JPH06295834A - ラインフィルタ - Google Patents

ラインフィルタ

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JPH06295834A
JPH06295834A JP8298193A JP8298193A JPH06295834A JP H06295834 A JPH06295834 A JP H06295834A JP 8298193 A JP8298193 A JP 8298193A JP 8298193 A JP8298193 A JP 8298193A JP H06295834 A JPH06295834 A JP H06295834A
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Kazuaki Onishi
一彰 大西
Tsuneji Imanishi
恒次 今西
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種電子機器にノイズ防止用として使用され
るラインフィルタにおいて、巻線部間に生じる分布容量
を低減してより高い高周波インピーダンスを確保できる
ものを提供することを目的とする。 【構成】 閉磁路磁心2の一方の磁脚に、一方の巻線5
と他方の巻線6の一部をそれぞれライン電流による磁束
がこの磁脚内で相殺される巻線方向に、さらに巻線断面
の有効巻線高さ寸法と有効巻線幅寸法の小さい方をコモ
ンモードノイズの進行方向に対して垂直となるように巻
装し、他方の磁脚には一方の巻線8と他方の巻線7の残
りをそれぞれ上記巻線寸法と同じように巻装し、それぞ
れ一方の巻線どうしと他方の巻線どうしを結線する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器にノイズ防
止用として使用するラインフィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】今日、電子機器の小形化にともない電源
回路の高周波化や共振型の採用などさまざまな技術の進
歩にともなって発生するノイズが増大し、ノイズ対策の
問題が非常に重要となりラインフィルタも高周波化が強
く望まれている。
【0003】一般にラインフィルタは、電源回路におけ
る一対の線路とアース間で発生するコモンモードノイズ
成分を主に防止するために用いられ、このラインフィル
タの高周波での性能を向上させるためにはフィルタに存
在する分布容量をいかに低減するかが課題となってい
る。
【0004】さらに、電子機器の小形化にともなって上
記性能面と同時にラインフィルタも小形化が要求されて
いる。これを実現する方法として樹脂注型することによ
ってフィルタの放熱性を高めフィルタを小形化すること
や、巻線構造により巻線どうしの磁気的な結合を大きく
し、ライン電流による磁心材料の磁気飽和が起こりにく
く、所定のインダクタンスを得るのに磁心材料の小形化
によりフィルタを小形化する方法などが用いられてい
る。
【0005】以下に従来のラインフィルタについて説明
する。図11は従来のラインフィルタの斜視図である。
図11において、16は分割ボビン、17はUU型閉磁
路磁心、3は引出しピン端子、18と19はそれぞれ閉
磁路磁心17の一方の磁脚に巻装した一方の巻線部と他
方の巻線部、21と20はそれぞれ閉磁路磁心17の相
対する他方の磁脚に巻装した一方の巻線部と他方の巻線
部を示している。さらに(A)は巻線の巻線幅方向の引
出しピン端子3の接続方向、(B)は巻線の巻線方向の
引出しピン端子3の接続方向を示している。
【0006】(A),(B)の説明をするために図1
2,図13にそれぞれ引出しピン端子3の接続方向
(A),(B)の接続図を示した。ここで、22は磁
束、23はAC電源、24は負荷を示している。図12
の引出しピン端子3の接続方向(A)の場合は、AC電
源23に対して引出しピン端子3は巻線幅方向に使用さ
れており、図13の引出しピン端子3の接続方向(B)
の場合は、AC電源23に対して引出しピン端子3は巻
線方向に接続されている。
【0007】図11について構成を説明すると、分割ボ
ビン16に一方の巻線部18と他方の巻線部19をそれ
ぞれ分割巻きに施し、さらにもう1個の分割ボビン16
に一方の巻線部21と他方の巻線部20の残りを分割巻
きに施す。次にUU型磁心17をこの巻線を施した分割
ボビン16に挿入固着して完成するものである。
【0008】このとき、図12,図13に示すように巻
線部18と巻線部19、巻線部20と21は同一巻線回
数とし、ライン電流による磁束22がそれぞれの磁脚内
で相殺される方向に巻線を施し、さらに巻線部18と巻
線部21、巻線部19と巻線部20が結線されたクロス
巻線構造になっている。以下この巻線構造をクロス巻線
構造と称する。
【0009】従って引出しピン端子3の接続方向が巻線
幅方向である(A)の場合、巻線方向は巻線部18と巻
線部19が同一で、これに対して巻線部20と巻線部2
1が巻線部18と巻線部19とは逆方向になっている。
一方、引出しピン端子3の接続方向が巻線方向である
(B)の場合、巻線方向は巻線部18と巻線部20が同
一で、これに対して巻線部19と巻線部21が巻線部1
8と巻線部20とは逆方向になっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の図
11に示す構成では、巻線部が分割巻きされているため
巻線の巻始めと巻終わりが離れる構成となり、巻線間に
生じる分布容量は低減でき、また巻線部にクロス巻線構
造を用いることにより漏れ磁束による漏れインダクタン
スが少なく、ライン電流による磁心材料の磁気飽和が起
こりにくいため、同一ライン電流、同一インダクタンス
を得るのに磁心材料の小形化が可能となりフィルタの小
形化が図れるものの、クロス巻線構造を用いるため、従
来例で示したように引出しピン端子3の接続方向は
(A),(B)2種類存在する。
【0011】このため引出しピン端子3の接続方向が
(A)の巻線幅方向の場合、大きな電位差があると共に
相対向する巻線部18と巻線部19間及び巻線部20と
巻線部21間に、引出しピン端子3の接続方向が(B)
の巻線方向の場合、大きな電位差があると共に相対向す
る巻線部18と巻線部20間及び巻線部19と巻線部2
1間に、それぞれ結果的にラインフィルタの高周波イン
ピーダンス特性を低下させる大きな分布容量が生じる。
【0012】しかしながら、これらの巻線部どうしの対
向面積につながる巻線寸法や巻線部どうしの対向する状
態につながる上述の引出しピン端子3の2種類の接続方
向(A),(B)は、プリント基板への取付けの形状
上、セット組み込み上、もしくは実装上等の分布容量と
は別の要素から決定されており、より高い高周波インピ
ーダンス特性を確保するフィルタとしては適切なもので
はない。
【0013】図14(a),(b)、図15(a),
(b)にはそれぞれ引出しピン端子3の接続方向が
(A),(B)の2種類の従来ラインフィルタのクロス
巻線構造の接続図、同ラインフィルタの断面図、そして
巻線部間どうしに生じる分布容量の発生状態を示す。こ
こで4はコモンモードノイズ源、9はコモンモードノイ
ズ源インピーダンス、10はコモンモードラインインピ
ーダンス、11はグランド、12はコモンモードノイズ
の進入方向、l1は巻線部の有効巻線高さ寸法、l2は巻
線部の有効巻線幅寸法、C(A),C(B)は両者とも巻線部
間に生じる分布容量を示している。
【0014】図14の引出しピン端子3の接続方向が
(A)の巻線幅方向の場合、それぞれの巻線部18,1
9,20,21の巻線断面図の巻線寸法において、巻線
の有効巻線幅寸法l2に対して有効巻線高さ寸法l1が大
きいため大きな電位差が生じる巻線部18と巻線部1
9、巻線部20と巻線部21が、非常に対向面積が広く
距離が接近した状態になり、両者の巻線部どうし間に大
きな分布容量C(A)がそれぞれ生じる。
【0015】一方、図15の引出しピン端子3の接続方
向が(B)の巻線方向の場合は、巻線断面図の巻線寸法
において、巻線の有効巻線高さ寸法l1に対して有効巻
線幅寸法l2が大きいため大きな電位差が生じる巻線部
18と巻線部20、巻線部19と巻線部21が非常に対
向面積が広く距離が接近した状態になり、両者の巻線部
間どうしに大きな分布容量C(B)がそれぞれ生じる。こ
れらの巻線部間に生じる分布容量C(A),C(B)はライン
フィルタの高周波インピーダンスを大きく低下させる。
【0016】さらに温度上昇低減の目的でこのフィルタ
を樹脂注型したものは巻線部間に生じる分布容量
(A),C(B)の値はさらに非常に大きくなるため、ライ
ンフィルタの高周波インピーダンス特性がより大きく低
下する欠点が顕著になる。
【0017】このように従来のクロス巻線構造を持つラ
インフィルタは引出しピン端子の接続方向と巻線寸法が
特性低下に大きく関与しているにもかかわらず、先にも
述べたように引出しピン端子の接続方向や巻線寸法はこ
れまでラインフィルタの特性とは別の要素で決定されて
きた。
【0018】本発明は以上のような問題点を解決するも
のであり、同一ライン電流、同一インダクタンスを得る
のに小形化が図れる従来と同様のクロス巻線構造におい
て、このクロス巻線構造の欠点である巻線部間に生じた
分布容量を巻線寸法とピン端子の接続方向を最適化を図
ることにより最も低減して、より高い高周波インピーダ
ンス特性を確保できるラインフィルタを簡単、高品質構
造で提供するものである。
【0019】さらに温度上昇低減などの目的で樹脂注型
材料により注型しても樹脂誘電率による高周波インピー
ダンスへの悪影響は大きく低減でき、高周波インピーダ
ンス特性の低下が少ない樹脂注型ラインフィルタを提供
するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、閉磁路磁心の一方の磁脚に一方の巻線と他
方の巻線の一部をそれぞれライン電流による磁束がこの
磁脚内で相殺される巻線方向に巻線し、上記閉磁路磁心
の相対向する他方の磁脚には一方の巻線と他方の巻線の
残りをそれぞれライン電流による磁束がこの磁脚内で相
殺される巻線方向に巻装し、両方の磁脚に巻線された一
方の巻線と他方の巻線が対向する位置に巻装され、それ
ぞれ一方の巻線どうしと他方の巻線どうしが結線され、
さらに全ての巻線は巻線断面の有効巻線高さ寸法と有効
巻線幅寸法のどちらか短い方をコモンモードノイズの進
入方向に対して垂直となるように巻線したラインフィル
タを構成したものである。
【0021】
【作用】この構成によって、ラインフィルタの同一ライ
ン電流、同一インダクタンスを得るのに小形化が図れる
従来と同様のクロス巻線構造を利用して、巻線寸法と引
出しピン端子の接続方向を最適化することにより、クロ
ス巻線構造を用いた従来ラインフィルタの欠点である大
きな電位差があると共に広い面積で対向した巻線部どう
し間に生じる分布容量を大きく低減できる。また、この
構造は非常に簡単であるため高品質なものが実現でき
る。
【0022】以上の理由により、小形でより高い高周波
インピーダンスを持つラインフィルタを高品質で提供で
きる。
【0023】さらにラインフィルタの温度上昇低減など
の目的で樹脂注型材料により注型しても樹脂誘電率によ
る分布容量増加は軽減でき高周波インピーダンスへの悪
影響は大きく低減できるため、高周波インピーダンス特
性の低下が少ない樹脂注型のラインフィルタを生み出
す。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1,図2,図3において、図11〜図15にお
ける従来と同一の構成の部分には同一番号を付して詳細
な説明を省略する。図1は本発明の第1の実施例を示す
ラインフィルタの斜視図である。図2(a),(b)は
同ラインフィルタの接続図と断面図、そして巻線間に生
じる分布容量の発生状態を示す。
【0025】図1,図2において、1はボビン、2はU
U型閉磁路磁心、5と6はそれぞれ閉磁路磁心2の一方
の磁脚に巻装した一方の巻線部と他方の巻線部、8と7
はそれぞれ閉磁路磁心2の相対する他方の磁脚に巻装し
た一方の巻線部と他方の巻線部、Cは巻線間に生じる分
布容量を示している。
【0026】以下構成を説明すると、ボビン1に一方の
巻線部5と他方の巻線部6をそれぞれ有効巻線高さ寸法
1が有効巻線幅寸法l2に対して小さくなるように施
し、さらにもう1個のボビン1に上記同様の巻線寸法で
一方の巻線部8と他方の巻線部7を施し、UU型の閉磁
路磁心2をこの巻線を施したボビン1に挿入固着して完
成するものである。このとき巻線部5と巻線部6、巻線
部8と巻線部7巻線はそれぞれ同一巻線回数で、図2に
示すように巻線部5と巻線部8、巻線部6と巻線部7が
結線された従来と同様のクロス巻線構造になっている。
さらに巻線方向は巻線部5と巻線部6が同一で、これに
対して巻線部7と巻線部8が巻線部5と巻線部6に対し
て逆方向になっている。
【0027】このため、巻線部5と巻線部6、巻線部7
と巻線部8のライン電流により生じる磁束がそれぞれの
磁脚内で相殺されるようになっており、引出しピン端子
3の接続方向は巻線の巻線幅方向(A)になっている。
【0028】次に図3(a),(b)に本発明の第2の
実施例を示すラインフィルタで、図1,図2の引出しピ
ン端子3の接続方向が巻線幅方向の(A)に対して、巻
線方向(B)の場合のラインフィルタの接続図、断面
図、そして巻線部間に生じる分布容量の発生状態を示
す。
【0029】以下構成を説明すると、ボビン1に一方の
巻線部5と他方の巻線部7をそれぞれ有効巻線幅寸法l
2が有効巻線高さ寸法l1に対して小さくなるように施
し、さらにもう1個のボビン1に上記同様の巻線寸法で
一方の巻線部8と他方の巻線部6を施し、UU型の閉磁
路磁心2をこの巻線を施したボビン1に挿入固着して完
成するものである。
【0030】このとき巻線部5と巻線部7、巻線部8と
巻線部6の巻線はそれぞれ同一巻線回数で、接続図に示
すように巻線部5と巻線部8、巻線部7と巻線部6が結
線された従来と同様のクロス巻線構造になっている。さ
らに巻線方向は巻線部5と巻線部6が同一で、これに対
して巻線部7と巻線部8が巻線部5と巻線部6に対して
逆方向になっている。このため、巻線部5と巻線部7、
巻線部6と巻線部8のライン電流により生じる磁束がそ
れぞれの磁脚内で相殺されるようになっており、引出し
ピン端子3の接続方向は巻線の巻線方向(B)になって
いる。
【0031】以上のように第1および第2の実施例によ
れば、従来と同様にクロス巻線構造を用いることによ
り、漏れ磁束による漏れインダクタンスが少なく、同一
ライン電流、同一インダクタンスを得るのに磁心材料の
小形化が可能なためフィルタの小形化を図れる利点を有
しながら、クロス巻線構造の欠点であった巻線部間どう
しに生じる分布容量を大幅に低減することができる。な
ぜなら、第1の実施例では、図2に示すように巻線部の
有効巻線高さ寸法l1を小さくし、コモンモードノイズ
の進入方向12に対して垂直となるように巻装している
ため、電位差の生じた巻線部5と巻線部6、巻線部7と
巻線部8どうしが非常に対向面積の小さい状態で、しか
も距離が離れ、巻線部間に生じる分布容量Cは非常に小
さくなり、より高い高周波インピーダンスを確保でき
る。
【0032】また第2の実施例では図3に示すように巻
線部の有効巻線幅寸法l2を小さくし、コモンモードノ
イズの進入方向12に対して垂直となるように巻装して
いるため、電位差の生じた巻線部5と巻線部6、巻線部
7と巻線部8どうしが非常に対向面積の小さい状態で、
しかも距離が離れ、巻線部間に生じる分布容量Cは非常
に小さくなり、より高い高周波インピーダンスを確保で
きる。
【0033】次に本発明の第3の実施例を図面を参照し
ながら説明する。図4は本発明の第3の実施例を示すラ
インフィルタで、本発明の第1の実施例の図1と図2に
示すラインフィルタを樹脂注型できるボビン構造にして
樹脂注型したものの斜視図である。図5は同ラインフィ
ルタの分解斜視図である。図6は同ラインフィルタの断
面図である。図7は図6の樹脂注型用ボビンの外周面に
分割つばを設け、丸線を多層に分割巻したラインフィル
タを樹脂注型したものの断面図である。図8は樹脂注型
用のボビンに丸線を1層巻にしたラインフィルタを樹脂
注型したものの断面図である。図9は樹脂注型用ボビン
に平角導線をスパイラル状に巻線したラインフィルタを
樹脂注型したものの断面図である。
【0034】図4〜図9において、13は本発明の第1
の実施例の図1と図2で示したラインフィルタのボビン
を樹脂注型が行えるようにしたボビン、13aはさらに
これに分割巻ができるようにしたボビンで、13bは分
割つば、14はケース、15は樹脂注型材料を示してい
る。
【0035】図4〜図6について構成を説明すると、樹
脂注型用ボビン13に一方の巻線部5と他方の巻線部6
をそれぞれ有効巻線高さ寸法l1が有効巻線幅寸法l2
対して小さくなるように施し、さらにもう1個のボビン
13に上記巻線寸法で一方の巻線部8と他方の巻線部7
を施し、UU型の閉磁路磁心2をこの巻線を施したボビ
ン13に挿入固着して完成させたラインフィルタをケー
ス14に嵌合させ、樹脂注型材料15を用いてケース1
4に注型して硬化させたものである。
【0036】このとき巻線部5と巻線部6、巻線部8と
巻線部7の巻線は同一巻線回数で、巻線部5と巻線部
8、巻線部6と巻線部7が結線されたクロス巻線構造に
なっている。さらに巻線方向は巻線部5と巻線部6が同
一で、巻線部8と巻線部7が巻線部5と巻線部6に対し
て逆方向になっている。このため巻線部5と巻線部6、
巻線部8と巻線部7のライン電流により生じる磁束がそ
れぞれの磁脚内で相殺され、引出しピン端子3の接続方
向は巻線幅方向(A)になっている。つまり、図1,図
2に示す本発明の第1の実施例ラインフィルタの巻線部
のみを樹脂注型した構成である。
【0037】また、図7〜図9については上述と同じ樹
脂注型構成と巻線構造の条件の中で、図7は丸導線を分
割多層、図8は丸線を1層、そして図9は平角導線をス
パイラル状に巻線を施したラインフィルタである。
【0038】以上のように樹脂注型した第3の実施例で
は、ケース14および樹脂注型材料15を用いて樹脂の
高放熱によるラインフィルタの小形化、安全性、信頼成
の向上を図るために樹脂注型しても、本発明の第1の実
施例で述べたようにクロス巻線構造の欠点である巻線部
間に生じる分布容量を大きく低減できるため、樹脂誘電
率により引き起こる分布容量の増加にともなう高周波イ
ンピーダンスへの悪影響は大きく低減できる。このた
め、より高い高周波インピーダンスが確保できる樹脂注
型ラインフィルタを生み出す。
【0039】本実施例による図4の樹脂注型ラインフィ
ルタと従来例による図11によるラインフィルタを樹脂
注型したもののインピーダンスの周波数特性を図10に
示した。その結果、1MHz程度までの比較的低い周波
数領域では本実施例と従来例の樹脂注型ラインフィルタ
のインピーダンスはほぼ同じである。これに対して1M
Hz以上の高周波領域では本実施例のフィルタが従来例
と比較して約2倍の大きなインピーダンス値を示した。
これは、上述したように本実施例のフィルタの方が高周
波インピーダンスの低減につながる巻線部間に生じる分
布容量が小さいためであると考えられる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明のラインフィルタ
は、閉磁路磁心の一方の磁脚に、一方の巻線と他方の巻
線の一部をそれぞれライン電流による磁束がこの磁脚内
で相殺される巻線方向に巻線し、上記閉磁路磁心の相対
向する他方の磁脚には一方の巻線と他方の巻線の残りを
それぞれライン電流による磁束がこの磁脚内で相殺され
る巻線方向に巻装し、両方の磁脚に巻線された一方の巻
線と他方の巻線が対向する位置に巻装され、それぞれ一
方の巻線どうしと他方の巻線どうしが結線され、さらに
全ての巻線は巻線断面の有効巻線高さ寸法と有効巻線幅
寸法のどちらか短い方をコモンモードノイズの進入方向
に対して垂直となるように巻線した構成により、同一ラ
イン電流、同一インダクタンスを得るのに小形化が図れ
る利点を持つ従来と同様のクロス巻線構造を利用して、
このクロス巻線構造の欠点である巻線部間に生じる分布
容量を大きく低減してより高い高周波インピーダンスを
確保できる。
【0041】また、温度上昇低減などの目的で樹脂注型
材料により注型しても、樹脂誘電率により引き起こる分
布容量の増加にともなう高周波インピーダンス特性の低
減を大きく改善できる。
【0042】さらに、非常に簡単な構造のため、高品質
で特性を確保できる等の多大な効果が得られ、小形で高
い高周波インピーダンスを確保できるラインフィルタを
簡単な構造、且つ高品質で提供することができ工業価値
大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すラインフィルタの
斜視図
【図2】(a),(b)同ラインフィルタの接続図と断
面図
【図3】(a),(b)本発明の第2の実施例を示すラ
インフィルタの接続図と断面図
【図4】本発明の第3の実施例を示すラインフィルタの
斜視図
【図5】同ラインフィルタの分解斜視図
【図6】同ラインフィルタの断面図
【図7】巻線方法の異なる同ラインフィルタの断面図
【図8】巻線方法の異なる同ラインフィルタの断面図
【図9】巻線方法の異なる同ラインフィルタの断面図
【図10】本発明と従来の樹脂注型ラインフィルタのイ
ンピーダンスの周波数特性図
【図11】従来ラインフィルタの斜視図
【図12】従来ラインフィルタの接続図
【図13】従来ラインフィルタの接続図
【図14】(a),(b)従来ラインフィルタの接続図
と断面図
【図15】(a),(b)従来ラインフィルタの接続図
と断面図
【符号の説明】
1 ボビン 2 UU型の閉磁路磁心 3 引出しピン端子 4 コモンモードノイズ源 5,8 一方の巻線部 6,7 他方の巻線部 9 コモンモードノイズ源インピーダンス 10 コモンモードラインインピーダンス 11 グランド 12 コモンモードノイズ経路 13 樹脂注型用ボビン 13a 樹脂注型用ボビン 14 ケース 15 樹脂注型材料 (A) 引出しピン端子接続方向(巻線幅方向) (B) 引出しピン端子接続方向(巻線径方向) l1 有効巻線高さ寸法 l2 有効巻線幅寸法 C 巻線部間に生じる分布容量(本実施例)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉磁路磁心の一方の磁脚に一方の巻線と
    他方の巻線の一部をそれぞれライン電流による磁束がこ
    の磁脚内で相殺される巻線方向に巻線し、上記閉磁路磁
    心の相対向する他方の磁脚には一方の巻線と他方の巻線
    の残りをそれぞれライン電流による磁束がこの磁脚内で
    相殺される巻線方向に巻装し、両方の磁脚に巻線された
    一方の巻線と他方の巻線が対向する位置に巻装され、そ
    れぞれ一方の巻線どうしと他方の巻線どうしが結線さ
    れ、さらに全ての巻線は巻線断面の有効巻線高さ寸法と
    有効巻線幅寸法のどちらか短い方をコモンモードノイズ
    の進入方向に対して垂直となるように巻線したラインフ
    ィルタ。
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