JPH06293942A - 高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼 - Google Patents
高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼Info
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- JPH06293942A JPH06293942A JP10515593A JP10515593A JPH06293942A JP H06293942 A JPH06293942 A JP H06293942A JP 10515593 A JP10515593 A JP 10515593A JP 10515593 A JP10515593 A JP 10515593A JP H06293942 A JPH06293942 A JP H06293942A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 窒素を0.18%以上含有する高窒素含有ス
テンレス鋼であるにも関わらず熱間加工性に優れ、大型
の産業用機器や大型の構造物に使用される高強度・高耐
食性のオーステナイト系ステンレス鋼を提供する。 【構成】 固溶強化成分であるNを0.18〜0.25
%添加して強度を高め、かつ、熱間加工性を向上させる
ために、Bを図1に示すように20〜40ppm 含有せし
め、Nbの含有量の上限を0.15%以下にし、かつ、熱
間加工性を損なうことなく引張強さを750ないし80
0(N/mm2 )を得るために0.25×(C+N)<Nb
<0.15%とする。従って、重量%で、C:0.05
〜0.08%、Si:1.00%以下、Mn:3.00%以
下、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Ni:7
〜10%、Cr:18〜20%、N:0.18〜0.25
%、B:20〜40ppm 、O:50ppm 以下、0.25
×(C+N)<Nb<0.15を含有し、残部Feおよび不
可避不純物からなる高強度・高耐食性のオーステナイト
系ステンレス鋼とする。
テンレス鋼であるにも関わらず熱間加工性に優れ、大型
の産業用機器や大型の構造物に使用される高強度・高耐
食性のオーステナイト系ステンレス鋼を提供する。 【構成】 固溶強化成分であるNを0.18〜0.25
%添加して強度を高め、かつ、熱間加工性を向上させる
ために、Bを図1に示すように20〜40ppm 含有せし
め、Nbの含有量の上限を0.15%以下にし、かつ、熱
間加工性を損なうことなく引張強さを750ないし80
0(N/mm2 )を得るために0.25×(C+N)<Nb
<0.15%とする。従って、重量%で、C:0.05
〜0.08%、Si:1.00%以下、Mn:3.00%以
下、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Ni:7
〜10%、Cr:18〜20%、N:0.18〜0.25
%、B:20〜40ppm 、O:50ppm 以下、0.25
×(C+N)<Nb<0.15を含有し、残部Feおよび不
可避不純物からなる高強度・高耐食性のオーステナイト
系ステンレス鋼とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度・高耐食性が要
求される大型の産業用機器や大型の構造物、即ち化学、
海洋、原子力などの各種プラントに使用される高強度・
高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステン
レス鋼に関する。
求される大型の産業用機器や大型の構造物、即ち化学、
海洋、原子力などの各種プラントに使用される高強度・
高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステン
レス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、各種の産業用機器や構造物の大型
化が進み、構造用ステンレス鋼の強度向上が強く求めら
れ、窒素を添加してその固溶強化作用によって強度の強
化を図ったSUS304N2、SUS304LN、SU
S316N、SUS316LNなどのオーステナイト系
ステンレス鋼が知られている。そして、これらの固溶強
化熱処理後の強度をさらに向上させたものとして特公平
4−45576号公報の発明が開示されている。
化が進み、構造用ステンレス鋼の強度向上が強く求めら
れ、窒素を添加してその固溶強化作用によって強度の強
化を図ったSUS304N2、SUS304LN、SU
S316N、SUS316LNなどのオーステナイト系
ステンレス鋼が知られている。そして、これらの固溶強
化熱処理後の強度をさらに向上させたものとして特公平
4−45576号公報の発明が開示されている。
【0003】しかし、この様に窒素を0.18%以上添
加して強化したオーステナイト系ステンレス鋼は熱間加
工性が悪く、従って大型構造物に適した大形の加工物を
成形することは容易でなかった。
加して強化したオーステナイト系ステンレス鋼は熱間加
工性が悪く、従って大型構造物に適した大形の加工物を
成形することは容易でなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒素を0.
18%以上含有する高窒素含有ステンレス鋼であるにも
拘わらず熱間加工性に優れ、大型の産業用機器や大型の
構造物に使用される高強度・高耐食性のオーステナイト
系ステンレス鋼を提供することである。
18%以上含有する高窒素含有ステンレス鋼であるにも
拘わらず熱間加工性に優れ、大型の産業用機器や大型の
構造物に使用される高強度・高耐食性のオーステナイト
系ステンレス鋼を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、酷しい環境条
件下に曝される大型の産業用機器や大型の構造物に使用
するために、構造用ステンレス鋼において、固溶強化成
分であるNを0.18〜0.25%添加して強度と耐食
性を高め、かつ、Nを0.18%以上含有するにも拘わ
らず熱間加工性を向上させるために、Bを20〜40pp
m 含有せしめ、Oを50ppm 以下とし、また強度向上の
ために添加するNbは熱間加工性確保のためにその上限を
0.25%にし、かつ、下限は引張強さ750ないし8
00(N/mm2 )を得るために0.25×(C+N)%
とする。
件下に曝される大型の産業用機器や大型の構造物に使用
するために、構造用ステンレス鋼において、固溶強化成
分であるNを0.18〜0.25%添加して強度と耐食
性を高め、かつ、Nを0.18%以上含有するにも拘わ
らず熱間加工性を向上させるために、Bを20〜40pp
m 含有せしめ、Oを50ppm 以下とし、また強度向上の
ために添加するNbは熱間加工性確保のためにその上限を
0.25%にし、かつ、下限は引張強さ750ないし8
00(N/mm2 )を得るために0.25×(C+N)%
とする。
【0006】従って、課題を解決するための手段であ
る、本発明の熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼の
成分組成は、重量比にして、C:0.03〜0.10
%、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.0
0%、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Ni:
7〜10%、Cr:17〜20%、N:0.18〜0.2
5%、Ti:0.05%以下、B:20〜40ppm 、
O:50ppm 以下、Nb:0.25×(C+N)〜0.2
5%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるもの
とすることである。
る、本発明の熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼の
成分組成は、重量比にして、C:0.03〜0.10
%、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.0
0%、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Ni:
7〜10%、Cr:17〜20%、N:0.18〜0.2
5%、Ti:0.05%以下、B:20〜40ppm 、
O:50ppm 以下、Nb:0.25×(C+N)〜0.2
5%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるもの
とすることである。
【0007】
【作用】本発明では、オーステナイトステンレス鋼にお
いて窒素成分を高含有率にして固溶強化しているにも拘
らず、NbとBを含有せしめ、かつ、Nbの含有量の上限を
抑えたことにより、熱間加工性の極めて優れた、高強度
・高耐食性わ要する酷しい条件下に曝される大型の産業
用機器や大型の構造物に適した構造ようステンレス鋼が
得られる。
いて窒素成分を高含有率にして固溶強化しているにも拘
らず、NbとBを含有せしめ、かつ、Nbの含有量の上限を
抑えたことにより、熱間加工性の極めて優れた、高強度
・高耐食性わ要する酷しい条件下に曝される大型の産業
用機器や大型の構造物に適した構造ようステンレス鋼が
得られる。
【0008】次に、本発明の成分限定理由について説明
する。
する。
【0009】Cは、強力なオーステナイト生成元素であ
ると同時にオーステナイトマトリックスの強化に非常に
有効であるので、少なくとも0.03%は必要である。
従ってCの下限を0.03%とする。しかし、0.10
%を超えると粒界腐食を著しく促進させるので、上限を
0.10%とする。
ると同時にオーステナイトマトリックスの強化に非常に
有効であるので、少なくとも0.03%は必要である。
従ってCの下限を0.03%とする。しかし、0.10
%を超えると粒界腐食を著しく促進させるので、上限を
0.10%とする。
【0010】Siは、有効な脱酸剤で製鋼作業に不可欠で
あり、また、オーステナイトマトリックスの強化に非常
に有効であるので、少なくとも0.10%は必要である
ので、その下限を0.10%とする。しかし、1.00
%を超えて含有すると製造時に疵、割れを生じやすいの
で、上限は1.00%とする。
あり、また、オーステナイトマトリックスの強化に非常
に有効であるので、少なくとも0.10%は必要である
ので、その下限を0.10%とする。しかし、1.00
%を超えて含有すると製造時に疵、割れを生じやすいの
で、上限は1.00%とする。
【0011】Mnは、脱酸、脱硫剤として作用するととも
にオーステナイト相を安定にする元素である。また、窒
素の溶解度を著しく高める。そのため本発明においては
少なくとも1.00%以上必要であり、下限を1.00
%とする。しかし、3.00%を超えて添加すると、耐
食性、耐酸化性、熱間加工性が劣化するので、上限は
3.00%とする。
にオーステナイト相を安定にする元素である。また、窒
素の溶解度を著しく高める。そのため本発明においては
少なくとも1.00%以上必要であり、下限を1.00
%とする。しかし、3.00%を超えて添加すると、耐
食性、耐酸化性、熱間加工性が劣化するので、上限は
3.00%とする。
【0012】Pは、0.04%を超えて含有すると熱間
加工性、耐食性が著しく劣化するので、0.04%以下
とする必要がある。
加工性、耐食性が著しく劣化するので、0.04%以下
とする必要がある。
【0013】Sは、0.02%を超えて含有すると熱間
加工性、耐食性が著しく劣化するので、0.02%以下
にする必要がある。
加工性、耐食性が著しく劣化するので、0.02%以下
にする必要がある。
【0014】Niは、オーステナイト系ステンレス鋼の基
本元素であり、優れた耐食性を得るためには7%以上含
有させる必要がある。しかし、10%を超えて多量にNi
を含有すると溶接時の溶接割れ性、熱間加工性、耐食性
などを低下させるので、その上限を10%とする。
本元素であり、優れた耐食性を得るためには7%以上含
有させる必要がある。しかし、10%を超えて多量にNi
を含有すると溶接時の溶接割れ性、熱間加工性、耐食性
などを低下させるので、その上限を10%とする。
【0015】Crは、ステンレス鋼の基本元素で優れた耐
食性を与える。また窒素の固溶度を著しく高めて窒素添
加によるマトリックスの強化に役立つ。これらの効果は
17%以上で顕著になるので下限を17%とする。しか
し、20%を超えてCr量が多すぎると高温でのδ/γ組
織のバランスを損なうので上限を20%とする。
食性を与える。また窒素の固溶度を著しく高めて窒素添
加によるマトリックスの強化に役立つ。これらの効果は
17%以上で顕著になるので下限を17%とする。しか
し、20%を超えてCr量が多すぎると高温でのδ/γ組
織のバランスを損なうので上限を20%とする。
【0016】Nは、侵入型の固溶強化およびNb(C、N)析
出による結晶粒の微細化、析出強化作用を有し、Cと共
にマトリックスの主要強化元素であり、耐食性改善にも
寄与する元素である。これらの効果を得るために0.1
8%以上含有させる必要がある。しかし、0.25%を
超えて多量に含有しすぎると熱間加工性を損なうので、
0.25%以下とする。
出による結晶粒の微細化、析出強化作用を有し、Cと共
にマトリックスの主要強化元素であり、耐食性改善にも
寄与する元素である。これらの効果を得るために0.1
8%以上含有させる必要がある。しかし、0.25%を
超えて多量に含有しすぎると熱間加工性を損なうので、
0.25%以下とする。
【0017】Bは、Nを0.18%以上含有する場合の
熱間加工性を向上させるための重要な元素であり、熱間
加工温度条件に関わりなく効果を発揮する。その効果は
図1に示すように20〜40ppm で顕著であるので、本
発明においては、その含有量を20〜40ppmに限定す
る。
熱間加工性を向上させるための重要な元素であり、熱間
加工温度条件に関わりなく効果を発揮する。その効果は
図1に示すように20〜40ppm で顕著であるので、本
発明においては、その含有量を20〜40ppmに限定す
る。
【0018】Oは、非金属介在物として鋼中に残留し、
機械的性質および熱間加工性を劣化させる。図2に示す
ように、本発明においては50ppmを超えると絞り値
(熱間加工性)が著しく劣化する。従ってOの上限は5
0ppm とする。
機械的性質および熱間加工性を劣化させる。図2に示す
ように、本発明においては50ppmを超えると絞り値
(熱間加工性)が著しく劣化する。従ってOの上限は5
0ppm とする。
【0019】Tiは、結晶粒内にTiNおよびTi(C、N)
として非常に多く析出するため、Nの固溶量を低下さ
せ、耐食性を低下させる。その影響は、0.05%を超
えると顕著になるので、上限を0.05%とする。
として非常に多く析出するため、Nの固溶量を低下さ
せ、耐食性を低下させる。その影響は、0.05%を超
えると顕著になるので、上限を0.05%とする。
【0020】Nbは、残存CをNbC として固定し、耐食性
を改善し、またNb(C、N)析出による結晶粒の微細化およ
び強度を改善する元素である。即ち、引張強度750
(N/mm2 )以上を満足するには、0.25×(C+
N)%以上とする必要があるが、0.25%を超えると
動的再結晶が遅れ、熱間加工性が低下するので、上限は
0.25%とする。
を改善し、またNb(C、N)析出による結晶粒の微細化およ
び強度を改善する元素である。即ち、引張強度750
(N/mm2 )以上を満足するには、0.25×(C+
N)%以上とする必要があるが、0.25%を超えると
動的再結晶が遅れ、熱間加工性が低下するので、上限は
0.25%とする。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例】次に、本発明鋼の特徴を従来鋼、比較鋼と比
べて実施例をもって明らかにする。
べて実施例をもって明らかにする。
【0023】表1は、本発明鋼および比較鋼の供試材の
Fe以外の化学成分を示すものである。
Fe以外の化学成分を示すものである。
【0024】まず、熱間加工性について述べる。
【0025】図1に熱間加工性に及ぼすBの効果、図2
にOの効果を示す。供試材はすべて1250℃×3hr保持後
水冷を施した鋼を用いた。試験は1000℃で、5cm/sec
という高温引張試験を行い、その絞り値を測定したもの
である。
にOの効果を示す。供試材はすべて1250℃×3hr保持後
水冷を施した鋼を用いた。試験は1000℃で、5cm/sec
という高温引張試験を行い、その絞り値を測定したもの
である。
【0026】図1より、Bは20〜40ppm添加するこ
とで絞り値はすべて60%以上となり熱間加工性は大幅
に改善できる。比較鋼18、19はNbを多量に含有して
いるため熱間加工性が低下している。Bは粒界偏析する
ことでSやPなどの他の不純物の粒界偏析を抑制し、粒
界脆化を阻止するが、20ppm 未満ではその効果がな
い。また、40ppm を超えて添加すれば硼化物が生成し
高温時における熱間加工性を劣化させる。
とで絞り値はすべて60%以上となり熱間加工性は大幅
に改善できる。比較鋼18、19はNbを多量に含有して
いるため熱間加工性が低下している。Bは粒界偏析する
ことでSやPなどの他の不純物の粒界偏析を抑制し、粒
界脆化を阻止するが、20ppm 未満ではその効果がな
い。また、40ppm を超えて添加すれば硼化物が生成し
高温時における熱間加工性を劣化させる。
【0027】Oも50ppm 以下にすることで、絞り値は
すべて75%以上となり、熱間加工性が大幅に改善でき
る。一般にOは多量に含有すれば、高温においてγ粒界
の清浄度を害し、γ粒界の延性能をさせるが、本発明に
おいてはこれが50ppm 以下だとその悪影響が小さく、
本発明で必要な熱間加工性が確保できることを見出し
た。
すべて75%以上となり、熱間加工性が大幅に改善でき
る。一般にOは多量に含有すれば、高温においてγ粒界
の清浄度を害し、γ粒界の延性能をさせるが、本発明に
おいてはこれが50ppm 以下だとその悪影響が小さく、
本発明で必要な熱間加工性が確保できることを見出し
た。
【0028】次いで、引張強度について述べる。表2
に、固溶化熱処理(1100℃×10min 水冷)を施した鋼
についての引張強度を示す。試験はJIS4号試験片を用
いて行った。0.25×(C+N)≦Nb≦0.25を満
足しているものは、すべて引張強度が750〜800N
/mm2を示している。Nbを添加していないものや、比較
鋼15、16のようなNb添加量の少ないものに関しては
十分な引張強度が、得られない。比較鋼18、19のよ
うなNbを多量に含有しているものは引張強度は高い値を
示している。しかし、前記したとおり、熱間加工性が劣
化している。
に、固溶化熱処理(1100℃×10min 水冷)を施した鋼
についての引張強度を示す。試験はJIS4号試験片を用
いて行った。0.25×(C+N)≦Nb≦0.25を満
足しているものは、すべて引張強度が750〜800N
/mm2を示している。Nbを添加していないものや、比較
鋼15、16のようなNb添加量の少ないものに関しては
十分な引張強度が、得られない。比較鋼18、19のよ
うなNbを多量に含有しているものは引張強度は高い値を
示している。しかし、前記したとおり、熱間加工性が劣
化している。
【0029】
【表2】
【0030】さらに、耐食性について述べる。表2に、
固溶化熱処理(1100℃×10min 水冷)および鋭敏化熱
処理(1100℃×10min 水冷→650℃×2hr.空冷)
を施した鋼について、耐孔食性を示す。試験は、35℃
における6%塩化第2鉄溶液中の腐食度を測定して行っ
た。固溶
固溶化熱処理(1100℃×10min 水冷)および鋭敏化熱
処理(1100℃×10min 水冷→650℃×2hr.空冷)
を施した鋼について、耐孔食性を示す。試験は、35℃
における6%塩化第2鉄溶液中の腐食度を測定して行っ
た。固溶
【0031】
【表3】 化状態ではN量が多いと耐食性が向上している。Nbを添
加してもほとんど影響しない。鋭敏化状態ではNb添加で
大きく向上する。これは、NbによるCの固定によるもの
である。比較鋼20、21では鋭敏化状態の耐孔食性が
非常に悪いが、これは両者共Tiを0.05%を超えて含
有しているため、窒素がTiによって固定され、固溶窒素
が減少したためと考えられる。
加してもほとんど影響しない。鋭敏化状態ではNb添加で
大きく向上する。これは、NbによるCの固定によるもの
である。比較鋼20、21では鋭敏化状態の耐孔食性が
非常に悪いが、これは両者共Tiを0.05%を超えて含
有しているため、窒素がTiによって固定され、固溶窒素
が減少したためと考えられる。
【0032】以上の結果をまとめて総合評価したものを
表3に示す。表3から判るように本発明鋼はいずれの供
試材とも熱間加工性、引張強度、耐食性ともに優れ、総
合評価はいずれも優れている。これに対し比較鋼は熱間
加工性、引張強度、耐食性のすべてについて優れたもの
はなく総合評価の点で本発明鋼に比し劣っている。
表3に示す。表3から判るように本発明鋼はいずれの供
試材とも熱間加工性、引張強度、耐食性ともに優れ、総
合評価はいずれも優れている。これに対し比較鋼は熱間
加工性、引張強度、耐食性のすべてについて優れたもの
はなく総合評価の点で本発明鋼に比し劣っている。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高窒素ステ
ンレス鋼は、Nを0.18%以上含有するにも拘わらず
熱間加工性が悪化することなく、高強度・高耐食性であ
り、大型化が進んだ機械、構造物などに使用可能な極め
て優れた構造用ステンレス鋼である。
ンレス鋼は、Nを0.18%以上含有するにも拘わらず
熱間加工性が悪化することなく、高強度・高耐食性であ
り、大型化が進んだ機械、構造物などに使用可能な極め
て優れた構造用ステンレス鋼である。
【図1】熱間加工性に及ぼすBの効果についての実験結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
【図2】熱間加工性に及ぼすOの効果についての実験結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】重量比にして、C:0.03〜0.10
%、Si:0.10〜1.00%、Mn:1.00〜3.0
0%、P:0.04%以下、S:0.02%以下、Ni:
7〜10%、Cr:17〜20%、N:0.18〜0.2
5%、Ti:0.05%以下、B:20〜40ppm 、
O:50ppm 以下、Nb:0.25×(C+N)〜0.2
5%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなること
を特徴とする高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性
に優れた高窒素ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10515593A JPH06293942A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10515593A JPH06293942A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293942A true JPH06293942A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=14399830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10515593A Pending JPH06293942A (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | 高強度・高耐食性を有し、かつ熱間加工性に優れた高窒素ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293942A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007275903A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼または高合金鋼の鋳造方法 |
-
1993
- 1993-04-07 JP JP10515593A patent/JPH06293942A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007275903A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ステンレス鋼または高合金鋼の鋳造方法 |
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