JPH06287477A - 耐汚染性樹脂組成物 - Google Patents

耐汚染性樹脂組成物

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JPH06287477A
JPH06287477A JP5078131A JP7813193A JPH06287477A JP H06287477 A JPH06287477 A JP H06287477A JP 5078131 A JP5078131 A JP 5078131A JP 7813193 A JP7813193 A JP 7813193A JP H06287477 A JPH06287477 A JP H06287477A
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JP
Japan
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resin
weight
parts
surface tension
resin composition
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Application number
JP5078131A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Masao Maki
正雄 牧
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐汚染性樹脂組成物に関するもので、通常の
汚れに対しても、細菌、かび、酵母といった特殊な汚れ
に対しても極めて優れた防汚性を有する樹脂組成物を提
供することを目的としたものである。 【構成】 臨海表面張力が40dyne/cm以下の樹
脂とシリコーン樹脂及び抗菌剤とで構成されている。 【効果】 臨海表面張力が40dyne/cm以下の樹
脂とシリコーン樹脂との相乗作用である表面自由エネル
ギーの低下による良好な撥水、防汚効果、及び微生物に
原因する汚れに対しても優れた防汚性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた耐汚染性を有する
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に高分子プラスチックスは低エネ
ルギー表面であり、金属は高エネルギー表面であるとい
われている。高エネルギー表面は汚染に特に敏感であ
り、従来より塗装などでその表面を保護する方法が取ら
れてきた。一方低エネルギー表面の代表である高分子プ
ラスチックス類は、昨今のコストダウン、あるいは製品
の軽量化などの要求と相まってその使用量が激増してい
る。そしてそれら高分子プラスチックスは汚染に対して
比較的鈍感ではあるが、製品の高品質化指向、及び消費
者の健康,清潔指向の高まりにともなってより汚れのつ
きにくい高分子プラスチックス製品の開発が要望されて
いる。
【0003】汚れの化学的成分は複雑であり、それらの
全てが十分に解明されているわけではないが、汚れの成
分として、一般的にはゴミ、油脂系、タンパク質系、炭
水化物系、塩類、色素系、樹脂系などが挙げられ、特殊
な汚れ成分として細菌、黴類などが挙げられる。通常こ
れらの成分が単品ではなく、複合した形で汚れが形成さ
れている。これらの汚れが基体に付着する形体として
は、次のように区分できる。 a.基体の外面の構造の中に汚れの粒子が単純に絡まっ
ているもの。 b.基体と汚れの分子間の吸引力によるものでファンデ
ァ・ワールス力と呼ばれるものである。 c.両者の静電気的な性質によって付着しているもの。 d.基体の表面分子と弱い化学的な結合状態にあるも
の。 e.基体の表面組織の中に汚れが浸透、拡散しているも
の。 これらの汚れ付着の形体からみて、汚染防止法としては
次の方法が有効である。 1.基体表面の撥水性を改善し、汚れ成分が基体表面に
接近するのを防止する。 2.基体表面を平滑にし、物理的付着を防止する。 3.基体を電気的に中性化する。 以上の中では特に(1)の汚れ成分が基体に接近するの
を防止することが最も効果的であると考えられる。
【0004】従って従来は、汚れ防止の具体的方法とし
ては、主に次の方法が採用されていた。 1)基体表面を、表面エネルギーの比較的小さい物質、
例えば、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、及びフッ
素系樹脂などの塗料で処理し、表面の水に対する接触角
を向上させることにより汚れをつきにくくする。 2)基体表面にハードコート処理を行い平滑性の向上に
よる汚れ防止と擦傷による汚れを防止する。 3)基体へ帯電防止剤を添加することにより、電気的に
中性にし汚れにくくする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記する
従来の表面エネルギーの小さい樹脂塗料で処理する方
法、あるいはハードコート処理する方法においては、塗
装工程、乾燥工程、硬化工程等煩雑な工程が必要とな
り、しかも基材との密着性の問題とともにきわめて薄い
塗膜であるため、その耐久性もよくないという問題であ
った。又細菌、黴、及びぬめりの主原因である酵母など
による特殊な汚れに配慮がなされていなかった。
【0006】帯電防止剤の添加については、元来汚れ防
止効果が少なくしかもその効果が持続しないという欠点
を持っている。
【0007】そこで本発明の目的とするところは、撥水
性に優れしかもその効果が持続し、一般的な汚れはもち
ろん細菌,黴,酵母といった微生物による特殊な汚れに
対しても優れた耐汚染性を有し、また従来と同様な樹脂
成型条件で成型可能であり、塗装工程、乾燥工程、硬化
工程といった煩雑な工程が不必要である樹脂組成物を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、臨界表面張力が40dyne/cm以下の樹
脂とシリコーン樹脂及び抗菌剤を組み合わせた樹脂組成
物により防汚性を著しく改善した。
【0009】本発明に於ける臨界表面張力が40dyn
e/cm以下の樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン10・1
0、ナイロン10、ナイロン8・8、ナイロン9・9、
ポリスチレン、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、
AS(アクリロニトリル・スチレン共重合物)、ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
物)、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
【0010】本発明に於けるシリコーン樹脂としては、
ジメチルポリシロキサン、メチルフエニルポリシロキサ
ン、ジフエニルポリシロキサンなどの純シリコーン樹
脂、純シリコーン樹脂をアルキッド樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの変性用樹脂と
反応させた変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0011】請求項2の発明はシリコーン樹脂の配合割
合を臨界表面張力が40dyne/cm以下の樹脂10
0重量部当り0.5〜15重量部、特に1〜10重量部
とした。
【0012】本発明に於ける抗菌剤としては、無機系抗
菌剤として、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀等の銀塩、銀、
銅、亜鉛あるいは錫を担持したゼオライト、及び銀、
銅、亜鉛あるいは錫を担持したシリカゲルなどが挙げら
れる。
【0013】有機系抗菌剤として、10,10’−オキ
シビスフエノキサアルシンなどフエニルエーテル誘導
体、シクロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合
物、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TB
Zと略称)などイミダゾール誘導体、2,3,5,6テ
トラクロルー4−(メチルスルホニル)ピリジンなどス
ルホン誘導体およびセシルジメチルエチルアンモニウム
ブロミドなど第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0014】請求項4の発明における抗菌剤の配合割合
は、無機系抗菌剤については、臨界表面張力が40dy
ne/cm以下の樹脂100重量部に対し、0.5〜3
重量部とした。
【0015】請求項4の発明における有機系抗菌剤につ
いては、臨界表面張力が40dyne/cm以下の樹脂
100重量部に対し、0.05〜1重量部の範囲とし
た。
【0016】
【作用】本発明による耐汚染性に優れた樹脂組成物は、
臨界表面張力が40dyne/cm以下の樹脂にシリコ
ーン樹脂を配合することによる両樹脂の特殊な相乗効果
により水に対する接触角が100゜を越えるような非常
に高い撥水性と良好な滑り性を発現し、一般的な汚れの
付着を防止する。
【0017】また抗菌剤の作用で特殊な汚れである細
菌、かび、酵母の繁殖を効果的に防止することができ
る。この中で無機系抗菌剤は、特に細菌に対し有効な抗
菌性を有し、有機系抗菌剤は特にかび、酵母に対し有効
な抗菌性を有する。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。なお、臨界表面張力が40dyne/cm以下の樹
脂としてはポリプロピレン樹脂(以下PPと略称す
る)、シリコーン樹脂としてはエチレンビニルアセテー
トに高分子量シロキサンをグラフト重合させたもの、有
機系抗菌剤としては安全性が高く最も多く使用されてい
るTBZ、無機系抗菌剤については銀を担持したゼオラ
イトを例として説明する。しかしながら本発明はこれら
の実施例によって何等制限を受けるものではない。
【0019】なお、臨界表面張力が40dyne/cm
を越える樹脂をシリコーン樹脂に配合しても樹脂組成物
表面の水に対する接触角はあまり増大せず、汚れ防止効
果は少ない。
【0020】また、臨界表面張力が40dyne/cm
以下の樹脂に、シリコーン樹脂を過度に多く配合する
と、樹脂の表面性が劣化し、物理的性質も変化する。
【0021】また抗菌剤または防かび剤の配合割合は、
あまり少量であると防菌性または防かび性がなく、逆に
多量にすぎると樹脂に着色とかブルームするなどの影響
を与え好ましくない。
【0022】(実施例1)PP樹脂100重量部、シリ
コーン樹脂0.5重量部、TBZ0.01重量部、銀ゼ
オライト0.05重量部をよく混合し、成形機で成形し
板状の樹脂成形物を得た。
【0023】(実施例2)PP樹脂100重量部、シリ
コーン樹脂1.0重量部、TBZ0.1重量部、銀ゼオ
ライト0.5重量部をよく混合し、成形機で成形し板状
の樹脂成形物を得た。
【0024】(実施例3)PP樹脂100重量部、シリ
コーン樹脂5.0重量部、TBZ0.25重量部、銀ゼ
オライト0.75重量部をよく混合し、成形機で成形し
板状の樹脂成形物を得た。
【0025】(実施例4)PP樹脂100重量部、シリ
コーン樹脂10重量部、TBZ0.5重量部、銀ゼオラ
イト1.0重量部をよく混合し、成形機で成形し板状の
樹脂成形物を得た。
【0026】(実施例5)PP樹脂100重量部、シリ
コーン樹脂15重量部、TBZ1.0重量部、銀ゼオラ
イト2.0重量部をよく混合し、成形機で成形し板状の
樹脂成形物を得た。
【0027】(比較例)PP樹脂を各々の実施例と同様
に成形機で成形し板状の樹脂成形物を得た。
【0028】各実施例および比較例で得た各々の樹脂成
形物の水に対する接触角を、協和界面化学社製の接触角
測定装置(CA−Z型)で測定した。また各々の樹脂成
形物の耐汚染性をJISK3370に順じて確認した。
なお、耐汚染性能の比較は目視で行い、比較例に於ける
汚れ具合いを(△)とし、それより悪い場合(×)、良
い場合を(○)とし各々相対評価しその結果を(表1)
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】次に、各実施例および比較例で得た樹脂成
形物の抗菌性能、およびかび抵抗性について試験を行っ
た。
【0031】各試料(50×50mm)に菌液(一般細
菌および大腸菌)1ミリリットルを滴下し、37℃で2
4時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて菌
を洗い出した。この洗い出した液中の生菌数を、菌数測
定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。その結果を
(表2)に示す。
【0032】
【表2】
【0033】寒天培地上に置いた各試料(50×50m
m)にアスペルギルス・ニガー菌液を噴霧し、25℃、
7日間培養しその結果を(表3)に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の耐汚染性樹
脂組成物は、臨海表面張力が40dyne/cm以下の
樹脂とシリコーン樹脂との相乗作用により表面エネルギ
ーが低下し、良好な防汚性を得ることが出来る。また、
微生物(細菌、かび、酵母など)に原因する特殊な汚れ
に対しても優れた防汚性を発揮するため、建築、家電製
品、台所製品、バス・サニタリー製品など種々な分野の
汚れが付着し易い製品に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/14 PQL 6904−4J PQM 6904−4J //(C08L 101/00 83:04)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臨界表面張力が40dyne/cm以下の
    樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂の中に、シ
    リコーン樹脂及び抗菌剤を分散したことを特徴とする耐
    汚染性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】臨界表面張力が40dyne/cm以下の
    樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂100重量
    部に対してシリコーン樹脂を1〜10重量部配合したこ
    とを特徴とする請求項1記載の耐汚染性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】臨界表面張力が40dyne/cm以下の
    樹脂の中から選ばれた少なくとも1種の樹脂の中に、シ
    リコーン樹脂及び抗菌剤を分散し、前記抗菌剤が無機系
    抗菌剤の少なくとも1種、及び有機系抗菌剤の少なくと
    も1種とからなることを特徴とする耐汚染性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】臨界表面張面が40dyne/cm以下の
    樹脂100重量部に対し、無機系抗菌剤を0.5〜3重
    量部、有機系抗菌剤を0.05〜1重量部を分散した請
    求項3記載の耐汚染性樹脂組成物。
JP5078131A 1993-04-05 1993-04-05 耐汚染性樹脂組成物 Pending JPH06287477A (ja)

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JP (1) JPH06287477A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018111683A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 Toto株式会社 樹脂成形体および水まわり部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018111683A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 Toto株式会社 樹脂成形体および水まわり部材

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