JPH06298137A - クロ−ラの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 振動の発生と脱輪の発生を低減したクロ−ラ
の構造に係るものである。 【構成】 角部を有する芯金２を、当該角部を内周側と
してル−プを形成して密に配置し、前記角部にくりぬき
部を形成して一連の凹み溝７，８を構成し、この凹み溝
内に無端状の抗張体９，１０を配設すると共にこの凹み
溝をゴム弾性体１１にて埋めたことを特徴とするクロ−
ラの構造。張力の中立線（ワイヤ）位置がクロ−ラの内
周側に近くなるため、芯金をそれだけ密に接してル−プ
状に配列することができ、脱輪性の低減及び振動の低減
を達成することができる。また、抗張体としてのワイヤ
−が太径となるため、クロ−ラの耐久性が向上し、更に
従来のクロ−ラのようにスチ−ルコ−ドが全面に埋設さ
れていないので、クロ−ラ幅、芯金幅を小さくでき、軽
量化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はクロ−ラの新たな構造に
関し、特に言えば、振動の発生と脱輪の発生を低減した
クロ−ラの構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、鉄シュ−クロ−ラに代ってゴムク
ロ−ラが広く用いられるようになってきたが、このゴム
クロ−ラにあっては、芯金が一定ピッチをもってゴム中
に埋設され、これを外側より抗張体即ちスチ−ルコ−ド
が囲んだ構造を有しており、ゴムにて芯金の動きは規制
されてはいるものの、芯金はゴム中でかなりの自由度を
もって動くことが可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、ゴムクロ−
ラ全体として横剛性、ねじり剛性が充分でなく、転輪と
の間にズレを生じることとなり、脱輪が発生していた。
又、アイドラ−やスプロケットへの巻き付き時にあって
は、スチ−ルコ−ドがその引っ張り力の中立線を形成し
ており、これより内側は圧縮側となるため、圧縮分だけ
隙間を必要とするものであった。即ち、この隙間分だけ
芯金間隔をあける必要があったもので、このため、前記
した剛性が不足すると共に、転輪がその隙間だけ上下動
することとなり、これによって振動の発生を生ずること
となっていたのである。

【０００４】本発明は、かかる従来の技術に鑑みてその
欠点を解消しようとするものであって、引張りの中立
線、即ち抗張体を芯金とほぼ同一レベルとしてゴム中に
埋設したものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために次のような構成としたものである。即ち、
角部を有する芯金を、当該角部を内周側としてル−プを
形成して密に配置し、前記角部にくりぬき部を形成して
一連の凹み溝を構成し、この凹み溝内に無端状の抗張体
を配設すると共にこの凹み溝をゴム弾性体にて埋めたこ
とを特徴とするクロ−ラの構造にかかるものである。

【０００６】そして、芯金の外周側にゴムラグを形成
し、通常は凹み溝を埋めたゴムとゴムラグを構成するゴ
ムが一体となっているものである。又、使用される抗張
体はワイヤ−であり、具体的には鋼鉄撚線或いはアラミ
ド繊維である。

【０００７】

【作用】本発明の最大の特徴は、芯金の角部に形成され
たくりぬき部からなる凹み溝内に抗張体を配設したもの
である。即ち、このル−プ状に配置された芯金は、全て
この抗張体にて係止されるものである。従って、本発明
のクロ−ラにあっては、外力によってクロ−ラに力が加
わった場合、芯金がゴム内で横ズレしたりねじれたりす
る挙動は、抗張体によってその動きが阻止されることと
なる。又、このクロ−ラがアイドラ−やスプロケットに
巻き付けられた際の中立線、即ち抗張体とゴム中に埋設
されている芯金が極めて近接していることとなり、これ
によって芯金間の隙間を大きく保つ必要もなくなり、転
輪の上下動もそれだけ少なくなったのである。

【０００８】

【実施例】以下、図面をもって本発明のクロ−ラを更に
詳細に説明する。図１は本発明のゴムクロ−ラの内周平
面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線での断面図である。
又、図３は図２のＢ−Ｂ線、図４はＣ−Ｃ線での夫々断
面図である。図中、１はクロ−ラであって、これは芯金
２が多数密接してル−プ状に並べられてクロ−ラ１を構
成している。そして、この芯金２には一対の角部３、４
が形成されており、これがクロ−ラ１の内周面より突出
しており、この頂面を転輪が転動することになる。又、
芯金２の中央部はスプロケット（図示せず）との係合部
５であり、芯金２、２の係合部５、５間はスプロケット
係合孔６が形成され、クロ−ラの内外を貫通するもので
ある。符号７、８は角部３、４の外側方に形成された凹
部であって、芯金２がル−プ状に並べられて一連の凹み
溝となる。

【０００９】さて、この発明の最大の特徴は、この一連
の凹み溝内に無端状のワイヤ−９、１０が配設されるも
のであって、これら全体をゴム弾性体１１にて包んでク
ロ−ラ１が構成されるものである。図中、１２はゴムラ
グである。

【００１０】この例にあっては、ゴム弾性体１１は各芯
金２ごとに分断されており、ワイヤ−９、１０を埋設す
る部位のみが連続している構造となっている。かかるク
ロ−ラ１がスプロケットに巻き付いた際には、ワイヤ−
９、１０が中立線をなして、これより内周側が接近し、
外周側が遠ざかることになる。

【００１１】しかるに、その内周側にあっては芯金２の
角部３、４が比較的中立線（ワイヤ−９、１０）に極く
近いところに位置するため、両者の隙間をほとんどあけ
ることを要しない。従って、芯金２の角部３、４上を転
動する転輪は、ほとんど上下動しないものとなる。又、
芯金２はいずれもワイヤ−９、１０にその動きが規制さ
れているため、横剛性を保持し、かつねじり力に対する
剛性も大きく、脱輪の発生は低減されることとなる。

【００１２】図５は本発明のクロ−ラの第２実施例を示
す前記図２と同様の断面図である。この例にあっては、
凹部７、８は芯金２がゴム中に埋設された際、外周側よ
り角部３、４に向けて形成し、ここにワイヤ−９、１０
を配置したものである。

【００１３】尚、本発明に用いられるワイヤ−９、１０
はエンドレスとするが、これは撚り線を作る際に予め編
む方法と、端部をばらして再撚りする方法等がある。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上のような構成を有するクロ
−ラであるため、張力の中立線（ワイヤ）位置がクロ−
ラの内周側に近くなるため、芯金をそれだけ密に接して
ル−プ状に配列することができる。従って、脱輪性の低
減及び振動の低減を達成することができるものである。

【００１５】又、抗張体としてのワイヤ−が太径となる
ため、クロ−ラの耐久性が向上し、更に従来のクロ−ラ
のようにスチ−ルコ−ドが全面に埋設されていないの
で、クロ−ラ幅、芯金幅を小さくでき、軽量化を図るこ
とができる。更に言えば、従来のクロ−ラと比較し逆曲
げしやすいタイプであるため、路面上の突起物の乗り越
えも良好なクロ−ラとなったものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明のゴムクロ−ラの内周平面図であ
る。

【図２】図２は図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図３】図３は図２のＢ−Ｂ線での断面図である。

【図４】図４は図２のＣ−Ｃ線での断面図である。

【図５】図５は本発明のクロ−ラの第２実施例を示す前
記図２と同様の断面図である。

【符号の説明】

１‥‥クロ−ラ、 ２‥‥芯金、 ３、４‥‥角部、 ５‥‥スプロケット係合部、 ６‥‥スプロケット係合孔、 ７、８‥‥芯金に形成された凹部、 ９、１０‥‥ワイヤ−、 １１‥‥ゴム弾性体、 １２‥‥ゴムラグ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 角部を有する芯金を、当該角部を内周側
   としてル−プを形成して密に配置し、前記角部にくりぬ
   き部を形成して一連の凹み溝を構成し、この凹み溝内に
   無端状の抗張体を配設すると共にこの凹み溝をゴム弾性
   体にて埋めたことを特徴とするクロ−ラの構造。
2. 【請求項２】 芯金の外周側にゴムラグを形成した請求
   項第１項記載のクロ−ラの構造。
3. 【請求項３】 抗張体がワイヤ−であり、鋼鉄撚線或い
   はアラミド繊維である請求項第１項記載のクロ−ラの構
   造。
4. 【請求項４】 凹み溝を埋めたゴムとゴムラグを構成す
   るゴムが一体となっている請求項第２項記載のクロ−ラ
   の構造。