JPH06289328A - レンズの処理方法および製造方法並びにレンズ - Google Patents

レンズの処理方法および製造方法並びにレンズ

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JPH06289328A
JPH06289328A JP5100203A JP10020393A JPH06289328A JP H06289328 A JPH06289328 A JP H06289328A JP 5100203 A JP5100203 A JP 5100203A JP 10020393 A JP10020393 A JP 10020393A JP H06289328 A JPH06289328 A JP H06289328A
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JP
Japan
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lens
coating
coated
treatment
lenses
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JP5100203A
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English (en)
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Shunpu Haga
舜布 羽賀
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DAISERU AMIBOSHI SANGYO KK
Original Assignee
DAISERU AMIBOSHI SANGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両面の表面処理態様が互いに異なるレンズ
を、簡易に得る。 【構成】 レンズの平面又は凹面側を少なくともレンズ
の周縁部と接触可能な遮蔽部材で遮蔽し、レンズとの接
触部を除去可能なシール手段でシールし、前記レンズに
ハードコートなどの被覆処理を施す。遮蔽部材として、
レンズの周縁部と接触可能であって、且つレンズとの対
向面が平面又は凹面に形成されているレンズを用いるこ
とができる。被覆処理後、シール部を除去することによ
り、両面の表面処理態様が互いに異なるレンズが得られ
る。シール部を除去した後、外面に施した被覆処理とは
異なる被覆処理を、少なくとも内面に施すこともでき
る。外側の面がハードコートされ、内側の面が防曇コー
トされているレンズは、実用性の高いメガネレンズとし
て好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズの片面のみを被
覆処理するレンズの処理方法、両面の表面処理態様が互
いに異なるレンズの製造方法、および、両面に異なる被
覆処理が施された新規なレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】レンズを製造する際には、レンズの表面
特性を改善したり、新たな特性を付与するため、種々の
被覆処理がレンズ表面に施される。例えば、発汗や吐息
等によりレンズ表面が曇るのを防止するため防曇コート
が施されたり、可視光の反射を防止するため反射防止コ
ートが施される。また、有害光線から目を保護するた
め、赤外線反射被膜、紫外線や近赤外線吸収被膜などが
レンズ表面に施されたりする。さらに、プラスチックレ
ンズはガラスレンズと比較して硬度が低く耐擦傷性に劣
るため、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂などの被膜を
レンズ表面に形成するハードコーティングが行われる。
そして、このような被覆処理は、通常、浸漬法、スプレ
ー法、フローコート法、カーテンコート法、スピンコー
ト法などによって行われる。
【0003】しかし、上記のような被覆処理は必ずしも
レンズの両面に必要であるわけではなく、また、レンズ
の両面のそれぞれに異なる表面特性が要求される場合が
ある。例えば、メガネレンズにおいては、前記紫外線吸
収被膜などはレンズの何れか一方の面に形成すれば十分
である。また、メガネレンズの外側の面は、外界の物体
と接触し易く、風塵に当りやすいためハードコーティン
グする必要性が高いが、レンズの内側の面は、ハードコ
ートの必要性は低い。逆に、前記防曇コートは、メガネ
レンズの内側の面には必要性が高いが、外側の面にはあ
えて施す必要がない。
【0004】上記のように両面の被覆処理態様が互いに
異なるレンズを製造しようとする場合、処理すべきレン
ズをそのまま前記浸漬法で処理すると、レンズの両面に
同一の被覆処理が施されるため、両面の被覆処理態様が
互いに異なるレンズを製造することができない。例え
ば、特公昭53−14274号公報および特公昭60−
30712号公報には、レンズなどを処理する上で有用
なシロキサン加水分解縮合物を含むコーティング組成物
が開示されているものの、浸漬法によりレンズの両面を
表面処理している。また、前記スプレー法等の他の方法
によっても、レンズをそのまま処理に供する場合には、
処理面とは反対側の非処理面にまでも処理液の液滴が付
着するため、一方の面のみを効率かつ精度よく被覆処理
することは困難である。
【0005】このように、従来より、両面ハードコート
されたレンズ及び両面防曇コートされたレンズは知られ
ているが、例えば、レンズの外側の面がハードコートさ
れ、内側の面が防曇コートされたレンズなどを製造する
のは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、両面の被覆処理態様が互いに異なるレンズを、簡易
に製造する方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、外側の面がハードコ
ートされ、内側の面が防曇コートされた新規なレンズを
提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明者は上記目的を達成するため鋭意
検討した結果、レンズの平面又は凹面側を少なくともレ
ンズの周縁部と接触可能な遮蔽部材で遮蔽し、レンズと
遮蔽部材との接触部を除去可能なシール手段でシール
し、前記レンズを被覆処理すると、片面のみが簡易に被
覆処理されること、次いで前記シール部を除去すること
により両面の表面処理態様が互いに異なるレンズが効率
的に得られることを見出し本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、少なくとも一方の面
が平面又は凹面であるレンズを処理する方法であって、
レンズの平面又は凹面側を少なくともレンズの周縁部と
接触可能な遮蔽部材で遮蔽し、レンズと遮蔽部材との接
触部を除去可能なシール手段でシールし、前記レンズを
被覆処理するレンズの処理方法を提供する。
【0010】本発明は、また、少なくとも一方の面が平
面又は凹面であり、且つ両面の表面処理態様が互いに異
なるレンズの製造方法であって、レンズの平面又は凹面
側を少なくともレンズの周縁部と接触可能な遮蔽部材で
遮蔽し、レンズとの接触部を除去可能なシール手段でシ
ールし、前記レンズを被覆処理し、次いで前記シール部
を除去するレンズの製造方法を提供する。
【0011】本発明は、さらに、外側の面がハードコー
トされ、内側の面が防曇コートされているレンズを提供
する。
【0012】本発明において、被覆処理に供するレンズ
として、少なくとも一方の面が平面又は凹面であるレン
ズを用いる。このようなレンズには、メニスカスレン
ズ、フラットレンズ、両凹面のダブルレンズ、平面又は
凹面を有するサングラスレンズなどが含まれる。前記レ
ンズは、球面レンズであってもよく、また非球面レンズ
であってもよい。
【0013】前記レンズは、ガラスレンズ又はプラスチ
ックレンズの何れであってもよい。プラスチックレンズ
の材料としては、光線透過率が高く、成形可能なポリマ
ーであればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート等
のメタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート等のポリジアリルグ
リコールカーボネート類、ポリスチレン、アクリロニト
リル−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチ
レン共重合体、ゴム強化メタクリル樹脂、セルロースア
セテート等のセルロースエステル類、ポリ塩化ビニル、
ABS樹脂などが例示できる。これらのうち、透明性、
成形性に優れ、機械的強度の高いポリカーボネートなど
が好ましい。
【0014】本発明では、レンズの平面又は凹面側を少
なくともレンズの周縁部と接触可能な遮蔽部材で遮蔽
し、レンズと遮蔽部材との接触部を除去可能なシール手
段でシールする。前記遮蔽部材としては、レンズの周縁
部で封止するため、少なくともレンズの周縁部と接触可
能であれば特に限定されない。例えば、プラスチック
製、ガラス製、金属製等のシートなどを用いることがで
き、シートは凹面状などに湾曲していてもよい。また、
前記遮蔽部材として、レンズの周縁部と接触可能であっ
て、且つレンズとの対向面が平面又は凹面に形成されて
いるレンズを用いてもよい。後者の場合、例えば、2枚
の同種又は異種のレンズの平面又は凹面側を対向させ周
縁部で封止させることにより、それぞれのレンズの平面
又は凹面側を互いに遮蔽することができる。
【0015】前記遮蔽部材によるレンズ周縁部の遮蔽に
際しては、レンズの平面又は凹面側と遮蔽部材との間に
空間を形成するのが好ましい。このような空間を形成す
ると、レンズ及び遮蔽部材の少なくとも一方の部材とし
て、弾性又は可撓性を有する部材を用いると、レンズと
遮蔽部材との周縁部をシール手段で封止しても、前記周
縁部などを押圧することにより、両者を容易に分離でき
る。特に凹面を互いに対向させた一対のプラスチックレ
ンズの周縁部をシールする場合には、周縁部の押圧に伴
なって、プラスチックレンズの弾性により、両者を外方
方向に引離す力が作用するので、レンズを損傷させるこ
となく効率よく分離できる。しかも、この場合には、外
面に同一の被覆処理が施されたレンズを一度に2枚得る
ことができるという利点をも有する。
【0016】前記シール手段としては、除去可能であっ
て、レンズ表面を損傷させることなく、表面処理がレン
ズの外面にのみ施され得るような手段であればよい。例
えば、レンズと遮蔽部材との接触部を溶着でき、溶着の
程度も振動数、強度、時間などを調整することにより制
御できる超音波や高周波による周縁部の溶着;適当な接
着剤等による周縁部の接着等を行うことができる。
【0017】前記接着剤としては、レンズの材質に応じ
て、プラスチック用として通常用いられる接着剤、例え
ば、エチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステ
ル等のビニル化合物の重合体であるビニル重合体接着
剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどのゴム系接着
剤;ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの重縮合、重
付加物接着剤等が挙げられる。
【0018】前記シール手段によるシール強度は、被覆
処理後に除去可能な程度であり、例えば、テンサイルテ
スターによる引張り試験法で30〜1000g/cm、
好ましくは50〜200g/cm程度である。
【0019】前記シール後、レンズを被覆処理する。前
記被覆処理としては、レンズの表面特性を改善するため
に行われる種々の被覆処理、例えば、塗膜形成処理、無
機質膜形成処理等が挙げられる。
【0020】塗膜形成処理には、ハードコート、防曇コ
ート、紫外線吸収コート、近赤外線吸収コート、青色光
吸収コート、染料溶出防止コート、帯電防止コート等が
含まれる。
【0021】塗膜形成処理は、例えば、ハードコート
剤、防曇処理剤、紫外線吸収剤等の処理剤をレンズに塗
布した後、必要に応じて乾燥、硬化させることによって
行うことができる。前記処理剤は、適当な溶媒に溶解又
は懸濁させた溶液である場合が多い。
【0022】前記溶媒は、形成させる塗膜の種類によっ
て異なるが、レンズを浸蝕しない種々の溶媒、例えば、
水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類;メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢
酸セロソルブ等のセロソルブ類;ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素等が例示できる。これ
らの溶媒は混合して用いてもよい。
【0023】処理剤は一種又は二種以上混合して用いて
もよく、また、必要に応じて、硬化触媒;シリカ、チタ
ニア、酸化セリウム等の無機微粒子、着色剤、界面活性
剤などの添加剤を併用してもよい。
【0024】前記処理剤の塗布方法としては、例えば、
浸漬法、スプレー法、フローコート法、カーテンコート
法、スピンコート法等の慣用の塗布方法を採用すること
ができる。本発明の方法では、レンズと遮蔽部材との周
縁部がシール手段により封止されているので、浸漬法や
スプレー法などを採用しても、レンズの一方の面だけを
処理できるという利点がある。これらの方法のうち、特
に、コーティング剤のロスが少なく、良好な作業環境で
処理でき、しかも優れた平滑精度が得られる浸漬法が好
適に用いられる。
【0025】なお、レンズと塗膜との密着性を向上させ
るため、前記処理剤による処理に先立って、レンズ表面
を、プライマー、例えば、(メタ)アクリル系重合体等
からなるプライマーで処理してもよい。
【0026】前記ハードコート剤としては、特に限定さ
れず、例えば、有機ケイ素化合物の一種又は二種以上の
部分加水分解物等のシリコン系ハードコート剤などが挙
げられる。前記有機ケイ素化合物には、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン
などのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシランなどのトリアルコキ
シシラン類;メチルトリアセトキシシラン、エチルトリ
アセトキシシランなどのトリアセトキシシラン類;ジメ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランな
どのジアルコキシシラン類等が含まれる。これらの有機
ケイ素化合物は、エポキシ基などを含んでいてもよい。
【0027】ハードコート剤をレンズ表面に塗布した
後、通常硬化工程に供される。硬化条件は、ハードコー
ト剤や硬化触媒の種類等によって異なるが、硬化温度は
レンズの熱変形温度未満の温度、例えば40〜250℃
程度、硬化時間は0.05〜24時間程度である。
【0028】前記防曇処理剤には、ヒドロキシル基、エ
ーテル結合等の親水性基を有する種々の樹脂組成物、例
えば、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、光硬
化性樹脂組成物等が含まれる。好ましい防曇処理剤に
は、塗膜の特性に優れる熱硬化性樹脂組成物、光硬化性
樹脂組成物が含まれる。光硬化性樹脂組成物を用いる
と、熱による悪影響を抑制しつつ、効率よく防曇性被膜
を形成できるという利点がある。
【0029】前記熱可塑性樹脂組成物としては、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、水溶性アクリル樹脂などの親水性ポリマーを含む組
成物が挙げられ、熱硬化性樹脂組成物としては、例え
ば、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリ
コール単位を有する不飽和ポリエステルやポリウレタ
ン、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの硬化に利用
可能な官能基を有する水溶性アクリル樹脂のポリマー
と、重合開始剤やメラミン樹脂などの硬化剤とを含む組
成物などが例示できる。
【0030】光硬化性樹脂組成物としては、例えば、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、ペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、グリセリン1モルと(メタ)アクリ
ル酸グリシジル1〜2モルとの付加物などのヒドロキシ
ル基を有する重合性モノマー、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
などのエーテル結合を有する重合性モノマーなどの親水
性光重合性モノマーと、光重合開始剤とを含む組成物が
含まれる。
【0031】光硬化性樹脂組成物は、被膜形成成分とし
て、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン
などの重合性単量体の単独重合体又は共重合体などの熱
可塑性樹脂;エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレ
タン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アク
リレートなどの光硬化性樹脂などを含んでいてもよい。
さらに、光硬化性樹脂組成物は、重合性モノマー、例え
ば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、グリセ
リントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)
アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類などの
他、着色剤、界面活性剤などを含んでいてもよい。
【0032】このような防曇処理剤をレンズ表面に塗布
した後、乾燥、加熱、紫外線照射等により硬化させるこ
とにより、レンズ表面に防曇被膜を形成できる。
【0033】前記無機質膜形成処理には、無機強化コー
ト、反射防止コート、赤外線反射コートなどが含まれ
る。
【0034】無機質膜形成処理は、慣用の方法、例え
ば、真空蒸着法、イオンスパッタリング法などにより行
うことができる。被膜は、例えば無機強化コートの場合
は特殊ガラス、反射防止コートの場合はSiO、SiO
2 、ZrO2 、Al2 3 、TiO2 、Ti2 3 、M
gO、MgF2 、CeO2 、ThO2 など、赤外線反射
コートの場合はアルミニウム、金などで形成される。被
膜は単層であっても多層であってもよい。
【0035】前記被覆処理により形成される各被膜の厚
みは、被覆処理の種類により異なり、例えばハードコー
ト、防曇コートなどの塗膜形成処理によって形成される
被膜の場合には、通常1〜20μm、好ましくは3〜1
0μm程度である。
【0036】本発明において好ましい被覆処理には、ハ
ードコートおよび防曇コートなどが含まれる。特に、ハ
ードコートに際してシリコン系ハードコート剤を用いる
と、表面張力の小さなシリコン系被膜が形成される。そ
のため、シリコン系被膜をマスキング剤でマスキングし
て、レンズの外面とは異なる被膜形成処理をレンズの両
面に施した後、前記マスキング層を容易に剥離でき、マ
スキング層の剥離に伴なってレンズの内面に外面とは異
なる被膜を形成できるという利点を有する。
【0037】上記のように被覆処理した後、前記シール
部を除去することにより、両面の表面処理態様が互いに
異なるレンズを製造することができる。
【0038】シール部を除去する手段としては、レンズ
や被膜を損傷しない限りいかなる手段を用いてもよい。
例えば、手又は適当な道具を用いることによりシール部
を除去できる。なお、前記のように、レンズ及び遮蔽部
材の少なくとも一方の部材として、弾性又は可撓性を有
する部材を用い、レンズと遮蔽部材との間に空間を形成
すると、レンズと遮蔽部材との周縁部などを押圧するこ
とにより、両者を容易に分離できる。
【0039】このようして、レンズ表面が未処理のレン
ズを本発明の被覆処理に供する場合には、一方の面が未
処理で他方の面が被覆処理されたレンズが得られる。ま
た、例えば、前記被覆処理等、既に何等かの表面処理が
なされたレンズを本発明の方法に供する場合には、レン
ズの両面に互いに異なった表面処理が施されたレンズが
得られる。
【0040】本発明においては、シール部を除去した
後、さらに、外面とは異なる被覆処理を、少なくとも内
面に施すことができる。前記内面に施す処理は、外面に
施した被覆処理とは異なる処理であるのが有用であり、
前記の種々の被覆処理が挙げられる。各被覆処理は、前
記した方法によって行うことができる。また、この処理
は、内面のみに施してもよく、両面に施してもよい。
【0041】前記処理を内面のみに施す場合には、例え
ば、シール部を除去する前に外面をマスキングし、次い
でシールを除去して、両面に前記被覆処理を行い、しか
る後に外面のマスキング層を除去すればよい。
【0042】マスキングの方法としては、外面に施した
被膜が損傷せず、シール除去後の両面の被覆処理工程で
マスキング層が剥離しないような方法であればよい。マ
スキングは、剥離可能な被膜を形成させたり、フィルム
等を張付けることによって行うことができる。例えば、
レンズの外面がシリコン系ハードコート剤によりハード
コートされている場合には、適当なマスキング剤又は塗
料によるコーティング、あるいはマスキングシートやマ
スキングフィルムの張付け等によりマスキングを行うこ
とができる。この場合には、前記のように、レンズの外
面が表面張力の小さなシリコン系被膜が形成されている
ため、レンズ両面の被覆処理後、外面に形成されたマス
キング層を前記被覆処理により形成された外面の被膜と
共に容易に剥離することができ、マスキング層の剥離に
伴なってレンズの内面に外面とは異なる被膜を形成する
ことができる。また、マスキングは、レンズの外面に離
型剤を塗布した後、塗料等を塗布したり、フィルム等を
張付けることによって行うこともできる。
【0043】前記マスキング剤としては、例えば、サン
ノプコ(株)製のTC−530−SN、TC−533−
SN、TC−539−SN、ノプコマスク4056、ノ
プコマスクUV−30等が挙げられる。また、前記塗料
には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、水性樹脂等が含まれる。
前記塗料として、例えば、ストリップペイント[田辺化
学工業(株)製、関西ペイント(株)製など]として市
販されている塗料等を用いることができる。塗料等によ
るコーティングは、例えば浸漬法等によって行うことが
できる。
【0044】マスキング層の除去法としては、例えば、
形成された被膜又はシートを剥がしたり、適当な溶媒に
より塗料等を溶解させる方法等が例示できる。マスキン
グ層の剥離強度は、テンサイルテスターによる引張り試
験法で、例えば、幅15mm当り5〜100g程度であ
る。
【0045】本発明の方法において、レンズの外面にハ
ードコートを施した後、外面をマスキングし、次いでシ
ールを除去し、両面に防曇処理を施し、しかる後にマス
キング層を除去する場合には、外側の面がハードコート
され、内側の面が防曇コートされたレンズを得ることが
できる。このレンズは、外側の面にハードコート層が形
成されているため外界の物体や風塵等による傷に強く、
しかも内側の面に防曇被膜が形成されているため発汗や
吐息等によるレンズの表面の曇りを防止できるという優
れた特性を有する。従って、このレンズは、実用的なメ
ガネレンズとして極めて有用である。
【0046】本発明の方法により製造されたレンズは、
サングラスレンズ、度付きメガネレンズ、光学器械用レ
ンズ等として好適に用いることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、簡易な手段によ
り、レンズの片面のみが被覆処理されるため、両面の表
面処理態様が互いに異なるレンズを効率的に製造でき
る。
【0048】また、本発明のレンズは、外界の物体や風
塵等による傷に強く、しかも発汗や吐息等によるレンズ
表面の曇りを防止できる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、これらの実施例により限定されるものではな
い。なお、実施例中において、部は重量部を表す。
【0050】実施例 ポリカーボネート製のレンズ(外径75mm、中心厚2
mm)2枚を、凹面同士を向かい合わせ、周縁部を超音
波によりシールした。
【0051】シールした2枚のレンズを、下記の組成か
らなるハードコート液に浸漬し、10cm/分の速度で
引き上げ、100℃、3時間で硬化させて、レンズの外
面をハードコートした。被膜の厚みは8μmであった。
【0052】 メチルトリエトキシシラン部分加水分解縮合物 25部 エタノール 50部 酢酸 9部 イソプロパノール 15部 界面活性剤[信越化学(株)製、S−113] 1部 次いで、ハードコートしたレンズを、ストリップペイン
ト[田辺化学工業(株)製]に浸漬し、15cm/分の
速度で引上げ、30℃で1時間乾燥して外面をマスキン
グした。
【0053】外面をマスキングしたレンズのシール部を
除き、2枚のレンズに分離した。分離した各レンズを、
下記の組成からなる防曇コート液に浸漬し、8cm/分
の速度で引き上げ、乾燥し、紫外線照射により硬化させ
て、レンズの両面を防曇処理した。防曇被膜の厚みは1
0μmであった。なお、アクリル系防曇処理剤溶液とし
て、光硬化性樹脂組成物(2−ヒドロキシエチルメタク
リレートとジエチルアミノエチルメタクリレートの共重
合体、ポリエチレングリコールジアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、光重合開始剤を含む)
のイソプロパノール溶液を用いた。
【0054】 アクリル系防曇処理剤溶液 40部 n−プロパノール 20部 イソプロパノール 10部 セロソルブ 30部 前記マスキングによって形成された被膜を剥がすことに
より、外側の面がハードコートされ、内側の面が防曇コ
ートされたレンズが得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の面が平面又は凹面であ
    るレンズを処理する方法であって、レンズの平面又は凹
    面側を、少なくともレンズの周縁部と接触可能な遮蔽部
    材で遮蔽し、前記レンズと遮蔽部材との接触部を除去可
    能なシール手段でシールし、前記レンズを被覆処理する
    レンズの処理方法。
  2. 【請求項2】 遮蔽部材が、レンズの周縁部と接触可能
    であって、且つレンズとの対向面が平面又は凹面に形成
    されているレンズである請求項1記載のレンズの処理方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の面が平面又は凹面であ
    り、且つ両面の表面処理態様が互いに異なるレンズの製
    造方法であって、レンズの平面又は凹面側を少なくとも
    レンズの周縁部と接触可能な遮蔽部材で遮蔽し、前記レ
    ンズと遮蔽部材との接触部を除去可能なシール手段でシ
    ールし、前記レンズを被覆処理し、次いで前記シール部
    を除去するレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 2枚のレンズの凹面側を対向させ、その
    周縁部を除去可能なシール手段でシールし、前記レンズ
    を被覆処理し、次いでシール部を除き2枚のレンズを分
    離する請求項3記載のレンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 シール部を除去した後、外面とは異なる
    被覆処理を、少なくとも内面に施す請求項3記載のレン
    ズの製造方法。
  6. 【請求項6】 外面にハードコートを施し、内面に防曇
    コートを施す請求項5記載のレンズの製造方法。
  7. 【請求項7】 外側の面がハードコートされ、内側の面
    が防曇コートされているレンズ。
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