JPH06293097A - 強化発泡体 - Google Patents

強化発泡体

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JPH06293097A
JPH06293097A JP8325593A JP8325593A JPH06293097A JP H06293097 A JPH06293097 A JP H06293097A JP 8325593 A JP8325593 A JP 8325593A JP 8325593 A JP8325593 A JP 8325593A JP H06293097 A JPH06293097 A JP H06293097A
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JP
Japan
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foam
needle
reinforced
reinforced foam
fabric
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JP8325593A
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English (en)
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Setsuo Taguchi
節男 田口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、発泡体の特性を低下させることな
く、薄く、少量の面材で、強く、軽量の強化発泡体を提
供せんとするものであり、さらには、良好な難燃性を有
する強化発泡体を提供せんとするものである。 【構成】本発明の強化発泡体は、発泡体の少なくとも一
表面に、主として接着成分および強化成分からなる複合
繊維および/または複合糸で構成された布帛が接合され
ており、かつ、該布帛を貫通して発泡体に到達する針状
孔を有し、該布帛を介して面材が該針状孔で直接発泡体
に接合一体化していることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強くて、軽量の強化発
泡体、さらには、良好な難燃性を有する強化発泡体に関
する。
【0002】
【従来技術】従来から、ポリスチレン系発泡体は、安価
で、外力に対して変形が小さく、保形性や寸法安定性に
優れる発泡体として、電気製品や精密機器の包装・梱
包、クーラボックス、断熱性建材などに広く用いられて
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ポリスチレ
ン系発泡体は、上記のような優れる点の多い反面、衝撃
や曲げなどの外部応力に対して極めて脆く、わずかの変
形により割れたり、折れやすく発泡体の全体破壊に繋が
るという欠点があった。そのため、強い衝撃力を受けた
り、また強い曲げや捩りを受ける部位には適さない材料
とされていた。
【0004】かかる問題に対して、繊維を混合して強化
を図る方法が提案されているが(特公昭47−2809
7号公報、特開昭48−100471号公報)、補強用
繊維と発泡体との一体性が乏しいために、実質的な補強
効果は得られずそれら公報に記載されている発明は好ま
しい方法とは言えないものであった。
【0005】また、ポリスチレン発泡体のもう一つの欠
点として、燃え易いものであり、火を扱う場所や難燃性
が要求される分野、特に、土木、建築用途には使用を厳
しく制限されてきた。
【0006】かかる対策としては、発泡体に難燃剤を混
入して、難燃性を向上したものがあるが、好ましい難燃
性を付与するまでには至っていない。また、発泡体板に
石綿セメント板、石膏ボードや木毛セメント板などを接
着剤で積層した複合パネルといわれるものがあるが、重
い、厚い、脆いなどの欠点があり、さらに、生産性がき
わめて悪く、高価格となる問題があった。
【0007】すなわち、発泡体に不燃・難燃性面材を接
着剤を用いて積層しようとしても、発泡体と面材との接
着が困難であること、特に、ポリスチレン発泡体は、溶
剤に弱いことに加えて、ポリマ自身が熱に弱く、熱を加
えると発泡体中に残留する発泡剤が三次発泡するなど溶
媒の除去(乾燥工程)が困難であり、また、接着剤によ
っては硬化時間が長いことなどの問題があって、接着加
工が困難で、生産性が極めて悪く、また、ただ単に、発
泡体に難燃性面材を積層したものは、強度が十分でな
く、脆さの点を解決できるものではなかった。あえて、
不燃・難燃性面材により脆さを解決しようとすれば、面
材の厚さは極めて厚いものとなり、全体として、厚く、
重く、断熱性の劣るものしか得られなかった。
【0008】本発明は、かかる問題を解決したもので、
発泡体の特性を低下させることなく、薄く、少量の面材
で、強く、軽量の強化発泡体を提供せんとするものであ
り、さらには、良好な難燃性を有する強化発泡体を提供
せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は次の構成を有する。
【0010】すなわち、本発明の強化発泡体は、発泡体
の少なくとも一表面に、主として接着成分および強化成
分からなる複合繊維および/または複合糸で構成された
布帛が接合されており、かつ、該布帛を貫通して発泡体
に到達する針状孔を有し、該布帛を介して面材が該針状
孔で直接発泡体に接合一体化していることを特徴とする
強化発泡体に関するものである。
【0011】
【作用】本発明は、発泡体、例えば、ポリスチレン発泡
体のように軽いけど、脆くて弱く、さらには、燃え易い
という欠点を改善するために鋭意検討した結果、特定の
布帛と硬化型素材との組合せによって、これらの欠点を
一挙に改善することのができることを究明したものであ
る。
【0012】本発明の強化発泡体は、発泡体の少なくと
も一表面に、まず、主として接着成分および強化成分か
らなる複合繊維および/または複合糸で構成された布帛
が接合する必要がある。この布帛によって、複合繊維の
接着成分が発泡体との接合に寄与し、強化成分が強化に
寄与し、有効な強化を達成するものである。さらに、ま
た、発泡体/布帛には、布帛層を貫通して発泡体に到達
する針状孔を有し、この針状孔に硬化型面材が付与され
て食い込み、硬化すると共に布帛と一体化されるもので
ある。
【0013】本発明における接合とは、発泡体/布帛、
布帛/面材または発泡体/面材の二成分の界面におい
て、両者が化学的あるいは物理的に一体化しうることを
意味するもので、接着、融着、アンカー効果による結合
などを含むものである。
【0014】なお、面材としては、脱溶剤硬化性、常温
硬化性、熱硬化性のものなど皮膜形成能を有する硬化型
素材であれば使用することができるが、不燃・難燃性材
料であることが好ましい。
【0015】かかる構成により、発泡体の脆性を改良
し、さまざまな外部応力に対して耐破壊性や耐飛び散り
性などを著しく改良することができ、かつ、面材として
不燃・難燃性材料を用いることにより、同時に好ましい
難燃性能を有する強化発泡体を提供することができる。
【0016】ここで、本発明の強化発泡体を、図1の断
面模式図を用いて説明する。図1は、発泡体1の両面に
複合繊維または複合糸からなる布帛2を熱融着させて接
着したものに、布帛層を貫通して発泡体に到達する多数
の針状孔4が配されており、面材3が針状孔食い込んで
かつ皮膜を形成しており、発泡体/布帛に抱き込まれた
形で強固に固定化され、一体化されている。
【0017】本発明でいう布帛とは、主として発泡体と
良好に接着する接着成分と高強力性を有する強化成分の
少なくとも二つの成分からなる複合繊維および/または
複合糸により構成された不織布、組織構造体あるいは該
不織布と組織構造体の複合された複合布帛を使用するこ
ともできる。
【0018】本発明に使用される発泡体としては、例え
ば、ポリスチレン、スチレン・エチレン共重合体、ポリ
ウレタン、アクリルニトリル・スチレン共重合体、AB
S樹脂などのポリスチレン系樹脂からなるビーズ成形、
押出し成形などによる発泡成型体あるいはその原料が好
ましく適用できる。その他に、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、フェノール系樹脂を原料とする
発泡体にも適用できる。特に、外部応力に対して変形の
小さい高剛性樹脂が、本発明による強化効率が高く、よ
り高い効果を得ることができる。
【0019】布帛を構成する複合繊維の好ましい形態と
しては、芯/鞘型繊維、バイメタル型繊維、多層接合型
繊維、放射状多層型繊維等の形態であり、この中でも、
鞘成分の中に多くの芯成分を有する構造の繊維である多
芯/鞘型複合繊維が好ましい。例えば、高分子配列体繊
維、混合紡糸繊維等に代表されるものである。
【0020】図2〜図8は、本発明に用いられる複合繊
維の一実施態様例をモデル的に示した横断面概略モデル
図である。
【0021】かかる複合繊維において、接着成分は複合
繊維の外周あるいは外殻部分に配置されることが好まし
い。たとえば、図2、図3および図4のような芯/鞘型
複合繊維においては、鞘成分に配置されるのが好まし
い。また、図5、図6、図7および図8のようなバイメ
タル型あるいは多層接合型複合繊維においては、いずれ
の成分に配置されて構わないが、外部への露出面積の大
きい部分に配置される方が効果的で好ましい。これら図
において、5は複合繊維、6、6′は芯成分、7は鞘成
分を示している。
【0022】複合繊維の太さは、強化材料として、その
具体的用途に適したものとすればよく、特に限定される
ものではないが、一般には複合繊維で0.1〜1000
デニールの範囲が好適であり、多芯/鞘型複合繊維にお
いては、芯繊維の太さは、通常、複合繊維の1/3〜1
/1000程度が好ましく、また、複合繊維中の芯の本
数は、3本〜10000本の範囲とするのが好ましく、
10本〜1000本が特に好ましい。
【0023】複合繊維における接着成分としては、加熱
することにより熱変形あるいは溶融を起こして高接合性
をもたらすことが重要であり、さらに、次のAまたはB
を満足するものであることが好ましい。すなわち、 A:発泡体と同じモノマ単位を含むポリマであること、 B:発泡体と良好な接着性と相溶性を有するポリマであ
ること、 特に、中でもAのものが好ましいが、ただし、発泡体と
同じモノマ単位を含まないものであっても、熱変形ある
いは溶融によって、発泡体との間にアンカー効果等が作
用し好ましい接合が図れるものであれば、本発明を十分
達成できるものである。かかる好ましい代表例として
は、ポリスチレン、スチレンにアクリル酸やメタクリル
酸の高級アルコールエステルを共重合したポリスチレン
共重合体、酸成分がテレフタル酸/イソフタル酸、グリ
コール成分がエチレングリコールからなるポリエステル
共重合体などが挙げられる。
【0024】一方、強化成分としては、ポリエチレンテ
レフタレートに代表されるポリエステル類、ナイロン
6、ナイロン66に代表されるポリアミド類、アラミド
類、その他ポリアリレート、ポリアクリルニトリル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、
ポリウレタンおよびそれらの共重合変性体あるいは他成
分の混合体などの各種の可紡性を有するポリマを適用す
ることができるものであり、これらのポリマ群の中から
発泡体種に応じて、また、発泡体の目的、用途に応じて
一種または二種以上のポリマが用いられる。
【0025】また、さらに、これまでの説明では、複合
紡糸して得られる複合繊維の場合で説明してきたが、本
発明は、このような複合繊維使いの場合に限らず、前述
の芯成分あるいは鞘成分とか、あるいは接着成分、強化
成分として説明をしたポリマの繊維からなる混繊糸(交
撚糸を含む)などの複合糸使いでも構わない。すなわ
ち、本発明では、接着成分よりなる繊維もしくは糸と、
強力成分よりなる繊維もしくは糸の組合せの複合糸使い
であってもよいわけである。
【0026】不織布はカード・クロスラッパー法、抄紙
法、ランダムウエッバ法、紡糸直接製布法などの方法に
より製造される短繊維(ステープル)あるいは長繊維
(フィラメント)不織布が適用できる。
【0027】組織構造体とは、織物、編物、組紐、網シ
ート状物など繊維を原料とし、シート状の形態を保持す
る組織を有するものであり、いずれも適用できる。
【0028】組織構造体における織物としては、平織、
綾織、朱子織およびそれらの組織を基本とした各種のも
のが適用される。特殊なものとしては、低い密度でも、
目ずれのしない呂織、紗織などが好ましく適用される。
また、編物としては、緯メリアス、経メリアスの各種の
ものが適用できる。網シート状物とは、繊維の交点が接
着や融着してネット状のシートを形成したもなどが適用
される。
【0029】もちろん、組織構造体の構成繊維は、上述
の複合繊維および/または複合糸がすべてに用いても、
あるいは他の繊維と併用することは何等構わない。
【0030】不織布と組織構造体が複合した布帛(複合
布帛)は、上記不織布と組織構造体の積層したものや両
者の絡み合った形態のものである。
【0031】上記したように布帛において、いずれの布
帛も前述の複合繊維が発泡体と接合するに足りるに十分
な割合で含まれることが本発明の要件となるが、接合性
を著しく低下させない範囲で他の繊維と併用しても構わ
ない。特に、不織布/組織構造体における好ましい例と
しては、複合繊維からなる不織布と高強度の組織構造体
を併用することにより、接着成分の作用により発泡体と
の接合一体化性が良好で、かつ、不織布繊維中の強化成
分および組織構造体の高強力性が十分に発揮されて良好
な機械的性能を有する強化発泡体とすることができる。
これは、不織布あるいは組織構造体のみで強化されたも
のに比べて、接合性が良好で、一般的な機械的性能の向
上はもちろんこと、きわめて高い耐衝撃性が得られる。
特に、不織布/組織構造体の接合した強化発泡体はたと
え欠点部が生じても、その破壊伝播が組織構造体の組織
部分で食い止められるため、全体破壊に至らない利点が
ある。この場合、組織構造体を構成する成分としては、
できるだけ高強力性を有するものが好ましいが、上記複
合繊維中の強化成分と同じものであってもかまわない。
例えば、アラミド繊維、ポリアリレート、高分子量ポリ
エチレン、高分子量ポリビニルアルコールなどが好まし
く、特に、繊維強度が3 g/d 以上、特に5g/d 以上
の高強力繊維であることが好ましい。
【0032】その他の組織構造体としては、通称ジオグ
リッドと呼ばれるもので溶融ポリマをダイスから押し出
して作ったシートに円形などの孔を開けて、一方向ある
いは二方向に延伸したものであり、土木用としてよく使
用されることからジオグリッドと呼ばれるもの、また、
ネットの形が格子状となっているものでいわゆるジオネ
ット呼ばれるものも好ましく用いられる。それらの具体
的な例としては、日石合樹製品株式会社製「日石コンウ
エドネット」、三井石化産資株式会社製「ネトロンシー
ト」が挙げられる。それらは目合、目付、厚さなど目
的、用途に応じて適宜選択でき、特に限定されるもので
はない。
【0033】一方、針状孔とは、布帛強化発泡体の布帛
層を貫通して発泡体に到達する針状あるいは棒状の孔で
あり、より好ましい態様としては、通称「蟻ほぞ穴」と
いわれる断面積において深部が入口部(外部開口部)よ
り広くなっているものが代表例をして挙げられる。もち
ろん「蟻ほぞ穴」に限らず、その他各種のほぞ穴形状の
ものも適用できる。かかる針状孔の入口部の断面積は、
0.5〜300mm2 であるこが好ましく、特に好ましく
は5〜100mm2 である。この範囲より狭いと硬化型面
材が浸透しにくくなってアンカー効果が小さくなり、反
対に大き過ぎると針状孔に存在する硬化型面材の割合が
余りにも高くなり、発泡体としての特徴である断熱性、
軽量性、低コスト性が損なわれることになり好ましくな
い。また、針状孔の深さは、発泡体の厚さにより異なる
が、浅くとも1mm以上であり、深くとも発泡体の厚さの
80%以下が好ましい。また、深部断面積(D)と入口
断面積(E)は、D/E値が1.O5以上であることが
好ましく、特に、1.2以上であることが好ましい。こ
の値が大きい程、布帛強化発泡体と硬化型面材との一体
性が強固となり好ましい。なた、針状孔の配設密度は、
針状孔の断面積にもよるが、入口総面積において、発泡
体表面積の60%以下であることが好ましく、特に好ま
しくは50%以下である。かかる針状孔空間に硬化型面
材が充填されて食い込み、食い込み部により強固に一体
化し、かつ、表面にシート層を形成してなるものであ
る。すなわち、かかる構造により、発泡体/布帛/面材
が強固に接合一体化し有効な強化を図るものである。ま
た、硬化型面材に不燃・難燃性材料を用いることによ
り、好ましい難燃特性を同時に達成したものである。
【0034】本発明でいう硬化型面材は、脱溶剤硬化
性、常温硬化性や熱硬化性のものなどで、皮膜形成能を
有する硬化型素材が使用される。中でも不燃・難燃性材
料からなるものが好ましい。かかる硬化型面材として
は、セメント、モルタル、コールタール、コンクリー
ト、アスファルト、石膏、石綿セメント、けい酸カルシ
ウム板、セメントけい酸カルシウム板、石綿けい酸カル
シウム板、パルプセメント、石綿けい酸カルシウム板な
どの一種または二種以上が適用できる。さらに、当然な
がら、これらの難燃性面材原料に難燃性や強度を著しく
低下させない範囲で他の材料を混合しても何等構わな
い。
【0035】硬化型面材は、液状物として上記針状孔の
空間に浸透して充填され、かつ、硬化して外表面にシー
ト層を形成する。かかる針状孔のアンカー効果により布
帛と硬化型面材は強く一体化した構造を形成しうるので
ある。かかる構造により、例え、発泡体/布帛/硬化性
面材の組合せが、接合性の低いもの同士であっても強固
な一体化を図ることができる。これは発泡体表面に接着
した前記複合繊維からなる布帛の存在によってのみ可能
とするものであり、発泡体/布帛から硬化性面材が極め
て剥離、脱落しにくいことが本発明の大きな特徴であ
る。例え、発泡体のみで上記のような蟻ほぞ穴構造針状
孔を形成せしめ、面材を食い込ましたとしても発泡体自
身が脆弱なため、発泡体/面材との接合一体化は強固と
はなりえず、容易に剥離、脱落してしまうものである。
【0036】本発明の強化発泡体を作製する方法として
は、一つには、布帛を所望形状金型内面に配し、その金
型内に各種潜在発泡成性材料、例えば発泡性のポリマビ
ーズなどの材料を充填し、蒸気や熱風などを供給して加
熱し発泡成形と同時に布帛構成繊維の接着成分を熱変形
および/または溶融せしめて、発泡体表面の一部分また
は全体に布帛を接合一体化せしめることをにより行われ
る。その他、予め発泡体を成形し、その発泡体の表面に
布帛を加熱状態下で圧接せしめ、接合成分を熱変形およ
び/または溶融し、発泡体表面の一部分または全体に接
着一体化せしめる方法とか、また、発泡体の表面に布帛
を配し、布帛にアイロン、こて、ロール、加熱プレスの
ごとき加熱体を圧接して加熱し、不織布の構成繊維の接
着成分を熱変形および/または溶融し、発泡体表面の一
部分または全体に布帛を接合一体化する方法により行な
われる。
【0037】かかる布帛強化発泡体に針状孔を形成する
好ましい手段としては、円柱状のローラに多数の金属製
の針や棒状のもの(以下針)を放射状に配設したローラ
を用い、発泡体の融点あるいは軟化点、または布帛の強
化成分の融点以上に加熱し、該金属製の針がつき刺さる
ように回転しながら押し当てる方法とか、また、多数の
針が植った板を用い、加熱した針部を発泡体中に侵入す
るパンチング方法などが挙げられる。かかる方法によ
り、布帛部分に比べて発泡体の融点あるいは軟化点が低
いことや密度が低いことから、熱による影響を受けやす
く、布帛が存在する入口より、発泡体の存在する深部の
方が断面積の大きい空孔を形成する。この「蟻ほぞ穴構
造」は、針の先端程高温に加熱して処理することによ
り、好ましく形成される。
【0038】次いで、針状孔を有する布帛発泡体に面材
を一体化する方法としては、硬化型面材配合液状物を塗
布、スプレ−、含浸などの手段により付与し、少なくと
も針状孔に浸透しアンカー部分を形成し、さらに、布帛
表面に塗膜あるいは皮膜なるシート層を形成せしめるこ
とにより行われる。もちろん、硬化型面材配合物中に接
合性をより高める目的で、アクリル系樹脂、スチレン・
ブタジエンゴム系、エポキシ系、酢酸ビニル系、エチレ
ン・酢酸ビニル系、その他各種合成ゴムなどの接着剤を
混合した配合物としても構わない。
【0039】上記の方法により、発泡体/布帛/面材の
三者を強固にかつ耐久性良く接合し、発泡体に対して有
効な強化を図ることができ、耐衝撃性を始めとして、耐
破壊性、耐飛び散り性を付与することができる。さら
に、また、好ましい難燃特性を付与することができる。
また、かかる面材の選択によっては、防水性付与効果を
得ることもできる。
【0040】本発明の強化発泡体は、過酷な衝撃や力学
的作用を受ける道路の噴泥防止材、各種土木用材、各種
フェンス、コンクリート型枠、防水層保護材、防水シー
ト、畳の芯材等の建築・土木分野に好ましく適用でき
る。またその他に、断熱工業分野、自動車などの車両分
野のインシュレーション材料等、また、包装・梱包分
野、スポーツ・雑貨分野にも適用することができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0042】実施例において、「割合」は全て重量に基
づくものである。
【0043】実施例1 布帛として、鞘成分がスチレン80重量部/2−エチル
ヘキシルアクリレート20重量部共重合体、芯成分がナ
イロン6からなる高分子配列体繊維(繊維長:51mm、
島数:16、複合繊維のデニール:3d )を用いてカー
ド、クロスラッパーの工程を経て不織布ウェブを作製
し、次いでニードルパンチを行なって2枚の不織布を作
製した。
【0044】発泡体として、押出し発泡ポリスチレン板
(30倍発泡品、25mm品)を用い。ヒートプレス機を
用いて、発泡体板に上記布帛を配設した後、ヒートプレ
ス(温度:120℃、圧力:2Kg/cm2 、時間:45se
c )して、両者を接着せしめ布帛強化発泡体を得た。
【0045】しかる後、直径1.5mm、長さ10mmのス
テンレス針が、針密度約200本/100cm2 で植えら
れた針布ローラを用い、針部を約300℃に加熱した
後、布帛強化発泡体を通して開孔処理し、ほぞ構造を有
する針状孔を形成せしめた。該針状孔は入口部が直径約
2mm、深部が直径約3.5mmの蟻ほぞ穴構造であった。
【0046】次いで、該布帛強化発泡体にアスファルト
/スチレン・ブタジエンゴム系接着剤配合物を塗布し
て、該針状孔に充填するとともに、表裏両面に約0.5
mm難燃性面材層を形成させた。
【0047】かかる発泡体を用いて、540g のステン
レス球による落球試験を行なったところ、高さ300cm
からの落球試験においても何ら破壊は認められなかっ
た。しかし、従来の発泡体(布帛/難燃性面材のないも
の)は、僅か30cmの高さにより全体破壊を起し、破片
が周囲に散乱した。
【0048】また、本発明の強化発泡体は、ライターの
炎を20秒間接する燃焼試験において燃焼せず、全く変
形を起こさなかった。比較品として用いた不燃・難燃性
面材を付与しなかったもの(布帛のみを接着させたも
の)は、10秒以内に炎が接した部分が燃焼し、続いて
全体が燃焼した。
【0049】実施例2 布帛として、鞘成分がポリスチレン、芯成分がポリエチ
レンテレフタレートからなる高分子配列体繊維(繊維
長:51mm、島数:16、複合繊維のデニール:3d )
を用いてカード、クロスラッパーの工程を経て不織布ウ
ェブを作製し、次いでニードルパンチを行なって2枚の
不織布を作製した。
【0050】該不織布ウェブ2枚と実施例1と同じ発泡
体板と用い、その中間に1000d−666f アラミド
繊維からなる平織物(目付:100 g/ m2 )を挿入し
て3層シートとして、さらにニードルパンチして不織布
繊維と織物が交絡した複合布帛を作製した。さらに、実
施例1と同じ方法でヒートプレスを行い、複合布帛が発
泡体の表裏に接合一体化した布帛強化発泡体を得た。
【0051】しかる後、実施例1と同じ針布ローラを用
い、針部を約330℃に加熱した後、布帛強化発泡体を
通して処理し、蟻ほぞ穴構造を有する針状孔を形成せし
めた。 該布帛強化発泡体にセメント/アクリル系接着
剤配合物を塗布して、該針状孔に充填するとともに、表
裏両面に厚さ約1mm難燃性面材層を形成させた。
【0052】かかる強化発泡体は、700gのステンレ
ス球による300cmからの落球試験においても何ら破壊
は認められなかった。
【0053】また、本発明の強化発泡体は、ライターの
炎を60秒間接する燃焼試験において燃焼せず、全く変
形を起こさなかった。
【0054】実施例3 実施例1と同じ不織布ウェブを用い、組織構造体として
日石合樹製品株式会社製「日石コンウエドネット、ON
3010」、発泡体として押出し発泡シート(30倍発
泡品)を用い、不織布/組織構造体/発泡体/組織構造
体/不織布のように配し大型加熱プレスによって120
℃、30秒間、2Kg/cm2 ヒートプレスし、布帛強化発
泡体を作製した。得られた発泡体は、不織布が組織構造
体の目間を通って発泡体を強く接着し全体として強固に
接着一体化したものであった。
【0055】しかる後、実施例1と同じ針布ローラを用
い、針部を約350℃に加熱した後、布帛強化発泡体を
通して処理し、蟻ほぞ穴構造を有する針状孔を形成し
た。
【0056】次いで、該布帛強化発泡体に石膏/アクリ
ル系接着剤配合物を塗布して、該針状孔に充填するとと
もに、表裏両面に約1.5mm難燃性面材層を形成させ
た。
【0057】本発明の強化発泡体は、ライターの炎を3
0秒間接する燃焼試験において燃焼せず、全く変形を起
こさなかった。さらに、1200g のステンレス球によ
る300cmからの落球試験において破壊せず、不燃・難
燃性面材層の剥離も認められなかった。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の強化発泡体は、
発泡体の少なくとも一表面に、主として接着成分および
強化成分からなる複合繊維および/または複合糸で構成
された布帛が接合されており、かつ、該布帛を貫通して
発泡体に到達する針状孔を有し、該布帛を介して面材が
該針状孔で直接発泡体に接合一体化してなるものであ
る。 かかる構成により、発泡体の脆性を改良し、さま
ざまな外部応力に対して耐破壊性や耐飛び散り性などを
著しく改良することができ、かつ、同時に好ましい難燃
性能を有する強化発泡体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強化発泡体の1態様例をモデル的に示
した概略斜視図である。
【図2】本発明に用いることのできる芯/鞘型複合繊維
の1態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図3】本発明に用いることのできる芯/鞘型複合繊維
の他の態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図4】本発明に用いることのできる芯/鞘型複合繊維
の他の態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図5】本発明に用いることのできるバイメタル型複合
繊維の1態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図6】本発明に用いることのできる多層接合型複合繊
維の1態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図7】本発明に用いることのできる多層接合型複合繊
維の他の態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【図8】本発明に用いることのできる多層接合型複合繊
維の他の態様例をモデル的に示した概略斜視図である。
【符号の説明】
1:発泡体 2:布帛 3:面材 4:針状孔 5:複合繊維 6、6′:芯成分 7:鞘成分

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡体の少なくとも一表面に、主として接
    着成分および強化成分からなる複合繊維および/または
    複合糸で構成された布帛が接合されており、かつ、該布
    帛を貫通して発泡体に到達する針状孔を有し、該布帛を
    介して面材が該針状孔で直接発泡体に接合一体化してい
    ることを特徴とする強化発泡体。
  2. 【請求項2】針状孔が、発泡体に形成されており、か
    つ、該針状孔の断面積において入口部より深部が広いこ
    とを特徴とする請求項1記載の強化発泡体。
  3. 【請求項3】面材が、針状孔に充填されて発泡体と一体
    化されている請求項1記載の強化発泡体。
  4. 【請求項4】布帛が、不織布、組織構造体または不織布
    /組織構造体であることを特徴とする請求項1記載の強
    化発泡体。
  5. 【請求項5】発泡体が、ポリスチレン系樹脂発泡体であ
    ることを特徴とする請求項1記載の強化発泡体。
  6. 【請求項6】接合が、融着である請求項1記載の強化発
    泡体。
  7. 【請求項7】融着が、低融点繊維または低融点成分によ
    るものである請求項1記載の強化発泡体。
  8. 【請求項8】複合繊維または複合糸が、芯/鞘型複合の
    複合繊維または複合糸であることを特徴とする請求項1
    記載の強化発泡体。
  9. 【請求項9】芯/鞘型の複合構造が、多芯/鞘型複合繊
    維であることを特徴とする請求項8記載の強化発泡体。
  10. 【請求項10】組織構造体が、ジオグリッドであること
    を特徴とする請求項4記載の強化発泡体。
  11. 【請求項11】組織構造体が、ジオネットであることを
    特徴とする請求項4記載の強化発泡体。
  12. 【請求項12】面材が、不燃性あるいは難燃性を有する
    材料であることを特徴とする請求項1記載の強化発泡
    体。
  13. 【請求項13】面材が、セメント、アスファルト、コー
    ルタール、石膏、石綿セメント、けい酸カルシウム板、
    セメントけい酸カルシウム板、石綿けい酸カルシウム
    板、パルプセメント、石綿けい酸カルシウム板の一種ま
    たは二種以上からなることを特徴とする請求項1記載の
    強化発泡体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103038059A (zh) * 2010-09-14 2013-04-10 旭玻璃纤维股份有限公司 面材强化发泡体

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