
の実施例では、第１の実施例とほぼ同様の構成となって
いるが、化粧皿１４のつば部１４ｂの長さを短くした実
施例でもよい。

第４図は本考案による第３の実施例を示す図である。こ
の実施例では、前記実施例と同様に第１の実施例とほぼ
同様の構成となっているが、スリットを設ける位置が前
記実施例では容器本体１２の後壁部であったのに対し、
この実施例では仕切板１５にスリット１５ｃが設けられ
ている点で異なる。この実施例においても、前記実施例
と同様の効果を奏することができる。

第５図は本考案による第４の実施例を示す図である。こ
の実施例のコンパクト容器２２では、第１、第２の実施
例における容器本体１２の容積を縮小した形態の容器本
体２３を使用し、この容器本体２３の寸法に合わせた蓋
体１３がその後端部においてヒンジ結合されている。

容器本体２３は、化粧皿１４の収納凹所２３ａが形成さ
れ、凹所２３ａの内面後壁部にその長手方向に延びるス
リット２３ｂが形成され、さらに凹所２３ａの内面前後
壁部に係止部２３ｃ、２３ｃが形成されている。また、
容器本体２３の外面前壁部に凹所２３ｄが形成されて、
この凹所２３ｄの内面にフック２３ｅが形成されおり、
前記蓋体１３の開閉時に蓋体１３の前壁部に形成された
フック１９ａと係合可能にされている。

第６図は本考案による第５の実施例を示す図である。こ
の実施例のコンパクト容器２３では、容器本体２４の後
壁部に蓋体２５がヒンジ結合され、さらに、容器本体２
４の内面に中皿２６がヒンジ結合されて容器本体２４内
を回動自在に設けられている。そして、前記蓋体２５の
前壁部にはフック２５ａを有する押釦部２５ｂが形成さ
れており、容器本体２４の前壁部の凹所２４ａ内に形成
されたフック２４ｂに係合可能である。

前記中皿２６には上面に開口する収納凹所２６ａが形成
されており、この凹所２６ａ内に化粧皿１４を配置す
る。中皿２６の内面後壁部にスリット２６ｂが形成さ
れ、内面前後壁部に係止部２６ｃ、２６ｃが形成されて
おり、前記化粧皿１４の係止部１４ａ、１４ａと係合可
能に形成されている。また、前記中皿２６の外面前壁部
には、つば部２６ｄが形成され、このつば部２６ｄは中
皿２６を閉塞した状態で容器本体２４の前壁上端部に係
止される。さらに中皿２６の下面には、化粧皿１４を取
り外すための孔２６ｅが形成されている。

この中皿２６の下方にはパフ等を収納するための収納凹
所２７が形成されている。

この実施例では、容器本体２４内を２重底に形成したの
で、化粧料とパフをそれぞれ独自に収納することが可能
である。また、化粧皿１４を取り外す際には、中皿２６
のつば部２６ｄを持ちあげて中皿２６を開き、つば部２
６ｄを押えながら孔２６ｅから指等で化粧皿１４を押せ
ばスリット２６ｂを有する壁部の弾性変形によって簡単
に化粧皿１４を取り出すことができる。

なお、本考案のコンパクト容器は前記実施例のみに限ら
れるものではなく、必要に応じて種々の変形が可能であ
ることは言うまでもない。

「考案の効果」 本考案に係るコンパクト容器では、前記化粧皿の前後若
しくは左右の壁部の外面に係止部を形成するとともに、
その上端部に該前後若しくは左右の壁部の外部側方に突
出する取り出し操作用のつば部を形成し、さらに、前記
容器本体の収納凹所を囲む前後左右の壁面のうち互いに
対向する前後若しくは左右の壁部の内面に、それぞれ前
記化粧皿の前記係止部をその高さ方向中間部において係
止する係止部を形成するとともに、これら係止部が形成
された壁部の少なくとも一方に、該壁部の長手方向に沿
って延び、かつ該壁部を帯状に撓ませるスリットを形成
したので、化粧皿の収納・取り出し操作が行いやすいほ
か、その収納の際に、当該化粧皿に作用する壁部の弾性
復帰力を低く抑さえることができ、さらに容器本体を薄
く構成した場合にもその弾性復帰力を低く抑さえること
ができる。したがって、容器の構成を薄型にすることが
可能であり、係る容器において例えば、化粧皿内に化粧
料を充填した場合などにおいて、充填された化粧料にひ
び割れの発生を抑さえることができる。

さらに、スリットを壁部の長さ方向に形成して壁部を帯
状に撓ませるようにしたので、容器本体を薄く構成する
ことができる。

加えて、容器本体は、樹脂の射出成形等の成形手段によ
り一体成形が可能であるので、外観もすっきりとして見
映えが良い。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の第１の実施例を示す図で
あり、第１図はコンパクト容器の容器本体と化粧皿の斜
視図、第２図はコンパクト容器の縦断面図である。第３
図は本考案の第２の実施例を示す縦断面図、第４図は本
考案の第３の実施例を示す縦断面図、第５図は本考案の
第４の実施例を示す縦断面図、第６図は本考案の第５の
実施例を示す縦断面図である。 第７図および第８図は従来のコンパクト容器の一実施例
を示す図であり、第７図はコンパクト容器の横断面図、
第８図は第７図における上面図である。 １、１２、２３、２４……容器本体、 ５……弾性片、 ６、１４……化粧皿、 １１、２１、２２……コンパクト容器、 １２ａ、１５ｃ、２３ｂ、２６ｂ……スリット、 １２ｂ、１５ｂ、１４ａ、２３ｃ、２６ｃ……係止部、 １３、２５……蓋体、 １５……仕切板、 １６、２３ａ、２６ａ……収納凹所、 １８……鏡。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に開口する収納凹所（１６）が設けら
   れた容器本体（１２）と、この容器本体の後壁部にヒン
   ジ結合された蓋体（１３）と、前記収納凹所（１６）に
   着脱自在に設けられた化粧皿（１４）とを具備するコン
   パクト容器（１１）であって、前記化粧皿（１４）の前
   後若しくは左右の壁部には、その外面に係止部（１４
   ａ、１４ａ）が形成されるとともに、その上端部に該前
   後若しくは左右の壁部の外部側方に突出する取り出し操
   作用のつば部（１４ｂ）が形成され、前記容器本体（１
   ２）の収納凹所（１６）を囲む前後左右の壁面のうち互
   いに対向する前後若しくは左右の壁部の内面には、それ
   ぞれ前記化粧皿（１４）の前記係止部（１４ａ、１４
   ａ）をその高さ方向中間部において係止する係止部（１
   ２ｂ、１５ｂ）が形成されるとともに、これら係止部
   （１２ｂ、１５ｂ）が形成された壁部の少なくとも一方
   に、該壁部の長手方向に沿って延び、かつ該壁部を帯状
   に撓ませるスリット（１２ａ）が形成されていることを
   特徴とするコンパクト容器。